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今日は二本松での光太郎・智恵子関連のイベントをご紹介します。 

智恵子講座’12

先日、当方が参加してきたのがこれの第3回だったわけです。主催は智恵子のまち夢くらぶ。今年度はあと3回の講演が予定されています。希望する回だけの参加も可能だそうです。
 
次回(9/16)講師は詩人の木戸多美子氏。また都合がつけば当方も行ってみようと思っています。
 

2012年詩人会議 夏の詩の学校 高村光太郎『智恵子抄』の安達太良山の空を見よう!

当方、寡聞にして知りませんでしたが「詩人会議」という団体があるそうです。そちらで主催しているイベントが来月15(日)~17(火)の3日間で行われるとのこと。
 
岳温泉を拠点に2泊3日の日程で、福島大学教授の澤正宏氏、夢くらぶの熊谷会長のご講演、安達太良山登山などの予定が組まれています。こちらも2泊3日のうち、都合のつく部分だけの参加も可とのことです。
 
澤氏には「詩の成り立つところ 日本の近代詩、現代詩への接近」(翰林書房 平成13年=2001)などのご著書があります。同書は「第2章 与謝野晶子と高村光太郎」その他の部分の随所で光太郎に言及されています。

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昨日も書きましたが、東北の復興支援のためにも、現地を訪れることは大事だと思います。ふるってご参加を!

福島・二本松レポートの2回目です。
 
午前中の「智恵子のまち夢くらぶ」主催の「智恵子講座’12」のあと、智恵子生家にほど近い夢くらぶの熊谷会長のお宅にお邪魔し、周辺を案内していただきました。
 
「智恵子講座’12」の2回目が先月20日で、その際は「智恵子ゆかりの地を歩く~好きです智恵子青空ウォーク」という催しで、その日は仙台に行っていましたので、参加できませんでした。その後、当日の資料を送っていただいたところ、「こんなところがあったんだ」という場所がいくつかあり、今回、無理にお願いして案内していただきました。
 
下の画像は、「智恵子ゆかりの地を歩く~好きです智恵子青空ウォーク」の際に、夢くらぶの会員で元油井小学校(智恵子の母校)の校長先生でいらした本多長氏が作られた地図です。

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この中で、智恵子の生家や記念館、裏手の山一帯は、当方、何度か訪れたことがありました。しかし、③「祖父次助ゆかりの地」④「弟啓助ゆかりの碑」⑤「父今朝吉、母センゆかりの地」⑯「明治期建造物、旧大谷屋」といったあたりは存じませんで、それと知らずに通り過ぎていました。
 
まず⑯「明治期建造物、旧大谷屋」。明治初期の建築で、当時としては珍しい木造三階建てです。元はこの地有数の割烹旅館で芸者衆もいたそうで、智恵子の弟・啓助もここで遊蕩にふけったらしいとのことです。

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続いて③「祖父次助ゆかりの地」。ここは現在、JAの葬祭場の駐車場となり、何も残っていません。旧安達町の町史によれば、慶応2年(1866)、米谷藻兵衛(茂兵衛とも記述)がここに糀屋-後に造り酒屋を開き、越後から智恵子祖父の次助を雇ったそうです。次助はのちに独立して近くに新しく造り酒屋を開き、ここが現在も復元されて残る智恵子生家です。
 
そこからものの50㍍ほどのところに⑤「父今朝吉、母センゆかりの地」。白木屋と号した呉服屋で、ここで智恵子の父・今朝吉と母・センがともに働いていたとのことです。ここも当時の建物は残っておらず、医院の駐車場となっていますが、道を挟んだ向かいにはやはり元の造り酒屋の古い建物が残っています。画像、手前が白木屋のあった現在の駐車場、奥が元の造り酒屋です。

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最後に秋葉神社という所にある④「弟啓助ゆかりの碑」。大正7年(1918)に作られた碑ですが、元々はもっと北の方の全く別の場所に建てられていたものが、ここに移されたそうです。大正6年(1917)7月に東北本線の安達駅が開業、それに伴い旧街道と駅を結ぶ新道が拡幅され、その完成を記念した碑です。工事は全額地元の寄付金(当時の金額で2,643円)と使役で賄われ、寄付者名が碑に刻まれています。その中に智恵子の弟・啓助の名も。熊谷会長、十年程前に町内会の草刈りの時にたまたま気が付いたそうです。確かに他の庚申塔などは社殿のすぐそばにまとめて並んでいるのに、この碑だけ神社境内のはずれにぽつんと建っており、そこに通じる道もなく、草むらをかきわけて行かなければたどり着けない場所です。
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この手の情報はやはり地元の方に訊かないとなかなかわかりませんね。
 
