カテゴリ:音楽/演劇等 > 音楽

「智恵子抄」系の公演を2件ご紹介します。

まずもうすぐ開催の朗読会、青森発です。

第18回 リオンの朗読会

期 日 : 2026年5月16日(土)
会 場 : 八戸ポータルミュージアムはっち 2Fギャラリー2 青森県八戸市三日町11-1
時 間 : 14:00~16:00
料 金 : 無料
問 合 : リオンの会  090-7335-7552

<朗読作品>
 ・「赤い船」小川未明 作
 ・「智恵子抄」高村光太郎 作
 ・竹取物語より「命がけでにぎりしめたのに・・・」
 ・南部昔コ集より「貧乏神ど福の神様」
 ・日本昔話より「かっぱのおたから」  ほか

「リオンの会」さん、八戸を拠点に老健施設や親子を対象にした絵本の読み聞かせなどを行っているグループで、令和4年(2022)には公益社団法人読書推進運動協議会さんから全国優良読書グループ表彰を受けられたそうです。

続いて、コンサート情報は千葉県から。

潮見佳世乃歌物語コンサート 千葉開府900年記念「羽衣伝説・智恵子抄」

期 日 : 2026年5月24日(日)
会 場 : 千葉市文化センター 千葉市中央区中央2-5-1
時 間 : 開場14:00 開演14:30
料 金 : 前売 4,500円 当日 5,000円

出 演 : 
 潮見佳世乃(歌と語りと鳴り物) TATOO(ピアノ) 大河内淳矢(尺八)
 市川慎(箏・十七絃)
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歌物語は、潮見佳世乃の父、高岡良樹が創りだした、文学、演劇、音楽を融合させたこれまでにないジャンルです。琵琶法師や浄瑠璃など、物語を語る先人たちの伝統を引き継ぎながら、創作した物語に演劇的要素と音楽を取り入れ、奏でる音楽は、ジャズ、フォーク、ポップスなどをアレンジしたもの。音楽芸能のシーンに独自な世界観を切り開いています。

羽衣伝説
 天から池田の里に降りてきた天女と千葉常将のラブストーリー。羽衣伝説は全国にありますが、千葉の羽衣伝説は、時の権力者が登場する珍しい物語。千葉市の礎を築いた千葉氏にまつわる伝説です。千葉氏と妙見信仰との関わりも登場します。今年は千葉開府900年。千葉の繁栄を祈り、歌い語ります。

智恵子抄
 詩人高村光太郎が、妻智恵子について、結婚前からの30年間にわたり綴った詩や散文をまとめた智恵子抄。この書は、映画や小説などさまざまなカタチで作品化されました。精神を患った智恵子は、家族が暮らす九十九里浜で療養生活を送りますが、回復せず、光太郎を残し逝ってしまいます。
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連翹忌の集いにもいらして下さったことがおありの潮見佳世乃さん。ジャズ系シンガーであらせられますが、お父さまでシンガーソングライターの故・高岡良樹氏が作り上げられた「歌物語」というジャンルを引き継がれてのステージもなさっています。レパートリー的には「遠野物語」「おこりじぞう」「伊能忠敬物語」など。そして「智恵子抄」も。

何だかんだでこれまでに4回拝聴しました。

潮見佳世乃さん「歌物語コンサート「智恵子抄」」。
神奈川・静岡レポート その3 「潮見佳世乃起雲閣コンサート 歌物語×JAZZ」。
潮見佳世乃歌物語コンサート「智恵子抄・羽衣伝説」レポート。
潮見佳世乃 CD発売記念LIVE 歌物語✖️JAZZレポート。

恐縮ですが招待券を頂いてしまっており、参上いたします。

八戸の朗読と併せ、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 2 『高村光太郎詩集』世新潮文庫 

昭和25年(1950)11月20日 新潮社 伊藤信吉編  
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目次

 道程
  失はれたるモナ・リザ 寂寥 新綠の毒素 癈頽者より 地上のモナ・リザ
  或る夜のこころ 犬吠の太郎 郊外の人に 冬の詩 牛 群集に 秋の祈
 『道程』以後
  晴れゆく空 無爲の白日 丸善工場の女工達 雨にうたるるカテドラル 沙漠 
  米久の晩餐 ラコッチイマアチ 落葉を浴びて立つ 冬の送別 鉄を愛す 真夜中の洗濯
  車中のロダン 後庭のロダン クリスマスの夜
 ぼろぼろな駝鳥
  象の銀行 白熊 苛察 狂奔する牛 冬の奴 火星が出てゐる 花下仙人に遇ふ
  ぼろぼろな駝鳥 もう一つの自轉するもの 当然事 上州湯檜曾風景
  上州川古「さくさん」風景 似顔 非ヨオロツパ的なる 村山槐多 ばけもの屋敷
  何をまだ指してゐるのだ 首の座 刄物を硏ぐ人 冬の言葉 晴天に醉ふ
  
つゆの夜ふけに
 智恵子抄
  樹下の二人 夜の二人 あどけない話 同棲同類 風にのる智惠子 千鳥と遊ぶ智惠子
  値ひがたき智惠子 山麓の二人 レモン哀歌 亡き人に 梅酒
 「智惠子抄」その後(抄)
  元素智惠子 メトロポオル 案内 
 山林
  典型 山荒れる 鈍牛の言葉
 「暗愚小傳」(抄)
  パリ 親不孝 デカダン 美に生きる おそろしい空虛 ロマン ロラン 報告 山林
 解説・伊藤信吉

またやらかしまして、紹介する順番を誤りました。「選集等(単独)」の項、2番目に位置すべきものでした。

伊藤信吉の編集になりますが、伊藤を指名・推薦したのは光太郎自身でした。

新潮文庫といふのは小さな薄い書物のやうですが、小生はもともとたくさん詩作をしてゐないので、御選択次第でこれでも十分なのではないかとも考へられますし、大衆性といふやうな事は考へないでもいいと思ひますので、(どうせ小生のものには一般性はないやうに思はれます)、貴下さへイヤだと思はれなかつたら、編集して下さればありがたいと存じます(昭和25年=1950 5月28日 伊藤信吉宛書簡より)

昭和35年(1960)頃の版から光太郎彫刻「手」の写真を使ったカバーがかけられるようになりました。また、昭和43年(1968)には改版となり、一部収録詩の入れ替えが行われています。手持ちのものは昭和51年(1976)の第46版です。現在の版はカバーが智恵子紙絵となり、活字サイズが一回り大きくなっています。
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明日以降何日間か、これから開催されるイベント等の紹介を致しますが、その前にそうした形で事前に紹介できず、終わってしまったものについて。記録のためにも紹介しておきます。

まず、4月18日(土)に新宿区の音楽の友ホールさんで開催された「バーゼル国際歌曲コンクール2026 ファイナル」。
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ピアノ、ヴァイオリン、声楽、フルート、ハープの5部門から成る「バーゼル国際音楽コンクール」の声楽部門で、国籍学籍不問、プロアマ不問、若手声楽家の登竜門的なもののようです。
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一次審査、二次審査はYouTubeだそうで、これも時代の流れかなと思いました。最近はそれが一般的なのでしょうか。ファイナルのみが会場審査で、4月18日(土)に音楽の友ホールさんで開催されました。

ちなみに審査員のお一人、テノールの樋口達哉氏は智恵子の故郷・二本松市のご出身で同市の観光大使も務められていて、故・湯浅譲二氏作曲の「二本松市民の歌」なども歌われていますし、平成31年(2019)に同市で開催された「2019全国さくらシンポジウムin二本松~ ほんとの空に さくら舞う ~」などにもご出演なさっていました。

本選では時間が割り当てられるのでしょう、12名の各出場者が3曲から5曲を歌って審査に臨んでいました。

で、結果が以下の通り。敬称略ですみません。

 第1位   Geng LI (LEE) バリトン  中国
 第2位   川出康平 Kohei KAWADE  テノール  日本
 第3位   三神祐太郎 Yutaro MIKAMI バリトン 日本 
     Jana CVETKOVIC メゾソプラノ セルビア
 第4位   Juhyung Kim  バリトン  韓国
 第5位   郭冬家 GUO Dongjia  テノール 中国
 第6位   Elena Xanthoudakis  ソプラノ  オーストラリア 
 聴衆賞  Jana CVETKOVIC メゾソプラノ  セルビア
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このうちみごと第2位に輝かれた川出康平氏、演奏曲目が以下の通りでした。

 ・R.Strauss:“Heimliche Aufforderung”(リヒャルト・シュトラウス:“密やかな誘い”)
 ・R.Strauss:“Morgen!”(リヒャルト・シュトラウス:“明日に!”)
 ・O.Respighi:“Nevicata”(レスピーギ:“雪”)
 ・別宮貞雄:歌曲集「智恵子抄」より“人に”

国際コンクールですので(そうでなくてもそうかもしれませんが)、外国曲が3曲、そして故・別宮貞雄氏の歌曲集「智恵子抄」から「人に」。まさか樋口氏と二本松の関係から印象をよくしようとして選曲したというようなセコい意図はなかったはずですが(笑)、その偶然に驚きました。

別宮氏の「智恵子抄」、テノールの紀野洋孝氏が積極的に取り上げられ、さまざまな機会で歌われたり、CDに組み入れたりされています。また、他の声楽家の方もぽつりぽつり、毎年のようにどこかしらで歌われている感じです。

事前に曲目がわかっていれば、ぜひ聴きに行きたいところでした。

惜しくもグランプリは逃された川出氏ですが、「プロフェッショナル歌曲賞」も受賞、さらに川出氏の伴奏を務められたピアノの吉本有佑氏は「伴奏者賞」でした。

今後のさらなるご活躍に期待いたしますし、別宮氏の「智恵子抄」もどんどん取り上げていただきたいものです。

もう1件。5月9日(土)に世田谷区の三茶しゃれなあどホールさんで「朗読とお話 宮静枝の詩に投影された高村光太郎の戦後」というイベントが開催されたとのことです。世田谷区さんの広報誌で事前に小さく紹介が出ていましたが、気づきませんでした。
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気づいたのは、デザイナーの宮白羊氏のX(旧ツイッター)投稿で、当日でした。
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「父」というのが、写真家のみやこうせい氏(本名・宮暠成氏)です。

イベント標題にある「宮静枝」がこうせい氏のお母さま。岩手江刺の出身で、昭和26年(1951)秋に、花巻郊外太田村の光太郎の山小屋を訪れ、その時の体験を元に、平成4年(1992)、『詩集 山荘 光太郎残影』を上梓、第33回晩翠賞に輝いています。同書はまるっと一冊、光太郎を語った詩集で、実に多くの啓示を与えてくれるものでした。
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昭和26年(1951)11月11日の光太郎日記。

盛岡より宮静枝さん、甥(千葉氏)の人と子供二人つれてくる、新小屋。ライカにて撮影いろいろ、宮さんにカーテンぬつてもらふ。

「子供二人」にこうせい氏も含まれていますし、「ライカにて撮影」された写真が『詩集 山荘 光太郎残影』に14葉掲載され、そこにはこうせい氏も写っています。
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おそらくこうせい氏、この日の出来事などを語られたのでしょう。また、他の方々が『詩集 山荘 光太郎残影』から朗読をなさったのだと思われます。

下記は同書の復刻版を扱っているユニコ舎さんのX(旧ツイッター)投稿。
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これも事前に知っていたら、万難を排して駆けつけたのですが……。

『詩集 山荘 光太郎残影』、ぜひお買い求め下さい。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 10 『現代日本名詩選 道程・典型』

昭和28年(1953)3月10日 筑摩書房 高村光太郎著
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目次
 道程
  一九一〇年
   失はれたるモナ・リザ 生けるもの 根付の国
  一九一一年
   画室の夜 熊の毛皮 人形町 甘栗 庭の小鳥 亡命者 鳩 食後の酒 寂寥 声 風
   新緑の毒素 廃頽者より 「河内屋与兵衛」 髪を洗ふ女 「心中宵庚申」 夏
   なまけもの 手 金秤 はかなごと めくり暦 地上のモナ・リザ 葛根湯 夜半
   けもの あつき日 父の顔 泥七宝 ビフテキの皿
  一九一二年
   青い葉が出ても 赤鬚さん あをい雨 友の妻 ――に 夏の夜の食慾
   或る夜のこころ おそれ 犬吠の太郎 さびしきみち カフエにて 梟の族 冬が来る
   カフエにて 或る宵 夜 狂者の詩 郊外の人に 冬の朝のめざめ カフエにて
   師走十日 戦闘
  一九一三年
   人に カフエにて 深夜の雪 人類の泉 山 よろこびを告ぐ 現実 冬が来た
   冬の詩 牛 僕等
  一九一四年
   道程 愛の嘆美 群集に 婚姻の栄誦 万物と共に踊る 瀕死の人に与ふ 晩餐
   五月の土壌 淫心 秋の祈
 典型
 序
 雪白く積めり 
 暗愚小伝
    家
   土下座 ちよんまげ 郡司大尉 日清戦争 御前彫刻 建艦費 楠公銅像
  転調
   彫刻一途 パリ
  反逆
   親不孝 デカダン
  蟄居
   美に生きる おそろしい空虚
  二律背反
   協力会議 真珠湾の日 ロマン ロラン 暗愚 終戦
  炉辺
   報告 山林
 「ブランデンブルグ」 脱卻の歌 人体飢餓 東洋的新次元 おれの詩 悪婦 山荒れる
 月にぬれた手 鈍牛の言葉 典型 
 田園小詩
  山菜ミヅ 山のひろば 山口部落 かくしねんぶつ クロツグミ クチバミ 別天地
  岩手の人 山からの贈物 この年 
 年譜
 解説 中山義秀

第一詩集『道程』(大正3年=1914)と、結局は生前最後の詩集となる『典型』(昭和25年=1950)を一冊にまとめたものです。

やはり光太郎の山小屋を訪れたこともある中山義秀の解説が秀逸です。

昨日は都下多摩市の聖蹟桜ヶ丘に足を運んでおりました。今年の連翹忌の集いに際し、ご案内いただいた「多摩ファミリーシンガーズ演奏会 はじまりの場所から未来へ」拝聴のためでした。

まったく個人的なことになりますが、亡父がノンキャリアの国家公務員で本省勤務のない地方局回りだったため、半世紀以上前、近く(といっても数キロ離れていますが)に4年半ほど住んで居りました。しかし機会もなくそのあたりを再訪したことがこれまでありませんでした。そこで演奏会にお邪魔する前に、懐かしさに駆られてかつて住んでいたあたりを散策。

半世紀以上前にも流れていた小川。護岸工事が為されていましたが、暗渠にするわけでもなく健在。なんとカルガモの親子がすーいすい(笑)。
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現在はがっつり住宅地になっていますが、自分が暮らしていた頃は田んぼが広がっていた一角でした。この川から水を引いていた用水路でザリガニやドジョウ、タニシなどを掴まえていた記憶があります。森にはミヤマクワガタなどもいました。

多摩川べりの住んでいた家を含め十数棟あった官舎はすべて無くなり、高層マンションになっていました。

1年間通った幼稚園と、3年生の途中まで在籍した小学校。小学校の方は自分が通学していた頃あった木造校舎は無くなっていましたが、幼稚園の方は当時の建物だったのでびっくりしました。
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ちなみに小学校の校歌歌詞には「桜ヶ丘の聖蹟やー」という一節がありました。

というわけで聖蹟桜ヶ丘駅前の、関戸公民館さん。8階がコンサート会場でした。
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ホール入り口にはNHKさんの「おかあさんといっしょ」でうたのおにいさんを務められた坂田おさむ氏からの花。今回、坂田氏作曲の楽曲も演奏されるということで。
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主宰の髙山佳子氏。
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このところ毎年、当会主催の連翹忌の集いにご参加下さっています。以前から他の連翹忌ご常連の藤原歌劇団・本宮寛子氏などと音楽繋がりで交流がおありだったそうですし、宮沢賢治作品を取り上げたりで、そちらのご関係も。

プログラムは2部構成。第一部は合唱。
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東日本大震災後の平成24年(2012)に初演された「ほんとの空」が演奏され、それを聴きたいがために伺った次第です。

作詞は福島郡山ご在住の後藤基宗子氏、作曲は髙山氏が「たま・みゆき」のペンネームで。
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光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語をタイトルに、「阿多多羅山(安達太良山)」も謳い込まれています。髙山氏から頂いたCDで拝聴していたのですが、生の演奏は初めてでした。

合唱は、下は小学1年生から上はOG、賛助出演という方々の大人の皆さんまでで、曲によって人数が変わりましたが最大20数名(1曲だけ、客席からさらにOGの方々が10名ほどステージに上がって加わった曲もありましたが)。基本、女声合唱でした。「児童合唱」と謳われていますが、かなりのレベルでその意味では舌を巻かされました。

合間に髙山氏や大人の出演者の方によるMCで曲紹介など。飽きさせない工夫が為されていました。高野辰之作詞の「春の小川」が、元々の文語体から口語体に歌詞が改変されているというお話など「へー」という感じでした。

第二部はおなじみの昔話をミュージカル仕立てで。
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それぞれの昔話をモチーフとした既存の童謡も歌われましたが、それ以外の部分は髙山氏の作曲だったのでしょう。

第一部では緊張気味だった子供たちも、第二部では実にのびのびと。楽しみながら演じているのが伝わってきて、好感が持てました。小学校高学年以上は代わる代わるソロで歌う場面もありましたが、その技倆もなかなかのものでした。

なんやかやで様々なジャンルのプロフェッショナルの演奏を日頃から聴き、最近は自分でもプロデュース的なこともやらせていただいていますが、久々に聴いた児童合唱、違った意味で心が洗われました。

アンコールも終わった終演後と、さらにホワイエで帰る聴衆を見送りつつ歌う団員の皆さん。
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右画像の右端に髙山氏。少しお話をさせていただいて帰りました。

多摩ファミリーシンガーズさん、来年は50周年だそうで、一人の指導者が50年というのも実に稀なケースとのこと。ただ、少子化の影響は避けがたく、昔は120名とかの大所帯だったそうですが、現在は前述の通りOGや賛助という方を含めて20数名。それでもそれならそれでやりようはあるわけで、今後ともさらなるご活躍を祈念いたします。

幸い、キャパ250席ほどのホールはほぼ満席。出演者の関係者も少なくはないのでしょうが、それ以外の固定ファン的な感じの方々が多かったように思われました。

こうした小さな(というと失礼かも知れませんが)文化の灯り、消してはならないと思います。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)31 『日本の詩歌』毎日ライブラリー 

昭和29年(1954)4月5日 毎日新聞社 高村光太郎編
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目次
 日本詩歌の特質 高村光太郎   日本の詩歌の系譜 吉田精一
 現代詩概観 三好達治      近代短歌 木俣修
 近代俳句 加藤楸邨       あとがき 毎日新聞社図書編集部
 年表              索引

光太郎編となっていますが、実際に編集実務を担ったのは版元の毎日新聞社図書編集部であることが「あとがき」によってわかります。

光太郎の「日本詩歌の特質」は、この年の1月27日~30日にかけて『毎日新聞』に連載されたものです。

4月22日(水)、第116回碌山忌のため安曇野市の碌山美術館さんにお邪魔しましたが、そちらに着く前の寄り道について。

信州、それから隣接し、こちらからの通り道にもなる甲州には、光太郎智恵子ゆかりの人物の記念館等や、光太郎智恵子の作品を所蔵・展示して下さっている美術館等がかなりあり、碌山美術館さんに足を運ぶ際にはそれらにも立ち寄るのがルーティンでして、それがまた一つの楽しみになっています。

