今日ご紹介するのは、福島県会津の喜多方市にある老舗造り酒屋・大和川酒造さんの新商品。
特別純米 蒼穹(そうきゅう)
「蒼穹」とは青空や大空を意味し、晴れ渡る青空を復興のイメージとし、かつて高村光太郎が智恵子抄に記した「ほんとの空」の様に、震災以前の青空を取り戻す願いを込めてネーミングしました。
ちにみに(その1)、当方、学生時代(昭和の終わり頃)、喜多方の大和川酒造さんにお邪魔しました。仲間4人と、その頃有名になりつつあった喜多方ラーメンを食べに行った、ついでというと何ですが……。そこで、「ああ、あの大和川さんか」という感じでした。
ちなみに(その2)、大和川さんの製品というわけではなく、ご協力のもとで造られたもののようですが、当会の祖・草野心平を名誉村民に認定して下さった、同じ福島県の双葉郡川内村では、「歸宴(かえるのうたげ)」という純米吟醸が販売されています。「蛙の詩人」心平にあやかったネーミングですね。それ以外にも、川内村で「かえる」というと、原発事故からの「帰村」で「かえる」、新しい村に「変える」の「かえる」と、いろいろな意味があるそうですが。

台風被害乗り越え...新酒「歸宴」完成 川内の純米吟醸酒

今年も新酒が完成し、お披露目会が行われたと、今月初めの遠藤村長のフェスブックに投稿がありました。こちらはオンライン通販は行っていないということですが、その要望は強いようです。
さて、「蒼穹」、「歸宴」、日本酒好きの皆さん、よろしくお願い申し上げます。
【折々のことば・光太郎】
郵便物の中に電報あり。水野葉舟死去と見ゆ。(ヨウシウス」シキ五ヒヒミズ ノ)とあり電文誤字あれど死去確かなり。驚く外なし。
明治33年(1900)、『明星』の新詩社で出会い、以後、親友であり続けた水野葉舟は、光太郎と同じ明治16年(1883)の生まれでした。亡くなったのは2月2日、肋膜炎が元でした。