智恵子の生家・智恵子記念館は一昨年5月に入館者100万人に達したそうです。ただ、やはり原発事故以来、訪れる人は減っています。観光客がたくさん訪れることも復興につながります。是非、皆さん、二本松へお越しを。そして智恵子の生家・智恵子記念館を訪れたら、少し足をのばして周辺の散策もおすすめです。また、二本松市中心部も昨日紹介したように大山忠作美術館、「ほんとの空」の彫刻、さらに二本松駅や二本松霞が城にある光太郎の筆跡を刻んだ碑や智恵子生家にあったと伝えられる藤棚など、光太郎智恵子ファンにとっては見どころ満載です。
 
もう少し二本松ネタを続けます。

福島・二本松に行って参りました。二回に分けてレポートいたします。
 
目的は、二本松で活動を続けている「智恵子のまち夢くらぶ」主催の「智恵子講座’12」参加のためです。昨日が第3回、二本松在住の児童文学者・金田和枝氏による講演「求愛熱愛期を中心にして」でした。
 
前日は安達太良山麓の岳温泉に一泊。熱めの酸性の湯、温泉温泉した温泉で、(意味お判りでしょうか?)ここの湯も当方、大好きです。路線バスで山を下り、午前十時の開会に合わせ、会場に入りました。
 
会場は平成21年、二本松駅前に新たに建てられた二本松市民交流センター。ちなみにこちらは大山忠作美術館さんを併設しています。故・大山忠作は同市出身の日本画家で、同館には「智恵子に扮する有馬稲子像」などの作品が展示されています。これは題名の通り、昭和51年(1976)の作で、新橋演舞場で公演された「智恵子抄」の主演、有馬稲子さんを描いた作品です。縦2メートル以上の巨大な絵で、その色調などとあいまって、不思議な存在感のある絵です。

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ちなみに交流センターと川を挟んだ向かい側、駅ロータリーの一角にはやはり平成21年(2009)に智恵子をイメージしたという彫刻「ほんとの空」も設置されました。作者は元・日展理事長橋本堅太郎氏です。
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さて、肝心の講演ですが、講師の金田氏は昭和5年(1930)、東京品川の生まれ。戦時に疎開で二本松に移り住み、長らく小学校の先生をなさっていた方です。地元福島の出版社・歴史春秋社から『智恵子と光太郎 たぐいなき二つの魂の出会い』『ふくしま女の時代』(共著)などの御著書があります。

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講演は『智恵子抄』の前半に収められた詩を中心に、光太郎・智恵子の恋愛期を追究するものでした。氏の女性ならではの、また、失礼とは存じますが、豊富な人生経験をふまえられての視点は、素晴らしかったと思います。また、時にユーモアを交え、聴く者を飽きさせないすばらしいご講演でした。

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講演の後、少し時間が余ったと言うことで、当方に15分程しゃべれ、という指令が。先月の仙台びすた~りさんでの荒井真澄さん・齋藤卓子さんの朗読イベントでもそうでしたし、こういう突然の振りにも慣れて参りました。連翹忌の宣伝や、光太郎・智恵子顕彰活動の意義、特に地域に根ざした活動の重要性などを話しました。
 
閉会後は近くにできた古民家レストラン(先日の仙台編でも書きましたが、やはり流行ですね)で、金田氏や夢くらぶのみなさんと昼食。御馳走になってしまいました。たった15分の話で一食浮きました。有り難いことです(笑)。
 
しかし、その席上ではやはり現在の福島ならではのお話が。どこどこの放射線量がどうの、タケノコや山菜がどうの、仮設住宅がどうの……。心が痛みました。また、泊まった岳温泉でも、地元紙「福島民報」「福島民友」さんを読みましたが、ちょうど関西電力大飯原発再開に関する記事が出ており、中央の新聞とは明らかに異なる怒りを露わにした論評。「無理もない」と感じました。岳温泉といえば、老舗のホテル松渓苑さんというのがかつてあったのですが、震災で損壊した設備の復旧のめどが立たず、廃業となりました。こちらの社長さんも智恵子顕彰活動にも取り組まれていた方で、連翹忌にもいらしていただいた方だっただけに、やはり心が痛みました。
 