今年立ち寄ったのは、長野市信里(のぶさと)地区の小山清茂記念展示室。同地出身の作曲家・小山清茂(大正3年=1914~平成21年=2009)を顕彰する施設です。
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清茂には光太郎詩に作曲した「樹下の二人」という曲があります。昭和50年(1975)の作品で、箏曲です。奏者が箏を弾きながら「あれが阿多多羅山……」と語るスタイル。歌うというよりは語る感じです。箏曲奏者の友渕のりえ氏による委嘱作品で、全音楽譜出版さんから楽譜が公刊され、友渕氏のCD「日本の唄 友渕のりえの世界」(平成3年=1991)に収められています。
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その後も箏曲奏者の方々に時折取り上げられ、下野戸亜弓氏の2種類のCD「下野戸亜弓箏曲リサイタル2005」(平成17年=2005)、「万葉の恋歌 箏歌<KotoUta>をうたう」(平成25年=2013)にも収められています。

演奏会でも、最近ですと朝香麻美子氏が平成29年(2017)に都内の紀尾井ホールさんで開催された「箏・三弦リサイタル ~女性のあり方をよむ~」で取り上げて下さいました。

それから、浜根由香氏。平成26年(2014)に、東日本大震災の復興支援ということもあり、津波被害の大きかった福島県南相馬市で開催された「浜根由香 東北を謳う」というコンサートでこの曲も演奏して下さいました。その際は拝聴に伺い、浜根氏とお話しさせていただきましたし、後日発行されたライブ録音のCDも送っていただきました。ところが浜根氏、ほどなく平成28年(2016)にまだお若くして急逝。報せを受けて絶句しました……。

その「樹下の二人」作曲者の小山清茂の記念室が長野市にあるということで、参上。ちなみに小山清茂、当方と戦国時代まで遡ればつながるであろう遠い遠い親戚のようです。当方、死んだ父親は信州上田の出身で、先祖は真田氏と同じ滋野一党の国衆末席。天文年間の武田氏の信州侵攻に伴って居城を落とされ、そのまま真田もろとも武田の配下に入りましたが、一族の一部は武田と対立していた村上義清を頼って北上、村上義清は上杉と与しました。おそらく地理的に見て清茂の先祖はそちらの一派と思われます。

さて、小山清茂記念展示室。篠ノ井村山健康スポーツセンターさんの中に設けられていて、長野市のとっぱずれというわけでもありませんが、そこそこの山の中でした。我らの先祖も参戦したであろう川中島の古戦場もそう遠くない場所です。

附近はこんな風景。いかにも山里といった感じでした。
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そして篠ノ井村山健康スポーツセンターさん。
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玄関を入ってすぐ左が記念展示室でした。
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元は同じ建物の別の部屋だったそうですが、現在は広い会議室的な部屋の一角をアコーディオンカーテンなどで仕切り、普段は施錠しています。
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アコーディオンカーテン向かい側の壁には、やはりこのあたり出身の漫画家・岡村延博氏の描いた清茂。
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解錠していただいて、中へ。
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所狭しとばかりに遺品や写真、楽譜、レコードなど。

あまり期待していなかったのですが「樹下の二人」関連もあり(同曲、代表作というほどではないので)、「おお!」でした。

まず直筆の楽譜。
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作曲を委嘱した箏曲奏者・友渕のりえ氏の色紙。
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友渕氏、おそらく平成28年(2016)の開室に際して協力されたのでしょう。その前年の揮毫です。

年譜にも「樹下の二人」作曲が記載されていました。
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思わず「ぷっ」と吹きだしたのがこちら。
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清茂が作曲した地元の鬼無里中学校さんの校歌をプリントしたタペストリーですが、作詞が……
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何と当会の祖・草野心平でした(笑)。これは存じませんでした。

ちなみに鬼の無い里と書いて「きなさ」と読みますが、旧鬼無里村は山一つ越えたところで、現在は長野市に編入されています。鬼無里中学校さん、今年度限りで閉校だそうで……。そうなるとこのコンビによる校歌も無くなってしまうわけでしょうから、残念です。下記は同校サイトから。
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帰ってから調べたところ、心平・清茂コンビの校歌は他にもけっこうあり、平成25年(2013)に夏の全国高校野球を制した群馬の前橋育英高校さんのそれもそうでした。となると、甲子園球場にこのコンビの手になる校歌がガンガン流されていたのですね。気づいていませんでした。


そうして小山清茂記念展示室をあとに、碌山美術館さんへと向かいました。ここで昨日の「信州レポート その1 第116回碌山忌。」につながります。

今回は自宅兼事務所隣町の成田市から圏央道→関越道→上信越道と乗り継いで長野市の小山清茂記念展示室、そして更埴市から長野道に入って安曇野碌山美術館さん。帰りは長野道→中央道→首都高→東関道で帰りました。1都7県を走破し、我ながらよくやるよ、です(笑)。さすがに疲れて昨日は、朝5時に猫に起こされて餌やりをしてから二度寝。そのためブログの更新が遅れました(笑)。

これに懲りずに甲信方面に行く際にはさらなるスポット拝観を続けるつもりで居ります。まだまだ行くべきところが残されていますので。

以上、信州レポートを終わります。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)28 『世界美術全集 第17巻 ルネサンスⅡ 西洋十六世紀』 

昭和26年(1951)3月25日 平凡社 下中弥三郎編
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目次
 ルネサンスの偉大と頽廃
 イタリアの美術
  イタリア美術総説 イタリアの建築 イタリアの彫刻 レオナルド・ダ・ヴィンチ
  ミケランジェロ・ブオナローティ ラファエルロ・サンツィオ
  フィレンツェ画派とシエナ画派 北イタリア画派 ヴェネツィア画派 イタリアの工芸
 スペインの美術
 フランスの美術
 ネーデルランドの美術
 イギリスの美術
 ドイツの美術
 図版
  原色版 一六図 グラビア版 一四八図 本文挿図 二四三図
 参照地図
 図版解説
 年表
 参考書目録
 挿図目録
 図版目録

光太郎はこのシリーズ5冊に寄稿しましたが、この巻がその分量が最も多く、ミケランジェロの項はほぼ光太郎の筆になるものです。

「ミケランジェロ・ブオナローティ」及び「図版解説」中の「2 アダムとエバの楽園追放」「4 サン ピエトロ寺のクーポラ」「24 スカラの聖母」「25 ピエタ」「26 奴隷(部分)」「27 ダビデ(頭部)」「28 モーセ(部分)」「29 聖母子」「30 朝」「32 夕」「34 ロンダニー二のピエタ」「35 ブルタス胸像」「56 システィーナ礼拝堂天井画」「57 アダムの創造」「59 エレミヤの右の裸像」「60 人体デッサン」「61 顔デッサン」「62 キリスト(「最後の晩餐」中央像)」です。

近々開催の公演で、合唱とミュージカルだそうです。

はじまりの場所から未来へ

期 日 : 2026年4月26日(日)
会 場 : 多摩市立関戸公民館ヴィータホール 東京都多摩市関戸四丁目72番地
時 間 : 13:30開場 14:00開演
料 金 : 大人 1,500円 高校生以下 1,000円

指揮・構成 : 髙山佳子
出 演 : 多摩ファミリーシンガーズ 穂積浩子 堀川法子(Pf)

第一部
 ぼくらはうたう ゆかいに歩けば 夜明けの馬 ほんとの空 おさんぽたんけんたい
 のびろ竹の子 他
第二部
 おとぎばなしファンタジー むかしむかし物語

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タウン紙『タウンニュース』さん多摩版に予告記事が出ていました。

多摩ファミリーシンガーズ 歌と芝居のステージ 26日、関戸公民館〈多摩市〉

 多摩市を拠点に活動する児童合唱団・多摩ファミリーシンガーズ(高山佳子代表)による演奏会「はじまりの場所から未来へ」が4月26日(日)、関戸公民館ヴィータホールで開催される。午後2時開演(1時30分開場)。
 1977年に発足、来年50周年を迎えることから、子どもたちが考えた未来に向かう舞台を披露する。
 第1部は3・11東日本大震災にちなんだ「ほんとの空」のほか、「ぼくらはうたう」「ゆかいに歩けば」「夜明けの馬」などを歌う。
 第2部では「おとぎばなしファンタジー むかしむかし物語」と題して、小さな子どもたちも知っているような桃太郎や浦島太郎、サルカニ合戦、花咲かじいさん、舌切りすずめといった昔話を演じる=写真。
 高山代表は「50年指導を続け子どもたちがそれぞれ社会への意識を持って歌い続けてくれた。これからの日本を作っていく新しい力になってくれることを願っています」と話している。
 入場料は大人1500円、高校生以下1000円(全席自由)。チケットの申込み・問合せは多摩ファミリーシンガーズ事務局【電話】042・375・8558。
団員募集
 現在、同合唱団では団員を募集している。5歳から15歳までの男女児童生徒。ジュニア・ミドルクラス(年少〜小3)、シンガーズクラス(小4〜高3)。練習日は毎週土曜日午後1時30分〜5時、第2水曜日午後3時〜5時(小学生以下)、練習会場は関・一つむぎ館ほか。見学・体験会日は毎週土曜日(午後2時〜3時30分)。事前申込み(メールinfo@tamasingers.org)。
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第一部で演奏される「ほんとの空」。『タウンニュース』さんにあるとおり、東日本大震災後にその復興支援のため作られた合唱曲です。震災から15年ということで、今回のプログラムに入れられてのではないかと思われます。

作詞は後藤基宗子氏、作曲は多摩ファミリーシンガーズさんを主宰され、ご指導や今回の演奏会でも指揮を務められる髙山佳子氏。「たま・みゆき」のペンネームで作曲されています。
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言わずもがなですが「ほんとの空」の語は光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来。歌詞には「あどけない話」にも謳われる「阿多多羅山(安達太良山)」が謳い込まれています。

震災翌年の平成24年(2012)に東京府中の森劇場さんで開催された社団法人日本童謡協会さんの「子どものコーラス展」で初演。翌平成25年(2013)には、智恵子の故郷・福島二本松、それも智恵子生家/智恵子記念館近くの安達文化ホールさんで行われた「東日本大震災復興支援コンサート ほほえみをあなたに」で演奏されました。その後、作曲者の髙山氏から楽譜とCDをいただき、そちらで拝聴しましたが、生の演奏は聴いたことがありません。

髙山氏、このところ毎年連翹忌の集いにご参加下さっていて、今回のフライヤーもその折にいただき、参会の皆様などにお配りいたしました。

こりゃ行かざぁなるめい、ということで、拝聴に伺います。個人的に、開場の関戸公民館さんのある聖蹟桜ヶ丘近くに半世紀以上前ですが3年半ほど住んでいたことがありまして、旧居附近、母校など歩いてこようかとも思っております。

閑話休題、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)25 『世界美術全集 第24巻 西洋十九世紀Ⅲ』 

昭和25年(1950)5月30日 平凡社 齋藤道太郎編
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目次
 総論
 十九世紀後半の芸術思潮
 建築
  近代建築様式の黎明
 彫刻
  ロダン《フランス》  バルトロメ《フランス》 
  ドガ、ルノアル、ゴーガンの彫刻《フランス》  ベルギーの彫刻家たち《ベルギー》
  ヒルデブラントとその周囲《ドイツ》
 絵画
  新印象主義《フランス》  ポール・セザンヌ《フランス》
  オーギュスト・ルノアル《フランス》  ポール・ゴーガン《フランス》
  オディロン・ルドン《フランス》
  ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、モロー、カリエール、ラファエリ、コッテなど 《フランス》
  ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ《オランダ》  ドイツにおける理想主義の間奏曲《ドイツ》
  ジェームス・アンソール《ベルギー》  スイスの絵画《スイス》
  ジョヴァンニ・セガンティーニ《イタリア》
 工芸
  近代工芸運動とその発展
 図版
  原色版 一八図  グラビア版 一四二図
 本文挿画 二五三図
 参照地図
 図版解説
 年表
 参考書目録
 挿図目録
 図版目録

光太郎は「図版解説」中のいずれもロダン彫刻「10 考える人」「17 姉と弟」を担当しています。

このシリーズでは光太郎、五冊にわたって同じく「図版解説」に稿を寄せました。

奈良県から演奏会情報です。

田中彩子×藤木大地デュオ・リサイタル2026 大和高田公演

期 日 : 2026年4月11日(土)
会 場 : 大和高田さざんかホール 奈良県大和高田市本郷町6-36
時 間 : 14時00分~
料 金 : 一般3,500円 高校生以下1,000円(当日各500円増)
      友の会会員3,000円(1会員4枚まで、前売りのみ)

コロラトゥーラ・ソプラノとカウンターテナー 二人の声楽家が織りなす至上の響き

ハイコロラトゥーラの美しい歌声で人々を魅了する田中彩子と奇跡と呼ばれるカウンターテナー藤木大地が共演するプレミアムなリサイタル

出 演 : 田中彩子(ソプラノ) 藤木大地(カウンターテナー) 佐藤卓史(ピアノ)
 
曲 目 : G.F.ヘンデル 主は羊飼いのようにその群れを養い
       (オラトリオ《メサイア》より)
      E.ショーソン 二つの二重唱作品11 第1曲「夜」/第2曲「目覚め」
      A.L.ウェーバー ピエ・イエズ
      ペルゴレージ 《スターバト・マーテル》P.77
       Ⅰ悲しみの聖母 Ⅻ肉身は死して朽つるとも
      バッハ 《羊は安らかに草を食み》BWV208
      加藤昌則 レモン哀歌
      
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カウンターテナーの藤木大地氏。光太郎詩に曲を付けた加藤昌則氏作曲の「レモン哀歌」を持ち歌の一つとなさっていて、これまでも各地でのコンサート、リサイタル等で歌われています。昨秋は智恵子の故郷、福島二本松で演奏され、好評を博しました。

今回はソプラノの田中彩子氏と組まれてのデュオ。他にも群馬の高崎などでお二人のデュオ公演が組まれていますが、フライヤーに「レモン哀歌」が書かれているのはこの大和高田公演のみのように思われます。違っていたらすみません。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)12 『風経』 

昭和15年(1940)9月20日 昭森社 森谷均編
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目次
 鷗外先生の「花子」 高村光太郎    模様と工芸 富本憲吉
 花にそへて(陸凱) 小村定吉     帽子 玉村方久斗
 意匠の力 小池新二          支那の石 増田渉
 春江花月夜(隋煬帝) 小村定吉      大陸で見た松 小林勝
 野分 北園克衛            東行先生の質問 土方定一
 三戦争を識る人々 高橋邦太郎     吾々は最早ダンサーでしかない 神原泰
 邪食談義 長田恒雄          鮎 佐藤惣之助
 うるさい夢(ギイ・レヴィヌ・マノ) 山中散生
 電車とバスの話 石田周三       流行歌的生き方 中岡宏夫
 おるがにざとほる 小名木滋      ぜんまい(デツサン) 庫田叕
 恐ろしい大衆 里見勝蔵        毛蟲 蔵原伸二郎
 火翳御愛染(表紙) 棟方志功
 カツト 富本憲吉・里見勝蔵・棟方志功

光太郎を筆頭に、さまざまな人物のさまざまなジャンルの作品が載っている、としか言いようのない不思議な書籍です。並製のペラいもので紙質もよくありませんが、表紙が棟方志功の多色刷り版画だということで、高値が付く場合もあります。

光太郎の「鷗外先生の花子」は、恩師・森鷗外の短編小説「花子」についての評論的なもの。「花子」は確認出来ている限り唯一、ロダンのモデルを務めた女優です。

昨日は久々に上京、銀座の王子ホールさんで開催された「朝岡真木子歌曲コンサート第9回@王子ホール」を拝聴して参りました。
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令和元年(2019)に初演され、令和4年(2022)には楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』に収録、令和5年(2023)にメゾソプラノの清水邦子氏の歌唱でCD(ライナーノートを書かせていただきました)もリリースされた組曲『智恵子抄』から抜粋で2曲、「人に」「あどけない話」がプログラムに入っていまして、ご招待にあずかった次第です。
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アンコールまで含めて30曲余り、すべて朝岡氏の作曲です。これだけ精力的に歌曲を作曲、さらに発表なさっている例は稀有なのではないかと思います。「朝岡真木子歌曲コンサート」と銘打つ形はほぼこの時期の定期演奏会的な感じでもう9回を重ね、来年は第10回記念とすでに予告されています。それ以外の特別な演奏会もいろいろ手がけられていますし。

さらに特筆すべきは、全曲、ご自身でピアノ伴奏を弾かれていること。寡聞にして存じませんが、こういう例もあまりないのではないでしょうか。オーケストラ系で作曲者が指揮をするというケースは昔からよくありますが。ちなみに光太郎は、自身の「ラコッツィ行進曲」の初演でタクトを振ったベルリオーズを描いた長詩「ラコツチイ マアチ」(大正10年=1921)を書いています。

歌い手さんは総勢7名の方々。
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「智恵子抄」を歌われたのは、ソプラノの前澤悦子氏。朝岡氏作曲のコンサートご常連ですが、「智恵子抄」を歌われたのは初めてかと存じます(違ったらすみません)。伸びやかな歌声で、美しくも哀しい「智恵子抄」の世界を存分に表現されていました。

それから、昨年、清水邦子氏とのお二人を花巻にご案内した黒川京子氏もご出演。今回は歌われつつMCもなさり、さらに終演後にうかがったところによると、全体の構成もなさったそうで。清水氏はご出演されませんでしたが、客席にいらっしゃいました。ちなみに黒川氏、清水氏、4月2日(木)の連翹忌の集いにご参加予定です。朝岡氏ははずせない用事がおありだそうで……。

全30曲あまり、詩も曲もバリエーションに富み、飽きさせません。歌詞として古いものは、「智恵子抄」の二曲と、光太郎の姉貴分・与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」(明治37年=1904)。少し新しく、立原道造、茨木のり子。また、モチーフとして古いもので、光太郎と同年の明治16年(1883)に生まれた新版画の川瀬巴水作品からインスパイアを受けて、林望氏が書かれた連作詩「夕暮れ巴水」。朝岡氏、昨年には東京オペラシティさんで「秋に寄せる音楽のパレット 朝岡真木子の世界~新作「夕暮れ巴水」の郷愁~斉藤京子の歌とともに」という演奏会もなさっています。それが初演だったのでしょう。
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余談ですが、今、このブログを書いているPCのある自宅兼事務所の執務室には、巴水の複製が一枚、壁にかかっています(後はトイレにも(笑))。

朝岡氏、林氏以外の現代詩人の方々ともご昵懇で、その皆さんの詩に曲を付けられています。そのうち、何人かの詩人さんたちも客席にいらっしゃり、終演後に紹介されていました。星乃ミミナ氏、岡崎カズヱ氏、柏木隆雄氏など。これもこの演奏会での恒例ですが。

その終演後の、全出演者の皆さん。左からお二人目が朝岡氏、二人置いて「智恵子抄」を歌われた前澤氏、右からお二人目が黒川氏です。
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関係の方々の今後のさらなるご活躍を願って已みません。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)4 『アルス大美術講座』第3巻

