カテゴリ: 智恵子

当会顧問であらせられた故・北川太一先生の御著作をはじめ、光太郎がらみの出版物を多く刊行なさっている文治堂書店さん。
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PR誌を兼ねた文芸同人誌『とんぼ』も発行なさっていて、第二十二号が届きました。
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北川太一先生の御子息・光彦氏もいろいろ書かれています。

光太郎がらみでは当方の連載「連翹忌通信」。このブログに取り上げたことをまとめたり、書ききれなかったことを補ったりして書いています。

今号は「智恵子のエプロン」。

光太郎智恵子と関わりの深かった雑誌『婦人之友』第18巻第7号(大正13年7月)に、智恵子がデザインし自作したエプロンの写真と型紙が載り、その件を花巻で行われた市民講座で紹介したところ、花巻南高等学校の家庭クラブさんがそれをもとに復元して下さった件です。

その後、花巻での光太郎イベントでお披露目、二本松の智恵子記念館さんや花巻高村光太郎記念館さんで展示されたり、同校文芸部さんの部誌『門』に制作過程のレポートが載ったりもしました。また、さらに花巻の染物屋さんでも復元をして下さっています。
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このブログではその都度ご紹介して参りました。

智恵子のエプロン。
東北レポート その1 岩手花巻なはんプラザ 「五感で楽しむ光太郎ライフ」。
「五感で楽しむ光太郎ライフ」報道。
花巻南高校文芸部誌『門 ⅩⅧ』。
みちのく随想 私たちのリレー。
高村智恵子生誕祭 音楽と朗読『智恵子抄』~愛はここから生まれた/「智恵子のエプロン」復刻展示。
花巻高村光太郎記念館 智恵子のエプロン復刻展示報道。
岩手レポート その1 トークイベント「光太郎と賢治 宮沢賢治全集ができるまで」他。

それらの動きも一段落しましたので、まとめのような感じで書かせていただきました。

奥付画像を貼っておきます。ご入用の方、そちらまでご連絡下さい。頒価600円+税だそうです。
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現在、一昨年6月の第十八号まで公式サイトでPDFが公開されていますが。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 37 『高村光太郎選集 6 一九四五年-一九五六年 昭和二〇年-昭和三一年』増訂版

昭和57年(1981)3月20日 春秋社 吉本隆明・北川太一編
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目次
 書簡 昭和二〇の書簡
 詩  松庵寺 雪白く積めり
    暗愚小伝
     家
      土下座(憲法発布) ちよんまげ 郡司大尉 日清戦争 御前彫刻 建艦費
      楠公銅像
     転調
      彫刻一途 パリ
     反逆
      親不孝 デカダン
     蟄居
      美に生きる おそろしい空虚
     二律背反
      協力会議 真珠湾の日 ロマン ロラン 暗愚 終戦
     炉辺
      報告(智恵子に) 山林
         わが詩を読みて人死に就けり
 評論 第四次元の願望
 随筆 玄米四合の問題 倉橋弥一さん 高祖保さんをしのぶ 水野葉舟君のこと
    逸見猶吉の死 尾形亀之助を思ふ 年越し 開墾
 評論 新薬師寺迷企羅像 夢殿救世観音像 法隆寺金堂釈迦三尊像
 詩  蒋先生に慙謝す 「ブランデンブルグ」 人体飢餓 東洋的新次元
 随筆 みちのく便り 一 みちのく便り 二 みちのく便り 三 みちのく便り 四
    詩について語らず――編集子への手紙 信親と鳴滝
 評伝 ミケランジエロ ブオナローテイ
 随筆 山の雪 山の春 山の人々 山の秋 人体について 美と真実の生活 美
 評論 日本詩歌の特質
     日本語の特質 詩形の短小 文語と口語 日本詩歌と押韻
     日本詩歌のリズムについて 自由詩
 随筆 雅歌
 評論 書の深淵 黄山谷について
 随筆 書についての漫談
 詩  智恵子抄その後
     元素智恵子 メトロポオル 裸形 案内 あの頃 吹雪の夜の独白
    典型
 随筆 日本芸術院のことについて アトリエにて1
    父との関係 アトリエにて2・3・4 荻原守衛 アトリエにて5
    モデルいろいろ アトリエにて6・7 生命の創造 アトリエにて8
    焼失作品おぼえ書き アトリエにて9・10
 追補
  日記 昭和二〇年日記(一〇月一七~一二月三一日)
  詩  おれの詩 月にぬれた手 鈍牛の言葉 山荒れる
 解題1 高村光太郎と水野葉舟―その相互代位の関係 吉本隆明
 解題2 第六巻収録作品について 北川太一
 高村光太郎年譜 北川太一編
 作品名総索引
 月報 智恵子遺珠6
  書簡Ⅸ 長沼せん子宛5通 齋藤 新吉・せつ子宛 長沼せん子・斎 藤せつ子宛2通
  後記     
  高村智恵子略年譜

全6巻で刊行された『高村光太郎選集』最終回配本。初版は昭和45年(1970)でした。編年体の編集で、晩年の作品群が収められています。

初版の際には別巻として造型作品集『高村光太郎 造型』が刊行されましたが、増補版刊行時には別巻の増補刊行はありませんでした。

新刊です。

お気に入りのペンでなぞる 文豪たちの手紙

発行日 : 2026年5月20日
著者等 : 天野慶
版 元 : 幻冬舎
定 価 : 1,800円+税

著名な文豪たちがあふれる思いを託した手紙の数々を、その時代背景や解説とともになぞり書きで楽しむ一冊。芥川龍之介、宮沢賢治、向田邦子……33名が綴った珠玉の手紙を収録。“想い”が宿った一文を、なぞり書きで味わう!

選・著 天野慶 
 歌人。短歌を中心に百人一首や絵本など「ことば」の魅力を伝える活動をしている。『見て楽しむことば図鑑』(みっけ/共著)『百人一首スタートブック』(以上、幻冬舎)、『10代からのいいね! 万葉集』(誠文堂新光社)など著書多数。短歌作品に〈パピルスに初めて書かれた恋文と変わらぬ思いを受信しました〉などがある。

イラスト ネクタイ
 イラストレーター。北海道在住。見た人の心がふわっと楽しくなるような、物語のあるイラストを描く。紙もの雑貨の製作や販売も行っている。
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目次003
 はじめに
 この本の使い方
 芥川龍之介の恋文
 芥川龍之介の友人へのお見舞いの手紙
 芥川龍之介の恋文・続
 太宰治の友人への結婚祝いの手紙
 太宰治の友人への結婚祝いの手紙・続
 中原中也の旅先からの手紙
 宮沢賢治の親友への近況報告の手紙
 梶井基次郎の療養先からの山の手紙
 梶井基次郎の猫の楽しみ方の手紙
 夏目漱石の弟子へのお礼の手紙
 夏目漱石の芥川と久米正雄を励ます手紙
 小林多喜二の恋文
 森鷗外の戦地から家族への手紙
 岡倉天心の愛猫への手紙
 サン=テグジュペリのフライト先からの手紙
 寺田寅彦のベルリンからの手紙
 横光利一のホームシックな手紙
 寺山修司の入院先から恩師への手紙
 堀達雄の入院先からフィアンセへの手紙
 立原道造の藍ばんだ夕ぐれの手紙
 森茉莉の編集者への贅沢貧乏な手紙
 大庭みな子の娘の療養先からの手紙004
 向田邦子のカンヅメになったホテルからの手紙 
 向田邦子の小料理店開店の手紙
 太宰治の芥川賞を懇願する手紙
 武者小路実篤の志賀直哉への友情の手紙
 志賀直哉の新人作家へのアドバイスの手紙
 北原白秋の船の上から息子への手紙
 中島敦の熱帯の島から息子への手紙 
 織田作之助の恋についての手紙
 ビアトリクス・ポターの友人の子への手紙
 高村光太郎の夢の手紙
 太宰治の花の手紙
 太宰治の雨の手紙
 小泉セツの夫の小泉八雲への手紙
 若山牧水の恋人を海へ誘う手紙
 島崎藤村の夏の夜の手紙
 種田山頭火の俳句の入った年賀状
 三島由紀夫のドナルド・キーンへの日本語の手紙
 岡本かの子の息子への返事の手紙
 武者小路実篤の志賀直哉への友情の手紙2
 坂口安吾ののちの恋人への手紙
 中原中也の親友への返事の手紙
 芥川龍之介の手紙のその後の手紙
 手紙の全文・出典・選者による一言コメント
 文豪から学ぶ! 手紙のテクニック
 あてはめればすぐに使える! 季節の書き出し(季節の花と鳥編)
 あてはめればすぐに使える! 季節の書き出し(食べものと行事編)


最近ちょっとしたブームのペン字なぞり書き用のテキスト的な書籍です。本文が17ポイントくらいで薄く印刷されていて、それを好きなペンでなぞって書くという形です。すべてが文豪の手紙からの一節、というところがミソですね。

前半の志賀直哉までは1通につき見開き2ページ、光太郎を含む後半の北原白秋からは同じく1ページずつ割り振られています。

「高村光太郎の夢の手紙」は、大正2年(1913)の1月28日に、結婚前の智恵子へ宛てて書かれた手紙でした。智恵子は日本女子大学校の後輩・旗野スミの新潟にあった家に逗留していました。光太郎の書簡としてはそれなりに有名なもので、あちこちで引用されています。最近では昨年、Gakkenさんから刊行された『マンガで読む 偉人たちの恋文物語 日本編』。全文はこちら。本書巻末にも掲載されています。

そういう意味では取り立てて新しいものではありませんが、他の文豪たちの手紙を興味深く読みました。こういう機会でもないと他の文豪たちのそれはあまり読むこともありませんので。「いかにもこの人らしい」と思わせられるものもあれば、逆に「この人でもこんなことを書くんだ」と意外だったり、「そう来たか」というものもあったり。

ぜひお買い求め下さい。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 27 『高村光太郎資料 第三集』全集補遺Ⅱ

昭和47年(1972)12月5日 文治堂書店 北川太一編
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目次
 対談
  清談を聴く(対談者 伊東圭一郎)  自然と芸術(対談者 神崎清)
  新しき岩手の創造(対談者 国分謙吉)
 座談
  詩と文学(出席者 昇曙夢 川路柳虹 宇野浩二 泉与史朗)
  芸術と生活を語る(出席者 豊島与志雄 岸田国士)
  奉祝展洋画と彫刻(出席者 児島喜久雄 木下杢太郎)
  大東亜文化建設の課題(出席者 下村海南 笠間杲雄 岸本誠二郎)
  美と生活(出席者 菊池一雄 草野心平 佐藤春夫 谷口吉郎)
  詩の生命(出席者 三好達治 草野心平)
  簡素生活と健康(出席者 川島四郎 竹内てるよ)
  南沢座談抄(出席者 羽仁もと子 羽仁吉一)
  湖畔の彫像(出席者 佐藤春夫 辰野隆 豊島与志雄 武者小路実篤)
  敗けた国の文化(出席者 バーナード・リーチ 浜田庄司 柳宗悦 石川欣一)
  現代詩について(出席者 金子光晴 三好豊一郎 伊藤信吉)
  自然の中の芸術(出席者 佐藤春夫 田村剛 谷口吉郎 安倍能成)
 後記

一対一で行われた「対談」は、昭和33年(1958)に刊行された『高村光太郎全集』第11巻に10篇が収録されましたが、その後見つかった3篇を収めてあります。

それから3人以上での「座談」は『高村光太郎全集』で割愛されており(大人の事情がいろいろあったようで)、この時点で初めて一冊にまとめられました。

5月17日(日)、智恵子ソウルマウンテンの安達太良山で、第72回山開きに参加したのち、奥岳登山口から愛車で下山しました。

中腹にある岳温泉さんの日帰り入浴・岳の湯さんに立ち寄り、汗を流しました。登山口にも奥岳の湯さんという入浴施設がありますが、そちらは激混みのようでしたので。
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山頂付近の源泉から引かれてくる湯は、ここの湯口の温度で49°とかなり熱めです。入浴後、マッサージチェアで横たわり、仮眠。完全には疲れや筋肉痛が取れませんが、ある程度シャキッとはできました。

続いて温泉街から少し離れたチーズケーキ工房&カフェ風花さんへ。
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3月にもお邪魔しましたが、その際同様、2月に発売された新商品「ほんとの空サイダー」をゲット。下界に降りれば道の駅安達智恵子の里さん、東北自動車道の安達太良SAでも販売しているという情報を得ていましたが、日程的にその2箇所に行けるかどうか、それから売り切れているかもしれないという懸念がありましたので、確実に手に入るところで。

元々の予定では、間に合えば午後3時から二本松駅前の市民交流センターで、シャンソン系歌手のモンデンモモさんによるコンサート「モモの智恵子抄」拝聴、翌日に旧安達町の智恵子生家/智恵子記念館さん拝観というつもりでいました。このままで行けばコンサート開演に間に合いますし、その前に生家/記念館さんも廻れると思い、翌日は帰るだけとして、生家/記念館さんへ。
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智恵子生誕祭期間中の日曜ということで、通常は立ち入り禁止にしている生家二階部分(智恵子の居室、光太郎が宿泊した部屋を含みます)の公開が行われていました。
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白い折り鶴は、1年前の生誕祭で来場の人々が折った折り鶴です。当方も1羽折りました。昨秋のレモン祭で初めて展示されましたが、捨てるに捨てられないという感じなのでしょうか。

奥には智恵子手製と伝わる小物入れ。通常時は裏手の記念館で展示されているものですが、こちらに移されています。
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一階の座敷は、地元の上川崎和紙を使っての紙絵制作ワークショップ会場となっていました。
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担当の方が、出来上がっているポストカードを一枚、無料で下さいました。智恵子紙絵がモチーフです。ありがたし。
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縁側では、やはり上川崎和紙の小物、地元の銘菓などを販売中。
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ほんとの空サイダーも売られていました。「やられた」という感じでした(笑)。

こちらでは菓子処まつもとさんの「ねこどらレモン」、星野屋菓子店さんの「智恵子のふるさと音頭」、道の駅安達智恵子の里さんのドリップコーヒー(智恵子パッケージ)をゲット。
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その後、敷地内の智恵子記念館さんへ。

ロビーでは生家二階に展示してあった小物入れ関連。
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残念ながら、紙絵の実物展示の期間は終了していました。

3時近くになりましたので、コンサート会場へ。

この日、旧安達町の智恵子史跡等をめぐる「智恵子を偲ぶ鎮魂の集い」をなさっていた「智恵子のまち夢くらぶ~高村智恵子顕彰会~」の皆さん、智恵子も所属していた太平洋画会の後身・太平洋美術会の坂本富江さん、それから二本松市長・三保恵一氏などのお姿も。下画像は三保市長とモモさんです。
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コンサートは2部構成。第一部が光太郎詩にモモさんがオリジナルの曲を付けて歌う「智恵子飛ぶ」。第二部はシャンソンのスタンダードナンバーを中心とした「高村光太郎とパリ」。
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色々とっ散らかっているのは演出上の関係です。休憩を挟みつつも3時間近い長丁場でした。

モモさん、来年以降は二本松を拠点に市民ミュージカル「智恵子抄」をやるという構想だそうです。光太郎智恵子の世界を地元で広めるには良い機会でしょう。

そんなこんなで福島行2日目が終わり、宿に戻ってコンビニ弁当の夕食を摂って就寝。翌朝、千葉に帰りました。以上、二本松レポートを終わります。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 16 『高村光太郎詩集』銀河選書

昭和39年(1964)4月20日 大和書房 高村光太郎著 藤島宇内編
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目次
 道程時代 一九〇七-一九一四
  失われたるモナ・リザ 生けるもの 根付の国 亡命者 失走 寂寥 声 新緑の毒素
  廃頽者より なまけもの 泥七宝(一) 夜半 父の顔 泥七宝(二) あおい雨
  泥七宝(三) 友の妻 人に 或る夜のこころ 涙 おそれ 泥七宝(四) 犬吠の太郎
  さびしきみち カフエにて 或る宵 夜 狂者の詩 郊外の人に 冬の朝のめざめ 戦闘
  人に カフエにて 深夜の雪 人類の泉 冬の詩 牛 僕等 現実 道程 愛の嘆美
  晩餐 淫心
 道程以後・智恵子抄以前 一九一六-一九二五
  無為の白日 小娘 丸善工場の女工達 雨にうたるるカテドラル ラコッチイ・マアチ
  米久の晩餐 五月のアトリエ 樹下の二人 鉄を愛す 清廉 白熊 首狩
  傷をなめる獅子 狂奔する牛 車中のロダン 後庭のロダン
 智恵子抄・猛獣篇時代 一九二六-一九四一
  金 十大弟子 鯰 象の銀行 苛察 夜の二人 雷獣 火星が出ている
  あなたはだんだんきれいになる 花下仙人に遇う 詩人 母をおもう 北東の風、雨
  平和時代 或る墓碑銘 ぼろぼろな駝鳥 彼は語る 竜 あどけない話 あの音
  同棲同類 その詩 上州湯桧曽風景 のっぽの奴は黙っている 似顔
  美の監禁に手渡す者 もう一つの自転するもの 人生遠視 風にのる智恵子
  ばけもの屋敷 村山槐多 荻原守衛 堅冰いたる マント狒狒 象 千鳥と遊ぶ智恵子
  値いがたき智恵子 秋風辞 未曾有の時 団十郎像由来 地理の書 群長訓練
  レモン哀歌 芋銭先生景慕の詩 つゆの夜ふけに 君等に与ふ 亡き人に
  お化け屋敷の夜 梅酒 荒涼たる帰宅
 大東亜戦争時代一九四一-一九四五
  大詔渙発 十二月八日 鮮明な冬 彼等を撃つ 沈思せよ蒋先生 夜を寝ざりし暁に書く
  民国の民と兵とに与う 山本元帥国葬 フイリッピン共和国独立 四人の学生
  最大の誇に起つ 満三年 琉球決戦
 智恵子抄その後 一九四五-一九五一
  一億の号泣 雪白く積めり 田植急調子 
  暗愚小伝
   家
    土下座 ちょんまげ 郡司大尉 日清戦争 御前彫刻 建艦費 楠公銅像
   転調 
    彫刻一途 パリ
   反逆
    親不孝 デカダン
   蟄居
    美に生きる おそろしい空虚
   二律背反
    協力会議 真珠湾の日 ロマン ロラン 暗愚 終戦
   炉辺
    報告(智恵子に) 山林
  暗愚小伝断片
   (死はいつでも) わが詩を読みて人死に就けり
  蒋先生に慙謝す 脱卻の歌 人体飢餓 東洋的新次元 噴霧的な夢 もしも智恵子が
  女医になった少女
  智恵子抄その後
   元素智恵子 メトロポル 裸形 案内 あの頃 吹雪の夜の独白
  鈍牛の言葉 山荒れる 一九五〇年 典型 人間拒否の上に立つ 船沈ます
  智恵子と遊ぶ
 東京における晩年 一九五二-一九五五
  餓鬼 報告 十和田湖畔の裸像に与ふ かんかんたる君子 生命の大河
 解説 藤島宇内

晩年の光太郎に親炙し、身の回りの世話なども焼いてくれた藤島宇内の編集です。奥付には記載がありませんが、函にその旨。概ね編年体、新仮名遣いです。戦後20年近く経ち、そろそろタブーも解けた感じで、翼賛詩もある程度含まれています。

横長の変わった版型で、角背の麻布装上製本。この後、通常の縦長並製のものも出されました。

実は昨夜から福島県に来ております。2度ほど泊めていただいたゲストハウス郡山さん。
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こちらを拠点に2泊し、これから安達太良山に登って参ります。今日が智恵子のソウルマウンテン・安達太良山の第72回山開きなもので。

その智恵子関連で報道等を2件。

まず一昨日の地方紙『福島民報』さん一面コラム。

あぶくま抄 偉大な女性芸術家

「なぜ偉大な女性芸術家はいなかったのか?」。米国の女性美術史家リンダ・ノックリンの論文タイトルだ。1971(昭和46)年に発表された。半世紀を経た今も、この問いは社会に重く突き刺さったままだろう▼背景を探っている。美術教育や師弟制度が女性を排除してきた歴史がある。「偉大さ」「芸術」の基準が、男性の価値観によって作られてきたと喝破した。決して能力が劣っているわけでない。これまでの社会制度が足かせとなり、名を上げることが難しかった▼二本松市に生を受けた。「ほんとの空」の高村智恵子は洋画家でもある。女性解放を掲げた文芸雑誌「青鞜」創刊号の表紙を描いた。すっと背を伸ばした、異国風の淑女が描かれている。発起人平塚雷鳥の「元始、女性は太陽であった」という歴史的宣言を表現したとされる。夫の彫刻家光太郎との結婚では、妻の役割を求められた。芸術と「家」のはざまで精神の均衡を欠く▼今年は智恵子生誕140年の節目に当たる。生家近くの「智恵子の杜公園」を訪ねてみた。光沸く5月の大空が語りかけてくる。「日本には偉大な女性芸術家がいた」のだと。苦しみの果てに、美を見つけた。4c388e03-s

智恵子が手がけた明治44年(1911)の『青鞜』創刊号表紙絵について言及されています。元神奈川県立近代美術館長・水沢勉氏により、智恵子オリジナルではなく、ヨーゼフ・エンゲルハルトというオーストリアの画家が、明治37年(1904)のセントルイス万博のために制作した寄木細工「Merlinsage」を模写したものと判明しています(おそらく執筆された方はご存じないのでしょう)が、そうであっても「青鞜」の文字や全体の装幀などには智恵子の芸術性が見てとれますが。

