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一昨日行われた、東京オリンピック聖火リレーの青森県(2日目)についての報道をご紹介します。

まず『朝日新聞』さん青森版。

聖火ようやく公道にお出まし 東北の沿岸駆ける 青森

 県内で行われている東京五輪の聖火リレーは、2日目の11日、69人のランナーの手で県南を巡った聖火が八戸市の館鼻漁港に届けられ、終了した。
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、1日目の全行程と2日目のむつ市、三沢市で公道での開催が中止となったため、県内で聖火ランナーが公道を走ったのは、十和田市、おいらせ町、階上町、十和田湖、八戸市のルートのみとなった。
 2日目の出発地点となった十和田市の市民交流プラザ「トワーレ」周辺には、真夏日となる暑さにもかかわらず、応援や見物に訪れた人々が多く集まり、関係者がコロナ対策のために「声を出さずに応援して」と呼びかけていた。
 午前10時13分、第1走者の金子春雄さん(70)が、トーチを手に走り始めると拍手がわき起こり、沿道の観客は手やタオルを振って応援した。中央公園の周囲2・7キロを回った聖火が十和田市現代美術館のアート広場に到着すると、市内の小学生ら約30人に拍手で迎えられた。
 聖火はその後、おいらせ町の百石高校~木内々小学校の2・5キロ、階上町の小舟渡漁港~「はしかみハマの駅あるでぃ~ば」の3・5キロ、十和田湖畔の乙女の像~観光交流センターの0・9キロを巡った。
 最終区間の八戸市では、ロンドン五輪の女子レスリング金メダリスト、小原日登美さん(40)が第1走者を務め、蕪嶋神社を出発した。最終走者は小原さんと同郷で、ロンドン五輪で同じ日に金メダルを獲得した伊調馨選手(36)。五輪4連覇を果たした伊調さんを一目見ようと、多くの人が沿道に訪れた。
 伊調さんは、沿道の市民に手を振りながらゆっくりと走った。子どもたちと家族4人で来た八戸市内に住む主婦長南愛さん(41)は「(活躍を)テレビで見て感動していたので興奮しました。コロナがなければ、もっと応援できた。でも聖火リレーを見て応援したくなりました」と話した。
 ゴール地点の館鼻漁港には、抽選で選ばれた人たちや関係者ら約700人が伊調さんを出迎え、2人が指導を受けたレスリング教室の子どもたちも伴走した。聖火皿に聖火を移した伊調さんは「感無量で、言葉にできない気持ち。楽しく走ることができました」と笑顔であいさつした。
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続いて『読売新聞』さん。

「スポーツ流鏑馬」の第一人者、ギリシャからつないだ聖火「めっちゃ気持ちよかった」

002 東京五輪の聖火リレーは、青森県内2日目の11日、十和田市から八戸市までの4市町を巡った。
 十和田湖の最終走者を務めた十和田乗馬倶楽部代表・上村鮎子さん(50)は走り終えると「晴れ渡ったロケーションで、たくさんの応援を受けて走れて、めっちゃ気持ちよかった」とすがすがしい表情を見せた。
 第2子の出産後の2000年から本格的に乗馬に取り組み、今は流鏑馬(やぶさめ)を競技化した「スポーツ流鏑馬」の第一人者として知られる。古代オリンピックもスポーツ流鏑馬も神事から発展しており、スポーツを通じて地域を明るく元気にしたいという自身の活動に通じるものを感じる。
 「ギリシャからつないできた聖火を次につないだ。その感動と経験を活動の糧にしたい」。東京五輪後は、2025年の大阪万博をスポーツ流鏑馬で盛り上げたいと考えている。これからも「人馬一体」で走り続けたい。

最後は、地方紙『東奥日報』さん。

歓喜のラン 一目でも/公道リレー 笑顔の出迎え

 東京五輪の聖火が青森県内に到着して2日目の11日、県南各地の公道を駆け巡ったランナーは熱い日差しを浴び、元気にトーチを掲げた。沿道の住民たちは集まり、大きな声援を送る一幕も。夏季五輪57年ぶりとなる一大イベントに気持ちを高ぶらせた。
 聖火リレーの最終区間となった八戸市の館鼻漁港周辺。一目見ようと沿道に多くの観客が訪れ、ランナーたちに熱い視線を送った。コース上では走者を先導するスポンサー企業の関連車が「最高の笑顔でランナーを迎えましょう」と呼び掛け。オリジナルの扇子やタオルなどを多くの観客に手渡した。
 最後の催しが行われるセレブレーション会場入り口は、五輪4大会連続金メダリストの伊調馨さん(36)の到着を見ようとする観客で混雑。午後7時40分ごろ、郷土が生んだヒロインが到着すると、沿道の盛り上がりは最高潮に達した。伊調さんと伴走した孫の応援に訪れたという同市の松田美雄さんは「この日をずっと楽しみにしていた」と感無量の様子。親子で沿道を訪れた同市白銀小6年の出貝朱(あや)さんは「二度とない貴重な場面だったし、ランナーが手を振ってくれてうれしかった」と笑顔だった。
 この日の出発点となった十和田市中心部。沿道に多くの市民が集まり、拍手や身ぶり手ぶりを交えてランナーを控えめに応援した。市民は間隔を空けて歩道に立ち、声を出さずに手を振ったり、スマートフォンのカメラでランナーを撮影したりしていた。
 前回の東京五輪が開かれた1964年に東京に就職、ブルーインパルスが青空に描いた五輪マークを見たという十和田市の米田正美さん(76)は、市街地コースの最終ランナーを迎えるイベントを観覧。「一生の思い出になる。このまま五輪をやってもらいたい」と喜んだ。
 十和田湖区間のコースでも、地元住民やランナーの家族らが応援に駆け付けた。聖火が近づいてくると大きく手を振って背中を後押しした。
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賛否両論はありましょうが、とりあえず……。

【折々のことば・光太郎】

朝弱つてゐた手桶が凍結でこはれ漏水甚しく使用できず 盥を手桶の代りに使ふ事にする

昭和22年(1947)12月14日の日記より 光太郎65歳

水は凍ると体積が膨張する、というわけですね。

昨日、東京オリンピックの聖火リレーの青森県(2日目)が開催されました。午後6時20分頃には、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」前に到着。

NHKさんの、夕方のローカルニュースから。

青森県の聖火リレー2日間の行程をすべて終える

 青森県で行われている東京オリンピックの聖火リレーは2日目の11日,十和田市やおいらせ町などの公道でリレーが行われていて、まもなく県内最後の聖火リレーが八戸市で始まります。
 青森県の聖火リレー2日目の11日は、最初のランナーが午前10時すぎに十和田市をスタートしたあと、おいらせ町と階上町をめぐりました。
 おいらせ町では前回の東京オリンピックで聖火リレーの走者の伴走を務めた一戸実さんなどが笑顔で沿道に手を振りながら走っていました。
 聖火はこのあと再び十和田市内の十和田湖周辺をめぐり、まもなく午後7時ごろから八戸市で県内最後の聖火リレーが始まります。
 八戸市では、オリンピックのレスリングで金メダルを獲得した伊調馨選手や小原日登美さんも走ります。
 最後のランナーは午後7時半ごろに館鼻漁港にゴールして、県内での行程をすべて終え、聖火は次の北海道に引き継がれます。
 県の実行委員会は、聖火リレーを観覧する場合は大声を出さずに拍手で応援したり、マスクを着用したうえで密にならないよう間隔を保ったりして、新型コロナウイルスの感染対策を徹底するよう呼びかけています。
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現地の関係者の方が撮影された画像。
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聖火到着を待つ間。沢田鶏舞倶楽部・保存会の皆さんによる「祈りの舞」。
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聖火到着。ここでの最終ランナー・十和田乗馬倶楽部の上村鮎子さんは、十和田市で受け継がれている桜流鏑馬を大きく育てた方で、十和田市のアクティビティの「顔」だそうです。
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サポートランナーである地元十和田湖中学校さんの生徒さんたちと。

司会の方のアナウンス。

乙女の像は十和田湖国立公園15周年記念として彫刻家で詩人の高村光太郎が、生涯最後に作り上げた大作です。この十和田湖の大自然に溶け込みながらも世界に向かって人間の美しさや愛、救済、命などを発信しており、平和と希望の象徴とされるオリンピック聖火と図らずも重なっています。オリンピック聖火リレーを通じて青森県が世界に誇る十和田湖の魅力を再発見、再認識していただきたいと考えております

いいですね。昨年、当方が校閲した文面です(笑)。

しかし、コロナ禍なかりせば、何の懸念もなくもっと大盛り上がりで実施できたのに、と思うと残念ですし、関係者の皆様もいろいろな配慮をせざるを得なくて大変だったでしょう。とりあえず、無事に終えることができ、喜ばしく存じます。

他の報道等でも「乙女の像」附近が報じられていましたら、明日、ご紹介します。

【折々のことば・光太郎】

雪まだふつてゐる。二尺余つもる。屋根から雪がはみ出して来る。時々薄日がさしては又ふりしきる。風無し。しづかにふる雪、息をつめてふるやうに見える。
昭和22年(1947)12月13日の日記より 光太郎65歳

夜には三尺に達したそうです。

開催の可否自体、未だ賛否両論というところで、なかなか大々的にはご紹介しにくいのですが、東京オリンピックの聖火リレーについて。

今月10日(木)、11日(金)の2日間、青森県で聖火リレーが実施されます。国内でコロナの「コ」の字もなかった一昨年12月に発表された、当初の計画案とはだいぶ変更になり、規模をかなり縮小しての実施のようです。

6月11日(金)には、光太郎生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の建つ十和田湖での開催。

『広報とわだ』今月号から。
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004午前中には十和田市役所付近の通称「官庁街通り」を進む「市街地コース」で実施され、おいらせ町、階上町を廻って、夕方から「十和田湖コース」。その後、八戸市にバトンタッチだそうです。

「十和田湖コース」、出発が十和田湖観光交流センターぷらっと。遊覧船の桟橋近くに平成26年(2014)にオープンした施設で、特産のヒメマスや、光太郎、大町桂月などについての展示が為されています(入場無料)。また、平成30年(2018)には、新たに「乙女の像」制作の際に光太郎が使用した彫刻用の巨大な回転台、青森ご出身の彫刻家・田村進氏(生前の光太郎をご存じです)制作の光太郎胸像が寄贈されました。手前味噌で恐縮ですが、内部の光太郎に関する説明パネルは当方の執筆です。そしてゴールが「乙女の像」。約0.9㌔㍍の道程です。

当初予定では、十和田湖でもミニセレブレーション(リレー走者を迎えるセレモニー)が計画されており、三村申吾青森県知事のごあいさつで、光太郎や「乙女の像」に触れられる予定でした(「これで間違ってないか」ということで、こちらにその原稿が回ってきまして、チェックさせていただきました)。また、詳細は未定でしたが、当方にも光太郎や「乙女の像」についてちらっと話をしてくれ、という依頼も。しかし、ミニセレブレーションは「市街地コース」のみ、それも関係者だけでの実施となったそうです。

同じ青森県内でも、むつ市や三沢市など10市町村では、リレーの実施が中止となったそうです。

NHKさんの5分間番組で、リレーの模様が報じられます。

聖火リレーデイリーハイライト「青森県 2日目」

NHK総合 2021年6月11日(金) 23:30〜23:35

東京2020五輪の開会式まで47都道府県を121日かけてつなぐ聖火リレー。その志あふれる走りや美しいコースの風景などその日のハイライトを5分にまとめて毎日紹介。

青森県2日目のコースはむつ市 十和田市 三沢市 おいらせ町 階上町 十和田市 八戸市。見どころは地域の人々の憩いの場であるむつ市の田名部川周辺、雄大で神秘的な自然が守られている十和田市の十和田湖など。音楽:カイト(嵐 作詞・作曲 米津玄師)。

【語り】林田理沙
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最初に書きましたように、開催の可否自体、未だ賛否両論というところで、なかなか大々的にはご紹介しにくいのですが、とりあえず……。

【折々のことば・光太郎】

葱、ハウレン草等皆雪に埋まる。 井戸のあたりの水は凍結。室内の水は朝凍り、昼間はとけきらずにゐる。


昭和22年(1947)12月5日の日記より 光太郎65歳

蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋での、三度目の冬。三度目とはいえ、その厳しさは変わりません。

先月から今月にかけ、各種報道で光太郎の名がいろいろ出たりしていたのですが、3.11関連を続けて取り上げたり、速報性が重要な情報を先にご紹介したりで、申し訳ないと思いつつも、後回しにしていた件が結構あります。数日間、その関係でいきます。

まずは青森の地方紙『デーリー東北』さん、先月初めの記事。

郷土教育に「あおもりアッテラ」 はちつぶ(八戸)が十和田の小学校に寄贈/青森

 青森県内40市町村の祭りや名産品などが描かれた絵合わせカードゲーム「あおもりアッテラ!」を考案した、八戸市の情報発信メディア「はちつぶ」(大山知希代表)は3日、郷土教育の教材として活用してもらおうと、十和田市教委を通じて市内16小学校に寄贈した。
 カードは全54枚。3種類の遊び方ができ、県の魅力を子どもから大人まで楽しく学べるゲームとなっている。同市を代表する絵柄には、十和田湖と「乙女の像」が描かれている。
 この日は、大山代表のほか、同ゲームのデザインなどに携わった、デーリー東北新聞社の社内分社「東北のデザイン社」の担当者らが市役所を訪問。市教委教育総務課の白山利明課長補佐に目録を手渡した。白山課長補佐は「いろんな面で使えるゲームなので大事に活用したい」と話した。
 大山代表は「(同ゲームの)遊びを通じて、青森県の名産品や地域に興味を持つきっかけになってほしい」と語った。
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絵合わせカードゲーム「あおもりアッテラ!」。調べてみましたところ、昨年には既に販売が開始されていました。

あおもり絵合わせカードゲーム「あおもりアッテラ!」

あおもりを遊んで学ぼう!
 ★ 遊びながら青森を学べる絵合わせカードゲームが誕生
 ★ 青森県内40市町村の祭りや文化、名産品をイラスト化
 ★ 作画はニシワキタダシさん 幅広い年代が一緒に楽しめる
 ★ お土産に 知育玩具に 郷土教材にも
 ● ルールは3通りでいずれも簡単。
 ● トランプとしても遊べる。
 ● 絵合わせゲームのため、年齢、性別、国籍に関係なく楽しめる。
 ● 家庭での知育玩具として、また 幼保園・小学校での郷土教育の教材として。

カードは全54枚。青森県内40市町村の祭りや文化、有名人、名産品などをピックアップし、イラストレーターのニシワキタダシさんに作画を依頼。ニシワキタダシさんの作風と青森の朴とつとしたイメージが相まって、とてもステキなカードができました。

3歳以上からお年寄りまで楽しめる簡単なルール。遊び方は、絵を合わせるだけなのでとても簡単。 基本的なルールは3通りで、年齢、性別、国籍に関係なく、誰でもすぐに覚えられ、一緒に楽しめます。トランプとしても使えます。

カードゲームは対面コミュニケーションがベースとなるため、子どもの対話力や社会性、思考力、想像力を育む効果があると言われています。青森の魅力を知るお土産としてだけではなく、コロナ禍でステイホームが日常になる中、家庭での知育玩具として、また幼保園や小学校での郷土教育の教材として、「アッテラ!」をぜひご活用ください。

イラストレーター■ ニシワキタダシ氏
イラストレーター。1976年生まれ。なんともいえないイラストやモチーフで、書籍や広告、グッズなど幅広く活動中。著書に『かんさい絵ことば辞典』(パイ インターナショナル)、『えでみる あいうえおさくぶん』(あかね書房)、『ぼくのともだちカニやまさん』(PHP研究所)、『かきくけおかきちゃん』(大福書林)、『くらべる・たのしい にたことば絵辞典』(PHP研究所)などがある。

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なるほど、青森県の名物いろいろの絵を担当させていただきました。関西在住なので「なるほど」「へぇ~」と青森を感じながら描いていました。子どもたちがゲームを通じて、自分の育つ場所のことを自然と覚えられるのはとても素敵だなと思います。それを担う絵で関わらせてもらえてうれしいことですし、子どもに限らず大人や他府県の人たちにも青森の色が広がるゲームになればうれしいなと思います。
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なるほど、という感じでした。これなら小さいお子様でも楽しめそうですね。さらに、自然と青森の郷土遺産、特産品などに詳しくなれそうです。

上記『デーリー東北』さんの記事にありましたが、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」をあしらったカードも入っています。ありがたし。
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他に「リンゴ」、「弘前城」、「太宰治」、「遮光器土偶」、「津軽三味線」などなど。しかし、「何じゃ、そりゃ?」というものも(笑)。「なぜに青森で自由の女神?」、「よもぎたトマト四姉妹って誰?」、「スチューベンって、何?」という感じです。不勉強で申し訳ありません(笑)。

ニシワキタダシ氏のほっこりしたイラストもいいですね。それにしても上記商品説明欄中の氏の紹介で、「なんともいえないイラスト」って、「なんとか形容しなさいよ!」と突っ込みたくなりましたが(笑)。

