まずは花巻市の萬鉄五郎記念美術館さんで明日まで開催される「歌人 小田島孤舟」展に関して。ただ、光太郎から小田島宛の書簡等も展示されていますが、それには触れられていませんでした。
「岩手歌壇の父」小田島孤舟の足跡をたどる ふるさとの花巻市で企画展
中でも萬が描いた孤舟の肖像画や2人の手紙のやり取り、それに歌集の冊子絵などは、萬と孤舟との生涯にわたる友人関係を分かりやすく伝えています。
もう1件、これも光太郎とは直接関わりませんが、過日亡くなった松本零士氏と花巻のつながりについて。
漫画家の松本零士さん死去 「銀河鉄道」が縁で交流があった岩手・花巻市でも悼む声
(松本零士さん)
松本氏、平成28年(2016)の『サライ』6月号に「銀河鉄道の夜」関連の寄稿をなさっていました。
改めまして、ご冥福をお祈り申し上げます。
【折々のことば・光太郎】
今日は巴里は大層な濃霧で町が夢の様に見えます。今朝丁度ノオトルダム寺院の南塔の鐘を見に行つて高い上から四方を見た時の心持ちたらありませんでした。それにあのゴオゴイス。どうしても中世期頃の魂がどこかあの建築の中に活きて居て僕らをおびやかして居る様でした。尖塔の尖がつたさきについて居る鉄の鶏が今にも鳴きはせぬかと思はれました。塔のテツペンから下を見て居ると何だか飛び下りて見たくなつて思はずぞツとしました。
この書簡と似たような「塔のてっぺんから宙を歩けそうだと思った」的な話を、パリ在住の留学生仲間にも語り、彼らは「高村の神懸かり」と、心配したり揶揄したりしたそうです。