そしてその後の紙絵など、ある意味哀しい作品源ですが「日本には偉大な女性芸術家がいた」と言うにふさわしいと思われます。

もう1件、『朝日新聞』さん。今月9日、福島版の記事で、4月23日(木)から開催されている「令和8年度 高村智恵子生誕祭」についてです。

「智恵子抄」の高村智恵子生誕140年、故郷で催し 居室の特別公開

 詩人や彫刻家として活躍した高村光太郎の妻で、光太郎による追憶の詩「智恵子抄」で知られる福島県二本松市出身の洋画家・高村智恵子の生誕140年を祝う催しが、同市油井の市智恵子記念館で開かれている。5月24日まで。
 催しの期間中は、普段公開されていない智恵子の生家2階の居室が見学できる。居室では智恵子自作の小物入れが特別公開されているほか、記念館には夫の光太郎に見せるためだけにつくった紙絵の実物も展示されている。
 智恵子の生家の酒蔵でつくられていた清酒「花霞(はながすみ)」の振る舞い(数量限定)も行われる。生家2階の公開は5月24日までの土日と20日。紙絵の実物展示は10日まで。入館料は高校生以上410円、小中学生210円。問い合わせは智恵子記念館(0243・22・6151)へ。
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こちらには明日、足を運ぶつもりでおります。

皆様もぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 14 『光太郎のうた』現代教養文庫

昭和37年(1962)10月15日 社会思想社 高村光太郎著 伊藤信吉編
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目次
 刃物を研ぐ人――造型詩篇――
  五月のアトリエ 鉄を愛す 金 鯰 首の座 刃物を研ぐ人 蝉を彫る 美しき落葉
  十和田湖の裸像に与う
  触覚の世界 芸術の純粋性 裸体の美 蝉の木彫 人の首
 失はれたるモナ・リザ――『道程』前期――
  失はれたるモナ・リザ 根付の国 寂寥 泥七宝 父の顔 食後の酒
  パンの会のころ
 秋の祈――『道程』後期――
  道程 秋の祈 冬が来る 冬が来た 晴れゆく空 落葉を浴びて立つ 火星が出てゐる
  母をおもふ 或る墓碑銘 さういう友 或る筆記通話
  冬の美 ホヰツトマンのこと 母の愛
 花のひらくやうに
  五月の土壌 わが家 花のひらくやうに 小娘 丸善工場の女工達 手紙に添へて
  クリスマスの夜 雨にうたるるカテドラル
  新茶のころ イタチのいる家 音楽のこと ノートルダム
 レモン哀歌
  郊外の人に 樹下の二人 あどけない話 風にのる智恵子 山麓の二人
  千鳥と遊ぶ智恵子 レモン哀歌 梅酒 裸形
  その人と為り 智恵子のこと 生きている面影
 ぼろぼろな駝鳥――猛獣篇――
  白熊 象の銀行 雷獣 ぼろぼろな駝鳥 潮を吹く鯨
  智恵子の切抜絵
 もう一つの自転するもの
  激動するもの 上州湯桧曽風景 機械、否、然り もう一つの自転するもの
  上州川古「さくさん」風景
  詩における自己表現 奥利根の旅 詩作の立場 私の常用卓 手
 山小屋の四季
  山口部落 クロツグミ 別天地 山のともだち 女医になつた少女 山の少女
  山からの贈物
  山小屋で 畑作り
 雪白く積めり
  雪白く積めり 月にぬれた手 典型
  みちのく便り 東京のアトリエにて
 彫刻家としての生い立ち
 美術関係の著作
 交遊の輪
 「智恵子抄」の成立ち
 ぼろぼろな駝鳥 
 智恵子夫人の切抜絵
 高村光太郎の詩の世界
 高村光太郎年譜

目次では各章、詩と散文を分けていますが、詩の合間に散文が挟まれています。また、一篇ごとに編者の伊藤信吉による解説や語注も付され、さらに画像も多用。表紙は九十九里浜の「千鳥と遊ぶ智恵子」碑で、建立当時の画像です。まだ碑と波打ち際の間に自動車道が通っていない頃でした。

平成14年(2002)に版元の社会思想社が廃業し、店頭から姿を消しましたが、それが実に惜しまれる一冊です。

智恵子を主人公とした小説の新刊です。

尖(とんが)った山 高村智恵子と、同時代の人びと

発行日 : 2026年5月12日
著者等 : 入江いちろう
版 元 : 福島民報社
定 価 : 1,600円+税
コード : ISBN978-4-904834-74-9

「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。」

今年5月は、高村智恵子が生まれて140年目 智恵子抄で高名な高村智恵子は終生尖った人生を生きた その素顔に迫る書き下ろし小説

高村智恵子の生きた姿を、同時代の人々の証言(挿話)と本人の文章で描き、智恵子の実像に迫った掌編小説
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目次
 はじめに
 第一部 智恵子の人となり
  プロローグ
  第一章 長沼智恵子の写真 そして小畑ナツ
  第二章 挿話「智恵子の写真撮影」
  第三章 挿話「智恵子の交友録 宮澤トシ」
  第四章 挿話「智恵子の交友録 服部ミネ」
  第五章 病の智恵子 その言動
  第六章 病院での死
  第七章 智恵子の人となり 私見
  エピローグ
 第二部 智恵子と、同時代の人びと
  第一章 長沼今朝吉 そして、浅倉哲蔵
  第二章 高村光太郎 そして、古松茂藤治
  第三章 挿話「油井の人びと」
  第四章 明治病院百周年記念誌「百年のあゆみ」
  エピローグ
 あとがき
 おわりに
 参考文献
 追記


著者の入江氏から贈られたものです。版元は福島民報社さんですが、自費出版の扱いだそうで。だから、というわけでもないのでしょうが、同社の書籍サイトに掲載がありません(2年ほど更新もされていないようですが)。Amazonさんなどでも取り扱いがないようです。そこでこのブログで紹介して欲しいとのことでした。

『民報』さんに紹介の記事は載りました。

智恵子の生涯 小説に きょう 福大卒の入江さん出版

 福島市の福島大経済学部卒で、愛知県在住のパソコン関連会社社長、入江いちろうさん(74)は1日、小説「尖(とんが)った山 高村智恵子と、同時代の人びと」(福島民報社)を自費出版した。
 秋田県出身の入江さんは同大で学び、静岡県浜松市のヤマハ(旧日本楽器製造)に就職。定年退職後、会社を起業した。学生の頃から「智恵子抄」に興味があった。大学時代を過ごしたことや妻が福島市出身だったことで、福島に思い入れが強かった。智恵子の生涯を小説で描きたいと執筆を思い立った。
 本書は2部構成。1部は「智恵子の人となり」として智恵子の交友関係をひもとき、著者独自の視点で人物像に迫っている。2部は「智恵子と、同時代の人びと」。父の長沼今朝吉や夫の高村光太郎ら智恵子の関係者の生き方や実家「花霞酒造」の経営破綻など当時の資料を織り交ぜ、物語に仕上げた。
 入江さんは「今年は智恵子の生誕140年に当たる。彼女の功績や新たな魅力を知るきっかけになれば」と話している。
 A5判122ページ。1760円(税込み)。県内書店、福島民報販売店で取り扱っている。問い合わせは福島民報社事業局出版部(平日午前10時~午後5時)電話024(531)4182へ。


語り手的な主人公は入江氏ご自身が投影されているようですが、あくまで小説ですので、内容の大半はフィクションと思われます。

明治病院第一部に登場する「人びと」のうち、日本女子大学校において智恵子と同窓で、福島市の明治病院に嫁いだ幡ナツは、智恵子と浅からぬ縁がありました。女子大学校卒業後の明治42年(1909)、智恵子がそれまで住んでいた卒業生向けの寮が閉鎖され、ナツは自分も住んでいた駒込動坂の日本画家・夏目利政宅に智恵子も下宿できるよう手配してくれました。また、同45年(1912)、智恵子が太平洋画会展覧会に出品した油絵「雪の日」は福島の明治病院の庭を描いたと伝えられています。

本書の表紙は幡家の人々と撮った写真をモチーフにしたもので、貼り絵作家の小倉玲奈さんという方の作だそうです。写真自体は明治病院滞在時の明治45年(1912)はじめか前年暮れ頃に撮られたと推定されています。

そこで寮の件やこの写真を撮影した際のことなどが描かれています。そして語り手的な主人公の妻は、ナツの孫という設定です。

同じく第一部では、宮澤トシや服部ミネ。

トシは宮沢賢治の最愛の妹。「あめゆじゆとてちてけんじや」の人です。やはり日本女子大学校に学び、しかも家政科でしたから智恵子の後輩です。ただ、在学は大正4年(1915)~同8年(1919)で、明治40年(1907)に卒業した智恵子とはかぶっていません。小説では在学中のトシが光太郎智恵子夫妻の暮らす駒込林町のアトリエを訪れて、兄・賢治の作品の載った同人誌『アザリア』を読んでくれ、と光太郎に渡すという設定になっています。

服部ミネは、智恵子の油井小学校時代の恩師にして、一度教員になってから退職し、日本女子大学校に進学した服部マスの姪。智恵子はマスの影響もあって女子大学校に進みました。そしてミネ。特筆すべきは大正12年(1923)、関東大震災後のドサクサで、無政府主義者・大杉栄とその内縁の妻にして旧『青鞜』同人の伊藤野枝らを殺害した憲兵大尉・甘粕正彦の妻だったこと。小説では甘粕との結婚前に、ミネがマスに連れられてやはり駒込林町の光太郎智恵子の元を訪ねるという内容になっています。

このあたりはフィクションですが、そういうことが絶対に無かったとは言い切れない内容です。

第二部では、昭和4年(1929)の智恵子実家・長沼酒店の破産などが描かれています。福島の郷土資料等を詳しく調べられたようで、それを元にしています。この件についてはいろいろ裁判沙汰などもあり(後に智恵子の母・センと智恵子の妹夫婦が九十九里に移ったのも無関係ではありません)、関係者の子孫等が存命で、登場人物の名が実名でなく仮名になっている箇所があります(第一部でもそうでしたが)。このあたり、コンプライアンス的になかなか難しいのでしょう。

さて、福島県外で購入という場合、上記『民報』さん記事末尾の「問い合わせは福島民報社事業局出版部(平日午前10時~午後5時)電話024(531)4182へ」というところで電話注文も可能かも知れませんし、お住まいの地域の新刊書店さんに書名やISBNコード(ISBN978-4-904834-74-9)を伝えれば入手できるかと存じますのでよろしくお願いします。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 7 『高村光太郎選集 Ⅱ 詩 下』

昭和27年(1952)5月10日 中央公論社 高村光太郎著
2 (1)
2 (2) 2扉 2奥付
目次
 樹下の二人 鉄を愛す Lululi とげとげなエピグラム 氷上戯技 偶作 七 珍客 清廉
 月曜日のスケルツオ 白熊 傷をなめる獅子 少年を見る 狂奔する牛 車中のロダン 葱
 後庭のロダン 象の銀行 十大弟子 苛察 聖ジヤンヌ 夜の二人 雷獣 冬の奴
 無口な船長 滑稽詩 マント狒狒 象 森のゴリラ 北冥の魚 潮を吹く鯨
 あなたはだんだんきれいになる 怒 偶作 四篇 母をおもふ 或る墓碑銘 北東の風、雨
 冬の言葉 ミシエル・オオクレエルを読む 火星が出てゐる 偉大なるもの 美を見るもの
 「詩」 龍 あどけない話 同棲同類 何をまだ指してゐるのだ 存在 旅にやんで その詩
 彼は語る 二つに裂かれたベエトオフェン 花下仙人に遇ふ 天文学の話 ぼろぼろな駝鳥
 当然事 無限軌道 街上比興 さういふ友 あの音 夏書二題 北島雪山 古事一則
 或る日(昭和三年九月二十八日) 人生 ひとり酸素を奪つて 焼けない心臓 或る筆記通話
 触知 上州湯桧曽風景 無題 上州川古「さくさん」風景 冬 無題 刃物を研ぐ人
 耳で時報をきく夜 冷熱 孤坐 美の監禁に手渡す者 似顔 のつぽの奴は黙つてゐる
 南極 蝉を彫る 非ヨオロッパ的なる レオン・ドウベル 先生山を見る 晴天に酔ふ
 首の座 人生遠視 風にのる智恵子 村山槐多 ばけもの屋敷 「藤島武二画集」に題す
 「悪魔の貞操」に題す もう一つの自転するもの 荻原守衛 千鳥と遊ぶ智恵子
 値ひがたき智恵子 よしきり鮫 夢に神農となる 老耼、道を行く
 一艘の船が二艘になること 地理の書 山麓の二人 団十郎像由来 手紙に添へて
 レモン哀歌 芋銭先生景慕の詩 つゆの夜ふけに 初夏言志 亡き人に
 銅像ミキイヰッツに寄す へんな貧 梅酒 最低にして最高の道 秋風をおもふ
 太子筆を執りたまふ 荒涼たる帰宅 青年 与謝野夫人晶子先生を弔ふ 三十年 寒夜読書
 救世観音を刻む人 南瓜賦 美しき落葉 雪白く積めり 山菜ミヅ 暗愚小伝 山のひろば
 「ブランデンブルグ」 脱卻の歌 人体飢餓 東洋的新次元 山口部落 かくしねんぶつ
 クロツグミ 別天地 おれの詩 悪婦 岩手の人 若しも智恵子が 山からの贈物
 滑稽詩 二篇
  Rilke Japonica etc. 赤トンボ
 山荒れる 月にぬれた手 鈍牛の言葉 典型 クチバミ 元素智恵子 メトロポオル 裸形
 案内 あの頃 吹雪の夜の独白 田植急調子 噴霧的な夢 女医になつた少女 東北の秋
 大地うるはし 人間拒否の上に立つ
 月報 個人として(下) 高田博厚 高村光太郎の彫刻 真壁仁 強靱積極の生活 池田克己

全6巻で刊行の『高村光太郎選集』第4回配本です。収録詩篇は大正12年(1923)の「樹下の二人」から昭和26年(1951)の「人間拒否の上に立つ」まで、概ね編年体です。

智恵子の故郷・福島二本松で智恵子顕彰に当たられている「智恵子のまち夢くらぶ~高村智恵子顕彰会~」さん主催のイベントおよびそれとセットで開催されるコンサートの案内です。

高村智恵子生誕祭~智恵子を偲ぶ鎮魂の集い~

期 日 : 2026年5月17日(日)
会 場 : 智恵子生家/智恵子記念館周辺 福島県二本松市油井字漆原町36
時 間 : 8:45~
料 金 : 1,500円
申 込 : 熊谷健一 TEL/FAX 0243-23-6743 〒969-1404 二本松市油井八軒町75

智恵子の生家、記念館、「樹下の二人」詩碑などゆかりの地を説明を聴きながら巡り歩き最後に安達駅前「智恵子像」の前で参加者による「智恵子抄」朗読を行います。定員20名(先着順)。

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二本松市のさらに旧安達町内、それほど広くない範囲で智恵子ゆかりの地を巡るいわば文学散歩的な催しです。たぶん参加費に昼食代が含まれていると思われます。
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当方、令和5年(2023)とその翌年に参加いたしました。それほど広くない範囲ですが、歩いて巡るとなるとけっこう大変です(「青空ウォーク」と銘打ってそうしていた時期もかつてありましたが)し、雨天の場合も有り得るので、近年は夢くらぶさん会員の方の車に分乗して巡るスタイルになっています。

最後にJR東北本線安達駅前の智恵子像「今 ここから」(光太郎の父・光雲孫弟子の故・橋本堅太郎氏作)でオープンマイク的に朗読会だそうで。

それが終わった段階で、二本松市街地に移動して下記のコンサート鑑賞という流れのようです。おそらく希望者のみということになるのでしょうが。

モモの智恵子抄

期 日 : 2026年5月17日(日)
会 場 : 二本松市民交流センター 福島県二本松市本町2-3-1
時 間 : 15:00~
料 金 : 前売 3,500円 当日 4,000円
申 込 : モンデンビューロー  mondenmomo@mac.com

 高村智恵子さん生誕140年記念のイベントが今年の5月に二本松で行われます。そしてこれは2028年ミュージカル『智惠子抄』へのスタートでもあります。二本松市 二本松市教育委員会 二本松音楽協会 そして智恵子のまち夢くらぶの後援をいただきモンデンモモの智惠子抄 音楽劇『智恵子飛ぶ』そして前夜祭として劇団徳子福島公演『MOMO NO MOMO』の公演が行われます。
 いよいよ準備が本格的にはじまりました
 1990年から 智惠子抄を歌でお届けする活動が始まりました。そして2023年 舞踊音楽劇として『智恵子飛ぶ』が上演されました。今回リクエスト公演として高村智恵子さん生誕140年にむけ智恵子さんの生誕の地で再演されます。それは2028年のミュージカル『智惠子抄』への始まりでもあります。
 智恵子さんの学ばれた油井小学校の子供達に智恵子さんの素敵さを上演していただきたい演じていただきたいそんな思いから4歳から90歳までのプロと愛好家の最高の融合をモットーとする劇団徳子が 手がけます
 油井の子供達と大人たちと輝く智恵子さんの『懐かしい未来』を〜お伝えしたいとかんがえています。 素敵な、そしてすごい時代です!! 東京からたくさんの仲間たちが引っ越し公演をいたします。あなたも!!二本松に!!いらしてくださいね!!おまちしています。
001
光太郎詩にオリジナルの曲を付けて歌われている、シャンソン系歌手・モンデンモモさんによるコンサートです。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 6 『高村光太郎選集 Ⅴ 随想 上』

昭和26年(1951)12月10日 中央公論社 高村光太郎著
5
5函 5扉 5奥付
目次
 回想録など
  回想録 子供の頃 母のこと 姉のことなど 美術学校時代 揺籃の歌 谷中の家
  智恵子の半生 二世代
 彫刻のことなど
  肖像雑談 自作肖像漫談 蝉の美と造型 ロダンの素描 ロダンの手記談話録
  自刻木版の魅力 彫刻的なるもの 彫刻寸言 美の健康性 芸術上の良知 永遠の感覚
  普遍と独自 美 比例均衡 美意識について 美の影響力 美を求める欲望 詩の深さ
  書について 気について 小感 言葉の事 生きた言葉 触覚の世界
  詩人の知つた事ではない
 アトリエにて
  小刀の味 信親と鳴滝 ある首の幻想 手 鷗外先生の「花子」 家
 
断片
  新茶の幻想 「道程」改訂版 内部の矛盾 木つ葉童子の手紙 ジヤン コクトウ
  さやゑん豆 鯉の木彫 或日 文語 智恵子の新盆 型
 月報 個人として(上) 高田博厚 アトリエのあつたお家 森田たま

全6巻で刊行の『高村光太郎選集』第3回配本です。「随想」の題ですが、評論とエッセイとが入り交じっています(どちらともつかないものもあるのですが)。

編年体ではなく、おおむね内容による分類。一応時期での区切りがあり、戦後のものは含んでいません。ただ、後に出る「随想 下」では遡って明治期のものが収められたりします。

しばらくの間、智恵子およびその故郷・福島二本松関連の話題が続くかも知れません。

今日は智恵子のソウルマウンテン・安達太良山にオープンした「「あ」の図書室」関連の報道を2本。

まず、業界紙『観光経済新聞』さん。

山頂駅に無料図書室をオープン 「あ」がモチーフ あだたら山ロープウェイ

 富士急安達太良観光(福島県二本松市)は11日、同社が展開するあだたら高原リゾートの「あだたら山ロープウェイ山頂駅」内休憩所をリニューアルし、「あ」をモチーフにした図書室をオープンした。文学にゆかりのある同地ならではの”静かな過ごし方”を提案。休憩室と展望室を兼ねた空間として、無料開放する。
 あだたら高原リゾートでは近年、グリーンシーズンの楽しみ方を拡充させる取り組みを展開している。2024年からは、「あだたらやま」の「あ」に着目した空間演出など、自然と遊び心を感じられる体験づくりを提供。山頂展望広場に設置された「あ」のオブジェはその代表作で、多くの来場者に親しまれている。
 今回新たにオープンする「あ」の図書室は静かな過ごし方を提案する空間として整備。高村光太郎の詩集『智恵子抄』に登場する「ほんとの空」の舞台として知られる安達太良山の山頂で本を手に取り、ゆったりとした時間を堪能できる。図書室には、詩集のほか登山などのアウトドア、 旅行、二本松市紹介関係の書籍が置かれている。
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「高村光太郎の詩集『智恵子抄』に登場する「ほんとの空」の舞台として知られる安達太良山の山頂」とありますが、正確には「安達太良山の山頂」ではありません。安達太良山系の薬師岳山頂ということで、ロープウェイは「山頂駅」と命名されていますが。安達太良山自体の山頂(標高1,700㍍)は、ここからさらに2時間ほど登ったところ。さすがに立派な建造物を建てるのは不可能でしょう。

続いて、TUFテレビユー福島さんのローカルニュース。

“ほんとうの空”の下で読書を…安達太良山の山頂駅に図書室オープン 福島

これから本格的な登山シーズンを迎えますが、それを前に、福島県の安達太良山の休憩所がリニューアルオープンです。この休憩所、空を見渡しながらあることを楽しめるそうです。

平岡沙理アナウンサー「きょうは雲一つない青空!気持ちいいですね!山頂駅にある休憩所がリニューアルしたということで、どんな施設に生まれ変わったのか行ってきます!」
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やってきたのは、標高1700メートル、日本百名山に数えられている安達太良山。早速ロープウェーに乗り、出発進行!といきたいところでしたが…高所恐怖症の平岡アナは若干苦笑い。それでも、ゴンドラに乗ると見える雄大な景色に、うっとりしています。

およそ10分、ロープウェーの旅を楽しんで山頂駅に到着!

