カテゴリ:音楽/演劇等 > 朗読

「智恵子抄」系の公演を2件ご紹介します。

まずもうすぐ開催の朗読会、青森発です。

第18回 リオンの朗読会

期 日 : 2026年5月16日(土)
会 場 : 八戸ポータルミュージアムはっち 2Fギャラリー2 青森県八戸市三日町11-1
時 間 : 14:00~16:00
料 金 : 無料
問 合 : リオンの会  090-7335-7552

<朗読作品>
 ・「赤い船」小川未明 作
 ・「智恵子抄」高村光太郎 作
 ・竹取物語より「命がけでにぎりしめたのに・・・」
 ・南部昔コ集より「貧乏神ど福の神様」
 ・日本昔話より「かっぱのおたから」  ほか

「リオンの会」さん、八戸を拠点に老健施設や親子を対象にした絵本の読み聞かせなどを行っているグループで、令和4年(2022)には公益社団法人読書推進運動協議会さんから全国優良読書グループ表彰を受けられたそうです。

続いて、コンサート情報は千葉県から。

潮見佳世乃歌物語コンサート 千葉開府900年記念「羽衣伝説・智恵子抄」

期 日 : 2026年5月24日(日)
会 場 : 千葉市文化センター 千葉市中央区中央2-5-1
時 間 : 開場14:00 開演14:30
料 金 : 前売 4,500円 当日 5,000円

出 演 : 
 潮見佳世乃(歌と語りと鳴り物) TATOO(ピアノ) 大河内淳矢(尺八)
 市川慎(箏・十七絃)
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歌物語は、潮見佳世乃の父、高岡良樹が創りだした、文学、演劇、音楽を融合させたこれまでにないジャンルです。琵琶法師や浄瑠璃など、物語を語る先人たちの伝統を引き継ぎながら、創作した物語に演劇的要素と音楽を取り入れ、奏でる音楽は、ジャズ、フォーク、ポップスなどをアレンジしたもの。音楽芸能のシーンに独自な世界観を切り開いています。

羽衣伝説
 天から池田の里に降りてきた天女と千葉常将のラブストーリー。羽衣伝説は全国にありますが、千葉の羽衣伝説は、時の権力者が登場する珍しい物語。千葉市の礎を築いた千葉氏にまつわる伝説です。千葉氏と妙見信仰との関わりも登場します。今年は千葉開府900年。千葉の繁栄を祈り、歌い語ります。

智恵子抄
 詩人高村光太郎が、妻智恵子について、結婚前からの30年間にわたり綴った詩や散文をまとめた智恵子抄。この書は、映画や小説などさまざまなカタチで作品化されました。精神を患った智恵子は、家族が暮らす九十九里浜で療養生活を送りますが、回復せず、光太郎を残し逝ってしまいます。
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連翹忌の集いにもいらして下さったことがおありの潮見佳世乃さん。ジャズ系シンガーであらせられますが、お父さまでシンガーソングライターの故・高岡良樹氏が作り上げられた「歌物語」というジャンルを引き継がれてのステージもなさっています。レパートリー的には「遠野物語」「おこりじぞう」「伊能忠敬物語」など。そして「智恵子抄」も。

何だかんだでこれまでに4回拝聴しました。

潮見佳世乃さん「歌物語コンサート「智恵子抄」」。
神奈川・静岡レポート その3 「潮見佳世乃起雲閣コンサート 歌物語×JAZZ」。
潮見佳世乃歌物語コンサート「智恵子抄・羽衣伝説」レポート。
潮見佳世乃 CD発売記念LIVE 歌物語✖️JAZZレポート。

恐縮ですが招待券を頂いてしまっており、参上いたします。

八戸の朗読と併せ、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 2 『高村光太郎詩集』世新潮文庫 

昭和25年(1950)11月20日 新潮社 伊藤信吉編  
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目次

 道程
  失はれたるモナ・リザ 寂寥 新綠の毒素 癈頽者より 地上のモナ・リザ
  或る夜のこころ 犬吠の太郎 郊外の人に 冬の詩 牛 群集に 秋の祈
 『道程』以後
  晴れゆく空 無爲の白日 丸善工場の女工達 雨にうたるるカテドラル 沙漠 
  米久の晩餐 ラコッチイマアチ 落葉を浴びて立つ 冬の送別 鉄を愛す 真夜中の洗濯
  車中のロダン 後庭のロダン クリスマスの夜
 ぼろぼろな駝鳥
  象の銀行 白熊 苛察 狂奔する牛 冬の奴 火星が出てゐる 花下仙人に遇ふ
  ぼろぼろな駝鳥 もう一つの自轉するもの 当然事 上州湯檜曾風景
  上州川古「さくさん」風景 似顔 非ヨオロツパ的なる 村山槐多 ばけもの屋敷
  何をまだ指してゐるのだ 首の座 刄物を硏ぐ人 冬の言葉 晴天に醉ふ
  
つゆの夜ふけに
 智恵子抄
  樹下の二人 夜の二人 あどけない話 同棲同類 風にのる智惠子 千鳥と遊ぶ智惠子
  値ひがたき智惠子 山麓の二人 レモン哀歌 亡き人に 梅酒
 「智惠子抄」その後(抄)
  元素智惠子 メトロポオル 案内 
 山林
  典型 山荒れる 鈍牛の言葉
 「暗愚小傳」(抄)
  パリ 親不孝 デカダン 美に生きる おそろしい空虛 ロマン ロラン 報告 山林
 解説・伊藤信吉

またやらかしまして、紹介する順番を誤りました。「選集等(単独)」の項、2番目に位置すべきものでした。

伊藤信吉の編集になりますが、伊藤を指名・推薦したのは光太郎自身でした。

新潮文庫といふのは小さな薄い書物のやうですが、小生はもともとたくさん詩作をしてゐないので、御選択次第でこれでも十分なのではないかとも考へられますし、大衆性といふやうな事は考へないでもいいと思ひますので、(どうせ小生のものには一般性はないやうに思はれます)、貴下さへイヤだと思はれなかつたら、編集して下さればありがたいと存じます(昭和25年=1950 5月28日 伊藤信吉宛書簡より)

昭和35年(1960)頃の版から光太郎彫刻「手」の写真を使ったカバーがかけられるようになりました。また、昭和43年(1968)には改版となり、一部収録詩の入れ替えが行われています。手持ちのものは昭和51年(1976)の第46版です。現在の版はカバーが智恵子紙絵となり、活字サイズが一回り大きくなっています。
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都内から朗読系の公演情報です。

きむらきょうやの温故知新〜葛藤〜

期 日 : 2026年5月4日(月・祝) 5月5日(火・祝)
会 場 : スタジオドラゴンカフェ 東京都杉並区久我山5-21-6 センタービル
時 間 : 5/4 18:00~ 5/5 13:00~ 18:00~
料 金 : 1公演 自由席 3,000円 2公演分 自由席 5,500円 3公演分 自由席 8,000円

日々、悩み迷い苦しみ「葛藤」を抱える貴方に「エネルギー」浴びせます! 芸能人格付けチェック、がっちりマンデー、ちびまる子ちゃんのナレーションでお馴染みの国民的ナレーター「きむらきょうや」と教え子たちが一所懸命にエネルギー放ちます!

そのタイトルは! 「きむらきょうやの温故知新〜葛藤〜」 今回は旧き文学作品から。いや〜昔の人も私と同じように「葛藤」抱えてるんだ…と新しい気づきになればと! 文豪達のお力を借りてお届けします!

出演者
 5月4日(月・祝) 及川司 重役室長 大福 平野こまり 風晴由圭 
 5月5日(火・祝) 亀井貢 日向寺ひろこ 大福 中村桃歌 平野こまり
 5月5日(火・祝) 亀井貢 重役室長 大福 中村桃歌 風晴由圭
※きむらきょうやは3公演共出演致します。

5月4日(月) 18時
 高村光太郎 「智恵子抄」抜粋 及川司
 小川未明 「野ばら」 平野こまり 大福
 芥川龍之介 「尾生の信」 重役室長
 樋口一葉 「裏紫」 風晴由佳
 中島敦 「山月記」 きむらきょうや
 この日のみシークレットゲスト

5月5日(火) 13時
 高村光太郎 「智恵子抄」抜粋 亀井貢
 太宰治 「待つ」 日向寺ひろこ
 小川未明 「野ばら」 中村桃歌 大福
 樋口一葉 「裏紫」 平野こまり
 中島敦 「山月記」 きむらきょうや

5月5日(火) 18時開演
 高村光太郎 「智恵子抄」抜粋 亀井貢
 小川未明 「野ばら」 中村桃歌 大福
 芥川龍之介 「尾生の信」 重役室長
 中島敦 「山月記」 きむらきょうや
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アニメ「ちびまる子ちゃん」、バラエティー「がっちりマンデー!!」「芸能人格付けチェック」などでご活躍中のきむらきょうや(木村匡也)氏と、氏主宰の「木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾」の皆さんによる朗読公演だそうです。

2日にわたり3公演、それぞれ演目が異なるそうですが、「智恵子抄」(抜粋)は全てに入っています。ありがたし。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)30 『世界美術全集 第4巻 古代エジプト』 

昭和28年(1953)9月5日 平凡社 下中弥三郎編
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目次
 エジプトの文化
 エジプトの建築
 エジプトの彫刻
 エジプトの絵画
 エジプトの工芸
 図版 原色版 一三図 グラビア版 一七九図 本文挿図 二一八図
 参照地図
 図版解説
 年表
 参考書目録
 挿図目録
 図版目録

光太郎執筆箇所は「図版解説」中の「41 カ・フ・ラー王坐像」「43 ラー・ヘテプ、ネフェルト坐像」「48 シェイク・エル・バラド」「50 書記坐像(部分)」。すべて彫刻作品です。

3年半にわたる欧米留学中、明治40年(1907)から翌年にかけてロンドンに滞在していた光太郎。大英博物館にも足繁く通い、エジプト彫刻のプリミティブな美に惹かれました。パリから会いに来た荻原守衛とその魅力について語り合ったこともあったそうです。

NHKラジオさんで放送されている「保阪正康が語る昭和人物史」。 3月までタイトルが「放送100年 保阪正康が語る昭和人物史」で、毎週日曜日の夜にオンエアされていましたが、4月から「放送100年」が取れて、単に「保阪正康が語る昭和人物史」と改題、放送時間も土曜の昼に変更となったそうです。そのリニューアル後の記念すべき初回が、「詩人・彫刻家 高村光太郎 第1回」ということで、先週4月4日(土)のオンエアでした。光太郎の肉声も流されました。
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聞き逃し配信の「らじる★らじる」さんで拝聴しました。ご出演は評論家の保阪正康氏と、ノンフィクション作家・梯久美子氏。番組途中までは、お二人の光太郎智恵子への思いなど。概ね好意的に光太郎を評して下さり、敬愛の念が感じられ、その点は良かったと思いました。

一つ気になったのは「家事」。画家として大成することを目指していた智恵子が「家事」に追われ……みたいな。お二人ともそういう論調でした(光太郎を非難するという感じではありませんでしたが)。

実際、智恵子没後の光太郎の散文「智恵子の半生」に以下の一節があります。

互にその仕事に熱中すれば一日中二人とも食事も出来ず、掃除も出来ず、用事も足せず、一切の生活が停頓(ていとん)してしまふ。さういふ日々もかなり重なり、結局やつぱり女性である彼女の方が家庭内の雑事を処理せねばならず……

結局やつぱり女性である彼女の方が家庭内の雑事を処理せねばならず」。この一言を以て「光太郎=結局は男尊女卑論者」説的なものがまかり通っています。80~90年代に毒舌のジェンダー論でテレビ番組に引っ張りだこだった女性論者など、頭からそう決めつけています。

しかしよく読むと、「一切の生活が停頓」する「さういふ日々」が「かなり重なり」ということは、実際にそういうことがたびたびあったわけで、智恵子が日々「家事」に追われていたわけでもないことが読み取れます。

また、同じ「智恵子の半生」で、

私と同棲してからも一年に三四箇月は郷里の家に帰つてゐた。田舎の空気を吸つて来なければ身体(からだ)が保(も)たないのであつた。

とあり、光太郎がゴリゴリの男尊女卑主義者であれば、そんなことは絶対に許さなかったのではないかと思われます。

また、光太郎は長男でありながら家督相続を放棄し、髙村家は実弟の豊周が嗣いで、光太郎は実家からは出たため、智恵子は舅姑の光雲夫妻と同居せず、「嫁」という立場ではなく、その分楽だったような気もしますし。それから、光太郎智恵子を知る人々の証言として、「光太郎が八百屋などで買い物をしているのはよく見かけたが、智恵子が買い物に出ているのは見たことがない」というのもあります。結局、光太郎、この当時としては一般の男性よりもかなり理解があったのではないかと思われますし、少なくとも「家父長論」的なものに縛られる人物ではなかったと断言できます。

閑話休題、放送の話に戻ります。番組中盤で、いよいよ光太郎肉声。

まずは昭和27年(1952)3月、やはりNHKのラジオ放送のため、花巻温泉松雲閣で詩人・真壁仁との対談が収録された後に収録された自作詩朗読3篇のうち、「風にのる智恵子」(昭和10年=1935)と「千鳥と遊ぶ智恵子」(昭和12年=1937)。いずれも昭和9年(1934)に智恵子が千葉九十九里浜で療養していた頃を回想して後に書かれた詩です。それから、智恵子没後の詩「梅酒」(昭和15年=1940)も収録されましたが、今回はオンエアされませんでした。

以前にも引用しましたが、録音に立ち会ったNHKの熊谷幸博アナウンサーの回想から。

 さらに私どもは詩の朗読の録音もお願いした。これも快く承諾されて、智恵子抄の中から“千鳥と遊ぶ智恵子”“梅酒”“風にのる智恵子”の三編を朗読された。梅酒のくだりではちょっと涙ぐんで朗読がとぎれた。この感動が伝わって私も涙ぐんだ。
(『日本放送史 下』昭和40年=1965 日本放送協会放送史編集室編 日本放送協会)

3篇全ての朗読はかつてNHKさんで販売していたCD『昭和の巨星肉声の記録 文学者編 室生犀星 高村光太郎』に収められています。その直前に収録された真壁との対談、それから下って最晩年の昭和30年(1955)、当会の祖・草野心平と行った対談も。
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また、「千鳥……」と「梅酒」の朗読は、平成14年(2002)山川出版社発行の中学校教材用CD『中学校 音の国語』にも収められています。それから「レモン哀歌」が現代の中田薫さんという方の朗読で。
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どちらも絶版のようですが……。

詩の朗読の後、美術史家で晩年の光太郎に親炙した奥平英雄との対談で、昭和28年(1953)12月27日の録音、翌年1月7日に文化放送さんでオンエアさた「彫刻と人生」から抜粋で。こちらは主に最近の生活ぶり。前年に生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため上京して住んでいた中野の貸しアトリエで、一部はその前に7年間隠棲していた花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)での暮らしです。

こちらは奥平著『晩年の高村光太郎』特装本(瑠璃書房 昭和52年=1977)に対談を収録したカセットテープが附録として付いており、そちらをお貸ししました。
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「彫刻と人生」は、新潮社さん発行の『新潮カセットブック 高村光太郎詩集』(平成2年=1990)に一部が収録されています。どちらも古書籍市場等でしか入手できないようですが……。

ほぼ全文は『高村光太郎全集』第11巻に文字起こしして収められています。ところが良寛の書について述べた数十秒程の部分がなぜか脱漏していまして、その部分は高村光太郎研究会さん発行の『高村光太郎研究(30)』(平成21年=2009)中の当方連載「光太郎遺珠」に収録しました。

さて、4月4日(土)の「第1回」、聞き逃し配信の「らじる★らじる」さんで4月11日(土)午後0:45の配信終了まで聴けます。どうぞお聴き下さい。

また、「第2回」のオンエアが今週末。

保阪正康が語る昭和人物史 詩人・彫刻家 高村光太郎 第2回

NHKラジオ(AM) 2026年4月11日(土) 12:15-12:45

今年没後70年の高村光太郎。大正3年に結婚した智恵子は、次第に体調を崩し、昭和13年に亡くなります。昭和16年太平洋戦争が始まると光太郎は戦争賛美の詩を多数作り、敗戦後は花巻市郊外の山荘で自給自足の生活を送ります。その折々の気持ちをどう表現しているのか?昭和27年3月放送の「自作朗読」で、光太郎は智恵子を思う詩「梅酒」を朗読。昭和29年1月文化放送の「彫刻と人生」では戦後の人生を語っています。

出演 保阪正康 梯久美子


「彫刻と人生」の「第1回」で放送されなかった部分から抜粋があります。

ついでというと何ですが(笑)、当会の祖・草野心平編が4月18日(土)と4月25日(土)です。以前に頂いた企画書的なデータによれば4月18日(土)は「婦人の時間 智恵子抄について」(昭和27年=1952)、4月25日(土)で「わが文学わが回想」(昭和58年=1983)から心平肉声が流れるようです。

