カテゴリ:音楽/演劇等 > 朗読

NHKラジオ第一放送の深夜番組「ラジオ深夜便」。明日の晩から明後日未明にかけてのオンエアです。 
5月30日(月)午前0時台と1時台(29日(日)深夜)
出演:桂幸丸さん(落語家)、石澤典夫アンカー、村上里和アンカー

東日本大震災の被災地復興支援のひとつとしてNHKが行っている「公開復興サポート 明日へ」の公開収録が、5月22日に福島県郡山市で行われました。 その中から、第一部として福島県出身の桂幸丸さんの落語とインタビュー、第二部としてアンカーのトークと「智恵子抄(高村光太郎作)」「蜘蛛の糸(芥川龍之介作)」「矢村のヤ助(かこさとし作)」の朗読をお聞きいただきます。

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午前1時台の「朗読とトーク」で、「智恵子抄」が取り上げられます。石澤アナか、それとも村上アナか、はたまたお二人ともか、そのあたりは不明ですが、とりあえず聴いてみます。

それに先立つ午前0時台、落語家の桂幸丸師匠がご出演。オリジナルの新作落語「円谷幸吉伝」が流れるそうです。須賀川市ご出身の幸丸師匠、福島に題を採った新作落語を多数発表されています。「新島八重伝」、「瓜生岩子伝」、「野口英世伝」、「福島方言」、「常磐ハワイアンセンター物語」、そして「智恵子抄」。

■『智恵子抄』でお馴染みの高村智恵子。その人生は、恵まれた環境で好きな事に一生懸命打ち込む幸せな少女時代、学生時代の智恵子であったが、その後不幸が彼女を次々と襲い苦悩し葛藤する。そして最後に見つけた彼女の人生の一筋の光は紙絵制作。52才で亡くなるまでの3年8か月の入院生活の間に千数百点の作品を作り上げました。穏やかなテンポの噺の流れでありながら、聴いている内に自然に微笑んでしまうような、そんなステキな作品です。

当方、CDを持っております。

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今回の演目は「円谷幸吉伝」ですが、「智恵子抄」に関するお話も出ることを期待します。


ぜひお聴き下さい。


【折々の歌と句・光太郎】

病またたのしき如し五月尽   昭和20年(1945) 光太郎63歳

東京のアトリエを焼け出され、花巻の宮沢賢治の実家に疎開、到着した翌日から結核性の肺炎で高熱を発し、病臥していた折の句です。

「月尽」は「月の終わり」という意味で季語として使われる俳諧用語。「五月尽」は「五月末」です。

当方も夏風邪にやられ、ここ数日、寝込んだり起きたりの毎日です。

先月16、17日に青森県十和田市で公演があった、劇団エムズ・パーティーさんによる朗読劇「乙女の像のものがたり」。2日分の公演を撮影したDVD、ブルーレイディスクが届きました。十和田湖・奥入瀬観光ボランティアの会の方が送って下さいました。感謝。

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さっそく拝見。

まず1日目、会場は十和田湖畔の観光交流センター「ぷらっと」。

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基本、動きはなく、スクリーンにスライドショーを投影しながらセリフやト書きを朗読するという形です。

総勢10名以上の方がご出演。登場人物が多いので、お一人で2役、3役こなされた方もいらっしゃいました。原作は当方ですが、上演されることを前提には書かなかったので、キャラが多くなってしまいました。「史実」という制約があると、尚更です。「史実」を大胆に改変していいのであれば、明治末の「パンの会」の場面前後にだけ登場した北原白秋柳敬助夫妻を、全体の狂言回しに使った草野心平や、後半に登場する佐藤春夫夫妻に替えてしまったりした方が、ストーリー的にはすっきりするな、と感じました。

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左が智恵子役の仲島みちるさん、右が光太郎役の子午線馬ノ助こと植田祐介さん。お二人とも、さらに他の皆さんも、まさしく「熱演」でした。

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エンドロールには、当方の名も出して下さいました。

2日目は、十和田市街の市民交流プラザ「トワーレ」。こちらは市街ということもあり、予定を大幅に上回るお客さんの入りだったそうです。

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2回目ということもあり、キャストの皆さんも、さらに熱の入ったパフォーマンスでした。

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エンドロールのバックに、テーマソング的に佐藤春夫作詞の「湖畔の乙女」を流したところ、前日の「ぷらっと」での公演でもそうでしたが、観客席の皆さんも自然と大合唱。

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小山田十和田市長のごあいさつ。市としても後援に入って下さっていて、ありがたいですね。

今後、市の助成を受け、DVD化して学校さんなどでの上映も検討されているとのこと。是非とも実現してほしいと思います。さらには機会があれば、再演も。


そして観光客や、原作本の売り上げも増加してほしいものです。


【折々の歌と句・光太郎】

やせこけしかの母の手を取りもちてこの世の底は見るべかりけり
昭和2年(1927) 光太郎45歳

明日は「母の日」。

光太郎の母・わかは、大正14年(1925)に亡くなりました。その三回忌を前に作った作です。

昭和20年(1945)、空襲で東京のアトリエを失った光太郎が、岩手花巻への疎開のため東京を発った5月15日、例年、花巻で「高村祭」が行われています。今年で59回目となります。今月号の『広報はなまき』から。 

第59回高村祭

期  日 : 2016年5月15日(日)
会  場 : 高村山荘詩碑前広場 岩手県花巻市太田3-85

光太郎が花巻に疎開してきた5月15日に毎年開かれる「高村祭」。光太郎が暮らした高村山荘にある「雪白く積めり」の詩碑の前では、地元の小・中学生や高校生、花巻高等看護専門学校生による合唱や楽器の演奏、詩の朗読などが行われます。

高村祭特別講演を開催
 高村光太郎と金谷一族について-高村光太郎のいにしえの姿-
【時間】午前11時~正午
【講師】加藤 千晴さん
【内容】
講師の祖母、金谷ふゆは、高村光太郎のいとこで幼なじみでした。祖母ふゆから受け継いだ仏像と光太郎が持っていた仏像のつながりをはじめ、祖母から聞いた光太郎の姿を紹介します。

【駐車場のご案内】
当日はスポーツキャンプむら「メイングラウンド側」駐車場をご利用ください。雨天時は「屋内運動場側」駐車場は利用できません。
【無料臨時バスを運行】往路…花巻駅西口発9時半、復路…高村山荘発15時
【問い合わせ】(一財)花巻高村光太郎記念会事務局(平日電話29-4681)

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毎年、地元小中高生、看護学校生による光太郎詩の朗読、音楽演奏が行われ、さらに記念講演があります(昨年は当方が仰せつかりました)。

今年の講演は、盛岡在住の加藤千晴氏。光太郎の血縁の方です。明治の高村家は、養子縁組等で若干、家系が複雑です。光太郎の父・光雲が徴兵を逃れるため師匠・高村東雲の姉・悦の養子となり、光太郎の母・わかも若くして父を亡くして東雲の妹・きせの養女となりました。きせの実子がふゆ。年齢的には光太郎に近く、幼馴染み的な関係だったので、混乱が生じているようです。光太郎のいとこにあたるのは、ふゆの子の照。その照の子息が加藤千晴氏です。ちなみに照さんは100歳近いということですが、まだご存命です。この方も、戦後に花巻郊外太田村の光太郎の元を訪れています。

昨年暮れに、当方、花巻に参りまして、加藤氏の手記のコピーを戴きました。手記はふゆ・照母子と光雲・光太郎との関わりなどが詳細に記されており、非常に貴重なものでした。今回の講演でも、一般に知られていないエピソードなどが聴けることと思われます。

ぜひ足をお運びください。

前日の5月14日には、光太郎が旧太田村の山小屋に入る前に1ヶ月暮らした、花巻市街の佐藤隆房邸の公開もあります。当方、ここからお邪魔いたします。


【折々の歌と句・光太郎】

米無くばじやがたらいもをわが喰はむみどりの風に身を養はむ
制作時期不詳

昭和4年(1929)刊行の『現代日本文学全集第三十八編 現代短歌集 現代俳句集』に載った作品です。おそらくあまりさかのぼらない時期の制作とは推定できます。

5月となりました。しかも今日は八十八夜だそうです。「みどりの風」が心地よい季節になって参りました。

16日(土)、17日(日)、過日ご紹介した劇団エムズ・パーティーさんによる「十和田湖乙女の像のものがたり」朗読劇が上演されました。

地方紙に載った予告の記事はネット上に出たのですが、上演されたという記事がネットで発見できず、困っておりましたところ、十和田湖・奥入瀬観光ボランティアの会さんの方から、PDFファイルを戴きました。初日の公演を報じた記事でした。 

美しい十和田湖いとおしく 乙女の像さらに身近に 地元劇団、建立物語を朗読

 十和田市の劇団「エムズ・パーティー」が16日、十和田市で朗読劇、「乙女の像のものがたり」を上演した。約30人が像建立までの美しいストーリーに聴き入った。
 「乙女の像のものがたり」は十和田湖・奥入瀬観光ボランティアの会が2年間の調査結果をまとめ、2015年に発行した。会場の十和田市観光交流センター「ぷらっと」は乙女の像が立つ湖畔の休屋にある。
 劇では高村光太郎と智恵子との出会いや死別、乙女の像の建立に動く地元の奮闘などが紹介された。
 同市の小学校教諭・白川星智さん(42)は鑑賞後、「近くに住んでいたが像のことも高村さんのこともよく知らなかった。これを機にまた勉強して周りに広めていきたい」と感想を語った。
 劇団代表の仲島みちるさんは「子どもたちに、乙女の像は素晴らしい人々が関わってできたと知ってほしいし、地域に愛着や誇りを持ってもらいたい。観光振興の一助にもなれば」と話す。
 朗読劇は17日午後3時から、同市の市民交流プラザ「トワーレ」でも開かれる。入場は無料。
(2016/04/17 『東奥日報』)

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光太郎の人生 感情豊かに 「乙女の像のものがたり」劇団が朗読劇上演

 十和田市の劇団「エムズ・パーティー」(仲島みちる代表)は16日、十和田湖畔休屋の十和田湖観光交流センター「ぷらっと」で、朗読劇「乙女の像のものがたり」を上演し、像の作者で詩人である高村光太郎の波乱に満ちた人生を感情豊かに伝えた。
 この朗読劇は、十和田八幡平国立公園の指定80周年を記念し、十和田湖・奥入瀬観光ボランティアの会が編集した冊子を基に制作した。上演時間は約50分。
 会場には約40人が来場した。団員は、場面を伝えるナレーションとスクリーンに映し出される画像に合わせ、立ち上がってせりふを朗読。光太郎と妻智恵子との出会い、光太郎に像の制作が依頼される過程、制作の状況などを生き生きと演じた。
 来場者は、十和田湖を象徴する乙女の像にまつわるエピソードに興味深く見入っていた。
 この朗読劇は、17日午後3時から、十和田市民交流プラザ「トワーレ」で行われる。入場は無料。
(2016/04/17 『デーリー東北』)

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17日の公演については、十和田湖・奥入瀬観光ボランティアの会さんのサイトに記述があります。こちらは市街地ということもあり、100名ほどの観客があったとのこと。当初、60名の定員で告知がされましたが蓋を開けてみれば遙かに多く集まったようで、しかし、閉め出さずに皆さんに聴いていただいたというのは神対応ですね。

 最終日、十和田市トワーレ会場の様子です。
 定員を大幅にオーバーし、お手伝いで参加した私は準備等に焦りました。
 100人ほど、ビチビチで鑑賞していただきました。
 乙女の像のものがたりの本の中から「乙女の像ものがたり」を抜粋し、朗読劇で披露してくれたエムズパー
ティーの皆さんの熱演ぶりに涙がでました。
 生で感じる空気に、どっぷり物語の中に引き込まれてしまい本当に感動でした。
 アンケートや、来場の皆様からは
 「また、見たい。」
 「乙女の像って、こんな経緯で建ったんだ〜」
 「市の文化祭に発表してください」
 「学校でも、やってください」
 など、大変嬉しい声をいただきました。
 そうそう、最後に「湖畔の乙女」の歌が流れたのですが、会場は大合唱でした。
 えっ!?
 皆、知ってるんだ!!
 一冊の本が、朗読劇という表現で「乙女の像」について、皆さんに感動を与えてくれたことに感謝いたしま
す。
 スクリーンの前には、連翹とレモンが添えられていました。
 光太郎と智恵子さんも、仲良く観ていたのでしょうか・・・

「湖畔の乙女」についてはこちら

さらに当日撮影された画像と短い動画も送って下さいました。全編を撮影した動画も後ほど下さるそうです。感謝。

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スクリーンの左下に写っている白い頭は、小山田十和田市長、右のピンクの服の方々は、花巻市からいらした観光ガイドの方々だそうです。ありがたいですね。

メールには「観終わった方たちは、こんな素晴らしい話があっことを知らなかった、もっと子どもたちに教えたほうがいい、と興奮気味でした。」「朗読劇に取り組んだ、劇団エムズパーティーでは、DVDの作成や、外国語版なども作りたいと話していました。」とありました。話半分に聞いても、原作者としては嬉しい限りです。もっとも、原作といっても、誰が書いても同じような話になるわけで、それだけ光太郎智恵子その他の生き様が鮮烈だったということですね。

エムズ・パーティーさんもお忙しいとは存じますが、いろいろなところで再演されることを望みます。


【折々の歌と句・光太郎】

花やいかに歌やいくつのさてつらきただ春の雨むらさきなりき
明治34年(1901) 光太郎19歳

この時期の作には鉄幹与謝野寛の添削がかなり入っているということですが、「雨」を「むらさき」と見るあたりに造形作家としての特別な目が感じられます。

一昨日の『朝日新聞』さんの夕刊に、光太郎の名が出ました。

「あのとき、それから」という、昔懐かしのアイテムなどを紹介する連載で、コーラを紹介するものでした。

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長い記事ですので全文は引用しません。上記画像をクリックすると拡大されます。

記事は、光太郎が亡くなった翌年の昭和32年(1957)、コカ・コーラとペプシコーラの日本法人が本格的に輸入、製造、販売を開始したことに始まり、アメリカでそれぞれが誕生した歴史、本格輸入前の日本での受容が紹介されています。