大正14年(1925)7月31日 アルス 北原鉄雄編

目次
 油画科
  風景画法 鍋井克之 パステル画法 矢崎千代二
 東洋画科
  人物画法 土田麦僊
 彫塑科
  彫塑総論 高村光太郎 塑造 藤川勇造 鋳銅 藤井浩祐
 美術図案 恩地孝四郎
 工芸美術 畑正吉
 日本美術史(古代) 藤懸静也
 新興美術解説 一氏義良
 名作解説 木村荘八
 技法沿革史
  壁画及びフレスコ 寺崎武男 初学者のための手引 編輯部
  美術家のグループとその生活 編輯部

白秋の実弟・北原鉄雄のアルスから出された『アルス大美術講座』。初め、光太郎を含む当時の錚々たる美術家に執筆を依頼、大正14年(1925)5月から翌年2月まで全10巻で刊行されました。その後すぐに科目ごとに組替えされたり、合本になったりして何度も再刊されました。

光太郎の「彫塑総論」は20ページほど。なぜか8月29日刊行の第4巻にも重複して収められたようです。

手持ちのものは、組替え再刊による合本(大正15年=1926 5月31日)。
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それから昭和5年(1930)7月8日の組替え再刊。巻号が第5巻に変更されています。
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いずれも3月29日(日)開催の、朗読イベントと歌曲演奏会の情報です。

まず朗読。

ミニ朗読会

期 日 : 2026年3月29日(日)
会 場 : 古本屋カフェアトリエ*ローゼンホルツ 千葉県市川市真間2-2-12
時 間 : 15:00〜15:30 
料 金 : 無料

三浦哲郎『みちづれ』 太宰治『雀っこ』 高村光太郎『レモン哀歌』 参加費は無料です。
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大正12年から変わらず在り続ける古民家とも言えない古人家は元銭湯だった頃の家。広い家の中いっぱいにある古本・絵画をはじめとするアート作品を見ながら、ゆっくり時を過ごせるようにカフェとして営業しています。散歩ができるほど広い空間の中で読んだり、見たり、食べたり、書いたり、手作業をしたり...家と対話しながらの自分時間をお過ごしください。古本・アート作品は非売品以外は購入できます。
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同時開催

津軽こぎん刺し 北の星座とサークル展〜津軽のかまりっこ〜
3月1日(日)~3月30日(月) 金土日月/12:00〜17:00

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会期中のアトリエのランチ
 津軽おでんランチ 若生おにぎり 楽しんでください
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ブックトーク 3月29日(日) 13:00~
好きな本を1冊、持ち寄って紹介する本でおしゃべりするカフェ時間です。参加費はカフェオーダーです。
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なかなかシャレオツな感じですね。関係者の方が青森系なのでしょうか。津軽地方名産の「こぎん刺し」の展示やら、「津軽おでんランチ」やら、それから朗読作品も光太郎以外は青森出身の三浦哲郎と太宰治ですし、もちろん光太郎も生涯最後の大作「乙女の像」の関係で青森とは縁が深い人物です。

何もなければ馳せ参じるところですが、当日、下記の演奏会とブッキングしていて、残念です。

朝岡真木子歌曲コンサート第9回@王子ホール

期 日 : 2026年3月29日(日)
会 場 : 王子ホール 東京都中央区銀座4-7-5 
時 間 : 13:30開場 14:00開演
料 金 : 全席自由¥4,500 学生¥2,000

出 演 : 阿部麻子、黒川京子、品田明子、前澤悦子、三繩みどり(S)、志村美土里(Ms)
      馬場眞二(Br)、朝岡真木子(作曲、Pf)

今回は、ソプラノの阿部麻子さん、メゾソプラノの志村美土里さんが初出演いたします。

曲 目 :
 歌曲集『夕暮れ巴水』全曲 詩 林望    「魔法のトビラ」 詩 人見敬子
 「ガラスのオルゴール」 詩 今村佳枝    「ひなげしの花」 詩 こわせ・たまみ
 「メヌエット」 詩 立原道造        「きっと 春は くる」 詩 星乃ミミナ
 「君死にたもうことなかれ」 詩 与謝野晶子 「さくら舞台」 詩 大竹典子
 「わたしは魔女」 詩 冨永佳与子      「そのとき十八の春」 詩 岡崎カズヱ
 組曲『智恵子抄』より「人に」「あどけない話」 詩 高村光太郎

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演奏されるのはすべて作曲家・朝岡真木子氏の作曲によるものです。

組曲『智恵子抄』から抜粋で2曲がプログラムに入っています。同組曲、令和元年(2019)に初演され、令和4年(2022)には楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』に収録、その後も各種演奏会で取り上げられ、「これ、CD化してほしいですね」とぼそっと呟いたところ(笑)、令和5年(2023)にメゾソプラノの清水邦子氏の歌唱でCD「清水邦子が歌う 組曲『智惠子抄』」がリリースされました。言い出しっぺとして責任を取る形で(笑)ライナーノートを執筆させていただきました。

ちなみに楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』、現在2刷が流通しているそうですが、年内には3刷め重版の予定だとのことで、これまでの版に無かった詩集『智恵子抄』についての解説を書けと頼まれました。光栄です。この手の楽譜集がそんなに版を重ねるのは珍しいような気がしますが(逆にとっとと絶版になってオンデマンド出版=注文があった場合のみ製本印刷、というケースが多いように感じています)、それだけ朝岡氏の作品群の魅力が素晴らしいということでしょう。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)78 『ヴェルハーレン 明るい時 午後の時』

平成22年(2010)1月20日 三恵社 高村光太郎訳 阿部誠編
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目次
 巻頭言 はじめに 短歌二首 明るい時 午後の時 注釈 ヴェルハーレン年譜
 高村光太郎年譜 おわりに

ベルギーの詩人、エミール・ヴェルハーレン(光太郎による表記は「ヹルハアラン」)の詩集「時の三部作」。このうち「明るい時」は光太郎訳で大正10年(1921)に芸術社から刊行され、「午後の時」光太郎訳は各種雑誌やアンソロジーに断片的に収められました。「夕の時」翻訳は手をつけたものの発表はされなかったようです。

編集した阿部氏による自費出版的な刊行のようです。「短歌二首」はヴェルハーレンについて謳った光太郎短歌です。

都内から演奏会情報です。

銀座ぶらっとコンサート #216 宮本益光の王子な午後38 ~別れの歌~

期 日 : 2026年3月11日(水)
会 場 : 王子ホール 東京都中央区銀座4-7-5
時 間 : 13:30開演
料 金 : 全席指定 4,000円

平日の昼下がり、銀座でのお買い物のついでに、お友達との銀ぶらの途中に立ち寄れる気軽なコンサート、『銀座ぶらっとコンサート』第216回は、王子ことオペラ歌手の宮本益光が魅惑のバリトンと楽しいトークで綴る大人気シリーズの第38回。別れの歌を切々と、あっさりと、うじうじと、様々なシーンをお聴かせしましょう、お見せしましょう。

プログラム
 モーツァルト:オペラ『フィガロの結婚』より もう飛ぶまいぞこの蝶々
 文部省唱歌:仰げば尊し
 三木たかし:友だちはいいもんだ
 ハイドン:別れの歌
 ヴォルフ:あばよ
 モーツァルト:オペラ『魔笛』より パパゲーナ、パパゲーナ、パパゲーナ!
 グノー:オペラ『ファウスト』より 故郷を離れる前に
 加藤昌則:レモン哀歌
     :桜の背丈を追い越して
     :「刻(とき)の里標石(マイルストーン)」より じゃあね

出演 宮本益光(バリトン) 加藤昌則(作曲/ピアノ)
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これまでもたびたび宮本益光氏の歌唱で各種演奏会に取り上げられてきた、加藤昌則氏作曲の「レモン哀歌」がプログラムに入っています。令和4年(2022)にはCDもリリースされています。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)65 『愛の時』

昭和57年(1982)4月2日 アムリタ書房 ヹルハアラン著 高村光太郎訳
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目次
 明るい時 LES HEURES CLAIRES
  Ⅰ おう さんらんたるわれらのよろこび
   O LA SPLENDEUR DE NORTRE JOIE
  Ⅱ 無言のままわれらの歩くこの明るい花園が
   QUOIQUE NOUS LE VOYIONS FLEURIR DEVANT NOS YEUX
  Ⅲ この野蛮な柱頭、そこには怪物等が身をもだえ
   CE CHAPITEAU BARBARE OU DES MONSTERES SE TORDENT
  Ⅳ 夜の空はひろがり
   LE CIEL EN NUIT S'EST DÉPLIÉ
  Ⅴ いつでも,かほど純真にふかい
   CHAQUE HEURE OÙ JE SONGE À TA BONTÉ
  Ⅵ あなたは時としてあのなよやかな美を示す,
   TU ARBORES PARFOIS CETTE GRÂCE BÉNIGNE
  Ⅶ おう! 戸を叩かせて置かう,
   OH! LAISSE FRAPPER CETTE GRÂCE BÉNIGNE
  Ⅷ あどけない頃のやうに,私は自分の心をあなたに上げた,
   COMME AUX ÂGES NAÏFS JE T'AI DONNÉ MON C CEUR
  Ⅸ わかい,気のやさしい春は
   LE PRINTEMPS JEUNE ET BÉNÉVOLE                           
  Ⅹ しづかに来て
   VIENS LENTEMENT T'ASSEOIR
  Ⅺ 火のやうな恍惚の眼をして
   COMBIEN ELLE EST FACILEMENT RAVIE
  Ⅻ 長い間私のくるしんでゐた時,
   AU TEMPS OÛ LONGUEMENT J'AVAIS SOUFFERT
  ⅩⅢ どういふわけか何故なのかいはれは何か
   ET QU'IMPORTENT ET LES POUQUOIS ET LES RAISONS
  ⅩⅣ 黄金と花との階段をしづしづ降りる
   A CES REINES QUI LENTEMENT DESCENDENT
  ⅩⅤ 私はあなたの涙に,あなたの微笑みに,
   JE DÉDIE À TES PLEURS, À TON SOURIRE
  ⅩⅥ 私はあなたの二つの眼の中に自分の魂全てを溺らす,
   JE NOIE EN TES DEUX YEUX MON ÂME TOUT ENTIÈRE
  ⅩⅦ われらの眼を愛するため
   POUR NOUS AIMER DES YEUX
  ⅩⅧ われらあの愛の園に,夏はつづく。
   AU CLOS DE NOTRE AMOUR, L'ÉTÉ SE CONTINUE
  ⅩⅨ あなたの明るい眼,あなたの夏の眼が,
   QUE TES YEUX CLAIRS, TES YEUX D'ÉTÉ
  ⅩⅩ 言つてごらん,私の質素な私の静かな友よ,
   DIS-MOI MA SIMPLE ET MA TRANQULLE AMIE
  ⅩⅪ われら自身以外の一切のものからこんなに遠く
   EN CES HEULES OÙ NOUS SOMMES PERDUS
  ⅩⅫ おお! この幸福!
   OH! CE BONHEUR!
  ⅩⅩⅢ 生きませう,われらの愛とわれらの熱情とに。
   VIVONS DANS NOTRE AMOUR ET NOYRE ARDEUR
  ⅩⅩⅣ われらの口の触れ合ふやいなや
   SITOT QUE NOS BOUCHES SE TOUCHENT
  ⅩⅩⅤ 底知れぬ深さ神のやうに聖い
   POUR QUE RIEN DE NOUS DEUX N'ÉCHAPPE ÀNOTRE ÉTREINTE
  ⅩⅩⅥ たとひもう,こよひ,
   BIEN QUE DÉJÁ, CE SOIR
  ⅩⅩⅦ からだを捧げるとは,魂のある以上,
   LE DON DU CORPUS, LORSQUE L'ÂME EST DONNÉE
  ⅩⅩⅧ われらのうちにたつた一つの心やさしさ,
   FUT-IL EN NOUS UNE SEULE TENDRESSE
  ⅩⅩⅨ 炎に花咲く美しい庭は
   LE BEAU JARDIN FLEURI DE FLAMMES
  ⅩⅩⅩ もし万一にも
   S'IL ARRIVE JAMAIS
 午後の時 LES HEURES D'APRÈS-MIDI
  Ⅰ 年は来ました、ひと足ひと足,ひと日ひと日,
   L'ÂGE EST VENU, PAS Á PAS, JOUR Á JOUR
  Ⅱ 六月の薔薇,おん身最も美しいもの,
   ROSES DE JUIN, VOUS LES PLUS BELLES
  Ⅲ 若しほかの花々が家をかざり
   SI D'AUTRES FLEURS DÉCORENT LA MAISON
  Ⅳ 陰は浄まりあけぼのは虹いろ。
   L'OMBRE EST LUSTRALE ET L'AUROPE IRISÉE
  Ⅴ 私は,こよひ,おみやげとして,あなたにあげる,
   JE T'APPORTE, CE SOIR, COMME OFFRANDE, MA JOIE
  Ⅵ ふたりして路ばたに腰かけよう,
   ASSEYONS-NOUS TOUS DEUX PRÈS DU CHEMIN
  Ⅶ しづかに,なほもしづかに,
   TRÈS DOUCEMENT, PLUS DOUCEMENT ENCORE
  Ⅷ われらの愛の生れるわけであつたこの家には,
   DANS KA MAISON OÚNOTR AMOUR A VOULU NATRE
  Ⅸ 窓をあけひろげて
   LE BON TRAVAIL, FENÊTRE OUVERTE
  Ⅹ まつたき信がわれらの愛の底に住む。
   TOUTE CROYANCE HABITE AU FOND DE NOTRE AMOUR
  Ⅺ  暁、陰、夕暮,空間,星。
   L'AUBE L'OMBRE, LE SOIR, L'ESPACE ET LES ÉTOIRES
  Ⅻ 今は善い時,ラムプのつく時。
   C'EST LA BONNE HEURE, OÛ LA LAMPE S'ALLUME
  ⅩⅢ 過ぎ去つた年の死んだ接吻が
   LES BAISERS MORTS DES DÉFUNTES ANNÉES
  ⅩⅣ われらが同じ思に生きてゐてもう十五年。
   VOICI QUINZE ANS DÉJÀ QUE NOUS PENZONS D'ACCORD
  ⅩⅤ 永遠にわれらの喜は麻痺したと思つた,
   J'AI CRU Á TOUT JAMAIS NOTRE JOIE ENGOURDIE
  ⅩⅥ われらのまはりに生きる一切のもの,
   TOUT CE QUI VIT AUTOUR DE NOUS
  ⅩⅦ 私の感覚,私の心,私の頭脳,
   AVEC MES SENS, AVEC MON C ŒUR ET MON CERVEAU
  ⅩⅧ 爽やかな静かな健康の日々,
   LES JOURS DE FRAICHE ET TRANQUILLE SANTÉ
  ⅩⅨ 私は眠の林から出て来た。
   JE SUIS SORTI DES BOSQUETS DU SOMMEIL
  ⅩⅩ ああ,病の鉛が,
   HÉLAS! LORSQUE LE PLOMB DES MALADIES
  ⅩⅪ 明るい庭こそ健康そのもの。
   LE CRAIR JARDIN, C'EST LA SANTÉ
  ⅩⅫ 六月であつた,庭での事,
   C'ÉTAIT EN JUIN, DANS LE JARDIN
  ⅩⅩⅢ 身を捧げるだけでは足らず,あなたは自身を濫費する。
   ET TE DONNNER NE SUFFIT PLUS, TU TE PRODIGUES
  ⅩⅩⅣ おう もの一つ動かぬ静かな夏の庭よ。
   O LE CALME JARDIN D'ÈTÈ OÚ RIEN NE BOUGE
  ⅩⅩⅤ 時間も気持ちも,まるで別,
   COMME Á D'AUTRES, L'HEURE ET L'HUMEUR
  ⅩⅩⅥ 美しい夏の金色の小舟等は,
   LES BARQUES D'OR DU BEL ÉTÉ
  ⅩⅩⅦ 感覚の熱,心情の熱,霊魂の熱,
   ARDEUR DES SENS, ARDEUR DES CŒURS, ARDEUR DES ÂMES
  ⅩⅩⅧ 不動の美は
   L'IMMOBILE BEAUTÉ
  ⅩⅩⅨ そなたは,あの夕,あんな美しい言葉をきかせてくれた。
   VOUS M'AVEZ DIT, TEL SOIR, DES PAROLES SI BELLES
  ⅩⅩⅩ 「明るい朝の時」「午後の時」
   《HEURES DU MATIN CLAIR》《HEURES D'APRÈS SI BELLES》
 夕の時 LES HEURES DE SOIR
  Ⅰ DES FLEURS FINES ET MOUSSEUSES COMME L'ÉCUME
  Ⅱ  S'IL ÉTAIT VRAI
  Ⅲ LA GLYCINE EST FANÉE ET MORTE EST L'AUBPINE
  Ⅳ METS TA CHAISE PRÉS DE LA MIENNE
  Ⅴ SOIS-NOUS PROPICE ET CONSOLANTE ENCOR
  Ⅵ HÉLAS! LES TEMPS SONT LOIN
  Ⅶ LE SOIS TOMBE, LA LUNE EST D'OR
  Ⅷ LORSQUE TA MAIN CONFIE
  Ⅸ ET MAINTENANT QUE SONT TOMBÉS
  Ⅹ QUAND LE CIEL ÉTOIREÉ COUVRE NOTRE DEMEUR
  ⅩⅠ  AVEC LE MÉME AMOUR QUE TU ME FUS JADIS
  ⅩⅡ  LES FLEURS DU CLAIR ACCUEIL
  ⅩⅢ  LORSQUE S'ÉPAND SUR NOTRE SEUIL
  ⅩⅣ SI LE SORT NOUS SAUVA DES BANALES ERREURS
  ⅩⅤ NON, MON ÂME JAMAIS DE TOI NE S'EST LASSÉE
  ⅩⅥ QUE NOUS SOMMES ENCORE HEUREUX
  ⅩⅦ SUBIRONS-NOUS, HÉLAS! LE POIDS MORT DES ANNÉES
  ⅩⅧ LES MENUS FAITS, LES MILLE RIENS
  ⅩⅨ VIENS JUSQU'Á NOTRE SEUIL RÉPANDRE
  ⅩⅩ QUAND NOTRE JARDIN CLAIR
  ⅩⅩⅠ AVEC MES VIEILLES MAINS
  ⅩⅩⅡ SI NOS CŒURS ONT BRÛLÉ EN DES JOURS EXALTANTS
  ⅩⅩⅢ EN CE RUGUEUX HIVER OU LE SOLEIL FLOTTANT
  ⅩⅩⅣ PEUT-ÊTRE
  ⅩⅩⅤ OH! TES SI DOUCES MAINS
  ⅩⅩⅥ LORSQUE TU FERMERAS MES YEUX Á LA LUMIÈRE
 ヹルハアラン 高村光太郎
 解説 北川太一

ベルギーの詩人、エミール・ヴェルハーレンの詩集「時の三部作」。このうち「明るい時」は光太郎訳で大正10年(1921)に芸術社から刊行されました。「午後の時」光太郎訳は各種雑誌やアンソロジーに断片的に収められたものの、まとめられたことはありませんでした。さらに光太郎は「夕の時」翻訳は手をつけたものの発表はされなかったようです。そこで本書では「夕の時」はヴェルハーレンの原文で収録しています。

また、光太郎の評伝「ヹルハアラン」(昭和8年=1933)を追補、当会顧問であらせられた北川太一先生が解説をご執筆。「光太郎生誕100年記念出版」という位置づけでした。

音楽作品を入手するにはストリーミング(配信)が主流、もはやCDも時代遅れ的な風潮の昨今ですが、逆にアナログレコードのブームも起きているそうです。実際、人気ミュージシャンがアナログレコードでのリリースを盛んに行っています。デジタルとは異なる音質や、アーティスティックなジャケットを持つ盤を「所有」する面白さなどがウケているようで。

「智恵子抄」オマージュの楽曲を含むアルバムでも。

Love Log ic(Clear Purple Vinyl)

発 売 日 : 2026年2月20日
アーティスト   : Minuano
レーベル  : Quiet Recordings / JET SET
定 価   : 4,950円(税込)

Lampの榊原香保里をフィーチャーしたMinuanoの1stアルバムがアナログ再発決定!