それぞれぜひお聴き下さい。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)15 『生活と文化技術』 

昭和16年(1941)11月20日 白水社 網戸武夫編者代表
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目次
 国防と文化 岸田国士      芸術と国民生活 高村光太郎
 生活の真の楽しさ 島木健作   生活と文化 内藤濯
 生活の秩序 片山敏彦      平衡感覚の鍛錬 颯田琴次
 医者の立場から 小林彰     家と生活合理化の方向 大泉博一郎
 住居・生活・文化 網戸武夫   国語教育 高倉テル
 これからの親の責任 波多野勤子 児童文化と児童観の問題 百田宗治
 演劇と生活 遠藤慎吾      文化政策 城戸幡太郎
 文化と教養 上泉秀信

太平洋戦争開戦目前ということで、目次を見てもキナ臭い感じです。光太郎の「芸術と国民生活」は、この年4月の心平主宰『歴程』に載ったものの転載です。

今週末、都内で開催される朗読劇のご紹介です。

小見川千明のお気楽文学サロンpresents 朗読劇「双視双愛-智恵子抄より-」

期 日 : 2026年4月11日(土)  4月12日(日)
会 場 : ガルバホール新宿  東京都新宿区西新宿6-21-1アイタウンプラザB103
時 間 : 4/11 18:00~ 4/12 14:00~ 18:00~
料 金 : 一般チケット ¥9,000(税込)
      メッセージ付きポストカード特典付き※数量限定前方2列 ¥12,000(税込)

同じ愛を求めていたはずなのに、同じ景色を見ることが叶わない 男女の愛のジレンマを朗読として再構築

原作 高村光太郎  原案 小見川千明  脚本 今浪祐介

出演者
 小見川千明 飯田江未加 飛田剛志 林寛太郎 春内涼花(五十音順)
 ピアニスト coba48  チェリスト 宮景琢充

【4月11日】
 17時 開場  18時 開演
 1部 朗読 春内涼花 飛田剛志
 2部 小粋なトークと贅沢なカラオケ大会 春内涼花 飛田剛志 小見川千明

【4月12日】
 13時 開場  14時 開演
 1部 朗読 飯田 江未加 林 寛太郎
 2部 小粋なトークと贅沢なカラオケ大会 飯田 江未加 林 寛太郎 小見川千明

 17時 開場  18時 開演
 1部 朗読 小見川千明
 2部 小粋なトークと贅沢なカラオケ大会 小見川千明
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アニメ「文豪ストレイドッグス」など多くの作品で声優としてご活躍の小見川千明さん。直接は存じ上げませんが、だいぶ以前からYouTube等に光太郎詩の朗読動画等あげられていて、それで存じていました。最近も今回の公演のプロモーションを兼ねてでしょう、「智恵子抄」収録作品の朗読動画等があがっています。


ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)11 『芸術方法論』 芸術論2

昭和15年(1940)7月5日 河出書房 山際靖著作者代表
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目次
 詩学 工藤好美
 天才と才能 杉田直樹
 環境 小林秀雄
 技巧論 山際靖
 素材と造型 高村光太郎

光太郎の評論「素材と造型」は書き下ろしです。

日中戦争は泥沼化、翌年には太平洋戦争開戦の年の刊行で、既に物資不足の状態と思われ、函も本体も紙質がよくありません。

昨日から宮城県に来ております。現在地は亘理町のファミリーロッジ旅籠屋仙台亘理店。モーターホテルタイプの宿で、3度目の利用です。
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何ゆえ宮城に来ているかと申しますと、過日の連翹忌の集いにもご参加くださり、いろいろお手伝い下さいました声優・朗読家の荒井真澄さんの朗読公演「声優による朗読の夕べ」がありまして、そちらが第一目的でした。公演の中で荒井さんも参会の方々にご紹介下さいましたが、平成24年(2012)以来の長い付き合いです。

そちらが昨日夕方で、その前に光太郎や宮沢賢治と交流があった仙台出身のマイナー詩人、石川善助についての調査。まず石川がらみの古い同人誌的な雑誌に光太郎が寄稿しているというこれまで知らなかった情報を得、その雑誌が仙台文学館さんに所蔵されていることをつきとめ、閲覧に伺いました。
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しかし残念ながら、石川の詩集「亜寒帯」に光太郎が寄せた序文の転載でした。まあ、よくあるケースです。他に数種類の雑誌など閲覧しましたが、結局収穫はありませんでした。

気を取り直して、石川の詩碑がたつ太白区の愛宕神社さんへ。詩碑そのものでなくかたわらの説明板に光太郎の名が記されているという情報を得たもので。
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「仙台総鎮守」と称するなかなかに由緒あるお社でした。

広瀬川流れる岸辺の河岸段丘に鎮座ましまし、市街が一望、遠く見える雪山は蔵王山系でしょうか。
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碑は境内の一角に。
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説明板には確かに光太郎の名。さらに賢治や当会の祖・草野心平の名も記されています。ガセ情報ではなくて、胸をなで下ろしました。

さて、朗読公演に。

会場は宮城野区の「となりのえんがわ」さん。こちらも由緒ある納豆工場の一角、倉庫をリノベーションして作られたレンタルスペース的な施設です。
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どうせ車なのでということで、彩りを添えるために智恵子紙絵と油絵の複製、それから過日の連翹忌の集いで参会の皆さんに配布した様々なフライヤーの残部を持参。
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申し遅れましたが、今回の公演は智恵子抄づくし。
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荒井さんの一つのポリシー的な感じで、全体を一つの流れにし、荒井さん曰く「私は旗を持ってツアー客の皆さんを先導するガイドさんのようなもので、ついて来てくだされば全てがわかります」という形にしたいとのことでした。なるほど、と思いました。

その荒井さん。
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照明の関係であまり写りが良くありませんが、実物は実に可愛らしい方です(笑)。

お客様は20名ほど。皆さん、光太郎智恵子の世界に聴き入られていました。過日、花巻で宮沢賢治実弟の清六令孫の宮沢和樹氏、賢治の親友だった藤原嘉藤治の顕彰に当たられている瀬川正子さんと当方の鼎談「トークイベント 光太郎と賢治 宮沢賢治全集ができるまで」を聴きにいらした一関の方もいらっしゃり、ありがたい限りでした。

終演後、荒井さんと夕食。この後も智恵子の故郷・福島二本松などで朗読なさるとのことでそのあたりの打ち合わせを兼ねて。

光太郎智恵子、それから荒井さんは元々賢治ファンでもあらせられ、末永くその世界の伝道師としてご活躍いただきたいものです。

当方、今日はこの後、千葉に帰ります。「高村光太郎書誌」は休みます。

朗読メインの公演と、「朗読劇」と銘打ったそれと、2件ご紹介します。

まず、仙台から朗読。

となりのえんがわ企画「第二回声優による朗読の夕べ」

期 日 : 2025年4月5日(日)
会 場 : となりのえんがわ 仙台市宮城野区銀杏町4-29 宮城野納豆製造所敷地内
時 間 : 16:30開場 17:00開演 所要時間約1時間
料 金 : 大人1,500円 (当日券2,000円) 小中高生700円 カフェセット付き

出 演 : 声優・朗読家 荒井真澄

昨年11月に続き、となりのえんがわさんの企画で朗読のステージを務めることになりました。1回目は宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」を朗読しました。2回目は高村光太郎作品にスポットを当てます。2026年は智恵子さんが生誕140年光太郎さんが没後70年。お二人に想いを寄せて「智恵子抄」の中から、そして今お伝えしたい光太郎作品をセレクトしたいと思います。

私の求める朗読は、音楽のような朗読。聴く人の体に耳を通して自然に入ってしまう朗読です。人の耳にストレスなく届くことが1番大切だと考えています。心地よい声で内容が届くこと。今回もそれを目指して、皆さんに声で聴く文学を楽しんでいただこうと思います。

よろしければアイマスクご持参ください。寝てくださいということではありませんが眠っても大丈夫🙆‍♀️です。約60分でお届けします。敷地内に無料の駐車場があります。
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これまでも単独で、あるいはテルミン奏者の大西ようこさんや箏曲奏者の元井美智子さんなどと組まれて、「智恵子抄」系の朗読公演をなさってきた荒井真澄さん。今回はソロで「智恵子抄」だそうです。宮沢賢治ファンで、「銀河鉄道の夜」の朗読CDなどをリリースなさり、先月には花巻で開催され、当方も出演させていただいたトークイベント「光太郎と賢治―宮沢賢治全集ができるまで―」を聴きにいらして下さいました。また、明後日の光太郎忌日・連翹忌の集いにもご参加の予定です。

もう1件、こちらは都内で朗読劇公演。

朗読劇「ほんとの空・青い空」

期 日 : 2025年4月9日(木)~12日(日)全6公演
会 場 : シアター風姿花伝 東京都新宿区中落合2-1-10
時 間 : 4月9日(木) ・4月10日(金)19:00~  4月11日(土) 13:00~/19:00~
      4月12日(日) 12:00~/17:00~
料 金 : 4月9日(木)・4月10日(金)・4月12日(日)
       スペシャルシート(1.2列目) 8,000円 一般席 5,000円
      4月11日(土) 蒲鉾さち子氏によるBGM電子ピアノ生演奏
       スペシャルシート(1.2列目) 11,000円 一般席 8,000円
出 演 : 星宏美 津吹みゆ 駿河ヤマト 大滝ひかる 藤田光璃 内田茉莉花 清郷流号
      万姫 杉山菜穂 永森なつ美 堀越あやめ 岡本麻衣 上杉彩葉 山田ハチ

昭和から平成 そして令和へと繋なぐ家族の物語

令和8年春、父 時田 瞬と母 瑞季・娘の平和(ひより)は、小高い丘の公園にやってくる。ここは瞬と瑞季が出会った大切な場所だった。平成25年、亡くなった祖母の思いを継いで友人二人と公園にやってきた女子大生の瑞季は、そこでとある老人と出会う。持ってきた祖母の古い日記を老人に見せる瑞季。時は太平洋戦下の昭和19年、瑞季の祖母である高等女学校二年の佐々木和子のクラスに、田中智恵子という代用教員が赴任してくる。智恵子先生は、優しさの中にも芯の強さを持った女性であり、物語はこの智恵子先生と和子との絆を描きながら進んでいく。そして終戦・・・智恵子先生は? 和子は?・・・そして公園の老人の正体は?・・・

今作では、ラジオドラマでは描ききれなかったシーンと新たに令和時代を加筆し、作品により深みをましました。昨今、社会問題化されている先生と生徒の本来のあり方、生きることの尊さを描いたファミリーヒストリーです。
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複数スポーツ紙で「取材会」の模様が報道されています。

『日刊スポーツ』さん。

津吹みゆ 初の朗読劇心配は「福島なまりが出ないかどうか」

 女優星宏美(37)と歌手津吹みゆ(30)がダブル主演する朗読劇「ほんとの空・青い空」(東京・中落合のシアター風姿花伝、4月9~12日、6公演)の取材会が30日、都内で行われた。
 第2次世界大戦下の1944年(昭19)、高等女学校4年の佐々木和子(津吹)のクラスに代用教員の田中智恵子(星)が赴任してくる。2人の師弟愛を主軸にして生きることの尊さを描く。
 星は「お芝居を始めて20年たちますが初めて演出も手がけます。朗読劇ですが、情景を思い浮かべられるように、ひと言ひと言を自分のものにして伝えていきたい」と意気込みを明かした。
 津吹は「女学校4年の15歳の役です。時代的には祖父母と近い世代で、台本を読み進めると、今も各地で戦争が勃発しているし、まったく人ごとではない。1人でも多くの人に見てほしい。初の朗読劇でたくさんの学びがあります」。
 本職は歌手だ。「歌うのも朗読劇も詞の行間を読むのが通じている。歌も主人公の心情に寄せて歌うし、朗読劇も役柄になりきって心からせりふを言う」と説明した。そして「今回、ドキドキしているのが役が東京都出身なこと。私は福島出身なので、なまらずに最後までセリフを言えるかどうかが心配なんです。昨日もマネジャーさんに本読みを付き合ってもらったら、マネジャーさんも福島の出身。結局、なまっているのかどうかが分からないまま。歌はメロディーがあるからあまり気にならないが、そこは勉強していきたい」と真顔で心配していた。
 この日の会見では役の衣装で実施した。津吹は「昭和初期の格好ですが、もんぺがすごくしっくりしている。着替えた瞬間に周りの人から「写真から飛び出したみたい」と言われてうれしかった。学生時代はブレザーだったのでセーラー服に憧れていました」。
 星はこの日が津吹と初対面。「まだ本格的な稽古は始まっていないけれど、人となりがにじみ出ている。共演が楽しみです。一緒に切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と期待した。
 男性歌謡ユニット、はやぶさの駿河ヤマト(32)と大滝ひかる(38)、藤田光璃(27)も登壇した。
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先月、キャスト募集の件でご紹介させていただいた際に書きましたが、元は令和2年(2020)のラジオドラマでした。

タイトルに光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語が入り、ダブル主演の主人公の一人の名が「智恵子」。太平洋戦争中の話がメインのようで、すでに『智恵子抄』は公刊されている時期です。ただ、どの程度『智恵子抄』オマージュの要素が入るのかは不明ですが。

それぞれ、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)5 『ドラン画集』

昭和2年(1927)11月10日 アトリヱ社 
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目次
 著者肖像
 アンドレ ドラン  高村光太郎
 原色版
  裸体 風景 風景 マルチーグの松林(1912)
 単色版
  自画像 道化役者 不思議の森(1906) 音楽(1907) 風笛吹き(1911)
  公園を見下す窓(1912) マルチイク遠望(1913) 静物(1920)
  女の肖像・裸体(1920) 肖像(1920) 裸婦(1921) モデル(1922) モデル(1922)
  ペツクの風景(1922) 小橋(1922) サン シールの道(1922) 裸婦(1922)
  少年(1922) C夫人(1923) 裸婦(1923) C夫人(1923) 裸婦(1923) 
  栗色の髪のモデル(1924) ヴアルの風景(1925) 風景(1925) 静物 静物
  素描(1919) 素描(1921)   素描(1921) 素描(1921)

フランスのフォービズムの画家で、光太郎も影響を受けたアンドレ・ドランの画集です。光太郎は解説的な評伝「アンドレ ドラン」を寄せています。

光太郎以外の文章は載って居らず、その意味では光太郎の単独執筆に分類しても良いのかもとも思いますが、奥付に光太郎のはありませんし、とりあえず部分執筆扱いにしておきます。

いずれも3月29日(日)開催の、朗読イベントと歌曲演奏会の情報です。

まず朗読。

ミニ朗読会

期 日 : 2026年3月29日(日)
会 場 : 古本屋カフェアトリエ*ローゼンホルツ 千葉県市川市真間2-2-12
時 間 : 15:00〜15:30 
料 金 : 無料

三浦哲郎『みちづれ』 太宰治『雀っこ』 高村光太郎『レモン哀歌』 参加費は無料です。
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大正12年から変わらず在り続ける古民家とも言えない古人家は元銭湯だった頃の家。広い家の中いっぱいにある古本・絵画をはじめとするアート作品を見ながら、ゆっくり時を過ごせるようにカフェとして営業しています。散歩ができるほど広い空間の中で読んだり、見たり、食べたり、書いたり、手作業をしたり...家と対話しながらの自分時間をお過ごしください。古本・アート作品は非売品以外は購入できます。
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同時開催

津軽こぎん刺し 北の星座とサークル展〜津軽のかまりっこ〜
3月1日(日)~3月30日(月) 金土日月/12:00〜17:00

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会期中のアトリエのランチ
 津軽おでんランチ 若生おにぎり 楽しんでください
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ブックトーク 3月29日(日) 13:00~
好きな本を1冊、持ち寄って紹介する本でおしゃべりするカフェ時間です。参加費はカフェオーダーです。
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なかなかシャレオツな感じですね。関係者の方が青森系なのでしょうか。津軽地方名産の「こぎん刺し」の展示やら、「津軽おでんランチ」やら、それから朗読作品も光太郎以外は青森出身の三浦哲郎と太宰治ですし、もちろん光太郎も生涯最後の大作「乙女の像」の関係で青森とは縁が深い人物です。

何もなければ馳せ参じるところですが、当日、下記の演奏会とブッキングしていて、残念です。

朝岡真木子歌曲コンサート第9回@王子ホール

期 日 : 2026年3月29日(日)
会 場 : 王子ホール 東京都中央区銀座4-7-5 
時 間 : 13:30開場 14:00開演
料 金 : 全席自由¥4,500 学生¥2,000

出 演 : 阿部麻子、黒川京子、品田明子、前澤悦子、三繩みどり(S)、志村美土里(Ms)
      馬場眞二(Br)、朝岡真木子(作曲、Pf)

今回は、ソプラノの阿部麻子さん、メゾソプラノの志村美土里さんが初出演いたします。

曲 目 :
 歌曲集『夕暮れ巴水』全曲 詩 林望    「魔法のトビラ」 詩 人見敬子
 「ガラスのオルゴール」 詩 今村佳枝    「ひなげしの花」 詩 こわせ・たまみ
 「メヌエット」 詩 立原道造        「きっと 春は くる」 詩 星乃ミミナ
 「君死にたもうことなかれ」 詩 与謝野晶子 「さくら舞台」 詩 大竹典子
 「わたしは魔女」 詩 冨永佳与子      「そのとき十八の春」 詩 岡崎カズヱ
 組曲『智恵子抄』より「人に」「あどけない話」 詩 高村光太郎