その中で、光太郎の名が。触れられている段落のみ引用します。

 日本では、大手ブランド2社の上陸前に輸入は始まっていた。輸入小売店の明治屋が1910年代後半に「コカコラタンサン」の広告を出した。高村光太郎の詩集「道程」(14年刊行)には「コカコオラもう一杯」とあり、芥川龍之介が25年に記した手紙にも登場する。

この件はそれなりに有名な話で、日本コカ・コーラ株式会社さんのサイトにも記述がありますし、このブログでも以前にちらっとご紹介しました。

「コカコオラもう一杯」は、『道程』所収の「狂者の詩」(大正元年=1912)という作品の一節です。長い詩ですので、該当部分のみ引用します。

 (略)
 コカコオラ、THANK YOU VERY MUCH
 銀座二丁目三丁目、それから尾張町
 電車、電燈、電線、電話000
 ちりりん、ちりりん、
 柳の枝さへ夜露の中で
 白ぼっけな腕を組んで
 しんみに己に意見をする気だ
 コカコオラもう一杯
 サナトオゲン、ヒギヤマ、咳止めボンボン
 (略)
 ああ、髪の毛の香ひがする
 それはあの人のだ、羚羊(りんやん)の角(かく)
 コカコオラもう一杯
 きちがひ、きちがひに何が出来る
 己はともかくも歩くのだ
 銀座二丁目三丁目、それから尾張町
 (略)

というわけで、「コカコオラ」の語が三回出て来ます。

初出は大正元年(1912)12月の雑誌『白樺』第3巻第12号。この際には「コカコオラ」は「COCA COLA」でした。その他、詩集『道程』(大正3年=1914)に収録される際に、かなりの改変が見られます。

以前は、この時期にコーラはまだ輸入されていなかったはずだ、として、米国留学時代(明治39年=1906~翌年)を思い出しての光太郎の幻想だという説もありました。たしかに、この詩全体が酔っぱらいの幻覚のような内容なので、それも全く否定は出来ません。しかし、近年、コーラ受容の歴史が明らかになるにつれ、本当に銀座でコーラを飲んでいてもおかしくないことがわかってきました。

『朝日新聞』さんの記事に、「輸入小売店の明治屋が1910年代後半に「コカコラタンサン」の広告を出した。」とありますし、明治44年(1911)に発行された雑誌『飲料商報』第27号には、アメリカのコカ・コーラ工場の様子が紹介されています。

 米国人に好かるゝ飲料にコカ、コーラと云ふのがある。此の飲料の壜詰工場は、米国アトランタ州にあつて、主人をモント君と云ふ。モント君非常な八釜敷屋(やかましや)で、工場に向つて「絶対的清潔」を命令するので、職工共は一と通りならぬ、注意と苦心を重ねて居るが、其の結果、此の工場は米国でも第一流の仲間入りが出来て、其の製造にかゝるコカ、コーラの信用は、国の上下に厚いのである。

「狂者の詩」以前に、既にコカ・コーラが紹介されていました。したがって、ネット上に時折「光太郎が初めてコカ・コーラを日本に紹介した」という記述がありますが、それは誤りです。

この話は、画家の林哲夫氏が雑誌『彷001書月刊』第212号(平成16年=2004)に発表した「光太郎、スカッとさわやか――清涼飲料の時代」という記事に引用されていました。

ちなみに『彷書月刊』、題字は当会顧問の北川太一先生作の木版によるものです。

閑話休題。林氏、さらに「サナトオゲン、ヒギヤマ、咳止めボンボン」に注目し、「コカコオラ」を含め、薬局のソーダファウンテンで売られていたのでは、と推測されています。

ソーダファウンテンは、現代のファミレスなどで、ドリンクバーに使われている機械です。やはり林氏によれば、明治35年(1902)に、資生堂さんがアメリカから機械一式を輸入し、全国の薬局や菓子店などが追随したとのことです。資生堂さんといえば資生堂パーラー。ここは光太郎も訪れた店で、銀座で現在も営業中。かつては連翹忌会場に使わせていただいたこともあります。また、林氏は、銀座一丁目で薬品や化粧品を扱っていた佐々木源兵衛商店もその候補に挙げています。

おそらく、そのあたりで正解なのでしょう。

ところで、東北地方に展開する「みちのくコカ・コーラボトリング」さんの工場は、光太郎が戦後の7年間を過ごした花巻郊外旧太田村(現・花巻市太田)にあります。そんなご縁で、昨年5月15日に開催された第58回高村祭のプログラムには、広告を出して下さいました。

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ありがとうございました。


さて、もう1件。明日の話題が予告報道されていますので、今日のうちにご紹介します。 

「乙女の像」制作 朗読劇で 劇団「エムズ・パーティ」16、17日十和田で上演

 十和田八幡平国立公園の002指定80周年を記念し、青森県十和田市の劇団「エムズ・パーティ」(仲島みちる代表)は16、17の両日、市内の2会場で、十和田湖の象徴となっている「乙女の像」をテーマにした朗読劇を上演する。本番を控え、団員たちは声の抑揚や場面を切り替えるポイントの確認など練習に熱を入れている。

 タイトルは「乙女の像のものがたり」で、「十和田湖・奥入瀬観光ボランティアの会」が、像の建立60周年を記念して編集した冊子を基に制作した。

 像の作者である高村光太郎の波乱に満ちた人生を交え、像が完成するまでの過程などを描く。上演時間は約50分。

 練習会場は市民交流プラザ「トワーレ」。夜、仕事を終えた団員が集い、台本を手に感情豊かに、せりふを読み上げた。せりふを切り出すタイミング、声のトーン、場面の進行などを入念にチェックしている。

 仲島代表は「郷土の歴史や文化を子どもたちに伝えたい。朗読劇といっても役者として取り組む以上、感情を込めて表現したい」と意欲を見せる。

 会場は16日が十和田湖観光交流センター「ぷらっと」、17日が十和田市民交流プラザ「トワーレ」で。いずれも午後3時開演。入場は無料。座席数に限りがあるため予約が優先となる。

 申し込み、問い合わせは仲島代表=携帯電話090(7066)2873=へ。


過日もご紹介した「乙女の像のものがたり」朗読劇に関してです。青森の地方紙『デーリー東北』さんでご紹介下さいました。

言い出しっぺである十和田湖奥入瀬観光ボランティアの会さんのサイトにも紹介されています。原作は当方です。自分の作ったものがこういう形で公演されるというのも、不思議な感覚です。

お近くの方、ぜひどうぞ。


【折々の歌と句・光太郎】

赤き屋根のあちこちにあり青畠     明治42年(1909) 光太郎27歳 

当方自宅兼事務所のある千葉県香取市では、そろそろ田植えです。田には水が張られ、蛙の大合唱も始まりました。

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千葉市から朗読イベントのご紹介です。  

第1回「朗読と音楽の刻(とき)・虹」〜朗読とピアノとオカリナのコラボレーション〜

期 日 : 2016年4月11日(月)
時 間 : 開場13時00分 開演13時30分
会 場 : 千葉市美浜文化ホール(2F音楽ホール)
主 催 : 「朗読と音楽の刻・虹」
料 金 : 入場無料(定員150名)

プログラム
 【朗 読】
  「カーニバルのおくりもの」レミイ・シャーリップ&バートン・サプリー原作
  「花咲き山」斎藤隆介原作
  「雪の夜の話」太宰治原作
  「智恵子抄」高村光太郎原作
  「名前」角田光代原作
   ♪朗読作品への挿入曲
    村の踊り(ベートーヴェン) アラベスク第1番(ドビュッシー)
    ソルヴェイグの歌(グリーク) 愛の挨拶(エルガー)他
 【オカリナ・ピアノ演奏】
  「愛のよろこび」ジャンポール・マルティーニ作曲

出 演
 朗 読   吉田光子 内田洋子 吉永裕恵子 助川由利
 ピアノ   杉本美津子
 オカリナ  積田由史子   

お問い合わせ・お申し込み 043−277−3255(杉本) 043−265−8793(助川)


少し半端ですが、今年は智恵子生誕130年という節目の年に当たります。それがどの程度意識されているのか不明ながら、今年に入って、「智恵子抄」をさまざまにアレンジした音楽、演劇、朗読などの公演が相次いで行われています。

さらにこうした動きが広がって欲しいものです。


【折々の歌と句・光太郎】

「ゴンドラ」を一丁漕ぎぬ春の風    明治42年(1909) 光太郎27歳

イタリア旅行中、ベネチアでの作です。ベネチアといえば水の都。現在も観光用のゴンドラが有名です。

当方自宅兼事務所のある千葉県香取市も水郷地帯で、ゴンドラならぬ「サッパ舟」が観光客に人気です。笹の葉の形に似た小舟で、「笹葉舟」転じて「サッパ舟」。昭和30年代くらいまでは生活の足として活用されていました。

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現在は、江戸の面影を残す旧市街の中心部を流れる小野川で、観光船として運行。テレビの旅番組系でもしょっちゅう取り上げられ、レポートにいらっしゃるタレントさんもよく乗られています。

三宅裕司さん。冬のロケだったので、舟にはコタツ。

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中本賢さん。

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にしおかすみこさん。

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ガレッジセール・川田広樹さん。

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伊藤かずえさん。

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武蔵野美大に通っていらした榎木孝明さんは、橋の上でさらさらっと舟のスケッチ。

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5~6月、アヤメの季節には郊外の水生植物園でも。北斗晶さん、天野ひろゆきさん、ウド鈴木さん他、「もしもツアーズ」ご一行様。

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はっきりと記録が残っていないのですが、明治35年(1902)頃、光太郎もこの近辺でこの手の舟に乗ったのではないかと思われる短歌も残っています。

青森・十和田市の広報紙『広報とわだ』の今月号に、以下の記事が載りました。 

「十和田湖乙女の像のものがたり」朗読劇

乙女の像建立60 周年記念に十和田湖・奥入瀬観光ボランティアの会が発刊した「乙女の像のものがたり」を安斉将(まさる)さんのイラストを投影して上演します。
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❶とき 4月16 日㈯ 午後3時~
  ところ 十和田湖観光交流センター「ぷらっと」
       十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486
 定員 50 人(先着順)

❷とき 4月17 日㈰ 午後3時~
 ところ 市民交流プラザ「トワーレ」
       十和田市稲生町18-33 
 定員 60 人(先着順)

入場無料

どちらも30 分前開場

問い合わせ 
 劇団エムズ・パーティー・仲島 ☎ 090-7066-2873


昨年の今頃、十和田湖奥入瀬観光ボランティアの会さんの編集で刊行された『十和田湖乙女の像のものがたり』。当方も監修として名を連ねさせていただき、巻頭に年少者向けの「乙女の像ものがたり」、資料編に「「乙女の像」概説」と、2本の原稿を書かせていただきました。

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先月、ボランティアの会さんの方からご連絡があり、十和田市内に活動拠点を置く劇団エムズ・パーティーさんが、年少者向けの「乙女の像ものがたり」を換骨奪胎し、同書の挿絵に使われたイラストレーター・安斉将の作品や効果音をプロジェクタで流しつつ、朗読劇にしたいというお話を戴きました。メールで送られてきたシナリオを拝見、もちろん快諾いたしました。

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その公演が2回、今月行われます。最初が十和田湖畔の観光交流センター・ぷらっとさんで16日に。次の日には十和田市街の市民交流プラザ・トワーレさんでの開催だそうです。

当方原作の瑕疵は朗読や演出でをカバーし、成功させてていただきたいものです。

お近くの方、ぜひ足をお運びください。


【折々の歌と句・光太郎】

パラタンのあさき緑とこんじきの砂を背にして君立てりけり
明治42年(1909) 光太郎27歳

イタリア旅行中の作。「パラタン」は古代ローマ七丘の一つ、「パラティーノ」の丘です。この際には一人旅でしたが、「君」とは誰なのか……旅先で知り合った人か、単なる妄想か、気になるところです。

東京・内幸町から舞台公演の情報です。

第29回ゆーりんプロデュース公演・新人公演 ~詩と語りと芝居で紡ぐ~「智恵子抄」

期   日 : 2016年4月7日(木)~10日(日)
会   場 : 千代田区立内幸町ホール 千代田区内幸町1-5-1
時   間 :
 4月 7日(木) 18:15開場 19:00開演 プロデュース公演☆    
 4月 8日(金) 18:15開場 19:00開演 プロデュース公演◎
 4月 9日(土) 12:15開場 13:00開演 プロデュース公演◎
                    17:15開場 18:00開演 プロデュース公演☆
 4月10日(日) 12:15開場 13:00開演 新人公演
                     17:15開場 18:00開演 新人公演
劇作・脚本 : よこざわけい子
演   出 : こじま智之
音   楽 : 石山理
出   演 : 
 プロデュース公演☆ ・・・ 北斗誓一 池田祐子 山端零     他
 プロデュース公演◎ ・・・ 長野伸二 近藤波美 池田拓馬   他
 新人公演        ・・・ 眞對友樹也 石原佳奈 高塚智人 村上奈津実 他
料   金 : 前売り4000円  当日4300円 (全席指定)

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声優としてもご活躍中のよこざわけい子さんが代表を務められる「ゆーりんプロ」さんの公演です。複数回公演がありますので、行きやすいのではないでしょうか。

このところ、この手の公演が立て続けにあって、ありがたいかぎりです。


奥深く示唆に富む光太郎智恵子の世界、様々な解釈はあるかと思いますが、それぞれの視点で料理していただいて結構ですので、どんどん取り上げていただきたいものです。


【折々の歌と句・光太郎】

しろ菫落しゝながらその水のその平和(やすらぎ)にたゞまかせつる

明治34年(1901) 光太郎19歳

春本番、あちこちで菫の花も目に付くようになりました。

昨日は、過日ご紹介した朗読公演「朗読人の四季~2016春」を聴いて参りました。

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このブログで何度かご紹介している作曲家の野村朗氏が所属されている。国際芸術連盟さんという音楽事務所の主催で、会場は東京都江東区清澄白河の深川江戸資料館さんでした。