ぜひお買い求めを。

【折々のことば・光太郎】

ホロホロを採取。宮沢さんへおみやげの為。タランボは院長さん宅へのつもり。

昭和22年(1947)5月15日の日記より 光太郎65歳

「タランボ」は「タラの芽」、「ホロホロ」は正確には料理の名前なのですが、どうやら「ウコギ」のことのようです。

「宮沢さん」は賢治の父・政次郎や、実弟清六らの一家、「院長さん」は佐藤隆房です。光太郎が疎開してきてちょうど2周年記念ということもあり、この日から4泊5日で花巻町の佐藤邸に滞在しました。

過日ご紹介しました、青森空港に新たに設置の巨大ステンドグラス「青の森へ」が除幕されました。光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」もあしらわれています。

青森の地方紙『東奥日報』さんの記事。

幅11メートル 青森空港に大型ステンドグラス

 日本交通文化協会(東京)と青森空港ビルは、青森市の同ビル1階ロビーに三沢市出身のアートディレクター森本千絵さん(44)=東京都在住=が原画・監修を手掛けた大型ステンドグラス「青の森へ」を設置し24日、現地で完成披露除幕式を開いた。
 完成した作品は縦2.4メートル、横11.4メートル。ガラスは約3200ピースにも及び、85色を使い分け、中でもこだわりの青系統は25色を使った。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が発令されていた昨年春、森本さんは約3カ月をかけ、青森ねぶた祭のねぶたやハネト、リンゴ、こけし、十和田湖、奥入瀬の風景など青森県の風物詩を描いた原画を完成させた。
 この原画を基に、静岡県熱海市のクレアーレ熱海ゆがわら工房の職人6人が、昨年5月から半年以上をかけて作品を仕上げた。
 除幕式で三村申吾知事は「(コロナ収束後)いずれ全国、世界から訪れるたくさんの方を出迎えるシンボルとして親しまれれば」とあいさつ。
 森本さんは式典後の取材に「緊急事態宣言のさなか、ねぶたに行けない悲しさから、おはやしやねぶた祭りの動画や音楽をアトリエに響かせ、跳ねながら原画を描いていた。このような状況でなければ、これほど情熱的に絵に思いをぶつけることはなかった」と制作を振り返った。
 地域活性化や観光振興を目的に、地元に縁がある作家のアート作品を空港や駅などに設置する日本交通文化協会の事業の一環。日本宝くじ協会が助成した。森本さんは2019年の第4回東奥文化選奨受賞者。
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同じく『デーリー東北』さん。

青森空港に大型ステンドグラス 三沢出身の森本さん、光とガラスで青森表現

 三沢市出身のアートディレクター森本千絵さんが原画と監修を手掛けた大型ステンドグラス作品「青の森 へ」が24日、青森空港旅客ターミナルビル1階ロビーにお目見えした。作品には奥入瀬渓流の流れや、青森ねぶた祭で躍動するハネトなどが多彩な色彩のガラスで描かれている。森本さんは「季節ごとに変わる光の表情を楽しんで」とPRしている。
 全国の駅や空港、公共施設などでアートの普及を進める日本交通文化協会(本部・東京)が企画し、森本さんに依頼。日本宝くじ協会が助成し、青森空港ビルに作品が寄贈された。
 作品は縦2・4メートル、横11・4メートルの大きさ。森本さんの切り絵を基に、クレアーレ熱海ゆがわら工房(静岡県熱海市)の職人6人が約3200ピースのガラスを使い制作した。
 使われている色は全85色で、森本さんが特にこだわったのは青。微妙に色彩の異なる25色を巧みに使い分け、青森の自然や文化をきめ細やかに表現した。
 除幕式には森本さんをはじめ三村申吾知事、林哲夫青森空港ビル社長らが出席。三村知事は「青森への深い愛情と圧倒的なクオリティーに感激した」と褒めたたえた。
 制作に携わったこの10カ月間、新型コロナウイルスの影響で恒例だった里帰りがかなわなかったという森本さん。望郷の思いも込めた作品について「青森に初めて降り立った人も青森らしさを感じられると思う」と自信をのぞかせた。
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続いて、仙台に本社を置く『河北新報』さん。

青の彩りお出迎え 青森空港にステンドグラス設置

  青森空港(青森市)のターミナルビルに24日、青森県の祭りや自然をモチーフにした大型ステンドグラス「青の森へ」が設置された。青色だけでも25種類を使い分け、青森ねぶた祭や奥入瀬渓流など青森を代表する風物を繊細な色合いで表現。除幕されると、搭乗客らから歓声が上がった。
 横11・4メートル、縦2・4メートルの大きさで、85色が用いられた。原画作者のアートディレクター森本千絵さん(44)=三沢市出身=は「青森へ行きたくても行けない状況だからこそ、いとしさを込めることができた。春夏秋冬、それぞれの光で変化を楽しんでほしい」と語った。
 三村申吾知事は「青森の空の玄関口が鮮やかに彩られた。訪れる人にとって心地よい場所になるよう願う」と期待した。
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テレビのローカルニュースでも。

NHKさん。

青森空港に大型ステンドグラス

青森空港に、三沢市出身の芸術家が監修した大型のステンドグラスが設置され、24日、完成披露の除幕式が行われました。
このステンドグラスは、新型コロナウイルスの影響が続く中、文化や芸術の面から人々を元気づけようと活動している日本交通文化協会が、日本宝くじ協会の助成を受けて青森空港に寄贈したものです。
24日の完成式典には、三村知事や、ステンドグラスの原画を描いた三沢市出身のアートディレクター森本千絵さんたちが出席し、光をいっぱいに受けたステンドグラスが披露されました。
「青の森へ」と名付けられたこの作品は、縦2.4メートル、横11.4メートルで、静岡県の工房に依頼して制作されました。
ねぶた祭やこけし、奥入瀬渓流など、85種類の色を使ったおよそ3200のガラスピースを組み合わせて青森県の魅力を表現しています。
アートディレクターの森本千絵さんは、「青森県に住んでいる人もそうでない人にも楽しんでもらえると思います。光の入り具合で表情が違うので季節ごとに楽しんでほしいです」と話していました。
岐阜県から受験で青森県を訪れていた18歳の男性は、「とてもきれいです。ひと目見ただけで青森と分かるのでいいと思います」と話していました。
このステンドグラスは、青森空港の1階、国内線のチケットロビーに展示されています。
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RAB青森放送さん。

青森空港に新たなシンボル 名物や景勝地を描いたステンドグラス完成

青森空港に県内の名物や景勝地を描いたステンドグラスのアート作品が完成し24日お披露目されました。
青森空港の1階ロビーに完成したこの鮮やかな作品は三沢市出身の
アートディレクター、森本千絵(もりもと・ちえ)さんが原画と制作を監修した大型ステンドグラス『青の森へ』です。
作品は日本交通文化協会が森本さんに制作を依頼し、青森空港ビルに寄贈しました。縦2・4メートル、横11・4メートルの作品にはねぶたやこけし、りんごや十和田湖など、県内の工芸品や風景などをイメージしたガラスが散りばめられています。森本さんは去年5月から原画となる切り絵を描き、静岡県熱海市の職人たちが仕上げたもので、85種類の色と3200ピースのガラスが使われています。
★利用客は…
「すごく青森っぽくていいなと思いました」
「SNSにアップして使わせてもらおうと思っています」
★アートディレクター 森本千絵 さん
「たぶん春夏秋と表情が違うのでその光の表情を楽しんでもらいたいと同時に、歩いたりして楽しんで見ていただきたいと思います」 
ステンドグラスは青森の空の玄関口の新たなシンボルとして、訪れる人たちを出迎えます。
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あちらにお立ち寄りの際は、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

今日賢治同志会の当日なり。新聞に余の名も講演題目までつけて広告中にあり、後藤氏のなせる事ならん。不都合なり。余はゆかず。

昭和21年(1946)10月20日の日記より 光太郎64歳

本人の承諾を得ぬまま、勝手に講師として名を出されたそうで……。花巻郊外旧太田村の七年間で、何度かこういうことがあったそうです。

まず、青森十和田とその周辺の情報を扱うネット上のニュースサイト「BUNKKA新聞」さんから。

十和田市郷土館企画展 新収蔵資料展開催 新たに収蔵品となった資料を公開

 十和田市郷土館で1月9日から3月21日迄の期間、企画展「新収蔵資料展」を開催することとなった。
 十和田市郷土館は重要な歴史的文化遺産の収集、保存及び展示を行い、郷土の歴史にちて理解を深めるために昭和43年に設置が決まった。
 市民から全面的な協力を得て資料を収集している郷土館として収蔵品は1万点を超え、平成24年に現在の場所(道の駅奥入瀬ろまんパークを過ぎて西コミュニティセンター(旧十和田湖支所)を左折)に移転した。
 主に考古・歴史・民俗の3分野の展示を行っている。
 《考古》明戸遺跡、寺上遺跡等から発見された縄文時代の土器、石器、土偶、ヒスイ等を中心に展示。土器を実際に触れるコーナーもあり、復元された土器から時代の流れや、当時の流行りなども想像できる。
 《歴史》中世から近現代までの時代の変化を知ることが出来る。苫米地家から寄贈された兜・陣笠・古文書や滝沢家から寄贈された古文書等を展示。軍馬補充部資料も豊富で馬具や当時の日記等もある。
《民俗》昔の生活用品や麻布や絹織り用の器具や製品、漁業や林業等で使われていた道具も展示。昔の農家を再現したコーナーもあり、バッコウやマンガ等の農具を展示している。
 また、十和田湖を愛した文豪、佐藤春夫氏「十和田湖上口吟」が飾られている。佐藤氏は詩人、作家として著名で、三本木高校の校歌を作詞したことが縁となり、十和田湖・奥入瀬渓流の景観に感動したとされる。その後、十和田国立公園指定15周年記念事業にも参加。旧知の仲であった高村光太郎を功労者顕彰記念碑(乙女の像)の制作者となるよう尽力。
 資料展は収蔵品数が豊富で歴史を振り返りながら楽しめる。入場は無料。午前9時から午後5時までの開館で、月曜休館となっている。お問い合わせは...0176‐72‐2340迄
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調べたところ、詳細は以下の通りでした。

十和田市郷土館企画展「新収蔵資料展」

期 日 : 2021年1月9日(土)~3月21日(日)
会 場 : 十和田市郷土館 十和田市大字奥瀬字中平61-8
時 間 : 午前9時~午後5時
休 館 : 月曜日
料 金 : 無料

市民の皆様から寄贈いただいた資料など、新たに郷土館の収蔵品になった資料を一同に集め公開します。ぜひご来館ください。
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佐藤春夫の「十和田湖上口吟」は、昭和27年(1952)6月、生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作の下見のため十和田湖を訪れた光太郎に随伴した際に作られた詩です。

佐藤の『小説高村光太郎像』(昭和32年=1957)から。

 湖畔と湖上とを二日がかりに隈なく周遊して、十和田は晩春首夏、新緑と残紅との最も絢爛な季節であつた。
(略)
 高村氏は湖上でもしきりに感歎の声を上げて、この清澄な水底に水に浸み入る太陽を反射してきらりと光る金色の女体を横臥させて沈めてみたらといふやうな奇想もあつたらしいが「子の口」の地を見つけてここに台座七尺といふ大作をしやうと乗気になり県庁では附近に地を相してアトリエを建ててもよいと言つてゐたが、制作にはやはり田舎は不便だからと、あれほどの執着を見せてその後は例の月光堂やら、離れの書斎などもできてゐた太田村山口の山居をも捨てて、東京に出ようと、思ひがけない決意の程をも見せて一切は急速に確実に決定した。
(略)
 わたくしも、最初の遊覧では僅に奥入瀬だけを歌ひ得て、ただ風景に圧倒されて歌ふすべも知らなくかつ親しみにくかつた十和田湖を、わたくしも今度は、はじめて歌へるやうな親しみを湖上の船で感じ、わたくしは早速に、はじめの二三行を捉へたものであつた。
 その夜わたくしは枕頭で湖上吟を推敲してどうやらまとめることのできたのを手帳に浄写して置いた。
 翌日みんな集つての食事の席で、食後こつそりとこれを隣席の大先輩に示して久しぶりに高教を仰いだ。ほんの即興詩だといふのを、即興詩と呼び捨てるには惜しい構成のしつかりしたものと気に入つてもらへた。おそらく前日来の上機嫌でこの好評を嬴(かちえ)たものと思ふ。
(略)
 さうして感心してゐるわたくしの方へ、おもむろに笑顔を向けながら、佐藤君には今度湖上での名吟ができてゐるのだ。と記者に言つてから、再びわたくしを顧み、どうですあれを見せてやりませんか。言はれてわたくしは自分の部屋に近いのを幸と、座を飛び出してノートを持ち出して来た。高村氏は例の大きな手をひろげてそれを受け取り、003
   ここにして
   わがこころ
   放たれて
   禽(とり)となり
   水潜(みづかつ)ぎ
   魚となり
   湾(わた)に住む
   岸べには
   うちけむる
   ななかまど002
   橅(ぶな) 桂(かつら)
   さみどりの
   したたりて
   瑠璃に溶け
   咲き残る
   躑躅花(つつじばな)
   照り映えて
   十和田湖に
   逝く春は
   絢爛(きららか)に
   ささらなみ
   風光り

 しづかに調子づいて読み終つてから、一行に棒書きにだらだらと書き流してしまつてはいけないのだよ、とノートを記者たちの前へ突き出して見せ、そら、ね、かういふ短い句を、かういふふうにずらつと頭をそろへて並べたところに湖上の水面を見せてゐるのだから。とわたくしのため、記者にねんごろな説明をしてやるのであつた。


引用が長くなりましたが、こういう背景で作られた詩です。色を変えた部分を、のちに色紙に揮毫したものと思われます。

ちなみに「ささらなみ」の部分、原文では「漣」と「⺡(さんずい)」に「奇」で「ささらなみ」とルビが振ってあるのですが、「⺡(さんずい)」に「奇」の字がどうしてもみつかりません。色紙の方では「さゝ羅なミ」となっています。

さて、お近くの方、コロナ感染には十分お気を付けつつ、ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

夜ホタルとぶ  昭和21年7月19日の日記より 光太郎64歳

蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋、現在でも蛍が生息しています。当方も平成29年(2017)の7月に、その幻想的な光を見ました。

千葉の自宅兼事務所の近くでも、20年くらい前までは蛍が普通に見られたのですが、農業用水の岸をコンクリートで固めてしまって以来、見られなくなりました。残念です。

光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のライトアップも為された青森県十和田湖畔での「カミのすむ山 十和田湖 光の冬物語 2020-2021 in国立公園十和田湖 十和田神社 by FeStA LuCe」。昨年11月に始まり、先月いっぱいで閉幕しました。
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上の画像は十和田奥入瀬観光機構さんのサイトから。

閉幕直前の地方紙二紙の記事をご紹介します。まず『デーリー東北』さん

十和田湖光の冬物語、来場者1万人突破/青森

 十和田湖畔休屋で昨年11月から開催している光の祭典「カミのすむ山 十和田湖 光の冬物語 in 国立公園十和田湖 十和田神社 by フェスタ・ルーチェ」(十和田湖冬物語実行委員会主催)の来場者が25日、1万人を突破した。節目の来場となったのは、十和田市東十二番町の介護士安藤麻紀さん(30)。同神社入り口の鳥居前で記念セレモニーを行い、実行委の中村秀行委員長が安藤さんに記念品を贈呈した。
 毎年恒例の雪祭り・十和田湖物語は今冬、「光の冬物語」としてリニューアル。同神社周辺約1キロのコースを、十和田湖伝説をモチーフにしたイルミネーションなどで演出し、幻想的な空間を創り出している。
 写真共有アプリ「インスタグラム」やテレビCMからイベントを知り、八戸市在住の友人と一緒に足を運んだという安藤さん。中村委員長から記念品として、限定グッズや十和田市の地酒、秋田県小坂町のワインを受け取り、思い掛けない幸運に驚きながら、「最高の贈り物、時間になった」と喜んでいた。
 「光の冬物語」は31日まで。開催時間は午後5~8時。入場は当日1600円、小学生以下無料。問い合わせは専用ウェブサイトか、同実行委=電話0176(75)1531=へ。
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続いて『東奥日報』さん

「光の冬物語」来場者1万人/十和田

 青森県十和田市休屋地区の十和田神社をメイン会場に昨年11月に開幕した「光の冬物語」の来場者数が25日、1万人を突破し、対象者に記念品が贈られた。
 1万人目は、同市の介護士安藤麻紀さん(30)と、友人で八戸市の看護師沼澤由佳さん(30)。イベント実行委員会の中村秀行委員長らが記念品のオリジナルマグカップや地酒、秋田県小坂町のワインを贈呈した。安藤さんは「テレビCMを見てとてもきれいだったので来てみた。1万人目は予想もしていないこと。友人と最高の時間にしたい」と話した。
 光の冬物語開催は午後5時〜8時、1月末まで。200発の花火が会場を彩る関連イベント「冬花火in十和田湖」を入場者数の制限を設けて28〜30日午後6時すぎに行う(30日は満員)。問い合わせは実行委(電話0176-75-1531)へ。
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以前は「十和田湖冬物語」として開催されていたイベントが、イルミネーションなどを中心に形を変えて実施されたもので、どうなることかと心配していたのですが、それなりの賑わいだったようで、胸をなで下ろしました。