 ジャパニーズ・ポップに新風を吹き込んだ2009年リリースの名盤がクリアパープル・カラーヴァイナル仕様でリイシュー!
 パーカッショニスト、コンポーザーとして活躍する尾方伯郎が主宰するプロジェクトMinuano。彼らのデビュー・アルバムである本作は、ソフトロックやジャズ、シティポップを独自の視点で再構成したサウンドスケープと榊原香保里 (Lamp) の透き通る歌声が溶け合った、気だるくもあたたかな浮遊感に包まれる傑作。ボッサ・テイストの柔らかなアレンジとフルートの音色にイントロから引き込まれる「レモン哀歌」、複雑かつ鮮やかなコード進行と榊原のウィスパーボイスが絡みあう「それいゆ」、Minuanoとして初めて制作された楽曲である「陽だまりの午後に」など、極上のポップスがめくるめく展開するドラマチックな名盤です。

ソングリスト
 レモン哀歌 春宵の哀しみ 果てるともなく続く宙 それいゆ 午后の翼 恋人たちの雨
 裸足のシルエット 雨色日記 恋、咲き初めり 陽だまりの午後に
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当方、平成21年(2009)発行と思われるCDを持っています。
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令和4年(2022)には、<Clear Pink Vinyl/限定盤>としてやはりアナログレコード化され、その存在を知り、アナログ盤ではなく中古CDを安く購入しました。

「レモン哀歌」、歌詞は光太郎詩の通りではなく、そこからインスパイアされたもので、歌われている榊原香保里さんによる作詞です。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)56 『ロダンの言葉抄』 

昭和35年(1960)7月5日 岩波書店(岩波文庫) 高村光太郎訳 高田博厚・菊池一雄編
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目次
 ジユディト クラデル筆録
  「ロダンの人と作」より
  「ロダン伝」より
  クラデル編「ロダン」より
   ロダン手記
  クラデル著「ロダン」より
   女の肖像 芸術家の一日 ゴティックの線と構造 芸術と自然 ゴティックの天才
  雑誌「センチュリー」一九一四年五月号より
   ロダンの手帳
 フレデリク ロートン筆録
  古代芸術の教訓(その一) 古代芸術の教訓(その二) 断片 ロートン「ロダン伝」より
  ロートン「ロダン小伝」より
 ポール グゼル筆録
  グゼル編「芸術」より
   肉づけ 芸術における神秘 芸術における動勢 断片 フィディアスとミケランジェロ
   女の美
 「岡の上にて」より
  「ロダンの家にて」より 若き芸術家達に(遺稿)
 ギュスターヴ コキヨ筆録
  「ロダン」より 「真のロダン」より 
  「ロテル ド ビロン及びムードンにおけるロダン」より 断片
 カミーユ モークレール筆録
 その他
  「芸術及び芸術家」特別号より パトレット筆録(ダークス「ロダン小伝」より)
  クラリ筆録(ダークス「ロダン小伝」より)
 解説 高田博厚
 年表

大正5年(1916)に阿蘭陀書房から出た初版『ロダンの言葉』、同9年(1916)に叢文閣から出た初版『続ロダンの言葉』から、光太郎と交流のあった共に彫刻家の高田博厚と菊池一雄が再編した厚冊の文庫版です。

最近まで版を重ねていましたが、現在、岩波さんのサイトでは「品切れ」。ぜひ重刷していただきたいものです。

昨日ご紹介した角川文庫版『美について』と順番が前後していました。すみません。

都内からのコンサート情報です。もう明日なのですが、一昨日の夜になって演目に光太郎がらみが含まれるという情報が出たもので……。

イーガルの現代音楽の世界 ー作曲の秘密、演奏の魔法ー Vol.2 現代詩と現代音楽

期 日 : 2026年2月20日(金)
会 場 :  PetitMOA 東京都新宿区歌舞伎町2-19-10 B1
時 間 : 開場 18:00/開演 18:30
料 金 : 予約3,000円 当日3,500円(どちらも+1ドリンク 700円別途)

現代音楽作曲家・ピアニスト イーガルによる、
自作の演奏と創作をめぐる対話を中心にしたライブイベント。今回はゲストに、冬木理森(歌)と
トークゲストに山﨑修平(詩人)を迎え
作曲と詩の関係、表現の奥行きを多角的に探ります。

出演:イーガル(ピアノ・歌) 冬木理森(歌)  こみてつ(チェロ)
トークゲスト:山﨑修平(詩人) 
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トークゲストの山﨑修平氏、昨年開催された目黒学園カルチャースクールさん主催の詩の講座「詩の創作と鑑賞講座 7月期」で光太郎を取り上げて下さった方でした。

当方、明日から花巻出張ですので伺えませんが、ご都合の付く方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)50 『赤城画帖』

昭和31年(1956)9月5日 龍星閣 高村光太郎著 西山勇太郎編
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目次
 赤城画帖 第一図~第二十八図  赤城相聞歌  赤城山の歌

上州赤城山は、光太郎にとってのソウルマウンテン。留学前の明治37年(1904)には5~6月と、7~8月にかけての2回、赤城の猪谷旅館に滞在し、それぞれ、親友の水野葉舟、与謝野鉄幹ら新詩社の面々と過ごしています。留学から帰朝した明治42年(1909)にもすぐ赤城山に登っています。

昭和4年(1929)には、草野心平、高田博厚らを引き連れて登っていますし、確認出来ている最後の赤城行は昭和6年(1931)で、この際には父・光雲も一緒でした。
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画帖は明治37年(1904)の滞在時に光太郎が残したスケッチ帖で、水野葉舟が譲り受けていましたが、詩人の風間光作の手に渡り、さらに風間からやはり詩人の西山勇太郎に。その後行方不明です。

平成12年(2000)、風間が原本から1枚抜き出して額装していたものが売りに出て、驚きました。
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西山の編集で、前半が画帖、後半は明治の第一期『明星』に載った赤城山関連の短歌を収めています。

画帖の存在は光太郎晩年の昭和26年(1951)、西山が光太郎に知らせ、光太郎は西山に以下の内容の書簡を送りました。

赤城写生帖といふやうなもの、まるで忘れても居ましたし、思ひ出さうとしても思い出せません。しかし、小生のものらしく、それがどうして貴下のところにあるのか実に不思議に堪へません。卅七年といへば日露戦当時、小生が美術学校に居た頃と思ひますが、そんなものが出て来ると怖いやうな気がします。

画帖部分、短歌の部分双方に、猪谷旅館の子息・六合雄(くにお)が解説を執筆しています。猪谷六合雄といえば日本スキー界の草分けで、さらに子息の千春氏は光太郎が歿した昭和31年(1956)のコルティナ・ダンペッツォ五輪で、日本人初の冬季五輪メダリストとなりました。現在行われているミラノ・コルティナ2026冬季五輪と会場がかぶります。

ちなみに現在94歳の千春氏、今回の五輪に合わせてコルティナ・ダンペッツォを再訪されたそうで。

コルティナで70年ぶりの再会 猪谷さん、当時の宿泊先家族と

 1956年コルティナダンペッツォ冬季五輪のアルペンスキー男子回転で2位に入った猪谷千春さん(94)が17日、大会で縁のあったマヌエラ・アンジェリさん(86)とコルティナダンペッツォで70年ぶりの再会を果たした。約1時間にわたって談笑し「昔のことを話し合えて楽しいし、うれしい」と感慨に浸った。
 猪谷さんは当時、アンジェリさんの家族が経営していたホテル「ビクトリア」に宿泊し、日本勢初の冬季五輪メダリストに輝いた。フィギュアスケートのイタリア代表だったアンジェリさんは別の滞在先から大会に出場したが、会話を交わした記憶があるという。今大会がきっかけで再会が実現。2人は「ビクトリア」のソファに腰を下ろし、対面した。
 猪谷さんは現役引退後、IOC副会長も務め、名誉委員となった。五輪の意義について問われ「技を競い、友情の輪を広げる。まさにこの2人の再会」と話した。来日したことがないというアンジェリさんには草履をプレゼントし「次は東京で会いましょう」と声をかけた。(共同通信)
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都内での演奏会情報です。さまざまなコンテンツの用意された「都民音楽フェスティバル」の一環として開催されます。
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日本の歌・シリーズNo.4 日本のうた~歌曲集への誘い

期 日 : 2026年1月30日(金)
会 場 : 東京文化会館小ホール 台東区上野公園5-45
時 間 : 18:15開場/19:00開演
料 金 : 指定席 3,000円 学生割引(U-25):指定席 2,000円
      ハート割引(障害者手帳をお持ちの方):指定席 1,500円

曲 目 : 團伊玖磨:五つの断章 木下牧子:花のかず
      畑中良輔:八木重吉による五つの歌 山田耕筰:幽韻 別宮貞雄:智恵子抄
出 演 :
盛田麻央 Mao Morita/ソプラノ
国立音楽大学院修了。パリ・エコール・ノルマル音楽院、パリ国立高等音楽院修士課程を修了。第12回東京音楽コンクール第2位など。オペラやコンサートに多数出演。二期会会員、国立音楽大学非常勤講師。

紀野洋孝 Hirotaka Kino/テノール
東京藝術大学卒業。宗次エンジェル基金/(公社)日本演奏連盟奨学生として同大学院修士課程を修了。日本歌曲の研究で同大学院博士課程を修了。博士号(音楽)取得。日本トスティ歌曲コンクール2015第2位。令和元年度奏楽堂日本歌曲コンクール第2位。

松浦宗梧 Shugo Matsuura/バリトン
福島県伊達市出身。東京音楽大学声楽専攻卒業。新国立劇場オペラ研修所第25期修了。第36回奏楽堂日本歌曲コンクール歌唱部門 第2位、畑中良輔賞を受賞。オペラ・歌曲の分野で幅広いレパートリーを活かして活動中。声楽を菅野宏昭、阿部絵美子に師事。

森裕子 Yuko Mori/ピアノ
東京藝術大学附属高校、同大学、同大学院修了。シュトゥットガルト音大でソロと歌曲伴奏法を学ぶ。奏楽堂日本歌曲コンクール優秀共演者賞、日本音楽コンクール木下賞(共演賞)。東京藝術大学非常勤講師。日本演奏連盟正会員。
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故・別宮貞雄氏作曲の歌曲集「智恵子抄」がプログラムに入っています。おそらく全9曲「Ⅰ 人に」「Ⅱ  深夜の雪」「Ⅲ 僕等」「Ⅳ 晩餐」「Ⅴ あどけない話」「Ⅵ 人生遠視」「Ⅶ 千鳥と遊ぶ智恵子」「Ⅷ 山麓の二人」「Ⅸ レモン哀歌」が演奏されるのではないかと思われます。

歌われるのは紀野洋孝氏。実演以外にも日本歌曲の研究で東京藝術大学さんの大学院博士課程を修了なさった方ですが、その際に取り上げたのが別宮氏の「智恵子抄」だったそうです。これまでも同曲集をさまざまな機会で歌われたり、CDに組み入れたりされています。

令和元年度奏楽堂日本歌曲コンクール入賞記念コンサート。
第二回 掬月会。

CDも含め、そのほとんどの機会で伴奏を務められた森裕子氏が今回もピアノを弾かれます。同曲集、言葉を大切にしつつ抒情的なメロディーで紡がれ、また全9曲を通してのドラマティックな展開が印象的な作品です。

紀野氏からご案内を頂いたのですが、その日は先約が入っており、伺えません。代わりに、というと何ですが、皆様、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)23 『智恵子抄』第9刷

昭和18年(1943)4月20日 龍星閣 高村光太郎著
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目次
 人に             明治四十五年七月
 或る夜のこころ        明治四十五年八月
 おそれ            明治四十五年八月
 或る宵            大正元年十月
 郊外の人に          大正元年十一月
 冬の朝のめざめ        大正元年十一月
 深夜の雪           大正二年二月
 人類の泉           大正二年三月
 僕等             大正二年十二月
 愛の嘆美           大正三年二月
 晩餐             大正三年四月
 樹下の二人          大正十二年三月十一日
 狂奔する牛          大正十四年六月十七日
 鯰              大正十五年二月五日
 夜の二人           大正十五年三月十一日
 あなたはだんだんきれいになる 昭和二年一月六日
 あどけない話         昭和三年五月十日
 同棲同類           昭和三年八月十六日
 美の監禁に手渡す者      昭和六年三月十二日
 人生遠視           昭和十年一月二十二日
 風にのる智恵子        昭和十年四月二十五日
 千鳥と遊ぶ智恵子       昭和十二年七月十一日
 値ひがたき智恵子       昭和十二年七月十二日
 山麓の二人          昭和十三年六月二十日
 或る日の記          昭和十三年八月二十七日
 レモン哀歌          昭和十四年二月二十三日
 荒涼たる帰宅         昭和十六年六月十一日
 亡き人に           昭和十四年七月十六日
 梅酒             昭和十五年三月三十一日
 うた六首                         
 智恵子の半生         昭和十五年九月
 九十九里浜の初夏       昭和十六年五月
 智恵子の切抜絵        昭和十四年一月

内容的にはそれまでの版と同一ですが、昭和16年(1941)の初版以来、そのままとなっていた誤植を訂正し、全面的に改版がなされました。

かつて光太郎自筆の正誤表を挟んだ初版が市場に出たことがありましたが、これらがすべて反映されています。
智恵子抄正誤表

コンサート情報、2件ご紹介します。

開催日順に、まずは都内から男声合唱。

男声合唱団東京リーダーターフェル1925 創立100周年記念定期演奏会2025

期 日 : 2025年12月19日(金)
会 場 : すみだトリフォニーホール 東京都墨田区錦糸1-2-3
時 間 : 18:30開演
料 金 : S席 3,000円 A席2,000円
      プレミアムチケット特別席 ペア特別席と5,000円の寄付で10,000円

創立100周年を迎える男声合唱団東京リーダーターフェル1925が、記念すべき節目にすみだトリフォニーホール大ホールで贈る四部構成の記念演奏会です。第一ステージではこれまでに委嘱された小品集と一青窈さんの〈ハナミズキ〉を米国の詩人アーサー・ビナードの英訳版で演奏。続くステージではシューベルトの男声合唱名曲集を弦楽五重奏とともに、さらに第3ステージでは鈴木憲夫先生の本邦初演作を第4ステージでは当団にゆかりのある仲間と一緒に高村光太郎作詞 清水脩作曲の〈智恵子抄〉を、最後に長年にわたりお付き合いのある韓国男声合唱団を迎えて韓国曲「ポリバ」や「なつかしい金剛山」を共演。多彩な作品と100年の歴史が紡ぐハーモニーを心ゆくまでお楽しみください。今回はMCによる曲目紹介もありますので初めて男声合唱を聴く方にも分かりやすい演奏会にしておりますのでぜひご来場お待ちしております。

プログラム
 第1ステージ 委嘱作品小品集
  夜明けのうた 岩谷時子作詞 いずみたく作曲 安藤由布樹編曲
  竹田の子守歌 京都府民謡 和田和宏編曲
  牛深ハイヤ節 熊本県民謡 相澤直人編曲
  江戸木遣り唄 東京都民謡 土田豊貴編曲
  A HundredYears一青窈作詞 アーサー・ビナード英訳 マシコタツロウ作曲 和田和宏編曲
 弟2ステージ シューベルト男声合唱曲集
  夜 春へ ナイチンゲール 水上の精霊の歌
 第3ステージ 創立100周年記念委嘱作品
  宇宙の塵となって… 塔和子作詞 鈴木憲夫作曲
 第4ステージ ターフェルの仲間たちと共に
  或る夜のこころ 高村光太郎作詞 清水脩作曲
  智恵子抄巻末のうた六首 高村光太郎作詞 清水脩作曲
  ポリバ(麦畑) 韓国歌曲
  クリウンクムガンサン(懐かしい金剛山) 韓国歌曲

出演
 合唱:男声合唱団東京リーダーターフェル1925 
    男声合唱団東京リーダーターフェルジルヴァーナー1995

 指揮:樋本英一 佐藤洋人 岩佐義彦 金弘植  ピアノ:高取達也 大下さや香
 ギター:宮下祥子 弦楽五重奏:尾原記念五重奏団
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男声合唱の古典の一つ、清水脩氏作曲の「智恵子抄巻末のうた六首」(昭和39年=1964)、同じく清水氏の「或る夜のこころ」(昭和40年=1965)が演奏されます。共に定番すぎて却って最近は取り上げられる機会が多くない曲だと感じます。

それにしても創立100周年というのがすごいと思いました。100年前はまだ大正ですから。

もう1件、大阪から器楽系です。

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ第19回定期公演「ほんとうの空」

期 日 : 2025年12月21日(日) 
会 場 : あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール
      大阪市北区西天満4丁目15-10
時 間 : 開場: 13:00 / 開始: 13:30 / 終了: 15:30
料 金 : S席 6,000円 A席 5,000円 B席 4,000円 (当日各500円増) 

空を聴く。音楽を超える体験を 東京には空がない、と言った高村智恵子。星月夜を描いたゴッホ。そして私たちは音楽で、「ほんとうの空」を描きます。

プログラム(一部抜粋)
 坂本龍一:戦場のメリークリスマス・Aqua・東風 
 ピアソラ:ブエノスアイレスの冬・1960年のナイトクラブ・天使の復活 
 オリジナル曲:ほんとうの空 ― クレモナが贈る最新作
  ※ほか、坂本龍一・ピアソラ作品を中心にお届けします。
出演者
 『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ
 森脇佑季 fl 上野舞子 sax 松田あやめ hrn 久保田ひかり fg
2016年結成。「アストル・ピアソラ」の遺志を継ぎ、クラシック音楽の「次の100年」へ繋げる、新しいスタイルの木管四重奏団。国内唯一の「ピアソラ専門」の室内楽団であり、これまで50曲以上を手がけ、全ての楽譜を自分たちの手でオリジナルアレンジをし、暗譜で演奏をする。対位法を駆使して新たな音響効果に挑戦し、歌口の異なる4本の管楽器それぞれの限界に挑戦したアドリブ・ソロの数々、まるで4本で演奏しているとは思えないような卓越した新しいサウンド、クリアな音像とストイックな演奏スタイルは、他のアンサンブルの追随を許さない。
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「智恵子抄」に収められている「あどけない話」(昭和3年=1928)中の「ほんとの空」からのインスパイアで、オリジナル曲「ほんとうの空」が初演され、それをコンサート自体のタイトルに持ってきて下さいました。

カフェでの公開練習をなさったり、X(旧ツィッター)instagramで練習の様子を動画で公開なさったりと、出演者の方々のコンサートにかける意気込みがうかがえます。