杉山典子さんという方による「智恵子抄」からの朗読がプログラムに入っており、それが目あてでした。

取り上げられたのは6篇。光太郎智恵子婚約の年(大正2年=1913)に書かれた「僕等」、智恵子が心を病み、九十九里浜で療養していた当時を回想して書かれた「風にのる智恵子」(昭和10年=1935)、智恵子の臨終を謳った絶唱「レモン哀歌」(同14年=1939)、没後の智恵子を偲ぶ「亡き人に」(同)と「梅酒」(同15年=1940)、そして戦後の花巻郊外太田村での隠遁生活の中で生まれた「案内」(同25年=1950)。

非常に落ちついた深みのあるお声で、変な抑揚などは付けず(時折そういう朗読に出会って閉口することがあるのですが)、それでいて随所に工夫が施されていました。例えば、「レモン哀歌」では、「昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして/ あなたの機関はそれなり止まつた」の改行の箇所(「/」の部分)では、音楽でいうと長い休符を入れ、実際に深呼吸されていました。

終演後に少しお話をさせていただきましたが、杉山さん、福島の猪苗代にお住まいだそうです。同じ福島の智恵子に対する思い入れがおありなのでしょう。

それにしても、杉山さんの朗読を聴きつつ、光太郎の詩は朗読に向いている詩だと、改めて感じました。詩の朗読というと、定型詩または自由詩でも定型詩に近いものこそ、朗読向きだと考える傾向があるようですが、はたしてそうなのでしょうか。

光太郎にもそういう作品がありますが、五七調、七五調の定型におさめるために、不要な単語が入っていたり、無意味な倒置などが使われたりと、不自然な日本語になっている場合が多々あります。やはり詩にしても散文にしても、自然な日本語であることが望ましいと思います。その上で、声に出して読んで、しっかりと美しい語感が表現されていることが実感できるもの、それこそが「名詩」「名文」の名にふさわしいのではないでしょうか。

その点、光太郎の詩にはそういうものが多いように思われます。この辺は感覚の問題なので、理論的に説き明かすことは不可能に近いのですが……。

文学を含む芸術に限らず、あらゆる表現活動に共通していえることとして、「何を」「いかに」表現しているかという点で、評価が為されるのだと思います。どんなに素晴らしい内容を伝えようとしていても、その表現方法がまずければ伝わりませんし、技巧を凝らした表現方法を工夫したところで、では、何を伝えたいの? というものに出くわすこともあります。

こうした点は、二次創作的な場合にも当てはまるでしょう。

様々な示唆に富む奥深き光太郎智恵子の世界、「何を」の部分は申し分ない素材です。それを「いかに」表現するか、杉山さんのような素晴らしい朗読もその一つの方法でしょうし、様々な二次創作により、いろいろな分野の表現者の方々がそれに取り組んで下さっています。飽くなき探求心を持って、優れた素材の魅力をより一層輝かせる取り組みが行われ続けることを願います。
「お前の書いているものはどうなんだ?」と言われると、ぐうの音も出ませんが……。

ちなみに昨日の公演、「智恵子抄」以外には、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」「蜜柑」、京極夏彦氏の「旧(ふるい)怪談―耳袋より」から、谷崎潤一郎「春琴抄」が取り上げられ、杉山さんの他、3名の方が朗読なさいました。それぞれに好感の持てるいい朗読でした。


【折々の歌と句・光太郎】

春風や屋根ささやかな駒形堂   大正中期(1920頃) 光太郎40歳頃

駒形堂」は隅田川沿いに立つお堂で、少し離れていますが、浅草寺の伽藍の一つです。

東京は北区王子からの舞台公演情報です。 

劇団東京イボンヌ第3回企画公演「コンサートと無伴奏 ~永遠の愛~」

期  日 : 2016年3月29日(火)・30日(水)・31日(木)
会  場 : 北とぴあ カナリアホール 東京都北区王子1丁目11−1
時  間 : 3/29 19:30開演   3/30 14:00開演 19:30開演   3/31 12:00開演 16:00開演
料  金 : 前売り・当日 3700円
出  演 :
 【演奏家】のコンサート
  小松真理(ピアノ) 土田卓(コントラバス) 松谷明日香(特別ゲスト・チェロ)
  柴田真理(クラリネット) 吉澤正一郎(クラリネット) 大平治世(フルート)
  数馬尚子(チューバ) 安岡亜佳音(トランペット)
 【声楽家】のコンサート
 河野鉄平(バス) 中村祐哉(テノール) 浅川荘子(ソプラノ) 岡﨑麻奈未(ソプラノ)
 齋藤麻衣子(ソプラノ)
 【朗読】~「智恵子抄」より~  俳優 伊達裕子 ソプラノ 浅川荘子
 【演劇】~「無伴奏」ダイジェスト~
 河野鉄平 渡辺多恵子 濱仲太 (特別ゲスト) 鹿目真紀 大澤慶祐 中村祐哉 藤田幹彦
主  催 : 劇団東京イボンヌ

桜が咲く頃、劇団東京イボンヌは~永遠の愛~をテーマに盛り沢山の演奏、歌、言霊をお届けいたします。春爛漫の饗宴を是非お楽しみくださいませ。桜吹雪のように乱れ散りませう。

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「東京イボンヌ」さんは、「クラシックの楽曲をテーマに、 曲に込められた魂を物語に紡ぎだす演劇集団」だそうです。「智恵子抄」を取り上げていただけるそうで、ありがたく存じます。

伊達裕子さんという方の朗読と、浅川荘子さんという方のソプラノでの構成だということです。

光太郎智恵子の世界を広めていっていただきたいもので、こういう企画を通じてのそれも大歓迎です。数十年後くらいに「えっ? 「智恵子抄」? 何、それ?」という世の中になっていないことを祈ります。


【折々の歌と句・光太郎】

あな薫り夢か春の野むらさきのやわきちひさき征矢(そや)ふりそそぐ

明治34年(1901) 光太郎19歳

「やわきちひさき征矢」は、柔らかな春の日の光を矢に例えています。関東地方、今朝は久々に晴れました。ただ、若干冷たい風が強めに吹いており、布団を干すかどうか、今、悩んでいます(笑)。

名古屋から朗読劇の情報です。 
期  日 : 2016年3月29日(火)・30日(水)
会  場 : HITOMIホール 名古屋市中区葵三丁目21番19号メニコンアネックス5F
時  間 : 3/29 18:45開演 3/30 1回目 15:00開演 2回目 18:45開演
料  金 : 1,500円(全席自由)
出  演 : 間瀬礼章(朗読) 斎藤美七海(智恵子役) 水野慎太郎(ヴァイオリン)
       河井裕二(チェロ)千葉周平(ピアノ) 宗川諭理夫(企画・作曲)
主  催 : メニコンビジネスアシスト(MBA)イベント事業部
問い合せ : メニコンビジネスアシスト(MBA)イベント事業部
電話予約 : 052-938-6232(平日10:00~17:00)
メール予約   : mba-event@menicon-net.co.jp
※お名前、チケット枚数、ご連絡先電話番号、チケット郵送先ご住所を明記のうえ、メールを送信ください。

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昨年、同じ会場で「智恵子抄~故郷 福島への想い」という、舞踊系の公演がありました。何かそういう土壌があるのかな、と思って調べたところ、コンタクトレンズメーカーのメニコンさんが持っている施設で、「「視ること」の素晴らしさを多くの方に届け、また、その喜びを分かち合いたいという願いから、社会貢献活動の一環として、さまざまな形で芸術や文化、福祉の支援を行っています。」だそうです。そういう企業さんも少なくはないとは思いますが、素晴らしいですね。

お近くの方、ぜひどうぞ。


【折々の歌と句・光太郎】

春雨やジヨツトの壁画色褪せたり   明治42年(1909) 光太郎27歳

「ジヨツト」はジョット・ディ・ボンドーネ。ゴシック期のイタリア人画家です。後のルネサンスに多大な影響を与えました。

「壁画」は、おそらくパドヴァにあるスクロヴェーニ礼拝堂のフレスコ画でしょう。光太郎はイタリア旅行の際にパドヴァも訪れています。

舞台芸術系のイベントを2つご紹介します。

まずは東京から朗読で。 

朗読人の四季~2016春

期  日 : 2016年3月16日(水)
時  間 : 18:30開場 19:00開演
会  場 : 江東区 深川江戸資料館 小劇場  東京都江東区白河1-3-28
料  金 : 2,500円(全席自由)
出演/演目 :
 杉山典子
  高村光太郎『智恵子抄』より「僕等」「レモン哀歌」「梅酒」 他
 勝田のぞみ
  旧怪談『耳袋』より「小さな指」「頭痛の神の事」
 岩井奈美
  J.R.ヒメネス『プラテーロとわたし』より「秋」「四月の牧歌」 他
  芥川龍之介『蜜柑』
 桑原美由紀
  谷崎潤一郎『春琴抄』

申  込 : JILAチケットセンター Tel:03-3356-4140

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もう1件、九州から。 

宮城愛 巡り繋がる人と歌 LIVE

期  日 : 2016年3月26日(土)
時  間 : 17:00開場 17:30開演
会  場 : 八幡朝見神社 大分県別府市朝見2-15-19
料  金 : 予約1,500円 当日2,000円 中学生以下無料
出  演 : 宮城愛(ギター/ヴォーカル) 風の音書店with足立弓子
                       小椋穂澄(アフリカンハープ)
申  込 : 090-4210-3866(小椋) tomotribe@gmail.com (井藤)

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3/26にご出演のパフォーマンストリオ「風の音書店with足立弓子」さんが、「智恵子抄」を演じられるそうです。先月は大分市で公演をなさったとのこと。その様子がこちら

光太郎智恵子の世界を取り上げて下さり、ありがたいかぎりです。

今月から来月にかけ、同様の催しがけっこうたくさんあるようです。今後、順次ご紹介していきます。


【折々の歌と句・光太郎】

春着きて寺に女の急ぎけり       明治42年(1909) 光太郎27歳

以前にも注釈を加えましたが、欧米留学中の作で、「寺」は仏教寺院ではなくキリスト教の教会です。ただ、日本画舞台で和装の美人さんが仏教寺院に、というイメージで読んでも絵になりますね(笑)。

2/28(日)、郡山市で開催中の「第二楽章 男鹿和雄展―吉永小百合と語り継ぐ―」/「未来のわたしたちへ~ほんとの空~」絵画展覧会」会場をあとに、いわき市上小川地区にある、当会の祖にして光太郎と最も縁の深かった詩人の一人、草野心平の生家へと愛車を走らせました。

この日は、心平の弟で、没後に第2回高村光太郎賞を受賞した、草野天平の誕生日というわけで、「草野天平の集い」の開催でした。仙台を拠点に「智恵子抄」の朗読などもなさっている、荒井真澄さんがご出演ということで、寄らせていただきました。

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まずは生家近くの常慶寺さんに。心平の墓参です。その代わりといっては何ですが、車を駐めさせていただきました。

その後、歩いて生家に。ここを訪れるのは三度目です。

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庭には天平の詩碑も立っています。

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入ってすぐの壁に、心平はじめ、家族一同の写真パネルが掲示されていて、以前は気付きませんでしたが、天平も写っています。

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正面にも天平の大きな肖像写真。

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時間となり、開会。

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まずは荒井さんによる天平作品の朗読でした。

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兄・心平の詩が、ある意味「ぶっ飛んでいる」のに対し、弟・天平の詩はかなり穏健です。しかしそこはやはり兄弟、相通じるものを感じました。詩だけでなく、散文の朗読もありましたが、そちらも骨太で芯のしっかりした文体、きまじめな天平の性格がよく表れていました。荒井さんの朗読も相変わらず心地よい響きで耳に入ってきました。

その後はギターソロで、天平が愛したというシューベルトの「鱒」やイギリス系のスタンダードナンバー、さらに再び荒井さんが合流して今度は歌を。荒井さんの歌は初めて拝聴しましたが、かわいらしい歌声でした。

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約1時間、肩の凝らないプログラムでした。

終演後、天平のご子息・草野杏平氏のご挨拶。

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杏平氏、かつて連翹忌にご参加いただいていました。

その後、杏平氏や荒井さんとお話をさせていただき、帰途に就きました。

時間的にまだ早かったので、いわき市街に出、いわき湯本温泉の日帰り入浴施設「さはこの湯」さんに寄り、温泉を堪能しました。何と230円で入れます。

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3年半前、川内村での心平を偲ぶ「かえる忌」の帰途にもここに寄りました。その際は「智恵子抄」などの光太郎詩にオリジナルの曲をつけて唄われているモンデンモモさん、ピアニストの砂原ドルチェ嘉博さんらと一緒でした。

その時はそうでもなかったのですが、一昨日はかなり混んでいました。震災からの復興もある程度進み、人が戻ってきているのだな、と実感しました。いいことですね。


【折々の歌と句・光太郎】

天然の湯に身をひたしわがきくは遠き地中の隠密の声
大正13年(1924) 光太郎42歳

というわけで、温泉を謳った作品です。生涯「自然」を愛した光太郎ですので、温泉にも地球のエネルギー的なものを強くイメージしているようです。

一昨日の『読売新聞』さん、愛媛版の記事です。 松山市で行われた「響け!!言霊 第8回“ことばのがっしょう”群読コンクール」についてです 

言葉 小中生が体で表現 ◇松山で群読コンクール500人競う

 複数人による詩の朗読のコンクール「響け!!言霊“ことばのがっしょう”群読コンクール」が21日、松山市堀之内の市民会館であった。小中学生の22グループ約500人が響き合う表現の美しさを競った。
 子規のまちとして言葉を大切にしていこうと、松山市などが2009年から続けている。今回のテーマは「伝えたいメッセージ」。各チームは詩や歌詞などを3分以内の群読作品に構成。高村光太郎や谷川俊太郎さんの詩、槇原敬之さんの歌「世界に一つだけの花」などを、舞台で身ぶりを交えながら群読した。
 最優秀の大賞に輝いたのは、松山市立伊台小3年のチーム「とにかくわっしょいIdai3」。お祭りを表現した北原白秋の詩を、約50人で威勢よく表現した。河野若菜さん(9)は「お祭りの詩を群読していると楽しい気持ちになってくる。みんなで練習した力を出し切れた」と誇らしげだった。