初めての試みで、来て下さる人がいないと仕方がありませんし、さりとてクラスターを起こしては大変だし、関係者の皆さんのご苦労はさぞ大変だったと思われます。調べてみましたところ、やはりコロナ禍対策ということで、会期中に開催時間の変更などもあったようでした。

記事にあるとおり、地元ではテレビCMも放映されていたのですね。


下の動画、「乙女の像」は1分54秒頃から。

来冬以降、どういう形になるのか未知数ですが、もしまた実施され、さらにコロナ禍が終息するようであれば、ぜひ行ってみたいものです。

関係者の皆さん、お疲れさまでした。

【折々のことば・光太郎】

早池峯に霞かかり山脈の遠近大和絵の如し。平和な村の風景。 暑からず、寒からず、空気かをる如し。
昭和21年(1946)5月4日の日記より 光太郎64歳

終戦後初めて迎えた春。空には爆撃機も戦闘機も飛んでいないわけで、「平和」の語が実感されたことでしょう。

まず地方紙『東奥日報』さんの記事から

巨大ステンドグラス 制作大詰め/2月下旬、青森空港に設置 原画・森本さん(三沢出身)出来栄え絶賛

  青森県三沢市出身のアートディレクター森本千絵さん(44)=東京都=が原画・監修を担当した大型ステンドグラス「青の森へ」が来月、青森空港に設置される。制作が大詰めを迎えた19日、森本さんは静岡県熱海市のクレアーレ熱海ゆがわら工房を訪れ、出来栄えを確認した。取材に対し「すごくきれい。想像を超えるクオリティー」と絶賛した。
 ステンドグラスは縦2.4メートル、横11.4メートル。森本さんは、切り絵の原画に、青森ねぶた祭のねぶたやハネト、太陽のように赤いリンゴ、十和田湖や奥入瀬、白神山地といった青森県の風景を描いた。
 原画を基に工房の職人6人が昨年5月、制作に着手。使用したガラスは約3200ピースにも及び、色は85種類を使い分け、中でもこだわった青系統は25種類を使用した。
 森本さんはこの日、十和田湖畔にある高村光太郎制作の「乙女の像」を描いた部分を自然光で確認し、形を整えるなどした。「毎年、青森に行っているが、昨年はねぶた祭りに行けず悔しい思いをした。作品は青森の方へのラブレターのつもり。この絵を通し新たなつながりが生まれたらうれしい」と話した。
 ステンドグラスは青森空港の公共スペースに2月下旬に設置される予定。今回の設置は、パブリックアート普及や、地元に縁のある作家の作品による地域活性化を目指し、全国の公共施設にアート作品を設置する日本交通文化協会(東京)の事業の一環。森本さんは第4回東奥文化選奨受賞者。
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010当方、森本さんが表紙を描かれた書籍を一冊持っております。平成27年(2015)刊行の『少女は本を読んで大人になる』(クラブヒルサイド・スティルウォーター編・現代企画室刊)。東京・代官山クラブヒルサイドさんにて、平成25年(2013)から翌年にかけ、全10回で行われた読書会「少女は本を読んで大人になる」の筆記を元にしたものです。

光太郎と交流のあった彫刻家舟越保武のご息女・末盛千枝子さんによる「高村光太郎著 『智恵子抄』を読む」が掲載されており、そのお話そのものも拝聴に伺いました。

森本さんも同じ講座の別の回で「赤毛のアン」を担当され、その筆録も収録されています。

調べてみましたところ、昨年11月にも『東奥日報』さんに今回のステンドグラス「青の森へ」制作の予告的な記事が出ていましたが、その折には「乙女の像」の語が含まれていなかったため、当方の検索網には引っかかりませんでした。

「青の森へ」、パブリックアート制作集団「クレアーレ熱海ゆがわら工房」さんのお仕事だそうです。公益法人日本交通文化協会さんのサイトで、「青の森へ」についての詳細な情報を発見しました

青森空港に大型パブリックアート作品設置 青森出身のアートディレクター森本千絵氏 原画・監修 ステンドグラス「青の森へ」 2021年2月完成予定

 当協会と青森空港ビル株式会社(青森県青森市、代表取締役社長:林哲夫)は、一般財団法人日本宝くじ協会の「社会貢献広報事業」の助成を受け、青森空港旅客ターミナルビル1階チケットロビーに大型ステンドグラス「青の森へ」を設置することが決定しました。2021年2月に完成を予定しています。
 青森空港は、毎年夏に開催される青森ねぶた祭や、青森県立美術館や十和田市現代美術館などへのアート鑑賞、世界遺産の白神山地をはじめとした自然などを目的に国内外から訪れる多くの観光客や、青森県民にとって重要な玄関口となっています。昨年旅客ターミナルビルの大規模リニューアル工事が完了し新しく生まれ変わった青森空港に本パブリックアート作品を設置し、訪れる人々を幻想的な青の光でお迎えします。
 この作品の原画・監修を務めるのは、青森県三沢市出身で、アートディレクターとして企業の広告制作やミュージシャンのアートワークを手掛けるなど多方面で活躍している森本千絵氏。青森県が誇る青森ねぶた祭のねぶたや跳人(ハネト)と呼ばれる踊り手、太陽のような赤いりんご、十和田湖や奥入瀬や白神山地など、人々を魅了してやまない青森の風物風景が表現されています。そして、森本氏が青森空港のために特別に制作した切り絵をもとに、「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(静岡県熱海市)で6人のステンドグラス職人が製作します。
 本作品を空港利用者の大半が利用する場所に設置することで、多くの利用者に青森の風情を鮮烈に印象づけ、より一層の賑わいや心地よさをご提供できると考えています。設置後には、青森空港にて完成披露除幕式を行う予定です。

※このパブリックアートは、一般財団法人日本宝くじ協会の「社会貢献広報事業」の助成を受けて整備されています。

○当事業の目的
①アートディレクター・森本 千絵氏の切り絵をもとにしたステンドグラス作品により、パブリックアートの普及を促進
②パブリックアートを通じて気軽に芸術に慣れ親しむことで、人々の心を和ませ、元気づける空間を創出
③青森県に縁のある作家の作品によって地域の活性化、観光開発に貢献

○題名 「青の森へ」
○原画・監修 森本 千絵氏
○設置場所 青森空港旅客ターミナルビル1階チケットロビー
○規模と仕様 縦2.4m×横11.4m
○ステンドグラス製作
クレアーレ熱海ゆがわら工房(静岡県熱海市泉230-1)
建築家・隈研吾氏の設計によるクレアーレ熱海ゆがわら工房はステンドグラススタジオ、釉薬研究施設、焼成サンプル室、ショールームなども完備され、数多くのアーティストとのコラボレーションが展開される第一級のパブリックアートの創造拠点です。
○作家プロフィール 森本 千絵(もりもと・ちえ)
アートディレクター・コミュニケーションディレクター・武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科客員教授
1976年青森県三沢市で生まれ、東京で育つ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を経て博報堂入社。2007年、もっとイノチに近いデザインもしていきたいと考え「出会いを発見する。夢をカタチにし、人をつなげる」をモットーに株式会社goen°(ゴエン)を設立。現在、広告の企画、演出、商品開発、ミュージシャンのアートワーク、本の装丁、映画・舞台の美術や、動物園や保育園の空間ディレクションを手がけるなど活動は多岐にわたる。ニューヨークADC賞、東京ADC賞グランプリ、伊丹十三賞、日本建築学会賞など多数受賞。

「青の森へ」の原画も掲載されていました。
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上記『東奥日報』さん記事ではよく判らなかったのですが、かなり横長の作品なのですね。そしてほぼ中央に「乙女の像」。ありがたいことです。

当方、青森へも時々足を運びますが、いつも新幹線です。今度はこれを観るために空路を使ってみようかな、などと思いました。ただ、あまり飛行機に搭乗するのは好きではありませんで……(笑)。「あんな重たいものが空を飛ぶはずがない」などと非科学的なことは言いませんが、着陸態勢に入った際のツンツンツンと少しずつ高度を下げていくあの感覚が気持ち悪いのです。20年以上前になりますが、北海道に飛んだ際、濃霧のため新千歳空港になかなか着陸出来ず、1時間程も上空を旋回したことがあり、その際は酔いそうでした(笑)。

さて、続報に注意していたいと思います。

【折々のことば・光太郎】

〈(前の水田で蛙がしきりに啼く。美しき声なり。)〉〈夕方蝙蝠一匹軒をとぶ〉

昭和21年(1946)4月9日の日記より 光太郎64歳

田舎あるあるですね(笑)。当方も、以前、古い友人から夏の夜に電話がかかってきた際、受話器を通しても友人の耳には蛙の声が凄かったそうで「お前、どんな所に住んでるんだ?」と言われました。こちらは蛙の合唱など、慣れてしまってまったく気にならなかったのですが(笑)。

ついでに言うなら、コウモリも時折見かけます(笑)。

過日、ご紹介しました青森十和田湖畔でのイベント、「カミのすむ山 十和田湖 光の冬物語 2020-2021 in国立公園十和田湖 十和田神社 by FeStA LuCe」が開幕しました。

地元の報道から。まず地方紙『東奥日報』さん

多彩な光 十和田湖畔に魅力/「冬物語」開幕

「カミのすむ山 十和田湖」-。地元に残る伝説を基に夜の十和田湖畔を電飾で彩る「光の冬物語」が18日、青森県十和田市休屋地区の十和田神社をメイン会場に開幕した。参道や湖畔をイルミネーションなどで演出し、家族連れらが幻想的な空間に酔いしれた。
 十和田神社の鳥居をスタート地点に本殿、乙女の像、湖畔を巡る約1キロのコースを設定。イルミネーション、3D、レーザー、ライトアップ、プロジェクションマッピングなどを駆使し、「生の光」「風の光」「願の光」など六つのエリアを設けた。
 来場者は、光の点が雪のように舞う演出に歓声を上げながら、普段と違う雰囲気を楽しんだ。十和田湖小学校1年の森田陽菜(ひな)さん(6)と同2年の姉・真由さん(8)は「シカとかウサギとか動物がたくさん。ダイヤのような道もあってきれいだった」と話した。
 光の冬物語は、巨大雪像や連夜の花火などを展開してきた「十和田湖冬物語」のリニューアルイベント。実行委員会(中村秀行委員長)が、和歌山市などで同様のイベントを企画する団体に協力を依頼した。
 来年1月31日まで毎晩午後5-9時。中学生以上は入場料(当日1600円、前売り1200円)が必要。問い合わせは実行委(電話0176-75-1531)へ。
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続いて、ATV青森テレビさん

十和田湖の新イベント「光の冬物語」開幕

青森県十和田市で、冬の十和田湖をイルミネーションやプロジェクションマッピングで彩る新たなイベント「十和田湖光の冬物語」が11月18日に開幕しました。点灯式では、関係者や地元の人たちがイベントの開幕を祝いました。「十和田湖光の冬物語」は、毎年2月に雪像や花火などを行っていたイベントを、2020年からイルミネーションイベントに一新しました。会場の中心となる十和田神社の参道には、およそ230メートルにわたって動物をモチーフにした高さ2メートルほどの巨大なイルミネーションが10体並ぶほか、広大な空間を活用したプロジェクションマッピングも楽しむことができます。十和田湖光の冬物語は2021年1月31日まで、十和田神社を中心に十和田湖畔をおよそ1キロにわたって、色鮮やかなイルミネーションで彩ります。
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最後に、仙台に本社を置く地方紙『河北新報』さん

十和田湖畔彩る「光の冬物語」開幕 来年1月末まで

 十和田湖(青森県十和田市、秋田県小坂町)の冬祭り「カミのすむ山 十和田湖 光の冬物語」が18日開幕した。従来の内容を一新し、十和田神社の参道や散策路を多彩なイルミネーションで彩る。来年1月31日まで。
 湖畔に残る大蛇伝説を基に、六つのストーリーを幻想的な光と音楽で演出。参道や散策路に鹿などの像が置かれ、プロジェクションマッピングで投影された光が樹木に揺らめいた。
 地元の小学生らによる点灯式が現地であり、小山田久市長は「光をテーマに、歴史と伝統に彩られた冬のイベントが誕生した。多くの人が来ることを期待したい」と話した。
 開催は午後5~9時。小学生以下無料で、中学生以上1200円(当日1600円)。昨年までは花火大会や雪像作りなどを実施していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、取りやめた。
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光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」もコースに入っており、ライトアップが為されているそうです。十和田奥入瀬観光機構の方から送っていただいた画像。感謝です。
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コロナ禍には十分お気を付けつつ、ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

大体自然を性で区別すれば湖というのは女性になるが、十和田湖の場合は乙女ともいうべきもので本当に『聖』そのものだ。こんな意味を表現したモニマンであれば大自然の中にモニマンが立つていてもちつともおかしくない。


談話筆記「傑作が出来そうだ 十和田湖は乙女 
意欲に燃ゆ高村さん 十和田の水を賛嘆」より
昭和28年(1953) 光太郎71歳

上記「光の冬物語」を最初に紹介した日に、これを引用しようと思っていたのですが、忘れていました。

中野の貸しアトリエで「乙女の像」を制作中の光太郎を、『東奥日報』東京支局寺山記者が訪れて取った談話の一節です。確認出来ている限り、「乙女の像」に関し、光太郎自身が「乙女」という語を使った最初の記録です。ただ、像というより、十和田湖本体に「乙女」をイメージしていたという感じではありますが。

また、「乙女の像」という語は、かつては「仁王像」「騎馬像」のように普通名詞として使われていた語でもあります。

光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ、青森十和田湖からイベント情報です

昨冬まで「十和田湖冬物語」として開催されていたイベントが、新型コロナの影響もあるのでしょう、形を変えて実施されるようです。

カミのすむ山 十和田湖 光の冬物語 2020-2021 in国立公園十和田湖 十和田神社 by FeStA LuCe

期 日 : 2020年11月18日(水)~2021年1月31日(日)
会 場 : 十和田神社 青森県十和田市大字奥瀬十和田湖畔休屋486
時 間 : 17:00~21:00
料 金 : 前売チケット おとな1,200円(税込)当日チケット おとな1,600円(税込)
      小学生以下無料

イルミネーションと光の十和田神社 あたらしい「冬物語」がはじまる!

舞台は国立公園十和田湖十和田神社。日が暮れる頃より、大きな樹木に囲まれた鳥居をくぐり、約1kmの道のりを歩いていきます。修験者が修行や祈願をしていた「開運の小径」の”6”になぞらえて、6つの光の演出を中心に、光で道を作り人々をいざなう。荒れた湖が平和で穏やかになり、人々が祈願に訪れる場所になるまでの様子をイルミネーション、3D、レーザー、ライトアップ、プロジェクションマッピング、など森に溶け込んだ光と音楽の演出で湖畔を帰る道のりまでを創ります。
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これまでは、夏期には駐車場として使われている広大なエリアを特設会場に、自衛隊の皆さんのご協力で巨大雪像が作られ、その前のステージでコンサートやプロジェクションマッピングが行われたり、花火の打ち上げがあったり、会場内にはプレハブやかまくらのブースが出たりというイベントでした。当方、平成26年(2014)平成30年(2018)にお邪魔しました。

今回は特設会場ではなく、通常の街並みが会場となるようで、「十和田神社周辺全長約1kmの道のりを、諸説語り継がれる十和田湖伝説をもとに、イルミネーションやプロジェクションマッピングを使い、神秘的な光で演出」だそうです。

また、これまでは「乙女の像」のライトアップが為されていたのですが、今回はどうなるのか、問い合わせてみます。

追記 例年通り、「乙女の像」のライトアップも為されるそうです!