それぞれ、ぜひ足をお運びください。

【折々のことば・智恵子】

恋愛、母性愛、全人類に対する平等愛、すべて熱烈な願望の火と燃ゆる愛の生活こそ、人間の最上のものであるこの事に一点の疑義はありません。


散文「生き甲斐のある悩みを悩め」より 大正13年(1924) 智恵子39歳

「恋愛は婦人最上のものか」の総題で、宮本百合子、原阿佐緒、神近市子らの文章と共に、雑誌『女性』第5巻第2号に掲載されました。
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智恵子の熱量が伝わってくる一節ですね。

11月22日(土)と23日(日)、全日本合唱連盟さん主催の第78回全日本合唱コンクール全国大会の大学職場一般部門が開催されました。

そのうち大学ユースの部の結果を報じる『朝日新聞』さん記事。

都留文化大とソレイユ大臣賞 全日本合唱コン

 第78回全日本合唱コンクール全国大会の大学職場一般部門が22日、佐賀市文化会館で始まった。大学ユースの部と室内合唱の部で計10団体が金賞に輝き、それぞれ都留文化大合唱団(山梨)と女声合唱団ソレイユ(佐賀)が最優秀にあたる文部科学大臣賞を受けた。
 審査結果は次の通り。(特別賞以外の並びは出演順)
 ◇大学ユース(6人以上、28歳以下)
【金賞】都留文科大合唱団(山梨)=文部科学大臣賞=、
    Ensemble SAKAE(埼玉)=佐賀市教育委員会教育長賞=、
    
早稲田大コール・フリューゲル(東京)=日本放送協会賞=、
    関西学院グリークラブ(兵庫)、東京科学大混声合唱団コール・クライネス(東京)
【銀賞】早稲田大女声合唱団(東京)、九大混声合唱団(福岡)、金沢大合唱団(石川)、
    同志社グリークラブ(京都)、新潟大合唱団(新潟)
【銅賞】愛媛大合唱団(愛媛)、福島大混声合唱団(福島)、Chor Karmin(鳥取)、
    北海道大合唱団(北海道)

 ◇室内(6~24人)
【金賞】女声合唱団ソレイユ(佐賀)=文部科学大臣賞=、
    Chor Alyssum(東京)=佐賀市長賞=、
    AF合唱団(千葉)=日本放送協会賞=、
    Choeur Premier(千葉)、Ensemble Nisi(京都)
【銀賞】アンサンブルVine(京都)、札幌チェンバークワイア(北海道)、
    こそり(福島)、倉敷少年少女合唱団(岡山)
【銅賞】エシュコル(愛知)、Serenitatis Ensemble(徳島)、Ensemble Nix(福岡)

東京都代表の早稲田大コール・フリューゲルさんが、金賞および日本放送協会賞に輝きました。自由曲に新実徳英氏作曲の「愛のうた -光太郎・智恵子-男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために」から「レモン哀歌」を演奏されての受賞でした。おめでとうございます。
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昨年も金賞ということで、9月に開催された都大会はシードで特別扱い。課題曲・自由曲1曲ずつのみの他団体とは異なり、自由曲としては「レモン哀歌」を含む4曲が演奏されました。全国大会出場は約束されていましたが、全国での自由曲が4曲の内のどれとその時点では発表されていませんでした。

以前ですと事前に各出場団体の演奏曲目がテキストデータでネット上に上がっていたのですが、今回はPDFや画像データでの予告で、見落としていました。来年以降、気をつけます。
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コンクール後に行われる各団体の定期演奏会等で、コンクールの自由曲として演奏した作品をプログラムに入れるケースが結構あります。フリューゲルさんもそうで、来月開催予定のコンサートに「レモン哀歌」も入っていました。

早稲田大学コール・フリューゲル 第70回定期演奏会

期 日 : 2025年12月12日(金)
会 場 : 小金井宮地楽器ホール 大ホール 東京都小金井市本町6-14-45
時 間 : 18:30~ 
料 金 : 全席自由 1,000円

曲 目
 ・ 『レモン哀歌』 《愛のうた -光太郎・智恵子-》
   男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのためにより
   [ピアノ-リダクション(四手連弾)版] 作曲:新実徳英  作詩:高村光太郎
 ・ 『彼岸花』 男声合唱組曲《雪と花火》より 作曲:多田武彦  作詩:北原白秋
 ・ 《Missa Papae Marcelli》より 作曲:Pierluigi da Palestrina
 ・ 男声合唱とピアノのための《あらゆる日も夜も》 作曲:根岸宏輔  作詩:川崎麻希
 ・ ポップス アラカルト 編曲:清水昭
 ・ 男声合唱と三つの打楽器のための《紋》 作曲:松本望  作詩:金子光晴

出 演
 指 揮:清水敬一(常任指揮者)/清水昭/真下洋介/小野由寛(学生指揮者)
 演 奏:早稲田大学コール・フリューゲル
 ピアノ:小田裕之/井川弘毅  パーカッション:篠崎智 

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「レモン哀歌」、本来はオーケストラ伴奏として作曲され、令和4年(2022)の慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団さんの第146回定期演奏会で同団依嘱作品としてオケ伴で初演され、その際のライブ演奏を録画したDVDで拝聴しました。全音さんから刊行された楽譜はピアノ連弾の伴奏となっており、フリューゲルさん、コンクールでも定演でもその形での演奏です。

ピアノ連弾バージョンは聴いたことがないので、行ってみようかなと思っております。みなさまもぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

ロダンにとつては、生きてゐるといふ理由のみであらゆる生きて居るものは美しい。そしてあらゆるものは同等に美しい。

光太郎訳 アサア サイマンス「ロダン論」より
大正3年(1914)訳 光太郎32歳

名もない草花にも「美」を見出す、言うのは簡単ですが、それを常に意識するのは難しいような気がします。

本日のキーワードは「今週末」。紹介すべき事項があとからあとから出て参りまして、ギリギリの紹介となってしまい、すみません。

まず、都内から朗読公演の情報。

四季の朗読会〜秋の部〜

期 日 : 2025年11月8日(土)
会 場 : 秋葉原ハンドレッド2 東京都台東区浅草橋5-3-2
時 間 : 12:00~
料 金 : ¥6,000

文豪達の四季折々の名作が俳優の紡ぐ言葉によって現代に再び蘇る朗読会。俳優達と一緒に過去の名作を楽しみましょう。


十二時の回 高村光太郎「山の秋」 十五時の回 久米正雄「虎」 十八時の回  泉鏡花「貴婦人」

出演者 谷佳樹 山口渓 町田尚規 灰塚宗史

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「山の秋」は、花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)周辺の思い出を再上京してから書いたもので、雑誌『婦人公論』第37巻第10号(昭和28年=1953 10月)に発表されました。

谷佳樹さんという方、舞台「文豪とアルケミスト 旗手達ノ協奏(デュエット)」で、主人公の志賀直哉役を演じられた方でした。他にも同作でアンサンブルという敵の戦闘員役を演じられた方も。今一つ公演の詳細が分からなかったのですが、なるほど、そういう系かと。

もう1件、智恵子の故郷・福島二本松からコンサート情報です。

トランペット&ピアノ デュオ 駅に響け「ほんとの空」コンサート

期 日 : 2025年11月9日(日)
会 場 : JR東北本線安達駅東西自由通路西口1階コンコース
時 間 : 午後1時15分(約50分)
料 金 : 無料

トランペッター Noby
本宮市出身二本松在住のプロトランペッター。中学時代にイタリア人トランペッターニニ・ロッソに憧れ、趣味で吹き続けてきた事がプロの道へ。国内各地、海外での演奏経験もあり、ジャンルを問わない演奏は好評である。

ピアノ 坂本ひとみ(市内在住)

(当初出演予定でフライヤーに名がある千葉貴利氏は、お身内にご不幸があり、急遽出演できなくなったそうです)
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光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語を冠したコンサートです。会場は二本松市名誉市民であらせられた彫刻家の故・橋本堅太郎氏の最後の作品にして智恵子像の「今、ここから」が立つ安達駅。トランペットのNobyさんは、これまでも二本松での智恵子関連イベントなどに繰り返し出演なさっています。当方も一度、演奏を拝聴しました。

当初出演予定だった千葉貴利氏という方は存じませんでしたが、プロフィール欄に「生まれつき、右手首より先が無い」とあります。それで鍵盤楽器を弾かれるというのですから、つくづく人間というものは凄いんだな、と改めて思います。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

辛抱です! 神来を頼みにするな。そんなものは存在しません。芸術家の資格は唯智慧と、注意と、意志とだけです。正直な労働者のやうに君達の仕事をやり遂げよ。

光太郎訳 ロダン「若き芸術家達に(遺稿)」より
大正9年(1920)頃訳 光太郎38歳頃

やはりロダンも光太郎同様、ポジティブですね。光太郎がそれに学んだ、と言うべきかも知れませんが。

この場合の「芸術家」は、造型作家のみと限らないでしょう。

新刊です。

昭和の夢は夜ひらく

発行日 : 2025年10月20日
著者等 : 五木寛之
版 元 : 新潮社
定 価 : 960円+税

戦前・戦中・戦後──。流れゆく時代の片隅で、私は何を見てきたか。『週刊新潮』人気連載から厳選、追憶の36話。

昭和百年とはいうけれど、歴史として語られる数々の出来事と、戦前、戦中、戦後にかけて自身が経験してきた事々は、重なるようでいてどこか重ならない。戦争と引揚げの記憶、貧しかった青春時代、かつての文壇での交友や歌謡曲の世界、そして逝きし人びとの声──連載十二年に及ぶ「週刊新潮」の人気エッセイから三十六話を厳選、忘れ得ぬ時代の原記憶が鮮やかによみがえる。
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目次
 はじめに
 流されゆく日々
  流れゆく時代のなかで/ボタ山に紅テントが立った時代/ラジオと共に六十年/
  黒と白のブルース/一日見ぬ間の桜かな
 昭和百年とはいうけれど
  昭和百年の原記憶/ぬるめの風呂につかりながら/昭和時代の片隅で/
  昭和残影あれこれ/『昭和百年』はどう語られるか
 忘れ得ぬ記憶
  虫のいろいろ/シベリア抑留者の光と闇/七十数年前の難民として/
  時は流れる 時計が見える/戦後は遠くなりにけり/思い出のなかの昭和残影
 歌は世につれ、世は歌につれ
  高村光太郎の国民歌/昭和歌謡の罪と罰/昭和の夢は夜ひらく/
  時代の歌と、歌の時代/昭和は踊る時代だった
 文壇つかずはなれず
  文壇バーとガールズ・バー/おい、泣くなよ奥野/文士劇のあった時代/
  原稿用紙と私/あの日の雨はまだ降っている/ハラスメント天国
 忘れ得ぬ人の面影
  内田裕也という人の片影/平岩弓枝さんのこと/上海ガーデン・ブリッジ/
  八代亜紀と冠二郎/残る桜も散る桜
 私の昭和時代
  昭和二十年代の正月/わが青春に悔あり/野球がだんだん遠くなる/私がなくしたモノ

解説文にある通り、『週刊新潮』さんに連載のエッセイ「生きぬくヒント!」からのセレクションです。

「歌は世につれ、世は歌につれ」中の「高村光太郎の国民歌」は、令和2年(2020)の3月12日号に掲載されました。昭和15年(1940)に光太郎が作詞し、飯田信夫が作曲、徳山璉(たまき)の歌唱でそこそこヒットした「歩くうた」に関する内容です。

平成30年(2018)の同じ連載で「潜伏する人びとの世界」と題し、天草地方の潜伏キリシタン、九州や東北の隠し念仏/隠れ念仏などを扱った回でも光太郎に触れて下さっていましたが、残念ながら本書では採録されていませんでした。

昭和7年(1932)のお生まれで、「昭和」時代の大半を経験されている五木氏だけに、多岐に亘るその昭和史の証言は貴重なものだな、と思いつつ拝読いたしました。昭和100年ということで、タイムリーですね。

作詞家でもあらせられた氏ですので、音楽関連の内容も多く、「歌は世につれ、世は歌につれ」と一章まるまる歌謡の話に割かれていますし、他の章でも内田裕也さん、八代亜紀さんなどに触れられています。

もちろん文壇系の話題も。川端康成、野坂昭如、寺山修司、立松和平、安岡章太郎、吉行淳之介などに触れられています。そうかと思えば考古学者の大塚初重など全く畑違いと思われる人々の思い出も。

ぜひお買い求め下さい。

【折々のことば・光太郎】

私は民衆の言葉を使ふ。思想は明瞭であつて、容易く呑みこまる可きものですから。私は大多数の人に会得して貰ひたい。学者風の言葉や見慣れない文句は審美学専門の学者達に譲ります。


光太郎訳 ロダン「ロダンの手帳 クラデル編」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

万人にわかりやすい言葉で語り、書く。大切なことだと思います。五木氏の文章など、まさにそんな感じですが。

福島を拠点に活動されている音楽ユニット風信子(ヒヤシンス)さんの、今月リリースされた自主制作盤CDです。

風の旅人〜夕焼け空の色はふるさとの色〜

発行日 : 2025年10月13日002
発行元 : 風信子
定 価 : 1,500円

作詞・作曲 : 村上有理香
編 曲 : 吉田賢市
演 奏 : 風信子

風信子(ヒヤシンス)第2弾CD『風の旅人〜夕焼け空の色はふるさとの色〜』(1500円) が10月13日(祝月)にリリースされました🌸

風信子の代名詞、オリジナルご当地ソング8曲がすべて収録されています😊また今回は様々な効果音が使われていて、まるで物語の世界を旅しているような雰囲気も味わっていただけると思います✨️

風信子の音楽で、ぜひ楽しい旅に出かけて下さい💐

曲 目 :
 1、大好き♡曽根田駅
 2、遊びにおいでよ飯坂へ
 3、ここが飯野☆ここが好いの♡
 4、本当の空を忘れないで  (二本松)
 5、ぼくらの町の桃源郷 (二本松・さつき山公園テーマソング)
 6、ふるさとの町〜伊達に帰ろう〜
 7、喜多方の街 (喜多方・福島DC勝手に応援歌~喜多方編 準グランプリ受賞曲)
 8、想い出をたどれば  (いわき、浜通り)

曲目タイトルでお判りかと存じますが、全曲福島各地の「ご当地ソング」的な。M4の「本当の空を忘れないで」に、光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)の「ほんとの空」から派生した「本当の空」の語を使い、安達太良山、阿武隈川、二本松霞ヶ城、提灯祭りなどが謳い込まれています。ジャケットの夕景画像も安達太良山ですね。
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キーボードやウクレレを弾きつつリードボーカルの村上有理香さん(左)と、ギター・コーラスの吉田賢市さん(右)、お二人によるユニット・風信子(ヒヤシンス)。これらの曲などを引っ提げて、主に県内各地のイベントなどにご出演なさっています。
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村上さんが、一昨年5月に二本松で行われた「智恵子を偲ぶ鎮魂の集い」(智恵子のまち夢くらぶ~高村智恵子顕彰会~さん主催)にご参加、その際に知遇を得まして、今回、CDを購入させていただきました。

福島愛溢れる歌詞と優しいメロディー、軽やかな演奏をぜひご堪能いただきたく、ご紹介いたします。ぜひお買い求めを。

【折々のことば・光太郎】

彼等の彫刻には静がある。驚く可き静と休息とがある。官学風の静ではない。官学風のは自然の欠乏、生命の欠乏です。さうでは無くて、強力の静、意識力の静、精神の下にある肉体から来る印象です。

光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 フレデリク ロートン筆録」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

「彼等」はロダンが手本とした古代ギリシャの彫工たち。「強力の静」となると一見矛盾した表現ですが、「考える人」などは見事にそれが体現されていると思います。それを光太郎も目指したのでしょう。
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昨日は神奈川県逗子市にて開催中の「逗子アートフェスティバル」の一環としてのコンサート「余白露光2~テルミンと箏~」を拝聴して参りました。
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会場は逗子文化プラザホールさん。
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着いた時にはリハーサル中。
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地元逗子市のテルミン奏者・大西ようこさんと、都内ご在住の箏曲奏者・元井美智子さんによるコラボです。
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当会主催の光太郎を偲ぶ連翹忌の集いで知り合われたお二人、これまでもコラボでの公演を複数回なさっています。

さらに仙台にお住まいのヴォイスパフォーマー・荒井真澄さんの朗読が加わったトリオでも、福島二本松の智恵子生家で今年やられていますし、大西/荒井ペア、元井/荒井組でもそれぞれ複数回。

その荒井さんと元井さん。リハ後のショット。
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さらに荒井さんは昨日、ホワイエに設けられた大西さん所蔵の品々による「智恵子抄」コーナーの解説もご担当。
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連翹忌の集いで出会った皆さんがこうして活動の幅を拡げ、光太郎智恵子の世界を広めて下さっているのは主催者冥利に尽きるというものです。

お二人の後に吊り下げられているのは、切り絵作者・杵淵三朗氏の「境界剪画」。大西さんが運営されている同市のテルミンミュージアムでもかつて拝見しましたが、超絶技巧ですね。

杵淵氏。
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昨日のプログラムには、元井さん作曲の「智恵子抄」が組み入れられ、元井さんが箏を弾きつつ光太郎詩の朗読、そこに大西さんのテルミンがのっかる感じで。

杵淵氏の「境界剪画」をスクリーン代わりに、逗子の海などさまざまな映像が投影されました。下記画像は当日配布プログラムを兼ねたアンケートの一部。
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「智恵子抄」の際には、安達太良山や智恵子生家などの二本松の風景、それから智恵子が千鳥と化した九十九里浜、さらに智恵子紙絵。不覚にもうるっと来そうになりました(笑)。
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「智恵子愛」あふれるステージでした。

他の曲目は、箏曲定番の「春の海」、元井さんのオリジナル曲、テルミンとハープの合奏のために作曲されたものをハープの代わりに箏で、光太郎と同時代人で光太郎の好んだドビュッシー、それから今回が初演の藤枝守氏作曲《植物文様~夢みる茶(Tea Dreaming)》など。

 「葉や茎に電極をつけ、そこから得られる電位変化のデータをもとに音楽的に読み換えるという手法により生み出された音楽」「今回は、お茶の葉の電位変化を元に作られた曲」とのこと。

あっという間の2時間でした。終演後に帰られるお客様の表情も、実に満足げでした。

今後のご関係の皆様のさらなるご活躍を祈念いたします。

追記

昨日折り込まれていた、近々開催され、大西さん、元井さんの出演なさる演奏会のフライヤー等、載せ忘れていました。すみません。
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【折々のことば・光太郎】

――芸術家とは見る人の事です。眼の開た人の事です。其心に、物の内面の本質が、いづれにしても、存在事実として考へられる人の事です。

光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 フレデリク ロートン筆録」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

昨日お会いした皆さんもそうなんだろうな、と、つくづく思いました。音楽は「見る」わけではありませんが。

愛知県から演奏会情報です。

第4回 前川健生テノールコンサート~あいのうた~

期 日 : 2025年10月19日(日)
会 場 : 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 愛知県豊橋市西小田原町123番地
時 間 : 15:00開演
料 金 : 一般 3,500円 高校生以下 2,000円