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「ことばのがっしょう」というコンセプトがいいですね。本当の合唱となると、ある意味、敷居が高い部分がありますが、朗読であれば、奥は深いものの、とりあえず入り口はそれほど抵抗なく入れるような気がします。さらに群読となると、助け合うことができますし、役割分担などの面でも教育的効果が期待できるのでしょう。

そして何より、こうした活動を通じてやはり「ことば」を大切にする姿勢を身につけてほしいものです。そうした部分では、光太郎の詩は、やはり奥深いものがありながら、入り口は小学生でも入りやすい部分があります。当方も小学生の時に「道程」や「智恵子抄」の詩篇に触れたのがこの世界に入ったきっかけでした。

さらに願わくは、奥深いその奥まで興味を持ってくれるお子さんが増えてほしいものですね。




追記 YouTubeさんに動画がアップされていました。光太郎詩「怒」(昭和2年=1927)を群読してくださった、愛媛大学教育学部附属中学校さんのものです。

【折々の歌と句・光太郎】

隧道を出れば雪なり国境      明治42年(1909) 光太郎27歳


有名な川端康成「雪国」の冒頭「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」を思わせますね。しかし「雪国」の執筆は昭和10年(1935)。25年以上前に光太郎が同じような発想で句を詠んでいます。

今朝も冷え込んでいました。本格的な春までもう少しの辛抱かな、と思います。

東京大田区からの朗読系公演情報です。 

朗読劇「レモン哀歌」

期  日 : 2016年3月6日(日)
時  間 : 開場 19:15    開演 19:30
会  場 : 大田区民ホール・アプリコ(小ホール) 大田区蒲田5-37-3
出  演 : 西村守正 成瀬麻紗美 小堀好美 菊川竜馬 三木理恵子 國山菜穂子 高山真利
演  出 : 柳原さや
料  金 : 2,500円(全席自由・前売当日共)

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平成25年(2013)にも、同一のデザインのチラシが使われた公演がありました。よくわかりませんが、内容も同一なのでしょうか。

3月から4月にかけ、この手の公演で光太郎智恵子の世界を扱うものをいくつか把握しています。順次ご紹介していきます。


【折々の歌と句・光太郎】000

天そそる家をつくると女(をみな)より生れし子等は今日も石切る
明治40年(1907) 光太郎25歳

光太郎滞米中の作品です。建材用の石を切り出す職人さんたちを謳ったもの。

ところで、「天そそる家」とまでは行きませんが、今週から当方自宅兼事務所に、屋根と外壁のリフォーム工事が入っています。

現在、足場に囲まれて居る状態で、毎日、職人さんたちが入れ替わり立ち替わりいらして作業されています。

不耕貪食の身としては、ものを作ったり直したりの職人さんたちを本当に尊敬します。

最近入手した2枚組CDです。発行は先月でした。声優の能登麻美子さんの朗読CDです。 
2016年1月8日 文化放送 定価3,000円
出演 能登麻美子  ジャケット AYA KAKEDA

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CD-1「シグナルとシグナレス」(宮沢賢治)

CD-2「能登麻美子おはなしNOTEアーカイブ」*データCD
 1 録り下ろしトークパート
 2 サラダの謎  中谷宇吉郎
 3 雨ふり坊主  夢野久作(香具土三鳥)
 4 雨と子供  宮本百合子
 5 珈琲店より  高村光太郎
 6 兵士と女優  渡辺温
 7 碁石をのんだ八ちゃん  有島武郎
 8 赤いろうそくと人魚  小川未明
 9 卵  夢野久作
 10 詩の特集(2014夏)
 11 停車場の少女  岡本綺堂
 12 かちかち山  楠山正雄
 13 ブレーメンの町楽隊  グリム兄弟
 14 秋の幻  豊島与志雄
 15 月下のマラソン  牧野信一
 16 竹取物語  訳:和田万吉
 17 椎茸の話・美味い豆腐の話  北大路魯山人
 18 詩の特集(2014秋)
 19 子供に化けた狐  野口雨情
 20 最後の晩餐  フィオナ・マクラウド
 21 猿蟹合戦  芥川龍之介
 22 蜘蛛の糸  芥川龍之介
 23 薄田泣菫の随筆特集  薄田泣菫
 24 みみず先生の歌  村山壽子
 25 『若草物語』より「たのしいクリスマス」 ルイーザ・メイ・オルコット
 26 手袋を買いに  新美南吉


文化放送さんが運営しているインターネットラジオ、「AG-ON」で放送されている「能登麻美子おはなしNOTE」という番組で扱われた朗読を集めたものです。

パリ留学中の出来事を回想して書かれた光太郎のエッセイ「珈琲店より」(明治43年=1910)が含まれています。パリジェンヌと一夜を過ごした翌朝、鏡の中の自分を見て、ある種の人種的劣等感を感じ、また、結局、西洋人は理解不能なのだとの思いを改めて感じた、という内容です。青空文庫さんで読むことができます。

能登さんは以前から光太郎作品の朗読に取り組んで下さっています。昨年のこのブログに毎日掲載していた【今日は何の日・光太郎 拾遺】でご紹介させていただきましたが、平成17年(2005)に発行された雑誌『アニメーションRE 創刊号』付録のDVDには、能登さんによる、『智恵子抄』巻末近くの光太郎詩「亡き人に」の朗読が収められていました。

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今回の「珈琲店より」の朗読も、しっとりと落ちついた美声での朗読で、女性の声でありながら違和感なく耳に入ってきます。


ぜひお買い求めを。


【折々の歌と句・光太郎】

をのこにてさふらふゆゑにくちあけばをみなのことをつねいひはべる
明治42年(1909) 光太郎27歳

今日はバレンタインデー。光太郎が歿した昭和30年代くらいから、チョコレートを贈るという習慣が日本に広まり始めたそうです。

しかし光太郎、正直ですね(笑)。

光太郎智恵子の世界は、様々な分野で活躍されている表現者の皆さんの表現意欲をそそるようです。ネットで見つけた近々行われる『智恵子抄』を題材とした公演の情報を2件。 

言葉と音の交差点

期   日 : 2016年1月22日(金)
時   間 : 開場 19:00  開演 19:30
会   場 : ライブハウス アピア40 東京都目黒区碑文谷5-6-9 B1 03-3715-4010
料   金 : 前売2200円+1drink / 当日2500円+1drink
出   演 : 
 伊藤美友(演劇)
 飯塚直(いいづかなお/各種リコーダー&古楽のパーカッション)
 仁木恭子Niki Yasuko Aizawa(朗読)
 航KOH(ピアノ)

~演劇・音・朗読・歌が出会い、歩み、弾け、放たれる。
永遠 時の流れ 私たちの交差する瞬間を!ご来場を心よりお待ちしております。~
1stステージは『永遠』をテーマに演劇と音楽そして歌、2ndステージは『智恵子抄』の朗読と音楽のコラボをお送り致します。

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続いて九州大分から。ただし、既に満席だそうです。しかし、キャンセル等もあるかもしれませんし、とりあえずご紹介しておきます。 

風の音書店 with 足立弓子「智恵子抄」

期   日 : 2016年2月6日(土)
時   間 : 開演 19:30
会   場 : アートプラザ市民ギャラリーA 大分市荷揚町3-31
料   金 : 無料
出   演 : 
 風の音書店 (語り部カズミ・ライア弾きKodama・歌うたいShin)
 足立弓子 (魂のダンサー)

魂のダンサー 足立弓子 & 風の音書店 幻のコラボが4年ぶりに復活します。

題材は高村光太郎「智恵子抄」。

音楽はイギリス・ルネサンスのリュート奏者&作曲家ジョン・ダウランド(Joho Dowland 1563?-1626 )のリュート歌曲。
今回のライブは、カラフル・モノクローム~豊田照郊追悼水墨画作品展 (2月1日~7日)への、友情出演として開催されます。 豊田照郊氏の水墨画は水墨画の固定概念を覆すモダンさ。そのカラフルモノクロームな空間に此の花さくやAkemiの大胆な花あそび。

ステージは完璧です。そしてライアと歌と語りをバックに弓子の即興の舞。どんな世界が展開されるのか、 幕を開けてみるまで分かりません(笑)。


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こうした取り組みがもっともっと広がって欲しいものです。


【折々の歌と句・光太郎】

乗るとすぐひゐきのゝ字を書いて落ち  明治38年(1905) 光太郎23歳

昨日ご紹介した「横町の狗まで地図にかいてなし」と同じく、小説家・山岸荷葉にあてて書かれた絵葉書にしたたtめられました。やはり自転車での転倒に題を採った川柳です。「ひゐき」は「力を込めて」の意。

前年から光太郎は神田の高折周一音楽講習所でのヴァイオリンのレッスンに通い始めたとのこと。束脩(入門料)は1円、月謝は1円50銭。自転車の荷台にバイオリンをくくりつけて通ったそうです。

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昨日、地上波フジテレビさんの系列で放映されている情報番組「ノンストップ!」で、西城秀樹さんによる光太郎詩「道程」(大正3年=1914)の朗読の話題が紹介されました。

テレビ番組情報サイト等で、「高村光太郎」「道程」といった単語が使われていなかったので見落としていたのですが、一昨日、花巻高村光太郎記念会さんから「光太郎肖像写真の画像を提供した」旨のメールを戴いて知った次第です。

先週のこのブログで2回にわたりご紹介した「「世界・日本名作集よりリーディング名作劇場「キミに贈る物語」~観て聴いて・心に感じるお話集~」 (渋谷Bunkamuraシアターコクーンで西城さんは12/3(木)、12/4(金)にご出演)の様子と、楽屋でのインタビューなどから構成されていました。

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2回、脳梗塞を発症した西城さん、後遺症と闘いながら、今回初めて朗読に挑戦。

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光太郎の「道程」を取り上げて下さいました。

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よく知られている9行の短い決定型(大正3年=1914の10月、詩集『道程』に収めたバージョン)ではなく、同じ年の2月に雑誌『美の廃墟』に発表した102行ある長いバージョンの中から抜粋して朗読されたようです。

長い原型バージョンはこちら。ちなみに今年4月にリニューアルオープンなった花巻高村光太郎記念館さんでは、声優の堀内賢雄さんによるこの長いバージョンなどの朗読が聴けるコーナーを設けてあります。

西城さん、報道で脳梗塞からのリハビリ中とは存じていましたが、映像で見ると、ほんとうに一語一語、絞り出すように語られていて、「ここまでの状態なのか」と、ある意味、ショックでした。しかし、そういうご自分の状態を隠さずに、あえて現状を公表する姿に感銘を受けました。

その後、楽屋でのインタビュー。

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旋律に乗せて「歌う」より、「喋る」方が困難だそうです。そういわれてみると、吃音の障害のある人も、歌になると滑らかに歌える場合があり、なるほど、と納得しました。

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あえてその困難な朗読に挑戦する姿には、頭が下がります。同様のご病気などで闘病中の皆さんの励みになるのではないでしょうか。

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その意気で、今後もがんばり続けて下さい!


さて、テレビついでに今夜の番組をご紹介します。昨日になって詳細情報が出ました。

美しい日本に出会う旅 憧れの紅葉・絶景スペシャル~錦秋の北アルプス・京都・奈良

BS-TBS 2015年12月9日(水)  19時00分~20時54分

美しい日本へ!行ってみたいあこがれの地。この目で見てみたい、あの絶景。味わってみたい絶品料理。今回は日本全国紅葉の絶景を楽しむ2時間スペシャル。
日本の秋の醍醐味は、錦に染まる紅葉。名所から穴場まで、2015年の紅葉を味わい尽くす2時間スペシャルです。京都では、秀吉が夢見た紅葉狩りの地から、とっておきの隠れ紅葉を訪ねます。東北の百名山・安達太良山は、見渡す限りの紅葉に染まります。奈良の聖地・天川村も紅葉一色。名物・柿の葉寿司も秋だけの紅葉色に!そして上高地へ抜ける、憧れの北アルプス紅葉街道へ。白骨温泉のにごり湯で、贅沢な紅葉狩り。もう一度、今年の紅葉を心に焼き付けましょう。

旅の案内人 中村七之助

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智恵子が「ほんとの空」(「あどけない話」)があるといった、安達太良山が取り上げられます。ぜひご覧下さい。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 12月9日000

平成21年(2009)の今日、桑田佳祐さんのシングルCD「君にサヨナラを」がリリースされました。

カップリング曲に「声に出して歌いたい日本文学 <Medley>」。18分42秒の大作で、「あどけない話」を含む近代日本の名作文学の一節を歌詞としています。ラインナップは以下の通り。

汚れつちまつた悲しみに(中原中也)/あどけない話(高村光太郎)/人間失格(太宰治)/みだれ髪(与謝野晶子)/蜘蛛の糸(芥川龍之介)/蟹工船(小林多喜二)/たけくらべ(樋口一葉)/一握の砂(石川啄木)/吾輩は猫である(夏目漱石)/銀河鉄道の夜(宮沢賢治)

この曲は、平成24年(2012)発売のアルバム「I LOVE YOU -now & forever-」にも収録されました。

昨日ご紹介した西城秀樹さんの「道程」朗読について、やはりスポーツ紙各紙が取り上げています。 

西城秀樹 脳梗塞の後遺症でまひ残るも朗読劇出演、4曲熱唱

 歌手の西城秀樹(60)が出演する朗読劇「キミに贈る物語~観て聴いて・心に感じるお話集~」が3日、東京・渋谷のシアターコクーンで初日を迎えた。

 高村光太郎の詩「道程」を朗読。2度の脳梗塞を患い右半身まひの後遺症があるだけに、発声に苦労する場面も見られた。朗読だけでなく、デビュー曲「恋する季節」(72年)など4曲を歌唱。歌声はしっかりとした印象で、座りながらの熱唱に満場の拍手が起きた。

 師走を迎え「体調は良くない。寒いから」と説明。「公園を歩く練習をしている」とリハビリの様子を明かした。取材陣から「一年を振り返ると?」と聞かれ「女房によくしてもらったこと」と、笑みを浮かべた。

 市原悦子(79)浅野温子(54)らが出演。6日まで。西城のステージは4日まで。
(スポーツニッポン 12月4日(金)8時9分)
 
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西城秀樹が朗読劇に初挑戦「僕の今にぴったりだな」

 脳梗塞で闘病中の西城秀樹(60)が3日、初めて朗読劇に挑戦した。

 「リーディング名作劇場 キミに贈る物語」(東京・渋谷のシアターコクーン、6日まで)の出演者の1人として、デビュー曲の「恋する季節」など交えながら高村光太郎の「道程」を朗読した。「『道程』は僕の今にぴったりだなと思って選びました。感じるものがありますね」。懸命のリハビリを続けているが、右半身と言葉に障害が残る。朗読はリハビリにいいと今回の挑戦となった。西城の出演は今日4日まで。
(日刊スポーツ 12月4日(金)8時5分) 

市原悦子、完全復活アピール「舞台に立つことが楽しいわ」

 歌手、西城秀樹(60)が3日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで行われた朗読劇「キミに贈る物語~観て聴いて心に感じるお話集~」(6日まで)の初日を迎えた。

 2003年以降、2度の脳梗塞を発症したが、デビュー曲「恋する季節」の歌唱や高村光太郎の詩「道程」の朗読を力強く披露。「リハビリで公園を歩く練習をしています」と報告し、「今年は女房に良くしてもらった」と笑顔をみせた。

 先月12日の同舞台の製作発表を風邪のため欠席した女優、市原悦子(79)は「舞台に立つことが楽しいわ」と完全復活。浅野温子(54)も出席した。
サンケイスポーツ 12月4日(金)7時0分


同様の病などで闘病中、といった方々の励みになれば、と思います。いつまでもお元気で!