夏の「湖水まつり」も、昨年までは花火大会的なイベントだったのが、今年からランタン打ち上げをメインに様変わり。冬も大きくリニューアルということで、どんな感じになるのかな、というところです。

報道等がなされましたらまたご紹介いたします。

【折々のことば・光太郎】

天性的に、生涯、童子の性情を失ひ切らぬ者がある。かゝる種類の詩人こそ、天成の童謡詩人で、童謡とは本来斯の如き詩人にのみ許された詩の一ジヤンルであつて、斯の如き詩人以外の詩人の筆のすさびに成る、童子の発想法を模倣した片言まじりの詩の如きは、極言すれば童謡の冒涜に過ぎない。


散文「藻汐帖所感」より 昭和6年(1931) 光太郎49歳

最近発見した童謡に関する評論です。子供向けだからといって馬鹿にするな、と、手厳しい論調になっています。くわしくはこちら

光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の建つ十和田湖でのイベントです。

状況をわかりやすくするため、地方紙「東奥日報」さんの報道から

霊場を空中散歩、岩登りも/十和田湖「自籠岩」へガイドツアー/東京の企業が実証実験、11月8日まで

 十和田湖の中山半島にある霊場の一つで、昔修験者がこもったと伝わる自籠岩(じごもりいわ)へのガイドツアーの実証実験が24日から現地で始まる。ワイヤと滑車を使った滑空や岩場を登るクライミングを組み合わせた企画。森林を活用した自然共生型アウトドアパークを運営する企業「パシフィックネットワーク」(東京)が主催し、環境省が協力。11月8日まで実施する。23日に報道機関向け内覧会を行った。
 同社はアウトドアパーク「フォレストアドベンチャー」を国内34カ所で運営している。東北での活動は初の試み。十和田八幡平国立公園管理事務所が「国立公園満喫プロジェクト」の「十和田八幡平国立公園ステップアッププログラム2020」の取り組みとして協力する。十和田信仰に触れる場所として自籠岩の散策路活用の可能性を模索する。
 ツアーは乙女の像を出発点に、1時間半~2時間で巡る。コース上に長さ10~60メートルのワイヤを張り、滑車で移動する5カ所のポイントを設置した。十和田湖伝説の南祖坊(なんそぼう)が修行したとされる自籠岩は、湖面からの高さが40メートル以上。登り口から20メートル以上をはしごやワイヤロープを使って登頂する。山頂からは休屋地区の桟橋が望め、湖面など雄大な景色が楽しめる。
 ツアーは毎日3回(午前10時、正午、午後2時)行う。1回の参加は最大7人まで。身長140センチ以上、小学4年生以上、体重100キロ以下で18歳未満は保護者同伴が条件となる。参加費は1人3千円。申し込みは予約優先で、ツアー専用アドレス(https://www.facebook.com/viaferrata.towadako)か同社(電話080-7357-5259)へ。
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コミュニティFM局「鹿角きりたんぽFM」さんでも報じています

空中散歩ツアー」を実証実験 十和田湖

 秋田と青森にまたがる十和田湖で、ロープにつり下がって滑走する遊びなどを楽しむツアーが企画され、そのコースが報道陣に公開されました。
 これは、十和田湖を世界級の国立公園にするための国の取り組みの一つで、休屋地区にある登山道を観光で使う道を探ろうと、実証実験のガイドツアーが企画されました。
 この登山道は人気スポット「乙女の像」から、十和田湖伝説に登場する修行僧がこもったといわれる「自籠岩(じごもりいわ)」までのおよそ500メートルで、地元の人によりますと現在通る人はいませんが、そのストーリー性やロケーションが着目されました。
 今回のガイドツアーではその登山道に、ロープにつり下がって滑走する場所や、自籠岩を登るクライミングのコースが設けられました。
 その開始を前に23日、ツアーで使うコースが報道陣に公開されました。
 ロープにつり下がって滑走する場所は5か所あり、湖の10メートルほど上を渡る場所や、70メートルほどの距離を一気に滑走する所などがあり、スピード感とスリルが楽しめます。
 またクライミングのコースは、初心者でも昇り降りできるようにはしごなどが設けられていて、冒険気分を味わいながら登った、高さおよそ40メートルの岩の頂点では、湖や紅葉の森の絶景が広がっています。
 全国で冒険の森の施設を展開し、今回のガイドツアーを受託した会社「パシフィックネットワーク」の伊藤智幸ディレクター(52)は、「紅葉の中の滑走や、岩のてっぺんからの絶景を多くの人に楽しんでほしい」と話しています。
 環境省は今回の実証実験の結果を基に、実現性について探ることにしています。
 このツアー「十和田湖自籠岩・空中散歩ツアー」は24日から来月8日まで、毎日3回行われ、小学4年生以上の人が、1回3千円で参加できます。

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というわけで、ツアーの概要

⼗和⽥湖⾃籠岩・空中散歩(ヴィアフェラータ)ツアー

⼗和⽥湖の霊場の⼀つで、昔修験者が籠もったことからその名がついたと⾔われる「⾃籠岩(じごもりいわ)」へのガイドツアーです。岩までのアプローチはチロリアントラバース(※1)で空中を滑空し、岩にはヴィアフェラータ(※2)の⼿法を⽤いて登っていただきます。⾃籠岩の頂上から⼗和⽥湖を眺める景⾊をぜひお楽しみください。
(※1)チロリアントラバースとは、ジップラインとも呼ばれる滑⾞を使った空中滑空の⼀種です。
(※2)ヴィアフェラータとは、ワイヤーロープやはしご、⾜場など⼈⼯的な設備を設置することで経験の少ない登⼭者でも岩場や崖の上のルートを安全に登頂できる登⼭コースです。

○営業案内
 1. 営業期間︓2020 年 10 ⽉ 24 ⽇(⼟)から 11 ⽉ 8 ⽇(⽇)まで
 2. 催⾏回数︓毎⽇3回(10:00、12:00、14:00)
 3. 催⾏⼈数︓1 回あたり最⼤ 7 名まで(1 名から催⾏します)
 4. 利⽤条件︓⾝⻑ 140cm かつ⼩学 4 年⽣以上、体重 100kg まで
       18 歳未満は要保護者同伴
 5. 参加料⾦︓3,000 円/名
 6. 参加⽅法︓WEB もしくはお電話にてお申し込みください ※予約優先制
        https://www.facebook.com/viaferrata.towadako
        TEL︓080-7357-5259(10 ⽉ 12 ⽇〜11 ⽉ 8 ⽇のみ繋がります)
 7. ツアー詳細
 ・不整地の遊歩道を歩くハイキングと岩場に登るクライミングが融合したツアーです。
 ・ツアー⾏程は 1 時間 30 分〜2 時間程度となります。
 ・運動のできる服装と、⾜が完全に覆われた靴でお越しください。
 ・軍⼿等の⼿袋が必要となります。(現地受付で販売あり)
 ・⾬天は⾜元が滑りやすくなるため、ツアーの催⾏が⾒合わせとなる場合があります。
 ※感染症対策のため、マスクを着⽤していただきますので、ご持参ください。

本ツアーは、環境省が推進している「国⽴公園満喫プロジェクト」の中の、「⼗和⽥⼋幡平国⽴公園ステップアッププログラム 2020」において、⼄⼥の像から⼗和⽥信仰の重要な位置を占める⾃籠岩へと繋がる⾃籠岩歩道の活⽤を模索するための期間限定の実証実験として催⾏されます。

参加される⽅は、参加時に参加誓約書に署名いただくとともに、終了後アンケートへのご協⼒もお願いします。
000
なかなか気分がよさそうですし、スリルもありそうです。アクティブであることを自認される140㌢以上100㌔㌘以下の方(笑)、ぜひどうぞ。

ちなみに例年2月に行われている「十和田湖冬物語」。今シーズンはコロナ禍のため、形態を変えて来月中旬から開催されるそうです。また近くなりましたらご紹介いたします。

【折々のことば・光太郎】

人を感動せしむるものは説にあらず。その節の由来にあり、人に在り。

散文「ある日の日記」より 昭和4年(1929) 光太郎47歳

昨日幕を開けた国会でのかみ合わない論戦(もどき)を見ていても、つくづくそう思いますね。

青森十和田湖畔で今日まで開催されている「第55回十和田湖湖水まつり2020」。例年ですと光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のライトアップや、花火の打ち上げがあったのですが、今年はコロナ禍のため代替措置として実施方法が大きく変わりました。

地元の報道から。

まずはNHKさんのローカルニュース。 

十和田湖の夜空をランタンが彩る

和紙でできたランタンの明かりをともして夜空に上げる催しが28日夜、青森県と秋田県にまたがる東北有数の観光地、十和田湖で開かれ、およそ200の光が夜の湖畔を照らしました。

十和田湖畔では毎年夏に花火が打ち上げられ大勢の観光客が楽しんでいますが、ことしは新型コロナウイルスの影響で中止となってしまいました。
そんな中、少しでも夏の十和田湖を楽しんでもらいたいと地元の観光業者などで作る団体は、事前に予約した人だけに見物客を限定し、受け付けの際に客の体温を測ることを徹底するなどの感染対策を取った上で、ランタンで夜空を彩るイベントを企画しました。
28日夜は県内外からおよそ450人の見物客が集まり、午後7時半すぎに高さ50センチ、幅35センチの和紙でできたランタン219個が一斉に夜空へと浮かび上がりました。
ランタンにはヘリウムガスが入れられていて、十和田湖畔はランタンのランプのオレンジや青の明かりで幻想的な雰囲気に包まれ、訪れた人たちは写真を撮るなどして夏の終わりのひとときを楽しんでいました。
地元の青森県十和田市から来た女性は「とてもすてきな光景で『インスタ映え』すると思います」とうれしそうに話していました。
イベントを主催した団体は天気がよければ29日と30日も夜空にランタンを浮かべることにしています。

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続いて地方紙『デーリー東北』さん。 

幻想的ランタン、コロナ終息願い/十和田湖

 十和田湖湖水まつりが28日、十和田市の休屋地区を主会場に開幕した。恒例の花火大会の代わりに、新型コロナウイルスの終息に願いを込めた約220個のスカイランタンが打ち上げられ、来場者が夏の夜空と湖面に映える幻想的な明かりに酔いしれた。
 スカイランタンとは、空に飛ばす紙製の小型熱気球。同まつりでは、光源にオレンジ色と青色の発光ダイオード(LED)を使用した。
 打ち上げには、来場者ら約470人が参加。願い事を書き込んだ短冊と一緒にスカイランタンを夜空に放った。
 家族4人で訪れたという十和田市東十二番町の会社員鳥谷部昌平さん(28)は「生まれたばかりの次女の成長を願った。思うように外出ができない夏だったが、いい思い出ができた」と笑顔。長女の結唯夏さん(7)も「ディズニー映画みたいで、とてもきれい」と夢中で空を見上げていた。
 打ち上げは29、30の両日も午後7時半から実施する。

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同じく『東奥日報』さん。 

明るい未来 願い舞う/スカイランタン 十和田湖でイベント

 湖面と夜空を彩る幻想的なあかり-。十和田湖畔休屋で28日、オレンジやブルーの「スカイランタン」を飛ばすイベントが行われた。午後7時半の合図で新型コロナウイルス収束などそれぞれの願いを込めたランタン約220個が宙に舞い、参加者や観覧者約500人が柔らかな灯を見つめた。
 十和田湖湖水まつり実行委員会(小野田金司会長)が、新型コロナウイルス感染予防のため、恒例の花火大会の代替イベントとして企画。ランタンは和紙製で発光ダイオード(LED)を内蔵し、縦横30センチ、高さ50センチで、飛び去ってしまわないよう細い糸が付いている。
 同日は波風が立たず、絶好のコンディション。太陽広場と秋田県との県境・桂ケ浜を会場に、ランタンの光が闇夜を照らした。八戸市の無職富塚榮子さん(81)は「新型コロナの沈静と医療従事者の身体の安穏を祈った。思いを込められるイベントに参加できてうれしい」と話した。
 イベントは30日まで連日行う。参加チケットと無料の同行者チケットは完売したが、会場外から見物できる一般観覧者向け無料チケットはある。問い合わせは十和田湖観光交流センターぷらっと(電話0176-75-1531、午前9時~午後5時)へ。

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ところで、ランタン。静かにブームとなっていますね。来月には智恵子の故郷・福島二本松に聳える安達太良山でも行われます。明日はそのあたりを。

しかし一方で、十和田湖でもそうですし、全国的に例年行われていた花火打ち上げが無くなり、花火師の皆さんは苦境に立たされているそうで……。 

花火の役目「人の心明るく」/コロナで苦境 十和田の業者、活路探る

009 漆黒の夜空に、色鮮やかな「光の絵の具」で大輪を描く花火職人たち。この夏は新型コロナウイルス感染症の影響で、全国的に花火大会の自粛が相次いだ。青森県十和田市の打ち上げ業者「青森花火」(芳賀克司社長)も収益が前年比で大幅に減るという苦境に立たされているが、「いつの世も花火には、人々の心を明るくする役目があるはず」との信念を持ち、活路を見いだそうと奮闘している。
 「1月のイベント『十和田湖冬物語』では、例年通りの花火を打ち上げたが、その頃から中国などの観光客来日に規制がかかり、何となくコロナの暗雲を感じていた」と同社専務の野村孝さん(39)は振り返る。
 花火打ち上げは観覧者の「3密」を引き起こしかねない-と言われ、同社が予定していた花火大会も5月の時点で大小合わせて約40件が中止になった。
 「電話が鳴る度に、またキャンセルかと恐怖を感じた。小中学校の運動会の実施を告げるノロシ(号砲)も、約200発がキャンセルに」。数十人のスタッフに、野村さんは「今年は仕事がなく申し訳ない」と頭を下げた。
 そんなさなか、全国の163業者が心を一つにして「コロナ収束、悪疫退散祈願」サプライズ花火を、6月1日午後8時ちょうど、各地で一斉に打ち上げるイベントが行われた。費用は各社の持ち出し。青森花火は十和田湖畔と八戸市の2カ所を担当し、数十万円を負担した。
 「この企画には、即答で参加を決めた。コロナとの闘いの最前線に立つ医療従事者への感謝という趣旨に賛同したし、先が見えない状況に苦しむ街の人たちを元気づけたいと思った。それに、私たち自身も打ち上げの機会を与えていただき励まされた。本当にありがたかった」と力を込める野村さん。
 これがきっかけになり、「3密」回避に留意した小規模の花火打ち上げが8月までに10回以上あったという。野村さんは「エンターテインメント性は低くても原点回帰という気がする。花火はかつて、地域の神社などで人々の祈りとともに打ち上げられた。コロナの時代に合った新しいスタイルとなるかもしれない」と話している。
(『東奥日報』 2020/8/25)

コロナ禍収束/終息への思い、花火やランタンと共に天に届いてほしいものです。

【折々のことば・光太郎】

相変わらず甲板に出て石鹸の泡のやうな舷側の波を飽かず眺めてくらした。波といふものはいくら見てゐても面白い。

散文「海の思出」より 昭和17年(1942) 光太郎60歳

明治41年(1908)、ニューヨークから大西洋を渡ってイギリスへと向かう、ホワイトスター社の豪華客船オーシャニック号での一週間の船旅の回想です。

大西洋とは比ぶべくもありませんが、十和田湖の遊覧船に乗った際のことを思い出しました。

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毎年夏に、青森県十和田湖畔で行われている「十和田湖湖水まつり」。コロナ禍のため今年は中止と思いきや、時期と形を変えての実施だそうです。 

期 日  : 2020年8月28日(金)~8月30日(日)
会 場  : 十和田湖畔休屋地区
問合せ : 十和田湖観光交流センターぷらっと 0176-75-1531

願いを込めた1,000個の「スカイランタン」が、十和田湖の夜空へ浮かび上がる!
自然豊かな十和田八幡平国立公園にある十和田湖休屋で、スカイランタンを打ち上げるお祭りを開催します。
打ち上げ会場は、青森県と秋田県の県境にある桂ヶ浜。湖面には、オレンジやブルーのスカイランタンの光が映し出され、幻想的な世界をお楽しみいただけます。
また、会場ではマルシェをはじめ、スカイランタンにつけられる短冊やバルーン、アイロンビーズの
ワークショップを開催します。それぞれの願いや思いを込めて、一斉に夜空へ打ち上げよう!

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短冊に願い事を書いたスカイランタンを大空へ
 スカイランタン打ち上げ(要予約)料金:3,000円(税込)
 スカイランタンにはヘリウムガスを浮力とし、LEDランプを内蔵、
 細い糸付きでリリースし、イベント終了後お持ち帰りいただけます。
 申し込み方法 プランを選択し、WEBにて決済。
 観覧入場無料(新型コロナウイルス感染予防対策のガイドラインに則り登録が必要となります)

とわだこマルシェ
 8/29(土)、30(日) ※28日は開催なし 11:00〜20:30

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例年ですと、花火の打ち上げやカヌー体験、そして光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のライトアップが為されていましたが、今年は大幅に内容を変更し、ランタン打ち上げをメインとするとのこと。また、時期的にも7月中旬だったのが、8月末に変更になっています。

ランタンの打ち上げ、静かなブームですね。光太郎の父・光雲とその高弟・米原雲海による仁王像のライトアップが為される信州善光寺さんの「長野灯明まつり」などでも実施されています。

コロナ感染症拡大防止にお気を付けつつ、都合のつく方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

わかくて、新らしくて、水々しくて みみつちくて、アンチイムで かうなると ヴイユ・コロムビエよりもいいな

詩「カジノ・フオリイはいいな」より 昭和5年(1930) 光太郎48歳

004詩「カジノ・フオリイはいいな」は、筑摩書房『高村光太郎全集』完結(平成10年=1998)以後、唯一新たに見つかった詩です。

「カジノ・フォーリー」は、昭和4年(1929)、浅草水族館二階の余興場を本拠として設立された軽演劇団。エノケンこと榎本健一が在籍し、分派等の曲折を経て同8年(1933)まで存続し、一世を風靡しました。川端康成が小説「浅草紅団」で取り上げたことでも有名です。宣伝のための雑誌『カジノ・フオーリー』が発行され、その創刊号にこの詩が載りました。

「アンチイム」は仏語「intime」、「くつろいでいるさま、親しいさま」。「ヴイユ・コロムビエ」はパリ6区のヴィユ・コロンビエ通りに立つ劇場。フランス現代演劇の発信地でした。

キーワード検索「乙女の像」でヒットしました。おそらく新商品だと思われます。 

スコップ三味線「乙女の像」(シングル)オリジナル15 鉄製 スコップ三味線ストラッププレゼント中!