本演奏会では偉大なる芸術家高村光太郎作詞による妻・智恵子との苦難と愛を歌った『智. 恵子抄』をはじめとする素晴らしい作品の数々を演奏いたします。本年2025年は、わたく. し前川が東京二期会員として演奏活動を始めて10年目、また30代最後の年でもあります。 社会的にさまざまな出来事があったこの数年間を振り返り、また個人的な節目として、研鑽の結果を故郷・東三河の皆様に披露をしたく演奏会を準備いたしました。トークや解説. を交えながら、楽しくお聞きいただけるコンサートにいたします。是非お越し下さい。

出 演 : 前川健生[テノール]  赤松美紀[ピアノ]

予定曲 : 
 高村光太郎作詞作曲 歌曲集『智恵子抄』 
 マスカーニ作曲『カヴァレリア・ルスティカーナ』 母さん、あの酒は強いね
 トスティ作曲「理想の人」「君なんかもう」「かわいい口もと」 
 クルティス「忘れな草」 
 カルディッロ カタリ・カタリ ほか 
 (都合により変更となることがあります)
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故・別宮貞雄氏作曲の歌曲集「智恵子抄」が大きく前面に出されています。

最近では同じく二期会の紀野洋孝氏があちこちで歌われ、CD化されていますし、他の方もぽつぽつ取り上げて下さっています。紀野氏より前に故・永田峰雄氏によるCDもリリースされています。音楽之友社さんから楽譜も公刊されており、やはり楽譜と音源が公に出ていると演奏会でプログラムに入れやすいというところがあるのでしょう。もっとも、ろくでもない曲ではそうは成らないでしょうが。

今回、「「智恵子抄」より」とされていませんので、全曲演奏されるのでしょうか。全曲だと「Ⅰ 人に」「Ⅱ 深夜の雪」「Ⅲ 僕等」「Ⅳ 晩餐」「Ⅴ あどけない話」「Ⅵ 人生遠視」「Ⅶ 千鳥と遊ぶ智恵子」「Ⅷ 山麓の二人」「Ⅸ レモン哀歌」と9曲の構成です。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

増盛の度合は人によります。彫刻家一人一人の分別と気質とによる事です。それ故やり方の伝授といふものは無い。工場の秘訣といふものは無い。唯真実の法則があるばかりです。

光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 カミーユ モークレール筆録」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

いわゆる「見て盗め」というのはこういう考え方に根ざしているのでしょうか。音楽でもそういうことがありそうです。この場合「見て」より「聴いて」の部分が多そうですが。

昨今流行りのAIを使って、いわゆる巨匠の作品を徹底的に分析し、その特徴を色濃く持つ新しいものを創造することも可能なのでしょうが、そんなことをやったとて滑稽なものしか出来ないような気もします。古い考え方でしょうか。

本日開幕の「逗子アートフェスティバル」の一環としてのコンサートです。

余白露光2 ~テルミンと箏~

期 日 : 2025年10月18日(土)
会 場 : 逗子文化プラザホールなぎさホール 神奈川県逗子市逗子4-2-10
時 間 : 13:30~15:30(13:00開場) 
料 金 : 3,000円(中学生以下1,500円)

触れずに演奏する不思議楽器テルミン(世界最古の電子楽器)と箏の演奏会に、切り絵装飾と映像を重ねた幻想的な舞台。春の海、月の光、といった名曲に加え、テルミンと十七絃箏の為の新曲(藤枝守)初演予定。

旧逗子高等学校武道場で開催された『余白露光』(ZAF2024)の続編です。今年は切り絵も更に増えて23本。昨年『余白露光』ワークショップで、逗子の学校の生徒さんに作って頂いた切り絵もホール舞台装飾に参加します。

連作『植物文様』とは、葉や茎に電極をつけ、そこから得られる電位変化のデータをもとに音楽的に読み換えるという手法により生み出された音楽です。今回は、お茶の葉の電位変化を元に作られた曲です。

また、本演奏会では、通常の十三絃箏に加え、十七絃箏も演奏されます。十七絃箏とは、宮城道雄氏が作曲および合奏するにあたり低音域の必要性を求め作られました。当初はあくまで伴奏楽器でしたが、沢井忠夫氏により独奏楽器として確立されました。従来の箏とは異なる深く沁み渡る音が特徴です。

アーティスト紹介
 大西ようこ Yoko Onishi [テルミン]  元井美智子 Michiko Motoi [箏] 
 杵淵三朗 Saburo Kinebuchi[境界剪画・民族楽器] 

演奏予定曲目
 春の海(宮城道雄) 月の光(ドビュッシー) いにしえの光(竹味奈美) 秋に(橘川琢)
 《植物文様~夢みる茶(Tea Dreaming)》 (藤枝守) 『智恵子抄』より さくら(日本古謡)
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テルミン奏者の大西ようこさんが逗子にお住まいということで、お仲間を率いて地元での演奏。昨年に引き続いてです。同市の『広報ずし』(「押しずし」とか「ちらしずし」のようですね(笑))今月号。
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大西さんは、今回も出演される箏曲の元井さん、それから出演はなさいませんが聴きに来られるという朗読の荒井真澄さんとお三方で、二本松の高村智恵子生家/智恵子記念館さんで開催された高村智恵子生誕祭の一環として、4月に当会主催で智恵子生家の座敷を会場にして行ったコンサート音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれたにもご出演なさいました。
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元井さんは荒井さんと組んで、昨年から仙台、花巻で演奏。今年は花巻高村光太郎記念館さんでも
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さらにフライヤーにも写っている杵淵三朗氏の「境界剪画」がステージを飾るようです。また、同氏のご紹介に「民族楽器」とあり、演奏もされるのでしょうか。

プログラムにある『智恵子抄』よりは、おそらく元井さんのオリジナル曲。昨年、やはり大西さんとのコラボ「テルミンミュージアム4周年記念~人数限定のスペシャルなライブ~」でも演奏されました。

また、会場入口には大西さん所蔵のものを中心とした「智恵子抄」コーナーも設けられるとのこと。そのパネル制作、ちょっとだけお手伝いいたしました。

ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

芸術は静観です。自然を洞察し、又自然の中の心霊を推測する喜悦です。


光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ポール グゼル筆録」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

今回演奏される藤枝守氏作曲の連作『植物文様』は、「葉や茎に電極をつけ、そこから得られる電位変化のデータをもとに音楽的に読み換えるという手法により生み出された音楽」だそうで、こういうのも自然の洞察、推測なのかもしれません。

光太郎詩にオリジナルの曲を付けて歌われているシャンソン系歌手・モンデンモモさん。島根県を拠点にミュージカル等に携わられることが多いのですが、ご自宅は都内で、今年は「智恵子抄」をメインにしたライブを4月5月と開催されまして、さらにまたやられるとのこと。

BOOK CAFÉ LIVE モモの智恵子抄

期 日 : 2025年9月20日(土)
会 場 : 蔵カフェ 東京都府中市宮西町4-2-1
時 間 : 15:00~
料 金 : 3,500円+カフェご注文

出 演 : モンデンモモ たしまみちを(ギター)

我地元。大国魂神社に抱かれる 蔵カフェにて シリーズが始めさせていただけることになりました。このカフェは長い文化の源です。

私の根幹であります 智恵子抄 常にお届けしてまいります 光太郎さんとの出逢いから レモンの香りに包まれる現世 そして魂になり 光太郎さんと遊び見守り智恵子さん 時代と共にその魂も遊びます 本当に素敵なカフェです あなたも蔵カフェで歴史を築かれませんか モンデンモモモモ ここで 集約して参ります お待ちしています
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ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

のろい、考へつつする仕事や、手業。此は神来よりは美しくない様に見えます。ぱつとしない。それにも拘らず、此が芸術の総根元なのです。

光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ジユヂト クラデル筆録」より
大正4年(1915)頃訳 光太郎33歳頃

「神来」は、神の啓示を受けたかのように、突然に達する境地。芸術とはそういうものではなく、地道な積み重ねが重要だと、ロダンも、それを訳した光太郎も考えていました。

昨日は上京しておりました。

メインの目的はコンサートの拝聴でしたが、早めに出て、まずは久々に国会図書館さんへ。
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こちらのデジタルコレクション、自宅兼事務所に居ながらにして見られる資料数が飛躍的に増えているのですが、館まで足を運ばないと見られない「館内限定」データも著しく拡充されており、そのあたりの調査です。

光太郎智恵子がらみで様々なことをやっている当方ですが、ライフワーク的には彼等の書き残したものの集成。筑摩書房さんの増補版『高村光太郎全集』の平成10年(1998)に完結後も、それにもれている作品がかなり多く、高村光太郎研究会さんで年刊刊行の『高村光太郎研究』内の連載「光太郎遺珠」としてそれらを紹介しています。昨日もそれっぽいものを見つけて参りました(詳しく調べないと分かりませんが)。また、『高村光太郎全集』編纂に当たられた、当会顧問であらせられた故・北川太一先生の古い短文なども。

その後、杉並区の荻窪に。古書店を2軒廻り(収穫ゼロでしたが)、杉並公会堂さんへ。
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こちらで「 POEM*CONCERTⅣ ほんとうの幸い 宮沢賢治も夢みた世界」という公演があり、それがメインの目的でした。
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「POEM*CONCERT」と題されているように、毎回1人の詩人を取り上げて、その人物の作詞した歌曲などを演奏したり、作品の朗読を行ったりというコンセプトで、今回は宮沢賢治。直接的には光太郎には関わりませんが、これは聴いておかなけりゃ、というコンサートでした。

第一に、今冬の花巻高村光太郎記念館さんでの企画展示に向けて、現在、宮沢賢治と格闘していますので(実際に殴り合っている訳ではありません(笑))。まだ詳細は発表されていませんが、数回にわたる『宮沢賢治全集』の刊行に光太郎が大きく関わっていまして(当会の祖・草野心平も)、そのあたりに関する展示になります。関連行事として、年明けには花巻で賢治実弟・清六の令孫、宮沢和樹氏らとの公開対談も予定されています。展示の解説パネルはいったん書き上げましたが、まだ完成というわけではありませんし、とにかく賢治の世界観に触れておきたいと考えた次第です。

第二に、出演なさった二期会の黒川京子氏、清水邦子氏とのご縁。今回の招待券も黒川氏から頂きました。
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お二人とも光太郎詩に曲が付けられた歌曲を歌われていらっしゃり、そしてこのコンサートの関係もあって、賢治の故郷・花巻を訪れてみたいということで、今年の1月31日(金)・2月1日(土)と、1泊2日で花巻をご案内いたしました。そういうわけで、やはり「これは聴いておかなけりゃ」でした。

さて、杉並公会堂さん。正面玄関を入ると、テレビモニターがあって、よくある「本日の催し」的な案内画面。それを見て、噴き出しました。
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「ほんとうの幸い」が「ほんとうの辛い」になっていまして(笑)。まぁ「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と賢治は言い切りましたので、「ほんとうの幸い」を実現するためには「辛い」ことも多いでしょうが(笑)。

2部構成で、プログラム的には以下の通りでした。
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独唱あり、4人の歌い手さんによる混声4部合唱あり、仕掛け人のお一人・松野志保氏のレクチャーや朗読あり、最後は観客席を巻き込んでの「星めぐりの歌」大合唱(厳密には斉唱ですが(笑))と、実にバリエーションに富んだ構成で、素晴らしいと思いました。まさに黒川氏、清水氏のお二人をお連れしたイギリス海岸を題材にした「イギリス海岸の歌」も演奏されました。さすがに種山が原まではご案内できませんでしたが。

ちなみにバリトンの馬場眞二氏は、一昨年の「福成紀美子ソプラノリサイタル~作曲家 朝岡真木子とともに~」で、朝岡真木子氏ご作曲の「冬が来た」を歌われた方でした。テノールの鹿内芳仁氏は青森ご出身だそうで、MCでは歌曲の歌詞を賢治が書いた通りの南部弁で読まれたり。

終演後。
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この際のトークの中で、次回(来年)の予告。これまでに金子みすゞ、立原道造、中原中也、宮沢賢治と来て、何と、次回は光太郎を取り上げて下さるそうで。帰りがけ、ホワイエで清水氏、黒川氏とお話しさせていただいた中で「来年が光太郎って、聞いてなかったっすよ」と申し上げたところ「さっき決まりました」(笑)。一昨年、清水氏歌唱でリリースされた朝岡真木子氏ご作曲の「清水邦子が歌う 組曲『智惠子抄』」CD(ライナーノートを書かせていただきました)を、清水氏が松野氏らにお渡しなさったところ、「来年は高村光太郎で行こう」となったそうで。

光太郎詩に曲を付けた作品は、独唱歌曲もそれなりにたくさんありますし、今回のように4人のカルテットとすれば、これまたまあまあ数のある混声4部合唱も可能で、こりゃ楽しみだ、と思いました。ただ、光太郎自身が元々歌曲の歌詞として作詞したものはほとんど戦時歌謡系ですので、そのあたりはちょっと……という気がしますが。

そんなこんなでサプライズもあり、充実した上京となりました。関係の皆さまに感謝申し上げると共に、今後のますますのご活躍を祈念いたします。

【折々のことば・光太郎】

自然を狭義に模写する事は全く芸術の目的ではありません。

光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ジユヂト クラデル筆録」より
大正4年(1915)頃訳 光太郎33歳頃

「「自然」に学べ」とか「「写実」が重要」とロダンは繰り返しましたが、ただそのままを写し取ることには否定的でした。自然を模写しつつも、自らの感性というフィルターを通して作品に仕上げなければならい、というわけでしょう。そのためには「誇張」もやぶさかではないと。

光太郎もその考えを自らの血肉としていました。そのため、実物そっくりに作った自在置物などのいわゆる超絶技巧系には芸術としての価値を殆ど認めませんでした。超絶技巧系大好きで少し前に起こったブームの仕掛け人だったエラいセンセイのお一人は、その点をして「光太郎が明治工芸を破壊した」と憤慨していましたが、それはお門違いというものでしょう。

全日本合唱連盟さんの下部組織である東京都合唱連盟さん主催の「第80回東京都合唱コンクール」が来週開催されます。上位入賞団体は10月から11月にかけて行われる全国大会の出場権を獲得できる仕組みです。画像は昨年の第79回大会の模様。
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都合唱連盟さんのサイトで、都大会の出場団体、曲目まで公開されています。その中で、「大学ユースの部」に出場される早稲田大学コール・フリューゲルさんが、新実徳英氏作曲の「愛のうた -光太郎・智恵子-男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために」から「レモン哀歌」を演奏されるとのこと。本来、サブタイトルにあるとおりオケ伴として作曲されたものですが、公刊されている楽譜は四手連弾のピアノ譜が付されていて、その形で演奏されるのでしょう。

コール・フリューゲルさん、昨年度の「第77回全日本合唱コンクール全国大会」で金賞を獲得したそうで、そのため、今回の都大会では「シード」。出場はされるそうですが審査の対象外で、もう全国大会出場が決まっているとのこと。そういう規程になっているとは存じませんでした。

また、都大会の演奏も課題曲と自由曲それぞれ1曲ずつを演奏する他団体と異なり、課題曲1曲と、自由曲的に4曲の演奏となっています。そのうちの1曲が「レモン哀歌」、他に「早稲田大学校歌」(作詩:相馬御風 作曲:東儀鉄笛 編曲:山田耕筰)、「男声合唱と四手のピアノのための『一人は賑やか』より 一人は賑やか」(作詩:茨木のりこ 作曲:三善晃)、「『リーダーシャッツ21』男声合唱篇より さらに高いみち」(作詩:木島始 作曲:信長貴富)。シード権を得ると、もはやアトラクション的な扱いになるようです。

全国大会では地方予選を勝ち上がっていた団体と同様に、課題曲と自由曲それぞれ1曲ずつの演奏となるそうで、そちらの曲目はまだ不明です。ぜひ全国でも「レモン哀歌」を演奏していただきたいところですが。

都大会の詳細は以下の通り。

第80回東京都合唱コンクール

期 日 : 2025年9月6日(土) 小学生部門 大学職場一般部門 混声合唱の部/同声合唱の部
      9月7日(日) 大学職場一般部門 大学ユースの部/室内合唱の部
      9月21日(日) 中学生部門 高等学校部門
会 場 : 文京シビックホール 東京都文京区春日1-16-21
時 間 : 9/6  10:30~ 9/7 10:15~ 9/21 10:30~
料 金 : 一般 前売り1,500円/当日券2,000円 小学生 前売り800円/当日券1,000円
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コール・フリューゲルさん、1日目の9月6日(土)、予定では18:48~の演奏ということになっています。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

芸術に於て、人は何にも創造しない! 自分自身の気質に従つて自然を通訳する。それだけだ!