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 12月5日

昭和17年(1942)の今日、岩波書店のPR誌『図書』第83号終刊号が発行されました。

「終刊号」と謳っていますが、戦後になって復刊、現在も続いています。

この号には、前月3日に大東亜会館で行われ、光太郎も来賓として出席したた岩波書店の回顧三十年感謝晩餐会のレポートが大きく掲載されました。

光太郎は挨拶の中で、岩波書店を讃える詩「三十年」を朗読。また、岩波合唱団により、光太郎作詞・信時潔作曲の岩波書店店歌「われら文化を」が披露されました。

また、「三十年」、「われら文化を」(楽譜も)ともに掲載されました。

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昨日夕刻以降、スポーツ新聞各紙のサイトに「高村光太郎」の文字が多発しました(笑)。

闘病中の西城秀樹「リハビリにいい」初朗読劇に挑戦

 脳梗塞と闘病中の西城秀樹(60)が3日、初めて朗読劇に挑戦した。
 「リーディング名作劇場 キミに贈る物語」(東京・渋谷のシアターコクーン、6日まで)の出演者の1人として、デビュー曲の「恋する季節」など交えながら高村光太郎の「道程」を朗読した。「最初に読んだとき、あっ僕の今にぴったりだなと思って選びました。感じるものがありますよね」。2011年に脳梗塞が再発し、懸命のリハビリを続けているが、右半身と言語に障害が残る。
  「公園を歩く練習をしていますが、寒くなると(体調は)あまりよくない」という。朗読はリハビリにいいと今回の挑戦となった。
  今年1年を振り返って「早い感じがするね。いいこともあり悪いこともありだけど、思い出に残るといえば女房に良くしてもらったこと」と話す西城の出演は4日まで。
(日刊スポーツ 12月3日(木)17時13分配信)
 

西城秀樹 リハビリしながら舞台に!「今は良くない」

 歌手・西城秀樹(60)が3日、都内で朗読舞台「キミに贈る物語~観て聴いて、心に感じるお話集~」(3~6日・Bunkamuraシアターコクーン)の公開リハーサルを行った。
 公演は浅野温子(54)が童謡を、市原悦子(79)が歌を交えた昔話を朗読したり、バラエティーに富んだステージを展開。
 その中で西城は「不死鳥~ヤングマンよ永遠に~」と題した歌唱ステージを披露する。
 ヒット曲「ブルースカイブルー」などを熱唱した西城。合間には高村光太郎の詩「道程」を朗読した。高村の詩について「今のぼくにぴったりの詩で感じるものがあった」と笑顔を見せる。
 2度の脳梗塞から復帰し、現在もリハビリをしながらステージに立ち続ける。師走の寒さもあり「今は良くない」と体調について語るも「リハビリとして公園を歩く練習をしています」と語った。
 今年1年を「早い」と振り返ると「いいことも悪いこともある1年。思い出に残ることといえば、女房に良くしてもらったことかな」と伝えた。
(東京スポーツ 2015年12月3日 17時31分)
 

西城秀樹、今年の良い思い出は「女房」

 歌手の西城秀樹(60)が3日、都内で「キミに贈る物語~観て聴いて・心に感じるお話集」(3日~6日、Bunkamuraシアターコクーン)公開リハーサルに登場し、今年の思い出を聞かれ「女房に良くしてもらったこと」と語り、同席した女優の市原悦子(79)、浅野温子(54)から拍手を浴びた。
 西城は今回の舞台では数々のヒット曲に乗せて、高村光太郎の有名な詩「道程」を朗読する。「最初に読んだ時、僕の今、という感じがした。感じるものがあった」と感銘を受けたことを告白。2度の脳梗塞を乗り越え、今回の舞台に立つ自分の姿と詩を重ねている様子だった。
 体調に関しては「あまりよくない。寒いから」と語り、万全ではないようだが、「リハビリで公園を歩いている」と体調の回復に努めていることを明かした。
(デイリースポーツ 2015年12月3日 17時01分


まだありましたが、ほぼ同一の内容なので割愛します。


「ほう、そんなイベントがあるのか」ということで、調べてみました。 
公演日程
 2015/12/3(木)19:00開演
 2015/12/4(金)19:00開演
 2015/12/5(土)15:00開演/19:00開演
 2015/12/6(日)15:00開演
会   場 : Bunkamuraシアターコクーン 東京都渋谷区道玄坂2丁目24-1
主   催 : リーディング名作劇場公演実行委員会
制作協力 : エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ プロデュースNOTE
出   演 :
12/3(木)19:00開演 
 市原悦子 浅野温子 西城秀樹 佐藤正宏(WAHAHA本舗) 菜月チョビ(劇団鹿殺し) 増田有華
12/4(金)19:00開演
 市原悦子
浅野温子 西城秀樹 佐藤正宏(WAHAHA本舗) 竜小太郎・カムイ(大衆演劇)
 内田恭子
12/5(土)15:00開演
  市原悦子 浅野温子 中川晃教 佐藤正宏(WAHAHA本舗) 竜小太郎・カムイ(大衆演劇)
 ※ゲスト・加賀美幸子(元NHKアナウンサー)
12/5(土)19:00開演
  市原悦子 浅野温子 中川晃教 佐藤正宏(WAHAHA本舗) 菜月チョビ(劇団鹿殺し)
 ※ゲスト・加賀美幸子(元NHKアナウンサー)
12/6(日)15:00開演
  市原悦子 浅野温子 大空祐飛 佐藤正宏(WAHAHA本舗) 折井あゆみ 内田恭子
 ※ゲスト・加賀美幸子(元NHKアナウンサー)

市原悦子 歌語り「日本昔ばなし~年老いた女役者の歌~」
どこからか女役者が現れ、日本昔ばなしを語りはじめる......。素晴らしい日本語から生まれた心に響く詩の数々を朗読しながら、自らの人生をも歌いだす。語りあり、歌ありの一人芝居の幕が開く。

浅野温子 よみ語り「古事記神話ものがたり~義父が与えた試練~」ほか
神々はどうしてこの世に現れ、素敵な国を作られたのか。また恋はどうして生まれたのか。日本の原点ともいわれ、古くから伝わる「古事記」の物語を、素敵な音楽とともに読み語る。

西城秀樹 歌語り「不死鳥~ヤングマンよ永遠に~」
二度の病に遭われても、再び立ち上がった西城さん。ご自身の人生を心温まる歌声で響かせる。

大空祐飛 歌語り「歌こそわが愛~世界名作集より~」
宝塚のトップを務めた彼女が、世界の名作集から有名なお話を美しく語る。素敵な歌声に思わず耳を傾ける、愛のドラマ。

中川晃教 歌語り「百万本のバラ」
ロシアで生まれたこの曲は、加藤登紀子さんが自ら日本語に翻訳し、多くの人を魅了してきた。今回は、この歌ができるまでの心温まる物語を歌で語りながら、名曲が生まれきたドラマをご紹介する。

佐藤正宏(WAHAHA本舗) 紙芝居「黄金バット」
当時、こどもから大人までが酔いしれた紙芝居「黄金バット」。今回はこの作品がなぜ生まれたのか、そして多くの人たちをどのように救ったのか、ヒーロー伝説を各回ごとにご紹介する読み切り紙芝居。

竜小太郎&カムイ(大衆演劇)舞語り 「曽根崎心中」
近松門左衛門の名作浄瑠璃「曽根崎心中」。お初と徳兵衛が描き出す"死の恋路物語"を艶やかな姿で語り合う。歌で舞う初の舞語りに、今、若手大衆演劇で注目を浴びる二人が挑戦する。

菜月チョビ(劇団鹿殺し) 朗読「いのちのケイタイ~葉っぱのフレディーより~」
今や、誰にとっても無くてはならない時代になった携帯電話。そこから、生き別れた我が子に最後のメッセージを読み聞かせる、心温まるお話。

増田有華 朗読 「マッチ売りの少女」
今なお世界中のこどもたちに読み継がれている、アンデルセン童話「マッチ売りの少女」。冬空の中にたたずむ少女のせつない思いを、心を込めてお届けする。

折井あゆみ 朗読「北風と太陽」
寓話と呼ばれ、こども向けでありながら大人も考えさせられるイソップ物語。多くの人が、こどもの頃に耳にしたこのお話を、楽しくユーモラスに語る。

内田恭子 朗読「蜘蛛の糸」
日本の文豪・芥川龍之介が手掛けたはじめての児童文学作品。この名作から紡ぎ出された素敵な日本語を伝える。

ゲスト:加賀美幸子(元NHKアナウンサー) 朗読「楽しく・やさしく読む漢詩」
長年NHKでアナウンサーを務め、数多くの名作を語ってきた中から、日本語の原点ともいえる漢詩の魅力を、わかりやすく、楽しく披露する。解説を交えながら、古典文学の素晴らしさや真髄を語る。


2015年6月、好評を博したリーディングが装いも新たに帰ってきました。 よみ語りあり、歌語りあり、もちろん紙芝居もあり。
 日本語による心温まる沢山の「キミに贈る物語」再度、幕が開く!!
古くから日本は、物事を伝えるために日本語を巧みに使うとともに、よみ語り、歌語り等、様々な伝達方法をも生み出し、育てて来ました。
時代とともに作り上げ、鍛え抜かれ、そして滋養に満ちた日本語の言葉を綴った小説・詩から童話・昔話や、浄瑠璃や能・狂言、そして、芝居・落語・歌詞など数々の作品の中から選りすぐり、老若男女、様々な方々に堪能頂ける語り手とで織りなす公演を開催。
今回も語り手は俳優、歌手、そしてタレントの第一人者の方々にご出演頂き、朗読あり、歌あり、観て聴いて心で感じることのできるお時間をお届けします。

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なるほど、そういうことでしたか、という感じでした。公式サイトには「光太郎」とか「道程」とかの文字が入っていないので、網に引っかかりませんでした。

西城さんのご出演は、昨日と今日限りなのですね。続報的に「西城秀樹(60)が、高村光太郎の「道程」を力強く朗読した。」的な記事が出ることを期待します。

それにしても、西城さんももう還暦ですか……。渡辺えりさんが還暦だと言われても、全く違和感なく納得なのですが……(笑)。

リハビリ中だそうですが、光太郎の如く、不屈の精神で道を切り開いていっていただきたいものです。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 12月4日

昭和26年(1951)の今日、花巻郊外太田村の山小屋で、穴蔵に農作物を入れました。

当日の日記の一節です。

穴ぐら(室内)整備、大根、ジヤガ、白菜、キヤベツ、リンゴ等を入れる。

雪国では今も屋内の地下等に穴蔵を設け、野菜類を土に埋めて保存している家庭があるそうです。

今月中に3つほど、「智恵子抄」関連のイベントの情報を得ています。

まずは北海道紋別市から。概要をわかりやすくするため地元紙『北海民友新聞』さんの記事から引用させていただきます。

平野学コンサート21日に、編曲版「ボレロ」初演も

 認定NPO法人紋別文化連盟(荻野不二男会長)は21日午後6時半から紋別市民会館大ホールで、創立60周年記念事業の1つ「平野学コンサート~黒と水色の…」を開く。ピアノを中心とする音楽活動で知られる平野学さんが新たに編曲した「2台のピアノと小太鼓によるラヴェル『ボレロ』」の演奏など、意欲的なステージが繰り広げられる。広く鑑賞を呼びかけている。
 平野さんは国立(くにたち)音楽大学楽理科で編曲などを学び卒業。NHK交響楽団事務局勤務を経て平成10年に紋別高等養護学校へ赴任。現在は紋別養護学校に勤務している。
 これまで市内で数回のコンサートを開いたほか、流氷公園ロマンティックコンサートへの出演、合唱団伴奏者などとしても活躍。紋別高校の校歌作曲者でもある。
 今回はソロリサイタルではなく、音楽仲間4人と合同でステージを作り上げる。
 メーンの1つはラヴェル作曲「ボレロ」。小さな小太鼓の音で始まり、最後は爆発的に高揚して曲を閉じるバレエ音楽で、誰もが一度は耳にしたことがあるような有名な曲。本来は管弦楽で演奏されるが、今回は平野さんが2台のピアノと小太鼓のために編曲した作品を初演する。
 平野さんは紋別エッセイクラブに所属する文筆家で、今回は音楽と詩の融合にも挑戦する。
 その1つが高村光太郎が亡き妻への思いを綴った詩集「智恵子抄」を題材とした作品。光太郎と智恵子の心の軌跡を音(ピアノと朗読)で表現しようとするもので、平野さんは「歌曲でもなく、ステレオタイプな朗読でもない。音と言葉が、融合したり寄り添ったり、時には火花を散らしたりするような表現なのである。ピアノの即興演奏は、鍵盤だけでなく、弦をはじいたり木琴のばちで叩くといった内部奏法も活用する」と、語る。