平岡アナ「着きました!ちょっと怖かったです。行きましょう!気を取り直して!」

 「ほんとうの空」の下で、読書を
駅を降りて見えてきたのは、大きく書かれた「あ」の文字。ここが、新しくできた読書ラウンジ「あ」の図書室です。安達太良山の母音がすべて「あ」であることから、その名前が付けられました。
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4月11日にオープンしたこの図書室には、絵本や登山の本、さらにはマンガまで、およそ300冊がそろっています。こだわりは内装にも。
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平岡アナ「中は木が基調となっていて、この階段をのぼると、見てください!絶景が広がっています。柔らかな日差しも浴びられてとても心が落ち着きます」

安達太良山の空といえば、高村光太郎の妻・智恵子が愛した「ほんとうの空」。「あ」の図書室では、この「ほんとうの空」の下で、読書を楽しむことができます。大自然に囲まれた静かな空間で、登山や日々の疲れを癒してほしいという思いから、生まれました。
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東京から訪れた人「(この場所は)知らなくて、祖父がこっち出身で連れてきてもらいました。すごく景色も良くて来てよかったと思います」

新潟県から訪れた人「来てみてちょっとおもしろそうなのがあったから入ってみようかなという感じで、ゴンドラが真横に見えて、なかなか撮れないかなと思って」

「あ」の図書室は入場無料で、ゴールデンウィーク期間中の5月10日までは毎日営業しています。ぜひ皆さんも、静かな空間に癒されてみてはいかがでしょうか?図書室に行くまでのロープウェーは、別途料金がかかりますので詳しくはホームページでご覧ください。

二本松に足を運ばれる際は、ぜひお立ち寄りください。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 4 『高村光太郎詩集』創元選書

昭和26年(1951)9月15日 創元社 高村光太郎著
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目次
 明治四十年(一九〇七)
  秒刻 マデル 豆腐屋 博士 あらそひ
  敗闕録
   (一)われ千たび君を抱かむ (二)君を見き (三)遁れたる君は遣らばや
   (四)眠りてあれか眼覚めよか
 明治四十三年(一九一〇)
  Les impressions des oũonnas
   tu vois? le sourire cache l'absinthe pousse-pousse a la gum-wa 友よ
      Presentation 失はれたるモナ・リザ 生けるもの 根付の国  
 明治四十四年(一九一一)
  画室の夜 熊の毛皮 人形町 甘栗 庭の小鳥 亡命者 鳩 食後の酒 寂寥 侵蝕
  失走 縁日 狗ころ 祈祷 或日の午後 声 風 新緑の毒素 夏 頽廃者より
  「河内屋与兵衛」 髪を洗ふ女 「心中宵庚申」 なまけもの 手
  『おもひで』と『夜の舞踏』と 白昼の空気 金秤 はかなごと めくり暦
  地上のモナ・リザ 葛根湯 夜半 けもの あつき日 父の顔 泥七宝 恐怖
 明治四十五年(一九一二)
  青い葉が出ても 赤鬚さん あをい雨 友の妻 ――に  夏の夜の食慾 或る夜のこころ
  おそれ 犬吠の太郎 涙 からくりうた さびしきみち カフエにて 梟の族 冬が来る
  カフエにて 或る宵 夜 狂者の詩 郊外の人に 冬の朝のめざめ カフエにて
  師走十日 戦闘
 大正二年(一九一三)
  カフエにて 深夜の雪 人類の泉 人に 山 よろこびを告ぐ 現実 冬が来た 冬の詩
  牛 僕等 道程 愛の嘆美 群集に 婚姻の栄誦 万物と共に踊る 瀕死の人に与ふ
  晩餐 五月の土壌 淫心 秋の祈
 大正五年(一九一六)
  わが家
 大正六年(一九一七)
  晴れゆく空 小娘 海はまろく 花のひらくやうに 歩いても 湯ぶねに一ぱい
  無為の白日
 大正九年(一九二〇)
  序曲 丸善工場の女工達
 大正十年(一九二一)
  米久の晩餐 雨にうたるるカテドラル かがやく朝 ラコツチイ マアチ
 大正十一年(一九二二)
  クリスマスの夜 冬の送別 真夜中の洗濯 五月のアトリエ 沙漠 落葉を浴びて立つ
 大正十二年(一九二三)
  樹下の二人 鉄を愛す Liluli 春駒 とげとげなエピグラム
 大正十三年(一九二四)
  氷上戯技 偶作 七 珍客 清廉 月曜日のスケルツオ
 大正十四年(一九二五)
  白熊 傷をなめる獅子 少年を見る 狂奔する牛 車中のロダン 葱 後庭のロダン
 大正十五年(一九二六)
  象の銀行 十大弟子 鯰 苛察 聖ジヤンヌ 夜の二人 雷獣 冬の奴 無口な船長
  滑稽詩 マント狒狒 象 森のゴリラ 北冥の魚 潮を吹く鯨
 昭和二年(一九二七)
  あなたはだんだんきれいになる 怒 偶作 四篇 母をおもふ 或る墓碑銘
  北東の風、雨 冬の言葉 ミシエル オオクレエルを読む 火星が出てゐる
  偉大なるもの 美を見るもの 「詩」
 昭和三年(一九二八)
  龍 あどけない話 同棲同類 何をまだ指しているのだ 存在 旅にやんで その詩
  彼は語る 二つに裂かれたベエトオフエン 花下仙人に遇ふ 天文学の話
  ぼろぼろな駝鳥 当然事 無限軌道 街上比興 さういふ友 あの音 夏書十題
 昭和四年(一九二九)
  北島雪山 古事一則 或る日 人生 ひとり酸素を奪つて 焼けない心臓 或る筆記通話
  触知 上州湯桧曽風景 無題 上州川古「さくさん」風景 冬 名所 昔話 無題
 昭和五年(一九三〇)
  のんきな会話 刃物を研ぐ人 耳で時報をきく夜 冷熱 孤坐
 昭和六年(一九三一)
  美の監禁に手渡す者 似顔 のつぽの奴は黙つてゐる 南極 蝉を彫る
 昭和七年(一九三二)
  非ヨオロツパ的なる レオン ドウベル 先生山を見る
 昭和八年(一九三三)
  晴天に酔ふ 首の座
 昭和十年(一九三五)
  人生遠視 風にのる智恵子 村山槐多 ばけもの屋敷 「藤島武二画集」に題す
  「悪魔の貞操」に題す
 昭和十一年(一九三六)
  もう一つの自転するもの 荻原守衛
 昭和十二年(一九三七)
  千鳥と遊ぶ智恵子 値ひがたき智恵子 よしきり鮫 夢に神農となる 老耼、道を行く
 昭和十三年(一九三八)
  一艘の船が二艘になること 地理の書 山麓の二人 団十郎像由来 手紙に添へて
  子を産む書物
 昭和十四年(一九三九)
  レモン哀歌 芋銭先生景慕の詩 つゆの夜ふけに 初夏言志 亡き人に
  銅像ミキイヰッツに寄す へんな貧
 昭和十五年(一九四〇)
  梅酒 最低にして最高の道 秋風をおもふ 太子筆を執りたまふ
 昭和十六年(一九四一)
  荒涼たる帰宅 青年
 昭和十七年(一九四二)
  与謝野夫人晶子先生を弔ふ 三十年
 昭和十八年(一九四三)
  寒夜読書 救世観音を刻む人
 昭和十九年(一九四四)
  南瓜賦
 昭和二十一年(一九四六)
  雪白く積めり
 昭和二十二年(一九四七)
  山菜ミヅ 
  暗愚小伝
   家
    土下座 ちよんまげ 郡司大尉 日清戦争 御前彫刻 建艦費 楠公銅像
   転調
    彫刻一途 パリ
   反逆
    親不孝 デカダン
   蟄居
    美に生きる おそろしい空虚
   二律背反
    協力会議 真珠湾の日 ロマン ロラン 暗愚 終戦
   炉辺
    報告(智恵子に) 山林
  山のひろば
 昭和二十三年(一九四八)
  「ブランデンブルグ」 脱卻の歌 人体飢餓 東洋的新次元 山口部落 かくしねんぶつ
  クロツグミ 別天地
 昭和二十四年(一九四九)
  おれの詩 悪婦 岩手の人 若しも智恵子が 山からの贈物
 昭和二十五年(一九五〇)
  山荒れる 月にぬれた手 鈍牛の言葉 典型 クチバミ 元素智恵子 メトロポオル
  裸形
 案内 あの頃 吹雪の夜の独白 田植急調子 噴霧的な夢 女医になつた少女
  東北の秋
 昭和二十六年(一九五一)
  大地うるはし 人間拒否の上に立つ
 編纂覚え書 草野心平


編年体による、この時点で編纂者の草野心平が把握していた光太郎詩をほぼすべて網羅したものです。ただし、戦前・戦時中の翼賛的なものはほとんどカットしました。それ以外でも抜け落ちている詩篇はまだまだありましたが、それは心平の検索の網に引っかからなかったものでしょう。

一昨日から福島二本松の智恵子生家/智恵子記念館さんで「令和8年度 高村智恵子生誕祭」が開催されています。

地方紙『福島民友』さんから、予告的な案内記事。他の様々なイベントとともに紹介されました。

【どこいこ】おでかけスポット情報・浜通り(4月24日~)

■高村智恵子生誕祭 開催中
 二本松市の智恵子の生家・智恵子記念館。5月24日まで。25日から週末・祝日に生家2階の智恵子の居室を特別公開、5月10日までは奇跡といわれる智恵子の紙絵実物を展示している。
 生家は明治初期に建てられた造り酒屋で、酒銘は花霞。智恵子は1886年5月20日に生まれ、育った。5月9、10、19、20日に縁側で「花霞」振る舞い酒、16、17、23、24日に1階で、上川崎和紙で作る紙絵体験を行う。午前9時~午後4時30分。水曜日定休(祝日除く)。入館料は410円(小・中学生210円)。問い合わせは同館(電話)0243・22・6151
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ご紹介下さったのはありがたいのですが水曜日定休(祝日除く)」とあるのは誤りですね。今年は生誕祭期間中は無休だそうです。
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平常時は確かに水曜定休のところ、今年は智恵子生誕140周年ということもあるからでしょうか、二本松市さんとしては気合いを入れているようです。お間違いなきよう。

それから同じく『福島民友』さん、あだたら山ロープウェイ山頂駅にオープンした「【あ】の図書室」について。4月17日(金)掲載の記事です。

「ほんとの空」の下、出会う一冊 ロープウエーの駅に図書室

 「ほんとの空」の下、読書と眺望がのんびり楽しめる図書室が福島県二本松市のあだたら高原リゾート・ロープウエイ山頂駅に登場した。
 安達太良山(あだたらやま)は6文字全て「あ」音のため【あ】の図書室と名付けられ、智恵子抄や二本松に関する本をはじめ、登山、旅、温泉、花の本や雑誌、児童書など約300冊が並んでいる。土足厳禁のサロン風スペース。
 奥岳登山口から結ぶロープウエーの運行は午前8時半~午後4時半。料金は往復一般2200円、4歳~小学生1700円。水曜日運休(祝日除く)。同駅近くには薬師岳パノラマパークがあり、標高1350メートルからの景色が楽しめる。
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続いて『朝日新聞』さん、4月21日(火)の夕刊。

(私のイチオシコレクション)二本松市智恵子記念館 橋本真紀

■紙絵に託した、光太郎への愛と感性 市教育委員会文化課主任主事・橋本真紀
 大胆な配色とシンメトリーの構図。シンプルかつ目を引くこの「紙絵」は、高村光太郎の詩集「智恵子抄」のモデルとして知られる妻、智恵子(1886~1938)が最晩年、紙を折り、切り抜いて作った作品です。
 「東京には空がない」とこぼした智恵子は、当館がある福島県油井村(現二本松市)の造り酒屋の家に生まれました。大学を卒業後、女性としては当時まだ珍しい洋画家として歩み始めますが、芸術界の巨匠になっていく夫とは対照的に、徐々に心身を病んでいきます。創作活動の行き詰まりが一因ともいわれます。
 しかし亡くなる約2年前から病床で紙絵作りに没頭し、千数百点もの作品を残しました。本作は、ピンクと青の反対色の組み合わせが印象的です。当時は配色が病的と指摘されたこともありましたが、感性の赴くままに表現した、智恵子の芸術性が存分に開花した作品の一つです。
 紙絵は、病床で誰にも見せず、ひそかに作られました。千代紙や包装紙、薬の袋が、マニキュアはさみを使って大胆に、時に繊細に切り出され、鮮やかに組み合わせられました。それらは、光太郎にだけ見せたといいます。紙絵は、智恵子の思いを託した光太郎へのメッセージだったのではないでしょうか。
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  一方、洋画家・智恵子の作品として確認されている油絵は3点しかありません。うち1点が大正初期、帰省中に描かれたと伝わる「花(ヒヤシンス)」です。署名はなく、額装されていない状態で見つかりました。もしかすると、未完成なのかもしれません。
 若い頃、完璧主義の一面があったという智恵子は、どんなに筆を進めても満足できず、何より芸術家である夫・光太郎に認められたいと、理想と現実の間でもがいていたのだと思います。
 光太郎を愛し、認められたいと願った若き日から、最期は智恵子にしかなし得ない表現で、光太郎ただ一人のために作品を残したのです。
(聞き手・三品智子)
 
011《二本松市智恵子記念館》 福島県二本松市油井漆原町36(☎0243・22・6151)。午前9時~午後4時半(入館は30分前まで)。水(祝休の場合は翌平日)休み。410円。紙絵は保護のため複製展示。23日~5月10日は実物を公開予定。


市教育委員会文化課主任主事 橋本真紀 
 はしもと・まき 2022年から現職。智恵子の誕生日と命日に合わせた「生誕祭」「レモン祭」の企画運営や生家のライトアップイベントを手がける。

橋本氏、当方もさんざんお世話になっている方ですので「ありゃま」という感じでした。

「おやっ」と思ったのは、油絵「ヒヤシンス」について。「額装されていない状態で見つかりました」という点、存じませんでした。郷里で見つかったとか、署名がないなどの点は、旧安達町発行の図録的な書籍『命と愛のメッセージ』(初版・平成4年=1992/改版・平成14年=2002)に、当会顧問であらせられた故・北川太一先生が書かれていましたが。
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考えてみればあり得る話ですが、改めてよくぞこの絵が残っていてくれたものだ、と思わせられます。

同じく二本松にあったはずの、智恵子が祖父・次助を描いた肖像画は行方不明です。明治40年(1907)の日本女子大学校卒業後、郷里に帰らず東京で絵画の修業を続けたいという智恵子の希望に対し、はじめ反対していた家族たちもこの肖像画を見て「これほどの腕前なら……」と翻意したというエピソードがあり、ぜひ見てみたいものなのですが……。どこかからひょっこりでてこないものかと思っております。

最後にやはり『朝日新聞』さん、4月15日(水)付の読者投稿川柳欄。
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お題が「智恵」ということで、入選句の七句が掲載されました。秀逸句的な作が「智恵子なら戦地に空は無いといふ」。選評では「「智恵子抄」の類句多」だそうで、「ほんとの空」に関し、それなりに人口に膾炙しているのだなと嬉しくなりました。ただ、内容が内容だけに手放しで喜ぶのも不謹慎かとは存じますが。

これを読んで想起させられたのが、俳人・秋元不死夫の句「鳥わたるこきこきこきと罐切れば」。戦後間もない昭和21年(1946)の作で、まだ回復しない食糧事情の中、入手した貴重な缶詰めを缶切りで開ける様子。そしてふと見上げた空には渡り鳥、という情景です。

この句に関しては貴重な缶詰めとか、「こきこきこき」のオノマトペとかに着目した評が為されることがほとんどですが、やはり季語である「鳥わたる」を中心に据えれば、戦争が終わり、空を飛んでいるのは爆撃機でも戦闘機でもなく渡り鳥だ、平和な世になったんだなぁ、という実感が見てとれるような気がします。

ちなみに秋元は戦時中、新興俳句の同人誌、その作者らが治安維持法に基づいて大量検挙された「京大俳句事件」で2年間投獄されました。戦後、自由の身となったというのもこの句の背景にあるのでしょう。

つくづくこういう句が詠まれる世に戻してはならないと思うのですが、国会審議を経ない閣議決定とやらでなし崩し的に武器輸出が容認されるとのこと。我々の納めた税金が人殺しのための武器に使われる、日本製の無人ドローンなどで戦地の「ほんとの空」が覆われるなど、あってはならないことだと思うのですが……。

しかしおよそ一般教養や常識に欠ける幼稚なネトウヨなどには「「智恵子なら戦地に空は無いといふ」の句も、何を言ってるのかさっぱりわからないのでしょうね。嘆かわしいものですが、そういう輩が多数派とならないようにしていきたいものです。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)29 『世界美術全集 第25巻 日本Ⅳ』 

昭和26年(1951)11月30日 平凡社 下中弥三郎編
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目次
 近代日本の成立と発達 
 明治、大正、昭和の建築
 明治、大正、昭和の彫刻
 明治、大正、昭和の日本画(版画を含む)
 明治前期の西洋画
 印象主義以後
 明治、大正、昭和の工芸
 図版 原色版 一七図 グラビア版 一二八図 本文挿図 二七六図
 図版解説
 年表
 参考書目録
 挿図目録
 図版目録

光太郎執筆箇所は「図版解説」中の「17 老夫 長沼守敬」「18 老猿 高村光雲」「21 銀盤(柳敬助像) 荻原守衛」「23 北條虎吉肖像 荻原守衛」。

大先輩の長沼や亡父光雲はともかく、早世さえしなければ共に手を取り合って日本彫刻界をリードしていくはずだった親友の荻原守衛の作を解説というあたり、光太郎にとっては特別な感慨があったのではないでしょうか。

毎年恒例、5月20日(水)の智恵子誕生日に合わせ、さまざまなコンテンツでそれを盛り上げる智恵子生誕祭が、智恵子の故郷・福島二本松で開催されます。

高村智恵子生誕祭

期 日 : 2026年4月23日(木)~5月24日(日)
会 場 : 智恵子生家/智恵子記念館 福島県二本松市油井字漆原町36
時 間 : 9:00~16:00
休 館 : 期間中無休
料 金 : 大人(高校生以上)410円(360円)
      子供(小・中学生)210円(150円) (  )内団体料金
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本市(旧安達町)出身の芸術家・高村智恵子の生誕日である5月20日にかけて、令和8年度春季自主事業「高村智恵子生誕祭」を開催します。また、今年は智恵子生誕140年を迎えることから、記念特別企画も実施しますので、この機会にぜひご来館ください。

実施企画

智恵子の生家 2階特別公開
通常公開していない「智恵子の居室」を下記の日程で特別公開します。また、2階にて『智恵子自作の小物入れ』も展示します。
公開日:4月23日(木)~5月24日(日)までの間の土・日・祝日及び5月20日(水)
公開時間:午前9時00分~午後4時00分

智恵子の「紙絵」の実物展示
奇跡といわれる「紙絵」の実物展示をおこないます。
展示期間:4月23日(木)~5月10日(日)
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 ~智恵子生誕140年記念特別企画~ 復活!長沼酒造『花霞』ふるまい
智恵子生誕140年を記念し、生家に清酒『花霞』が復活!数量限定でふるまいを行います。
実施日:5月9日(土)、10日(日)、19日(火)、20日(水)の4日間
実施時間:午前10時00分~午後4時00分
 ※運転される方、20歳未満の方の飲酒は固く禁止します。
  なお、お酒以外の物販もありますのでぜひお楽しみください。
【協力】大天狗酒造株式会社
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上川崎和紙で作る「智恵子の紙絵体験」
上川崎和紙を使用し、智恵子の紙絵をモチーフにしたグッズを作成できます。また、ちょっとした喫茶スペースとお土産コーナーも併設します。
開催日:5月16日(土)、17日(日)、23日(土)、24日(日)の4日間 
【協力】二本松市和紙伝承館
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智恵子とおそろい!?ハートの小物入れを作ろう
生家2階公開時に展示する『智恵子自作の小物入れ』風ハートの小物入れを作ってみませんか。
実施期間:4月23日(木)~5月24日(日) 
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昨年は生誕祭期間中に、当会プロデュースのコンサート「音楽と朗読『智恵子抄』~愛はここから生まれた」を智恵子生家一階座敷で開催しました。筝曲及びテルミンの演奏に乗せた、詩集『智恵子抄』の朗読公演で、荒井真澄さん(朗読)、大西ようこさん(テルミン)、元井美智子さん(箏曲)のトリオによるものでした。

今年の生誕祭ではその手の企画がありませんが、同じお三方による公演を秋の「レモン祭」期間中の11月8日(日)にやはり智恵子生家一階座敷で予定しています。ちなみにその前後、同じく「レモン祭」に合わせてにほんまつ城報館さんで光太郎智恵子展的な企画展も開催されます。10月17日(土)には関連行事としての当方の講演も。まだ先の話ですが。

また、民間の「智恵子のまち夢くらぶ~高村智恵子顕彰会」さんでは、5月17日(日)に二本松市交流センターさんでシャンソン系歌手のモンデンモモさんによる「智恵子抄」コンサートを企画されています。同日には智恵子ゆかりの地を巡ったり、オープンマイク的に参加者に「智恵子抄」詩篇を朗読してもらったりする企画「智恵子を偲ぶ鎮魂の集い」が予定されています。のちほどまた詳細をご紹介します。

今年は光太郎没後70年であると同時に、智恵子生誕140年にも当たります。『広報にほんまつ』今月号では、生誕祭と共にそちらの紹介も。
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「智恵子生誕140年記念ロゴマーク」も制定されました。
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智恵子の紙絵ふう、だそうで。「ほんとの空」をイメージしたであろう空色の四角が直線の正方形になっていないあたりもこだわりがあるようです。

というわけで、ぜひ足をお運び下さい。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)23 『天平彫刻』 小山美術新書1

昭和23年(1948)9月25日 小山書店 児島喜久雄編者代表
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目次
 天平彫刻について 上野直昭
 天平時代の仏像に対する断片的考察 木下杢太郎
 天平彫刻の技法について 高村光太郎
 天平彫刻私観 平櫛田中
 天平彫刻雑感 安田靱彦
 素材より見たる奈良彫刻の特性 野間清六
 天平仏像の構造法 新納忠之介
 奈良時代の鋳もの 香取秀真
 東大寺建立と天平の仏像 筒井英俊
 戒壇院四天王像に見る「格」に就て 丸尾彰三郎
 天平時代の彫刻と万葉集との関係 久松潜一
 天平の肖像彫刻 小林剛
 天平彫刻と写真 大口理夫
 天平彫刻と様式問題 児島喜久雄
 須菩提 廣津和郎
 新薬師寺本尊に関する問題 田中倉琅子
 図版解説
 図版目次
  原色版 三月堂 梵天帝釈天(安田靱彦氏画 明治四十一年写生)
  写真版 
   第一図 東大寺三月堂 不空羂索観音像(入江泰吉氏撮影)
   第二図 東大寺三月堂 月光菩薩像(入江泰吉氏撮影)
   第三図 東大寺三月堂 日光菩薩像(松山志郎氏撮影)
   第四図 東大寺三月堂 吉祥天像(入江泰吉氏撮影)
   第五図 東大寺三月堂 執金剛神像(入江泰吉氏撮影)
   第六図 東大寺戒壇院 持国天像(松山志郎氏撮影)
   第七図 東大寺戒壇院 廣目天像(松山志郎氏撮影)
   第八図 興福寺 須菩提像(松岡光彦氏撮影)
   第九図 唐招提寺開山堂 鑑真和上像(入江泰吉氏撮影)
   第十図 唐招提寺衆宝王菩薩像(奈良博物館撮影)
   第十一図 聖林寺 十一面観音菩薩像(米田大三郎氏撮影)
   第十二図 東大寺三月堂 不空羂索観音宝冠化仏(松山志郎氏撮影)
   第十三図 東大寺大仏殿前 銅造燈籠扉音声菩薩(入江泰吉氏撮影)
   第十四図 薬師寺金堂 三尊像(佐藤辰三氏撮影)
   第十五図 新薬師寺伐折羅大将像(入江泰吉氏撮影)

製本所が空襲されたため、店頭に並ぶ前にほとんどが焼失してしまった昭和19年(1944)の初版を戦後になって復刊したものです。本文の紙型は初版と同一ですが、写真図版はかなりの異同があります。

智恵子主人公の演劇公演情報を2件。

日程順に、まずは栃木から。

百景社ツアー2026『売り言葉』宇都宮公演

期 日 : 2026年4月18日(土)・4月19日(日)
会 場 : アトリエほんまる 宇都宮市本丸町1-39
時 間 : 4月18日(土)14:00 / 19:00  4月19日(日)14:00
料 金 : 一般:3,000円 U22(22歳以下):1,500円

彫刻家であり詩人でもあった高村光太郎が、妻・智恵子のことを綴った『智恵子抄』。純愛詩集として知られたこの作品を題材として、野田秀樹が"智恵子"側の目線から描いたのが「売り言葉」です。昨年百景社アトリエにて、一人芝居として書かれたこの戯曲を女優3人で上演、好評を博しました。今年は本作でツアー公演を行います。百景社初の宇都宮公演、そして5年ぶりのツアー公演!

