純邦楽のコンサートです。
朝香麻美子 箏・三弦リサイタル ~女性のあり方をよむ~
期 日 : 2017年11月7日(火)会 場 : 紀尾井ホール 東京都千代田区紀尾井町6番5号
時 間 : 18時30分開場 19時開演
料 金 : 3,000円(全席自由)
主 催 : オフィス朝香
後 援 : 公益財団法人 日本伝統文化振興財団
出 演 : 朝香麻美子 賛助出演 鈴木璋子(歌・箏)
曲 目 : 奥組 初音曲(山田検校 作曲) 那須野(山田検校 作曲)
樹下の二人(高村光太郎 作詩 小山清茂 作曲)
遠野(柳田國男 作歌 唯是震一 作曲)
遠野(柳田國男 作歌 唯是震一 作曲)
箏曲奏者・友渕のりえさんの委嘱による昭和50年(1975)作曲の「樹下の二人」がプログラムに入っています。初演もこの年でした。
作曲者の故・小山清茂氏のことば。
此の曲を作曲するに当って、私は、出来るだけ自然な節回わしであり度いと願った。そして、幸福な二人を表現するため、音域を中庸に保つ様に気をつけた。
昭和五十年作曲以来、何十回うたってくれたことでしょう。今、友渕さんの歌うのを聴けば、総べては全く自然そのもの、音符はおおよその目安にすぎなくなって「彼女のもの」になって居ることを感ずる。
その後、いろいろな方が取り上げられ、CDに収められたり、コンサートの演目になったりしています。
当方、平成26年(2014)、この曲が演奏された箏曲奏者の故・浜根由香さんのコンサート「浜根由香 東北を謳う」を聴きに、福島県南相馬市に行って参りました。その後、その際のライヴ録音のCDも入手。例によって連翹忌の宣伝をし、いずれ連翹忌で演奏していただきたいものだと思っておりましたが、浜根さん、昨年6月に亡くなられたそうで、ショックでした。
改めまして、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
【折々のことば・光太郎】
あの欲情のあるかぎり、 ほんとの為事は苦しいな。 美術といふ為事の奥は さういふ非情を要求するのだ。 まるでなければ話にならぬし、 よくよく知つて今は無いといふのがいい、 かりに智恵子が今出てきても 大いにはしやいで笑ふだけだろ。
連作詩「智恵子抄その後」中の「吹雪の夜の独白」より 昭和24年(1949) 光太郎67歳
「あの欲情」は、性欲を指します。「枯淡の境地」といいますが、そこに至るまでに乗り越えてきたものの大きさが重要だと思います。元々枯れていた、ではやはり深みがありません。紆余曲折や多大な犠牲があっての「枯淡」。そういう意味での「非情」なのでしょう。