 入場料は1000円。チケットは市民会館、茶豆館などで発売中。問い合わせは同連盟事務局の茶豆館(電話0158・23・6081)まで。


コンサートの詳細情報は以下の通り。 

平野学コンサート「黒と水色の・・・」 En noir blue clair

期  日 : 2015年11月21日(土)
時  間 : 開場18時00分  開演18時30分
会  場 : 紋別市民会館 大ホール 紋別市潮見町1丁目4番3号
料  金 : 1,000円
出  演 : 平野学(pf) 大和田義輝(pf) 小野辰朗(パーカッション)
       長澤達也・瀧澤みどり(朗読)
問合せ先 : 認定NPO法人紋別文化連盟  0158-23-6081

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朗読で参加される方のブログれば「ピアノの演奏も朗読も よくある感じではなく より音楽的なダイナミズムで作り上げていくもの」だそうです。


さすがに北海道は遠いので当方は参りませんが、お近くの方、ぜひどうぞ。

この手のイベントを企画されている方はこちらまでご連絡いただければご紹介しますし、協力も致します(内容によりけりですが)。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 11月10日

昭和2年(1927)の今日、アトリヱ社から、光太郎が解説を執筆した『ドラン画集』が刊行されました。

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アンドレ・ドラン(1880~1954)はフランスの画家。アンリ・マティスとともにフォービズムの旗手として名を為しました。また、光太郎と交流のあった安井曾太郎などに多大な影響を与えたり、同じエコール・ド・パリの画家・藤田嗣治に高く評価されたりしました。

関西発の情報を2件。
期 日 : 2015年10月25日(日)002
時 間 : 10:00~17:00
       奈良県高市郡明日香村大字立部745番地
料 金 : 1,000円
内 容 :
 セッション部門
  天谷勇介さんの恋愛カウンセリング
  垣内 理恵 さん 身体調整マッサージ
  マインドブロックバスター
  やよいさん カラーセラピー
  セラフィムクリシュナさん
  愛氣仁手ヒーリング
  水木彩華さん アニマルコミュニケーション
  ヒーラー☆奈良のおっちゃん
  手相セラピスト ふみさん
  11時~12時          風の笛コンサート
  12時20分~13時      わらしの三線ライブ
  13時30分~14時30分  よったんワーク
  14時45分~15時45分  プロの舞台女優さんによる、演劇ワークショップ。
  16時~16時45分        朗読 五十嵐和子 嘘/智恵子抄
             朗読 五十嵐利花 おかあさんの木/クヌギおやじの百万年



ヒーリング系のチャリティーイベントだそうです。

舞台部門で「智恵子抄」の朗読をされる五十嵐和子さんという方、やはり朗読のイベントで、以前にもこのブログでご紹介させていただきました


もう1件。こちらは舞踊系の公演です。

サイトウマコトの世界 vol.4 うたかたのオペラ

演 目 : 「うたかたのオペラ」 「Tubular Bells」
日 時 : 2015年10月29日(木)19:00/10月30日(金)15:00,19:00
料 金 : 一般 3500円 学生 3000円 当日 4000円
場 所 : 神戸アートビレッジセンター KAVCホール
       兵庫県神戸市兵庫区新開地5丁目3番14号
構成・演出・振付 : サイトウマコト
出 演 : 市村麻衣 北原真紀 斉藤綾子 佐々木麻帆 辻史織 長尾奈美 中谷仁美 本多由佳里
          増田律夢 宮崎安奈 ザビエル守之助 森恵寿
問合せ : 斉藤DANCE工房 06-6858-5288 
ms@pop01.odn.ne.jp
主  : 斉藤DANCE工房
協 力 : ダンスの時間プロジェクト

今回お送りする2つの作品は、どちらも1970〜80年代という感覚をかもし出すことを強く意識しています。
「うたかたのオペラ」は加藤和彦のベルリンを題材としたアルバム、「Tubular Bells」はマイク・オールドフィールドのプログレッシブ・ロックの名盤を基にして、それぞれの音楽を素直に受け止め、そこから動きを創造し、また音楽にはめて行くという作業を繰り返したものです。全体よりも部分を作り上げること、そこから全体をまとめて行くという方法で音楽と向き合っています。
また、関西のレベルの高いダンサー達によって、新作とはいえ作品の熱度が大きく高まることを期待しています。関西のコンテンポラリーダンス界において、長年活躍している男性舞踊家も2名参加しています。現在のコンテンポラリーダンスは実は長い歴史に支えられている事も、アピール出来たらと思っています。

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関係者の方のブログによれば、二つの演目のうちの、「Tubular Bells」が「智恵子抄」からのインスパイアだそうです。

主役の北原真紀さんと森恵寿さんとのデュオは圧巻です。高村光太郎の「智恵子抄」をイメージし、智恵子と彼女の幻影が対比的に描かれます。

「Tubular Bells」といえば、プログレッシブ・ロックのミュージシャン、マイク・オールドフィールドのデビューアルバムのタイトルで、冒頭部分が映画「エクソシスト」のテーマに使われました。よく言えば幻想的、悪く言うと不気味。聴けば「ああ、この曲か」という方は多いと思います。



この曲に乗せての「智恵子抄」。どのような舞台になるのか、興味深いところです。


光太郎智恵子の世界、そこにリスペクトの要素さえあれば、誰がどのように料理して二次創作するか自由です。全国のあらゆる分野の表現者の皆さん、よろしくお願いします。

だからといって、明らかにリスペクトの要素が見えないもの、「どこが「智恵子抄」なんだ?」というものには閉口します。実際にあったのですが、春画のような作品を並べて「智恵子抄の世界」と言われても困ります。それはそれでその方の感性なのだから仕方がないのかも知れませんが……。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 10月22日

昭和24年(1949)の今日、花巻郊外太田村の山小屋で、彫刻家の笹村草家人からの書留を受け取りました。

中身は笹村の師・石井鶴三作の木彫「島崎藤村像」の制作過程を撮った写真25枚でした。翌月には石井に宛てた書簡に次のようにしたためました。「島崎藤村像」は、石井が木曽奈良井宿の浄龍寺にこもって制作、この翌年に完成しています。

藤村木像は期待されます、今日の日本の彫刻はゆたかに十分に発育してゐないと思ひますので今後こそたのしみです。

石井鶴三は、明治期から光太郎と親交の深かった画家・石井柏亭の実弟です。

静岡から朗読系のイベントです。

SPAC秋のシーズン開幕直前☆『舞台は夢』の前夜祭

日   時 : 2015年9月21日(月祝) start 19:00 (open 18:30)
会   場 : スノドカフェ七間町 (静岡市葵区七間町7-8)
参 加 費 : 1,000円(ワンドリンク付き)
申し込み  : 
 SPACチケットセンター(TEL.054-202-3399 受付時間:10:00~18:00)
 スノドカフェ七間町 (TEL.054-260-6173 受付時間:11:00 - 21:00/水曜定休)
 
◆ 『智恵子抄』リーディング
前夜祭に来ていただいたお客様に感謝を込めた、エキストラおもてなし企画! 「この『舞台は夢』が5年ぶりのセリフ劇なんです(笑)」と話す寺内が牧山とともにお贈りする、高村光太郎『智恵子抄』の朗読パフォーマンス!・・・これは必聴です。

プロフィール
◆牧山祐大
『わが町』、『マハーバーラタ』、『ハムレット』など多くのSPAC作品で幅広い役をこなす、遊撃手タイプのSPAC俳優。
☆ひとこと☆
「朝のコーヒーは譲れない!豆から挽いて、ドリップします。おすすめのコーヒー豆があったら教えてください!」
◆寺内亜矢子
フランスから参加のパリジェンヌ。SPACでは『マハーバーラタ』『天守物語』の演奏チーフ、『盲点たち』の無言ムーブメントなど、喋らないことを得意とする特殊女優。
☆ひとこと☆
「葉野菜主食の草食動物ですが、静岡の美味しいおそばも大好物!美味しい地酒があれば言うことなし。ただいまお店を開拓中!」

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SPAC」というのは、静岡県舞台芸術センター(Shizuoka Performing Arts Center)の略だそうです。舞台芸術を創造・上演するための専門家集団を擁し、静岡芸術劇場などを拠点にした演劇等の公演の他、海外を含め、各地に出張公演も行っているとのこと。

そのSPACさんの次回公演が、フランスの俳優・演出家、フレデリック・フィスバック演出による「舞台は夢」。その前夜祭、というのが上記イベントです。

「舞台は夢」に関わるトーク、レクチャーの他に、出演俳優さんによる「智恵子抄」の朗読があるというわけです。「舞台は夢」と「智恵子抄」には直接の関係はなさそうなのですが……。

こういう機会を通し、若い皆さんが光太郎智恵子の世界に興味を持つきっかけとなってくれればいいと思います。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 9月8日001

昭和17年(1942)の今日、冨山房から佐藤隆房著『宮澤賢治』が刊行されました。

無題背の文字は光太郎の揮毫です。

佐藤隆房は宮澤賢治の主治医。賢治の詩「S博士に」(昭和7年=1932)のモデルだそうです。

賢治つながりで、昭和20年(1945)に空襲で東京のアトリエを失った光太郎を花巻に招くのに一役買いました。
 
花巻到着後にすぐ高熱を発して倒れた光太郎を看護したり、終戦直後の短期間、光太郎を自宅に住まわせたりもしています。その後も足かけ8年岩手で暮らした光太郎と深い交流を続けました。光太郎歿後も花巻に財団法人高村記念会を立ち上げ、初代理事長を務めています。

同書はロングセラーとしていまだ版を重ねています。ただ、光太郎の揮毫が依然として使われているかどうかは存じません。

山形からイベント情報です。

第8回山形大学高校生朗読コンクール/群読劇「ビルマの竪琴」

 第8回山形大学高校生朗読コンクール/群読劇「ビルマの竪琴」に一般市民を無料招待します。
  ※ただし、事前にお申込みをお願いいたします。(当日のご入場も受付けます。)

  山形大学特別プロジェクト「いま、言葉を東北の灯(ともしび)に」の事業として、9月13日(日)に、山形市中央公民館多目的ホール(アズ七日町6階)において、第8回山形大学高校生朗読コンクール/群読劇「ビルマの竪琴」を開催します。
 
 朗読コンクールには、予選を通過した東北6県の高校生10名前後(選考結果によって変動します)が出場し、福島県にゆかりのある詩人で彫刻家でもある高村光太郎の作品を朗読します。

  群読劇「ビルマの竪琴」では、酒田市出身の演出家佐藤正文氏が演出を担当、出演者として磯部勉さん、大西多摩恵さんをお招きし、山形の子どもたち、一般市民のみなさん、山形大学学生とともに舞台を作り上げます。

日 時:平成27年9月13日(日) 13:00開場 13:30開演(終演予定17:00)
 第一部:高校生朗読コンクール 高村光太郎「智恵子抄」より
 第二部:群読劇「ビルマの竪琴」
 第三部:表彰式

会 場:山形市中央公民館多目的ホール (山形市七日町一丁目2番39号 アズ七日町6階)

お申込み方法
  チラシ裏面の入場申込書に、代表者氏名、代表者住所、電話番号、同行者氏名、合計人数(5名まで)をご記入の上、郵送・FAX・メール・電話のいずれかからお申込みください。
※電話によるお申込み・お問合わせは、平日9:00~17:00にお願いします。
申込み締切り:平成27年9月9日(水)まで
お申込み・お問合わせ先:山形大学エンロールメント・マネジメント部社会連携課
〒990-8560 山形市小白川町1-4-12
TEL: 023-628-4016 FAX: 023-628-4491 E-mail:
embml@jm.kj.yamagata-u.ac.jp

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6月にこのブログで出場者募集の案内をご紹介した山形大学さん主催の朗読コンクール、本選が行われます。同時に群読劇「ビルマの竪琴」の上演も。

「いま、言葉を東北の灯に」をサブタイトルに、宮澤賢治や井上ひさし、藤沢周平など東北出身の作家の作品を取り上げてきたイベントです。平成23年(2011)からは、東日本大震災を受け、参加資格を東北6県の高校生に広げ、復興支援の意味も付与してて実施しています。

こういう活動を通し、若い世代に光太郎智恵子の世界を深く知ってほしいものです。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 9月1日

昭和44年(1969)の今日、光太郎がよく利用した花巻電鉄の花巻 - 西花巻 - 西鉛温泉間が廃線となりました。

昭和20年(1945)から光太郎が7年間住んだ太田村の山小屋からは、徒歩1時間ほどの二ツ堰駅で乗車、花巻町に出る時や、逆方向の大沢温泉、鉛温泉などに行く際に利用していました。

下の画像は少し前に入手した古絵葉書です。

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先週、オンエアされたテレビ東京系BSジャパンさんの、「空から日本を見てみよう+ 岩手県花巻温泉~遠野」では、花巻駅近くに静態保存されているデハ3型が取り上げられました。

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内部にもカメラが入りました。座っている乗客にもつり革が必要だったというのですから笑えます。

2系統あった花巻電鉄、昭和47年(1972)には花巻 - 花巻温泉間が廃線となり、その歴史に幕を閉じました。

愛知から舞台の情報です。 

智恵子抄~故郷 福島への想い

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内 容 : 智恵子抄~故郷 福島への想い~ Part1  あわい 愛~
      智恵子抄~故郷 福島への想い~ Part2 あわい 淡~
開催日
 : Part1 2015年9月2日(水)  Part2 2015年10月5日(月)
会 場 : メニコンANNEX 愛知県名古屋市中区葵三丁目21番19号
時 間 : <両日ともに> 19:00 開演 (18:30 開場)
入場料 : 各日 全自由席 ¥2,000  お支払いは当日受付にてお願いします。
 ※うち¥100円は一般社団法人aichikaraへ寄付させていただきます。一般社団法人aichikara →http://www.step-aichikara.com/
  福島の子どもたちへの支援を中心に、愛知県の学生が主体となって活動している名古屋の団体。毎年リフレッシュキャンプを開催し、福島の子供たちを愛知県へ招いています。
主 催 : カラダのアトリエ マナマナ
協 賛 :  (株)メニコン