【作】野田秀樹  【潤色・演出】志賀亮史
【出演】山本晃子、鬼頭愛(以上、百景社)、久保庭尚子
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「売り言葉」は野田秀樹氏の脚本。平成14年(2002)に大竹しのぶさんによる一人芝居として南青山スパイラルホールさんで初演されました。翌年、野田氏の『二十一世紀最初の戯曲集』(新潮社)に収められ、その後、プロアマ問わず多くの劇団さんや個人の方による公演が毎年のように全国で行われています。今回の百景社さんも、昨年、茨城の土浦で公演なさっています

数ある光太郎智恵子系の演劇の中で、最もシニカルな見方で描かれたもので、光太郎との生活の中で徐々に毀れていく智恵子が表現されていますが、浅い見方しかできない人は光太郎のモラハラ的な部分のみしか目につかず「これで光太郎が嫌いになった」……。

たしかに光太郎は「芸術家たる者、かくあるべし」という部分を自らにストイックなまでに課し、実践しようとしました。しかし、それと同じことを智恵子に強制したかというと、そこは何とも言えません。もはや当事者にしか分からないことでしょうし、当事者二人それぞれでも受け止め方は微妙に異なるでしょうし。

当方としては、光太郎は智恵子に対し「芸術家たる者、かくあるべし」という理想の姿を智恵子に「望み」はしたものの「強制」まではしていなかったのではないかと思っています。光太郎は智恵子の油絵の才能を、そこまで高く評価していませんでした。となると、要求するハードルの高さもそれほどではなかったような気がします。

却って智恵子の方が「芸術家たる者、かくあるべし」という幻想に取り憑かれ、自らハードルの高さを高く設定し、自分で自分を追い詰めていたのではないかと……。もちろん「芸術家たる者、かくあるべし」と追求する姿勢は光太郎に感化されてのものではあったでしょうが。

しかしなかなかそれが思うようにうまくいかない→故郷の造り酒屋に帰って安達太良山の山の上に毎日広がる「ほんとの空」を見て活力を取り戻す→しかし東京に戻るとやはりだめ、の繰り返しでした。それを光太郎も容認していたわけで、つい先日も引用しましたが、「私と同棲してからも一年に三四箇月は郷里の家に帰つてゐた。田舎の空気を吸つて来なければ身体(からだ)が保(も)たないのであつた」(「智恵子の半生」 昭和15年=1940)。光太郎としてはかなり智恵子に自由にさせていたわけです。

ところが、智恵子が追い詰められているという時に光太郎がどれだけ適切なケアをできたのかというと、結果的にはそれが不十分だったわけで、そうして智恵子は毀れてしまったと言えるでしょう。光太郎としては「後から考えればそうだった」と百も承知で『智恵子抄』を編んだのだと思われます。だから戦後の詩文集『智恵子抄その後』の「あとがき」に「「智恵子抄」は徹頭徹尾くるしく悲しい詩集であつた。」と書いているのだと考えられます。

そういったことに思いを馳せながら観ていただきたい脚本です。

百景社さん、「ツアー」と銘打ってらっしゃいます。宇都宮公演を皮切りに、全国4箇所で講演を打たれるそうです。今後の予定は以下の通り。

 津公演  2026年5月16日(土)~5月17日(日)【会場】津あけぼの座(三重県津市)
 長崎公演 2026年5月30日(土)~5月31日(日)【会場】アトリエPentA(長崎県長崎市)
 上田公演 2026年6月13日(土)~6月14日(日)【会場】犀の角(長野県上田市)
 
上記のように諸刃の剣的な要素の濃い脚本ですので、「これで光太郎が嫌いになった」という人が増えないことを望みます。

紹介すべき事項が山積しておりまして、もう1件。富山での公演。

劇団「喜び」公演「智恵子抄」

期 日 : 2026年4月19日(日)
会 場 : ウイング・ウイング高岡 富山県高岡市末広町1番8号
時 間 : 昼の部14:00~ 夕の部18:00~
料 金 : 前売 大人 3,000円 中高生 1,500円/当日 大人 3,500円 中高生 1,500円

出 演 : 茶山千恵子 平田久子

高村光太郎「智恵子抄」に心酔して40年になります。演劇を続けながら、いつか「智恵子抄」を演りたいと強く願うようになり、自分なりの脚本を書いたのが12年前です。それから一人芝居で「智恵子抄」を公演し、1年半前には東京公演に挑戦しました。昨年から、智恵子さんの故郷である福島県二本松に何度も出向き、生家を訪れてきました。私にとっても第二の故郷になりました。

今回の公演では、30年ぶりに再開した平田久子さんに、宮崎春子「紙絵の思い出」を朗読して頂きます。春子さんは智恵子さんの姪で、介護をしてくれました。久子さんは春子さんのイメージにピッタリなので楽しみなんですよ。

朗読から一人芝居へと構成しています。皆様、どうぞお楽しみに~
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富山県高岡市ご在住の茶山千恵子氏。連翹忌の集いにもご参加下さり、地元で光太郎智恵子に関する市民講座講師を務められたり、ご自宅を開放なさって花巻のやつかの森LLCさん考案のレシピを元に調理された「光太郎ランチ」を予約の方に振る舞われたりと、精力的に活動されています。

「智恵子抄」は、令和元年(2019)に富山で、そして一昨年には荻窪小劇場さんで上演されました。こちらは「売り言葉」とは異なり、智恵子へのリスペクト溢れる演出です。

画家の平田久子氏が友情出演的な感じで、智恵子の姪で当時の一等看護婦の資格を持ち、南品川ゼームス坂病院で智恵子の最期を看取った宮崎春子の回想「紙絵のおもいで」を朗読なさるそうです。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)17 『続仏蘭西詩集』 

昭和18年(1943)1月20日 青磁社 菱山修三編
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目次
 山内義雄 共和国戦死者に捧ぐる歌 ポオル・クロオデル
 菱山修三 未知なるものへの祈り ジュウル・シュペルヴイエル
 淀野隆三 ものみな黄昏初める時 レオン-ポオル・フアルグ
 堀口大学 A・O・パルナブウトの詩篇より ヴアルリイ・ラルボオ
 井上究一郎 火 フランシス・ジヤム
 堀辰雄 生けるものと死せるものと ノワイユ侯爵夫人
 青柳瑞穂 マルドロオルの歌 ロオトレアモン
 花島克巳 節度 ポオル・ヴエルレエヌ
 鈴木信太郎 綺語詩篇 ステフアヌ・マラルメ
 高村光太郎 午後の時 エミイル・ヹルハアラン
 あとがき

昭和16年(1941)に同じ青磁社から出た『仏蘭西詩集』の続編という位置づけです。光太郎訳はベルギーの詩人、エミール・ヴェルハーレンの「午後の時」。ヴェルハーレンが妻のマルト・マッサンとの日々を謳った「智恵子抄」にも通じる内容です。

正続ともに戦後にかけ、複数の版が存在します。

智恵子のふるさと、福島二本松からの情報。

まず市の広報誌『広報にほんまつ』今月号。同市は令和元年(2019)に「全国さくらシンポジウム」会場となり、それ以来その際のキャッチコピーで光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空にさくら舞う」を、毎年の4月号に転用し、市内の桜の名所を紹介しています。
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そして桜がらみの各種情報。その中で、智恵子の生家などを巡る周遊バス「二本松春さがし号」についても。

その件で、地方紙『福島民報』さん記事。

二本松市街地の桜楽しんで 観光協企画の循環バス運行

 福島県二本松市市街地の桜を楽しむ循環臨時バス「二本松春さがし号」は6日、運行を始めた。15日まで毎日6便が走る。
 にほんまつ観光協会の企画。JR二本松駅発着で、智恵子の生家、霞ケ城公園、大隣寺などを巡る。割安な1日フリー乗車券は中学生以上500円、小学生250円。
 初日にJR二本松駅前で出発式を行い、塩田英勝にほんまつ観光協会事務局長、鈴木友和福島交通二本松営業所長がテープカットした。
 問い合わせは同営業所 電話0243(23)0123、または観光協会 電話0243(24)7702へ。
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運行されている福島交通さんサイトから。

二本松の名所旧跡を巡る「二本松春さがし号」を運行いたします。

 二本松駅前より、詩人で彫刻家である高村光太郎の妻智恵子が育んだ住まい、少年隊も眠る丹羽家の菩提寺「大隣寺」などを巡る、二本松市内を循環する “二本松春さがし号”臨時バスを運行しますので、是非ご利用ください。
【注意事項】
・道路交通状況等により遅れが発生します。列車への乗り継ぎには十分余裕をお取りください。
・混雑時のマスク着用にご協力ください。
 ご理解ご協力を重ねてお願い申し上げますとともに、皆様のご乗車をお待ちいたしております。

運 行 日   : 2026年4月6日(月)~4月15日(水)毎日運行
運賃・時刻表  : 「二本松春さがし号」ご案内(以下PDFよりご確認ください)
お問い合せ先  : 福島交通㈱二本松営業所 0243-23-0123
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1日フリー乗車券で大人でもワンコインだそうですから、実に良心的ですね。

続いて智恵子のソウルマウンテン・安達太良山情報。奥岳登山口周辺であだたら高原リゾートを展開する富士急さんのプレスリリースから。

詩人・高村光太郎の妻 智恵子 が焦がれた “ほんとの空” の下、あだたら山ロープウェイ山頂駅に絶景読書ラウンジ【あ】の図書室 4月11日 始動

 富士急グループの富士急安達太良観光株式会社(福島県二本松市、取締役社長:渡邉康治)が展開する「あだたら高原リゾート」(同市)では、あだたら山ロープウェイ山頂駅にある休憩所をリニューアルし、2026年4月11日(土)に【あ】の図書室をオープンいたします。
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 あだたら高原リゾートでは、2024年のグリーンシーズンに山頂での楽しみ方を拡充する取り組みとして、「あだたらやま」の「あ」に着目した空間演出など、自然と遊び心を感じられる体験づくりを行ってきました。山頂展望広場に設置された【あ】のオブジェも、その一環として多くの来場者に親しまれています。
 今回新たにオープンする【あ】の図書室は、文学にゆかりのあるこの地ならではの“静かな過ごし方”を提案する空間です。安達太良山は、高村光太郎の詩集『智恵子抄』に登場する「ほんとの空」の舞台として知られ、その空を焦がれた智恵子の想いが今も息づいています。雄大な自然と、四季折々に表情を変える山並みに囲まれた山頂で、本を手に取り、ゆったりとした時間をお過ごしいただけます。
 日常から少し離れた場所で、デジタルデトックスとともに味わう、すこやかなひとときをお楽しみください。

【あ】の図書室概要
■リニューアルオープン 2026年4月11日(土)
■営業時間 9:00~16:00
※ロープウェイの上り最終15:50、下り最終16:20
■利用料金 無料 ※山頂に行くロープウェイの料金が必要となります。
【ロープウェイ料金】
 大人(中学生以上)片道: 1,300円、往復2,200円
 小人(4歳~小学生)片道: 1,000円、往復1,700円
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【あ】のオブジェ
 ロープウェイ山頂広場には「あだたらやま」の「あ」をモチーフにした不思議なモニュメント【あ】のオブジェがあります。大小さまざまな「あ」が並ぶ「あ」の道の先には、高さ約180cmのモニュメントがあり、安達太良山の空と阿武隈の山並みを背景に撮影を楽しめるフォトスポットとなっています。
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「あだたら高原リゾート」施設概要
■ロープウェイからの絶景、薬師岳パノラマパークからの雄大な景色を一望
 「日本百名山」の一つに数えられる安達太良山は、標高1,700mで夏でも涼しい環境で大自然を満喫できます。あだたら山ロープウェイに乗って約10分の空中散歩を楽しんだ後、山頂駅からは阿武隈山系や福島市街地を一望。さらに、散策道を10分程歩いたところにある「薬師岳パノラマパーク」では、高村光太郎が『智恵子抄』の中で「ほんとの空」と謳ったことで知られる、青く澄みきった空と絶景の大パノラマが楽しめるほか、山肌にはハートの形を発見することができ、見どころいっぱいです。
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■絶景露天風呂「あだたら山奥岳の湯」でリフレッシュ!
 標高約950mに位置する「あだたら山奥岳の湯」は、遮るもののない眺望が自慢の露天風呂です。また、内湯は「源泉かけ流し」で、泉質は全国的にも珍しいph2.5の酸性泉で、筋肉痛や神経痛、疲労回復、また皮膚病への効能や美肌効果もあると言われております。
【施設概要】
・営業日 年中無休※メンテナンス休業あり
・営業時間 10:00~19:00(最終入館18:30)
・施設内容 内湯(9㎡)、露天風呂(20㎡)※男女別
・利用料金 大人800円/小人(4才~小学生)500円
・泉質 単純酸性温泉
・適応症 神経痛・筋肉痛・関節痛・運動麻痺・慢性消化器病・冷え性・疲労回復・健康増進
     慢性皮膚病

「あだたら高原リゾート」営業概要
・営業時間 8:30~16:30
  ※日によって異なり、定休日もあります(HPをご参照下さい)
・お問い合わせ 福島県二本松市奥岳温泉 TEL:0243-24-2141
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奥岳登山口から出発するロープウェイの山頂駅に、今日「【あ】の図書室」がオープンするそうです。なぜに【あ】かというと、「だたらやま」の「あ」でもありますし、「あだたらやま」がローマ字だと「ADATARAYAMA」で、母音が全て【あ】ということに由来します。一昨年にはやはり山頂駅の外に「【あ】のオブジェ」が設置され、そちらと呼応する感じですね。

ところで「【あ】のオブジェ」、てっきり期間限定での設置だと思い込んでいまして、昨年4月に山頂駅に行った際に見逃しました。次に行く際には「【あ】の図書室」ともども拝見します。ちなみに山頂駅近くの薬師岳パノラマパークには、有名な「この上の空がほんとの空です」碑がありますので、これから行かれる方、そちらにもどうぞ。

長くなりましたがもう1件、お付き合い下さい(笑)。

やはり『福島民報』さんで、4月7日(火)掲載のコラム。

こけし

▽二本松市のチーズケーキ工房&カフェ風花が開発した新商品「ほんとの空サイダー」が人気を集めている。▽詩集・智恵子抄で詠まれた「ほんとの空」をイメージし、クチナシ由来の天然着色料で空色を表現。県産リンゴ果汁を用いた味わいが特徴。安達太良山の風景をラベルに描いた。360円(税込み)。店内のほか、道の駅安達などで販売している。▽企画担当の長田花梨さんは「温泉後の一杯に安達太良山を眺めつつ味わって」と青空のように爽やかなドリンクをPRしている。
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過日、当方も購入して参りました「チーズケーキ工房・カフェ風花&もりのこうぼう」さんの「ほんとの空サイダー」。人気を集めているそうで、「おお!」という感じでした。

実際、気になる方が多いようで、花巻からも「オンラインで手に入らんか?」と問い合わせがありましたし、過日の連翹忌の集いに持っていって光太郎智恵子関連の新刊書籍やパンフレット等と一緒に並べておいたら、参会の方から「これ、都内で手に入りませんかね?」。ちなみに持っていった一本は渡辺えりさんにさしあげました(笑)。

いろいろ調べたのですがどうも現地に行かないと無理っぽい感じです。「チーズケーキ工房・カフェ風花&もりのこうぼう」さんは岳温泉近く、それから今回の『民報』さんで、道の駅安達智恵子の里さんでも販売と知りました。智恵子生家/智恵子記念館に行った際にゲットしようと思いました。

他にも二本松・安達太良山・ほんとの空がらみのいろいろがあるのですが、他にも紹介すべき事項が山積しておりまして、また後日。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)13 『ミケランヂェロ』 

昭和16年(1941)8月20日 アトリヱ社 天田文雄編
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目次
 ミケランヂエロの彫刻作品に題す 高村光太郎
 図版
 ミケランヂエロ年譜 富永惣一
 図版目次


ミケランジェロ・ブオナローティは、ロダン同様、あるいはそれ以上に光太郎が敬愛し続けた彫刻家です。その大判の彫刻写真集です。光太郎の文章が巻頭に置かれ、序文に近い感じですが、一応、部分的執筆の項に入れました。

たまたまなのでしょうが、発行日が昭和16年(1941)8月20日。これは詩集『智恵子抄』初版、それから散文集『美について』それぞれの発行日と全く同じ日です。

この項、刊行順に紹介していますが、一昨日取り上げた『仏蘭西詩集』、昨日の『生活と文化技術』と順番が前後してしまいました。すみません。

音楽作品を入手するにはストリーミング(配信)が主流、もはやCDも時代遅れ的な風潮の昨今ですが、逆にアナログレコードのブームも起きているそうです。実際、人気ミュージシャンがアナログレコードでのリリースを盛んに行っています。デジタルとは異なる音質や、アーティスティックなジャケットを持つ盤を「所有」する面白さなどがウケているようで。

「智恵子抄」オマージュの楽曲を含むアルバムでも。

Love Log ic(Clear Purple Vinyl)

発 売 日 : 2026年2月20日
アーティスト   : Minuano
レーベル  : Quiet Recordings / JET SET
定 価   : 4,950円(税込)

Lampの榊原香保里をフィーチャーしたMinuanoの1stアルバムがアナログ再発決定!