〜話題のスコップ三味線〜
1本1本手作りで制作しております。専用スタンド、バチはサービスでお付け致しております。
通信販売はヤフーショッピングでのみ販売中。ご注文はヤフーショッピングよりお願いいたします。

【カラー】
  取っ手:パープル+ブラック
  金具:グリーン+ブラック
  柄:焼き目
  スコップ面:ブルー+絵柄
【サイズ】 約(高さ)100×(最大幅)26cm
【重量】 約2.1kg

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そもそも「スコップ三味線」とは何か? といいますと、津軽三味線の楽曲に合わせて、雪かき用のスコップを三味線に、鉄製の栓抜きをバチに見立て、スコップを叩いて演奏するというジャンルです。

1980年代に生まれ、のちに世界大会まで開かれるようになりました。



エアギターと似た、あくまで「シャレ」の世界ですが、エアギターと異なり、実際に音を出す点はパーカッションに近いのかな、という気がします。したがって、上記画像でペグ(弦を締めたり緩めたりするネジ)も写っていますが、実際に弦は張られていないので、これは無意味な飾りです(笑)。

また商品説明欄に「バチはサービスでお付け致しております」とありますが、つまりそれは栓抜きだろ? と、まぁ、突っ込みどころ満載ですね(笑)。

で、「乙女の像」。最近はただのスコップでなく、デザイン性を重視し、「津軽」、「八甲田」などの「号」をつけたものがいろいろ出ているようです。笑えますね。それにしても光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」を使っていただき、ありがとうぞざいます(笑)。

興味のある方、ぜひどうぞ(笑)。


【折々のことば・光太郎】

およそ学の庭にていとも楽くかつは勇しくしかも互の交誼をますます厚くむすばるゝは修学旅行にまさるものあらじ。

雑纂「日光遠足の記」より 明治31年(1898) 光太郎16歳

この年10月の、東京美術学校本科一年彫刻科の修学旅行について書かれた未完の文章の書き出しです。2泊3日の行程で、行き先は日光でした。

全国の学校等、今日から再開というところも多いようですが、今年度は大変ですね。授業の遅れを取り戻すために行事等の削減もかなり進むでしょうし、そうなると子供たちにとっては味気ない学校生活となりかねませんし……。

今日、5月20日は明治19年(1886)に生まれた智恵子134回目の誕生日です。そこで微かに智恵子がらみで。

「ご当地フレーム切手」。全国各地域の記念品として、それぞれの地域内の郵便局限定、JP日本郵便さんのサイトで販売されている切手シートです。昔ほど切手収集家は多くなくなったと思われますが、こうした限定品的なものはまだまだ人気のようです。

先月、下記が青森県内で発売されました。 

日本郵便株式会社東北支社(宮城県仙台市青葉区、支社長 古屋 正昭)は、下記のオリジナル フレーム切手の販売を開始します。
このオリジナル フレーム切手は、青森県十和田市にある十和田湖・奥入瀬渓流の美しい景色を題材としたもので、下記の郵便局で限定販売します。


商品名 十和田湖・奥入瀬渓流~四季のひとこま~
販売/受付開始日 2020年4月14日(火)
販売/受付開始日(Web) 2020年4月15日(水)0時15分
申込受付数 1,070シート
販売郵便局
青森県の八戸市、十和田市、三沢市、むつ市、上北郡野辺地町、七戸町、六戸町、横浜町、東北町、六ヶ所村、おいらせ町、下北郡大間町、東通村、風間浦村、佐井村、三戸郡三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村の全郵便局(合計113局) ※一部の簡易郵便局でも販売する場合がございます。
商品内容 フレーム切手 1シート 63円切手×5枚、84円切手×5枚
販売価格(税込)1シート 1,275円
送料 「郵便局のネットショップ」でお取扱いする場合は、販売価格のほかに郵送料等が加算されます。


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光太郎最後の大作にして、智恵子の顔を持つとも言われる「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」をあしらった63円切手も含まれまています。

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最初に「こうした限定品的なものはまだまだ人気のようです。」と書きましたが、その通り、すでにJP日本郵便さんのサイトでは売り切れとなっています。当方、手に入ってラッキーでした。同じ「ご当地フレーム切手」でも、なかなか売れないものもあるようですが、ポピュラーな観光地などの美しい景観等を題材にしたものは人気が高いのでしょう。

ちなみに光太郎智恵子がらみの「ご当地フレーム切手」、これまでも何種類かゲットできています。今回同様、「乙女の像」関連で「十和田八幡平国立公園」と「十和田湖畔「乙女の像」建立60 周年記念」(もう1種類「十和田湖・奥入瀬渓流~四季彩~」というのがあるのですが未入手です)、智恵子のふるさと二本松の「あだたら桜回廊」、光太郎が碑文を揮毫した花巻の「雨ニモマケズ」碑をあしらった「宮沢賢治生誕120 年」。


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目白にある切手の博物館さんに行くと、過去の「ご当地フレーム切手」もけっこう販売しています。今後も注意して探してみようと思っております。


【折々のことば・光太郎】

商人には商人の妻、百姓には百姓の妻、ぼくには智恵子が、一ばんありがたかった。その気持をこめて、智恵子の顔とからだを持った観音像を一ぺんこしらえてみたいと思っています。仏教的信仰がないからおがむものではないが、美と道徳の寓話としてあつかうつもえいです。ほとんどはだかの原始的な観音像になるでしょう。

対談「自然と芸術」より 昭和25年(1950) 光太郎68歳

この構想が具現化したのが、2年後に制作を始めた「乙女の像」です。ただし、十和田湖は全く想定外で、この頃は智恵子が療養していた九十九里に置きたいという希望でした。

青森に本社を置く『東奥日報』さん、昨日の記事です。光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ十和田湖の話題。 

にぎわい創出進む十和田湖 コロナで暗転/ホテル「4月の売り上げ99%減」/関係者、早期収束を渇望

 青森県が世界に誇る観光資源である十和田湖・奥入瀬渓流エリア。十和田市はここ10年ほど、国や青森・秋田両県などと連携して再整備を図ってきた。湖面の県境画定による交付税収アップや、インバウンド(訪日外国人旅行者)増加に後押しされ、イベントによるにぎわい創出も進む。そんな中での新型コロナウイルス問題。関係者は早期収束を渇望するとともに、活性化の機運がしぼまないか危惧している。

 「4月の売り上げはほとんどゼロ。前年同期の99%減です。全国的な外出自粛で5月、6月も期待できない」。湖畔の休屋でホテル「十和田荘」を営む中村秀行さんは肩を落とす。十和田湖国立公園協会理事長として十和田湖マラソン、十和田湖ウオークなど湖畔のスポーツ大会にも積極的に関わってきたが、今年は両大会とも中止。「何とか7月の『湖水まつり』は開きたい。湖上に咲く花火を見て、みんなと元気を出したいんだけれど…」

 近年、十和田湖エリアの観光施策には追い風が吹いていた。2008年に青森・秋田両県の境界が画定したことで、湖面の面積割合「青森6、秋田4」に応じて、09年度から年間約6700万円の地方交付税が増額されることになった。配分は青森県約2400万円、十和田市約1600万円、秋田県約1600万円、同県小坂町約1100万円。

 地方交付税は本来、特定の使い道を定めず一般財源となるが、両県と両市町は連携して増額分を09~18年度の10年間限定で、十和田湖エリアの環境保全・景観対策に充てた。事業は、藻の発生原因調査や水質改善、放置された観光ボート撤去、トイレ改修、誘客を促す旅行商品の開発、ヒメマス商品のブランド化、新しい観光拠点となる施設の整備、イベント開催補助など多岐にわたる。

 この10年間の後半は、観光客が急増した時期に重なる。十和田市商工観光課のまとめによると「奥入瀬・十和田湖」の観光客入込数は14年の99万9644人から右肩上がりで増え、19年(速報値)は126万7071人となった。

 また、十和田市全体への宿泊者数は、14年の27万2832人(うち外国人1万3089人)に対し、19年(速報値)は33万1881人(同6万6930人)と増えている。

 十和田市は19年度以降も、環境省の「国立公園満喫プロジェクト」と連動させて十和田湖振興を進めてきた。本年度当初予算には焼山地区活性化(約1億3千万円)、休屋-十和田神社間の市道の石畳化(1億1千万円)などを計上している。新型コロナ感染拡大に伴う湖畔や焼山地区の観光業者支援策として、本年度の固定資産税、温泉使用料、上下水道料の免除も打ち出している。十和田市企画財政部の漆舘典子部長は「(交付税増収分を活用する)期間が終わったとはいえ、十和田湖・奥入瀬は当市にとっての重要な観光資源。新型コロナさえ収束すれば国、県、観光事業者と連携して観光PRに努めたい」と、世界的な感染拡大の行方に気をもんでいる。

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5月3日(日)には、秋田県北部エリアの地方紙『北鹿新聞』さんにも同様の記事が出ましたが、こちらはより深刻な状況が詳述されています。「売り上げ99%減」と、そこまでか、という感じです。当方、現地の観光関係者の方々にいろいろとお世話になっておりますので、胸が痛みます。

そうした皆さんのご努力(本当にあの手この手で、十和田湖や奥入瀬渓流の魅力の発信に尽力されてきました)で、画像の表にある通り、観光客が伸び続けてきた中でのコロナ禍ですから、なおさらです。

と言っても、今、この時期に訪れても迷惑でしょうし(自宅兼事務所は「特定警戒都道府県」内です)、とにかく「早期収束の渇望」、それしかありませんね……。

人類史上、おさまらなかったパンデミックはないそうです。「三歩進んで二歩下がる」の状態になってしまいましたが、ここからまた一歩一歩、前を向いて行っていただきたいものですし、そのための協力は惜しみません。

全国の観光地、どこも似たり寄ったりの状況でしょう。皆様もぜひ、収束後はそれまでのステイホームの鬱憤を晴らす意味でも、あちこちにお出まし下さい!


【折々のことば・光太郎】

大地麗   短句揮毫  昭和25年(1950) 光太郎69歳

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送りがながありませんが、「大地麗(うるわ)し」と読みます。花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)に蟄居中、村役場の新築祝いにと乞われて書いた揮毫です。

本当に1日も早くコロナ騒ぎが収束・終息し、麗しきこの国の国土を満喫できる日が再びやってくることを願ってやみません。

最近手に入れたものシリーズで、一昨日ご紹介した荒井とみよ氏著『詩人たちの敗戦』同様、少し古い書籍です。
 

昭和の若き芸術家たち 続金四郎三代記[戦後篇]

平成8年(1996)10月1日 浅尾丁策著 芸術新聞社 定価3,200円+税

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朝井閑右衛門 浜口陽三 木内克 原精一…… 昭和の美術界を闊歩した芸術家たちの素顔をつづるよき時代のものがたり

目次
 占領下の画家たち
  悪夢の日々からの解放 占領下の画家たち “プール・ヴー”美術研究所 
  カルチェ・ヴァル会誕生 モデル紹介業のはじまり 田村泰次郎「肉体の門」の頃
  浅草界隈人間模様 フランスに行けなかった浜口陽三さんの狸公 
  谷中の畸人、上口愚郎さん
 思い出の人と絵画
  様相転ずる上野・下谷界隈 ゴーギャン、幻のブルターニュ風景 思い出の人々と絵画
  走馬燈 ワイセツ今昔物語 旧都美術館周辺のこと 北荘画廊の成功 
  逸品・珍品あれこれ 旅の僧の淡彩風景 石膏像販売はじめる 
  仙人のごとき画人・朝井閑右衛門さん 東山魁夷さんのクレヨン画 
  中村研一先生の水墨屏風 インド古剣と岩田藤七さん 裸婦をめぐる風景
  高村光太郎先生「乙女の像」のモデル 谷中五重塔心中綺譚 第一回形象展開催
  五大家合作枕屏風出来 小絲先生のインスタントホワイト
 金四郎、パリを行く
  初のヨーロッパ旅行 イタリア紀行 ヨーロッパ古物商めぐり 金四郎、個展をひらく
  パレット座迷舞台あく 鶴岡政男さん逝く
 拂雲堂日記抄(一九七七年春から八三年春)――別れと出会いの日々
 あとがき

本書は、美術雑誌『アート・トップ』に連載されたものの単行本化で、著者の浅尾丁策氏は、明治40年(1907)、東京下谷の生まれ。戦前に画材店「浅尾拂雲堂」を開業、戦後は絵画修復、額縁制作、さらに、昭和24年(1949)、「プール・ヴーモデル紹介所」を設立しました。平成12年(2000)に歿しています。

その「プール・ヴーモデル紹介所」(現在も存続しています)に所属していた藤井照子が、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のモデルを務めました。当時19歳だったということです。

藤井照子詩集『石花采(てんぐさ)』が刊行されました。
 
「藤井照子」というと、詩集『石花采(てんぐさ)』(昭和16年=1941)に光太郎が序文を書いてやった女流詩人が「藤井照子」ですが、同姓同名の全くの別人です。ところが筑摩書房『高村光太郎全集』(増補版)別巻の人名索引では二人の「藤井照子」が混同されています。

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そこで、「高村光太郎先生「乙女の像」のモデル」という章が設けられています。ただ、章のタイトルとは裏腹に、その内容は1ページだけでした。残りの部分は別件です。

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これだけの文章ですが、詳しい経歴等不明だった藤井照子に関し、いろいろとわかりました。三姉妹でモデル業を務めていたというのは存じませんでしたし、妹さんが荻窪で喫茶店、というのももちろん初耳でした。

ただ、ここにも詳細は語られていないのですが、結婚後の照子自身についてはやはり不明です。北海道に旅して相手を見つけたとありますが、道内に嫁いだのか、相手も旅行者で、道外の人だったのかなど。数年前、十和田市で講演をさせていただいた折、参加者の方から「品川の方の青果店に嫁に行ったらしい」というお話を伺いましたが、それも真偽不明です。

照子、または姉妹、ご存命であればお会いしたいと思っているので、情報をお持ちの方はご教示いただければ幸いです。

ところで、上記文章、光太郎自身が浅尾氏の元を訪ねたように書かれていますが、日記等と付き合わせても、そうした記述が無く、浅尾氏の勘違いではないかと思われます。像の制作中に光太郎が倒れた場合、代わりの制作者として指名されていた彫刻家・菊地一雄の斡旋だったと聞いた記憶があります。当方、かつて故・北川太一先生のお宅で、光太郎遺品中の、照子のプロモーション用の写真(ヌードでした)を拝見したことがあります。

ただ、日記といえど、すべて真実が書かれているとは限りませんし、このあたりも調べようと思いつつ、後回しになっています。

さて、『昭和の若き芸術家たち』、絶版ですがAmazonさん等では入手できます。是非お買い求めを。ちなみに当方、昨年拝見した演劇「岸井戯曲を上演するinTokyo#1「かり」」に出演されていた辻村優子さんという方にこの書籍を教えていただき、購入した次第です。


【折々のことば・光太郎】

人体豊麗  短句揮毫  昭和25年(1950) 光太郎68歳

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この色紙が書かれた2年後に「乙女の像」制作を始めますが、19歳のみずみずしい肉体を前に、やはり「人体豊麗」の感を抱いたことでしょう。

秋田県北部で発行されている地方紙『北鹿新聞』さん、昨日の記事です。 

コロナ影響 観光地は異例の光景 大型連休の後半スタート 十和田湖は外出自粛で人影なく

 大型連休後半の5連休初日となった2日、例年多くの観光客でにぎわいを見せる国立公園十和田湖は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で人影はほとんどなく閑散とし、国内有数の観光地に異例の光景が広がっていた。
 十和田湖は4月11日の湖水開きで本格的な春の観光シーズンが幕開けとなるはずだったが、新型コロナの流行が懸念されることから遊覧船の運航開始が延期に。その後も当面の間、運休となっている。
 湖畔の観光・宿泊施設や飲食店、土産店なども軒並み休業。通行する車両も少なく、例年とは違った様子となっている。
 毎年多くの観光客が訪れる「乙女の像」周辺では2日の午前中、散歩する地元住民や十和田神社参詣者らが数人見られたが、観光客の姿はほとんど見られなかった。
 小坂町にある人気スポット、発荷峠展望台の第1、第2駐車場は人の出入りを抑止するため当面は閉鎖。県はバリケードに設置した看板に「観光地など多くの人が集まる場所への訪問は自粛してくださるようご協力をお願いします」と記し、新型コロナ感染症対策への理解を求めている。
 仕事の関係で十和田湖を訪れた鹿角市十和田大湯の60代男性は「観光客がいなくなった十和田湖はこの先どうなるんだろうと思う。特に外国人観光客がいつ戻るのかめどが立たず、厳しい状況が続くのでは」と不安げに話した。
 感染の拡大防止のため、外出や営業自粛などを求める緊急事態宣言は全国で6日まで発令。安倍晋三首相は1日、全国を対象に期間をさらに1カ月程度延長する方針を示している。


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キャプションにあるとおり、左は先週土曜日、右は平成27年(2015)のGWの写真。同じ時期の同じ場所とは思えませんね……。そういえば、当方も一昨年のGWに十和田湖や秋田の小坂町に行ったことを思い出しました。

そしてもう一つ思い出したのが、THE虎舞竜さんの「ロード」の一節、「〽何でもないようなことが 幸せだったと思う」……。しかし、「ロード」では、その後、「〽二度とは戻れない夜」と続きますが、今のこの状況は「二度とは戻れない」わけではないと思いますので、戻れる日が来ることを祈りつつ、日々を過ごしたいと存じます。

皆様もどうかご自愛下さいませ。


【折々のことば・光太郎】

踊は人をあつめ 人をむすぶ  

短句揮毫 昭和27年(1952) 光太郎70歳

この年11月5日、光太郎は、当会の祖・草野心平が詩を書き、それを元に舞踊家の藤間勘紫乃が振り付けた「四つの仮面の為のチュード」を含む「藤間勘紫乃舞踊発表会」を、貸しアトリエの大家だった中西夫人と共に、帝国劇場に観に行きました。