お問い合わせ
◆沼田眞由み Tel 080-4426-0770 (カラダのアトリエ マナマナ)
◆ANNEX事務局 TEL 052-935-0918(受付時間平日9:30~18:30)FAX 052-935-3877 Email 
info@menicon-net.co.jp
 
出 演 者 :
 ☆Part1 ~あわい 愛~
  高村光太郎 高宮直秀
  高村智恵子 沼田眞由み(カダラのアトリエ マナマナ) 
  ピアノ 堀内悠馬      朗読 のざきのりこ
 ☆Part2 ~あわい 淡~
  高村光太郎 榊原忠美(劇団クセックACT

  高村智恵子 沼田眞由み(カダラのアトリエ マナマナ)
  ピアノ 堀内悠馬 朗読 のざきのりこ

定員 各日とも 80名

 智恵子抄の真実 〜夫 光太郎への愛〜 〜故郷 福島への想い〜 〜断ち難い 芸術の魂〜 智恵子抄の真実がコンテンポラリーダンスで今、蘇る・・・
 「智恵子抄」から、誰もがよく知る詩の朗読とともに、ダンスで光太郎と智恵子の故郷福島への想いを伝えます。
 衣裳や舞台で使われるいるものは、ダンサーが福島各地で手にして集めたものです。智恵子抄の朗読、ダンス、衣裳やホールを使った映像もお楽しみいただけます。

お申込み
以下リンクより、お申込みください。
http://form1.fc2.com/form/?id=2e247b5214d0ff5b
9月2日、10日5日の両日のお申込み可能です。それぞれ、日付を選びご入力ください。
※入場料は当日お支払いをお願いいたします。


舞踊系の舞台のようです。

9月2日(水)、10月5日(月)と2回に分けての公演。それぞれ「Part1  あわい 愛」、「Part2 あわい 淡」と異なるサブタイトルになっていますので、同一の内容ではないのでは、と思います。

調べてみましたところ、両日共に智恵子役の沼田眞由みさんという方は、福島郡山ご出身だそうです。


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お近くの方、ぜひどうぞ。

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【今日は何の日・光太郎 拾遺】 8月19日

平成17年(2005)の今日、雑誌『アニメーションRE』創刊号が発行されました。

付録のDVDに、声優の能登麻美子さんによる、『智恵子抄』巻末近くの光太郎詩「亡き人に」の朗読が収められています。

能登さんは、声優のお仕事以外にも、朗読系にも力を入れていらっしゃいまして、ラジオ文化放送系で「能登麻美子のおはなしNOTE」(月曜深夜=火曜未明、再放送・火曜昼間)という朗読番組を担当されています。こちらの番組では光太郎の詩「道程」や散文「珈琲店より」も取り上げて下さいました。

それぞれ素晴らしい朗読です。

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昨日もちらっと触れた、横浜市の神奈川近代文学館さんでのイベントです。ただし、館の主催ではなく、会場を貸してのもののようです。  

「朗読の会」発表会「ありのままに」

開催日 : 2015年7月17日(金)
 間 : 13:30
 場 : 神奈川近代文学館 横浜市中区山手町110
出演者 :  「朗読の会」A・Bグループ18名
 金 : 無料
 目 : 高村光太郎「智恵子抄」、工藤直子「ねこはしる」
 『智恵子抄』 朗読 Aグループ
  高村光太郎「智恵子抄」より  佐藤春夫「小説智恵子抄」より
  草野心平「悲しみは光と化す」より  宮崎春子  「紙絵のおもいで」より
 『ねこはしる』 朗読 Bグループ
問い合わせ :  「朗読の会」八尾 045-774-6519


調べてみたところ、「朗読の会」さんは、「かたりよみ研究所 創造の会」さんという団体の中のグループで、横浜で定期的に練習や発表などの活動をなさっているようです。講師は児玉朗氏、西本朝子氏ご夫妻で、木下順二作の舞台「夕鶴」で有名な山本安英の弟子筋に当たる方々だそうです。

演目のうち、佐藤春夫の「小説智恵子抄」は、光太郎が歿した昭和31年(1956)から翌年にかけ、光太郎と親交の深かった佐藤春夫が雑誌『新女苑』に連載したジュブナイルです。連載当時のタイトルは「愛の頌歌(ほめうた) 小説智恵子抄」。昭和32年(1957)に実業之日本社で単行本化、のち、角川文庫のラインナップに入りました。文庫版の解説は草野心平です。

その草野心平の「悲しみは光と化す」は、新潮文庫版『智恵子抄』(昭和31年=1956)の解説として書かれたものです。光太郎が昭和28年(1953)に書いた秩父宮雍仁親王追悼文の題名をそのまま転用しています。

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宮崎春子は旧姓長沼春子。智恵子の姪で、看護師の資格を持ち、南品川のゼームス坂病院でその最期を看取りました。ほとんど唯一、紙絵の制作過程を実見し、それを語ったのが「紙絵のおもいで」です。

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紙絵を見る春子(昭和30年=1955)


さて、多くの皆さんが光太郎作品、特に「智恵子抄」系の朗読に取り組んで下さっています。ありがとうございます。そうした動きが下火になることなく、さらにもっともっと広がってほしいものです。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 7月10日

明治43年(1910)の今日、雑誌『方寸』第4巻第5号に、「死んだ荻原守衛君」が掲載されました。

光太郎の盟友、碌山荻原守衛の死はこの年4月20日でした。

僕は今、死んだ荻原守衛君の芸術のことを考へてゐる。しかし、どうしても一つの纏まつた、形を成した、過ぎ去つた作家として荻原君の事が頭に出て来ない。善い夢を見てゐる途中で眼がさめた、その先きが思はれてならないといふ感じである。

と始まり、終わり近くには、

それがふつと消えたのである。為方がないといふ言葉は実に惨酷な言葉である。

とあります。

この文章は同じ年9月の雑誌『日本美術』第139号、翌年に刊行された守衛の著作集『彫刻真髄』にも転載されました。

山形からの情報です。 
今年度で8回目の開催となる山形大学恒例の高校生朗読コンクールの 出場者を募集します。今年は、詩人で彫刻家であった高村光太郎の作品を取り上げます。 予選課題文は、福島二本松出身の妻智恵子との思い出を詩と散文で綴った『智恵子抄』から選びました。例年通り、今年も多くの東北地方の高校生の皆様の応募をお待ちしております。

【高校生朗読コンクール概要】
◆予選応募要項
・応募資格:東北6県(青森・秋田・岩手・宮城・山形・福島)在住の高校生、または各県内の高校に在学中の高校生
 ※高等専門学校生は1年生から3年生までとします。
  同一高校からの応募人数制限は設けません。
・予選課題:高村光太郎『智恵子抄』所収「智恵子の半生」の部分
       (新潮文庫版(平成15年改版)『智恵子抄』133~135頁)
・応募締切:平成27年6月30日(火)(当日必着)
詳細はこちら

◆本選概要
・日  時:平成27年9月13日(日)13:00~17:00(時刻は予定)
・会  場:山形市中央公民館多目的ホール
      (〒990-0042 山形市七日町一丁目2番39号 アズ七日町6階)
・課  題:高村光太郎氏の著書から、予選通過者それぞれに異なる部分を審査委員会が指定します。
※群読劇「ビルマの竪琴」と同時開催

(お問合せ)
山形大学エンロールメント・マネジメント部社会連携課  (TEL)023-628-4016

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今年で8回目を迎える「山形大学高校生朗読コンクール」。平成23年(2011)からは、東日本大震災を受け、参加資格を東北6県の高校生に広げて実施しています。

今年、初めて光太郎の作品が課題に選ばれましたが、過去7回の課題は以下の通り。

第1回 (平成20年=2008)~第3回(同22年=2010) 藤沢周平
第4回 (同23年=2011)              井上ひさし
第5回 (同24年=2012)~第7回(同26年=2014)    宮澤賢治

山形出身の藤沢周平、井上ひさしと来て、やはり東日本大震災との関連もあってのことでしょう、ここ3年間は宮澤賢治が取り上げられていました。そして光太郎。光太郎も3年くらい取り上げ続けていただきたいと思います(笑)。


こういう活動を通し、若い世代に光太郎智恵子の世界を深く知ってほしいものです。

9月の本選は一般公開されます。また近くなりましたらご紹介します。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 6月19日

昭和27年(1952)の今日、青森八甲田山麓の酸ヶ湯温泉に一泊しました。

15日に花巻郊外太田村を発ち、十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)制作のための下見に十和田湖を訪れた流れです。

当日の日記から。

六月十九日 木
晴、 休屋より車にて青森道を走り、酸か湯につく、 入浴、植物園見物、(中略) 酸か湯の大湯めづらし、

酸ヶ湯温泉は大浴場「ヒバ千人風呂」で有名。「大湯めづらし」はそれを指しているのでしょう。「植物園」は今も続く東北大学植物園八甲田山分園です。

次の日は青森市に下り、県庁で津島文治青森県知事(太宰治の実兄)と対面、さらに浅虫温泉に宿泊しました。

当方、酸ヶ湯に宿泊したことはありませんが、昨年、3回十和田に行ったうちの2回、立ち寄りました。

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東北レポートの最終回です。

5月17日の日曜日、仙台にて、朗読家の荒井真澄さん、ヴァイオリニストの佐藤実治さんによるコンサート「無伴奏ヴァイオリンと朗読 智恵子抄」を聴いて参りました。午後の部と夜の部の2回公演で、当方、午後の部を拝聴。

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「杜の都」と称されるだけあって、この季節の仙台は緑が溢れていました。さらに、この日は「仙台青葉まつり」。多くの人でにぎわっていました。

コンサート会場は、ジャズフェスティバルが開催されることでも有名な定禅寺通りに近いJazz Me Blues Nola(ジャズミーブルースノラ)さん。

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大きな窓から外の光が差し込み、行き交う人々が見える状態ですが、防音はしっかりしているようで、外の喧噪は伝わってきません。

先月の第59回連翹忌でチラシをお配りしたところ、二本松在住の「智恵子のまち夢くらぶ」の熊谷夫妻もいらしていました。熊谷氏、夢くらぶさん作成の智恵子のふるさとマップを会場の皆さんに配布、最後にはステージでご挨拶もされました(当方もでしたが)。

さて、午後の部は3時開演。

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当方、荒井さんの朗読を聴くのは3年前と、一昨年に続き、3回目でした。以前の2回は、一昨年の第57回連翹忌で、ピアノ演奏に合わせてのアクションペインティングをご披露下さいました斎藤卓子さん、一関恵美さんとのコラボでしたが、今回は佐藤さんのヴァイオリンによる演奏の合間、時には演奏にかぶせ、荒井さんの「智恵子抄」から11篇の詩の朗読でした。

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相変わらず情感たっぷりの、素晴らしい朗読でした。元々「智恵子抄」が大好きだという荒井さんですので、その作品に対する思いのたけが表されているように感じました。

ちなみにこの日に公演を組まれたのも、5月20日の智恵子の誕生日に近いという理由もあってのことだそうです。

第2部は、佐藤さんと、ピアノの及川久美子さん(佐藤さんの奥様だそうです)とによる演奏。ご夫婦ならではの息のあった演奏でした。ヴァイオリン演奏では定番の「チャルダッシュ」は、超絶技巧が冴えわたっていました。

最後にアンコール、第1部になかった荒井さんの「もしも智恵子が」の朗読と演奏で幕を閉じました。

いつも同じようなことを書いたり、講演などで喋ったりしていますが、こういう形で光太郎智恵子の世界を広めていただくことも、本当に有り難いかぎりです。全国の様々な分野の表現者の皆様、ぜひよろしくお願いいたします。

ところで荒井さん、宮澤賢治作品などの朗読にも取り組まれています。いただいたチラシを掲載しておきます。ともに仙台での開催で2件。クリックで拡大します。

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【今日は何の日・光太郎 拾遺】 5月24日

昭和23年(1948)の今日、花巻郊外太田村の山口小学校で、増築の上棟式に参加しました。

同校は昭和45年(1970)に廃校となり、校舎は10年ほど前まで残っていたのですが、老朽化のため解体されました。

下は20年ほど前に撮った写真です。

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3泊4日の東北行を終え、昨日遅くに自宅兼事務所に帰りました。数回に分けてレポートいたします。

まずは5月15日(金)に執り行われました、第58回高村祭について。

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佐藤進花巻高村光太郎記念会会長

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上田東一花巻市長

翌日の新聞各紙を購入して帰りましたので、その記事を元にします。 

岩手)参加者ら詩を朗読、光太郎しのぶ 花巻で高村祭

『朝日新聞』 岩手版

詩人で彫刻家の高村光太郎が東京から花巻に疎開した日を記念して開かれている「高村祭」が15日、花巻市太田の高村山荘詩碑前広場であった。新緑の中、参加者全員で「雪白く積めり」を朗読し、光太郎をしのんだ。
 空襲で東京のアトリエを失った光太郎は1945年5月15日、夜行列車で東京を出発し、翌日、花巻に着いた。光太郎がその詩を高く評価した宮沢賢治の実家に疎開。10月に旧太田村山口に移り、7年間過ごした。高村祭は花巻高村光太郎記念会が主催、今回が58回目。疎開から今年でちょうど70年となり、記念会の佐藤進会長は「高村先生をしのびたい」と話した。
 地元の小中学生らが詩を朗読、合唱を披露した後、高村光太郎連翹忌(れんぎょうき)運営委員会の小山弘明代表が講演し、「戦争に協力した自分を自分で罰するため、ここでは彫刻を封印し、自省する日々を過ごした」などと話した。(石井力)

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記事に有るとおり、昭和20年(1945)の詩「雪白く積めり」の朗読を全員で行いました。自分の隣には上田市長がいらしたのですが、誰よりも大きな声で朗読なさっていました。すばらしい。