 ジャパニーズ・ポップに新風を吹き込んだ2009年リリースの名盤がクリアパープル・カラーヴァイナル仕様でリイシュー!
 パーカッショニスト、コンポーザーとして活躍する尾方伯郎が主宰するプロジェクトMinuano。彼らのデビュー・アルバムである本作は、ソフトロックやジャズ、シティポップを独自の視点で再構成したサウンドスケープと榊原香保里 (Lamp) の透き通る歌声が溶け合った、気だるくもあたたかな浮遊感に包まれる傑作。ボッサ・テイストの柔らかなアレンジとフルートの音色にイントロから引き込まれる「レモン哀歌」、複雑かつ鮮やかなコード進行と榊原のウィスパーボイスが絡みあう「それいゆ」、Minuanoとして初めて制作された楽曲である「陽だまりの午後に」など、極上のポップスがめくるめく展開するドラマチックな名盤です。

ソングリスト
 レモン哀歌 春宵の哀しみ 果てるともなく続く宙 それいゆ 午后の翼 恋人たちの雨
 裸足のシルエット 雨色日記 恋、咲き初めり 陽だまりの午後に
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当方、平成21年(2009)発行と思われるCDを持っています。
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令和4年(2022)には、<Clear Pink Vinyl/限定盤>としてやはりアナログレコード化され、その存在を知り、アナログ盤ではなく中古CDを安く購入しました。

「レモン哀歌」、歌詞は光太郎詩の通りではなく、そこからインスパイアされたもので、歌われている榊原香保里さんによる作詞です。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)56 『ロダンの言葉抄』 

昭和35年(1960)7月5日 岩波書店(岩波文庫) 高村光太郎訳 高田博厚・菊池一雄編
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目次
 ジユディト クラデル筆録
  「ロダンの人と作」より
  「ロダン伝」より
  クラデル編「ロダン」より
   ロダン手記
  クラデル著「ロダン」より
   女の肖像 芸術家の一日 ゴティックの線と構造 芸術と自然 ゴティックの天才
  雑誌「センチュリー」一九一四年五月号より
   ロダンの手帳
 フレデリク ロートン筆録
  古代芸術の教訓(その一) 古代芸術の教訓(その二) 断片 ロートン「ロダン伝」より
  ロートン「ロダン小伝」より
 ポール グゼル筆録
  グゼル編「芸術」より
   肉づけ 芸術における神秘 芸術における動勢 断片 フィディアスとミケランジェロ
   女の美
 「岡の上にて」より
  「ロダンの家にて」より 若き芸術家達に(遺稿)
 ギュスターヴ コキヨ筆録
  「ロダン」より 「真のロダン」より 
  「ロテル ド ビロン及びムードンにおけるロダン」より 断片
 カミーユ モークレール筆録
 その他
  「芸術及び芸術家」特別号より パトレット筆録(ダークス「ロダン小伝」より)
  クラリ筆録(ダークス「ロダン小伝」より)
 解説 高田博厚
 年表

大正5年(1916)に阿蘭陀書房から出た初版『ロダンの言葉』、同9年(1916)に叢文閣から出た初版『続ロダンの言葉』から、光太郎と交流のあった共に彫刻家の高田博厚と菊池一雄が再編した厚冊の文庫版です。

最近まで版を重ねていましたが、現在、岩波さんのサイトでは「品切れ」。ぜひ重刷していただきたいものです。

昨日ご紹介した角川文庫版『美について』と順番が前後していました。すみません。

戦前に亡くなった智恵子、その写真は30葉くらいしか確認できていません。それもお嬢様だった少女時代のものが多く、光太郎との結婚後のものは少ない状況です。3年ほど前に、国立国会図書館さんのデジタルコレクションのリニューアルに伴い、昭和3年(1928)4月16日、日比谷の東京会館で撮られた光太郎の父・光雲の喜寿祝賀会でのショットを見つけましたが。
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そんな中、ずっと気になっていた写真がありました。平成5年(1993)発行の『週刊女性』第37巻第14号(左下)や、昭和57年(1982)、暁教育図書さん発行の『日本発見人物シリーズ 大正の女性群像』(右下)に載っていたもの。
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かなり鮮明な写真であるにもかかわらず、いつ、どこで撮られたものか把握出来ていませんでした。

その謎がようやく解けました。

きっかけは1月6日(火)の『東京新聞』さん、「政党政治への期待は、恨みに変わって… 希望を失った民衆は「新しさ」を求め、「国家や天皇」に流れた」という記事。

記事自体は慶応大学さんの松沢裕作教授(日本近代史)への取材を通し、1920年代頃の国家主義が台頭した時代を追うもので、女性参政権運動にも触れられ、その一翼を担ったのが平塚らいてうだったため、「東京・新宿の中村屋に集う婦人参政権運動を進める青鞜社の旧同人たち=1929年6月26日(日本電報通信社撮影、共同)」というキャプションで、下記の写真が載りました。ちなみに記事本文にはらいてうや智恵子の名も『青鞜』誌名も書かれていませんでしたが。
1929年6月26日(日本電報通信社撮影、共同)
右から二人目がまさしく智恵子。拡大するとこんな感じです。
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昭和4年(1929)6月26日というと、キャプションの通り新宿中村屋で『青鞜』旧同人の同窓会的な集まりが持たれ、そのショットでした。この模様は当時の『朝日新聞』で報じられています。
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写真も添えられていましたが、不鮮明な上に、肝腎の智恵子は野上弥生子の陰に隠れ、顔がはっきり写っていませんでした。
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これとほぼ同時に写されたのが、『東京新聞』さんに載ったもので、上記の『週刊女性』などに載った写真はここから採られたものでした。

『朝日』記事には写っているメンバー全員の氏名が並び順に紹介されており、それを信用すると下記のようになります。
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「小野よし子」「藤浪和子」はそれぞれ創立メンバーの保持研子、物集和子です。大正12年(1923)に殺害された伊藤野枝や、カナダ在住だった田村俊子がいないのはともかく、富本一枝(尾竹紅吉)、木内錠子、中野初子、岡本かの子、岡田八千代らの姿も見えないのは残念ですが。

しかし智恵子、凜とした目つきですね。いわゆる「目力」に圧倒されそうです。この2年後には心の病が顕在化するのですが……。

とにかく写真が少ない智恵子、この後も新たなショットが見つかることを祈念いたします。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)9 『リリユリ』

大正13年(1924)5月10日 古今書院 ロマン・ロラン著 高村光太郎訳
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目次 なし

『リリユリ(Liluli)』は光太郎が敬愛していたロマン・ロラン(1866~1944)の戯曲。大正7年(1918)に原典が刊行されました。光太郎、2年後には片山敏彦、尾崎喜八、倉田百三、高田博厚らと「ロマン・ロラン友の会」を立ち上げます。

智恵子の故郷・福島二本松で智恵子顕彰活動に当たられている「二本松市 智恵子のまち夢くらぶ~高村智恵子顕彰会~」さんから今年1年の活動報告的な「文集 2025」が届きました。
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B4判縦長で50枚程のコピーを綴じたもの。手作り感に溢れています。

表紙は智恵子が所属した太平洋画会の後身・太平洋美術会さんに所属され、書籍『スケッチで訪ねる『智恵子抄』の旅 高村智恵子52年間の足跡』や絵本『夢を描くひと―高村智恵子―』などを書かれた坂本富江さん。こちらの会員でもあらせられるということで。

目次を載せておきます。それから裏表紙。
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まず会として行った事業の紹介。けっこう皆さんであちこち出かけられたそうで、そのスナップが裏表紙に載っています。

詩人の吹木文音氏(ご本名・中島宏美さん)もこの会の会員だそうで、先月、都内で行われた「第68回高村光太郎研究会」でのご発表に関しても。

それから花巻南高校文芸部さんの部誌『門』今年8月発行の第19号からのコピー。当会が仲介しまして、4月から5月にかけて二本松の智恵子記念館さんで、「高村智恵子生誕祭」のコンテンツの一つとして同校家庭クラブさんの制作になる「智恵子のエプロン」復刻展示が行われ、文芸部さんと家庭クラブさんの顧問の先生方、生徒さんが観にいらした関係です。近隣の智恵子ゆかりの地を夢くらぶの方にご案内していただきました。

その他、5月に行われた「智恵子純愛通り記念碑建立祭」では、地元の小中高生の皆さんに光太郎詩の朗読を依頼、その際に一言ずつスピーチもしてもらったそうで、その原稿。さらに会員の方々が自由に書かれた文章など。

こうした地域に根ざした草の根の活動も大切なことと存じます。しかり顕彰する人々が居なければ、対象の人物はどんどん歴史の波に呑み込まれて忘れ去られてしまいますので。

来年以降もさらなる活動のご発展を祈念いたします。

【折々のことば・智恵子】

いづれは私達は皆ゆくべき処へおそかれ早かれゆくのですから、人間相手でなし神にむかつて、精一ぱいのよい生き方をして、人間にはどのやうにもあれ決して不平はもつまいと私は決心してやつてゐます。


昭和3年(1928)8月21日 長沼セン宛書簡より 智恵子43歳

智恵子も実母のセンも、クリスチャンだったというわけではありません。したがってここでいう「神」とは漠然としたイメージと思われます。

もうこの頃には実家の長沼酒造は恐慌のあおりで大きく傾き、翌年には破産してしまいます。

コンサート情報、2件ご紹介します。

開催日順に、まずは都内から男声合唱。

男声合唱団東京リーダーターフェル1925 創立100周年記念定期演奏会2025

期 日 : 2025年12月19日(金)
会 場 : すみだトリフォニーホール 東京都墨田区錦糸1-2-3
時 間 : 18:30開演
料 金 : S席 3,000円 A席2,000円
      プレミアムチケット特別席 ペア特別席と5,000円の寄付で10,000円

創立100周年を迎える男声合唱団東京リーダーターフェル1925が、記念すべき節目にすみだトリフォニーホール大ホールで贈る四部構成の記念演奏会です。第一ステージではこれまでに委嘱された小品集と一青窈さんの〈ハナミズキ〉を米国の詩人アーサー・ビナードの英訳版で演奏。続くステージではシューベルトの男声合唱名曲集を弦楽五重奏とともに、さらに第3ステージでは鈴木憲夫先生の本邦初演作を第4ステージでは当団にゆかりのある仲間と一緒に高村光太郎作詞 清水脩作曲の〈智恵子抄〉を、最後に長年にわたりお付き合いのある韓国男声合唱団を迎えて韓国曲「ポリバ」や「なつかしい金剛山」を共演。多彩な作品と100年の歴史が紡ぐハーモニーを心ゆくまでお楽しみください。今回はMCによる曲目紹介もありますので初めて男声合唱を聴く方にも分かりやすい演奏会にしておりますのでぜひご来場お待ちしております。

プログラム
 第1ステージ 委嘱作品小品集
  夜明けのうた 岩谷時子作詞 いずみたく作曲 安藤由布樹編曲
  竹田の子守歌 京都府民謡 和田和宏編曲
  牛深ハイヤ節 熊本県民謡 相澤直人編曲
  江戸木遣り唄 東京都民謡 土田豊貴編曲
  A HundredYears一青窈作詞 アーサー・ビナード英訳 マシコタツロウ作曲 和田和宏編曲
 弟2ステージ シューベルト男声合唱曲集
  夜 春へ ナイチンゲール 水上の精霊の歌
 第3ステージ 創立100周年記念委嘱作品
  宇宙の塵となって… 塔和子作詞 鈴木憲夫作曲
 第4ステージ ターフェルの仲間たちと共に
  或る夜のこころ 高村光太郎作詞 清水脩作曲
  智恵子抄巻末のうた六首 高村光太郎作詞 清水脩作曲
  ポリバ(麦畑) 韓国歌曲
  クリウンクムガンサン(懐かしい金剛山) 韓国歌曲

出演
 合唱:男声合唱団東京リーダーターフェル1925 
    男声合唱団東京リーダーターフェルジルヴァーナー1995

 指揮:樋本英一 佐藤洋人 岩佐義彦 金弘植  ピアノ:高取達也 大下さや香
 ギター:宮下祥子 弦楽五重奏:尾原記念五重奏団
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男声合唱の古典の一つ、清水脩氏作曲の「智恵子抄巻末のうた六首」(昭和39年=1964)、同じく清水氏の「或る夜のこころ」(昭和40年=1965)が演奏されます。共に定番すぎて却って最近は取り上げられる機会が多くない曲だと感じます。

それにしても創立100周年というのがすごいと思いました。100年前はまだ大正ですから。

もう1件、大阪から器楽系です。

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ第19回定期公演「ほんとうの空」

期 日 : 2025年12月21日(日) 
会 場 : あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール
      大阪市北区西天満4丁目15-10
時 間 : 開場: 13:00 / 開始: 13:30 / 終了: 15:30
料 金 : S席 6,000円 A席 5,000円 B席 4,000円 (当日各500円増) 

空を聴く。音楽を超える体験を 東京には空がない、と言った高村智恵子。星月夜を描いたゴッホ。そして私たちは音楽で、「ほんとうの空」を描きます。

プログラム(一部抜粋)
 坂本龍一:戦場のメリークリスマス・Aqua・東風 
 ピアソラ:ブエノスアイレスの冬・1960年のナイトクラブ・天使の復活 
 オリジナル曲:ほんとうの空 ― クレモナが贈る最新作
  ※ほか、坂本龍一・ピアソラ作品を中心にお届けします。
出演者
 『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ
 森脇佑季 fl 上野舞子 sax 松田あやめ hrn 久保田ひかり fg
2016年結成。「アストル・ピアソラ」の遺志を継ぎ、クラシック音楽の「次の100年」へ繋げる、新しいスタイルの木管四重奏団。国内唯一の「ピアソラ専門」の室内楽団であり、これまで50曲以上を手がけ、全ての楽譜を自分たちの手でオリジナルアレンジをし、暗譜で演奏をする。対位法を駆使して新たな音響効果に挑戦し、歌口の異なる4本の管楽器それぞれの限界に挑戦したアドリブ・ソロの数々、まるで4本で演奏しているとは思えないような卓越した新しいサウンド、クリアな音像とストイックな演奏スタイルは、他のアンサンブルの追随を許さない。
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「智恵子抄」に収められている「あどけない話」(昭和3年=1928)中の「ほんとの空」からのインスパイアで、オリジナル曲「ほんとうの空」が初演され、それをコンサート自体のタイトルに持ってきて下さいました。

カフェでの公開練習をなさったり、X(旧ツィッター)instagramで練習の様子を動画で公開なさったりと、出演者の方々のコンサートにかける意気込みがうかがえます。

それぞれ、ぜひ足をお運びください。

【折々のことば・智恵子】

恋愛、母性愛、全人類に対する平等愛、すべて熱烈な願望の火と燃ゆる愛の生活こそ、人間の最上のものであるこの事に一点の疑義はありません。


散文「生き甲斐のある悩みを悩め」より 大正13年(1924) 智恵子39歳

「恋愛は婦人最上のものか」の総題で、宮本百合子、原阿佐緒、神近市子らの文章と共に、雑誌『女性』第5巻第2号に掲載されました。
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智恵子の熱量が伝わってくる一節ですね。

学会発表の情報です。

第68回高村光太郎研究会

期 日 : 2025年11月23日(日)
会 場 : アカデミー向丘 東京都文京区向丘1-20-8
時 間 : 14:00~17:00
料 金 : 500円

発 表 :
「智恵子へ寄せる想い」 吹木文音(中島宏美)氏(日本詩人クラブ・栃木県現代詩人会理事)
「雑司ヶ谷の季節――ヒューザン会、智恵子と読売新聞」 前田恭二氏(武蔵野美術大学教授)

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今時、ホームページやSNSのアカウントすらない団体主催の学会というのも何だかなあ、という感じですが……。

高村光太郎研究会は、昭和38年(1963)、光太郎と親交のあった詩人・風間光作が立ち上げた「高村光太郎詩の会」に端を発し、明治大学や東邦大学などで講師を務められた故・請川利夫氏に運営が移って「高村光太郎研究会」と改称、請川氏没後は都立高校勤務の野末明氏に受け継がれ、細々と続いています。かつては当会と共に故・北川太一先生が顧問を務められていまして、当方も会員に名を連ねています。

今回、ご発表はお二人。

このところ連翹忌の集いに欠かさずご参加下さっている詩人の吹木文音(ご本名・中島宏美)氏。どちらかというと光太郎より智恵子ファンで、これまでも智恵子光太郎に触れられた文章の載った同人誌等戴いています。また、今年7月には中西利雄・高村光太郎アトリエを保存する会主催の「中西アトリエをめぐる文人たちの朗読会」で光太郎詩朗読をなさって下さいました。

それから武蔵野美術大学の前田恭二教授。元読売新聞記者ということで、同紙に「ムササビ先生の「ヨミダス」文化記事遊覧」という連載をなさり、そこから文化資源社さんの『よみうり抄』全五巻に繋がっています。一昨年の第66回高村光太郎研究会でも、「米原雲海と口村佶郎――新出“手”書簡の後景――」という発表をなさいました。今回は「雑司ヶ谷の季節――ヒューザン会、智恵子と読売新聞」ということで、やはり「よみうり抄」がらみと思われます。

光太郎が大正元年(1912)に岸田劉生らと立ち上げたヒユウザン会展には、智恵子も出品予定者として名を連ねていました。しかし、それは果たされずじまい。
ヒユウザン会
そのあたりの経緯等、まだまだ研究の余地がたくさんあります。

参加費はワンコイン、それ以外に研究会員になると年会費3,000円で研究発表会の案内、機関誌『高村光太郎研究』が郵送されます。もちろん入会せず、発表のみ聴くことも可能です。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

花は彼等の生命をわれわれにくれる。彼等はペルシヤの花瓶の中に置かる可きだ。彼等の傍では、金銀は値ひ無く見える。


光太郎訳 ロダン「ロダン手記 花について」より
大正9年(1920)頃訳 光太郎38歳頃

さまざまな花――アネモネ、ヒヤシンス、チューリップ、マーガレットなど――の美について語ったロダンの言葉の一節です。

明日から「怒濤の11月」です。「芸術の秋」ということで、イベント等が目白押し。申し訳ありませんが、1件ずつの細かい紹介は出来ません。本日は、現在把握している演劇公演情報を3件、まとめてご紹介します。

まずは岡山県から。

文士劇リーディング『日本文学盛衰史』(作:平田オリザ)

期 日 : 2025年11月2日(日)
会 場 : 岡山芸術創造劇場 ハレノワ中劇場 岡山市北区表町3丁目11-50
時 間 : 17:00~19:00
料 金 : 1日参加券2,000円or期間通し参加券4,000円 + 1,000円

劇作家たちが、続々と登場する明治から昭和の日本文学の文豪を演じる、スペシャルな文士劇リーディング。高橋源一郎の同名小説を大胆に戯曲化した、平田オリザの第22回鶴屋南北戯曲賞受賞作。平田オリザも出演!? 劇作家協会会長の瀬戸山美咲とげきじゃ!運営委員長の角ひろみの夢のタッグ企画。

作 平田オリザ 原作 高橋源一郎 企画 角ひろみ 演出 瀬戸山美咲
出演 総勢25名が出演!
 天野順一朗 綾門優季 長田育恵 鹿目由紀 工藤千夏 黒澤世莉 桑原裕子 鴻上尚史
 ごまのはえ (ジェシカ) 菅原直樹 鈴木聡 角ひろみ 関根信一 高羽彩 竹田モモコ
 佃典彦 豊嶋了子 はしぐちしん 平田オリザ 福原充則 古川健 マキノノゾミ 松村武
 米内山陽子
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今日開幕の「劇作家フェスティバル2025「げきじゃ!」」の一環としての上演です。平田オリザ氏による脚本で、平田氏ご自身も島崎藤村役でご出演とのこと。原作は高橋源一郎氏の同名の小説です。これまでも平田氏主宰の劇団・青年団さんによって各地で上演されてきました。

上の画像でおわかりになるとおり、近代の文豪がずらっと登場。光太郎役は黒澤世莉さんという方だそうです。ただ、「リーディング」と冠されており、あまり動きを伴わない朗読劇のような感じなのかな、と思っております。キャストの方々が皆、本職は劇作家・演出家という方々ですし。

ところで「劇作家フェスティバル」。以前は「日本劇作家大会」という名称でした。令和元年(2019)、光太郎と交流のあった画家・村山槐多の展覧会を見に信州上田に行った際、たまたま同じ会場で開催されていました。その際は、当時の劇作家協会の会長であらせられた、いろいろお世話になっている渡辺えりさんの等身大パネルが据えられていて、笑いました(笑)。

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閑話休題、続いて埼玉から。市民劇団のようです。

劇団ダウト第15回公演「れもん」

期 日 : 2025年11月15日(土)・16日(日)
会 場 : 熊谷市立中央公民館大ホール 埼玉県熊谷市仲町19
時 間 : 11/15 18:30 11/16 14:00
料 金 : 500円 小学生以下無料

智恵子がグロキシニアの花を抱えて光太郎のアトリエを訪ねた日から二人の愛は始まった 彫刻家・詩人の高村光太郎と画家の高村智恵子。芸術家同士の特異な愛の形を 詩集「智恵子抄」を背景に徐々に悲劇へと向かう愛を描く。


作 平田俊子  出演 松尾伊津恵 境野徹 長谷川功

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平田俊子氏作の「れもん」。平成16年(2004)、下北沢のザ・スズナリさんおよび京都芸術センターさんで、柄本明さん、石田えりさんにより初演された2人芝居です。
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そちらは拝見に行けなかったのですが、翌年、小学館さんの季刊雑誌『せりふの時代』第10巻第1号(通巻第34号)に平田氏の脚本が掲載され、そちらを数年前に入手して拝読いたしました。
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智恵子の描かれ方が、軽く「不思議ちゃん」的な。そういった部分でユーモラスな描写もありますが、やはり悲劇的(トラジディ)。しかし、最終幕では花巻郊外旧太田村に移住してからの光太郎によってカタルシスとして終わります。

平田氏、他に『戯れ言の自由』(平成27年=2015 思潮社)、『低反発枕草子』(平成29年=2017 幻戯書房)などで光太郎智恵子に触れて下さっています。

最後は静岡です。

劇団静火🔥第17回公演『売り言葉』

期 日 : 2025年11月29日(土)・30日(日)
会 場 : ギャラリー青い麦 静岡市葵区呉服町2-2-22 呉服町ビル1F
時 間 : 11/29 14:00/18:00 11/30 14:00
料 金 : 一般 2,000円 学生 1,500円 中学生以下 1,000円 当日は500円増

「本当に、私はこんなにも綺麗に死ぬことが出来るのかしら。」
 『智恵子抄』で知られる高村光太郎の妻・智恵子。裕福な家庭で育ち画家を志す智恵子は、理想と現実、そして光太郎が作り上げていく自身の虚像に押しつぶされていく…
 2020年にも上演したこの作品を、引き続き大石明世の演出で、今回は代表・鳥居初江のひとり芝居でお届けします。

作 野田秀樹 演出 大石明世 出演 鳥居初江
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先頃、文化功労者に選出された野田秀樹氏作の「売り言葉」。智恵子のみの一人芝居です。当方、平成14年(2002)の大竹しのぶさんによる初演をテレビで拝見、さらに平体まひろさんによる公演を、昨年、新宿で拝見して参りました。

光太郎のモラハラが前面に押し出され、浅い見方しかできない人々には「これを見て光太郎が嫌いになった」と言わしめる作品です。しかし、「見る」ではなく「観る」で、深いところまで味わっていただければ、智恵子は智恵子で「かくあらねば」という幻想に取り憑かれ、そこから抜け出せないまま毀れていくという感じで、光太郎=クソ野郎という内容ではないことがわかります。それが出来ない人には見てほしくない芝居です。野田氏、いわば功罪相半ばですね(笑)。

案内文にある通り、同劇団、令和2年(2020)にもやはり静岡で公演を打って下さっていました。制作サイドとしてもやりがいのある作品だということなのでしょう。

とりあえず現在把握している11月の光太郎智恵子系演劇公演はこの3本です。他に朗読公演、音楽演奏会などもいろいろありまして、追々紹介して参ります。

【折々のことば・光太郎】

むかしは、彫刻家、画家、装飾家、家具製造家、金銀細工師等、一切の芸術家の仕事場で、重要な法則が一時代から一時代へ、師匠から弟子へと伝へられたものです。其頃では仕事場が実際教えへる場所であり、且つ師匠は其処で弟子の見る処で仕事したのです。今日われわれは、此の驚く可き程生産力ある学校即ち此仕事場の代りに何を持つてゐますか。アカデミーでせう。其処で人は何も習へやしない。まるであべこべの見地から出発してゐるからです。

光太郎訳 ロダン「ロダンの手帳 クラデル編」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

いわゆる徒弟制につき、職人出身のロダンは肯定的でした。伝承されるべき技術は頭で理解して身につけるものではないということで。光太郎もこうした部分は否定しませんでした。