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演奏されるのはすべて作曲家・朝岡真木子氏の作曲によるものです。

組曲『智恵子抄』から抜粋で2曲がプログラムに入っています。同組曲、令和元年(2019)に初演され、令和4年(2022)には楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』に収録、その後も各種演奏会で取り上げられ、「これ、CD化してほしいですね」とぼそっと呟いたところ(笑)、令和5年(2023)にメゾソプラノの清水邦子氏の歌唱でCD「清水邦子が歌う 組曲『智惠子抄』」がリリースされました。言い出しっぺとして責任を取る形で(笑)ライナーノートを執筆させていただきました。

ちなみに楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』、現在2刷が流通しているそうですが、年内には3刷め重版の予定だとのことで、これまでの版に無かった詩集『智恵子抄』についての解説を書けと頼まれました。光栄です。この手の楽譜集がそんなに版を重ねるのは珍しいような気がしますが(逆にとっとと絶版になってオンデマンド出版=注文があった場合のみ製本印刷、というケースが多いように感じています)、それだけ朝岡氏の作品群の魅力が素晴らしいということでしょう。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)78 『ヴェルハーレン 明るい時 午後の時』

平成22年(2010)1月20日 三恵社 高村光太郎訳 阿部誠編
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目次
 巻頭言 はじめに 短歌二首 明るい時 午後の時 注釈 ヴェルハーレン年譜
 高村光太郎年譜 おわりに

ベルギーの詩人、エミール・ヴェルハーレン(光太郎による表記は「ヹルハアラン」)の詩集「時の三部作」。このうち「明るい時」は光太郎訳で大正10年(1921)に芸術社から刊行され、「午後の時」光太郎訳は各種雑誌やアンソロジーに断片的に収められました。「夕の時」翻訳は手をつけたものの発表はされなかったようです。

編集した阿部氏による自費出版的な刊行のようです。「短歌二首」はヴェルハーレンについて謳った光太郎短歌です。

声優の池田昌子さんが亡くなられました。

時事通信さん配信記事。

声優の池田昌子さん死去 「銀河鉄道999」メーテル役

 池田 昌子さん(いけだ・まさこ=声優)3日午後0時27分、脳出血のため病院で死去、87歳。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。
 アニメの「銀河鉄道999」でメーテル役、「エースをねらえ!」でお蝶(ちょう)夫人こと竜崎麗香役、「火の鳥」の火の鳥役などを務めた。洋画ではオードリー・ヘプバーンの吹き替えを担当し、「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」「ティファニーで朝食を」などに携わった。


スポニチさん。

声優の池田昌子さん急死 87歳 「銀河鉄道999」メーテル、ヘプバーン吹き替えで知られる

000 アニメ「銀河鉄道999」のメーテルや女優オードリー・ヘプバーンの吹き替えなどで知られる声優の池田昌子(いけだ・まさこ、本名浜田昌子=はまだ・まさこ)さんが3日午後0時27分、脳出血のため死去した。87歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。
 所属団体によると、最後の仕事は昨年11月10日に収録したテレビ東京「ありえへん∞世界」のナレーション。関係者は「高齢だったので、仕事をセーブしていましたが、特に持病もなく過ごしていました。急死でした」と話した。お別れの会などは予定されていない。
 児童劇団に入っていたことから子役として映画やドラマに出演。その後、声優業も並行して行うようになった。あるドラマのプロデューサーから「吹き替えはしょせん裏街道。女優なら表街道を歩け」と言われ、「裏街道と言われないようにする」と奮起。声優の仕事に軸足を移した。
 1968年、「許されざる者」で初めてオードリー・ヘプバーンの吹き替えを担当。これが評判となり、その後「昼下りの情事」「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」「マイ・フェア・レディ」とヘプバーンの代表作で日本語吹き替えを任された。
 78年、再び大きな出会いが訪れた。松本零士さん原作のテレビアニメ「銀河鉄道999」でヒロイン、メーテルを演じることになった。主人公の星野鉄郎と銀河鉄道999号で宇宙を旅する謎の美女。作品は映画化もされるほど大ヒットし、社会現象化。気品漂う池田さんの声はメーテルのイメージにぴったりで、池田さんの代表作になった。23年6月に行われた松本零士さんのお別れ会でも、メーテルとして弔辞を読んだ。インタビューでは「今もなお、彼女と共に生きている感覚です。自分の分身、私の一部」と語っていた。
 松本零士さんの事務所はSNSで「池田さん演じるメーテルの穏やかでたおやかなお声に松本自身どんなに癒やされたことでしょう。星の海のプラットホームにて松本がお待ちしていると思います」と追悼した。
 池田 昌子(いけだ・まさこ)1939年(昭14)1月1日生まれ。声はメゾソプラノ。「エースをねらえ!」のお蝶夫人など芯の強い女性役が多い。日本コカ・コーラの緑茶「綾鷹」などCMナレーションでも活躍。07年、第1回声優アワード功労賞。
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我々の世代ですと、やはりメーテルやお蝶夫人のイメージの強い池田さんですが、光太郎詩の朗読にも取り組まれていた関係で、何度かお会いしたことがあります。

まず当会主催の連翹忌の集い。平成9年(1997)の第41回を皮切りに、断続的に7回ほどご参加下さいました。一度、たまたま同じテーブルに座らせていただいたことも。お上品な佇まいの中にも、気さくな雰囲気を漂わせていらっしゃいました。

それから、平成13年(2001)、千葉県松戸市の森のホール21での公演「音楽と朗読による「智恵子抄」」の際。ソプラノ歌手の稲見里恵さんとピアノ伴奏の頼田恵さんで、清水脩作曲の歌曲「智恵子抄」、合唱で一般公募の「智恵子抄」合唱団さんによる、やはり清水脩作曲の「智恵子抄巻末のうた六首」。そして合間に池田さんの朗読が入る構成でした。
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この頃、池田さんはわりと盛んに光太郎詩朗読等に取り組まれていらして、声優仲間の政宗一成さんと組まれてCDをリリースされたりもなさいました。下は平成17年(2005)頃、自主制作されたCD。
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久々に聴いてみましたが、実に耳に優しい落ち着いた、しかし哀愁を帯びたお声で、さすがとしか言いようがありません。

政宗さん著のCDブック(平成16年=2004)にも朗読でご参加。
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それから、日本テレビさん系列で放映されていた教養番組「知ってるつもり⁈」でナレーションを担当されていました。平成10年(1998)5月17日には「高村智恵子」の回。このナレーションも絶品でした。
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この分野での至宝が失われた感が強く、残念でなりません。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)72 『智恵子抄』

平成11年(1999)1月25日 角川書店(角川文庫) 高村光太郎著 中村稔編
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目次
 『智恵子抄』(初版)(全)
  人に 或る夜のこころ おそれ 或る宵 郊外の人に 冬の朝のめざめ 深夜の雪
  人類の泉 僕等 愛の嘆美 晩餐 樹下の二人 狂奔する牛 鯰 夜の二人
  あなたはだんだんきれいになる あどけない話 同棲同類 美の監禁に手渡す者
  人生遠視 風にのる智恵子 千鳥と遊ぶ智恵子 値ひがたき智恵子 山麓の二人
  或る日の記 レモン哀歌 荒涼たる帰宅 亡き人に 梅酒 うた六首 智恵子の半生
  九十九里浜の初夏 智恵子の切抜絵 詩集「智恵子抄」目次年表
 『智恵子抄』補遺
  涙 からくりうた 梟の族 人に 淫心 金 うた一首 新茶の幻想 某月某日
  某月某日 某月某日 某月某日 『智恵子抄』補遺作品年表
 『智恵子抄』以後
  松庵寺 報告 噴霧的な夢 若しも智恵子が 元素智恵子 メトロポオル 裸形 案内
  あの頃 吹雪の夜の独白 智恵子と遊ぶ みちのく便り 三 「樹下の二人」 父との関係
  『智恵子抄』以後 作品年表
 解説 中村稔
 年譜 北川太一

「智恵子抄裁判」で原告側の証人として出廷した、弁護士でもあらせられる文芸評論家・中村稔氏の編です。いろいろ大人の事情があったようで、後の版ではタイトルが『校本 智恵子抄』と改められ、現在も入手可能です。

たまたまでしょうが、3月19日(木)と20日(金)に3件、朗読系のイベントが集中しています。開催場所は全国各地に分散していますが、すべて東北がらみです。

まず都内から。

五所川原神明宮再建応援企画 雅の会チャリティ朗読会

期 日 : 2026年3月19日(木)
会 場 : Janus Creation(ジェーナスクリエイション)東京都武蔵野市西久保1-6-20
時 間 : ① 11:30~ ② 15:00~
料 金 : 2,500円(1ドリンク付)

作 品 : 「蜜柑」芥川龍之介 「智恵子抄」高村光太郎 「カチカチ山」「雀こ」太宰治
出 演 : 中村雅子(朗読家)
      唐ひづる・小針光代・西山葉子・三浦公仁子・水谷薫
      百田悦子・山下佐千子(以上 雅の会メンバー)
予 約 : 090−1606-9822(10時〜17時)

五所川原市にあります神明宮様の拝殿が、2024年3月原因不明の火事により拝殿を焼失しました。その再建には3億円がかかるとも言われます。少しでも再建を応援いたしたく、2025年からチャリティ朗読を企画、最低限の経費を除く全額を神明宮様に寄付させてただ来ました。その2回目を3月19日に三鷹で行います。

今回も、中村がご指導している「雅の会」の有志がチャリティに賛同してくれまして、朗読を披露いたします。是非、お越しくださいまして、神明宮様の拝殿再建にご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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太宰治生家の斜陽館さんと同じ(10㌔㍍ほどの距離)、青森県五所川原市の神明宮さんの再建応援だそうです。拝殿が令和6年(2024)3月に全焼、だそうで。

中村雅子氏の朗読、平成26年(2014)に浅草で拝聴したことがあります。その際は「東日本大震災復興支援チャリティ」と冠され、やはり太宰作品や「智恵子抄」が取り上げられました。

中村氏、他にも相模原や喜多方で公演のあった「森のコンサート マリンバの響き ~智恵子抄の世界~」などで「智恵子抄」を取り上げて下さっています。

共演なさる唐ひづる氏は令和5年(2023)に高円寺で開催された「ろうどくdeおもてなし 七夕公演~会えば何かがはじまる~【夜公演】」でやはり「智恵子抄」を朗読された方です。

続いて大阪。

朗読とプロパノータの夕べ vol.27~五感に届く朗読会~

期 日 : 2026年3月19日(木)
会 場 : Conteur 絵本カフェ&バー 大阪市中央区今橋2丁目2−9今橋ビル3階 
時 間 : ① 16:00~ ② 19:00~ 
料 金 : チャージ:2,500円 (チーズケーキ&コーヒーか紅茶)

定 員 : 各回7名 ☆要予約
出 演 : 加納恵美子

今回の朗読は、高村光太郎 作品より『山の春』『山の秋』『山の雪』をお届けします。詩人•彫刻家として有名な高村光太郎は、晩年の7年半を岩手県花巻市の山小屋で暮らしました。そこで書かれた随筆には、山の風景と季節ごとの自然が、みずみずしい感覚で活き活きと描かれています。そんな山の様子を、ご一緒に感じていただければ幸いです。ご予約をお待ちしております。

肩の不調により、今回はプロパノータ演奏は行いません。申し訳ありませんが、ご了承くださいませ。
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「プロパノータ」て何? と思って調べたところ、「廃材となったプロパンガスのボンベを利用してつくる打楽器」だそうです。ただ、数日前になって演者の方の体調不良でそちらの演奏は無しになったと告知されました。残年ですが、致し方ありませんね。お大事にどうぞ。

取り上げられるのは光太郎エッセイ「山の春」(昭和26年=1951)「山の秋」(昭和28年=1953)など。いずれも花巻郊外旧太田村に隠棲中に書かれたもので、暮らしていた山小屋(高村山荘)周辺の様子が描かれています。

最後に仙台から。

深田久弥没後55周年記念 ~朗読・音楽・映像の旅~「深田久弥 日本百名山-ある男の登山記録と共に-」

期 日 : 2026年3月20日(金)
会 場 : エル・パーク仙台ギャラリーホール 仙台市青葉区一番町4-11-1
時 間 : 14:00~
料 金 : 前売り3,000円 当日3,500円 高校生以下無料(要予約)

演出/竹井みどり ピアノ・作曲/稲垣達也 ケーナ・笛/高橋易宏
朗読/茅根利安、上島奈津子

主催は「朗読サロンぽぷら」代表 竹井みどりさん。亡き夫、竹井稔夫さんは山に魅せられ、深田久弥が選定した「日本百名山」を完全踏破したのでした!稔夫さんの登山記録や深田久弥「日本百名山」や智恵子抄をはじめ山々にまつわる文章の朗読・劇を大活躍のお二人--茅野利安、上島奈津子さんが担当
♫ 音楽は私 稲垣達也のPianoとケーナ・尺八・能管etc奏者 高橋易宏がオリジナル曲&即興演奏を生演奏で担当。竹井稔夫さんの残した写真のスライドをふんだんに織り交ぜておおくりします。
<ご予約>以下までお名前、人数をお知らせいただければ予約リストに加え、当日受付で前売り料金にて精算させていただきます。
電話予約 080-5000-4596 (竹井) メール inagakipiano@gmail.com (稲垣)
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深田久弥は『日本百名山』の中で安達太良山をリストアップし、「智恵子抄」がらみで紹介しています。光太郎は深田の著書『津軽の野づら』の再版(昭和20年=1945)を花巻郊外旧太田村の山小屋で版元から贈られたことが書簡に記されています。

というわけで、東北がらみの光太郎作品朗読、それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)70 『智恵子抄』 五十年記念愛蔵版 特装限定版

平成3年(1991)11月20日 龍星閣 高村光太郎著
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目次
 人に             明治四十五年七月
 或る夜のこころ        明治四十五年八月
 おそれ            明治四十五年八月
 或る宵            大正元年十月
 郊外の人に          大正元年十一月
 冬の朝のめざめ        大正元年十一月
 深夜の雪           大正二年二月
 人類の泉           大正二年三月
 僕等             大正二年十二月
 愛の嘆美           大正三年二月
 晩餐             大正三年四月
 樹下の二人          大正十二年三月十一日
 狂奔する牛          大正十四年六月十七日
 鯰              大正十五年二月五日
 夜の二人           大正十五年三月十一日
 あなたはだんだんきれいになる 昭和二年一月六日
 あどけない話         昭和三年五月十日
 同棲同類           昭和三年八月十六日
 美の監禁に手渡す者      昭和六年三月十二日
 人生遠視           昭和十年一月二十二日
 風にのる智恵子        昭和十年四月二十五日
 千鳥と遊ぶ智恵子       昭和十二年七月十一日
 値ひがたき智恵子       昭和十二年七月十二日
 山麓の二人          昭和十三年六月二十日
 或る日の記          昭和十三年八月二十七日
 レモン哀歌          昭和十四年二月二十三日
 荒涼たる帰宅         昭和十六年六月十一日
 亡き人に           昭和十四年七月十六日
 梅酒             昭和十五年三月三十一日
 うた六首                         
 智恵子の半生         昭和十五年九月
 九十九里浜の初夏       昭和十六年五月
 智恵子の切抜絵        昭和十四年一月 
 編集者附記 澤田伊四郎

昭和16年(1941)にオリジナル『智恵子抄』を上梓した龍星閣が、第83刷を「五十年記念愛蔵版」として出したもの。昨日御紹介したバックラム装の上製版と、さらに二重函(内函は麻布装)、三方金、羊皮表紙の220部限定特装版の2種類が同時に出版されました。

この季節、この手の公演が少ないのでありがたいところです。神奈川県から朗読の公演情報です。

朗読スペース・春の公演

期 日 : 2026年2月27日(金)
会 場 : 文化創造拠点シリウスマルチスペース 神奈川県大和市大和南1丁目8番1号
時 間 : 14:00~
料 金 : 無料

時は春 日は朝(あした) / R・ブラウン作、上田敏訳「春の朝」。山村暮鳥は/おおい雲よ/と、みちのくの空に、おのが心の在り様をゆったりと広げる。「レモン哀歌」「落葉」など、「アンソロジー四季の詩歌」19篇。「枕草子」は清少納言が里住まいのつれづれと中宮とのやりとりなどを個性豊かに綴る。「春はあけぼの・・・むらさきだちたる雲の・・・」に始まり、エピローグを含めいくつかの段を抽き出し現代文と共に紹介します。
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ただ、ネット上にあまり詳しい情報が出ていませんで、出演者の方など不明ですが、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)45 『詩集 天上の炎』

昭和30年(1955)6月15日 新潮社(新潮文庫) 高村光太郎訳
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目次
 未来(序詩) 新しい都 昔の信仰 私の眼よ 誇 機械 熱烈な生活 港の突堤で
 今日の人に 健康 死者 問題 機会 トンネル 波止場で 私の都 わが友風景 木蔦
 東西南北 森 花の方へ 並木の第一樹 散歩 或る夕暮の路ゆく人に 私の集(題跋詩)
 ヴェルハアラン
 解説(金子光晴)

