光太郎第二の故郷、岩手花巻で光太郎顕彰に当たられているやつかの森LLCさん。活動報告をお送り下さいまして、そこからご紹介させていただきます。
グルメ系で、花巻市土沢地区にある「ワンデイシェフの大食堂」さんでの取り組み。同店は一般の皆さんが店の調理場を借りてランチを作り、それを販売するというシステムです。やつかの森LLCさんでも、不定期ながらおおむね月に一度、「こうたろうカフェ」としてランチをご提供。
一昨日が「こうたろうカフェ」で、その画像等が届きました。
基本的には、日記等から読み取れる、光太郎が自分で作ったメニューや使った食材などを現代風にアレンジして、ということですが、かなり本格的ですね。メニューは画像にもありますが、文字起こししますと、以下の通り。
・香茸おこわ
・ピザトースト
・鶏もも肉のマスタード焼き
・青菜のエチュベ
・しめじの菊花和え
・赤ささげ豆煮
・南瓜の野菜スープ
・お新香
・栗入り小豆寒天
・アメリカンコーヒー
季節感もたっぷりです。
以下、画像が添えられていたメール本文からコピペ。
「太田」は光太郎が7年間暮らした旧太田村(現・花巻市太田)です。
驚いたのは、平日昼間にもかかわらず、用意した32食分があっという間に完売とのこと。大都会、あるいは地方でも有名観光地とか利便性の良い商業施設内とかならいざ知らず、失礼ながら、そういう場所ではありません。「こういうことを始めます」とお知らせを頂いた今春、これまた失礼ながら「あんな立地のところで成り立つんだろうか?」と心配したのですが、杞憂に終わったようです。常連さんもついたそうですし。
それもこれも料理のおいしさ、さらに価格の点(ワンデイシェフの大食堂さんの共通取りきめで1,000円)もあるのでしょう。
もう1件、やつかの森LLCさんの活動。「出前講座」だそうです。
花巻市では、各種市民団体や、おそらく学校さんや企業さんなど、講座を受けたいという場合に「この人の、あるいはこのグループのこういう講座を開いてほしい」と要望を出せば、それが実現するというシステムがあるそうで、それが「出前講座」です。
依頼主はどういう団体か当方は存じませんが「わかくさ新緑の会」という方々だそうで、テーマは「高村光太郎のハイカラ料理を知ろう」とのこと。
調理法の講座というわけではなく、料理はあらかじめ、やつかの森LLCさんと以前にもコラボなさった盛岡郊外の紫波郡矢巾町にあるTOM CREPERIE&DELIさんがご用意。
やつかの森LLCさんは、寸劇の形で旧太田村時代の光太郎をご紹介なさったそうです。
現在、花巻高村光太郎記念館さんで開催中の企画展示「光太郎と吉田幾世」にもからめて下さったそうです。
バイタリティー溢れる各方面でのご活動、頭が下がりますし、光太郎の世界をご紹介下さり、有り難く存じます。偉人の顕彰といっても、何も小難しい文章を書いたり何だりではなく、こういう切り口も大いにありだな、と存じます。全国の各種顕彰活動に携わる皆さん、御参考までに。
【折々のことば・光太郎】
八木重吉は光太郎より15歳年下の詩人。昭和2年(1927)に結核のため、早世しました。その遺稿を未亡人・登美子が戦時中も守り続け、昭和17年(1942)は光太郎や八木と親しかった草野心平らの尽力で『八木重吉詩集』が刊行されましたが、誤植等が多く、改めて登美子の編集による決定版詩集の刊行が企図されました。
登美子はその題字揮毫を光太郎に依頼し、それに対する返答です。この時登美子が題名の候補として挙げたのが「麗日」「花がふつてくるとおもふ」。それぞれ重吉の詩の題名ですが、どちらかを詩集の題名にも使おう、というわけでした。
光太郎は二種類とも揮毫し、登美子に送りましたが、やはり戦時中ということもあり、個人での出版は不可能で、光太郎の揮毫はお蔵入りとなりました。現物は神奈川近代文学館さんに収蔵されています。
グルメ系で、花巻市土沢地区にある「ワンデイシェフの大食堂」さんでの取り組み。同店は一般の皆さんが店の調理場を借りてランチを作り、それを販売するというシステムです。やつかの森LLCさんでも、不定期ながらおおむね月に一度、「こうたろうカフェ」としてランチをご提供。
一昨日が「こうたろうカフェ」で、その画像等が届きました。
基本的には、日記等から読み取れる、光太郎が自分で作ったメニューや使った食材などを現代風にアレンジして、ということですが、かなり本格的ですね。メニューは画像にもありますが、文字起こししますと、以下の通り。