舞台デザイナーだった石井荘男に乞われ、プログラムに即興詩「四つの仮面は」と、この短句をしたためたということです。

新型コロナの影響で、各種公演等も軒並み自粛、芸能関係の皆さんも大変な思いをされていることと存じます。しかし、「明けない夜はない」と言うように、再び「人をあつめ 人をむすぶ」日の来ることを信じましょう。

光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のライトアップが為される、「十和田湖冬物語2020」が、一昨日、開幕しました。地元地方紙の報道をご紹介します

まず、『北鹿新聞』さん。

「十和田湖冬物語」が開幕 雪と光で幻想的に 2月24日まで 休屋 冬季観光の誘客期待

 十和田湖の冬季観光の活性化を図る恒例イベント「十和田湖冬物語」が24日、開幕した。湖畔休屋の特設会場は雪と光で幻想的に彩られ、訪れた家族連れなどが冬花火や秋田、青森両県の味覚などを楽しんだ。2月24日まで。
 青森県十和田市や小坂町の観光関係者でつくる実行委員会(中村秀行委員長)が毎年開催。今年で23回目を迎えた。
 会場には色とりどりのLED電球約5万球や、かまくらなどさまざまな雪像を設置。雪不足の影響で発荷峠など周辺から雪を集めて準備を進めてきた。
 オープニングセレモニーは環境省、秋田、青森両県、小坂町、十和田市の関係者らが出席し、午後6時半から屋外ステージで行った。
 中村委員長は春節(旧正月)に合わせて中華圏からの訪日旅行客を呼び込もうと、会期を例年に比べて1週間長い5週間としたことに触れ「例年は期間中に20万人が訪れているが、今年は25万~30万人の来場に期待している」と述べた。
 中村委員長によると、冬物語の来場者のうち外国人観光客は2~3割。国・地域別では台湾、香港が多く、最近はベトナム、タイ、マレーシアなどからの観光客が増えているという。
 デジタルアートを投影するメイン雪像の点灯式や津軽三味線の熱演などに続き、午後8時すぎにハイライトの冬花火を打ち上げ。小雪が舞う中、りんとした厳冬の冬空に大輪を描き、来場者を魅了した。
 郷土料理や地酒などが楽しめる「ゆきあかり横丁」や「乙女の像」ライトアップ、雪の滑り台なども人気を集めた。
 問い合わせは事務局の十和田奥入瀬観光機構(☎0176・75・1531)。

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他紙は残念ながら「乙女の像」の語が入っていませんが、紹介します。

『東奥日報』さん。

花火、LED…十和田湖彩る/「冬物語」開幕003東奥

 十和田湖畔の真冬の一大イベント「十和田湖冬物語」が24日、青森県十和田市休屋地区で開幕し、多くの観光客や家族連れらでにぎわった。会場をイルミネーションがきらびやかに彩り、200発の打ち上げ花火が夜空を鮮やかに照らした。
 今年はこれまでの伝説を基にした巨大雪像とは趣向を変え、プロジェクションマッピングを投影するスクリーン型の壁を建設。セレモニー後、十和田市在住のシンガー・ソングライター桜田マコトさんや津軽三味線のステージが繰り広げられた。午後8時、色とりどりの冬花火が打ち上げられ、来場者を魅了した。
 会場には約5万個の発光ダイオード(LED)が飾られ、青森県と秋田県の味覚が味わえる「ゆきあかり横丁」、かまくらBarなどを設けている。期間は例年より1週間長く、2月24日まで。


続いて、『デーリー東北』さん。 

銀世界に大輪咲く 「十和田湖冬物語」開幕

 北奥羽地方を代表する雪祭り「十和田湖冬物語」が24日、十和田市の休屋地区特設会場で開幕した。夜には花火の打ち上げやライトアップがあり、雪と光が競演。来場者は銀世界を彩る幻想的な空間を満喫していた。2月24日まで。
 毎年恒例のイベントで22回目。今回は中華圏の大型連休である春節(旧正月)に合わせ、期間を例年より1週間前倒しした。

 メインステージには、映像を投影できる巨大な雪の壁を設置。雪のマークを触ると消える演出に来場者が驚いていた。

 発光ダイオード(LED)による光のゲートや大小の雪像、記念撮影や飲食を楽しめるスペースもにぎわっている。

 平日は午後3時、土曜、日曜日と祝日は午前11時から。花火の打ち上げは午後8時から毎日行われる。

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さらに、『秋田魁新報』さん。 

雪集め予定通り…「十和田湖冬物語」開幕 幻想的な世界演出 

 冬の十和田湖をPRするイベント「十和田湖冬物語2020」が24日、青森県十和田市・休屋地区の特設会場で始まった。雪像のほか、飲食が楽しめる大型のかまくら、イルミネーションが設置され、雪と光がつくる幻想的な雰囲気が来場者を楽しませた。2月24日まで。

 秋田県小坂町や十和田市の観光関係者らでつくる実行委員会が主催。冬場の観光客の増加につなげようと1999年から毎年開いている。今年は雪が例年より3割程度少ないため湖畔周辺だけでなく、本県側の発荷峠駐車場からも集め、準備を進めてきた。

 会場中央のメインステージには高さ5・4メートル、幅9メートルの雪壁を設営。プロジェクションマッピングで雪の結晶の形をしたマークが動く映像を投影した。直径20メートル、高さ10メートルのかまくらは来場者の人気が高いため今回から2基に増設し、秋田や青森の地酒などを提供している。このほか、子どもたちが楽しめる雪の滑り台やアーチ状の骨組みに青い電球をちりばめた「光のゲート」もある。

 長野県軽井沢町から来場した50代女性は「全国的に暖冬、雪不足が言われていたが、会場にたくさんの雪があってびっくりした。こんな大きなかまくらを見るのは初めて」と話した。実行委は「雪が少なく心配したが、設営内容やプログラムを予定通りに実施できてほっとした」としている。

 開催時間は平日が午後3~9時。土日祝日が午前11時~午後9時。毎日午後8時ごろから花火を打ち上げる。問い合わせは実行委事務局(十和田奥入瀬観光機構)TEL0176・75・1531


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今年は全国的に雪不足ということで、苦労されたそうですが、関係者の皆さんのご努力により、無事に開幕できてよかったと思います。

ご都合の付く方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

三度こはした。それで痩せた。何も出来なかつた。今僕の中に非常なものが持ち上つて来てゐるといふ気がしてゐる。明日の制作!

散文「〔消息〕――『生活』に――1」より 大正2年(1913) 光太郎31歳

岸田劉生らとともに立ち上げた「フユウザン会」が分裂し、その一部が「生活社」として再スタートした頃の文章から。「こはした(壊した)」のは、その頃手がけていた塑像彫刻「茅野蕭々の首」です。智恵子との婚約を控え、リア充状態で(笑)制作意欲にも燃えている、若き光太郎の心の叫びです。



本日、午前11時より、文京区向丘2丁目17-4 、浄心寺さんにおいて、当会顧問・北川太一先生のご葬儀が営まれます。昨日は同所に於いてお通夜。お通夜/ご葬儀の件は終わりましてからレポートいたします。

青森から、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のライトアップが為される「十和田湖冬物語2020」関連の報道をご紹介します。

まず、秋田テレビさんのローカルニュース。 

雪不足も準備着々と 十和田湖冬物語の雪像づくり始まる

 全国各地で雪不足が懸念されている中、今月末に開幕する冬の十和田湖の観光イベント「十和田湖冬物語」に向け会場では雪像づくりなどの準備作業が始まった。

 「十和田湖冬物語」は真冬の十和田湖畔を会場に秋田と青森のグルメや雪遊びなどが楽しめるイベントで連日打ち上げられる花火が訪れる人を魅了する。


 一面銀世界の会場では地元の観光関係者や陸上自衛隊の隊員が雪像作りなどを進めているものの実は雪不足が深刻。

 十和田湖周辺の積雪は去年の半分ほどになっていて自衛隊は近くの山から雪を集める対応に追われている。


 陸上自衛隊八戸駐屯地雪像制作協力隊の女性隊員は「けっこう重いものを運ぶが楽しくできている。来た人に喜んでもらえる雪像を作れるよう頑張りたい。」と作業の意気込みを語った。
 2020年の「十和田湖冬物語」は外国人観光客を呼び込むため中国の旧正月の休みである「春節」に合わせ、例年より1週間ほど早い1月24日に開幕する。



続いて、地方紙『東奥日報』さん。 

24日からの「十和田湖冬物語」/プロジェクションマッピングを投影する雪像づくりがスタート

 十和田湖畔で24日開幕する恒例の冬季イベント「十和田湖冬物語」のメイン雪像づくりが10日、湖畔休屋の特設イベント会場で始まった。協力する陸上自衛隊八戸駐屯地の隊員35人が、プロジェクションマッピングを投影する雪像の制作に入った。23日までに完成させる。
 今年はデジタルアート展示に主眼を置き、雪像は幅9メートル、高さ5.4メートル、厚さ2.7メートルの横長スクリーン型。イベント会場のメインステージに設置し、映像のほか、市内の子どもたちの絵画、版画などの画像も投影するという。
 10日の制作開始式で、冬物語実行委員会の中村秀行委員長が「体調に留意し、事故やけがのないようお願いします」と激励。協力隊長の玉谷大志3等陸佐が「市民、観光客に喜んでもらえるような雪像を期限までに作る」と応えた。イベント会場にはメイン雪像のほか、大型滑り台、かまくらBarといった雪を楽しむスポットが登場する。十和田湖畔も県内の他地区と同様、積雪は例年を下回るが、制作には問題がないという。冬物語は24日から2月24日まで。

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今年は各地のスキー場などの雪不足が深刻とのことでしたが、十和田湖もだそうで。なるほど、背後の山々も真っ白という感じではありませんね。

自衛隊の皆さん、札幌雪まつり同様、雪上での要塞構築訓練を兼ねるという名目でのご協力を賜っていますが、まことにお疲れ様です。頭が下がります。例年ではそれが無い、他所からの雪集めの作業が加わった分、手間が増えたわけで。秋田テレビさんのインタビューに答えられているのはWAC(Women's Army Corps=婦人自衛官)の方。女性にはなおさらきつい作業でしょうに。

当方、2度、足を運びましたが、とにかく寒いイベントです。ただ、真冬が大好きだった光太郎は大喜びしそうだとも感じました。また呑兵衛でもあった光太郎、かまくらでのワインバーなどにいそうな気がします(笑)。

そして雪灯籠の明かりに照らされる幻想的な乙女の像。北川先生にもぜひ見せたいものでした……。

報道にある通り、来週末1月24日(金)の開幕です。ご都合の付く方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

若い、きれいな、いきいきした風に吹かれるのはうれしい事です。

散文「平正夫詩集『白壁』に就いて」より 昭和5年(1930) 光太郎48歳

平正夫は旧制鹿児島一中の教師だったそうです。『白壁』は前年、南方詩人社から刊行されました。光太郎に私淑していた黄瀛が跋文を書いています。

例年ご紹介しています、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ青森十和田湖畔でのイベントです。 

十和田湖冬物語2020 雪と光とアートの世界

期  日 : 2020年1月24日(金)~2月24日(月)
会  場 : 十和田湖畔休屋地区特設会場他
       青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486番地
時  間 : 平日:15:00~21:00  土日祝日:11:00~21:00
問合せ : 一般社団法人十和田奥入瀬観光機構 0176-75-1531

冬物語特設会場イベント
冬花火、メモリアル花火、スノーランプづくり体験、スノーバナナボート、スノーライド体験、かまくらBAR、ゆきあかり横丁、津軽三味線、乙女の像ライトアップ、かんじきフットパス、なまはげ太鼓、よさこい北里三源色、引馬乗馬体験など


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当方、平成26年(2014)と、一昨年と、2度、足を運びました。その頃は、というか、昨年まで、2月に入ってからおおむね3週間での開催でしたが、今年は今月下旬にスタート、まる1ヶ月と期間が長くなっています。人出が見込める、ということでしょうか。関係者の方々のご苦労は増すことと思われますが……。

とにかく寒いのですが、その寒さを吹き飛ばす熱気溢れるイベントが盛りだくさん。「乙女の像」のライトアップも幻想的です。

シャトルバスなど会場へのアクセスについては、十和田市役所さんのサイトに情報が載っています。

市役所さんといえば、今月号の『広報とわだ』でも、冬物語の紹介が。昨年の撮影と思われる「乙女の像」の写真も大きく載せて下さいました。ありがたし。

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ぜひ足をお運び下さい。


【折々のことば・光太郎】005

あんなに人なつこかつたこの詩人に其後会ふ機会をつくらなかつた事を残念に思つてゐます。常に遠くから親密の情は捧げてゐたくせに。晩年の彼の詩の深さにはうたれます。

散文「追憶――山村暮鳥――」より
 大正13年(1924) 光太郎42歳


山村暮鳥は光太郎より一つ年下でしたが、この年、数え41歳で早世してしまいました。「雲よ」の連作などで知られていますね。

暮れも押し詰まって参りました。そろそろ来年のカレンダーを、今貼ってある今年のカレンダーの後ろにセットする時期ですね。

広島に本社を置く中国新聞サービスセンターさんが発行した「ふるさとミュージアム名画コレクション」という題名の壁掛けカレンダーを入手しました。

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B5判(上下に広げればB4)、各月1ページの構成で、中国地方の美術館さんに収蔵されている名品12点をあしらっています。

6月が光太郎ブロンズの代表作「手」(大正7年=1918)。

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呉市立美術館さん所蔵のものです。新しい鋳造のものと思われますが、いい感じですね。ちなみに同館で昨年開催された「開館35周年記念 呉市立美術館のあゆみ展」では、出品物の目玉の一つという位置づけでした。

このカレンダー、ネットオークションでぽつりぽつり出品されています。当方もそれで入手いたしました。


それから、毎年頂いていて恐縮しておりますが、十和田奥入瀬観光機構/十和田市役所さんから「十和田湖・奥入瀬渓流」という大判のカレンダーを頂きました。

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2ヶ月で1ページ、四季折々の十和田湖、奥入瀬渓流の美しい写真があしらわれています。残念ながら光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」は使われていませんでしたが。平成27年(2015)平成29年(2017)の同じカレンダーには「乙女の像」の写真がありました。しかし、そうなるともったいなくて使えず保存することとなり、痛し痒しです(笑)。来年のものは寝室の壁に掛けました。

「乙女の像」といえば、カレンダーを送って下さった十和田奥入瀬観光機構の方からのメールに、最近の様子を撮った写真が添付されていました。

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光太郎がこの像を謳った詩「十和田湖畔の裸像に与ふ」(昭和29年=1954)で、「すさまじい十和田湖の円錐空間にはまりこんで/天然四元の平手打をまともにうける/銅とスズとの合金で出来た/女の裸像が二人/影と形のように立つてゐる」と書いた、そのままの光景ですね。

2月にはこの像もライトアップされるイベント「十和田湖冬物語」が開催されるはずです。また近くなりましたらご紹介します。


【折々のことば・光太郎】

立派な花はもちろん立派で愉快ですが、僕は又一般に雑草と言はれてゐる草の花が妙に好きで飽く事なく見たり描いたりします。その生活力の旺盛なのも快く思ひます。見てゐると妙に心を引立たせてくれ、落ちつかせてくれ、自分の生活に不思議なたよりを与へてくれます。

散文「『私達の本 第一輯』読後感」より 大正12年(1923) 光太郎41歳

元々江戸下町の庶民階級の出で、さらに終世「自然」を愛した光太郎ならではの言ですね。

昨日、東京オリンピック聖火リレーの詳しいルートが発表されました。来年3月26日(木)から、121日間をかけて日本全国47都道府県を巡るそうですが、光太郎ゆかりの地もコースに入っていました。

特に、青森県。来年6月12日(金)に、十和田湖畔を聖火が走ります。

2020年6月12日(金)
▽むつ市:むつ市イベント広場→下北文化会館(むつ市では、田名部川において、二人乗りボートによる聖火リレーを実施予定)
▽十和田市:市民交流プラザ→現代美術館アート広場
▽三沢市:三沢市立岡三沢小学校→三沢市役所
▽おいらせ町:青森県立百石高等学校→おいらせ町立木内々小学校
▽階上町:小舟渡漁港→はしかみハマの駅あるでぃ~ば
▽十和田市:十和田湖観光交流センター→乙女の像
▽八戸市:蕪嶋神社→館鼻漁港

RAB青森放送さんのローカルニュースから。 

聖火リレー 県内ルート発表(青森県)

東京オリンピックの聖火リレーで県内の詳しいルートが発表されました。県内では14市町村の15区間であわせて36.9キロを聖火ランナーが走ります。聖火リレーのルートは東京オリンピックの大会組織委員会が発表しました。県内では14市町村の15区間であわせて36.9キロを聖火ランナーが走ります。
来年6月11日に県内で最初にスタートするのは弘前市の弘前公園本丸です。

