まずは地方紙『室蘭民報』さん記事から。
近代詩文書、見事な筆遣い 故佐々木寒湖氏の書展
だて歴史文化ミュージアムの企画展「佐々木寒湖の書展」が伊達市梅本町の同ミュージアムで行われている。市に寄贈があった近代詩文書15点の見事な筆遣いが来館者の目を引いている。9月23日まで。
故佐々木寒湖(本名・清)氏は増毛町出身。1945年から56年まで伊達高校(現在の伊達開来高校)で教壇に立ち、市の書道文化の礎づくりに尽力した。
今回の企画展は同氏の生誕110年に合わせて実施。初日には同ミュージアムの蝦名未来学芸員が来館者に作品の鑑賞ポイントを伝えるイベントを行った。力強い筆痕が特徴の「梅雨くらく」では「余白が少なく『怒涛(どとう)』という文字を中心に置くことで迫力を感じる」と説明した。このほか、詩人三好達治や木下杢太郎の詩を引用した作品もある。
蝦名学芸員は「かな文字と漢字が交ざり、読みやすいのが近代詩文書。書道文化に触れて」と来館を呼びかけている。観覧無料。
記事本文に光太郎の名がありませんが、画像の一番右の作品が光太郎詩「雪白く積めり」(昭和20年=1945)を書いたものです。
記事本文に光太郎の名がありませんが、画像の一番右の作品が光太郎詩「雪白く積めり」(昭和20年=1945)を書いたものです。
展覧会詳細は以下の通り。
旧伊達高校(現伊達開来高校)で教鞭をとっていた故佐々木寒湖氏の作品を展示します。書道作品の観覧ポイントについても解説します。
故・佐々木寒湖氏という方、記憶にある名だなと思って調べたところ、このブログで平成30年(2018)に伊達市内の別の施設で行われた同様の展覧会を紹介していました。
近代詩文の書で光太郎の詩の一節等が取り上げられる機会は少なくないのですが、書家の皆さん、書道団体の方々、お知らせいただければ出来る限り紹介いたしますのでよろしくお願い申し上げます。
【折々のことば・光太郎】
青根温泉へのお誘ひ忝く存じました。青根温泉へは小生も先年智恵子と一緒に一週間ばかり滞在したことがあります。あの正面の大きな宿でしたからたぶんその大佐藤といふ家だつたでせう。実にいい温泉だと思ひました。再遊もしたいけれどその頃にならないと都合が分りません。
青根温泉は蔵王山腹の温泉地。昭和8年(1933)、心の病の昂進した智恵子の湯治のため、東北や北関東の温泉巡りをした際にここにも滞在しました。「大佐藤」は現在の湯元不忘閣さん。
徳江は宮城在住だった人物で、光太郎に素晴らしい温泉があるので湯治に来ませんか、的な誘いをかけたのだと思われます。ただ、結局、青根再訪は実現しませんでした。
「佐々木寒湖の書」展
期 日 : 2024年8月10日(土)~9月23日(月・祝)
会 場 : だて歴史文化ミュージアム 北海道伊達市梅本町57番地1
時 間 : 9:00~17:00
休 館 : 月曜日 月曜が祝日の場合は、翌火曜日休館
料 金 : 無料
旧伊達高校(現伊達開来高校)で教鞭をとっていた故佐々木寒湖氏の作品を展示します。書道作品の観覧ポイントについても解説します。
故・佐々木寒湖氏という方、記憶にある名だなと思って調べたところ、このブログで平成30年(2018)に伊達市内の別の施設で行われた同様の展覧会を紹介していました。
近代詩文の書で光太郎の詩の一節等が取り上げられる機会は少なくないのですが、書家の皆さん、書道団体の方々、お知らせいただければ出来る限り紹介いたしますのでよろしくお願い申し上げます。
【折々のことば・光太郎】
青根温泉へのお誘ひ忝く存じました。青根温泉へは小生も先年智恵子と一緒に一週間ばかり滞在したことがあります。あの正面の大きな宿でしたからたぶんその大佐藤といふ家だつたでせう。実にいい温泉だと思ひました。再遊もしたいけれどその頃にならないと都合が分りません。
昭和24年(1949)3月18日 徳江儀正宛書簡より 光太郎67歳
青根温泉は蔵王山腹の温泉地。昭和8年(1933)、心の病の昂進した智恵子の湯治のため、東北や北関東の温泉巡りをした際にここにも滞在しました。「大佐藤」は現在の湯元不忘閣さん。
徳江は宮城在住だった人物で、光太郎に素晴らしい温泉があるので湯治に来ませんか、的な誘いをかけたのだと思われます。ただ、結局、青根再訪は実現しませんでした。