光太郎訳ロダン「断片」より 大正5(1916)頃訳 光太郎34歳頃

「自分自身の気質に従つて自然を通訳」。優れた音楽も、そういうものなのかもしれません。

8月6日(水)、新宿の東京オペラシティアートギャラリーさんで開催中の「難波田龍起」展を拝見後、上野に足を向けました。次なる目的地は東京文化会館さん。モダニズム建築の巨匠・前川國男の設計です。音楽ホールとしては珍しく、かつてテレビ東京さん系の「新美の巨人たち」でも取り上げられました。もっとも同番組、ヘーベルハウスさんの単独提供となってから「『建築の巨人たち』じゃねーか」と突っこみたくなっているのですが(笑)。
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こちらの小ホールで、「第18回二期会駅伝コンサート~喜怒哀楽~」を拝聴。
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「駅伝」の名に相応しく、15:30から20:00まで、50名超の歌い手の皆さん、10名以上のピアニストさんが演奏し継いでいくという催しでした。
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最後の「日本歌曲研究会」さんの部で、朝岡真木子氏作曲の「組曲 智恵子抄」から「千鳥と遊ぶ智恵子」を清水邦子氏が歌われるので、最終休憩の前、18:30頃参上いたしました。いきなり受付付近に朝岡氏がいらっしゃり、ご挨拶させていただきました。

休憩中の小ホール。
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こちらには初めて足を踏み入れましたが、小ホールといいつつ、へたな施設の大ホールより素晴らしいと思いました。ステージは確かに狭いのですが、天井の高さがそれを感じさせず、実際、後ほど演奏が始まると音響効果はえもいわれぬものでした。

来年、大規模改修が始まるそうですが、オリジナルの雰囲気はそのままにリニューアルされることを強く望みます。

「ロシア歌曲研究会」さんの後、「日本歌曲研究会」さん。
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朝岡氏作曲の「千鳥と遊ぶ智恵子」。清水氏は組曲の中の一曲だけを取り出すのは難しいとおっしゃっていましたが、どうしてどうして秀逸な演奏でした。

トリをつとめられた前澤悦子氏、令和4年(2022)の「えつ子とまき子のコンサート 2022秋」など、朝岡氏作曲のコンサートご常連で、この日も「智恵子抄」ではありませんでしたが、朝岡氏作曲の「日の光」(詩:金子みすゞ)を清水氏とデュエットなさったりもされました。

「日本歌曲研究会」さんの終演後。
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さらにグランドフィナーレは、おそらく今回の駅伝に参加されたほぼ全ての歌い手さん(プラスアルファもいらしたような……)による「歓喜の歌」サビの部分大合唱。伴奏はピアノ連弾でした。

すべて終演後のホワイエ。
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関係の皆さまのますますのご活躍を祈念いたします。

【折々のことば・光太郎】

芸術による思想の伝導は、生の伝導と同じく、熱情と愛との仕事である。

光太郎訳「ロダンの芸術」(ユージエヌ カリエール)より
大正5年(1916)訳 光太郎34歳

この項、元々、『高村光太郎全集』第1巻から始め、光太郎の詩文から「人生訓」的なものを紹介するというコンセプトでしたが、第12・13・20巻の日記や第14・15・21巻、さらに補遺である「光太郎遺珠」の書簡からの引用になって、当初の意義が薄れてしまっていました。

今日からは第16~18、20巻の翻訳の巻から元に戻して「人生訓」的な言葉を拾います。翻訳なので光太郎自身の言葉と言えませんが、やはり原語を日本語に変換する過程で光太郎の思想も入っていますし、多くはそれらの言葉が光太郎の血肉となっていますので。

まずは訳書『ロダンの言葉』(大正5年=1916)の序文的な文章から。ここで言う「芸術」は、彫刻などの造型芸術に限らず、文筆や音楽など、すべてのジャンルに当てはまるものと思われますね。

キーワードは「上野公園」です。

まずは雑誌の新刊。

月刊アートコレクターズ No.197 8月号

発行日 : 2025年7月25日
版 元 : 生活の友社
定 価 : 952円+税

近年酷暑が続く夏に、肝を冷やす待望の企画を実施!恐怖と一口に言ってもその内実は様々です。そこで、今回は恐怖にまつわる様々な感情を切り分けながら、それらを表現としてどのように昇華させているのか、特にそのテクニックについてインタビューや寄稿、グラビアを通して探求します。表現を扱う美術雑誌ならではの切り口で、恐怖の見方を伝授します。
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目次
 【巻頭特集】徹底解剖 恐怖の裏側
  ◇エキスパートに学ぶ、恐怖の作法
   高橋洋 「リング」「霊的ボリシェヴィキ」/押切蓮介 「サユリ」「ミスミソウ」
   外山圭一郎 「サイレントヒル」「SIREN」/
   平山夢明 「ダイナー」「『超』怖い話シリーズ」
  ◇寄稿
   春日武彦 恐怖を分解する─なぜ人は恐怖に惹かれるのか
   廣田龍平 機械論的妖怪の潜勢的恐怖─俗信の怖さについて
   布施英利 ホラーとテラー……脳の中の恐怖
   佐々木敦 現代の「空気」を映し出すホラー/アート
  ◇対談
   田中俊行╳渡辺シヴヲ いと奥深し ! オカルトコレクションの世界

  霊能力者Miyoshiに聞く ! もっと知りたい幽霊Q&A
  中村麗子が選ぶ三つの感情で味わう本当に怖い絵
 ◇グラビア
  畏れの魔力 金子富之/山本じん/阪東佳代/池田一憲/平良志季/高資婷/岡本東子
   鶴川勝一/吉田然奈/柳生忠平
  非現実に花咲く恐怖の甘美 髙木智広/椎木かなえ/石黒光/髙橋美貴/
   Sui Yumeshima /亀井三千代/篠原愛/藤浪理恵子/冥麿/貳來/羅展鵬/飴屋晶貴
   立島夕子/生熊奈央/三塩佳晴/多賀新
  自分と世界の緊張感系 内田あぐり/深海武範/佐藤温/高見基秀/村上早/池田ひかる
   内田すずめ/大河原愛/市川友章/林銘君/日野之彦/海老原 靖/佐藤T 
   井上光太郎/髙木優希
  デフォルメする恐怖 丸尾末広/駕籠真太郎/中村宏/かつまたひでゆき/夜乃雛月
   BURUMORI /添田奈那
  恐怖は屹立する 牟田陽日/船橋つとむ/ウチダリナ/武本大志/マンタム/山本雄大
   川上勉/林美登利/水村芙季子
 【連載】
  鹿島茂 リュシアン・ヴォージェルの夢 編集者一族の出会い
  水沢勉 色と形は呼び交わす 佐藤直樹 はじまりも終わりもなくつながる
  古田亮 バック・トゥ・ザ日本美術 高村光雲「西郷隆盛像」+後藤貞行「ツン」
  森孝一 思考の径路 陶芸家・五代高橋楽斎の作品にみる在り方
  田辺一宇 古今亭まくら話 見えたんだから仕方ない……ってな噺
  飯島モトハ アート&スイーツ 徳光健治個展/ANDY COFFEE チョコドーナッツ

 Contemporary Art Now/展覧会ガイド 他

 表紙デザイン:河北秀也、栗林成光 高資婷「蜘蛛と蝶」2024年 絹本着色 6号F

東京藝術大学大学美術館さんの教授・古田亮氏の連載「バック・トゥ・ザ日本美術」で、上野公園に集中する美術館等の成り立ち、明治期に上野公園で盛んに行われた博覧会について、光太郎の父・光雲が主任となって制作された「西郷隆盛像」他の銅像などについて4ページ。
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現存する建造物などについては知ってるつもりで意外と知らなかったことが多く、「そうだったのか」の連続でした。

特集はこの季節らしく「徹底解剖 恐怖の裏側」。紹介されている数々のあやかしアート作品画像は夢に出てきそうです(笑)。添えられた文章には「読まなきゃよかった……」というようなおどろおどろのものも(笑)。当方、子供の頃からビビリのくせに怪談系は好きで、しかし読了後「読むんじゃなかった……」と後悔することばかりでした。この年になっても同じことの繰り返しです(笑)。その他、日本的な「恐怖」と、欧米式のそれとの相違の考察など、興味深いものでした。

続いてやはり上野公園。コンサートのご案内です。以前、ちらっとご紹介し、その後失念していました。

第18回二期会駅伝コンサート~喜怒哀楽~

期 日 : 2025年8月6日(水)
会 場 : 東京文化会館 小ホール 台東区上野公園5-45
時 間 : 15:00開場 15:30開演
料 金 : 一般4,000円 学生2,000円 全席自由 再入場可
無題
出演 二期会研究会10団体
<予定時刻/出演研究会>
 ■15:30~
  オペレッタ・ミュージカル研究会《ヨハン・シュトラウス2世の喜怒哀楽》
  ・ヨハン・シュトラウス2世 「春の声」 「ウィーンの森の物語」 「芸術家の生涯」 ほか
   赤澤 舞・小林晴美・推屋 瞳・中野礼美・松本順子・森山由美子・茂木真由美
   渡辺佳子・黒田晋也 [ピアノ] 山中聡子
  ロシア東欧オペラ研究会《喜怒哀楽にそって》
  ・グリンカ『ルスランとリュドミラ』より "なんと嬉しいことだ~我が勝利は近い"
  ・ボロディン『イーゴリ公』より "もう長い年月がたった"
  ・チャイコフスキー『イオランタ』より "誰を私のマチルダに比べよう"
   渡部智也・牧野舞子・古川精一 [ピアノ] 小笠原貞宗
  イタリアオペラ研究会《イタリア・オペラの喜怒哀楽》
  ・F.チレア『アドリアーナ・ルクヴルール』より
    第1幕 "私は創造の神の卑しい僕" "あなたの中に母の優しさと微笑みを"
    第2幕 "苦い喜び、甘い責め苦"  第4幕 "哀れな花よ"
   折田千絵・黒田千佐代・杉本美代子・石橋佳子・伊藤潤・浜田和彦
   [ピアノ] 篠宮久徳
 =休憩(10分)=
 ■16:40~
  フランス歌曲研究会《フランス~喜怒哀楽を歌う》
  ・フォーレ「賛歌」 ・デュパルク「ため息」 ・シャブリエ「幸福の島」
  ・ドビュッシー 歌曲集『忘れられし小唄』より "そはやるせなき"
  ・ドビュッシー「家なき子のクリスマス」 ・マスネ「夏の朝」
  ・ラヴェル歌曲集『5つのギリシャ民謡』より "何と楽しい!"
   森朱美・坂本貴輝・中村優子・浅木百合子・安岐美香 [ピアノ] 松場知子・森夏野
  ドイツ歌曲研究会《アルバン・ベルク生誕140周年に寄せて》
  ・A.ベルク「7つの初期の歌」
   1)夜 2)葦の歌 3)夜鳴きうぐいす 4)冠されし夢 5)部屋の中で 6)愛の頌歌 7)夏の日々
   近藤悦子・田口久仁子・刀根敬子・杉下友季子 [ピアノ] 赤塚太郎
  合同演奏『ナブッコ』行け、我が想いよ
 =休憩(10分)=
 ■17:40~
  英語の歌研究会《Girls Chattering!!》
  ・G.メノッティ『泥棒とオールドミス』より
   "こんにちは、ミス・ピンカートン" "私の恋人は船乗りに"
  ・L.バーンスタイン『キャンディード』より "ウィー・アー・ウーマン"
  ・A.サリヴァン『ミカド』より "私達は学校帰りの3人娘"
  ・S.ソンドハイム『リトル・ナイト・ミュージック』より "田舎の週末"ほか
   佐橋美起・大田中早苗・落合知美・川口美和・川畑順子・小針絢子・高居洋子
   長濵厚子・西野伸子・野澤知佳・伯田桂子・向井優希 [ピアノ] 原島慈子
  オペラワークショップ研究会《Gioia, rabbia, tristezza e piacere! 心の綾を声にこめて》
  ・G.ヴェルディ『リゴレット』より
   "ジョヴァンナ、私後悔しているの、お父様に言わなかったことを"
  ・G.ヴェルディ『アイーダ』より
   "まぁ!お父様!~もう一度見られるのだぞ、あの芳しき森"
  ・U.ジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』より "貴女のそばでは、僕の悩める魂も"
   平野真理子・福岡万由里・藤野祐子 [助演] 谷川佳幸・大井哲也 [ピアノ] 服部尚子
  イタリア歌曲研究会《ヴォルフ=フェッラーリの喜怒哀楽》
  ・E.ヴォルフ=フェッラーリ 「若者よ、なんて素敵に歩くの!」 「道行く若者よ」
   「遠く離れて」 「若者たちよ、若く美しいうちに歌いなさい」 ほか
   石原友利子・大町加津子・里村照子・鈴木葉子・高木照子・竹之内淳子・永瀬祐紀乃
   村田由紀子・鴨川太郎 [ピアノ] 山岸茂人
 =休憩(10分)=
 ■18:50~
  ロシア歌曲研究会 《喜怒哀楽にそって》
  ・ロシア民謡「ああ、夜よ」 ・シーシキン「夜は輝く」
  ・ビラーシ「秋が来ると(キーウの鳥の歌)」
  ・チャイコフスキー「ただあこがれを知る人だけが」Op.6-6
  ・チャイコフスキー「フローレンスの歌」Op.38-6
   高柳佳代・福成紀美子・清水知加子 [ピアノ] 小笠原貞宗
  日本歌曲研究会《詩人の哀しみと懊悩》
  ・松下倫士「うつくしいもの」より  "心よ" "ふるさとの山"
  ・朝岡真木子「智惠子抄」より "千鳥と遊ぶ智惠子"
  ・髙田三郎「啄木短歌集」より "やわらかに"
  ・猪本隆「悲歌」 ・猪本隆「わかれ道」 ・朝岡真木子「日の光」より "日の光" 
   斉藤京子・清水邦子・白須ヒロミ・前澤悦子 [ピアノ] 松浦朋子
 合同演奏「第九」
 終演予定20:00

*演奏中の出入りは出来ません。休憩中にお願いします。
*時間は目安です。早めのご来場をお願いします。
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「駅伝コンサート」と銘打たれています。何が「駅伝」かというと、別に歌い手の皆さんが走りながら歌うわけではなく(笑)、15:30から20:00までの長丁場を歌い継ぐ、というわけで。今回で第18回ですから、恒例の伝統行事なのでしょう。存じませんでした。

最終走者(笑)、「日本歌曲研究会」さんの中で、朝岡真木子氏作曲の「組曲 智恵子抄」から「千鳥と遊ぶ智恵子」を清水邦子氏が歌われる予定です。

招待券を頂いており、このステージのみ聴きに行く予定です。さすがに最初から最後までとなると、おなかいっぱいになるでしょう(笑)。

皆さまも是非どうぞ。

【折々のことば・光太郎】

年末年始のお小遣いの足しにもと思つて少々送ります、小生はやはりねたりおきたりしてゐます、


昭和30年(1955)12月22日 宮崎春子宛書簡より 光太郎73歳

南品川ゼームス坂病院で智恵子の最期を看取ってくれた、その姪の春子宛書簡から。幼児二人を抱えて未亡人となった春子には、気づかいを忘れませんでした。

こうして昭和30年(1955)が暮れて行きます。

「智恵子抄」系の公演情報を2件。

まずは福島から独唱歌曲の演奏会です。

欅の会・日本歌曲コンサートー清水脩の世界ー

期 日 : 2025年8月3日(日)
会 場 : キョウワグループ・テルサホール 福島市上町4番25号
時 間 : 開場 13:00 開演 14:00
料 金 : 1,000円(全席自由)

詩人の高村光太郎と福島県出身の妻、智恵子が題材の曲を演奏します。

プログラム
 第1部「わたしたちとドイツ歌曲」(美しき水車小屋の娘:シューベルト)
  Dos Wondern(さすらい) Wohin?(どこへ?) Am Feirrobend(仕事のあとで)
  Der Neugierige(知りたがる者) Uegengruss(朝の散歩)
  Des Müllers Blumen(水車屋の花) Tränenregen(涙の雨)
  Der Müller und der Bach(水車屋と小川) Des Baches Wiegenlied(小川の子守歌)
  山田耕筰・清瀬保二・間宮芳生・猪本隆・原久貴作品とともに
 第2部「清水脩作品集」
  「奥の細道」より(松尾芭蕉句)
   行く春や 風流の初やおくの 世の人の見附ぬ花や 早苗とる手もとや昔
   笈も太刀も五月にかざれ 旅に病んで
  「智恵子抄」より(高村光太郎詩)
   あどけない話 美の監禁に手渡す者 千鳥と遊ぶ智恵子 風にのる智恵子
   値ひがたき智恵子 レモン哀歌 荒涼たる帰宅


出演 ソプラノ 相田美保 佐藤彰子 みのり 佐藤裕子 藁谷志帆
   アルト  佐藤奈緒美 中村すみれ 細田睦子
   テノール 荒井一成  バリトン 竹沢嘉明
   ピアノ  熊田桂子 窪田綾奈 小林悟 吉田圭祐

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故・清水脩氏の全12曲から成る歌曲集「智恵子抄」から7曲、ピックアップされています。このうち「あどけない話」「千鳥と遊ぶ智恵子」「レモン哀歌」は光太郎生前の昭和30年(1955)の作曲。ソプラノ歌手・小島幸(大3=1914~平19=2007)の独唱会の依嘱作品でした。「風にのる智恵子」「荒涼たる帰宅」は同年、東京交響楽団の依頼により作曲され、同団定期公演でソプラノ歌手・古澤淑子(大5=1916~平13=2001)歌唱、同団伴奏により初演が為されています。「値ひがたき智恵子」は昭和34年(1959)、ソプラノ歌手・内田るり子(大9=1920~平4=1992)の「渡欧記念第五回連続日本歌曲独唱会」への委嘱作品として、「美の監禁に手渡す者」は昭和46年(1971)、テノール歌手・中村健(昭7=1932~)に献呈という形で作曲され、「中村健独唱会」で初演されました。ピアノ伴奏は三浦洋一(昭8=1933~平21=2009)でした。

光太郎があとからあとから「智恵子抄」収録詩篇を作り続けたように、清水氏も4期に分けて作曲しつづけ、完成までに16年かかっています。よほど「智恵子抄」詩篇に思い入れがあったのでしょう。舞楽の楽人であった父の影響もあり、邦楽にも関心を寄せていた氏は、昭和34年(1959)には箏曲、室内楽と朗読のコラボレーションによる「詩のための音楽 智恵子抄より」も作曲しましたし、合唱曲でも「智恵子抄巻末のうた六首」など多くの作品で「智恵子抄」をテキストに使っています。

もう1件、栃木県から朗読の公演。

秋元紀子ひとり語りin宇都宮

期 日 : 2025年8月8日(金)
会 場 : café Mario~休みの国~ 宇都宮市昭和2丁目9-20
時 間 : 開場 9:45 開演 10:00
料 金 : 3,500円+ランチセット1,580円

プログラム
 Opening act 高村光太郎作『智恵子抄』 朗読:篠崎令子
(キビタノ朗読会)
 太宰治作『恥』  安房直子作『青い花』

名古屋、秩父と好評だった太宰治「恥」と安房直子「青い花」を宇都宮でも語らせていただきます。「恥」は、ある一文がとても気に入っています。その箇所に来ると私の表情が変わると思います。「青い花」は、自分への戒めと思って読んでいます。カフェマリオの手加減しないジンジャーエールと共にお待ちしています!お問い合わせは、下記までよろしくお願い致します。
 グッドフェイス宇都宮 goodface_utsunomiya2019@yahoo.co.jp
 080-2018-3485(小林)
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メインは秋元紀子さんという方の朗読ですが、オープニングアクトとして篠崎令子さんという方による「智恵子抄」朗読がプログラムに入っています。秋元さんが講師を務められている朗読教室の方のようです。

「智恵子抄」系(無論、他の光太郎作品も)、このように音楽や朗読やで、あるいは演劇や映像作品など他のジャンルでも愛され続けて欲しいものです(長くなるので後日改めてご紹介しますが、講談の公演も近々あります)。

それぞれぜひ足をお運びください。

【折々のことば・光太郎】

おハガキありがと。写真はまたいつかとつてください。このあいだは暗すぎたのだろうと思います。こんどは日のあたつているところでとればいいでしよう。私の病気がもつとなおつたころ。


昭和30年(1955)11月11日 神保明彦宛書簡より 光太郎73歳

交流のあった詩人・神保光太郎の子息に宛てた書簡です。子供に送る手紙は新仮名遣い(促音や拗音を一回り小さいサイズにすることは除く)というのが光太郎のポリシーでした。

この「写真」、どこかで見た記憶があるのですが、今、パッと出てきません。すみません。

7月23日(水)に開催いたしましたコンサート「花巻で響き合う 光太郎、賢治、声と箏」についてレポートいたします。

ご出演は、「声」が仙台ご在住のヴォイスパフォーマー・荒井真澄さん、「箏」で都内からお越しの箏曲奏者・元井美智子さん。お二人での公演、さらにテルミン奏者の大西ようこさんを加えてのトリオでの公演をこれまでもなさっています。

「東北ツアー」と銘打って、7月22日(火)と7月25日(金)には荒井さんのテリトリーの仙台で2公演。間に挟まる7月23日(水)は光太郎第二の故郷・花巻で。当初、花巻では小さめのホールなどを借りて、とお考えだったそうですが適当な会場が取れず、そんなこんなの中で「高村光太郎連翹忌運営委員会の主催ということにすれば、高村光太郎記念館で開催可能」という話になって、こちらにお鉢が回ってきました(笑)。

こちらも独自に「市街地のカフェ羅須さんも借りられますよ」と情報を流しておいたところ、「じゃあ2公演やってしまいましょう」とパワフルなお二人(特に元井さん)が(笑)。

さて、まずは旧太田村の高村光太郎記念館さん。
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リハーサル風景。
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右上画像、像の背後のスピーカーと変に重なり、「乙女の像中型試作」がスマホで写メ(死語ですね(笑))を撮っているように写ってしまいました(笑)。