金子光晴による解説も含め、昭和28年(1953)に出た創元文庫版とほぼ同一の内容です。ただし、創元文庫版にあった、F・ヴァロトンによるヴェルハーラン肖像画の口絵は割愛され、逆に光太郎による評伝「ヴェルハアラン」(昭和8年=1933 原題「ヹルハアラン」)が追補されています。

なぜ立て続けに複数社から文庫化されたのか、そこは不明です。

もう少し早くご紹介するべきところでしたが、日付を勘違いしておりました。明日の公演です。

大人のための朗読会『あの空、あの声』-ふるさとの記憶-

期 日 : 2026年1月12日(月・祝)
会 場 : 成増アートギャラリー 東京都板橋区成増3丁目13-1
時 間 : 14:00~15:00 
料 金 : 無料

出 演 : 朗読ワークショップ声流
演 目 : 鹿児島感傷旅行/向田邦子 海酒/田丸雅智 あどけない話/高村光太郎 ほか

遠く離れても、深く心に刻まれた場所…ふるさと  いろいろな想い出、風の匂い、日差し、親しかった人びと…その場所を振り返るとき人は皆、胸を締め付けられる ふるさとを思い起こす朗読会です。
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主催は板橋区成増図書館さん。朗読ワークショップ声流さんによる「大人のための朗読会」は定期的に開催されているようです。平成31年(2019)には『道一その先』のサブタイトルで行われ、やはり光太郎詩「道程」がプログラムに入っていました。

今回は「『あの空、あの声』-ふるさとの記憶-」だそうで、「空」といえば「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。」の「あどけない話」(昭和3年=1928)ですね。

それからフライヤーを見て一瞬、「あどけない話」と同じく『智恵子抄』所収の「梅酒」(昭和15年=1940)かと思ったのですが、田丸雅智氏の「海酒」。やはり主人公が不思議なバーでメニューに書かれた「海酒」の文字を「梅酒」と勘違いするストーリーです(笑)。

ご都合つく方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)11 『ロダン』アルス美術叢書 24

昭和2年(1927)4月17日 アルス 高村光太郎著
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目次
 一、一個の全球
 二、親ゆづり
 三、善い姉さんと腹の出た家と
 四、始まり
 五、実地修行
 六、修道院
 七、下働きと仕立女工
 八、総決算と新時代
 九、苦境と愉楽と
 十、振出しへ返る事
 十一、自己の道
 十二、「歩む人」と「地獄の門」と
 十三、胸像群
 十四、記念像群及「バルザツク」の彫刻的意義
 十五、一九〇〇年以後
 十六、晩年、死、死
 十七、「小さい花子」

光太郎が終生敬愛したロダンの書き下ろし評伝です。

最終章「小さい花子」は、ロダン彫刻のモデルを務めた確認出来ている限り唯一の日本人・花子こと太田ひさを岐阜に訪ねたレポートです。ひさは森鷗外の短編小説「花子」にも描かれました。

昨日は神奈川県の北鎌倉に出向いておりました。明月院さん裏手のカフェ兼ギャラリー・笛さんで開催中の「回想「高村光太郎 尾崎喜八」詩と友情 その12」の拝観及び関連行事としての「詩の朗読会」でした。
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笛さんのオーナーご夫人が光太郎の直ぐ下の妹・しづ(静子)の令孫にあたり、またすぐ近くに光太郎と交流の深かった詩人・尾崎喜八の令孫もお住まいということで、両家に伝わる品々が展示され(12回目)、さらに令和4年からは関連行事としての朗読会も行われています。

14:30頃に着き、まずは展示を拝見。

光太郎の書。色紙類はほとんどが複製ですが、一点のみ真筆。「此珠無価数」、中国の寒山詩の一節を揮毫したものです。
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書簡系三通はオーナーご夫人の令祖父母に宛てたもので、こちらも真筆。昭和20年(1945)4月に本郷区駒込林町のアトリエ兼住居が空襲で全焼した直後、焼け跡から出てきた炭化した香木を「茶を点てるのにでも使って下さい」と贈った添え状、それから戦後、花巻郊外旧太田村の陋屋に蟄居してからの近況報告。
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尾崎の書も。こちらも一点を除いて複製だそうですが。
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大正13年(1924)、尾崎と、光太郎の親友だった水野葉舟の息女・實子の結婚祝いに贈ったミケランジェロ模刻の「聖母子像」。

書籍類。
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15:00となり、朗読会開始。
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まずはオーナーご夫人による「妹に」(大正6年=1917)、「御前彫刻」(昭和22年=1947)。ともに光太郎が家族を謳った詩です。
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「妹に」の「妹」はオーナーご夫人のおばあさまではなく、その下の妹・よし(喜子)ですが、オーナーご夫人、喜子にも会われたことがおありだそうで。ちなみに喜子は藤岡光田(こうでん)という木彫家に嫁ぎました。昭和20年(1945)4月の空襲の後、光太郎は約1ヶ月、近くにあって辛くも焼失を免れた藤岡家に世話になった後、花巻の宮沢賢治実家に疎開しました。

続いて、尾崎喜八・實子夫妻の息女、故・榮子さんの肉声による喜八詩の朗読を録音された音源で。榮子さんは当方が会ったことのある生前の智恵子を知る人物お二方のうちのお一人です。

次に、当方がお声がけしたお二人、フリーアナウンサーの早見英里子さんと朗読家の出口佳代さん。
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お二人には、今年の第69回連翹忌の集い、さらに7月に開催された「中西アトリエをめぐる文人たちの朗読会」でも光太郎詩の朗読をお願いしました。
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続いては、やはり録音された音源から音楽に造詣の深かった尾崎による「The wind from the west」。リコーダー演奏と歌唱でした。

光太郎実弟・豊周の令孫(オーナーご夫人とは「はとこ」)の櫻井美佐さんで、光太郎詩「鉄を愛す」(大正12年=1923)。尾崎夫人實子の父・水野葉舟に贈った詩です。
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ここで、当方にもしゃべれというので、光太郎や尾崎、實子や榮子さんなどについてお話しさせていただきました。プログラムにその項が入っていることを、当日の朝まで存じませんでしたが(笑)。

尾崎令孫(母方では葉舟令曾孫)の石黒敦彦氏が尾崎について。
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合間にはオーナーの山端夫妻による笛の合奏。ご夫婦でこういうことができるというのはいいですね。
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最後にオーナー・山端氏による光太郎詩「山からの贈り物」(昭和24年=1949)。
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プログラム的には以上でしたが、この後はNHKさんの「グレーテルのかまど 高村光太郎のレモンコーヒー」で取り上げられたレモンコーヒー、智恵子の故郷・福島二本松の地酒(智恵子実家の銘酒の銘柄「花霞」の名を継いだもの)などが振る舞われました。
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それから、これも恒例となりつつある、近くで採れた巨大な冬瓜(とうがん)の解体ショー(笑)。
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さらに山端氏は店内所狭しと置かれている笛を代わるがわる手に取られて即興演奏。
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17:00、終了。肩のこらないアットホームなひとときでした。

来年以降もこの時期に開催されるはずですので、ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

真の芸術家は創造の原始的原理に透徹しなければならぬ。美しきものを会得することによつてのみ彼は霊感を得る。決して彼の感受性の出し抜けな目覚めからではなく、のろくさい洞察と理解とにより辛抱強い愛によつて得るのである。心は敏捷であるに及ばぬ。なぜといへばのろい進歩はあらゆる方面に念を押す事になるからである。


光太郎訳 ロダン「ロダン手記 ゴチツクの線と構造」より
大正9年(1920)頃訳 光太郎38歳頃

特に造型芸術に於いては、気の長い「のろい」取り組みも必要だというわけですね。その実践ともいえるでしょう、ロダンも光太郎も一つの作品に何年もかけることがありました。

朗読のワークショップだそうで。

壤晴彦・演技/朗読短期ワークショップ 11月『「ニュアンス」ってどうやって付けるの? 智恵子抄』

期 日 : 2025年11月21日(金)~11月23日(日)
会 場 : 演劇倶楽部『座』サロン 新宿区新宿5-9-11 アルメリア新宿1F
時 間 : 金・土/18時〜21時、日/13時〜17時 計10時間
料 金 : 20,000円
講 師 : 壤晴彦

あなたは自分の『本当の声』を知っていますか?
「良い声」だと思い込んだ、あるいは教えられた「声」に必死に近づこうとしていませんか?
「自分には遠くまで届く張りのある声は出ないんだ」とあきらめていませんか?

「声真似」ではない、自分の『本当の声』に出会い、「聞く耳に心地良く」「健康効果も抜群」の『省エネ発声法』の他、朗読や台詞・演技のスキルアップに役立つ技術を、テーマ別に指導します。

11月『「ニュアンス」ってどうやって付けるの?』
動詞・形容詞・形容動詞、時には名詞‥‥声の強弱・高低・圧・スピード・温度・湿度‥‥単語ごとの立体化・有機化が「文章の味わい」となります。一つ一つのフレーズを丁寧に扱い、瑞々(みずみず)しい言葉世界を目指します。
教材:智恵子抄(高村光太郎)
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講師の壤晴彦氏は、ご自分でも朗読の公演をなさるかたわら、朗読教育にもご関心が高く、教材としてのCDも出されています。

こちらで把握している限りでは、昨年さいたま市で、今年は都内秋田県で、それぞれ「智恵子抄」朗読を含む公演にご出演。当方は都内での公演を拝聴に伺いました。教材的なCDは平成24年(2012)にリリースされています。

今回の講座は、4月から12月まで3日間ずつ、計27日間。そのうち今月開催分で「智恵子抄」がテキストとして使われます。他の月で取り上げられた/取り上げられる作品は、宮沢賢治「どんぐりと山猫」、アンデルセン「絵のない絵本」、小川未明「野ばら」、夏目漱石「夢十夜」、芥川龍之介「藪の中」など。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

肝腎な点は感動する事、愛する事、望む事、身ぶるひする事、生きる事です。芸術家である前に人である事!


光太郎訳 ロダン「若き芸術家達に(遺稿)」より
大正9年(1920)頃訳 光太郎38歳頃

当会顧問であらせられた故・北川太一先生は、光太郎が訳したこの一節を好まれ、頼まれて書く揮毫などによくこの一節、それから昨日ご紹介した一節を選ばれていました。
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本日のキーワードは「今週末」。紹介すべき事項があとからあとから出て参りまして、ギリギリの紹介となってしまい、すみません。

まず、都内から朗読公演の情報。

四季の朗読会〜秋の部〜

期 日 : 2025年11月8日(土)
会 場 : 秋葉原ハンドレッド2 東京都台東区浅草橋5-3-2
時 間 : 12:00~
料 金 : ¥6,000

文豪達の四季折々の名作が俳優の紡ぐ言葉によって現代に再び蘇る朗読会。俳優達と一緒に過去の名作を楽しみましょう。


十二時の回 高村光太郎「山の秋」 十五時の回 久米正雄「虎」 十八時の回  泉鏡花「貴婦人」

出演者 谷佳樹 山口渓 町田尚規 灰塚宗史

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「山の秋」は、花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)周辺の思い出を再上京してから書いたもので、雑誌『婦人公論』第37巻第10号(昭和28年=1953 10月)に発表されました。

谷佳樹さんという方、舞台「文豪とアルケミスト 旗手達ノ協奏(デュエット)」で、主人公の志賀直哉役を演じられた方でした。他にも同作でアンサンブルという敵の戦闘員役を演じられた方も。今一つ公演の詳細が分からなかったのですが、なるほど、そういう系かと。

もう1件、智恵子の故郷・福島二本松からコンサート情報です。

トランペット&ピアノ デュオ 駅に響け「ほんとの空」コンサート

期 日 : 2025年11月9日(日)
会 場 : JR東北本線安達駅東西自由通路西口1階コンコース
時 間 : 午後1時15分(約50分)
料 金 : 無料

トランペッター Noby
本宮市出身二本松在住のプロトランペッター。中学時代にイタリア人トランペッターニニ・ロッソに憧れ、趣味で吹き続けてきた事がプロの道へ。国内各地、海外での演奏経験もあり、ジャンルを問わない演奏は好評である。

ピアノ 坂本ひとみ(市内在住)

(当初出演予定でフライヤーに名がある千葉貴利氏は、お身内にご不幸があり、急遽出演できなくなったそうです)
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光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語を冠したコンサートです。会場は二本松市名誉市民であらせられた彫刻家の故・橋本堅太郎氏の最後の作品にして智恵子像の「今、ここから」が立つ安達駅。トランペットのNobyさんは、これまでも二本松での智恵子関連イベントなどに繰り返し出演なさっています。当方も一度、演奏を拝聴しました。

当初出演予定だった千葉貴利氏という方は存じませんでしたが、プロフィール欄に「生まれつき、右手首より先が無い」とあります。それで鍵盤楽器を弾かれるというのですから、つくづく人間というものは凄いんだな、と改めて思います。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

辛抱です! 神来を頼みにするな。そんなものは存在しません。芸術家の資格は唯智慧と、注意と、意志とだけです。正直な労働者のやうに君達の仕事をやり遂げよ。

光太郎訳 ロダン「若き芸術家達に(遺稿)」より
大正9年(1920)頃訳 光太郎38歳頃

やはりロダンも光太郎同様、ポジティブですね。光太郎がそれに学んだ、と言うべきかも知れませんが。

この場合の「芸術家」は、造型作家のみと限らないでしょう。

昨日は上京しておりました。

メインの目的はコンサートの拝聴でしたが、早めに出て、まずは久々に国会図書館さんへ。
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こちらのデジタルコレクション、自宅兼事務所に居ながらにして見られる資料数が飛躍的に増えているのですが、館まで足を運ばないと見られない「館内限定」データも著しく拡充されており、そのあたりの調査です。

光太郎智恵子がらみで様々なことをやっている当方ですが、ライフワーク的には彼等の書き残したものの集成。筑摩書房さんの増補版『高村光太郎全集』の平成10年(1998)に完結後も、それにもれている作品がかなり多く、高村光太郎研究会さんで年刊刊行の『高村光太郎研究』内の連載「光太郎遺珠」としてそれらを紹介しています。昨日もそれっぽいものを見つけて参りました(詳しく調べないと分かりませんが)。また、『高村光太郎全集』編纂に当たられた、当会顧問であらせられた故・北川太一先生の古い短文なども。

その後、杉並区の荻窪に。古書店を2軒廻り(収穫ゼロでしたが)、杉並公会堂さんへ。
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こちらで「 POEM*CONCERTⅣ ほんとうの幸い 宮沢賢治も夢みた世界」という公演があり、それがメインの目的でした。
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「POEM*CONCERT」と題されているように、毎回1人の詩人を取り上げて、その人物の作詞した歌曲などを演奏したり、作品の朗読を行ったりというコンセプトで、今回は宮沢賢治。直接的には光太郎には関わりませんが、これは聴いておかなけりゃ、というコンサートでした。

第一に、今冬の花巻高村光太郎記念館さんでの企画展示に向けて、現在、宮沢賢治と格闘していますので(実際に殴り合っている訳ではありません(笑))。まだ詳細は発表されていませんが、数回にわたる『宮沢賢治全集』の刊行に光太郎が大きく関わっていまして(当会の祖・草野心平も)、そのあたりに関する展示になります。関連行事として、年明けには花巻で賢治実弟・清六の令孫、宮沢和樹氏らとの公開対談も予定されています。展示の解説パネルはいったん書き上げましたが、まだ完成というわけではありませんし、とにかく賢治の世界観に触れておきたいと考えた次第です。

第二に、出演なさった二期会の黒川京子氏、清水邦子氏とのご縁。今回の招待券も黒川氏から頂きました。
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お二人とも光太郎詩に曲が付けられた歌曲を歌われていらっしゃり、そしてこのコンサートの関係もあって、賢治の故郷・花巻を訪れてみたいということで、今年の1月31日(金)・2月1日(土)と、1泊2日で花巻をご案内いたしました。そういうわけで、やはり「これは聴いておかなけりゃ」でした。

さて、杉並公会堂さん。正面玄関を入ると、テレビモニターがあって、よくある「本日の催し」的な案内画面。それを見て、噴き出しました。
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「ほんとうの幸い」が「ほんとうの辛い」になっていまして(笑)。まぁ「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と賢治は言い切りましたので、「ほんとうの幸い」を実現するためには「辛い」ことも多いでしょうが(笑)。

2部構成で、プログラム的には以下の通りでした。
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独唱あり、4人の歌い手さんによる混声4部合唱あり、仕掛け人のお一人・松野志保氏のレクチャーや朗読あり、最後は観客席を巻き込んでの「星めぐりの歌」大合唱(厳密には斉唱ですが(笑))と、実にバリエーションに富んだ構成で、素晴らしいと思いました。まさに黒川氏、清水氏のお二人をお連れしたイギリス海岸を題材にした「イギリス海岸の歌」も演奏されました。さすがに種山が原まではご案内できませんでしたが。