・香茸おこわ
・ピザトースト
・鶏もも肉のマスタード焼き
・青菜のエチュベ
・しめじの菊花和え
・赤ささげ豆煮
・南瓜の野菜スープ
・お新香
・栗入り小豆寒天
・アメリカンコーヒー
季節感もたっぷりです。
以下、画像が添えられていたメール本文からコピペ。
・鶏もも肉のマスタード焼き 粒マスタードに蜂蜜を入れてます。
・付け合わせは、マカロニポテトサラダ、ハムのせ
・りんごは、バターで焼くと甘くなっておいしいです。
・青菜のエチュベは、ほうれん草、小松菜、豆苗、キャベツのバター味の蒸し煮です。
・バターナッツカボチャは、スープに合います。サツマイモ、玉ネギ、ササゲ、ベーコンなど具沢山です。
・香茸おこわは、香りが良くて、初めの方も沢山いらっしゃいました。
・煮豆は、程よい甘味に仕上げてます。
・シメジの和え物は、和風だしで菊花の食感と香りを楽しみます。
・ピザトーストは、アンチョビソースをベースにして、パプリカと紫玉葱のスライス、こんがりチーズの上に塩ゆでしたむきエビをのせて焼きました。
・仕上げにイタリアンパセリを添えます。
・デザートは、ほんのり甘く煮た栗をあずき寒天に閉じ込めました。コーヒーに合います。
・太田産の食材を使い、秋を満喫していただければ幸いです。お腹いっぱいのこうたろうカフェのランチでした!
「太田」は光太郎が7年間暮らした旧太田村(現・花巻市太田)です。
驚いたのは、平日昼間にもかかわらず、用意した32食分があっという間に完売とのこと。大都会、あるいは地方でも有名観光地とか利便性の良い商業施設内とかならいざ知らず、失礼ながら、そういう場所ではありません。「こういうことを始めます」とお知らせを頂いた今春、これまた失礼ながら「あんな立地のところで成り立つんだろうか?」と心配したのですが、杞憂に終わったようです。常連さんもついたそうですし。
それもこれも料理のおいしさ、さらに価格の点(ワンデイシェフの大食堂さんの共通取りきめで1,000円)もあるのでしょう。
もう1件、やつかの森LLCさんの活動。「出前講座」だそうです。
花巻市では、各種市民団体や、おそらく学校さんや企業さんなど、講座を受けたいという場合に「この人の、あるいはこのグループのこういう講座を開いてほしい」と要望を出せば、それが実現するというシステムがあるそうで、それが「出前講座」です。
依頼主はどういう団体か当方は存じませんが「わかくさ新緑の会」という方々だそうで、テーマは「高村光太郎のハイカラ料理を知ろう」とのこと。
調理法の講座というわけではなく、料理はあらかじめ、やつかの森LLCさんと以前にもコラボなさった盛岡郊外の紫波郡矢巾町にあるTOM CREPERIE&DELIさんがご用意。
やつかの森LLCさんは、寸劇の形で旧太田村時代の光太郎をご紹介なさったそうです。
現在、花巻高村光太郎記念館さんで開催中の企画展示「光太郎と吉田幾世」にもからめて下さったそうです。
バイタリティー溢れる各方面でのご活動、頭が下がりますし、光太郎の世界をご紹介下さり、有り難く存じます。偉人の顕彰といっても、何も小難しい文章を書いたり何だりではなく、こういう切り口も大いにありだな、と存じます。全国の各種顕彰活動に携わる皆さん、御参考までに。
【折々のことば・光太郎】
八木重吉さんの詩集決定版のやうなものがあなたの手で編まれ、書物展望社から出る運びとなられた由、およろこび申上げます、題字も書きませう、お示しのどちらの題名がよいか小生も迷ひます、
昭和18年(1943)12月27日 八木登美子宛書簡より 光太郎61歳
八木重吉は光太郎より15歳年下の詩人。昭和2年(1927)に結核のため、早世しました。その遺稿を未亡人・登美子が戦時中も守り続け、昭和17年(1942)は光太郎や八木と親しかった草野心平らの尽力で『八木重吉詩集』が刊行されましたが、誤植等が多く、改めて登美子の編集による決定版詩集の刊行が企図されました。
登美子はその題字揮毫を光太郎に依頼し、それに対する返答です。この時登美子が題名の候補として挙げたのが「麗日」「花がふつてくるとおもふ」。それぞれ重吉の詩の題名ですが、どちらかを詩集の題名にも使おう、というわけでした。
光太郎は二種類とも揮毫し、登美子に送りましたが、やはり戦時中ということもあり、個人での出版は不可能で、光太郎の揮毫はお蔵入りとなりました。現物は神奈川近代文学館さんに収蔵されています。