それぞれ既に始まっているイベントです。

まず智恵子の故郷・福島県二本松市で。地方紙『福島民友』さん記事から。

二本松巡って宿泊券や和牛など豪華賞品 「ドライブスタンプラリー」12月21日まで

 秋~初冬の二本松市の名所や直売所を巡り、スタンプを集めると豪華賞品が当たるドライブスタンプラリーが12月21日まで行われている。観光まちづくり団体にほんまつDMOの主催、JAF福島支部の協力。
 市内23スポットを訪ね、スマホの位置情報でスタンプを集めるとスタンプ数に応じて岳温泉宿泊券3万円分、和牛焼き肉用1万5千円分、スキー場リフト券・温泉チケットペア券などが抽選で120人に当たる。
 問い合わせは同DMO(電話0243・24・7702)へ。スポット次の通り。
 ▽市街地=にほんまつ城報館、安達ケ原ふるさと村、東北サファリパーク、二本松神社、JAこらんしょ市二本松店
 ▽安達=稚児舞台、道の駅安達智恵子の里和紙伝承館智恵子の生家、山ノ入ダム
 ▽岳・塩沢=あだたら高原リゾート、岳温泉神社、鏡ケ池公園、ささや親水公園
 ▽東和=隠津島神社、ウッディハウスとうわ、ふくしま農家の夢ワイン、道の駅ふくしま東和、夏無沼展望台
 ▽岩代=杉沢の大杉、天狗塚公園、岩代図書館、道の駅さくらの郷、名目津温泉
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スポットのひとつ・あだたら高原リゾート
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フライヤー画像は主催されているにほんまつDMOさんのサイトから。個人的には「和牛焼き肉用1万5千円分」が気になります(笑)。

『民友』さん記事では、智恵子のソウルマウンテン・安達太良山のあだたら高原リゾートの画像が使われています。

ついでですので(笑)、一昨日オンエアされた日本テレビさん系の「遠くへ行きたい【ますだおかだ増田が福島へ】名湯に絶品ソースかつ丼!」での安達太良山。
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旅のキーワードの一つが「ほんとの空」という設定にして下さいまして、ありがとうございました。TVerさんなどで無料配信中です。ご覧になっていない方、ぜひどうぞ。

それにしても、もう最近は「スタンプラリー」と言っても、昔ながらの台紙にゴム印を押して廻るものより、スマホのアプリと連動してのデジタル化したものが主流になりつつありますね。昭和世代としては一抹の味気なさを感じてしまいますが(笑)。

主にその昭和世代向けのイベントで、同じ福島の、会津地方から。やはり『福島民友』さんの記事。

昭和感たっぷり…懐かしのレトロ映画ポスター展、福島・湯川で11月7日まで

 映画「男はつらいよ」に関する資料などを展示する福島県湯川村の湯川たから館で20日から、「懐かしのレトロ映画ポスター展」が開かれる。11月7日まで。
 村商工会の主催。会津新富座の協力で昭和時代の作品を中心にポスター50点、パネル5点を展示する。「釣りバカ日誌」や「智恵子抄」「スケバン刑事」などの作品のポスターが並ぶ。担当者は「さまざまなジャンルのポスターがある。昭和を振り返ってみてほしい」と話した。
 来場者に抽選で村産コシヒカリの新米を贈る。
 時間は午前9時~午後4時。入場無料。問い合わせは村商工会(電話0241・27・3957)へ。
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湯川村は会津若松市と喜多方市の中間といった場所の、小さな村です。そちらにある「湯川たから館」さんは、同村出身の映画カメラマンの故高羽哲夫氏の遺品で、主に山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズ関連の品々が常設展示されているそうです。

そちらでの企画展示で、さまざまな映画ポスター等が並んでいます。『民友』さん、福島ゆかりの作品ということで、「智恵子抄」も記事に載せられたのでしょう。

ただ、映画の「智恵子抄」は、昭和32年(1957)の熊谷久虎監督、原節子さん、山村聰さんご出演の東宝作品と、昭和42年(1967)の中村登監督、岩下志麻さん、丹波哲郎さんご出演の松竹作品の2種類があり、両方なのか、それともどちらか一方なのか、そこまでは書かれていませんでした。画像にも写っていません。いずれも二本松ロケは行われています(特に東宝の方は智恵子生家そのものでも)が。

こちらは入場無料の上、「来場者に抽選で村産コシヒカリの新米」だそうで、上記スタンプラリーの「和牛焼き肉用1万5千円分」といい、どんだけ太っ腹なんだ? という感じですね。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

――日本芸術は其の何処までも辛抱強い観察と、極小のものにある美の探求とでわれわれの芸術より秀れてゐます。日本人は他の者の無視してゐた一つの葉脈をも研究しました。そして何処の国でも出来なかつた発見によつて報いられました。


光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 フレデリク ロートン筆録」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

印象派の画家たちほどには影響を受けなかったようですが、ロダンもジャポニスムに対しては好意的でした。どの国のものでもいいものはいい、というわけで、「偏狭なナショナリズム」「無責任なポピュリズム」とは無縁の世界ですね(笑)。

10月5日(日)、智恵子忌日の「レモンの日」に合わせ、福島二本松の智恵子生家ではライトアップが行われました。地元紙『福島民友』さんから。

生家ライトアップ、智恵子に思いはせ 福島・二本松、11月16日も実施

 詩人・彫刻家高村光太郎の妻で詩集「智恵子抄」の「レモン哀歌」でも知られる福島県二本松市出身の洋画家高村智恵子の命日の5日、同市の智恵子の生家・記念館はライトアップイベントを行った。
 「高村智恵子レモン祭」の一環として昨年に続き実施した。生家に智恵子と光太郎のシルエットが浮かび上がり、幻想的な映像で秋の夜を彩った。
 このほか生家内は上川崎和紙のランプシェードで演出され、来場者が智恵子への思いをはせた。レモン祭は11月16日まで。生家のライトアップは最終日(午後5時~同8時)にも行われる。問い合わせは同館(電話0243・22・6151)へ。
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10月2日(木)から開催されている「高村智恵子レモン祭」の一環としての実施で、一昨年から行われています。今年は復活を果たしたゆるキャラ・ちえこちゃんもかけつけたようですね。あと1回、レモン祭千穐楽の11月16日(日)にも開催予定です。

レモンと言えば、一昨日、NHK Eテレさんで放映された「グレーテルのかまど 高村光太郎のレモンコーヒー」。SNS等エゴサーチしましたところ、おかげさまでおおむね好評を頂いており、安堵しております。昔の知り合いからも複数「見たよ」という声も戴きました。

番組内で行われる調理の監修を担当されている辻調理師専門学校さんのサイトに、スタジオ撮影の様子や簡易レシピ、さらにそこからリンクでPDFによる詳細なレシピも掲載されています。
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ご興味おありの方、ぜひチャレンジしてみて下さい。

【折々のことば・光太郎】

――大家達を会得するやうに力めませう。彼等を愛しませう。彼等の天才に酔ひませう。だが、薬剤師の薬品みたいに「レツテル」を貼らない様に用心しませう。

光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ポール グゼル筆録」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

作家に対してもですが、作品に対しても同じことが言えますね。「智恵子抄」=「純愛の詩集」のような。「智恵子抄」は本当に複雑な側面を多々持っています。「追憶の詩集」であり、「鎮魂の詩集」であり、「悔恨の詩集」であり、「懺悔の詩集」でもあり、「智恵子のみならずそれまでの自らへの訣別の詩集」でもあります。……と、こういうのも「レッテル」ですかね(笑)。

10月5日(日)の智恵子の忌日「レモンの日」に合わせての、毎年恒例のイベントです。

高村智恵子 レモン祭

期 日 : 2025年10月2日(木)~11月16日(日)
会 場 : 智恵子の生家/智恵子記念館 福島県二本松市油井字漆原町36
時 間 : 9:00~16:00
休 館 : 水曜 ※祝日の場合は翌日
料 金 : 大人(高校生以上)410円(360円)
      子供(小・中学生)210円(150円) (  )内団体料
      10月26日(日)は「東北文化の日」のため無料開放

普段は公開していない智恵子の生家2階の公開や、智恵子作「紙絵」の実物展示などを行います。また、智恵子の命日には生家がライトアップされます。ライトアップを堪能するとともに、智恵子への哀悼の意を表しませんか?

智恵子の生家2階公開
 公開日 10月……4(土)-5(日)、11(土)-13(月・祝)18(土)-19(日)、25(土)-26(日)
     11月……1(土)-3(月・祝)、8(土)-9(日)、15(土)-16(日)
      10月25日(土)午前は「紙絵コンクール」表彰式典のため公開一時中止の場合有

 奇跡といわれる智恵子の「紙絵」実物展示
  展示期間 10月2日(木)~10月19日(日)
  展示場所 智恵子記念館内

 蘇る智恵子season3~生家のライトアップ~
  実施日時 10月5日(日) 11月16日(日) 午後5時~8時

 智恵子を偲ぶ折り鶴展~展示編~
  今春開催した“生誕祭”にて作製いただいた皆さまの折り鶴を展示いたします。
  生家ライトアップ時の演出も含めぜひお楽しみください。
  展示期間 10月2日(木)~11月16日(日)
  展示場所 智恵子の生家 奥座敷

 「チヱのレモン菓子屋さん」オープン
  市内菓子店より、レモンを使用した菓子等を集めて販売いたします。
  美しい庭園を眺めながら、ぜひご賞味下さい。
  実施日時 【1期】10月…10(金)-12(日)
       【2期】11月…1(土)-3(月・祝)
  実施場所 智恵子の生家 縁側 他
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生家ライトアップは一昨年から始まりました。フライヤーの画像は昨年のものと思われます。昨年は地元紙で取り上げられています。

フライヤーといえば、ゆるキャラ・ちえこちゃんが印刷されています。一時期お休みしていましたが、今年、復活を果たしました。「気まぐれに登場」だそうで出没日時等不明ですが(笑)。

折り鶴の中には当方の作った一羽もあるはずです(笑)。

そして例年通りの智恵子生家2階部分の特別公開(通常非公開)、智恵子紙絵の実物展示(通常は複製展示)も企画されています。

ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

心は敏捷である事を要しません。のろい事はあらゆる意味に於いて思慮を意味します。


光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ジユヂト クラデル筆録」より
大正4年(1915)頃訳 光太郎33歳頃

創造には「のろさ=気の長さ」も必要だそうで。短気な当方には耳の痛い言葉です(笑)。

智恵子の故郷・福島二本松がらみのコンテスト関連で2件。

まずは先月末に入賞者が発表された「第1回ふくしま超短編脚本賞」。結果を報じた地元紙『福島民報』さん記事。

第1回ふくしま超短編脚本賞 最優秀賞は真田鰯さんの「安達太良SA上り」 ラジオ福島で放送予定

 人気ドラマ「相棒」などで知られる脚本家徳永富彦さんの発案で創設された、第1回ふくしま超短編脚本賞の最優秀賞(徳永富彦賞)に、仙台市の真田鰯さんの「安達太良SA上り」が選ばれた。
 実行委員会が「福島」をテーマに200字以内の作品を募った。全国から553点の応募があり、徳永さん、タレントの、なすびさん(福島市出身)、俳優の久留飛雄己さん、詩人・演出家の野宮有姫さんが審査した。
 最高賞の安達太良山SA上りは、詩集「智恵子抄」を下敷きに、細かく転調させながら男女の情という普遍的なテーマを描いた。審査委員長の徳永さんは「物語を最後まで読ませるために一言一句の努力があり好感が持てた」とたたえた。真田さんは「いつも通り過ぎてしまうだけのSAの景色が、色鮮やかで愛おしい光景にみえるようにと願いを込めて書いた。震災後、ずっと想いを寄せてきた福島の皆さんからこのような賞をいただけて、とても感激している」とコメントした。
 入賞作品と徳永さんの総評などは実行委員会のホームページから閲覧できる。
 入賞作はラジオ福島で放送される予定。
 最優秀賞以外の各賞は次の通り。
▽なすび賞=瀬戸大希(東京都)▽久留飛雄己賞=大畠久美子(大阪府)▽野宮有姫賞=森本慶一(神奈川県)▽福島信用金庫理事長賞=田代賢太(東京都)▽環境分析研究所賞=きみはらなりすけ(東京都・須賀川市出身)▽第一印刷賞=美野洋平(東京都)▽清泉堂賞=長島伸一郎(埼玉県)

■最優秀賞(徳永富彦賞) 真田鰯 「安達太良SA上り」

 女 あれが阿多多羅山、あの光るのがウルトラセブン
     シュワッチ
     ガコン
     ピピピピ
     プシッ
 男 明日からまた仕事か
 女 まあ今は足を伸ばして
 男 うん。空が高いね
 女 そこからうちの実家みえるよ、あの白壁が酒蔵
 男 うん
 女 奥さんにはなんて言ってきたの?
 男 墓参り
 女 墓東京じゃん
 男 この景色の中でしか、お前を探せないんだよ
 女 フフ、浮気だ
 男 バカ
 女 この人、死んだ奥さんのことまだ愛してますよー
 男 うるさいよ
 女 もうこなくてもいいぞよ
 男 …くるよ、また

「200字以内」という応募規定でしたので、たしかに「超短編」ですね。「超短編」という日本語も変ですが(「短編」を「超」えたら「中編」じゃないの?)(笑)。

最優秀作の「安達太良SA上り」、「あれが阿多多羅山」「足を伸ばして」「空が高いね」「あの白壁が酒蔵」等々、「智恵子抄」由来ですね。ことによると「この人、死んだ奥さんのことまだ愛してますよー」あたりも。審査員諸氏にもそのあたりはご理解いただけたようで。

ご存じない方のために解説いたしますと、「安達太良SA」は、東北自動車道のサービスエリアで、行政区分では本宮市に属し、下り線だと本宮インターと二本松インターの間(下り線は逆ですね)に位置します。当方も二本松に行った帰りに給油のためよく利用しています。

「あの光るのが阿武隈川」ではなく「ウルトラセブン」となっているのは、円谷英二監督が同じ福島の須賀川ご出身ということで、SA内(上下とも)にウルトラ系の等身大フィギュア(巨大化前の)が並んでいるためです。セブンはたしかに下り線側でした。
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上記画像は今年4月。セブンの右側におわすのは、二本松の高村智恵子生家/智恵子記念館さんで開催された「高村智恵子生誕祭」の一環として、当会主催で行ったコンサート「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」に出演なさったテルミン星人、もといテルミン奏者の大西ようこさんです。大西さん、「ウルトラセブン」のアマギ隊員役にして「ウルトラマン」ではウルトラマンの「中の人」(スーツアクター)・古谷敏さんとコラボなさったことも。

もう1件。こちらはネットによる投票が実施されている最中です。KFB福島放送さんの主催です。こちらでもなすびさんが関わられています。

第24回ふくしまふるさとCM大賞2025

県内各市町村から選りすぐりの力作がエントリー! WEB投票は9月15日(月)締め切り! あなたの1票で大賞が決まります!

2025年12月上旬放送予定 審査委員長 柳澤秀夫 MC なすび

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猪苗代町 変わったけれど、変わらない。猪苗代町
 街並みは変わっても、変わらない笑顔がある。猪苗代町の今と昔を、笑顔とともに未来へつなぐ。
北塩原村 移住するなら北塩原村
 「住んで何年?」だけでつながる北塩原村の物語
古殿町 形が良すぎる町
 古殿町っていい形なんです。なぜいい形なんだろう? その事実が明らかになりました。
南会津町 町長の伝えきれない15秒
 【南会津町 龍神滝】
本宮市 願いが叶うまち
 穏やかなもとみやで、夢を紡ぐ。世代を超えた「願い」が叶うまち。ぜひご覧ください。
富岡町 Re:ここから ~この場所で、また始めよう~
 青春と富岡の自然を背景に、火祭りの松明のようにそれぞれの心に灯る火を表現しました
玉川村 金のさるなし銀のさるなし
 今年も村民参加型CM! 乙な駅たまかわでカヌー体験中の中学生の前に現れたのは…!?
田村市 0~100までできる田村市
 田村市に魅力があるのは、田村市を作る「五つの町」に魅力があるからです!
西郷村 田舎でも都会でもない村、にしごうむら
 田舎でも都会でもない村、「にしごうむら」へ移住を考えてみませんか?
三島町 ここだよ 三島
 福島県の三島町、位置と絶景とグルメをアピールさせていただきます。
喜多方市 これは・・・喜多方ラーメン!?
 緊迫した取調室の空気を一変させたものとは・・・!? 予想外の展開をお楽しみに!
三春町 春駒ステークス
 皆さんも三春駒を見つけるレースに参加しませんか?
郡山市 魅力がぎゅぎゅっとこおりやま
 郡山に溢れるたっくさんの魅力を太鼓の音に合わせお届けします!
白河市 受け継がれる志、未来へ。
 定信が目指したまちの姿が、今も白河にあります。ぜひご覧ください。
浪江町 駅舎の見納め
 いかがでしょうか リニューアル前の駅舎を見納めたい方へ。お早めに(?)現地へどうぞ。えっ?
伊達市 実況!伊達鶏実食チャレンジ!!
 伊達鶏にうるさい伊達市民 世紀の戦いを見届けろ!
金山町 かねやまの魅力をまる・・ごと
 「かぼまるまるまる」と一緒に歌って金山町の魅力を感じてください
西会津町 西会津ってどんな町?
 移住してたった3ヶ月という私が感じた「ここがおもしろい!」を詰め込みました!
国見町 クニミリョク #くにみっけ
 国見町の魅力を管楽三重奏と共にお届け! クニミリョクを#くにみっけ
湯川村 『それぞれの道』
 湯川村ならではの風景をいかし、いろんな『道』を詰め込んだ映像になっています。
二本松市 「ほんとの空」が見えるまち
 ぜひ二本松市に足を運んで、『智恵子抄』に詠われた「ほんとの空」をご覧ください。
会津若松市 会津若松で何する?
 あれ…誰かに成り代わって旅してる…? リアルな視点で会津若松市を体感してください!
会津坂下町 ばんげは今年で70歳!
 会津坂下町は今年、町制施行70周年。魅力も70年分。最後まで語り切れるか!?
福島市 型破りも、伝統 土湯こけし
 土湯こけしの伝統技術と遊び心あるユニークなこけし達をご覧ください!
大熊町 チャレンジ!おおくま
 まあちゃんが色々なことにチャレンジします! 奮闘するまあちゃんにご注目ください。
磐梯町 この町、水ガチ。
 磐梯町の水って本当に美味しいんだ。この動画を見て是非とも感じてください!
広野町 広野の魅力発掘!広野駅街頭インタビュー
 記者の新妻リポーターが地元の方に突撃取材!広野の魅力を発掘します。
葛尾村 葛尾村を、歩こう。
 草、土、森、川、空、鳥…。あなたも葛尾村を歩いて、その魅力を感じてみませんか?
柳津町 あわまんじゅう四天王
 柳津名物「あわまんじゅう」。その伝統を守り続ける「四天王」が登場します!
楢葉町 いい波あります 楢葉町
 人生の壁にぶち当たったら楢葉町へ。きっと、「人生のいい波」が押し寄せますよ。
棚倉町 棚倉ぼたもち
 棚倉町の魅力を詰め込んだCMです。CMを見て棚倉町に足を運んでくれたらうれしいです。
須賀川市 怪獣と暮らす街
 須賀川といえば、特撮。オリジナル怪獣も暮らしている街なんです。
矢祭町 子ども司書、地球に向けて発信!
 矢祭中学校「特設デジタル部」と地域おこし協力隊で製作しました。投票お願いします。
川内村 気づけばそこに…。
 知られざる川内村民の日常をご紹介します。気になるならいっぺん見らっしぇ!
檜枝岐村 ふくしま尾瀬
 四季だけでなくその瞬間瞬間で違った表情を見せる尾瀬へどうぞお越しください。

福島県内の59中35の自治体さんがエントリー、それぞれが15秒スポットのCMで市町村の魅力をアピールしています。

智恵子の故郷・二本松市さんは、やはり「智恵子抄」由来の「ほんとの空」で勝負をかけています(笑)。
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「ほんとの空」の語は、もはや福島全域にかかる形容のような気もしますので「ズルくね?」と思いますが(笑)、本家本元は二本松ですので、それもありかな、ですね。

上記リンクよりご投票をお願いいたします。それも組織票っぽくて「ズルくね?」ですが(笑)。

【折々のことば・光太郎】

有用なものは、役立つ可き必要によく当てはまると、皆美しい。

光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ジユヂト クラデル筆録」より
大正4年(1915)頃訳 光太郎33歳頃

いわゆる「用の美」についてです。のちに光太郎も同様の発言を繰り返します。ただ、それが戦時中には殺戮兵器である戦闘機などにも及んでしまうのですが……。
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智恵子の故郷、福島二本松でのイベントです。「二本松市合併20周年記念冠事業」の一環とのこと。

にほんまつ本の市2025

期 日 : 2025年8月30日(土)
会 場 : にほんまつ城報館 福島県二本松市郭内3丁目303−5
時 間 : 10時00分~16時00分 
料 金 : 無料

「本とたわむれる」をテーマに開催する古本市・本にまつわるワークショップなどの1日限りの本のテーマパークです。
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約20店舗が出店する古書市ですが、秋田市からいらっしゃる灯書房さんという古書店さんが、「大人だって読みたい、大人の絵本と高村光太郎の智恵子抄を特設します。」と謳われています。
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タイトルに「智恵子抄」と関した詩集はオリジナルの龍星閣版、白玉書房版、龍星閣の戦後復元版、新潮文庫版などたくさんありますし(それが不幸な「智恵子抄裁判」の元になってしまったのですが……)、智恵子の評伝、研究書、智恵子を主人公とした小説、紙絵の画集など、さまざまな書籍が刊行されています。まるまる一冊ではなく部分的に、というものを含めれば優に百を超えるでしょう。「特設」ということで、それらが並ぶのではないかと思われます。

当方の知る限りでは二本松市内にいわゆる古本屋はありません(ブックオフ系は除く)。良い機会ですのでぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

美は、空気と同じく只である。静かな大地、騒がしい大地、花の咲いた大地、骨を出してゐる大地、季節、動物、花、都会の群集、乗合馬車、船、汽車の中で見る立派な肖像、到る処で、芸術家よ、美は君の美に対する飢渇を医すものを発見する。