ちなみにバリトンの馬場眞二氏は、一昨年の「福成紀美子ソプラノリサイタル~作曲家 朝岡真木子とともに~」で、朝岡真木子氏ご作曲の「冬が来た」を歌われた方でした。テノールの鹿内芳仁氏は青森ご出身だそうで、MCでは歌曲の歌詞を賢治が書いた通りの南部弁で読まれたり。

終演後。
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この際のトークの中で、次回(来年)の予告。これまでに金子みすゞ、立原道造、中原中也、宮沢賢治と来て、何と、次回は光太郎を取り上げて下さるそうで。帰りがけ、ホワイエで清水氏、黒川氏とお話しさせていただいた中で「来年が光太郎って、聞いてなかったっすよ」と申し上げたところ「さっき決まりました」(笑)。一昨年、清水氏歌唱でリリースされた朝岡真木子氏ご作曲の「清水邦子が歌う 組曲『智惠子抄』」CD(ライナーノートを書かせていただきました)を、清水氏が松野氏らにお渡しなさったところ、「来年は高村光太郎で行こう」となったそうで。

光太郎詩に曲を付けた作品は、独唱歌曲もそれなりにたくさんありますし、今回のように4人のカルテットとすれば、これまたまあまあ数のある混声4部合唱も可能で、こりゃ楽しみだ、と思いました。ただ、光太郎自身が元々歌曲の歌詞として作詞したものはほとんど戦時歌謡系ですので、そのあたりはちょっと……という気がしますが。

そんなこんなでサプライズもあり、充実した上京となりました。関係の皆さまに感謝申し上げると共に、今後のますますのご活躍を祈念いたします。

【折々のことば・光太郎】

自然を狭義に模写する事は全く芸術の目的ではありません。

光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ジユヂト クラデル筆録」より
大正4年(1915)頃訳 光太郎33歳頃

「「自然」に学べ」とか「「写実」が重要」とロダンは繰り返しましたが、ただそのままを写し取ることには否定的でした。自然を模写しつつも、自らの感性というフィルターを通して作品に仕上げなければならい、というわけでしょう。そのためには「誇張」もやぶさかではないと。

光太郎もその考えを自らの血肉としていました。そのため、実物そっくりに作った自在置物などのいわゆる超絶技巧系には芸術としての価値を殆ど認めませんでした。超絶技巧系大好きで少し前に起こったブームの仕掛け人だったエラいセンセイのお一人は、その点をして「光太郎が明治工芸を破壊した」と憤慨していましたが、それはお門違いというものでしょう。

鹿児島から朗読会の情報です。

あなたに届ける朗読会vol.8

期 日 : 2025年9月15日(月・祝)
会 場 : 川内まごころ文学館 鹿児島県薩摩川内市中郷二丁目2-6
時 間 : 13:30~15:30
料 金 : 一般 1,000円・小中高校生 500円  要予約 090-4346-1066

令和3年から開講した、ことの葉日和朗読教室 薩摩川内朗読サロン。「いつか川内クラスだけの発表会をしよう」と約束して、ついに実現!何と!薩摩川内の朗読教室3クラスの受講生全員が出演します!
第一部の発表会は、芥川龍之介、与謝野晶子、島崎藤村、高村光太郎、宮沢賢治、金子みすゞ、八木重吉、新美南吉、太宰治…と、文学作品を個性豊かな生徒さんたちが朗読します。
第二部の朗読コンサートは、三年半ぶりに「雨月物語〜菊花の約〜」を、ゲスト濱田貴志&桐めぐみクラシックギターデュオとともに浜本麗歌の朗読でお届けします!
九月の話でもある江戸文学の名作「雨月物語〜菊花の約〜」。せつないクラシックギターの音色とともにお楽しみください。
司会&お手伝いは、鹿児島県立川内高校放送部のみなさん! 朗読を聴くひとときをぜひどうぞ!
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ことの葉日和 朗読教室」さんという団体の主催で、2部構成のうちの第1部での教室の生徒さんによる発表に光太郎作品が含まれているようです。ありがたし。
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ところで朗読と言えば、6月に早稲田奉仕園スコットホールさんで開催された「木村俊介Concert 『鵲(かささぎ)の橋の上で』in 東京 愛のかたち、様々に~日本と韓国の文学作品から~」にゲスト出演なさり、「智恵子抄」から朗読をされた壤晴彦氏が、先週、秋田での「日本と韓国 朗読コンサート ~日本と韓国の文学・物語を朗読と音楽とともに~」という公演で、やはり「智恵子抄」からの朗読をなさったそうです。早稲田で共演なさった和楽器奏者の木村俊介氏、伽耶琴(カヤグム)を奏でるパクスナ氏もご一緒でした。

事前の告知で「高村光太郎」「智恵子抄」といったワードが出ていなかったようで、気づきませんでした。記録のために書き記しておきます。

さて、会場の川内まごころ文学館さんの常設展示では、光太郎とも縁のあった有島武郎や実弟の里見弴などが扱われています。ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

私の友達の、造船家が私に話したには、大甲鉄艦を建造するには、唯そのあらゆる部分を数字的に構造し組合せるだけでは駄目で、正しい度合に於て数字を乱し得る趣味の人によつて加減されなければ、船がそれ程よく走らず、器械がうまくゆかないといふ事です。してみれば決定された法規といふものは存在しない。「趣味」が至上の法規です。宇宙羅針盤です。


光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ジユヂト クラデル筆録」より
大正4年(1915)頃訳 光太郎33歳頃

昨日のこの項でご紹介した一節同様、ここでロダンが言う「趣味」とは、「感性」「造型的感覚」といった意味だと思われます。

機器の製作に於いてすら、図面通りにやれば良いというものではなく、いわんや彫刻に於いてをや、というわけでしょう。

昭和6年(1931)、光太郎は三陸沿岸各地を約1ヶ月旅し、宮城県牡鹿郡女川町にも逗留しました。それを記念して毎年開催されている女川光太郎祭、今年も開催されます。

地元紙『石巻かほく』さんに予告記事が出ています。

高村光太郎の足跡しのぶ 講演や朗読、献奏も 女川・来月9日

 詩人で彫刻家の高村光太郎(1883~1956年)をしのぶ第34回女川「光太郎祭」(女川・光太郎の会主催)が8月9日午後1時から、女川町まちなか交流館で開かれる。入場無料。
 戦前に女川を訪れ、詩や紀行文を記した光太郎の足跡に触れる。高村光太郎連翹(れんぎょう)忌運営委員会の小山弘明代表が講演するほか、町内外の12人が自ら選んだ光太郎の作品を朗読する。ギタリスト宮川菊佳さん、オペラ歌手本宮寛子さんによる献奏、献歌もある。
 光太郎は1931年夏、女川や石巻市、気仙沼市など三陸沿岸を巡り、多くの詩文を残した。女川湾に面した海岸広場には文学碑が建立されている。
 光太郎祭は地元の有志らで組織する女川・光太郎の会が92年から開催してきた。事務局のメンバーは「光太郎が残した文化や祭りの存在を次の世代の人たちにつなげていきたい」と話す。
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詳しい案内文書等が来ていないのですが、例年通りという連絡があり、おおむね以下のような感じのはずです。ただ、式典等の部が昨年までは14:00からでしたが、『石巻かほく』さんには13:00からと予告されていますので、そうなのでしょう。

女川光太郎祭

期 日 : 2025年8月9日(土)
会 場 : 献花 高村光太郎文学碑 宮城県牡鹿郡女川町海岸通り1番地
      式典等 まちなか交流館 宮城県牡鹿郡女川町女川2丁目65番地2
時 間 : 献花 10:00~ 式典等 13:00~
料 金 : 無料

10:00~ 高村光太郎文学碑へ献花
13:00~ 式典等
 黙祷
 記念講演 「高村光太郎の彫刻(その1)」 高村光太郎連翹忌運営委員会代表 小山弘明
 ご挨拶 女川光太郎の会
 献花の模様動画投影
 光太郎紀行文・詩の朗読 町内外の皆さん
 祝辞
 アトラクション演奏 
ギタリスト宮川菊佳さん、オペラ歌手本宮寛子さん
18:00頃~
 懇親会

午前中に行われる、平成3年(1991)に当時の海岸公園に建てられた光太郎文学碑への献花は関係者で。見たい、という方はご覧下さって結構ですが。碑の建立を機に、翌年から光太郎祭が開催されるようになりました。碑は平成23年(2011)の東日本大震災で倒壊しましたが、令和2年(2020)に再建されています。

碑の建立や光太郎祭の運営に奔走された貝(佐々木)廣氏は震災で津波に呑まれて亡くなり、碑文の一部を揮毫されたり、永らく光太郎祭で記念公演を毎年されたりなさっていた、元当会顧問の北川太一先生も鬼籍に入られました。光太郎をはじめ、それらの皆さんへの思いこめての献花です。

午後の部、メインは町内外の方々(今年は12名だそうで)による光太郎詩文の朗読ですが、前座として当方の講演。最初は北川先生との対談形式で行い、その後10年ほど、光太郎と女川との繋がり、連作詩「暗愚小伝」に基づいて光太郎の生涯を紹介し、それも終わって、昨年は智恵子の生涯について語らせていただいています。今年以降、どうしようかと考えましたが、いつも話の枕として「光太郎は色々な分野に足跡を残した総合的な芸術家だった」ということを語っていることに思い至り、それならその「色々な分野」を一個ずつ取り上げていけばまた10年くらい何とかなるかと考えています。そこで今年と来年は「彫刻」。一般の方にもわかりやすいようにかみ砕いて、光太郎彫刻の成り立ちを語ります。

終了後は会場近くの町中華さんで懇親会。年に一度お会いする方々が多く、それが一つの楽しみです。

今年は土曜日の開催ですし、ご都合のつく方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

小生昨年と今年とは療養のため多く臥床、来年はそろそろ又仕事にかかりたいと思つて居ります、

昭和30年(1955)11月28日 野見山朱鳥宛書簡より 光太郎73歳

余命約4ヶ月、もはや病状は彫刻制作にかかることを許さないほど悪化していたのですが、気持としてはやる気に溢れていたようです。あるいは日記等にも書かれているように、彫刻より「書」をイメージしていたのかもしれません。

「智恵子抄」系の公演情報を2件。

まずは福島から独唱歌曲の演奏会です。

欅の会・日本歌曲コンサートー清水脩の世界ー

期 日 : 2025年8月3日(日)
会 場 : キョウワグループ・テルサホール 福島市上町4番25号
時 間 : 開場 13:00 開演 14:00
料 金 : 1,000円(全席自由)

詩人の高村光太郎と福島県出身の妻、智恵子が題材の曲を演奏します。

プログラム
 第1部「わたしたちとドイツ歌曲」(美しき水車小屋の娘:シューベルト)
  Dos Wondern(さすらい) Wohin?(どこへ?) Am Feirrobend(仕事のあとで)
  Der Neugierige(知りたがる者) Uegengruss(朝の散歩)
  Des Müllers Blumen(水車屋の花) Tränenregen(涙の雨)
  Der Müller und der Bach(水車屋と小川) Des Baches Wiegenlied(小川の子守歌)
  山田耕筰・清瀬保二・間宮芳生・猪本隆・原久貴作品とともに
 第2部「清水脩作品集」
  「奥の細道」より(松尾芭蕉句)
   行く春や 風流の初やおくの 世の人の見附ぬ花や 早苗とる手もとや昔
   笈も太刀も五月にかざれ 旅に病んで
  「智恵子抄」より(高村光太郎詩)
   あどけない話 美の監禁に手渡す者 千鳥と遊ぶ智恵子 風にのる智恵子
   値ひがたき智恵子 レモン哀歌 荒涼たる帰宅


出演 ソプラノ 相田美保 佐藤彰子 みのり 佐藤裕子 藁谷志帆
   アルト  佐藤奈緒美 中村すみれ 細田睦子
   テノール 荒井一成  バリトン 竹沢嘉明
   ピアノ  熊田桂子 窪田綾奈 小林悟 吉田圭祐

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故・清水脩氏の全12曲から成る歌曲集「智恵子抄」から7曲、ピックアップされています。このうち「あどけない話」「千鳥と遊ぶ智恵子」「レモン哀歌」は光太郎生前の昭和30年(1955)の作曲。ソプラノ歌手・小島幸(大3=1914~平19=2007)の独唱会の依嘱作品でした。「風にのる智恵子」「荒涼たる帰宅」は同年、東京交響楽団の依頼により作曲され、同団定期公演でソプラノ歌手・古澤淑子(大5=1916~平13=2001)歌唱、同団伴奏により初演が為されています。「値ひがたき智恵子」は昭和34年(1959)、ソプラノ歌手・内田るり子(大9=1920~平4=1992)の「渡欧記念第五回連続日本歌曲独唱会」への委嘱作品として、「美の監禁に手渡す者」は昭和46年(1971)、テノール歌手・中村健(昭7=1932~)に献呈という形で作曲され、「中村健独唱会」で初演されました。ピアノ伴奏は三浦洋一(昭8=1933~平21=2009)でした。

光太郎があとからあとから「智恵子抄」収録詩篇を作り続けたように、清水氏も4期に分けて作曲しつづけ、完成までに16年かかっています。よほど「智恵子抄」詩篇に思い入れがあったのでしょう。舞楽の楽人であった父の影響もあり、邦楽にも関心を寄せていた氏は、昭和34年(1959)には箏曲、室内楽と朗読のコラボレーションによる「詩のための音楽 智恵子抄より」も作曲しましたし、合唱曲でも「智恵子抄巻末のうた六首」など多くの作品で「智恵子抄」をテキストに使っています。

もう1件、栃木県から朗読の公演。

秋元紀子ひとり語りin宇都宮

期 日 : 2025年8月8日(金)
会 場 : café Mario~休みの国~ 宇都宮市昭和2丁目9-20
時 間 : 開場 9:45 開演 10:00
料 金 : 3,500円+ランチセット1,580円

プログラム
 Opening act 高村光太郎作『智恵子抄』 朗読:篠崎令子
(キビタノ朗読会)
 太宰治作『恥』  安房直子作『青い花』

名古屋、秩父と好評だった太宰治「恥」と安房直子「青い花」を宇都宮でも語らせていただきます。「恥」は、ある一文がとても気に入っています。その箇所に来ると私の表情が変わると思います。「青い花」は、自分への戒めと思って読んでいます。カフェマリオの手加減しないジンジャーエールと共にお待ちしています!お問い合わせは、下記までよろしくお願い致します。
 グッドフェイス宇都宮 goodface_utsunomiya2019@yahoo.co.jp
 080-2018-3485(小林)
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メインは秋元紀子さんという方の朗読ですが、オープニングアクトとして篠崎令子さんという方による「智恵子抄」朗読がプログラムに入っています。秋元さんが講師を務められている朗読教室の方のようです。

「智恵子抄」系(無論、他の光太郎作品も)、このように音楽や朗読やで、あるいは演劇や映像作品など他のジャンルでも愛され続けて欲しいものです(長くなるので後日改めてご紹介しますが、講談の公演も近々あります)。

それぞれぜひ足をお運びください。

【折々のことば・光太郎】

おハガキありがと。写真はまたいつかとつてください。このあいだは暗すぎたのだろうと思います。こんどは日のあたつているところでとればいいでしよう。私の病気がもつとなおつたころ。


昭和30年(1955)11月11日 神保明彦宛書簡より 光太郎73歳

交流のあった詩人・神保光太郎の子息に宛てた書簡です。子供に送る手紙は新仮名遣い(促音や拗音を一回り小さいサイズにすることは除く)というのが光太郎のポリシーでした。

この「写真」、どこかで見た記憶があるのですが、今、パッと出てきません。すみません。

7月23日(水)に開催いたしましたコンサート「花巻で響き合う 光太郎、賢治、声と箏」についてレポートいたします。

ご出演は、「声」が仙台ご在住のヴォイスパフォーマー・荒井真澄さん、「箏」で都内からお越しの箏曲奏者・元井美智子さん。お二人での公演、さらにテルミン奏者の大西ようこさんを加えてのトリオでの公演をこれまでもなさっています。

「東北ツアー」と銘打って、7月22日(火)と7月25日(金)には荒井さんのテリトリーの仙台で2公演。間に挟まる7月23日(水)は光太郎第二の故郷・花巻で。当初、花巻では小さめのホールなどを借りて、とお考えだったそうですが適当な会場が取れず、そんなこんなの中で「高村光太郎連翹忌運営委員会の主催ということにすれば、高村光太郎記念館で開催可能」という話になって、こちらにお鉢が回ってきました(笑)。

こちらも独自に「市街地のカフェ羅須さんも借りられますよ」と情報を流しておいたところ、「じゃあ2公演やってしまいましょう」とパワフルなお二人(特に元井さん)が(笑)。

さて、まずは旧太田村の高村光太郎記念館さん。
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リハーサル風景。
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右上画像、像の背後のスピーカーと変に重なり、「乙女の像中型試作」がスマホで写メ(死語ですね(笑))を撮っているように写ってしまいました(笑)。