13:00から本番。
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平日の昼間にもかかわらず、そこそこのお客様がお集まり下さり、感謝に堪えませんでした。
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およそ1時間のプログラムを終え、速攻で撤収。2公演目のカフェ羅須さんへ。
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急いでセッティングし、リハ。
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ちなみにギャラリーも兼ねる羅須さんでは、現在、岩手の花々を撮った地元の方の写真展が開催中です。
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今朝の『岩手日日』さん。しれっと一般人のような顔をして写っているのは当方で、前日にご挨拶に伺った際にたまたま取材が入り、映り込んだ次第です(笑)。
無題
閑話休題、16:00から2公演目の本番。ここが宮沢賢治の親友だった藤原嘉藤治ゆかりの場所ということで、賢治作品も盛り込みました。光太郎も疎開でお世話になっていた宮沢家も指呼の距離ですし。
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こちらの方が少し長いプログラムで、17:00過ぎに終演。

2公演ともいい感じにまとめられました。開催にご協力下さった地元の皆さん、平日にもかかわらずお越しいただいたお客様方に、厚く御礼申し上げます。

この後、3人で花巻南温泉峡・大沢温泉山水閣さんに宿泊いたしました。

こんな感じで、当会を主催とすれば高村光太郎記念館さん(二本松の智恵子生家も)での公演が可能です。通常は「やらせてくれ」と言ってもそういう使用方法はできません。また、羅須さんなど当方のお世話になっているところには仲介も致します。場合によっては宿の手配も。全国の演者の皆さん、ご検討下さい。ただし、高村光太郎記念館さん(二本松の智恵子生家も)では公演料は取れません。光太郎智恵子の聖地中の聖地でできる、という点だけがメリットです。また、流石に当方の全然存じ上げない方は紹介できないかな、という感じでもありますのでよろしくお願いいたします。

【折々のことば・光太郎】

もう稲刈はすんだでせうか、小屋のあたりの栗が今ごろはさかんに落ちる頃と思ひます、子供達がよろこんでとりにいつてるでせう。何かにつけて山がなつかしく感じられます。


昭和30年(1955)10月8日 浅沼政規宛書簡より 光太郎73歳

浅沼ら、旧太田村の人々への書簡は概して村を懐かしむ内容が主でした。

大阪から演奏会情報です。

大阪コレギウム・ムジクム創立50周年記念 第131回大阪定期公演《現代(いま)の音楽 ~Music of Our Time~》

期 日 : 2025年7月27日(日)
会 場 : 住友生命いずみホール 大阪市中央区城見1丁目4-70
時 間 : 午後3:00開演(午後2:30開場)
料 金 : 全席指定 S席 ¥5,000 A席 ¥4,000 B席 ¥2,500
      学生 ¥1,800(当日¥2,000) 高校生以下 ¥800(当日¥1,000)

うたが生まれる ことばが生きづく
詩人がすくい取った言葉が音に刻まれ、新しいうたが生まれるとき、言葉は新たな生命を得て輝きます。凛として美しい原民喜の詩による寺嶋陸也氏の委嘱新作を始めとする、三人の作曲家のうたを、大阪コレギウム・ムジクムの確かなアンサンブルでお楽しみください。

【曲目】
 寺嶋陸也 《星の疼(うづき)》混声合唱のための【委嘱・世界初演】〔詩:原民喜〕
 新実徳英 「愛のうた ―光太郎・智恵子―」(2021年)男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために〔詩:高村光太郎〕
 千原英喜 女声合唱とピアノのための「良寛相聞」(2009年)〔詞:良寛・貞心尼〕

【出演者】
 指 揮 當間修一 ピアノ 木下亜子
 フルート 伏田依子(シンフォニア・コレギウムOSAKA)
 クラリネット 鈴木祐子(シンフォニア・コレギウムOSAKA)
 弦楽合奏 シンフォニア・コレギウムOSAKA
 合 唱 大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団 大阪コレギウム・ムジクム合唱団

インターネットライブ配信(PIA LIVE STREAM)あり
 ※2025年8月10日(日)までアーカイブ視聴つき
 視聴期間:7月27日(日)14:30 ~ 8月10日(日)23:59
 発売期間:5月03日(土)10:00 ~ 8月10日(日)21:00
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新実徳英氏作曲の 「愛のうた ―光太郎・智恵子―男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために」がプログラムに入っています。

初演は令和4年(2022)1月、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団さんの第146回定期演奏会で、委嘱作品でした。ほぼ同時に楽譜が全音楽譜出版社さんから刊行されています。

同年6月には初演時のライブ録画を収めたDVDもリリース。さらに9月には第4曲「レモン哀歌」、第5曲「元素智恵子」がNHK FMさんの番組「ビバ! 合唱」で流されました。
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初演以来、寡聞にして演奏されたという情報を得ていませんでした。おそらく本来フルート、クラリネット、弦楽オーケストラでの伴奏(最近はあまりこうした場合に「伴奏」と云わなくなりましたが)が必要なためでしょう。ただ、楽譜は練習用を兼ねるという意味合いもあってか、ピアノ2台での連弾譜として書かれています。そのまま使えば本番もオケ伴でなくピアノで出来てしまいます。まぁ、それでも2台で連弾となるとそれはそれで大変でしょうが。

総演奏時間は約35分。構成は「Ⅰ.山麓の二人」「Ⅱ.千鳥と遊ぶ智恵子」「Ⅲ.値(あ)ひがたき智恵子」「間奏曲-哀しみの淵へ-」「Ⅳ.レモン哀歌」「Ⅴ.元素智恵子」。この手の組曲としては、智恵子が心の病を顕在化させてからの詩篇のみを扱うというのも異色ですね。

ちなみに今回も出演される大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団さんは、昨年の東京公演で西村朗氏作曲の「混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」」を演奏して下さいました(平成24年=2012にも)。

今後とも、光太郎詩に曲を付けた作品を取り上げ続けていただきたいものです。もちろん他の合唱団さんでも、ですが。

【折々のことば・光太郎】

小生かねて(六月一日)花巻市を転出、東京都中野区に転入いたしましたにつき、今年昭和卅年度の国税は中野税務署に納付いたすべく、八月一日既にその手続きをとりました。即ち今年度以後花巻税務署へは納付いたしませぬ故右御了承願上げます

昭和30年(1955)8月1日 花巻税務署宛書簡より 光太郎73歳

『高村光太郎全集』にもれていた書簡で、平成26年(2014)、山形市の最上義光歴史館さんで開催された「第6回 市民の宝モノ2014」展で展示され、拝見して参りました。

この書簡の発見により、赤坂山王病院に入院中だったこの年6月1日に、それまで頑なに手に残しておいた住民票を都内に移したことが明らかにできました。いずれは花巻郊外旧太田村の山小屋に帰るか、それが無理でも中野のアトリエとの二拠点生活、と考えていたため住民票をそのままにしておいたのですが、もはやそれも不可能な病状と、自分でも覚悟したようです。

また、前年、花巻町などとの合併により太田村が消滅し、花巻市となったことも大きいような気がします。太田村時代には光太郎が村一番の高額納税者でしたが、もはや太田村は存在しない、となると、多額の税金を納めるのも何だかなぁという感じだったのでしょう。

昨年もこの時期でしたが、箏曲奏者の元井美智子さんとヴォイスパフォーマー・荒井真澄さんのお二人がコラボなさる公演が、東北地方で4回開催されます。それぞれに「智恵子抄」が組み込まれています。

時系列順に、まず荒井さんのホームタウン・仙台で。

光太郎、賢治、箏と声 夏の朝

期 日 : 2025年7月22日(火)
会 場 : Antique & Cafe TiTi 宮城県仙台市宮城野区鉄砲町中5-8
時 間 : 開場 10:30 開演 11:00
料 金 : 4,000円(ケーキセット付)

プログラム
 お箏の調べ(みだれ、操、耳なじみのある曲)
 高村光太郎「智恵子抄」より ~レモン哀歌、人類の泉など~
 宮沢賢治「よだかの星」など
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翌日には、光太郎第二の故郷・花巻で昼と夕方の2公演。

花巻で響き合う 光太郎、賢治、声と箏 第一公演

期 日 : 2025年7月23日(水)
会 場 : 高村光太郎記念館 岩手県花巻市太田3-85-1
時 間 : 13:00~14:00
料 金 : 無料
      (高村光太郎記念館入館料として大人350円 高校生・学生250円 小中学生150円)
主 催 : 高村光太郎連翹忌運営委員会

プログラム
 「智恵子抄」「智恵子抄その後」より 箏:産まれ出づる、さくらさくらなど

花巻で響き合う 光太郎、賢治、声と箏 第二公演

期 日 : 2025年7月23日(水)
会 場 : カフェ羅須 岩手県花巻市豊沢町2-18
時 間 : 16:00~17:00
料 金 : 2,000円 1ドリンク付
主 催 : 高村光太郎連翹忌運営委員会

プログラム
 「智恵子抄」 よだかの星 星めぐりの歌など 箏:産まれ出づる、夜空へなど
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この花巻での2公演は、当会の「主催」ということになっています。当初は仙台でのそれを含めて全て「後援」のみの予定でしたが、花巻市さんとの交渉の結果、当会「主催」であれば、高村光太郎記念館さんでの公演を許可するということで、そうなると「嫌です」とは言えません(笑)。司会もやることになりました。

高村光太郎記念館さんでの公演のみ、『広報はなまき』で取り上げて下さっています。
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そしてまた仙台に戻り……

旅するお箏と智恵子抄

期 日 : 2025年7月25日(金)
会 場 : となりのえんがわ 宮城県仙台市宮城野区銀杏町4-29 宮城野納豆製造所敷地内
時 間 : 第1部 10:00~12:00 第2部 14:00~15:30
料 金 : 第1部・第2部通し 5,000円 第1部のみ 4,000円 第2部のみ 3,000円
定 員 : 第1部 8名様 第2部 20名様

プログラム
 第1部 ワークショップ 智恵子抄を朗読する~お箏の調べとともに
  智恵子抄の7篇の詩の中から1つ選択して、お箏の生演奏と共に朗読して頂きます。
  午後開催の第2部の中で、希望される方には発表して頂きます。
  朗読候補作品 樹下の二人/あどけない話/風にのる智恵子/レモン哀歌
         亡き人に/梅酒/荒涼たる帰宅
 第2部 コンサート 箏の調べと智恵子抄
  午前開催のワークショップ参加の方の発表の後、智恵子抄の世界をお箏の調べととも
  に……

  演目 みだれ、操、智恵子抄より
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一般の方々対象に朗読講座の講師もなさっている荒井さんですので、こちらはワークショップ形式だそうです。プロの箏曲演奏に乗せて朗読が出来る、ということで「気分いい!」ということになるのではないでしょうか。

なかなかパワフルなお二人で、先述の通り、昨年も仙台と花巻で3公演。当方は仙台の最終公演を拝聴に伺いました。花巻公演は地元紙でも紹介されています。

今年に入ってからも、4月末にはテルミン奏者の大西ようこさんを加えた三人娘(笑)で、二本松の智恵子生家座敷を舞台に、高村智恵子生誕祭関連行事として「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」。こちらも地元紙で報じられました

今回、それぞれ平日の開催ということで、どれだけお客様を集められるか少々心配なところもあります。ぜひぜひ、足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

山は今うつくしい事でせう。カツコーももう鳴く頃でせう。小生はお医者さんのすすめに従ひ、今月は入院、療養のため只今静かに病院生活をして居ります。

昭和30年(1955)5月10日 駿河重次郎宛書簡より 光太郎73歳

入院先の赤坂山王病院から送った、かつて暮らしていた花巻郊外旧太田村の長老格・駿河への書簡より。病床にあって思い起こすのは、太田村の豊かな自然だったようです。

昨日は中野区の産業振興センターさんで「中西アトリエをめぐる文人たちの朗読会」でした。「中西アトリエ」は、昭和23年(1948)に、水彩画家の中西利雄が自分用にと建てたアトリエで、中西は竣工直前に急逝、以後、遺族が戦後の混乱期でアトリエを持てない芸術家のためにと、貸しアトリエとして運用、光太郎も昭和27年(1952)から昭和31年(1956)まで借り、ここで亡くなりました。

そのアトリエが解体の危機に瀕しており、保存運動の一環として、「こんなすごい人達がここを訪れたり、関わったりしたんだよ」ということを広めるため、当方も所属している「中西利雄・高村光太郎アトリエを保存する会」主催で行いました。
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取り上げた文人は主に6名。光太郎をはじめ、その光太郎に会いに中西アトリエを訪れた人々――当会の祖・草野心平、「連翹忌」名付け親の一人・佐藤春夫、そして光太郎と家族ぐるみのつきあいだった尾崎喜八

それから、中西アトリエには足跡を残していないものの、彼等の兄弟が来ているよ、という宮沢賢治と太宰治。賢治実弟の清六は光太郎と親しく、光太郎が亡くなる前日の昭和31年(1956)4月1日夜、かつて光太郎も疎開していた花巻の自宅に居たところ、玄関から「こんばんは~」という光太郎の声を聞いたそうです。その声は清六の妻・愛子も、台所の修繕工事に来ていた大工さん達も聞いたとのこと。しかし見に行ってみると誰もいません。かねて光太郎の病状が思わしくないと聞いていた清六は胸騒ぎがし、慌てて上京、中西アトリエを訪れます。すると、沈痛な面持ちの中西夫人から「昨夜でした……」。不思議なこともあるものですね。太宰の方は、実兄の青森県知事・津島文治が、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の発注元、相談を受けた佐藤春夫が光太郎を作者として推薦、かつて太宰が佐藤に「芥川賞を私に下さい」的な書簡を送ったなどの縁。津島知事も中西アトリエを訪れています。

さて、朗読(一部、音楽演奏)。100席ほど用意しましたが、ほぼ満席でした。当会人脈の方々も何人か。ありがたし。

第一部は、主に詩人の方々。「中西利雄・高村光太郎アトリエを保存する会」世話役の曽我貢誠氏が詩人で、そのお仲間の皆さんです。一部、智恵子に関する文章なども書かれ、二本松で光太郎詩朗読などもなさった吹木文音さん、やはり「保存する会」メンバーの原詩夏至さん、「智恵子抄」に関わる朗読公演等を何度もなさったり、詩集で智恵子に触れて下さったりの宮尾壽里子さんなど、こちらの人脈ともかぶりますが。
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休憩を挟み、第二部。

今年の連翹忌の集いで朗読を披露していただき、絶賛を浴びたフリーアナウンサーの早見英里子さんと、朗読家出口佳代さんのコンビ。ちなみに背後の壁は「保存する会」のメンバーの役者さんがセッティングして無粋な黒板を隠し、美しく。
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フルート奏者の吉川久子さん。こちらも「智恵子抄」がらみの公演を複数回なさって下さっていますし、平成26年(2014)にはやはり連翹忌の集いでの演奏もお願いしました。当初、妹さんが朗読なさる予定でしたが、健康を崩されて、朗読も吉川さんがなさいました。ギターは山田大輔さん。
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大トリは、女優の一色采子さん。都内や智恵子の故郷・二本松で北條秀司作の舞台を朗読劇化した「智恵子抄」公演で智恵子役をなさったり、お父さまの故・大山忠作画伯は智恵子と同郷で、智恵子を描かれた絵も複数遺されたりしています。大山画伯は5人しかいない福島出身の文化勲章受章者の一人です(心平もですが)。ピアノは田中健さん。パリ在住経験もある光太郎も愛したドビュッシー「月の光」などで、盛り上げて下さいました。
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ちなみに当方は司会。合間にアトリエについてや、各文人と光太郎との関わりなどをべしゃくらせていただいました。しかし、とにかく時間が押し、話したいことの半分くらいしか紹介出来ませんでした。上記の清六のエピソード、それから光太郎と戦争との関わり――自作の翼賛詩を戦後になって恥じて蟄居生活に入ったことなど。

さらに、昨日、自宅兼事務所に帰ってから気づいたことが一点。何と、会場だった産業振興センターさんのある場所そのものに、光太郎自身の足跡が残っていました。昭和28年(1953)6月16日、「乙女の像」の原型完成記念報告会が、青森県副知事の横山武夫、佐藤春夫夫妻、心平らを招いて、「千光園ほととぎす」という料亭で開催されました。同店は「黄檗流普茶料理」と掲げていた料亭で、昭和46年(1971)まで存続。他の方の作成されたサイトにこの場所だったんだよ、と詳しく紹介されていましたし、自分のブログでも令和4年(2022)にちらっと書いていました。その頃は産業振興センターさんを存じませんでしたし、今年2月に初めて足を運んだ際にも忘れていました。この話が出来ていれば、地元の皆さんからは「おお!」というリアクションがあっただろうに、と思うと残念至極、反省しきり、穴があったら入りたい、です。

それでも盛会の裡に終えることが出来、胸をなで下ろしました。暑い中お集まりいただいた観客の皆さん、お忙しい中足代程度のギャラしかお支払い出来ないと御承知で、快くご出演を引き受けて下さった出演者の方々に篤く御礼申し上げます。

終演後、控え室で。出演された方々(全員ではありませんが)と。
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この催しが、アトリエ保存運動の弾みとなることを願って已みません。

【折々のことば・光太郎】

此間は見事なみかんをたくさん届けて下さつてありがたく存じました、 博物館、図書室の奥平さんといふ方が編輯して小生の選詩集を来年三月岩波文庫から出すといふことです、

昭和29年(1954)12月14日 北川太一宛書簡より 光太郎72歳

昨日の朗読会、晩年の光太郎に親炙し、会場には当会顧問であらせられた故・北川太一先生の御霊(みたま)もいらし、元々細かったお眼をさらに細められていたのではないでしょうか(笑)。

「奥平さん」は、当時、トーハクさん勤務だった美術史家の奥平英雄。一時、中西アトリエ近くに住んでいました。現在も版を重ねている岩波文庫版『高村光太郎詩集』にかかわります。

光太郎詩に自作の曲を付けて歌われているシャンソン系歌手のモンデンモモさん。このところ拠点となさっている島根県でのライヴです。

BOOK CAFÉ LIVE モモの智恵子抄 私の智恵子抄 music drama

期 日 : 2025年6月28日(土)
会 場 : ギャラリーC 島根県松江市宍道町1441-1
時 間 : 15:00~
料 金 : 3,000円

出 演 : 声・詩・曲 モンデンモモ  ピアノ 塩野佳代子  ベース けんじゃ

第1部 音楽ドラマ 私の智恵子抄 
 レモン哀歌/梅酒/道程/案内/あどけない話/千鳥と遊ぶ智恵子/私の智恵子抄
 私にはあなたがある/もしも智恵子が/智恵子と遊ぶ/樹下の二人/郊外の人に 他
第2部 シャンソンおしゃべりライブ

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先々月先月と都内でも公演がありましたが、また構成が異なるようです。それから、都内ではギタリスト・たしまみちを氏が伴奏を務められましたが、今回はピアノに乗せてやられるそうです。「智恵子抄」系以外には、シャンソンのスタンダードナンバーも。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

奥平さんにお托しの二本松のお酒めづらしくなつかしく早速賞味昔を思ひ出すやうな気がいたしました、二本松辺は水のよいせゐか地酒とは申せなかなかよいものが出来るやうです、

昭和29年(1954)4月26日 田内静三宛書簡より 光太郎72歳

智恵子の実家・長沼酒造は昭和4年(1929)に恐慌のあおりなどで破産してしまいましたが、彼の地には他にも日本酒の醸造元は多く、現在も続いています。










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