一日も早く、「ほんとの空」の復興を願ってやみません。
 
さて、その後は、智恵子生家にほど近い夢くらぶの熊谷会長のお宅にお邪魔し、周辺を案内したりしていただきました。そちらについては明日、またレポートいたします。

東北本線普通列車に乗っています。昨日から一泊で福島県二本松を訪れ、帰路についたところです。郡山から新幹線に乗り換えます。

実りの多い福島行でした。詳しくは明日以降のブログにて。

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最近入手した光太郎関連の書籍のうち、比較的最近出版されたものを紹介します。 

第66回安古びた登山日記

市川五十二著 風詠社 平成23年(2011)11月29日 定価1,575円

著者の市川氏は登山を趣味とされている方です。著者曰く「過去の山行から六つを選び、山岳小説風にまとめたものが本書である」とのことで、第一章が「ほんとの空に抱かれし山 安達太良山」。光太郎、智恵子の文筆作品を引きながら、二本松・旧安達町の智恵子記念館やその裏手の鞍石山への訪問記が書かれています。
 
第二章は「みちのくの山 早池峰と岩手山」。やはり光太郎が愛した山ですが、ここでは光太郎には触れられず、宮澤賢治や石川啄木にからめられています。
 
ちなみに当方、今週末には久しぶりに二本松に行って参ります。

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詩の在りか-口語自由詩をめぐる問い

佐藤伸宏著 笠間書院 平成23年(2011)3月15日 定価3,200円+税

東北大学教授である著者による論考です。光太郎、室生犀星、萩原朔太郎、三富朽葉の4人に焦点を当て、口語自由詩がいかに生まれ、根付いていったかが論じられています。
 
光太郎に関しては第二章「口語自由詩と<声>-高村光太郎『道程』」「1高村光太郎の<自由詩>の理念」「2 光太郎に於ける<文語自由詩/口語自由詩/小曲>」「3 光太郎に於ける口語自由詩の確立」に分け、詳細に述べられています。

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「専門馬鹿」という言葉があります。自分の専門分野だけは詳しいが、他はさっぱり、という意味ですね。そうならないように、近・現代の詩や美術の流れの中での光太郎の位置付けや、周辺人物との関わりの中での光太郎像といった点にも目を向けなければ、と思っています。

昨夜、NHKBSプレミアムで放映されたlogo「きらり!えん旅」。旅人は歌手の由紀さおりさん。原発事故で大変な状況の二本松を訪れました。
 
大変な状況にもめげず、野菜作りや和紙作りに精を出す地元の方々、原発に近い浪江町から避難されてきた方々……。そして「ほんとの空」自慢ということで、智恵子のまち夢くらぶの熊谷健一さんもご出演なさいました。智恵子生家の裏手にある詩碑の丘に由紀さんを御案内し、雪と春霞に覆われた安達太良山をお見せなさっていました。映像で見る限りロケの日(4/11)は気持ちの良い晴天で、まさしく「ほんとの空」が広がっていました。しかし、熊谷さん曰く「原発事故のため、青い空でも、ちょっと複雑なところがある。早く元の純粋な青い空に戻ることを願っている。」とのことでした。本当にそうですね。
 
番組のラストには安達文化ホールでの由紀さんのコンサート。熊谷さんはじめ観客の皆さんは涙を流して聴き入っていました。音楽は人の心を揺さぶるものだと、改めて痛感しました。
 
お見逃しの方は、5/16(水)午前11:00~11:30、5/17(木)15:30~16:00に再放送がありますのでご覧下さい。
 
東北復興のため、我々にできることもしっかりと考えていきたいと思います!

4月2日、連翹忌終了後、1ヶ月の間にも光太郎関連のイベントなどいくつか参加して参りましたが、明日以降のブログでご報告します。
 
今日はこれから放送される光太郎・智恵子関連のテレビ番組の情報を二つ。 

 地上波テレビ朝日系 2012年5月9日(水) 13:20~

ゲストは渡辺えりさん。5/17(木)から公演が始まる光太郎・智恵子を主人公とした「月にぬれた手」、宮澤賢治を主人公とした「天使猫」のお話や、光太郎と面識があったお父様に関するお話が聴けることと思われます。

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ただし、地上波ですので、関東地方以外では放送日程が異なるかもしれません。 

きらり!えん旅logo

NHKBSプレミアム 2012年5月10日(木) 19:30~

震災からの復興を応援する番組ですが、ゲストは由紀さおりさんで、福島・二本松が舞台です。地元で智恵子の顕彰を続けていらっしゃる「智恵子のまち夢くらぶ」の熊谷さんも出演なさっています。
 
ふるってご視聴のほど。

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