13:00から本番。
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平日の昼間にもかかわらず、そこそこのお客様がお集まり下さり、感謝に堪えませんでした。
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およそ1時間のプログラムを終え、速攻で撤収。2公演目のカフェ羅須さんへ。
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急いでセッティングし、リハ。
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ちなみにギャラリーも兼ねる羅須さんでは、現在、岩手の花々を撮った地元の方の写真展が開催中です。
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今朝の『岩手日日』さん。しれっと一般人のような顔をして写っているのは当方で、前日にご挨拶に伺った際にたまたま取材が入り、映り込んだ次第です(笑)。
無題
閑話休題、16:00から2公演目の本番。ここが宮沢賢治の親友だった藤原嘉藤治ゆかりの場所ということで、賢治作品も盛り込みました。光太郎も疎開でお世話になっていた宮沢家も指呼の距離ですし。
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こちらの方が少し長いプログラムで、17:00過ぎに終演。

2公演ともいい感じにまとめられました。開催にご協力下さった地元の皆さん、平日にもかかわらずお越しいただいたお客様方に、厚く御礼申し上げます。

この後、3人で花巻南温泉峡・大沢温泉山水閣さんに宿泊いたしました。

こんな感じで、当会を主催とすれば高村光太郎記念館さん(二本松の智恵子生家も)での公演が可能です。通常は「やらせてくれ」と言ってもそういう使用方法はできません。また、羅須さんなど当方のお世話になっているところには仲介も致します。場合によっては宿の手配も。全国の演者の皆さん、ご検討下さい。ただし、高村光太郎記念館さん(二本松の智恵子生家も)では公演料は取れません。光太郎智恵子の聖地中の聖地でできる、という点だけがメリットです。また、流石に当方の全然存じ上げない方は紹介できないかな、という感じでもありますのでよろしくお願いいたします。

【折々のことば・光太郎】

もう稲刈はすんだでせうか、小屋のあたりの栗が今ごろはさかんに落ちる頃と思ひます、子供達がよろこんでとりにいつてるでせう。何かにつけて山がなつかしく感じられます。


昭和30年(1955)10月8日 浅沼政規宛書簡より 光太郎73歳

浅沼ら、旧太田村の人々への書簡は概して村を懐かしむ内容が主でした。

昨日は同じ千葉県内の野田市に行っておりました。過日ご紹介した「森優子朗読ライブ Teatime Concert in 琥珀茶寮あずき」拝聴のためです。

会場の琥珀茶寮あずきさん。
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市の中心部を少し外れた住宅街の一角で、こちらも元々は普通の住宅だったようなたたずまいでした。光太郎の父・光雲の木彫も展示されている茂木本家美術館さん、光雲の師・東雲の彫刻が納められている琴平神社さんや報恩寺さんなども近いと云えば近いあたりです。

こちらではミニコンサートやアート制作のワークショップなど、様々なイベントも行われており、昨日はその一環としての朗読会でした。ご出演は森優子さんという方。ちょっと離れた松戸市にお住まいのようです。元々あずきさんにお客様としていらしていたそうですが、あずきさんのオーナーの方が、昨年松戸で開催された森さんの朗読会を聴かれ、「それならうちでも」とお願いなさって実現したとのこと。

さて、昨日の朗読会。まずは光太郎の「智恵子抄」から。読まれた詩は順に「人に(遊びぢやない)」(大正2年=1913)、「樹下の二人」(大正12年=1923)、「あなたはだんだんきれいになる」(昭和2年=1927)、「あどけない話」(昭和3年=1928)、「値(あ)ひがたき智恵子」(昭和12年=1937)、「レモン哀歌」(昭和14年=1939)、「梅酒」(昭和15年=1940)。

詩の朗読というと、ゆったりとかみしめるように読まれる方が多い中、森さんは少し早口めのきびきびした読み方で、なるほど、こういうのもありだな、と思いました。さらにいつも思うのですが、光太郎の詩はわざとらしくない踏韻や内在律が素晴らしく、聴いていて心地よいものでした。

後半は、光太郎と軽く交流のあった芥川龍之介の「杜子春」。もちろん知らない話ではありませんでしたが、細かな部分は忘れており、「ああ、そういえばそうだった」「このあとどうなるんだっけ?」「あれ、ここはこうだったんだ」という感じで、ある意味新鮮でした。さらにアンコール的に、これも光太郎とつながりのあった中原中也の「吹く風を心の友と」。これでおおむね一時間ちょっとでした。

10月にはまたタッグを組まれ、福島の会津でやはり「智恵子抄」を含む公演をなさるそうです。これまたありがたいお話です。

それも含め、今後のますますのご活躍を祈念いたします。

以上、野田市レポートでした。

【折々のことば・光太郎】

先日はおてがみでいろいろ御様子をうかがひ、よろこびました、又剣舞の人形もいただきました、これは運送の途中ボール箱がおしつぶされて人形の足などが破損しましたが、修繕して飾りました、

昭和30年(1955)8月11日 高橋正亮宛書簡より 光太郎73歳

「剣舞」は「けんばい」と読み、岩手を代表する郷土芸能です。宮沢賢治が詩にしたことで江刺の「原体剣舞」が有名ですが、光太郎第二の故郷・花巻でも多くの地区に独自の剣舞が伝わっています。

昨年もこの時期でしたが、箏曲奏者の元井美智子さんとヴォイスパフォーマー・荒井真澄さんのお二人がコラボなさる公演が、東北地方で4回開催されます。それぞれに「智恵子抄」が組み込まれています。

時系列順に、まず荒井さんのホームタウン・仙台で。

光太郎、賢治、箏と声 夏の朝

期 日 : 2025年7月22日(火)
会 場 : Antique & Cafe TiTi 宮城県仙台市宮城野区鉄砲町中5-8
時 間 : 開場 10:30 開演 11:00
料 金 : 4,000円(ケーキセット付)

プログラム
 お箏の調べ(みだれ、操、耳なじみのある曲)
 高村光太郎「智恵子抄」より ~レモン哀歌、人類の泉など~
 宮沢賢治「よだかの星」など
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翌日には、光太郎第二の故郷・花巻で昼と夕方の2公演。

花巻で響き合う 光太郎、賢治、声と箏 第一公演

期 日 : 2025年7月23日(水)
会 場 : 高村光太郎記念館 岩手県花巻市太田3-85-1
時 間 : 13:00~14:00
料 金 : 無料
      (高村光太郎記念館入館料として大人350円 高校生・学生250円 小中学生150円)
主 催 : 高村光太郎連翹忌運営委員会

プログラム
 「智恵子抄」「智恵子抄その後」より 箏:産まれ出づる、さくらさくらなど

花巻で響き合う 光太郎、賢治、声と箏 第二公演

期 日 : 2025年7月23日(水)
会 場 : カフェ羅須 岩手県花巻市豊沢町2-18
時 間 : 16:00~17:00
料 金 : 2,000円 1ドリンク付
主 催 : 高村光太郎連翹忌運営委員会

プログラム
 「智恵子抄」 よだかの星 星めぐりの歌など 箏:産まれ出づる、夜空へなど
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この花巻での2公演は、当会の「主催」ということになっています。当初は仙台でのそれを含めて全て「後援」のみの予定でしたが、花巻市さんとの交渉の結果、当会「主催」であれば、高村光太郎記念館さんでの公演を許可するということで、そうなると「嫌です」とは言えません(笑)。司会もやることになりました。

高村光太郎記念館さんでの公演のみ、『広報はなまき』で取り上げて下さっています。
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そしてまた仙台に戻り……

旅するお箏と智恵子抄

期 日 : 2025年7月25日(金)
会 場 : となりのえんがわ 宮城県仙台市宮城野区銀杏町4-29 宮城野納豆製造所敷地内
時 間 : 第1部 10:00~12:00 第2部 14:00~15:30
料 金 : 第1部・第2部通し 5,000円 第1部のみ 4,000円 第2部のみ 3,000円
定 員 : 第1部 8名様 第2部 20名様

プログラム
 第1部 ワークショップ 智恵子抄を朗読する~お箏の調べとともに
  智恵子抄の7篇の詩の中から1つ選択して、お箏の生演奏と共に朗読して頂きます。
  午後開催の第2部の中で、希望される方には発表して頂きます。
  朗読候補作品 樹下の二人/あどけない話/風にのる智恵子/レモン哀歌
         亡き人に/梅酒/荒涼たる帰宅
 第2部 コンサート 箏の調べと智恵子抄
  午前開催のワークショップ参加の方の発表の後、智恵子抄の世界をお箏の調べととも
  に……

  演目 みだれ、操、智恵子抄より
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一般の方々対象に朗読講座の講師もなさっている荒井さんですので、こちらはワークショップ形式だそうです。プロの箏曲演奏に乗せて朗読が出来る、ということで「気分いい!」ということになるのではないでしょうか。

なかなかパワフルなお二人で、先述の通り、昨年も仙台と花巻で3公演。当方は仙台の最終公演を拝聴に伺いました。花巻公演は地元紙でも紹介されています。

今年に入ってからも、4月末にはテルミン奏者の大西ようこさんを加えた三人娘(笑)で、二本松の智恵子生家座敷を舞台に、高村智恵子生誕祭関連行事として「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」。こちらも地元紙で報じられました

今回、それぞれ平日の開催ということで、どれだけお客様を集められるか少々心配なところもあります。ぜひぜひ、足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

山は今うつくしい事でせう。カツコーももう鳴く頃でせう。小生はお医者さんのすすめに従ひ、今月は入院、療養のため只今静かに病院生活をして居ります。

昭和30年(1955)5月10日 駿河重次郎宛書簡より 光太郎73歳

入院先の赤坂山王病院から送った、かつて暮らしていた花巻郊外旧太田村の長老格・駿河への書簡より。病床にあって思い起こすのは、太田村の豊かな自然だったようです。

千葉県から朗読公演の情報です。

森優子朗読ライブ Teatime Concert in 琥珀茶寮あずき

期 日 : 2025年7月19日(土)
会 場 : 琥珀茶寮あずき 千葉県野田市上花輪1265-2
時 間 : 13:30 開場 14:00 開演
料 金 : 3,000円(ケーキ、ソフトドリンク付)

あずきでは様々なイベントを企画しています。今回ご縁がありまして森優子さんの朗読ライブを開催出来ることになりました(^^) 以前からお客様としていらして頂いてましたが、昨年お誘いを受け馬橋の万満寺様で開催された、小泉八雲の耳なし芳一を聴く機会があり、とても感動いたし、うちの店では無理かなぁと思いつつ言葉にしてみましたら(^^) 今回この様な運びとなりました。なかなか聴く機会のない朗読ライブ、ましてや智恵子抄です。楽しみです(^^) 25名限定です、もう既に半数はご予約頂いております。お早めのご予約お待ちしております。ライブ終了後ケーキとコーヒーで歓談したいと思います(^^)
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存じ上げない方でしたが、フライヤーに印刷されたプロフィールを見てびっくり。「戦前の大俳優・丸山定夫の姪、女優・丸山由利亜に師事」。

丸山定夫は戦時中にはラジオ放送で光太郎の複数の翼賛詩を朗読していました。国会図書館さんのデジタルデータで「最低にして最高の道」(昭和15年=1940)が公開されていますし、坪井秀人氏著『声の祝祭 日本近代詩と戦争』(平成9年=1997 名古屋大学出版会)の付録CDには、やはり丸山の朗読による光太郎詩「必死の時」(昭和16年=1941、放送は翌年)が収録されています。

光太郎自身も大政翼賛会主催の朗読会などに出演し、自作の詩を朗読することもあって、そうした際に丸山と顔を合わせる機会があったのではないと思われます。室生犀星は、昭和17年(1942)に刊行された『筑紫日記』の中で「この間翼賛会で照井嬰三の朗読詩を聞き、丸山定夫のそれを聞き、また別な日に高村光太郎のそれを聞き、佐藤春夫のそれを聞いたのであつた」と書いています。残念ながら犀星が聞いたのは別の日だったようですが、同じ日に出演したりということも有ったかもしれません。

そして丸山は、国威発揚を目的にした移動演劇隊「桜隊」のリーダーとして、慰問に訪れていた広島で被爆、重傷を負い、終戦の翌日、息を引き取りました。「桜隊」については、故・大林宣彦監督が映画「海辺の映画館―キネマの玉手箱」で描きました。

光太郎、丸山の死については、戦後になって広島出身の小倉豊文あたりから聞かされたのではないかと推測されます。同じ頃、交流のあった高祖保松木喜之七らの戦死の報にも接したでしょう。それらが花巻郊外旧太田村の山小屋での独居生活を「自己流謫(るたく……流罪に同じ)」と位置づける要因の一つとなったことは容易に想像できます。

さて、その丸山の姪・由利亜氏(昭和63年=1988公開の映画「さくら隊散る」などにご出演)に師事なさったという森優子氏による「智恵子抄」。これは聴かざあなるまいと、予約いたしました。

皆様も是非どうぞ。

【折々のことば・光太郎】

談話筆記の方は原稿を見てからでないと御返事できません。

昭和30年(1955)4月30日 浅沼政規宛書簡より 光太郎73歳

002「談話筆記」は、昭和23年(1948)から同27年(1952)までの、浅沼が校長を務めていた山口小学校で行われた各種の行事や会合などでの光太郎のスピーチ、職員室での茶飲み話の際の発言などを浅沼が記録したもの。平成7年(1995)、ひまわり社さん発行の浅沼の回想録『高村光太郎先生を偲ぶ』に全34篇、50ページ以上にわたって掲載されています。高村光太郎研究会さん発行の『高村光太郎研究』中に当方編集の「光太郎遺珠」として連載を持たせていただいている中で、全篇を転載させていただきました。

浅沼は活字にすることを希望し、翌年、光太郎の元に原稿を持ち込みましたが、光太郎は個人的な発言のものであったり、必ずしも光太郎がしゃべった通りになっていなかったりということで難色を示し、結局、光太郎生前には実現しませんでした。

昨日は中野区の産業振興センターさんで「中西アトリエをめぐる文人たちの朗読会」でした。「中西アトリエ」は、昭和23年(1948)に、水彩画家の中西利雄が自分用にと建てたアトリエで、中西は竣工直前に急逝、以後、遺族が戦後の混乱期でアトリエを持てない芸術家のためにと、貸しアトリエとして運用、光太郎も昭和27年(1952)から昭和31年(1956)まで借り、ここで亡くなりました。

そのアトリエが解体の危機に瀕しており、保存運動の一環として、「こんなすごい人達がここを訪れたり、関わったりしたんだよ」ということを広めるため、当方も所属している「中西利雄・高村光太郎アトリエを保存する会」主催で行いました。
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取り上げた文人は主に6名。光太郎をはじめ、その光太郎に会いに中西アトリエを訪れた人々――当会の祖・草野心平、「連翹忌」名付け親の一人・佐藤春夫、そして光太郎と家族ぐるみのつきあいだった尾崎喜八

それから、中西アトリエには足跡を残していないものの、彼等の兄弟が来ているよ、という宮沢賢治と太宰治。賢治実弟の清六は光太郎と親しく、光太郎が亡くなる前日の昭和31年(1956)4月1日夜、かつて光太郎も疎開していた花巻の自宅に居たところ、玄関から「こんばんは~」という光太郎の声を聞いたそうです。その声は清六の妻・愛子も、台所の修繕工事に来ていた大工さん達も聞いたとのこと。しかし見に行ってみると誰もいません。かねて光太郎の病状が思わしくないと聞いていた清六は胸騒ぎがし、慌てて上京、中西アトリエを訪れます。すると、沈痛な面持ちの中西夫人から「昨夜でした……」。不思議なこともあるものですね。太宰の方は、実兄の青森県知事・津島文治が、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の発注元、相談を受けた佐藤春夫が光太郎を作者として推薦、かつて太宰が佐藤に「芥川賞を私に下さい」的な書簡を送ったなどの縁。津島知事も中西アトリエを訪れています。

さて、朗読(一部、音楽演奏)。100席ほど用意しましたが、ほぼ満席でした。当会人脈の方々も何人か。ありがたし。

第一部は、主に詩人の方々。「中西利雄・高村光太郎アトリエを保存する会」世話役の曽我貢誠氏が詩人で、そのお仲間の皆さんです。一部、智恵子に関する文章なども書かれ、二本松で光太郎詩朗読などもなさった吹木文音さん、やはり「保存する会」メンバーの原詩夏至さん、「智恵子抄」に関わる朗読公演等を何度もなさったり、詩集で智恵子に触れて下さったりの宮尾壽里子さんなど、こちらの人脈ともかぶりますが。
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休憩を挟み、第二部。