弘前駅に向かう聖火はドコモ弘前駅前店までをリレーします。
続く西目屋村は岩木川目屋渓谷清流公園を出発します。
道の駅「津軽白神」までの2キロで途中、岩木川をカヌーでわたります。
平川市では文化センターから陸上競技場まで2.5キロです。
黒石市ではスポカルイン黒石から御幸公園まで1.6キロ。
つがる市は生涯学習交流センター「松の館」から向陽小学校まで2.1キロとなっています。
五所川原市は立佞武多の館から菊ヶ丘運動公園まで2キロです。
今別町の2・8キロは町役場から青函トンネル入口広場となっています。
11日の最後は青森市の2.5キロです。市役所本庁舎を出発し、到着地の青い海公園では聖火の到着を祝う催しもあります。
翌日12日の最初はむつ市イベント広場を出発し、下北文化会館までの3キロで田名部川を2人乗りのボートでわたります。
続く十和田市は市民交流プラザから現代美術館アート広場まで2.7キロです。
次の三沢市は岡三沢小学校から市役所まで2.9キロとなっています。
続くおいらせ町は2.5キロで百石高校から木内々小学校までです。
次の階上町は小舟渡漁港からはしかみハマの駅「あるでぃ~ば」まで3.5キロです。
聖火ランナーは十和田湖にも向かいます。観光交流センターから乙女の像まで0.9キロを走ります。
最後は八戸市の3.4キロです。蕪嶋(かぶしま)神社を出発します。到着地の館鼻漁港では聖火の到着を祝う催しもあります。

★県実行委員会会長 青山 祐治 副知事
「本県の魅力を国内外に最大限発信できるよう関係者一丸となって来年の聖火リレー本番に向けてしっかり準備していきたい」

聖火は全国858市町村を巡り来年7月24日の開会式で国立競技場の聖火台に灯されます。

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聖火リレー、てっきりすべての区間を人が走って繋ぐものだと思い込んでいましたが、そうではなく、人が走るのは要所要所のみで、あとは車で移動するそうです。

で、十和田湖畔の0.9㌔㍍。出発が十和田湖観光交流センターぷらっと。遊覧船の桟橋近くに平成26年(2014)にオープンした市の施設で、特産のヒメマスや、光太郎、大町桂月などについての展示が為されています(入場無料)。また、昨年には新たに「乙女の像」制作の際に光太郎が使用した彫刻用の回転台、青森ご出身の彫刻家・田村進氏(生前の光太郎をご存じです)制作の光太郎胸像が寄贈されました。手前味噌で恐縮ですが、内部の光太郎に関する説明パネルは当方の執筆です。

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そしてゴールが、光太郎最後の大作「乙女の像」。0.9㌔㍍だそうですが、これは見に行かざあなるめい、と思っております(笑)。


その他、聖火は岩手県花巻市、宮城県女川町などの光太郎ゆかりの地も巡ります。残念ながら智恵子の故郷・福島二本松はスルー。ただ、福島県内では、当会の祖・草野心平ゆかりの川内村やいわき市などを通ります。

また、余談ですが、当方自宅兼事務所のある千葉県香取市も。ただし、こちらは「ランナー」ではなく、旧市街を流れる観光名所の小野川を、昔ながらのサッパ舟(笹葉舟の転訛)と呼ばれる小舟で移動とのこと。いろいろ考えるものですね。千葉県も残念ながら光太郎智恵子ゆかりの犬吠埼九十九里真亀海岸などは通りません。九十九里浜は南北に異様に長く、もう少し南の方は通るようですが。

いろいろ言われている東京オリンピックですが、盛り上がってほしいものです。


【折々のことば・光太郎】

詩人は常に処世法を持たない。処世法は人世のぼかしである。人はこれを性来忌み嫌ひながらこの世に生きるためやむなくこれに馴致させられる。性来嫌ひだといふ事すら忘れ果てる。真の詩人は万人に代つてこれを捨てた人間の見本を生活する。人はこれを見て魂の故郷を感ずる。

散文「長沼重隆著『ホヰツトマン雑考』」より
 昭和7年(1932) 光太郎50歳

「処世法」、たしかに嫌な言葉ですね。

昨日は「第54回十和田湖湖水まつり」の模様をお伝えしましたが、同じく十和田湖でのイベントです。

十和田湖ウオーク2019

期 日   : 2019年7月21日(日
会 場 : スタート・ゴール 十和田湖ウォーク特設会場
                               青森県十和田市奥瀬十和田湖畔休屋486
時 間 : 1周コース(約50㎞) 集合5:30 開会式5:40 スタート6:00
         ファミリーコース(約12㎞) 集合9:50 開会式10:00
料 金 : 大人3,000円  中高生2,000円  小学生1,500円  小学生未満無料

十和田湖の湖畔1周(約50キロ)を踏破するイベント。湖畔の観光名所・休屋を発着点として起伏の多い約50キロに挑む一周コースと、遊覧船で湖上からの景観を楽しんだ後、子ノ口-休屋の約12キロを歩くファミリーコースを実施する。

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ぐるっと十和田湖を1周する「1周コース」(約50キロメートル)、休屋地区から遊覧船で奥入瀬渓流の入り口である子の口まで行き、そこから休屋地区に戻る約12キロメートルの「ファミリーコース」の2本立てだそうです。

1周、ファミリー両コースとも、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ、湖畔休屋地区の特設会場からスタート。ゴール地点も同じ。

これまでもこのイベントは開催されていました(ちなみに昨年は2コースで1,000人以上が参加したそうです)が、光太郎との絡みは無いだろうと思い、紹介せずにいました。しかし今年、フライヤーに「乙女の像」が描かれているのを見て、紹介せねば、と思った次第です(笑)。

ただ、おそらく像のかなり手前にある、冬場に「十和田湖冬物語」会場として使われる広場がスタート/ゴール地点なのでしょう。

参加申し込みは終わっているようですが、こういうイベントもあるんだということで。ことによるとキャンセル等で空きがあるかもしれませんし。

同じく光太郎ゆかりの地・花巻でも、来月「第22回 いわて花巻 イーハトーブの里ツーデーマーチ」が行われます。また近くなりましたらご紹介します。


【折々のことば・光太郎】

一般に岩手県といふと地方の中の地方、田舎の中の田舎のやうに都会の人は考へてゐるやうですが、どういたしまして、その岩手県は美の宝庫のやうなところであると小生は考へてゐます。天然自然に於いてもさう。民衆文化の集積に於てもさう。又現にこの県民一般の美に対する感受性と美に於ける創造性とを考へても、さう思はずにゐられません。

雑纂「岩手県立盛岡美術工芸学校開校式祝辞」より
 
昭和23年(1948) 光太郎66歳

県立美術工芸学校は、現・岩手大学教育学部芸術文化課程造形コースさんです。そこで、多分にリップサービスも入っているような気がしますが、かけていた期待の大きさはこういうものでした。

開校当初の校長は森口多里、教授陣には深沢省三・紅子夫妻、舟越保武、堀江赳などがいました。

過日開催された「第54回十和田湖湖水まつり」の模様が報道されていますのでご紹介します。

まず、青森の地方紙『東奥日報』さん。

十和田湖湖水まつり14日まで/カヌー体験はデートにぴったり?/夜は迫力打ち上げ花火

 十和田湖に夏の訪れを告げる「十和田湖湖水まつり」が13日、青森県十和田市の休屋地区で開幕した。好天に恵まれた初日、観光客が湖畔を巡るツアーやカヌー体験などを満喫。夜は湖上から打ち上げられた花火を楽しんだ。まつりは14日まで。
 汗ばむ陽気になった初日、十和田湖に伝わる物語を聞きガイドと歩く「夏さんぽ」や、占い場を巡るツアー「占い場クルーズ」、十和田ビジターセンターでのクラフト体験、カヌー体験と多彩な催しが繰り広げられた。約1時間、カヌー体験をした東京都の実躍華(じつやくか)ちゃん(4)は「楽しかった。疲れなかったよ」と話した。夏さんぽでは、十和田奥入瀬観光機構の山下晃平さんが、湖に伝わる話を説明しながら十和田神社や乙女の像などのポイントを巡り散策した。
 午後6時から乙女の像がライトアップされ、会場の雰囲気を演出。花火観覧船4隻が運航され、同8時から船上からの打ち上げ花火を楽しんだ。今年は大曲花火大会などで活躍する秋田県大仙市の花火職人が手掛けた大迫力の大輪が湖面を彩った。
 14日はペダルボートレース(午前10時半~)やバルーンアート体験(午後2時~)も予定している。花火は午後8時から打ち上げられる。まつりは実行委員会が主催し、54回目。問い合わせは実行委(電話0176-75-1531)へ。

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続いてRAB青森放送さんのローカルニュース。

2019.8.9 みすず野十和田湖 湖水まつり(青森県)

夏の十和田湖観光の幕開けを告げる「十和田湖 湖水まつり」が始まり、訪れた観光客が湖畔を散策したり花火大会を楽しみました。
「十和田湖 湖水まつり」は十和田湖畔の休屋地区できのう13日開幕しました。
午後から青空が広がった湖畔には多くの観光客が訪れ、乙女の像までの遊歩道を散策したりボートに乗るなどして十和田湖の雄大な自然を満喫していました。
★観光客は
「すごくいいです。自然が豊かで」
「2人とも初めて来たんですけど、すごく透明度が高くてボート乗ったりしたんですけど」
「楽しかったね、きれい、すごくきれいでした。来てよかったです」
日が暮れると恒例の花火大会が開かれました。
ことしは秋田県大仙市の花火師が製作した大型花火など色とりどりの1200発が湖畔の夜空を彩りました。
「十和田湖 湖水まつり」はきょう14日まで開かれ、カヌー体験や夜には花火が打ち上げられます。

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最後に、秋田大曲に本社を置く『北鹿新聞』さん。 

湖上彩る大輪2400発 十和田湖「湖水まつり」 夏観光の幕開け告げる


小坂町と青森県十和田市にまたがる十和田湖
に夏の観光シーズンの幕開けを告げる「湖水まつり」(実行委主催)が13、14の両日、湖畔休屋で開催された。観光客らが湖畔の散策やカヌー体験、湖上花火など、昼夜を通してのイベントを楽しんだ。
 夏の十和田湖の活性化を目的に行われており、今年で54回目。呼び物の湖上花火は、大仙市の花火師による直径300㍍まで花開く10号玉を含め、1日約1200発、2日間で計約2400発が初夏の夜空に打ち上げられた。
 初日の13日は、整備された桟橋前広場や散策路、県境付近の桂ケ浜、「乙女の像」へと続く御前ケ浜などに国内外から訪れた家族連れや、カップルなどが陣取った。
 水面いっぱいに広がる水中花火、豪快な10号玉、スターマインなど数々の仕掛け花火が台船を使って湖上から打ち上げられると、詰めかけた見物客からは大きな歓声。夜空に広がる花火が湖面に反射し、美しさと豪快さを堪能していた。

ご紹介した各社報道、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」に触れて下さり、ありがたく存じます。

夏の観光シーズンとなります。ぜひ十和田湖へも足をお運び下さい。


【折々のことば・光太郎】

一時のやうなばかばかしい褒貶の議論もなくなつて、彼の彫刻はいま一つの静かな歴史的クリテリオムの壇上に立つて、遠い古代に於いてのみならずこの近代の現実に於いても尚ほ人力が人力以上をおもはせる境にまで到り得ることのあかしを示してゐる。

雑纂「「ロダン」後記」より 昭和24年(1929) 光太郎67歳

この年、昭和2年(1927)に刊行された光太郎著の評伝『ロダン』が白玉書房から再刊されることとなり(結局、ポシャりましたが)、そのために書かれた後書きから。

彫刻のみならず美術界全体に多大な影響を与え、いい意味で時代を「席巻」したロダン。毀誉褒貶の嵐は存命中、そして大正6年(1917)に没してからもしばらく続きました。戦後ともなるとほぼほぼその評価も定まり、そのあたりのことを言っているわけです。「クリテリオム」はラテン語で「基準」を表します。

光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ青森県十和田湖の夏の風物詩、「十和田湖湖水まつり」が今年も開催されます。 

例年通り「乙女の像」のライトアップが為されます。

2019.第54回十和田湖湖水まつり

期   日 : 2019年7月13日(土)・14日(日)
場   所 : 十和田湖畔休屋  十和田市十和田湖畔休屋486
時   間 : 9:00~22:00 

十和田湖に夏の観光シーズン幕開けを告げるお祭です。
花火大会では遊覧船が運航し、日中は十和田湖ひめますフェアやちょこっとカヌー体験、十和田湖夏さんぽなどのイベントが行われます。
ご家族、ご友人、カップルで十和田湖湖水まつりをお楽しみ下さい!

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イベント(内容が変わる場合がございます)
 7月13日 (土)
  09:00~19:00  十和田ビジターセンター開館
  09:00~21:00  十和田湖観光交流センター「ぷらっと」開館
  09:00~18:00  クラフト体験
  10:30~12:00  十和田湖夏さんぽ
  11:00~      オリジナルひめます弁当販売   
  11:00~      十和田神社 安全祈願
  11:00~      十和田湖保育園よさこい演舞
  13:00~14:00    ちょこっとカヌー体験
  14:30~15:30     〃
  16:00~17:00    〃
  15:30~17:30  夏さんぽ×占い場クルーズ
  16:00~19:00  地酒利き酒
  18:00~      花火観覧船乗船券販売開始
  18:00~22:00  乙女の像ライトアップ
  18:30~      花火観覧船乗船開始
  20:00~20:40  花火打上

 7月14日 (日)
  09:00~19:00  十和田ビジターセンター開館
  09:00~21:00  十和田湖観光交流センター「ぷらっと」開館
  09:00~18:00  クラフト体験
  10:30~11:30  十和田湖夏さんぽ
  10:30~      ペダルボートレース
  11:00~      オリジナルひめます弁当販売
  13:00~14:00  ちょこっとカヌー体験
  14:30~15:30     〃
  16:00~17:00      〃
  15:30~17:30  夏さんぽ×占い場クルーズ
  16:00~19:00  地酒利き酒
  18:00~      花火観覧船乗車券発売開始
  18:00~22:00  乙女の像ライトアップ
  18:30~      花火観覧船乗船開始
  20:00~20:40  花火打上
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湖畔の十和田湖観光交流センターぷらっとでは、昨年、光太郎に関する展示コーナーをリニューアル。青森在住で生前の光太郎をご存じの彫刻家・田村進氏制作の光太郎胸像、「乙女の像」制作に際し、光太郎が実際に使った彫刻台などの展示が為されています。

ぜひ足をお運び下さい。


【折々のことば・光太郎】

日本製のオートミール其他の類似品は今のところ悪臭があつて口にするに堪へません。オーツの芳香をそのまま保存する方法を考へる人はないか、などと話し合ひました。

アンケート「この頃食卓にあつた話」より 昭和8年(1933) 光太郎51歳

「オーツ」は「クェーカー・オーツ」。現在も残るアメリカ製オートミールのブランドで、光太郎の好物の一つでした。日本製のばったもんは食するにたえず、さりとて輸入物は鮮度が落ちるということで、困っていたようです。

光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」(昭和28年=1953)の立つ、青森十和田市。

過日、ご紹介しました十和田市の劇団「エムズパーティー」さんによるDVD「乙女の像ものがたり 多言語字幕版」を、同劇団主宰の仲島みちるさんからいただきました。深謝です。

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もともとは、十和田湖奥入瀬観光ボランティアの会さんが、平成27年(2015)に刊行された書籍『十和田湖 乙女の像のものがたり』。光太郎の令甥、故・髙村規氏や、当会顧問・北川太一先生、乙女の像設置工事の際の技師だった小山義孝氏などへのインタビューなどから成り、当方も執筆させていただきました。

当方の主な執筆部分は「乙女の像」制作の背景をまとめた「「乙女の像」概説」、さらにそれとは別に「子供にもわかるものを」という注文があり、光太郎を主人公とし、史実を元にしたジュブナイルフィクション「乙女の像のものがたり」も書きました。

平成28年(2016)には、その「乙女の像のものがたり」を換骨奪胎し、十和田市の劇団エムズ・パーティーさんが朗読劇にされて公演、さらに「平成28年度 元気な十和田市づくり市民活動支援事業」の指定を受け、十和田市さんからの助成を受けてDVDを制作なさいました。

さらに、増加するインバウンドの方々向けにということで、今回、「多言語字幕版」が作成されまして、今日、十和田市で完成披露お披露目会が開催されています。

吹き替えで他言語に対応するにはとてつもない人手が必要ですが、字幕であればそうでもなく、いいアイディアですね。ただし、字幕を作成して下さった皆さん、やはりご苦労がいろいろおありだったと思われます。当方、翻訳されることなど全く夢想だにせずして書いたもので(笑)。

英語版は三沢市でALT(外国語指導助手)を勤められているエイダン・モリソンさん、韓国語版で同国の旅行会社に勤務されていたというカン奏子さん、中国語版(繁体字の台湾など向け/簡体字の中国本土向け)を中国で日本語教師や観光ガイドを務められていた立崎ヒロアキさんが担当して下さったそうです。附属のリーフレットもお三方によるものでしょう。

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日本語の字幕もついています。

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字幕の言語指定を切り替えると……。

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ハングル以外は、けっこう「なるほど」という感じです(笑)。

「乙女の像ものがたり」以外にも、「国立公園を楽しむためのルールとマナー」という項もあります。

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文化や生活習慣の違いというのもありますから、こういうことも大事なことですね。ちなみに十和田市さんでは、スマートフォンなどで読み込むQRコードを駆使した観光案内も実施なさっています。