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地元小中高生、看護学校生のみなさんによる朗読や演奏。太田小学校の2年生児童は、統合で廃校となった旧山口小学校の校歌も披露し、同校卒業生の皆さんは非常に懐かしがっていました。

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高村光太郎の功績 後世へ

『読売新聞』 岩手版

 詩集「智恵子抄」などで知られ晩年を太田村(現花巻市)で過ごした彫刻家高村光太郎(1883~1956)の功績をしのぶ高村祭が15日、花巻市太田の高村山荘詩碑前で行われた。     
 1945年5月15日、高村は東京のアトリエを空襲で失い、親交のあった宮沢賢治の弟・清六を頼りに夜行列車に乗った。この旅立ちの日を記念して毎年、高村祭が開かれている。今年で70年を迎え、児童・生徒らが高村の手掛けた詩の朗読や合唱などを行った。
 高村山荘は、疎開した高村が7年間、腰を落ち着けて暮らしたゆかりの地。狭い小屋ながら地域住民と触れ合い、農耕と自炊の生活を送った。
 元中学校教諭で、高村光太郎を研究している小山弘明さん(50)は講演で、「高村はこの地で大きく視野を広げた。残念なのは、一時期の日記や手紙が全く見あたらないこと。高村の功績を考え、しっかりと後世に伝える必要がある」と話した。
 高村山荘に隣接する高村光太郎記念館では、高村が太田村山口で暮らした7年間を紹介する企画展も開かれている。問い合わせは、記念館(0198・28・3012)へ。
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「日記や手紙が」とありますが、正しくは「日記が」です。以前にも書きましたが、昭和24年(1949)と25年(1950)の日記大部分が行方不明です。同じく行方不明だった昭和20年(1945)の分は、花巻で見つかりました。そう考えると、24、5年のものも、もしや……と考えています。

企画展に関しては後日、詳述します。 

光太郎の思い 次代に 疎開70年、花巻で高村光太郎祭 住民ら500人がしのぶ 朗読や合唱のびやか

『岩手日報』

 花巻市で晩年を過ごした彫刻家で詩人の高村光太郎(1883~1956年)を顕彰する第58回高村祭は15日、同市太田の高村山荘詩碑前で開かれた。児童生徒らが朗読や合唱を披露し、光太郎の花巻疎開から70年の節目に思いを重ねた。
 花巻高村光太郎記念会(佐藤進会長)などが主催し、住民ら約500人が参加。佐藤会長は「今年は高村光太郎記念館がリニューアルオープンし感謝している。高村先生をしのび楽しい一日にしたい」とあいさつ。上田東一市長は「70年前のきょう、高村先生は東京を出発し花巻に向かった。新しい記念館も見ていただき、高村先生の功績と人生に思いをはせてほしい」と参加者に呼び掛けた。
 太田小児童が楽器演奏を披露し、西南中の生徒は光太郎が残した「心はいつもあたらしく」の言葉を歌詞にした「精神歌」を合唱した。花巻高等看護専門学校1年の大尻真海(まみ)さん(18)は花巻空襲で負傷者救護に尽力した看護師らをたたえる「非常の時」を朗読。「光太郎先生が岩手を愛し、深く地域と関わっていたことを高村祭であらためて感じた」と話した。同専門学校はコーラスも披露し、会場に優しい歌声を響かせた。
 光太郎の妻智恵子の出身地、福島県二本松市からメンバー約20人と訪れた「智恵子の里レモン会」の渡辺秀雄代表は「新緑の林の中で開かれる高村祭は規模も大きく、伸び伸びとしている。雰囲気がいい」と感心していた。
 光太郎は45年5月15日、戦災のため花巻に疎開し約7年間を過ごした。

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看護学校の大尻さんは、詩「非常の時」の朗読をなさいましたが、朗読だけでなく、その前に、この詩が作られた背景を説明して下さり、感心しました。

光太郎の偉業 しのぶ 高村祭 詩朗読や楽器演奏

『岩手日日』 はなまき

 花巻市ゆかりの彫刻家で詩人の高村光太郎(1883~1956年)をしのぶ第58回高村祭(花巻高村光太郎記念会など主催)が15日、同市太田の高村山荘の詩碑前で行われた。多くの参加者が、かつて光太郎が暮らした自然環境に親しみながら、詩の朗読や合唱、有識者による特別講演を通じ、その偉業に思いを巡らせた。
 同記念会の佐藤進会長や上田東一市長をはじめとする関係者や地元の児童生徒ら約600人が参加。彫刻の代表作とされる「乙女の像」がある青森県十和田市や、光太郎の妻・智恵子を顕彰する福島県二本松市の智恵子の里レモン会からも関係者が来場した。
 光太郎の遺影を飾った詩碑に、太田小学校の戸來尚暉君(2年)と髙橋百花さん(同)が花を手向け、三彩流新茗会の新田社中が献茶。碑に刻まれた「雪白く積めり」の詩を一同で朗読した。
 同校2年生16人が詩の群読や楽器演奏、光太郎が指導したという旧山口小学校の校歌を披露。西南中学校の1年生54人も「心はいつもあたらしく 日々何かしら見いだそう」という光太郎の言葉を盛り込んだ同校の精神歌を合唱した。
 続いて詩作「道程」を花巻南高の久保田彩花さん(3年)、同じく「レモン哀歌」を池田菜美さん(2年)が朗読。静かに心へ染み入るような光太郎の詩の魅力を会場全体で味わった。
 花巻高等看護専門学校の大尻真海さん(1年)は、1945年の花巻空襲で、身をていして負傷者を救護した医師や看護師に光太郎が贈った詩「非常の時」を朗読した。同校1年生男女40人の混声合唱では、光太郎作詞の「最高にして最低の道」などを披露した。
 太田小学校の安藤大翔君(2年)は「上手に発表できた。自分が中学生になった時も、今日の中学生に負けないように頑張りたい」と笑顔。花巻高等看護専門学校の石澤直人君(1年)は「伝統ある高村祭に参加できてうれしい。高村先生のように強い意志を自分も持って看護師を目指す」と意欲を見せていた。
 高村祭は、戦火で東京のアトリエを失った光太郎が、70年前に花巻へ疎開してきた日に合わせて毎年開催。今回はリニューアルした高村光太郎記念館のオープン記念も兼ねている。
 同記念館では、新設の企画展示室を活用した初の企画展「山居七年」が同日から開幕。9月28日までの前期は希少な光太郎の水彩画など18点と詳細な年譜などを紹介し、10月9日から2016年2月22日の後期は展示を入れ替える。問い合わせは同記念館=0198(28)3012=へ。

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『岩手日報』さんと『岩手日日』さんは、二本松の智恵子の里レモン会さんにも触れています。渡辺代表、夕方のローカルニュースでもご出演。
 
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真摯に生きた光太郎の姿紹介 小山代表が特別講演

『岩手日日』 はなまき

 15日の第58回高村祭では、高村光太郎連翹(れんぎょう)忌運営委員会の小山弘明代表が「高村光太郎と花巻・山口」をテーマに特別講演。つまずきながらも真摯(しんし)に生きた光太郎の姿を多くのエピソード共に紹介した。
 小山代表は、花巻での光太郎について「戦争を賛美した自らに最も重い罰を科そうと彫刻を封印していた。だが、地元の人から敬愛され、幸せな日々を送ることができたのでは」などとした。
 高村光太郎記念館で同日開幕した企画展「山居7年」を監修。「光太郎が過ごした花巻ならではの展示を見てほしい」と呼び掛けている。

さらに当方も写真入りでご紹介下さいました。よい記念になります。

ところで記事にはなっていませんが、第二部もあり、そちらは地元の皆さん(モンデンモモさんも特別出演)の歌や踊りなどでした。地元の皆さんはこちらを楽しみにしています。自分で講演をやっておいてこういうのも何ですが、こういう催しは講演とか朗読とかの小難しいことだけをやっていても駄目ですね。高村祭の、半分は地域のお祭り的な要素が、長く続いている秘訣だと思います。泉下の光太郎も、存命中は地元の田植え踊りや神楽に非常に興味をひかれていました。そういう意味では、いいはなむけにもなっています。

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しかし、先述の『読売新聞』さんで、当方の講演の要旨として、「高村の功績を考え、しっかりと後世に伝える必要がある」というのが、肝です。そこで、小中高生、看護学校生などの若い皆さんが出演して下さり、さらに講演を聴いていただき、次の世代へとしっかりと光太郎の遺徳を伝えることを考えているのも、素晴らしい点だと思います。上記新聞各紙の見出しに「次代に」「後世へ」といった語を入れていただいたのは、そういう意味では非常にありがたいかぎりです。

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その頃まで当方が生きているとも思えませんが、42年後は第100回高村祭、その頃まで変わらずに続いていって欲しいものです。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 5月18日

大正12年(1923)の今日、新潮社から詩話会編纂007の『日本詩集 1923版』が刊行されました。

光太郎詩「真夜中の洗濯」「米久の晩餐」が掲載されています。

詩話会は、詩人の大同団結を目指し、大正6年(1917)に結成された団体です。『日本詩集』は年刊誌として毎年刊行。さらにこれと別に『日本詩人』という機関誌もあり、ともに光太郎も何度か詩を載せています。

しかし、こうした団体の常で、主義主張の相違から、大正15年(1926)には会が崩壊してしまいました。

仙台からコンサート情報です。  

無伴奏ヴァイヲリンと朗読「智恵子抄」

期 日 : 2015年5月17日(日)
会 場 : Jazz Me Blues Nola(ジャズミーブルースノラ)
       仙台市青葉区錦町1-5-14ノーバル・ビル1F
時 間 : 午後の会 開演 15:00  夜の会 開演 19:00
料 金 : 前売券 3,500円  当日券 4,000円 1ドリンク付き


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朗読の荒井真澄さんは、3年前、同じく仙台で開催された「シューマンと智恵子抄」というコンサートで、やはり「智恵子抄」を扱って下さいました。とても素敵な朗読をされる方です(朗読だけでなく、ご本人もとても素敵な方です)。

それ以前から「智恵子抄」の朗読を手がけられていて、youtubeに動画がアップされています。





ぜひお申し込みを。当方は既に申し込みました。

ところで今日は、東京大森に行って参ります。先月の第59回連翹忌にご参加下さいました潮見佳世乃さんの歌と語りによる歌物語コンサート「智恵子抄」を聴きに、です。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 5月6日

昭和61年(1986)の今日、銀座の東京セントラル美術館で「the光太郎・智恵子展」が開幕しました。008

光太郎歿後30年、智恵子生誕100年記念ということで、けっこう充実した企画展でした。

当方はこの時大学生。卒論が光太郎で、この企画展が初めて観た光太郎展でした。その頃には、まさか30年後に自分がこういう立場になっているとは思いもよりませんでした(笑)。

ちなみに昨日、BSフジさんで再放送があった「浅見光彦シリーズ22 首の女(ひと)殺人事件」の原作、内田康夫氏の『「首の女」殺人事件』(同じく昭和61年=1986)では、この企画展が事件の発端という設定でした。

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ところでこの企画展は光太郎歿後30年、智恵子生誕100年記念でしたが、来年、2016年は光太郎歿後60年、智恵子生誕130年です。美術館、文学館、イベント会社の皆さん、よろしくお願いいたします。

先頃リニューアルオープンした、花巻高村光太郎記念館。例年、同じく光太郎が戦後の7年間を過ごした高村山荘敷地内で、光太郎の遺徳を偲ぶ「高村祭」が催されています。開催日は、昭和20年(1945)光太郎が空襲で東京を焼け出され、花巻に向けて旅だった日に合わせ、5月15日に設定されています。

今年は高村光太郎記念館の開館記念、さらに光太郎がこの地に住み始めて70周年の節目の年になります。以下、花巻市さんのサイトから。

第58回「高村祭」

1 日時 平成27年5月15日(金)10時から

2 概要
   献花、献茶、主催者あいさつ
   楽器演奏(太田小学校)、合唱(西南中学校)、
   詩の朗読(花巻南高校、花巻高等看護専門学校)、
   特別講演(小山弘明氏 演題「高村光太郎と花巻・山口」)
    *小山弘明 氏(高村光太郎研究者・高村光太郎連翹忌運営委員会代表・
      高村光太郎記念館の展示の指導者)

*高村祭の主催は、(財)花巻高村光太郎記念会、高村記念会山口支部

3 その他 5月15日(金)は入館料無料

 担当 生涯学習部 生涯学習交流課 0198-24-2111 内線416

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というわけで、記念講演を仰せつかりました。

昨年までの57回の記念講演は、初期の頃は草野心平、伊藤信吉、深沢省三、高田博厚、北川太一先生、最近も、渡辺えりさん、末盛千枝子さんなど、錚々たるメンバーが務めてこられました。その流れを崩さぬよう、精一杯やらせていただきます。

題目は「高村光太郎と花巻、山口」。「山口」というのは、高村山荘、そして高村光太郎記念館の建つ地区の名前です。やはり光太郎がこの地に住み始めて70周年の節目、さらにリニューアルオープンした高村光太郎記念館でも、この地と光太郎との関わりをかなり詳しく掘り下げた展示を行っていますので、そうした内容をメインとしようと考えました。

式典の中では、地元の小中高生、看護専門学校生の皆さんが朗読や演奏で花を添えて下さいます。それがなぜ行われているのか、といったことも講演の中でお話しさせていただこうと思っております。

リニューアルなった記念館の見学と合わせ、ぜひ、足をお運び下さい。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 5月3日

昭和27年(1952)の今日、盛岡市の岩手県公会堂で開催された独立記念式で講演を行いました。

「独立」とは、サンフランシスコ講和条約の発効(4月28日)により、日本の主権が回復したことを指します。

この日の講演は、その一部分がNHK盛岡放送局からラジオで放送されました。

下記画像が岩手県公会堂。昨年、盛岡に行った際に、偶然、その前を通りかかりました。

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ちなみに本日を以て、当ブログ、開設より4年目に突入いたしました。これからも細々と(笑)更新していきますので、よろしくお願いいたします。

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