今年の連翹忌の集いで朗読を披露していただき、絶賛を浴びたフリーアナウンサーの早見英里子さんと、朗読家出口佳代さんのコンビ。ちなみに背後の壁は「保存する会」のメンバーの役者さんがセッティングして無粋な黒板を隠し、美しく。
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フルート奏者の吉川久子さん。こちらも「智恵子抄」がらみの公演を複数回なさって下さっていますし、平成26年(2014)にはやはり連翹忌の集いでの演奏もお願いしました。当初、妹さんが朗読なさる予定でしたが、健康を崩されて、朗読も吉川さんがなさいました。ギターは山田大輔さん。
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大トリは、女優の一色采子さん。都内や智恵子の故郷・二本松で北條秀司作の舞台を朗読劇化した「智恵子抄」公演で智恵子役をなさったり、お父さまの故・大山忠作画伯は智恵子と同郷で、智恵子を描かれた絵も複数遺されたりしています。大山画伯は5人しかいない福島出身の文化勲章受章者の一人です(心平もですが)。ピアノは田中健さん。パリ在住経験もある光太郎も愛したドビュッシー「月の光」などで、盛り上げて下さいました。
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ちなみに当方は司会。合間にアトリエについてや、各文人と光太郎との関わりなどをべしゃくらせていただいました。しかし、とにかく時間が押し、話したいことの半分くらいしか紹介出来ませんでした。上記の清六のエピソード、それから光太郎と戦争との関わり――自作の翼賛詩を戦後になって恥じて蟄居生活に入ったことなど。

さらに、昨日、自宅兼事務所に帰ってから気づいたことが一点。何と、会場だった産業振興センターさんのある場所そのものに、光太郎自身の足跡が残っていました。昭和28年(1953)6月16日、「乙女の像」の原型完成記念報告会が、青森県副知事の横山武夫、佐藤春夫夫妻、心平らを招いて、「千光園ほととぎす」という料亭で開催されました。同店は「黄檗流普茶料理」と掲げていた料亭で、昭和46年(1971)まで存続。他の方の作成されたサイトにこの場所だったんだよ、と詳しく紹介されていましたし、自分のブログでも令和4年(2022)にちらっと書いていました。その頃は産業振興センターさんを存じませんでしたし、今年2月に初めて足を運んだ際にも忘れていました。この話が出来ていれば、地元の皆さんからは「おお!」というリアクションがあっただろうに、と思うと残念至極、反省しきり、穴があったら入りたい、です。

それでも盛会の裡に終えることが出来、胸をなで下ろしました。暑い中お集まりいただいた観客の皆さん、お忙しい中足代程度のギャラしかお支払い出来ないと御承知で、快くご出演を引き受けて下さった出演者の方々に篤く御礼申し上げます。

終演後、控え室で。出演された方々(全員ではありませんが)と。
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この催しが、アトリエ保存運動の弾みとなることを願って已みません。

【折々のことば・光太郎】

此間は見事なみかんをたくさん届けて下さつてありがたく存じました、 博物館、図書室の奥平さんといふ方が編輯して小生の選詩集を来年三月岩波文庫から出すといふことです、

昭和29年(1954)12月14日 北川太一宛書簡より 光太郎72歳

昨日の朗読会、晩年の光太郎に親炙し、会場には当会顧問であらせられた故・北川太一先生の御霊(みたま)もいらし、元々細かったお眼をさらに細められていたのではないでしょうか(笑)。

「奥平さん」は、当時、トーハクさん勤務だった美術史家の奥平英雄。一時、中西アトリエ近くに住んでいました。現在も版を重ねている岩波文庫版『高村光太郎詩集』にかかわります。

2度ほどちらっとご紹介しましたが、当方も所属しています「中西利雄・高村光太郎アトリエを保存する会」主催です。

中西アトリエをめぐる文人たちの朗読会

期 日 : 2025年7月6日(日)
会 場 : 中野区産業振興センター 東京都中野区中野 2-13-14
時 間 : 13:30~16:00
料 金 : 無料

中西アトリエは画家・中西利雄亡き後、高村光太郎が創作のため1952年から1956年まで滞在しました。十和田湖畔の乙女の像の塑像をこのアトリエで制作しここで亡くなりました。詩人でもあった光太郎の滞在時には多くの文人たちが訪れたそうです。光太郎と仲間たちを偲ぶ朗読会のご案内です。

1、吹木文音(詩人) 
   宮沢賢治作
 よだかの星/銀河鉄道の夜
2、田井淑江(書家)
    太宰 治作
 人間失格 /走れメロス
3、 立原一洋(ギター奏者)、 
   佐藤春夫作
 秋刀魚の歌(作曲・立原一洋)
4、宮本苑生(詩人)
    草野心平作 
高村光太郎の死の前夜/高村光太郎死す/秋の夜の会話 他
5、原詩夏至(詩人)
    尾崎喜八作
 友/三国峠/私の詩
6、宮尾壽里子(朗読講師)
  高村光太郎
 レクイエム智恵子(構成・宮尾壽里子)
 ◆休憩◆   (10分)
7、出口佳代(朗読家)・早見英里子(フリーアナウンサー)   
  【光太郎智恵子】2人の声が奏でる静かで深い愛の物語
  高村光太郎作 僕等/道程/あなたはだんだんきれいになる/風にのる智恵子/
  レモン哀歌/元素智恵子
8、吉川久子(フルート奏者)・山田大輔(ギター奏者) 
  演奏曲目ほらねんねんねろ/ふるさと/星めぐりの歌/谷戸の風/小泉八雲の子守歌
  朗読作品 高村光太郎 樹下の二人/宮沢賢治 双子の星 春と修羅/太宰治の格言
9、一色采子(俳優)・田中健(ピアノ)
  詩と音楽のマリアージュ 高村光太郎「智恵子抄」より ドビュッシーの音楽に乗せて
  高村光太郎作 人に/樹下の二人/あどけない話/レモン哀歌

※朗読作品、演奏曲目、順序等、変更になる場合が御座います。ご了承ください。


司会/解説 小山弘明(高村光太郎連翹忌運営委員会代表)

申し込み者募集中、80名(詳細は下記のチラシ)定員になり次第締め切り。
メール・sogakousei@mva.biglobe.ne.jp
☎090-4422-1534(ショートメール可)
朗読会案内①
朗読会案内②
光太郎が生涯最後の大作「乙女の像」を制作し、その終焉の地ともなり、さらに記念すべき第一回連翹忌会場となった、中野の中西利雄アトリエ。現在、保存に向けての活動を展開中ですが、この建物にかくも錚々たる人々が集まった(関わった)ということで、その人々の作品を朗読や音楽に乗せてお届けし、広くアトリエの価値の一つの側面を周知するための取り組みです。

ここで約3年半起居し、亡くなった光太郎をはじめ、光太郎の元を訪れた文人として、「乙女の像」仕掛人の一人・佐藤春夫、当会の祖・草野心平、そして尾崎喜八。それから光太郎が入居する前に亡くなりましたが、「乙女の像」クライアントの津島文治青森県知事実弟で春夫とも縁が深い太宰治、光太郎や心平らの努力で没後にその作品世界が広く世に認められるに至った宮沢賢治の作品も取り上げます。太宰と賢治はこのアトリエを訪れていませんが、それぞれの兄弟、津島知事と宮沢清六は足跡を残しています。

大トリに、女優の一色采子さん。都内や智恵子の故郷・二本松で北條秀司作の舞台を朗読劇化した「智恵子抄」公演で智恵子役をなさったり、お父さまの故・大山忠作画伯は智恵子と同郷で、智恵子を描かれた絵も複数遺されたりしています。

その前に、フルート奏者の吉川久子さん。こちらも「智恵子抄」がらみの公演を複数回なさって下さっています。当初、お仲間の方が朗読なさる予定でしたが、健康を崩されて、朗読も吉川さんがなさいます。

それから今年の連翹忌の集いで朗読を披露していただき、絶賛を浴びたフリーアナウンサーの早見英里子さんと朗読家の出口佳代さんのコンビ。

宮尾壽里子さんはじめ、ご自身で詩作等もなさっている詩人系の方々も。

ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

“62のソネツト”感謝、小生、まじめな人の詩に接するのは いつでも大きなよろこびであり、又それによつて勇気づけられます、


昭和29年(1954)5月20日 谷川俊太郎宛書簡より 光太郎72歳

昨年亡くなった谷川俊太郎氏宛で、唯一確認出来ているものです。『宮沢賢治全集』編集などで、父君の谷川徹三とは旧知の仲でした。俊太郎氏も複数のご著書を光太郎に贈っています。ただ、それらは郵送で、直接の面識は無かったようです。
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昨日は上京し、新宿区で「木村俊介Concert 『鵲(かささぎ)の橋の上で』in 東京 愛のかたち、様々に~日本と韓国の文学作品から~」を拝聴して参りました。

会場は早稲田奉仕園スコットホールさん。
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同じ早稲田奉仕園さん内の隣接するリバティホールさんでは、令和4年(2022)に講演をさせていただきましたが、スコットホールさんに足を踏み入れるのは初めてでした。ホールと言っても音楽ホールとして建てられたものではなく現役の礼拝堂です。

開演前に会場内で注意事項についての説明があり、携帯の電源は切って下さい的な通常のものプラス、公演中はもちろん開演前や終演後であっても会場内撮影禁止とのこと。建物自体が築100年以上の国指定登録有形文化財ですし、いろいろ大人の事情が、とうわけで。

それから、これも開演前のお話の中にあったのですが、ここで米津玄師さんのヒット曲「lemon」のPVが撮影されたとのこと。しかも「あそこの後にある小窓のあたりです」と、係の方が指さしたのは、自分が座っていたすぐ後の一角でした。

「マジか?」と思い、このブログ内に当該PVを貼ってあることを思い出して、早速見てみると、まさにそうでした。「Lemon」。米津さんご自身、「智恵子抄」収録の「レモン哀歌」(昭和14年=1939)からのインスパイアもあるかもしれないと発言されていまして、奇縁に驚きました。

さて、15:30開演。
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演目は主に3つでした。

まずはパク スナ氏の奏でる伽耶琴(カヤグム)に乗せ、和楽器奏者の木村俊介氏が韓国のいわゆる処女鬼神系の民話を語られました。伽耶琴は見た目は日本の箏とあまり違いませんが、日本で一般的な十三弦より一本少ない十二弦だそうですし、奏法は琴爪を使わず、だからでしょうか、音色的にもやはり違いを感じました。

続いて壤晴彦氏がステージに上がられ「おこんじょうるり」。原作はさねとうあきら氏作の創作民話ですが、映像作家・岡本忠成氏が人形アニメーション化され、高い評価を得た作品です。その際には長岡輝子さんが主演。長岡さんと言えば、戦時中から光太郎とも交流があり、おそらく宮沢賢治について質問があったのでしょう、光太郎が花巻郊外旧太田村での蟄居生活を終えて再上京した中野の貸しアトリエにもいらっしゃいました。昭和30年(1955)、光太郎最晩年でした。そんなところにも奇縁を感じます。

壤氏の落ちついたバリトンの美声での語り、パク氏がやはり伽耶琴、そして木村氏は太棹や横笛など、いろいろ持ち替えての演奏。実にいい感じでした。

休憩を挟んで第2部。第2部はやはりお三方でまるまる「智恵子抄」で60分ほど。詩の朗読が数編ならそうした工夫は必要ありませんが、長いステージでまるまる「智恵子抄」を扱うとなると、時間の経過も数十年に及びますし、どうしても詩の朗読以外のいわばト書きの部分での説明的なパートが必要になります。どのように構成するのかなと興味津々でしたが、昨日は佐藤春夫の『小説智恵子抄』を使われていました。同作は光太郎が歿した昭和31年(1956)から翌年にかけ、光太郎と親交の深かった佐藤が雑誌『新女苑』に連載したジュブナイルです。連載当時のタイトルは「愛の頌歌(ほめうた) 小説智恵子抄」。昭和32年(1957)に実業之日本社さんで単行本化、のち、角川文庫のラインナップに入り、現在も版を重ねています。また、丹波哲郎さん、岩下志麻さん主演の松竹映画「智恵子抄」原作と位置づけられてもいます。

余談になりますが、朗読家の荒井真澄さんはこうした場合、光太郎本人の随筆「智恵子の半生」(昭和15年=1940)を使われます。今春、二本松の智恵子生家座敷で行った当会プロデュースの
「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」公演でもそうでした。また、令和3年(2021)に文京区の光太郎の実家の隣・旧安田楠雄邸で、やはり朗読家の北原久仁香さんと当方のコンビで行った「語りと講話 高村光太郎作 智恵子抄」では、パワーポイントのスライドショーで効果音を入れたアニメーションを流しつつ、当方が解説を行いました。

閑話休題。昨日のト書き部分以外の詩は、以下の通りのラインナップでした。

 「あどけない話」(昭和3年=1928)
 「案内」(昭和24年=1949)
 「人に(いやなんです……)」(大正元年=1912)
 「カフエにて(おれの魂を……)」(大正2年=1913)
 「人類の泉」(  〃  )
 「あなたはだんだんきれいになる」(昭和2年=1927)
 「樹下の二人」(大正12年=1923)
 「人生遠視」(昭和10年=1935)
 「山麓の二人」(昭和13年=1938)
 「千鳥と遊ぶ智恵子」(昭和12年=1937)
 「レモン哀歌」(昭和14年=1939)
 「荒涼たる帰宅」(昭和16年=1941)
 「梅酒」(昭和15年=1940)
 「案内」(昭和24年=1949)


すべての詩を全文読まれたわけではなく、長い詩は抜粋で。最初の「あどけない話」と「案内」(一部分だけ)は、全体の予告のような位置づけで。その後の「人に」からは、おおむね時系列に沿っての構成でした。一部年代が前後しているのは、光太郎自身が時間を遡って書いたりしているためです。

元々は、昨日も劇中で演奏されたパク氏のオリジナル曲を聴かれた木村氏が「これは「智恵子抄」の世界観にぴったりだ」と感じ、壤氏を巻き込んで(笑)このステージを作られたとのこと。「なるほど」という感じでした。

当方としては内容が分かっていますし、「次はこの詩だな」とほぼ予想もつくのですが、それでも、というかそれだけに、感動も一入でした。展開がわかっていても楽しめるという意味では、昔の日本人全般にとっての「忠臣蔵」みたいなものでしょうか(笑)。「智恵子抄」系をあまり詳しくご存じない一般のお客さんがどのように感じられたか、興味深いところではあります。

アンコールでは壤氏は退場され、木村氏とパク氏で尹東柱の詩を韓国語と日本語で朗読されながらの演奏。尹東柱も光太郎と同時代を生きた詩人ですが、今のところ直接の繋がりは確認できていません。

というわけで、なかなか充実のコンサートでした。「智恵子抄」の再演を望みますし、お三方の今後のさらなるご活躍を祈念いたします。


【折々のことば・光太郎】

イワテノビ セカイノビ トナレ


昭和29年(1954)3月5日 岩手県立盛岡美術工芸学校宛電報より 光太郎72歳

かつて花巻郊外旧太田村蟄居中には何度も訪れて講演等を行った岩手県立盛岡美術工芸学校の卒業式のための祝電です。

あまり大々的に宣伝は為されていないようなのですが……。

木村俊介Concert『鵲(かささぎ)の橋の上で』in 東京 愛のかたち、様々に~日本と韓国の文学作品から~

期 日 : 2025年6月15日(日)
会 場 : 早稲田奉仕園スコットホール 新宿区西早稲田2丁目3-1
時 間 : 開場 15:00 / 開演 15:30
料 金 : 全席自由 5,500円 要予約
予 約 : 木村俊介 mail:insho@sky.plala.or.jp TEL. 090-8346-5548


パクスナ氏と始めた、日韓定期開催LIVE『鵲の橋の上で』。3年目を迎える今年は、~愛のかたち、様々に~と題して、日韓の文学作品から珠玉の“愛”の物語を取り上げます。愛する人が、愛した時のその人ではなくなってしまったら。愛する人が異界の存在であることを知ってしまったら。それでも、誓った愛を貫くことができるのか。昨年、壤晴彦氏との共演で大好評を頂いた、高村光太郎作『智恵子抄』をはじめ、先人の残した言葉が、時代を超えて問いかけます。会場は築100余年の祈りの空間。溶け合い、響きわたる言葉と音楽に、ゆったりと浸るひと時を。

出 演
 〈横笛・能管・三味線〉木村俊介  〈伽耶琴(カヤグム)〉パク スナ  〈語り〉壤晴彦
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昨年9月、同じく『鵲(かささぎ)の橋の上で』と題されたコンサートがさいたま市で開催されていました。その再演に近いのかな、という感じです。

その際の紹介記事でも書きましたが、朗読を担当される壤晴彦氏、かなり以前から「智恵子抄」朗読に取り組まれている方です。

今回は新宿区で。早稲田奉仕園さんといえば、当方、令和4年(2022)に日本詩人クラブさんの例会で講演をさせていただいた場所です。

ぜひ足をお運びください。

【折々のことば・光太郎】

東京も寒くなり、山口ではもう雪が降つてゐる事でせう、小生廿五日の朝上野を出発して同夜花巻着、大澤温泉に参ります、山口へは廿六日か廿七日に出かけるでせうが、あの小屋には寝られさうもないので、夜は又大沢温泉に行きます、

昭和28年(1953)11月22日 浅沼政規宛書簡より 光太郎71歳

前年まで7年間の蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村山口地区に約1年ぶりに戻るという連絡です。
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明後日のイベントですが、昨日になってネット上での情報に気がつきましたので……。

大人のための朗読ライヴ

期 日 : 2025年6月1日(日)
会 場 : 磯部生涯学習センター 三重県志摩市磯部町迫間878−9
時 間 : 13:00開場 13:30開演
料 金 : 無料