光太郎訳ロダン「断片」より 大正5(1916)頃訳 光太郎34歳頃

こうしたロダンの主張を受け、後世、光太郎は「美ならざるなし」「乾坤美に満つ」「うつくしきもの満つ」といった短句を好んで揮毫しました。

光太郎第二の故郷・花巻の高村光太郎記念館さんで開催中の「智恵子のエプロン復刻展示」について、2紙が報道して下さっています。

まず『読売新聞』さん、岩手版。

智恵子のエプロン再現 高村光太郎の妻 花巻南高 華やか更紗「酒袋」使用

001 詩人で彫刻家の高村光太郎(1883~1956)の妻・智恵子がデザインし、実際に使っていたエプロンを、県立花巻南高の家庭クラブが再現し、新たに制作した。21日まで、花巻市太田の高村光太郎記念館で展示されている。
 エプロンは、雑誌「婦人之友」の第18巻第7号(1924年7月)で取り上げられた。編集者が光太郎宅を訪れた時、智恵子が「面白い前掛」をしていたと紹介。「厚地の渋い茶色に印度更紗(いんどさらさ)を取り合わせてある、めずらしい形」として、作り方も添えられていた。
 胸当て部分は三角形で、中央に大きなポケットがある。布には酒を搾る時に使った「酒袋」が使われており、智恵子の実家である福島県内の造り酒屋から持ち帰ったとされる。
 製作のきっかけは、一昨年に同館で行われた小山弘明さん(高村光太郎連翹忌(れんぎょうき)運営委員会代表)の講演。小山さんが記事を紹介し、「誰か作ってくれないかな」と話したところ、聴いていた同校文芸部の生徒が、別の部活動の家庭クラブに相談し、実現した。
 同クラブの生徒たちは、小山さんの協力を得て、雑誌にあった素材や型紙を参考に製作。酒袋はなかなか見つからず、インターネットで探して入手したという。同クラブの小原優羽奈さん(2年)は「難しいデザインではなかったが、酒袋が硬くてミシンの針が折れた」と明かす。色華やかな紋様があしらわれた更紗が部分的に使われており、菅原美優さん(同)も「今でも通用するデザイン。身近にあった酒袋を使うなど、自然を大事にした智恵子の暮らしを感じた」と振り返る。
 智恵子といえば、光太郎の詩集「智恵子抄」にある「智恵子は東京に空が無いといふ(あどけない話)」が知られているが、小山さんは「大正末は、まだ女性は和装が中心と思われ、エプロンからは画家を目指した智恵子のクリエイティブな一面が感じられる」と話す。


続いて地元紙「岩手日日」さん。

智恵子のエプロン 生徒が復刻 高村光太郎記念館で展示

 花巻市太田の高村光太郎記念館で、ミニギャラリー「智恵子のエプロン復刻展示」が開かれている。花巻ゆかりの彫刻家で詩人の高村光太郎(1883~1956)の妻智恵子がデザインし、実際に使用していたエプロンを県立花巻南高校家庭クラブの生徒が復刻。制作過程などと合わせて紹介している。21日まで。
 智恵子は、1886年に福島県二本松市の酒造家長沼家に生まれ、日本女子大学校卒業後、画家・芸術家として活躍。女性運動家・平塚らいてうの「青鞜」の表紙を描いたことで知られる。1914年に29歳で光太郎と結婚し、38年に53歳で病没した。
 復刻は、2023年に同校文芸部の生徒が高村光太郎連翹忌(れんぎょうき)運営委員会代表の小山弘明氏による講座を聴講したことがきっかけ。「高村夫妻が理想とした暮らしの様子を具体的に思い浮かべたい」と同高家庭クラブへ制作を依頼した。
 高村夫妻が寄稿していた雑誌「婦人之友」には、智恵子がデザインしたエプロンの図案が残っており、同クラブの小原優羽奈さんと菅原美優さん(ともに2年)が掲載されていた作り方や素材、型紙などを参考に制作。実際のエプロンと同じ「酒袋」を再利用した。
 2人によると、エプロンの制作には、構想を含めて約1ヶ月かかった。また、同クラブや文芸部の生徒は、光太郎が愛用した「キョウケチ染め」のしおりを手作り。4日に同館を訪れ、来館者にプレゼントした。
 小原さんは、「展示を通じてより光太郎と智恵子の暮らしぶりについても知ってもらいたい、菅原さんは「展示を見て2人を知ってもらい、自分でも調べて考えてもらえたらいい」とそれぞれ語った。
 開館時間は午前8時30分~午後4時30分。入館料は一般350円、高校生・大学生250円、小中学生150円。問い合わせは同館=0198(28)3012=へ。
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ちなみに同校のサイトにも高村光太郎記念館さんでの展示を行っている旨の記事が出ています。
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展示は明後日まで。もう少し長期間でもいいような気もしますが、おそらく月末には同校の文化祭「花南祭」が開催されるので、その関係ではないかと思われます。

現在、復刻されているのは一点のみ。そこでその一点が、今年4月から5月にかけては、「高村智恵子生誕祭」に合わせて福島県二本松市の智恵子記念館で展示され(下記画像)、先月から明後日にかけては花巻高村光太郎記念館さんでの展示。
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出来うることならもう1~2点作っていただければ、両館での常設展示と言うことも考えられなくはありませんね。

型紙も大正期の『婦人之友』に掲載されましたので、そちらを使っていただければスキルのある方なら制作可能。大量生産で商品化ということも夢物語ではないかもしれません。ご興味おありのかた、ご一考を。

【折々のことば・光太郎】

「叡智」を地(ぢ)(背景)にした「精神」。


光太郎訳ロダン「断片」から 大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

光太郎の心の師・ロダンの目指す「創造」を為すための心の在り方です。

無理くりですが、秀逸なデザインを持つ智恵子のエプロンなども、「叡智」を背景としているように思えます。このポテンシャルが油絵の方面でも存分に発揮できていれば、後の悲劇は訪れなかったのに……と思われます。

講談の公演情報です。

一龍齋貞奈 入門10周年記念公演〜昭和100年特集〜

期 日 : 2025年8月9日(土)
会 場 : 日本橋社会教育会館 東京都中央区日本橋人形町1丁目1番17号
時 間 : 開場17:20 開演:17:45
料 金 : 2,500円

演 目 : 「高村智恵子の恋」他一席
出 演 : 一龍齋貞奈 ゲスト 神田あおい

私が師匠貞心の元へ入門して10年…記念の講談会を開いていただきます。絶賛チケット発売中! ぜひよろしくお願いいたします✨ 「昭和講談ガールズ(あおい&貞奈)」結成記念 トークタイムでは懐かしのあの歌を二人が歌います!

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講談で智恵子。前例があります。神田紫さんという方が「智恵子・光太郎」という演目を持ちネタの一つになさっていて、平成20年(2008)には智恵子の故郷・二本松でも高座がありました。聴きに行けませんでしたが。
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講談と言えば、「炎の歌人 与謝野晶子」という演目をテレビで2回拝見したことがあります。最初は神田京子さんという方。確か、晶子の弟分・光太郎にもちらりと触れて下さったような記憶が残っています。2度目は神田陽子さんという方。お二人とも歯切れの良いテンポで晶子と鉄幹、そこに山川登美子が絡むドラマを語られていました。
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また、講談ではなく創作落語で桂幸丸師匠の「幸丸流 智恵子抄」、光太郎の父・光雲を主人公とした鈴々舎馬桜師匠の「名人傳」を拝聴したことも。

今回の「高村智恵子の恋」も、ぜひ聴きたかったのですが、あいにく同じ日に女川光太郎祭ですので不可能。残念です。

御都合つく方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】
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先日は宮崎丈二兄に托された“花霞”のちらしなど珍らしく拝見、

昭和30年(1955)11月28日
硲真次郎宛書簡より 光太郎73歳

清酒「花霞」。福島二本松の智恵子の実家・長沼酒造の銘酒で、大正12年(1923)の関東大震災直後、東京ではとにかく物が不足していたことから、光太郎が取り寄せ、自ら荷車を引いて売り歩いたとのこと。ラベルや引札も光太郎自身が木版で作りました。引札は二本松の智恵子記念館さんに展示されています。その懐かしい自作の引札を硲が届けてくれたというわけです。
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古雅 清醇 ゐなかざけ 花霞
大酒はもとより大毒。のまずにすむなら酒はのまぬが一番。もしのむなら安くてわるい酒は禁物。高くてもよい酒が結構なれど安くてよい酒なら尚ほ結構な道理でございます。
岩代の田舎酒この花霞(ハナガスミ)はどんなに信用されてもよいほど醇良で価もまづ安い方。風味は人のすきずきながら古雅で精妙で灘とは又違つて趣がふかいといふ評判でございます。
高くてわるい酒に悩まされてゐる方にはこのお酒をおすすめいたします。

  銘酒 花霞分譲会
仮取次所 本郷区駒込林町二十五 高村氏アトリエ方

智恵子のソウルマウンテン、福島二本松の安達太良山でのイベントです。プレスリリースから。

「あだたら高原リゾート」にて 光り輝く福島の夏の風物詩「あだたらイルミネーション」7/26(土)開幕! 日本百名山の一つ「安達太良山」を楽しめる

 今年で14年目を迎える「あだたらイルミネーション」は、あだたら高原リゾートの夏の風物詩として、毎年多くのお客様にご好評を博しております。冬はスキー場として親しまれている広大な斜面を舞台に、約65万球のイルミネーションが点灯し、幻想的な空間が広がります。
 花をモチーフとした「ビッグフラワーイルミネーション」や「ひまわり畑」が登場し、山の夜景とともに華やかな雰囲気をお楽しみいただけます。また、夜空に浮かぶ「光の天の川」や、「夏の大三角形」、「北斗七星」といった代表的な夏の星座が、光の粒となって地上を美しく彩ります。さらに、カラフルな可愛らしい動物モチーフのイルミネーションも見逃せません。
 加えて、今年は「あだたらやま」の「あ」に着目したユニークなモニュメント「【あ】のオブジェ」や「【あ】の道」の新たなイルミネーションが登場します。「あだたらやま」という名前は、よく見ると母音がすべてア段で構成されているという特徴を持っており、その一風変わったネーミングにフォーカスした仕掛けとなっています。阿武隈の山並みや安達太良の星空を背景に、思わず「何これ?」と驚き、誰かにシェアしたくなるようなインスタ映えする写真を撮影いただけます。
 昼間は爽やかな自然をたっぷりと満喫し、夜は一転して、幻想的な光の世界に包まれる――そんな心に残る特別な光のイベントとして、皆さまに忘れられない思い出をご提供いたします。この夏は、ファミリーやカップル、ご友人同士など、あだたら高原リゾートでロマンティックな夜をお楽しみ頂ける「あだたらイルミネーション」にご注目ください。
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「あだたらイルミネーション」概要
・開催期間 2025年7月26日(土)~9月21日(日)
 ※8月26日以降は、金・土・日・祝日のみの営業
・営業時間 19:00~21:00 
 ※ロープウェイの上り最終20:30、下り最終20:50
・料金
  入場料 中学生以上700円、小学生以下500円
  入場料+ロープウェイ乗車 中学生以上1,500円、小学生以下1,000円

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イルミネーションとともにお楽しみいただける、新メニュー「光るかき氷」や「光る氷ドリンク」が登場いたします。どちらもワンハンドで持てるので、イルミネーションとの撮影も可能です。
・限定メニュー
  光るかき氷 サイダー味、イチゴ味 600円
  光るドリンク ブルースカイ    600円

【あ】のオブジェ
 ロープウェイ山頂駅の旧スキーゲレンデ展望広場のフォトスポット「あだたらやま」の「【あ】のオブジェ」がイルミスポットに進化して新登場。様々なサイズの「あ」の文字が散りばめら「【あ】の道」もカラフルな光でライトアップされ、昼と夜とで違った魅力 をお楽しみ頂けます。「あ」ぶくまの山々を背景に、豊かな成長を繰り返す「あ」だたらやまで、不思議な「あ」の映え写真を撮ってみてはいかがですか。
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■【あ】のメニューも登場!
 「あ」のオブジェとともに、「あ」をモチーフとした、「あ」のチュロス、「あ」のソフトクリーム、「あ」のかき氷ソフトを発売します。鮮やかな緑の木々や青い空にかざして写真を撮ると、インスタ映え間違いなしです。「あ」だたらやまで「あ」のフードをご賞味ください。
<メニュー>
 ・「あ」のチュロス 600円 ・「あ」のソフトクリーム 500円 ・「あ」のかき氷ソフト 600円
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「あだたら高原リゾート」施設概要

■ロープウェイからの絶景、薬師岳パノラマパークからの雄大な景色を一望
 「日本百名山」の一つに数えられる安達太良山は、標高1,700mで夏でも涼しい環境で大自然を満喫できます。あだたら山ロープウェイに乗って約10分の空中散歩を楽しんだ後、山頂駅からは阿武隈山系や福島市街地を一望。さらに、散策道を10分程歩いたところにある「薬師岳パノラマパーク」では、高村光太郎が『智恵子抄』の中で「ほんとの空」と謳ったことで知られる、青く澄みきった空と絶景の大パノラマが楽しめるほか、山肌にはハートの形を発見することができ、見どころいっぱいです。
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■食堂・売店「富士急レストハウス」では夏メニューを販売開始
 暑い夏にぴったりのひんやりメニューを販売いたします。雪のようなふわふわ食感の「あだたらスノーアイス」や、夏の暑い日であだたらスノーアイスもさっぱりと味わえる「梅と蒸し鶏のおろしうどん」、かき氷をたっぷりのせた「かき氷そば」など夏限定メニューをご賞味いただけます。
<メニュー>
 ・あだたらスノーアイス  600円 ・梅と蒸し鶏のおろしうどん950円 
 ・かき氷そば       800円 ・冷やし担々麺      950円
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■絶景露天風呂「あだたら山奥岳の湯」でリフレッシュ!
 標高約950mに位置する「あだたら山奥岳の湯」は、遮るもののない眺望が自慢の露天風呂です。また、内湯は「源泉かけ流し」で、泉質は全国的にも珍しいph2.5の酸性泉で、筋肉痛や神経痛、疲労回復、また皮膚病への効能や美肌効果もあると言われております。
【施設概要】
 ・営 業 日 年中無休 ※メンテナンス休業あり
 ・営業時間 10:00~19:00(最終入館18:30)
 ・施設内容 内湯(9㎡)、露天風呂(20㎡)※男女別
 ・利用料金 大人800円/小人(4才~小学生)500円
 ・泉質 単純酸性温泉
 ・適応症 神経痛 筋肉痛 関節痛 運動麻痺 慢性消化器病 冷え性 疲労回復
      健康増進 慢性皮膚病
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「あだたら高原リゾート」営業概要
 ・営業時間 8:30~16:30 ※日によって異なり、定休日もあります(HPをご参照下さい)
 ・お問い合わせ 福島県二本松市奥岳温泉  TEL:0243-24-2141
 ・アクセス 
  車/
東京から東北自動車二本松IC(約150分) 国道459号岳温泉経由県道386号(約20分)
  鉄道/東京駅→郡山駅(東北新幹線約90分)、郡山駅→二本松駅(東北本線約25分)、
     二本松駅→岳温泉(福島交通バス約25分)、岳温泉からタクシー約10分

現地は標高も高く、湿気も少ないので爽やかな感じです。ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

放送を聞かれた由、自分できいても声が不健康をあらはしてゐるやうにきこえました、

昭和30年(1955)10月29日 舟川栄次郎宛書簡より 光太郎73歳

「放送」は10月18日にNHKラジオでオンエアされた、当会の祖・草野心平との対談「芸術よもやま話」。平成8年(1996)にNHKソフトウェアさんから発売されたCD「昭和の巨星 肉声の記録~文学者編~ 室生犀星/高村光太郎」に収録されています。
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17分余りの対談で、生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」にも触れています。この頃はほとんど臥床していることが多かったものの、書簡にあるほど不健康そうではなく、むしろ矍鑠とした感があるのですが……。

NHKさんの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」。平成28年(2016)に放映されたものですが、現在再放送が平日の12時30分から為されています。

日本女子大学校での智恵子の先輩・平塚らいてうが主宰し、智恵子が創刊号の表紙絵を描いた雑誌『青鞜』が、劇中でたびたび重要なモチーフとして使われます。

まず、明後日から2日間連続で。

【連続テレビ小説】とと姉ちゃん 第7週 常子、ビジネスに挑戦する

第38回 NHK総合 2025年6月26日(木) 12:30~12:45

昭和11年春。常子(高畑充希)は女学校最高学年の五年生となる。クラスの同級生の大半が嫁いでいく中で、家族の食いぶちを稼ぐため、少しでも給料の高い仕事を探していた。そんな折、新たな担任としてやってきた東堂チヨ(片桐はいり)に出会う。「女性とはこうあるべき」という固定観念に捕われず、自分の気持ちに正直に挑戦する大切さを教わる。一方、鞠子(相楽樹)は進学したい思いを誰にも相談できず、深いため息をつく…。

第39回 NHK総合 2025年6月27日(金) 12:30~12:45

どこか元気のない鞠子(相楽樹)を心配し、常子(高畑充希)は、東堂(片桐はいり)から借りた「青鞜」を渡す。感銘を受けた二人は、女性だからという理由だけで尻込みせず、挑戦することが大切だと東堂から助言され、何かを始めたい気持ちが湧き上がる。一方、時代は次第にきな臭くなり、青柳や森田屋も不況の波が押し寄せ、自粛ムードが漂っていた。そんな折、鉄郎(向井理)が森田屋に現れ、どんちゃん騒ぎが始まってしまい…。

【出演】高畑充希 木村多江 相楽樹 伊礼姫奈 ピエール瀧 坂口健太郎 大野拓朗 浜野謙太
    谷田部俊 杉山裕之 片桐はいり 向井理 片岡鶴太郎 大地真央
【語り】檀ふみ

昭和11年(1936)という設定で、明治44年(1911)の『青鞜』創刊から四半世紀後ですが、高畑充希さん演じる主人公・小橋常子らが『青鞜』の影響を受ける、という流れです。らいてうには言及されますが、残念ながら智恵子の名は出されません。
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きっかけをつくったのは、常子の通う女学校に新たに赴任してきた東堂先生(片桐はいりさん)。早速、最初の授業だかホームルームだかで、一席ぶちます(笑)。
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衝撃を受けた常子は東堂先生から『青鞜』創刊号を借り、はまってしまいます。
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常子のモデルは、現在も続く雑誌『暮しの手帖』を戦後になって立ち上げた大橋鎭子ですが、実際に若い頃にこういうエピソードがあったのかは不明です。

ちなみに大橋は光太郎に『暮しの手帖』への寄稿を依頼するため花巻郊外旧太田村の山小屋を訪れたり、書簡を複数回送ったりしましたが、結局、光太郎はそれに応えなかったようです。

『青鞜』は、常子以外にも、相楽樹さん演じる常子の妹・鞠子(第39回)や、阿部純子さん扮する友人の中田綾(第14週)らにも影響を、といったエピソードも。
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また、第15週では『暮しの手帖』編集長の花森安治がモデルの花山伊左次(唐沢寿明さん)も、母親が『青鞜』愛読者だったと明かしたりもします。
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ちなみに花山は戦争協力を恥じ一度は筆を折る、ということで、光太郎にも通じる部分がある描き方でした。

そして第19週では、真野響子さんのらいてう自身も登場。
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そういうわけで、平成28年(2016)の初回放映をご覧になっていない方(ご覧になった方も)、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

先日お揃ひで御来訪の節は愉快でした、ところが最近五、六日間このかた急に息切がつよくなり、外出して歩行中呼吸困難を感ずることがあるので、只今外出せず、在宅静かに仕事してゐます、静かにしてゐれば何の異状もないのですが。

昭和29年(1954)5月4日 細田明子宛書簡より 光太郎72歳

細田は戦前から光太郎が常連だった三河島のトンカツ屋・東方亭の娘。光太郎に実の娘のようにかわいがられていました。戦後、医師となり、光太郎詩「女医になつた少女」(昭和24年=1949)のモデルにも。
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医者仲間の関川大司と婚約し、その挨拶と披露宴の招待状を届けるために中野の貸しアトリエを訪れました。

キャラクターデザインの公募です。

商工会キャラクター制作依頼

新しい「智恵子ちゃん」を一緒に作りませんか?/福島県・地元商工会より

■ 募集概要
地元商工会では、これまで活用できていなかった旧キャラクター「ちえこちゃん」をリニューアルし、地元を盛り上げるキャラクターとして生まれ変わらせたいと考えています!
すでに過去に制作された着ぐるみがあるため、髪型や服装の変更にはある程度対応できますが、原型にとらわれず大胆なリデザインでもOK!

