それに合わせたわけでもないのでしょうが、兵庫県姫路市で明日から公演が始まる劇団プロデュース・Fさんの第76回アトリエ公演「売り言葉」。野田秀樹氏作の演劇で、智恵子を主人公とした一人芝居です。
『神戸新聞』さんに予告報道が出ています。

さて、「自分を見失い、本音を言えなくなった智恵子に代わり、高村の身勝手をとがめる「女中」が重要な役割を果たす。」だそうで、そのあたりが今回の演出の肝なのでしょう。平成14年(2002)の大竹しのぶさんによる初演では、大竹さんが主人公・智恵子、光太郎、そして狂言廻し的な「女中」と、三役を演じ分けられましたが、今回は「女中」は「女中」でお一人の方が演じられるようです。過去の他団体の公演でもそういうケースがありました。やはり「劇団」として演(や)られるとなると、一人芝居では……ということなのでしょうか。
この報道を読んで「面白そう、行ってみよう」という方が少しでも多くなることを祈念いたします。
【折々のことば・光太郎】
書を書く事は承諾します。あまり大げさな頒布会にしないやうに願ひますし、主催は貴下の名に願ひます。
智恵子の姪にして、南品川ゼームス坂病院で智恵子の最期を看取った看護婦だった春子の夫・宮崎稔が光太郎の書の頒布会を企画しました。書に強い興味関心を持っていた光太郎も乗り気でしたが、結局、実現せずに終わったようです。