プログラム
 『朝のリレー』 谷川俊太郎/朗読:花笑み
 『グチャグチャ飯』 佐藤愛子/朗読:江坂淳子
 『ヤギとライオン』 トリニダード・トバゴの民話/ストーリーテリング 森本時子
 『智恵子抄』 高村光太郎/朗読:牧野範子
 『驟り雨(はしりあめ)』 藤沢周平/朗読:岡野秋子
 「オーシャンボーイズ」演奏会 (男性デュオ・フォークソング・ニューミュージック)
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「志摩市での朗読会」というのが記憶に残っており、調べたところ、平成25年(2015)にも同じ団体さんの同じ方がやはり「智恵子抄」朗読をなさっていました。ありがたし。

昨日ご紹介したアニメ「花は咲く、修羅の如く」も朗読を題材としたものですし、朗読は大ブームとはいえないものの、根強い人気があるのでしょう。

光太郎自身も自作の詩の朗読をたびたび行いました。戦後の昭和27年(1952)、ラジオ放送のために花巻温泉松雲閣で詩人の真壁仁との対談が録音され、その終了後に光太郎の発案で「風にのる智恵子」「千鳥と遊ぶ智恵子」「梅酒」の三篇を光太郎自身が朗読した音源がNHKさんに残っています。

ただ、光太郎の自作詩朗読は戦時中に行われることが多く、愚にもつかない翼賛詩がほとんどでした。そのあたりも戦後の7年間の蟄居生活を送ることになった要因の一つでしょう。

また、やはりラジオで光太郎詩の朗読を行い、光太郎とも面識のあった盛岡出身の照井瓔三(栄三)の著書『国民詩と朗読法』(昭和17年=1942)に以下の序文を寄せています。

 最近詩の朗読が日本全国のあらゆる青年層の間に歓び迎へられてゐるといふ事を聞く。民族の大いに動く時、まづ詩精神の鬱勃が起り、その発現としての詩が求められ、詩そのものへの共感合体に魂の喜を人人が経験するに至るのは当然である。詩精神の発揚は即ち民族主義の溌剌を意味する。今日人が詩を読んで詩への共感を熱望する実状を見聞して、私は限りなき心強さを感ずる。
 詩を朗読するといふ事は人が詩を熱愛するのあまりに起こる衝動である。われにもあらず声に出るのである。その朗読をきく者は音響といふ要素の力に変形した詩の力に打たれる。詩は朗読といふ音響によつて淘汰され、洗練される。朗読のゆるがせに出来ないわけが此所にある。朗読技法の大切なわけも亦此所にあるのである。その技法の指針を示さうとするのが此書である。

戦時中の馬鹿馬鹿しい(というか、罪深い、というか)翼賛詩ということを考えなければ、特に後半部分「詩を朗読するといふ事は……」以下云々(「でんでん」ではありません、「うんぬん」です)、なるほど、と思わせられる内容ですが。

ちなみに照井は昭和20年(1945)5月の空襲により、東京で亡くなりました。

詩の朗読が妙な方向に利用される、そうした時代が再び来ないことを祈って已みません(「いません」ではありません、「やみません」です)。

【折々のことば・光太郎】

東京の夏には閉口、来年の夏は山で過さうと思ひました、


昭和28年(1953)9月25日 北川太一宛書簡より 光太郎71歳

めっぽう夏の暑さに弱かった光太郎、花巻郊外旧太田村との二重生活を目論みました。結局、それが実現することはなかったのですが……。

光太郎詩を取り上げて下さる朗読イベント、まず来週開催のものを。

朗読のつどい「高村光太郎『智恵子抄』」

期 日 : 2025年5月30日(金)
会 場 : 志津公民館 千葉県佐倉市上志津1672-7
時 間 : 14:00~15:00
料 金 : 無料
出 演 : 朗読サロンこおろぎの輪

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画像は佐倉市さんの広報誌「こうほう佐倉」から。

「こおろぎの輪」さん、市のボランティアセンターさんに登録されている団体で、公民館等での朗読会等、積極的になさっているようです。
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メンバーがかぶっているのでしょうか、「姉妹団体」として、広報誌の音訳録音などをなさっている「こおろぎの会」さんという団体も存在します。
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頭が下がりますね。

で、今回、「智恵子抄」から朗読をなさって下さるそうで、1時間みっしり光太郎。時間が取れれば行って来ようと思っております。お近くの方、ぜひどうぞ。

ついでというと何ですが、当会がらみの朗読イベントも今後、開催されます。

まず7月6日(日)、光太郎終焉の地にして、第一回連翹忌会場となった東京都中野区のアトリエ保存の関係で、「中西利雄・高村光太郎アトリエを保存する会」主催の朗読イベント。会場は中野区産業文化振興センターです。司会を当方が担当します。

詳細が未定でして、また追ってご案内いたしますが、今のところ、女優の一色采子さん、今年の連翹忌の集いで朗読を披露していただいたフリーアナウンサーの早見英里子さんと朗読家の出口佳代さんのコンビには朗読を、フルート奏者の吉川久子さんにはお仲間の方の朗読に乗せて演奏をお願いしてあります。また、詩人で朗読にも取り組まれている方々もそれとは別に。

それからやはり7月、仙台と花巻で。仮のフライヤーを載せておきます。
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昨年もお二人で仙台/花巻公演をやられた、朗読家の荒井真澄さんと箏曲奏者の元井美智子さんのコラボ。計4公演で、花巻のみ会場借り受けの都合で当会主催ということになっています(仙台は「後援」)。花巻高村光太郎記念館さんでも1公演やります。

ここに電子楽器・テルミンの大西ようこさんが加わって、先月、二本松の智恵子生家で「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」公演を行いました。

こちらもまた近くなりましたら詳細を出しますので、よろしくお願いいたします。

【折々のことば・光太郎】

右の七尺像二体の鋳造を貴下にお願いたしました事を心強く存じ居ります。八月末か九月始めまでに御完成願ひたきことはかねて申上げました通りであります故何卒よろしくお取計ひ願上げます。

昭和28年(1953)6月18日 伊藤忠雄宛書簡より 光太郎71歳

七尺像二体」は、生涯最後の大作にして智恵子の顔を持つ「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」。前年10月に7年間の蟄居生活を送った花巻郊外旧太田村の山小屋を出、中野の貸しアトリエに入り、11月から制作開始。小型試作、中型試作、原寸大の手の試作と次々完成させ、本体の七尺像は3月5日から作業にかかり、6月1日には終わりました。光太郎にしては驚異的なスピードで、その裏には自らの死がそう遠くないという覚悟があったと思われます。

先週末からの2泊3日の行程を終え、昨日、千葉の自宅兼事務所に帰投しました。2回に分けてレポートいたします。

メインの目的は高村智恵子生家/智恵子記念館さんで開催中の「高村智恵子生誕祭」の一環として、当会主催で行ったコンサート「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」。4月27日(日)、午前の部と午後の部と、2回公演でした。これまで当方は、毎年4月2日の日比谷松本楼さんでの連翹忌の集いを除いて、各地のイベントに呼ばれて出向くばかりでしたが、今回はこの手のイベントとしては初の当会プロデュース。慣れないプロデューサー業で、各方面に助けられながら、何とか盛会のうちに終わらせることが出来ました。

出演は朗読で仙台ご在住の荒井真澄さん、音楽演奏で電子楽器・テルミンの大西ようこさん(神奈川にお住まい)、そして都内から箏曲の元井美智子さん。
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以前にも書きましたが、それぞれがまず単独、あるいは他の方とのコラボで「智恵子抄」系の公演をなさり、知遇を得させていただきました。で、連翹忌の集いにご参加いただくようになり、そこでお三方が意気投合。これまでもお三方中のお二人が組まれての公演が、光太郎がらみでないものも含め、複数回ありました。「それならいっそ3人でやってみませんか、この時期なら通常立ち入り禁止にしている智恵子生家の座敷でやらせていただけると二本松市教委さんからご返答いただいてますし」とお声がけしたところ、皆さん「ぜひやりたい」とのことで。

ネックは入場無料で行うため、ギャラをお出しできないこと。皆さんにとってのメリットは「智恵子生家の座敷で公演ができる」ということだけで、それぞれ遠方にお住まいですし、いわばハイリスクローリターン。それでもお三方とも「ここでやれるなら夢のようです」とおっしゃってくださり、実現しました。
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4月26日(土)、まず荒井さんと大西さんがいらっしゃり、ざっと会場設営と場当たり。
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襖を外したり、家具類を移動したり。すると、タンスの裏側にこんな文字が書かれているのを発見しました。
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「長沼セン」は、智恵子の母です。右上の画像で左端がセン。昭和2年(1927)、光太郎智恵子夫妻と訪れた箱根大湧谷でのショットです。こんなところに記名してあるとはまったく存じませんでした。

そして4月27日(日)、コンサート当日。元井さんも合流し、リハーサル。
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ぼんぼり的な丸いのは、地元の上川崎和紙で作られたもので、ここの備品をお借りしました。

満を持して11:00、午前の部の開演。
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午前中でお客さんがいらっしゃるかと心配でしたが、蓋を開けてみれば座敷はいっぱいでした。ありがたし。
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隣接する智恵子記念館で展示中の智恵子のエプロンを復元して下さった花巻南高校家庭クラブ/文芸部さんの生徒さん、先生方も駆けつけて下さいました。終演後には「エプロン展示中ですのでご覧下さい」と宣伝しつつ、生徒さんたちに立っていただいてご紹介させていただきました。事前打ち合わせ無しの無茶ぶりでしたが(笑)。
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荒井さんが「智恵子抄」所収の詩を13篇、さらにエッセイ「智恵子の半生」から抜粋で朗読。大西さんと元井さんが日本古謡「さくら」やドビュッシー「月の光」などを合奏。箏の演奏を間近で見られる機会もそうそうありませんし、ましてや不思議な電子楽器テルミンは見るのも聴くのも初めて、というお客さんがけっこういらっしゃいまして、ビジュアル的にも見ていて飽きない感じになりました。

荒井さんの朗読も、一人何役も演じ分けられたり耳に心地よい美声だったり。しかし、決して幸福一辺倒でなかった光太郎智恵子(特に智恵子)の生涯を追う構成なわけで、聴いていて切なくなるのはどうしようもありませんでした。いつものことですが。
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そしてやはりこの「場」。かつてここに智恵子やその家族が居て、たまには光太郎も来て、それぞれが生きて呼吸して家族の歴史を刻んだ場所なんだと思うと、感無量でした。
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約60分で午前の部が終わり、昼食。さらに14:00から午後の部。内容的には同一でした。
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意外でしたが、午後の部の方がお客さんが少なく、まぁそれでも盛会裡に終えることが出来ました。

何人か、聴かれた方の感想を伺いましたが、皆さん口を揃えて絶賛して下さいました。中にはこのブログのコメント欄にも書かれていますが、地元の方が「大変素晴らしく過去最高の「智恵子抄」だと思いました。テルミンの音色、古式豊かな雅な琴の音との智恵子抄は初めてでした。ずーと続けて欲しいなと思いました」とのことで。

プロデューサー冥利に尽きます。それを言えば、連翹忌の集いの一つの目標として、光太郎の顕彰以外にこのように人の輪を拡げることがありまして(そしてさらに光太郎顕彰に繋げるということになりますが)、それがまた少し果たせたことを嬉しく存じます。
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元井さんが8分余りの動画を上げて下さっています。


地元紙『福島民友』さん、『福島民報』さんが取材に来て下さいました。この手のイベントの記事は速報性が求められないので、数日後に出ることが多く、現時点ではまだ記事が読めていません。出ましたらまたご紹介します。

仙台に本社を置く東北6県をカバーする『河北新報』さんは以下の記事。取材にはいらっしゃいませんでしたが、事前にこちらで流しておいた情報に基づいて、4月26日(土)に掲載して下さいました。

高村智恵子の生涯 作品でたどる 福島・二本松で生誕祭

 詩人、彫刻家の高村光太郎の妻で、洋画家智恵子(1886~1938年)が生まれた5月20日に合わせた催し「高村智恵子 生誕祭」が、福島県二本松市の「市智恵子の生家・記念館」で開かれている。5月25日までの期間中、智恵子がデザインしたエプロンを再現した作品の展示などがある。
 エプロンは、光太郎が戦時中に疎開した岩手県花巻市の花巻南高家庭クラブの生徒が復元した。当時の女性向け雑誌に掲載されるなど注目を集めたという。
 記念館では、智恵子が病に伏していた時に作った「紙絵」10点など、普段は公開されていない資料が5月11日まで特別に展示される。生家では智恵子の居室だった2階が土日祝日を中心に公開する。
 4月27日には生家で、詩集「智恵子抄」の朗読公演がある。午前11時と午後2時の2回で予約不要、参加費無料。光太郎の活動を伝える「高村光太郎連翹忌(れんぎょうき)運営委員会」が企画した。
 午前9時~午後4時半。水曜日休館(祝日の場合は翌日)。入場料は高校生以上410円、小中学生210円。連絡先は記念館0243(22)6151。
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エプロンの展示を含め、「高村智恵子生誕祭」は5月25日(日)まで。他にもさまざまなコンテンツが用意されています。ぜひ足をお運びください。

【折々のことば・光太郎】

おてがみ感謝、仕事に没頭してゐたため、ハガキを書くのを、おろそかにしてゐて失礼しました。中央公論社の催に異存ございません。御多忙中上京との事恐縮に存じます。

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昭和28年(1953)1月15日 
真壁仁宛書簡より 光太郎71歳

真壁は山形在住の詩人。戦時中、智恵子紙絵千数百枚の約3分の1を光太郎が真壁の元に疎開させていました。

その中から作品を選び、中央公論社画廊で「高村智恵子紙絵展覧会」が2月2日~12日の日程で開催されました。昭和26年(1951)6月に資生堂ギャラリーで行われて以来、都内では2度目の開催でした。

現在、二本松での「高村智恵子生誕祭」、そして信州安曇野碌山美術館さんでも「特別展示 智恵子の紙絵」ということで、実物が展示されています。

昨日は福島二本松の智恵子生家に於いて、「高村智恵子生誕祭」の一環としてコンサート「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」を当会主催で開催しました。
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午前と午後の2回公演、それぞれ60分ほど。元井美智子さんの奏曲、大西ようこさんのテルミン演奏に乗せて荒井真澄さんの朗読。
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地元の方々は勿論、都内や、光太郎第二の故郷・岩手花巻からも聴きにいらしてくださり、ありがたく存じました。

隣接する智恵子記念館で展示中の智恵子のエプロンを復元して下さった花巻南高校家庭クラブ/文芸部さんの生徒さん、先生方も。
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詳しくは帰りましてからレポート致します。

4月に入ってのイベント情報、音楽ライブと朗読会で同じ日に行われる2件をご紹介します。

まずは光太郎詩にオリジナルの曲を付けて歌われているシャンソン系歌手・モンデンモモさんのライブ。このところ島根の方を拠点にされてミュージカル等に携わられることが多かったようですが、久しぶりに「智恵子抄」メインです。

BOOK CAFÉ LIVE モモの智恵子抄

期 日 : 2025年4月4日(金)
会 場 : 狐弾亭 東京都立川市羽衣町1-21-2
時 間 : 18:15~20:00
料 金 : 3,500円

一部 智恵子の瞳  二部 次回予告編 宮沢賢治物語『アウシュビッツの壁』

出演 歌 モンデンモモ ギター たしまみちを


ご予約開始いたします。妖精の身元に!!素晴らしい空間です、席がほんの少しです。すでにご予約いただいていて急がれてください。満席になり次第締め切らせていただきますね。ごめんなさい。妖精さんのお席も用意します🧚
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もう1件、朗読会は宮崎県から。

劇団ぐるーぷ連 第134回朗読LIVE がんばれどうぶつ

期 日 : 2025年4月4日(金)
会 場 : ぐるーぷ連 劇工房 宮崎県東諸県郡綾町北俣4010-7
時 間 : 14:00~
料 金 : 1,000円

構成 実広健士
出演 劇団ぐるーぷ連 井上貴子・前本俊一 ことばの教室 原口奈々
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新美南吉/ごん狐       和田誠/おさる日記  筒井康隆/狸 高村光太郎/道程・牛
花岡大学/百羽のツル
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劇団ぐるーぷ連さん、毎月の月初めに朗読ライブをなさっているそうで、その都度テーマというかタイトルというかを決めて作品を選ばれているようです。今月は「弥生3月花の咲く」。そして来月が「どうぶつがんばれ」だそうで、光太郎詩「牛」(大正2年=1913)を取り上げて下さいます。ありがたし。100行越えの長大な詩ですのでなかなか大変とは存じますが、それだけに聴き応えはあるでしょう。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

今度の仕事の事では学校として心配して下さつて忝く存じます、うまくアトリエが借りられて万事好都合でした、


昭和27年(1952)7月19日 石井鶴三宛書簡より 光太郎70歳

石井は新制の東京藝術大学教授を務めていた彫刻家。光太郎が生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作を始めるにあたり、アトリエの心配をしてくれていたようです。もしかすると学校の施設を使ってもよい的な申し出もあったかも知れません。結局、中野の中西利雄アトリエを借りることがこの頃には決まっていました。

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