■ 「ちえこちゃん」について
智恵子ちゃんは、福島県二本松市出身の詩人・高村智恵子さんをモチーフにしたキャラクターです。
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■ リニューアルの方向性
 ・ファミリー層や若者向けに親しまれるデザイン
 ・インパクト・ユーモアのある雰囲気
 ・ギャル風、ゆるキャラ風など、個性的なアイデア大歓迎!
 ・旧デザインの要素を少し残していただけると嬉しいですが、大きく変更しても構いません!
■ 募集内容
 ・作成数:1点
 ・デザインサイズ:特に指定なし
 ・カラーイメージ:ピンク系(かわいく、若々しく、女性らしい印象)
 ・納品形式:JPG
 ・用途:チラシ、販売促進用のグッズなど
 ・商用利用:あり
 ・二次利用:未定・相談希望
■ 選考方法
 ・応募時にラフスケッチやイメージ画像(下書きでOK)を添えてご提案ください。
 ・商工会メンバーで検討し、正式にお願いする方を決定いたします。
■ 希望する対応
 ・急ぎのプロジェクトのため、スピード感を持ってご対応いただける方
 ・デザイン作成に不慣れな担当者が多いため、丁寧にコミュニケーションできる方

■仕事の概要
 固定報酬制 10,000円 〜 30,000円
 納品希望日 2025年06月02日
 応募期限  2025年06月02日

ちえこちゃん」は、智恵子の故郷・福島県二本松市のあだたら商工会さんで、平成30年(2018)に制定されたゆるキャラです。
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X(旧ツィッター)に「ちえこちゃん@福島県二本松市」というアカウントが作られ、智恵子生家や智恵子記念館、都内の福島県アンテナショップなどに出没した様子が上げられていました。
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ところが、その後、コロナ禍もあり、出番が激減。
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そして要項にある通り「これまで活用できていなかった」という事態に。X(旧ツィッター)投稿も令和4年(2022)を最後に途切れてしまいました。

「もったいないな」と思っていたのですが、このたび元のキャラクターを生かしつつ、新たなデザインの公募を行い「地元を盛り上げるキャラクターとして生まれ変わらせたい」だそうで、喜ばしい限りです。

募集期間が短いのですが(5月27日(火)から始まり明後日〆切)、それでも既に20件近くの応募があったそうです。

「我こそは」と思う方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

賢治祭も大変さかんだつたと承り、よろこびました、いろんな人からその様子を書いてまゐりました、十月末には小生も十和田にまゐり、帰途花巻に寄るつもりでをります


昭和28年(1953)10月1日 宮沢清六宛書簡より光太郎71歳

「十和田にまゐり」は、智恵子の顔を持つ生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の除幕式参加のためです。昭和20年(1945)に岩手に疎開後、「乙女の像」制作のため、前年に東京中野の貸しアトリエに入るまでは、ほぼ毎年参加していた「賢治祭」。現在も賢治命日の9月21日に行われています。

この年、参加出来なかった光太郎ですが、当会の祖・草野心平に托してメッセージを寄せ、当日は心平がそれを代読しました。これまで光太郎生前に活字になった記録が見あたらず、草稿からの収録で『高村光太郎全集』に「一言」の題で収められていましたが、地方紙『花巻新報』に載った会の開催を報じる記事中に全文の掲載を確認しました。

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信州安曇野の碌山美術館さんで開催されている「春季企画展 特別展示 智恵子紙絵 高村智恵子紙絵 高村光太郎詩稿」につき、報道が為されています。

『信濃毎日新聞』さんに折り込まれるフリーペーパー『MGプレス』さん。

安曇野・碌山美術館で「智恵子紙絵」展 6月22日まで

 安曇野市穂高の碌山美術館は6月22日まで、春季企画展「智恵子紙絵」を敷地内の杜(もり)江(え)館で開いている。碌山の友人で詩人、彫刻家の高村光太郎(1883~1956年)の妻・智恵子(1886~1938年)が制作した「紙絵」を3期に分けて展示。智恵子にまつわる光太郎の詩の原稿も並べている。
 洋画家だった智恵子は40代で精神を病み、後年入院した病室で、光太郎が持参した千代紙や色紙(いろがみ)をマニュキアばさみで切り抜いて別の紙に貼る「紙絵」を熱心に制作。対象は花や食膳の皿の中身などで、その数は千数百点に及んだという。
 今回は個人所有の20点ほどを借りて展示。現物は経年劣化で退色が見られるため、身内が撮影した写真も添えた。撮影年は作品によって違うが、どれも現物より色がはっきりしている。
 学芸員の武井敏さんは「智恵子の紙絵は小作品なのに存在感がある。海外でも評価されるのではと思うが、残念ながら年を追うごとに退色していく。この機会に見てほしい」。
 現在は2期目の展示で「器に魚」「シクラメン」など。6月初めからは「アジサイ」他を飾る。
光太郎の原稿は、詩集「智恵子抄」に収録された「あどけない話」や「レモン哀歌」の他、碌山の死を悼んで書いた詩「荻原守衛」などが並ぶ。
 午前9時~午後5時10分。一般900円、高校生300円、小中学生150円。同館TEL0263・82・2094
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智恵子の紙絵は元々が折り紙用のものや包装紙、さらには上記の画像に写っている「蟹」などは台紙が封筒だったりと、ちゃんとした紙が使われていないものも多く含まれています。そのため、ものによっては褪色が激しいものも。そこで入れ替えながらの展示となっています。

来月から展示されるという「アジサイ」も。今回のフライヤーにもメインで使われ、一昨年にやはり碌山美術館さんで開催された「生誕140周年高村光太郎展」でも展示されましたが、かなり色あせてしまっていました。
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ちなみにこの「アジサイ」、兵庫県の神戸文化ホールさん(昭和48年=1973竣工)外壁の巨大壁画の原画となったものです。紫陽花は神戸市の「市花」だそうで、同ホール建設の際の神戸市長が、光太郎と交流のあった彫刻家・柳原義達と同級生で、そこから人脈をたどって実現しました。
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同ホール、老朽化のため令和10年(2028)に現在の大倉山地区から三の宮地区に移転されるそうですが、この壁画は何とか残して欲しいものです。

さて、碌山美術館さんでの「智恵子紙絵」展、ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

 檜材、とても見事なものおとどけ下さつて感謝してゐます。檜の膚の香りプンプンする大作をモニユマン製作後に張切つてやりたいと念願したくなりました。
昭和28年(1953)6月 西倉保太郎宛書簡より 光太郎71歳

「モニユマン」は生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」。

詩人の西倉が、友人の材木商・浅野直也から光太郎への贈り物だった檜材を届けてくれたことに対する礼状の一節です。ただ、結局はこの木材を使っての彫刻は出来ずに終わったようです。もはやそんな余力は残っていなかったようで……。

今日、5月20日は智恵子139回目の誕生日です。

その智恵子のソウルマウンテン、福島二本松の安達太良山では、一昨日、第71回山開きが行われました。

地元紙『福島民報』さん。

残雪を踏み、山頂目指す 福島県の安達太良山で山開き

 日本百名山の安達太良山(1700メートル)は18日、山開きした。約2100人の登山者は例年よりも豊富な残雪を踏みしめ、山頂を目指した。
 福島市の会社員佐藤泰則さん(55)は妻と登った。「雪が多く残り、普段と違う山の表情を見ることができて得した気分だ」と笑顔を見せた。
 安全祈願祭は、福島県二本松市のあだたら高原スキー場ランデブーで行われた。安達太良連盟会長の三保恵一市長、安達太良山観光大使でタレントのなすびさんらがシーズン中の無事故を願った。
 山頂付近は強風が吹き、予定していた「ほんとの空大声コンテスト」は中止となった。
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今年、初の試みとして行われるはずだった「ほんとの空大声コンテスト」は、残念ながら山頂付近の強風により中止されたとのこと。テレビユー福島さんのローカルニュース動画で山頂付近の映像等も見ましたが、これでは確かに無理だったかな、という感じでした。

そのローカルニュース。

4年連続“登られた山”東北ナンバーワン「安達太良山」で山開き

本格的な夏山シーズンを前に、福島県の安達太良山では山開きが行われ、大勢の登山客が山頂を目指しました。
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18日に山開きが行われた安達太良山。スキー場で行われた登山客の安全を祈る神事では、二本松市の三保恵一市長などが玉串を捧げるとともに、安達太良山観光大使のなすびさんが、「世界に誇れる山として、たくさんの方に来てもらえるよう盛り上げたい」と挨拶しました。
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登山のスタートとなる安達太良奥岳登山口には、朝からおよそ2100人の登山客が訪れました。
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強風でロープウェイが一時運転を見合わせ、予定より1時間ほど遅れて登山口に到着した登山客は、早速、それぞれのペースで山を登りはじめ、残雪や自然を楽しみながら山頂を目指しました。
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郡山市から来た親子「楽しい。風が本当に強くてあおられるなという感じがありました」
二本松市から来た親子「山頂まで行きたい」
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しかし、多くの登山客が山頂の一歩手前で引き返すことに。
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ストックなどを使って頂上までたどり着いた人は…。
本宮市から来た夫婦「今年は雪が多いですね、いつもよりも。今回が一番大変だったような気もする。すごく風は吹いていたが、山頂は最高です」
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東京から来た人「雪がきれいで、山頂はあまり景色が見られなかったが、良い経験になりました。また良い天気の時に登りに来たいと思う」
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また、山頂で予定していたイベントは、強風のため中止となりました。二本松市では今年、去年とほぼ同じ10万人の入山者を見込んでいます。
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その安達太良山、実はとても人気の山なんです。

■4年連続“東北ナンバーワン”

 登山情報などを提供する「YAMAP(ヤマップ)」というアプリやウェブサイトの利用者を対象に集計した2024年登られた山ランキングで、なんと安達太良山が、東北エリアで第1位となりました。安達太良山は、このサイトで4年連続第1位ということです。他にも、県内からは一切経山と磐梯山も4年連続でランクインしています。
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YAMAPによりますと、安達太良山はロープウェイがあるので気軽に登ることができること、また、秋の紅葉がきれいなこと。色づいた木々を楽しみたいと、登山者のおよそ3割が10月に登っているそうです。さらに、近くに温泉があること。登山の後にふもとの岳温泉などに入ることができるのも人気の理由だということです。
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強風などのため、かなりの方が山頂の一歩手前で登頂を断念して引き返したとのこと。「山頂の一歩手前……ああ、あそこか」と思いあたりました。令和元年(2019)の山開きの際、当方も山頂まで登りまして、山頂手前に難所があったのを思い出しました。その年は残雪はほとんど無かったのですが、一ヶ所だけけっこうきつい斜面が広範囲でアイスバーンになっていて、滑落の危険がありました。今年は更に残雪が多かったようで、ストックなどが無ければ確かに無理だったでしょう。

実は今年の山開きに参加するつもりもあったのですが、つい先日も二本松に行ったばかりですし、今週も他の場所にいろいろ行く予定もあり、パスしました。それで正解だったかな、という感じです。

おまけの部分、安達太良山が昨年の「登られた山」ランキング、東北エリアで第1位、それも4年連続ということで、非常に喜ばしく感じました。式典での安達太良山観光大使のなすびさんによる「世界に誇れる山として、たくさんの方に来てもらえるよう盛り上げたい」とのご発言どおり、さらにたくさんの方に「ほんとの空」を体感していただきたいものですね。

【折々のことば・光太郎】

配偶者に死なれるほど不幸なことはないと思ふので、大に同情しますが、今日の世の中では、戦争未亡人などが子供をかかへて勇敢に生活と闘つてゐる実状ですから、気を落さないで賢明に進んで下さい。

昭和28年(1953)6月8日 宮崎春子宛書簡より 光太郎71歳

春子は智恵子の姪にして、当時の一等看護婦の資格を持ち、南品川ゼームス坂病院で智恵子の最期を看取りました。戦後になって光太郎が出雲の神となって詩人の宮崎稔と結婚、しかし、その宮崎が胃潰瘍で没し、それに関わる書簡です。

春子にしてみれば、実際に配偶者を亡くし、それでもがんばり続けている義理の伯父の言ですので、他の誰のそれよりも心に染みたのではないでしょうか。

『毎日新聞』さん系列のスポーツ紙『スポーツニッポン』さんで、5月3日(土)、智恵子にからめ、その故郷である福島県二本松市を大きく取り上げて下さいました。

こだわり旬の旅 福島・二本松

二本松城でしのぶ戊辰戦争の悲劇 少年隊士の思いに涙…本丸跡からは絶景が
 JR東日本のデスティネーションキャンペーン開催中の福島県は二本松市に出かけた。IT系ニュースサイトで、穴場の観光地として上位にランクされたからだ。霞ヶ城公園にある二本松城(霞ヶ城)跡や詩集「智恵子抄」で知られる智恵子の生家、岳温泉など観光スポットが点在するが、中でも同城にまつわる、会津・鶴ヶ城の白虎隊より若い二本松少年隊の悲劇に心奪われた。
 春の桜と秋の菊人形で知られる霞ヶ城公園。桜の季節が終わり静けさが戻ったが、胸はすぐに熱くなった。二本松城の美しい三の丸石垣と白土塀をバックに建つ「二本松少年隊群像」。1868年の戊辰戦争で薩摩・長州などの西軍から城を守るため、若い命を散らした二本松少年隊の奮戦姿と我が子の出陣服を仕立てる母の姿をかたどったブロンズ像で、名誉市民の彫刻家・橋本堅太郎氏が制作したもの。脇の掲示板や音声ガイドで、その悲劇が伝わってきた。
 それによると、少年隊は12~17歳の62人。緊迫した状況下で自ら出陣を嘆願し、熱意で藩主を説得して出陣。同年7月29日、城内への要衝・大壇口(城から南へ約2キロ)では隊長木村銃太郎が率いる25人が果敢に戦ったが、正午頃、二本松城は炎上し落城。少年隊の戦死者は他の戦地と合わせ14人を数えたという。
 17歳以下といえば、あの白虎隊の隊士より年齢が下。敗戦必至の中で、奥羽越列藩同盟の信義のために貫いた二本松藩の壮絶な戦いに追随、維新の夜明けを見ずに幼い命を散らした彼らの気持ちを思いやると、群像を見ているだけで涙を禁じ得なかった。
 少年隊が命がけで守ろうとした城は、室町時代の1414年、畠山満泰が築城し、1643年から丹羽氏が居城にした平山城。現在は日本百名城の一つで国指定史跡に指定されており、群像を過ぎてくぐった「箕輪門」は初代藩主・光重が最初に建造した櫓門(やぐらもん)。主柱のカシの巨木は箕輪村・山王寺山の神木を用いたことから、その名が付いたという。
 城内には落城の際に割腹した藩士・丹羽和左衛門らの自尽の碑や唯一の江戸期の建造物の茶亭「洗心亭」、門の土台となる石垣と門柱の礎石が残る「搦手門跡」など、見どころは多いが、圧巻は箕輪門から徒歩約15分の「本丸跡」(標高345メートル)。総工費5億3000万円、2年かけて復元されたもので、周囲を高石垣で固められ、枡形門や天守台がある。天守閣はなかったというが、眺望は最高。北側の眼下には福島市の町並みが広がり、西側には安達太良山がそびえる。まさに360度の大パノラマだ。
 その光景に何とか心は晴れたが、最後は少年隊にお参りをしようと墓のある大隣寺へ。丹羽家代々の菩提寺で、14人の供養塔が建立されている。隣接して会津藩の墓も建てられており、白虎隊への思いも含めてそっと手を合わせた。
 ▽行かれる方へ 東北本線二本松駅から徒歩約25分。車は東北道二本松ICから約5分。霞ヶ城公園から大隣寺へは車で約5分。問い合わせは二本松観光連盟=(電)0243(55)5122、大隣寺=(電)同(22)1063。 
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高村智恵子の生家は明治の面影そのまま…安達太良山の上には「ほんとの空」
 詩人・高村光太郎が妻・智恵子への想いを記した「智恵子抄」。その“純愛”に触れるべく、智恵子の杜公園にある「智恵子の生家・智恵子記念館」(入館料410円)を訪ねた。生家は造り酒屋で、明治初期に建てられた建物には、屋号「米屋」、酒銘「花霞」の看板が掲げられ、新酒の醸造を伝える杉玉が下がる。当時の面影をそのままに残しているようで、2階にある智恵子の部屋からは今にも智恵子が降りてきそうな気配だ。
 裏庭には当時の酒蔵をイメージした記念館があり、晩年、病に侵された智恵子の美しい紙絵や、当時の女性としては珍しい油絵の作品などを展示。見学し終わって外に出ると、後方には智恵子が愛してやまなかった「阿多多羅(安達太良)山」の上に青空が広がる。それはまさに抜けるようで、「ほんとの空」(智恵子抄から)を見た思いだった。東北本線安達駅から徒歩約20分。(電)0243(22)6151。
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生家の裏には記念館。こちらは白亜の近代的な建物だ
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智恵子の画像を入れたまちガイドマップ。見どころは多い

他に鬼婆伝説の残る安達ヶ原の黒塚や観世寺さん、安達太良山中腹の岳温泉さんが取り上げられていましたが、長くなりますし、智恵子の名は出て来ないので割愛します。

記事では「JR東日本のデスティネーションキャンペーン開催中」とありますが、正確には「デスティネーションキャンペーン」は来年4月から、現在は「プレデスティネーションキャンペーン」中です。その一環として県全域で「花の王国ふくしまフラワースタンプラリー2025」、二本松限定で「二本松ミュージアムツアー2025~スタンプラリーでめぐる歴史と芸術のまち~」などが行われています。

また、二本松が「IT系ニュースサイトで、穴場の観光地として上位にランク」だそうで。「穴場の」ではなく「定番の」とか「王道の」とかになってほしい気もしますが、昨今のいわゆるオーバーツーリズム問題を考えると、たいした混雑もなくゆったりのんびりと見て歩ける状況の方が望ましいと思います。閑古鳥が啼いている状態では困りものですが……。

GWも終わってしまいましたが、それだけに交通系の混雑も一段落。智恵子生家/智恵子記念館さんでの「高村智恵子生誕祭」は5月25日(日)までです。その他の光太郎智恵子聖地と共に、ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

亡妻の実家も酒造りだつたので以前は時々酒粕をもらひました、大好物、うまい甘酒が出来ます、

昭和28年(1953)2月22日 石井荘男宛書簡より 光太郎71歳

石井荘男は埼玉在住だった画家。光太郎も足を運んだ帝国劇場での舞踊公演「藤間節子リサイタル」を観に行き、その会場で光太郎と知遇を得、お近づきのしるしに、的にのちほど酒粕を贈ったようです。

智恵子の故郷・福島二本松の高村智恵子生家/智恵子記念館さんで開催中の「高村智恵子生誕祭」につき、地元紙2紙が報道して下さっています。特に生誕祭の一環として、当会主催で行ったコンサート「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」を前面に押し出して下さり、ありがたく存じます。

まず『福島民報』さん、先月末には記事を出して下さいました。

詩集「智恵子抄」で知られる高村智恵子の生誕祭 5月11日まで紙絵の実物展示 福島県二本松市の智恵子記念館 智恵子抄の収録作、音楽に乗せて披露

 詩集「智恵子抄」で知られる福島県二本松市出身の洋画家・高村智恵子(1886~1938年)の生誕祭は4月24日、同市油井の智恵子の生家・智恵子記念館で始まった。5月20日の誕生日に合わせ、智恵子が制作した紙絵の実物展示や居室の特別公開などのイベントを繰り広げている。
 紙絵は「花パターン」や「菊」など10点を11日まで公開する。上川崎和紙の紙絵制作体験を17、18、24、25の各日に催す。生家の2階にある智恵子の居室は3~6、10、11、17、18、20、24、25の各日に公開する。
 入館料は高校生以上410円、小中学生210円。問い合わせは智恵子記念館へ。
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紙絵の実物を展示している記念館

 高村光太郎連翹忌運営委員会は4月27日、二本松市の智恵子の生家で、智恵子抄の収録作を音楽に乗せて披露する朗読公演を開いた。
 高村智恵子生誕祭の一環。ボイスパフォーマーの荒井真澄さんが朗読を担当し、智恵子抄の「樹下の二人」「あどけない話」「レモン哀歌」などを情感たっぷりに披露。箏曲演奏家の元井美智子さん、テルミン奏者の大西ようこさんが美しい音色を添えた。
 聴衆は高村光太郎が紡いだ言葉の数々と、音楽の共演を満喫していた。
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聴衆を作品の世界に引き込んだ朗読公演

続いて『福島民友』さん。昨日の掲載でした。

演奏に乗せ智恵子抄朗読 二本松の記念館で生誕祭

 二本松市の智恵子の生家・智恵子記念館は25日まで、同市出身の美術家高村智恵子の20日の誕生日にちなんだ恒例イベント「生誕祭」を開催している。4月27日は市と高村光太郎連翹忌(れんぎょうき)運営委員会との共催で初の特別企画「音楽と朗読『智恵子抄』~愛はここから生まれた」が開かれた。
 特別企画は午前と午後の2回行われた。箏曲奏者元井美智子さんとテルミン奏者大西ようこさん、朗読家荒井真澄さんが箏曲とテルミンの演奏に乗せて詩集「智恵子抄」を朗読した。
 期間中は、岩手県の花巻南高の家庭クラブの生徒が復元した「智恵子のエプロン」の復刻展示や「智恵子を偲ぶ折り鶴展~作成編」を開催している。折り鶴展は智恵子が晩年作成した折り鶴を来館者が作成すると、オリジナル紙絵ペーパークリップを贈呈する。作成した折り鶴は秋のレモン祭に展示する。
 このほか紙絵の実物展示や生家では25日までの土、日曜日、祝日と20日に、普段公開していない智恵子の居室を特別公開する。17、18、24、25日には同市の伝統工芸「上川崎和紙」を使い、しおりなどを作る制作体験も行われる。
 開館時間は午前9時~午後4時半(最終入館は同4時)。水曜日休館。入館料は高校生以上410円、小・中学生210円。問い合わせは同館(電話0243・22・6151)へ。

『民友』さんでは、花巻南高さんによる「智恵子のエプロン」復刻展示にも触れて下さいました。『民報』さんの記者氏にもエプロンの件を推したのですが、「また改めて」みたいなご返答でした。口約束に終わらないことを期待します。殺伐としたニュースの多い中、こうした件を報道することで、人々の癒しにつなげてほしいものです。

生誕祭は5月25日(日)まで、ぜひ足をお運び下さい。

また、末筆ながらコンサート「音楽と朗読『智恵子抄』愛はここから生まれた」にご出演下さったお三方に改めて御礼申し上げ、さらなるご活躍を祈念いたします(といいつつ、また当会主催ということで、7月に光太郎第二の故郷・花巻での公演を行うことになり――詳細は後日――、荒井さん、元井さんがご出演なさいますが)。

【折々のことば・光太郎】003

彫刻の方は今週あの粘土を石膏にとります。


昭和28年(1953)2月16日
真壁仁宛書簡より 光太郎71歳

「あの粘土」は、生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の中型試作。実物およそ2分の1で、小型試作、実物と比較し、その顔が最も智恵子の顔に近いと評されています。

この中型試作は、生誕祭会場の智恵子記念館さんにも展示されている他、花巻高村光太郎記念館さん、現在特別展示 智恵子の紙絵」開催中の信州安曇野碌山美術館さん、それから野外展示で大阪御堂筋で常設展示されている他、千葉県立美術館さん、浜松市の平野美術館さんなどにも同型のものの所蔵があり、時折展示して下さっています。

石膏取りの職人は牛越誠夫。光太郎もその作品を所有していた伝説の道具鍛冶・千代鶴是秀の娘婿でした。

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