来年、2020年は、東京オリンピック。訪日される外国の方は多いことでしょう。全国の観光地で、このような取り組みが広がってほしいものです。


【折々のことば・光太郎】

まるで鎌いたちのやうに忽然と来て忽然と去つたジヤン コクトウは、しかしいい土産を日本に置いていつた。それは醒めてゐる事の密度の高さをわれわれに印象させてくれた事だ。コクトウに比べるとわれわれはまだ眠たげに見える。まだ十分心身の隅々にまで意識がゆき渡つてゐないかに見える。

散文「某月某日」より 昭和11年(1936) 光太郎54歳

この年訪日した、フランスの詩人ジャン・コクトー。光太郎同様、詩以外にも絵画や小説、脚本、映画監督など、さまざまな分野で足跡を残し、「芸術のデパート」と呼ばれました。そうした部分から、光太郎はひそかにシンパシーを感じていたのかもしれません。ちなみに後にディズニー映画になった「美女と野獣」も、コクトーが最初に映画化しました。その際、来日した折に観た歌舞伎の印象がインスパイアされているという説もあります。

「異文化交流」、大切なことですね。


第63回連翹忌(2019年4月2日(火))の参加者募集中です。詳細はこちら

青森の地方紙『デーリー東北』さんに一昨日載った記事です。  

「十和田かるた」で市内PR 高清水小の児童が初制作

 「俳句日本一」を目指した教育活動を推進している十和田市立高清水小(原田克人校長)の全校児童29人は、観光地や特産品など市内の魅力を詰め込んだ「十和田かるた」を初めて制作した。昨年9月に実施した市内各地を徒歩やバスで巡る学校行事「十和田ウォーク」を通じ、五七五調の読み札と対応する絵札が完成。子どもたちの豊かな感性が際立つ作品となっており、同市の魅力発信に一役買いそうだ。
 同校では、これまで児童が地域や個人的な出来事を作品にしたかるたを制作。本年度は市全体を対象に拡大した。
 絵札には、十和田湖のシンボル「乙女の像」や女流騎手が的を射る「桜流鏑馬やぶさめ」、伝統工芸品の「きみがらスリッパ」「南部裂織」、特産品の「十和田湖ひめます」などが描かれた。
 制作に取り組んだ須田山遥さん(6年)は「な」の読み札を「長芋の とれる畑の 背に紅葉」とし、「ナガイモは市の名産。収穫時には葉が色づくので思いついた」と説明した。
 松田佳大けいた君(同)は「し」を「市役所の 上から見下ろす 空と山」と詠んだ。「展望フロアから見た青と緑の景色がきれいだった」とアピールした。
 原田校長は「子どもたちの感覚には驚かされるばかり。楽しみながら取り組んでいるので良かった」と述べた。
 同校は本年度、かるたを計4セット作り、地元の保育所などに配布。2019年度も増刷し、市の関係機関に配布する予定だ。

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いい話ですね。こういう活動を通じ、上からの押しつけではなく、楽しみながら「郷土愛」といったものが育まれていくのだと思います。

ちなみに「乙女の像」にはどんな句が添えられているのか、気になるところです(笑)。


【折々のことば・光太郎】

日本の古い銘木の緑茶のうまさを何に比べよう。この世の飲みものの中のあらゆる味を思ひ出してもこれに勝るものはない。リキュウル、否。灘の銘酒、否。ブウルゴオニユの古葡萄酒、否。ダアジリンの紅茶、否。それらのものの秀れた味は珠玉のやうだが、なほこの濃緑の奥深さを持つものは断じて無い。
散文「新茶の幻想」より 昭和10年(1935) 光太郎53歳

昭和10年(1935)5月の作。この年の今頃、智恵子がその終焉の地となった南品川ゼームス坂病院に入院しまして、とりあえず光太郎の生活は落ち着きを取り戻した時期です。そこで、紹介した一節の前に、茶が好きだった智恵子の回想が書かれ、末尾には「智恵子は今どうしてゐるだらう。千羽鶴は折れたか、茶の味は忘れたか。」と記されました。

この文章、長らく初出掲載誌が不明でしたが、同年6月30日発行の『週刊朝日』第27巻第31号に掲載を確認しました。

第63回連翹忌(2019年4月2日(火))の参加者募集中です。詳細はこちら

青森十和田発の情報です。状況をわかりやすくするために、まず地方紙『デーリー東北』さんの記事から。  

外国客向けに多言語パンフ製作 十和田の市民団体

 十和田市の市民団体「インバウンド十和田」(米内山和正会長)は、同市の魅力である「観光」や「食」を発信するため、多言語対応のパンフレットとホームページ(HP)、動画をそれぞれ製作した。日本語、英語、韓国語、中国語の簡体字と繁体字の5言語に翻訳。米内山会長は「増加する訪日外国人観光客に日本や十和田の魅力を知ってもらい、経済発展につなげたい」とアピールしている。
 団体は昨年4月に発足。経済の活性化や観光振興、婚活などの事業を展開している。5日、市役所を訪問し、小山田久市長にパンフレットなどの完成を報告。小山田市長は「まちづくりに協力していただきありがたい」と述べた。
 パンフレットなどには、ご当地グルメの「十和田バラ焼き」、特産品の「十和田湖ひめます」やニンニク、ナガイモ、ゴボウ、ネギといった代表的な野菜を掲載。さらに十和田湖や奥入瀬渓流、市現代美術館といった市内の観光地を紹介している。
 製作には、市の「元気な十和田市づくり市民活動支援事業」の補助金を活用。パンフレットは500部作成し、市内の観光施設で配布する。動画は23日午前10時から市民交流プラザ「トワーレ」で開く、完成お披露目会で公開する。HPアドレスはhttps://towada.site/spot.html

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というわけで、その完成お披露目会。  

十和田市の魅力を世界に発信!インバウンド対応 制作物完成お披露目会

期 日 : 2019年2月23日(土)
会 場 : 市民交流プラザトワーレ 多目的研修室 2・3  青森県十和田市 稲生町18-33  
時 間 : 10:00~12:00
料 金 : 無料

インバウンド十和田では、「十和田市の魅力を世界に発信!」と題した十和田市の魅力である「観光」と「食」のコンテンツを1つにまとめ、インバウンド対応(日本語・英語・韓国語・中国語簡体字・中国語繁体字)を施した「パンフレット・WEBページ・動画」の制作を行いました。こちらの完成お披露目発表会を下記日時で開催いたします。
また、同時開催として、劇団エムズパーティーが制作した朗読劇「乙女の像ものがたり多言語字幕版」の完成お披露目会を行います。

【第1部】  (10:00 ~ 10:20) 発表:インバウンド十和田
 十和田市の魅力を世界に発信!
 ・パンフレットの紹介 ・WEBページの紹介 ・動画の公開(英語字幕で公開)
 
【第2部】  (10:20 ~ 11:40)  発表:劇団エムズパーティー
 ・観光マナー動画の公開(英語字幕で公開)
 ・乙女の像ものがたり多言語字幕版の公開(英語字幕で公開)
 
【第3部】 (11:40 ~12:00)
 参加された外国人・翻訳者の方々との意見交換会
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増加するインバウンドの皆さん向けに、他言語版のパンフレッ
トが作成されたそうで、そのお披露目会。ついでに当方原作、劇団エムズ・パーティーの皆さんが演じられた朗読劇「乙女の像ものがたり」のDVDの、こちらも多言語字幕版を上映されるとのこと。

海外の方と、ひとくくりにはできませんが、光太郎をはじめとする「乙女の像」建立に関わった人々のドラマ、どのように受け止められるか興味深いところです。


お近くの方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

冬の季節ほど私に底知れぬ力と、光を包んだ美しさとを感じさせるものはない。満目蕭條といふ形容詞が昔からよく冬の風景を前にして使はれるが、私はその満目蕭條たる風景にこそ実にいきいきした生活力を感じ、心がうたれ、はげまされ、限りない自然の美を見る。

散文「満目蕭條の美」より 昭和7年(1932) 光太郎50歳

こよなく冬を愛した光太郎、「満目蕭條」の語も好みました。戦後になって、花巻郊外太田村の山小屋で蟄居生活を送るようになると、書にしたためたりもしました。

本来、「見渡す限りもの寂しいこと」の意なのですが、まじりけのない、余計なものをすべて削ぎ落とした、といった意味としてとらえ、そこに究極の美を見いだしたのでしょう。

光太郎最期の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のライトアップが行われる「十和田湖冬物語」が開幕しました。

地方紙『東奥日報』さんの記事。 

真冬の十和田湖に彩り/「冬物語」開幕

 真冬の十和田湖をイルミネーションで幻想的に彩る「十和田湖冬物語」が1日、十和田湖畔の特設会場で開幕した。多彩な雪像とイルミネーションで彩られた会場は、記念撮影を楽しむカップルや家族連れでにぎわった。
  オープニングセレモニーで、実行委員会の中村秀行委員長が「会場が盛り上がり、地域活性化につながればと願っている」とあいさつ。小山田久市長らと雪像に点灯した。今年のメイン雪像は「雪龍と龍王」が向かい合う構図で、ライトで照らすと迫力満点の雪像が浮かび上がった。
  この日は天候が荒れ模様で、気温は氷点下6度の冷え込み。雪が降りしきる中でも午後8時すぎ、メインの花火200発が打ち上げられると、冬の夜空に光の輪が鮮やかに映え、来場者から歓声が上がっていた。
  冬物語は24日まで。毎日午後8時から花火200発を打ち上げる。会場にはかまくらBarなどの飲食店が多数並ぶほか、バナナボートなどの雪遊びも楽しめる。
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続いて地方紙『デーリー東北』さん。

銀世界に花火、幻想的な空間十和田湖冬物語が開幕/青森

016 北奥羽地方を代表する雪祭り「十和田湖冬物語」が1日、十和田市の十和田湖畔休屋地区特設会場で開幕した。会場では夜間、ライトアップや花火の打ち上げがあり、幻想的な空間を演出。来場者は彩り豊かな銀世界に魅了されている。24日まで。
  毎年恒例のイベントで21回目。メインステージにある高さ5・4メートル、幅17・4メートルの大雪像「雪龍と龍王」、大小の雪のモニュメントやイルミネーションが来場者を出迎えている。
  会場内では青森、秋田両県の料理が味わえる「雪あかり横丁」、氷のグラスでカクテルが飲める「かまくらバー」が人気。初日から来場者が写真撮影を楽しむなど、寒さに負けずイベントを満喫していた。
  開催時間は平日が午後3~9時、土日祝日が午前11時~午後9時。花火の打ち上げは午後8時から毎日行われる。


同じ『デーリー東北』さんには、こんな記事も。 

「十和田湖冬物語」が2位 行ってみたい冬の絶景スポット/じゃらん調査

 旅行雑誌「じゃらん」を発行するリクルートライフスタイル(東京)が、全国の一般男女を対象に調べた「行ってみたい冬の絶景スポットランキング」で、十和田市のイベント「十和田湖冬物語」が2位に選ばれた。投票者からは花火とイルミネーションが織りなす幻想的な景色を評価する声が多く挙がった。
  調査は昨年12月27日から1月7日までの間、インターネットで実施。全国数十カ所の観光地やイベントの画像を挙げ、行きたい場所を投票(複数選択可)してもらう方式で、10~50代の男女529人が回答した。
  投票者からは「冬の花火と、イルミネーションとのコラボレーションがすてき」という声が多数寄せられた。また、「彩りが鮮やかで楽しそう」「幻想的。これをきっかけに青森に行ってみたい」などの感想があったという。
  実行委事務局・十和田湖国立公園協会の太田勝男事務局長は「地元関係者で作り上げるイベントが上位に入ったことに感激している」と結果を喜ぶ。「冬の十和田湖畔で打ち上げる花火は、澄んだ空気とカルデラの地形により高い音が響く。会場を訪れたからこそ体験できることもあるので、ぜひ多くの人に来てもらいたい」とアピールした。
  1位は新潟県津南町の「つなん雪まつり」(3月8、9日=2019年の本祭チケット売り切れ)だった。
  同社は「上位に選ばれたスポットはライトアップや花火など、雪上を華やかに彩る仕掛けがある」と説明。「冬は空気が澄み渡り、雪明かりがより一層美しく見える。(冬の絶景スポットは)寒さの中に心温まる景色が広がる点も魅力だ」としている。


2月1日(金)、地元の十和田市さん発行の『広報とわだ』には、大きな案内も。

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ぜひ足をお運び下さい。


【折々のことば・光太郎】

人間はただ已み難い自分の世界からのみ進むべきだ。

散文「三陸廻り 五 女川(をながは)港」より
 昭和6年(1931) 光太郎49歳

女川港で、漁船に乗せてもらって漁師さんの仕事ぶりを体験してみようとした光太郎。どの船にも「旦那、何言つてござる」と断られ、素人が乗り込んでも迷惑にしかならないと気づき、浅はかな好奇心を恥じての一言です。

毎年ご紹介している青森県十和田湖畔でのイベントの情報です。 

冬と遊ぼう 十和田湖冬物語2019

開催期間 : 平成31年2月1日(金)~2月24日(日)
時  間 : 平日:15:00~21:00  土日祝日:11:00~21:00
会  場 : 十和田湖畔休屋特設イベント会場 
        青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486番地
問合せ先 : 十和田湖冬物語実行委員会【事務局:(一社)十和田湖国立公園協会】 
        0176-75-2425

内  容 : ゆきあかり横丁/かまくらBar/冬花火/奥入瀬渓流氷瀑ツアー/
       スノーライド/スノーバナナ/
乙女の像ライトアップ
       雪像プロジェクションマッピング/かんじきふっとパス/
       雪のメモリアルフォト/ステージイベント/スノーパーク他

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開幕間近ということで、秋田県の地方紙『北鹿新聞』さん、1月27日(日)の記事。

雪像作り急ピッチ 十和田湖冬物語 2月1日の開幕へ 新企画にPマッピング

013 小坂町と青森県十和田市にまたがる十和田湖の冬を彩るイベント「十和田湖冬物語2019」は2月1日から24日まで、湖畔休屋で行われる。会場では現在、急ピッチで大雪像の制作が進められている。期間中は毎日、約200発の「冬花火」が打ち上げられるほか、新たな試みとして雪像に映し出すプロジェクションマッピングを行うなど、多彩なイベントで冬の十和田湖を満喫してもらう。
  冬物語は両市町の観光関係者でつくる実行委員会が1999年から毎冬、冬期間のにぎわいづくり、活性化を目的に開いている。
  見どころの一つ大雪像のテーマは「雪龍と龍王」。陸上自衛隊八戸駐屯地の隊員たちが15日に制作を開始し、連日約30人が作業に奮闘。現場には足場が組まれ、現在は彫り込み作業が行われている。完成後の大きさは高さ5・4㍍、幅18・6㍍になる見通し。今年は大雪像のほかに、プロジェクションマッピング用の雪像も作っている。
  隊長付の北谷水輝さん(34)は「自衛隊として協力や支援ができればと思っている。多くの来場者に楽しんでもらいたい」と話している。
  期間中のイベントとして、夜空に打ち上げられる冬花火は午後8時から5分間、約200発を計画。会場入り口では約3万個の発光ダイオード(LED)電球を使った光のゲート、トンネル、ツリーなどが点灯する。乙女の像のライトアップも行われる。
  両県の郷土料理を集めた「雪あかり横丁」では9店舗が並ぶ。十和田湖の県境画定10年を記念して両県の地酒を楽しめるコーナーもある。アルコールを味わえる「かまくらBar・酒かま蔵」も登場する。
  このほか、毎週末にステージイベントを実施するほか、会場ではものづくり工房やかまくら、すべり台などの雪遊びコーナー、雪上自転車体験などもあり、カップルや家族連れで楽しめそうだ。
  実行委によると、昨年は約23万5000人が来場した。「十和田湖の真っ白な雪を楽しみながら、遊びにきてください」と呼び掛けている。
  開催時間は、平日が午後3時~同9時、土日祝日は午前11時~午後9時まで。
  問い合わせは、十和田湖国立公園協会の実行委(電話0176・75・2425)。


例年通り、光太郎最期の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のライトアップが行われます。当方、平成26年(2014)昨年の2回、お邪魔しました。比較的温暖な気候の房総に住んでいる身にとっては、さながら異次元空間(笑)。とにかく寒いのと、豪雪を逆手にとって楽しんでしまおうという、活気溢れるイベントです。

ぜひ足をお運び下さい。


【折々のことば・光太郎】

ノーネクタイ倶楽部の出現は遅蒔ながら結構だ。私は十数年来、この湿熱の日本の夏には洋服を着ずに居る。北緯五十度がらみの欧洲で発達した服装をそのまま長い間日本で適用してゐたのは不思議である。社会的必要から盛夏の候に西洋人なみに洋服を着てゐる日本の男性を見ると気の毒の感に堪へない。
散文「トウキヤウ スタイル」より 昭和6年(1931) 光太郎49歳

とにかく夏の暑さに弱く、冬の寒さを愛した光太郎ならではの言です。光太郎、十和田湖冬物語会場に行ったら、大喜びしてしまうのではないでしょうか(笑)。光太郎の好きだった地酒コーナーもありますし(笑)。

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