カテゴリ: 音楽/演劇等

大阪から演奏会情報です。

檜会箏曲演奏会

期  日 : 2026年6月28日(日)
会  場 : 大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
       大阪市中央区大手前1丁目3番49号
時  間 : 開場 13:00 開演 13:30
料  金 : 一般 3,000円 学生 1,000円

出  演 : 檜会会員 関西大学邦楽部
賛助出演 : 吉田興三郎 髙橋萌山 音登夢 mocoe 久米見奈子 コーロひびき
       飯田美琴 林律子

曲  目 : 都踊 宮城道雄作曲    新娘道成寺 石川勾当作曲
       手事 宮城道雄作曲    御山獅子 菊岡検校作曲
       北国雪賦 長岡勝俊作曲  瀬音 宮城道雄作曲
       智恵子抄より(朗読 箏と洋楽器による伴奏) 清水脩作曲
       残月 峰崎勾当作曲    秋韻 宮城道雄作曲

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故・清水脩氏作曲の「智恵子抄より」がプログラムに入っています。昭和33年(1958)、NHKさんのラジオ放送のための委嘱作品で、全6曲、箏曲独奏と室内楽をバックに朗読という異色の編成です。

昭和45年(1970)12月に東芝レコードからリリースされたLP「現代箏曲 清水脩作品集」に収められています。
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箏曲独奏は松尾恵子氏、朗読は竹脇無我さんと栗原小巻さん。清水氏自身が指揮をなさり、曲ごとに異なる編成での室内楽が伴奏でした。

同一音源を使ったCDが「松尾恵子 現代箏曲清水脩作品集」として東芝EMIから平成3年(1991)にリリースされています。
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清水脩氏といえば、独唱歌曲や合唱曲で「智恵子抄」詩篇に曲を付けた作品が多く、そちらは現代でもたびたび演奏されていますが、この箏曲と朗読の「智恵子抄より」はめったに演奏されることがありません。今回演奏される「檜会」さんが、松尾氏の興した「松風会」さんの流れを組むようですので、その関係から楽譜等が受け継がれているのでしょう。楽譜は公刊されていないようです。今回もきちんと室内楽伴奏が付けられるようで、オリジナルの形に近いと思われます。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 42 『高村光太郎 暗愚小伝/青春の日/山の人々』作家の自伝 9

平成6年(1994)10月25日 日本図書センター 北川太一編解説
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目次
 序(自叙伝)
 Ⅰ
  詩「暗愚小伝」〔二十篇〕
 Ⅱ
  木彫師の家
   回想録 姉のことなど
  青銅時代
   わたしの青銅時代
  遍歴の日
   遙にも遠い冬 青春の日 遍歴の日
  根付の国にて
   父との関係 ヒウザン会とパンの会 『道程』について
  同棲同類
   近状 ロダンの手記談話録 詩の勉強 某月某日 智恵子の半生
  戦乱の中で
   某月某日 戦時下の芸術家 焼失作品おぼえ書
  山林に生きる
   詩集『典型』序 みちのく便り 山の人々 山の春 山の雪 詩について語らず
  生命の大河
   美と真実の生活 制作現況 裸婦像完成記念会挨拶 生命の創造
 引用作品初出一覧
 年譜 北川太一
 解説 北川太一

散文を中心とした作品選択です。「作家の自伝」シリーズのラインナップで、自伝的要素をもつ文章も含まれていますが、そうでないものも多く、その時々の光太郎の精神史、といった感じです。

昭和39年(1964)、故・二代目コロムビアローズさんが唄ってヒットした「智恵子抄」(丘灯至夫作詞/戸塚三博作曲)のアーカイブ映像が流れます。

プレイバック日本歌手協会歌謡祭

BSテレ東 2026年6月15日(月)  17:56〜19:00

「二人の星をさがそうよ」田辺靖雄     「ウェディング・ドレス」九重佑三子
「ごめんねチコちゃん」三田明       「智恵子抄」二代目コロムビアローズ
「東京の灯よいつまでも」新川二朗     「桑港のチャイナ街」渡辺はま子
「長崎の鐘」藤山一郎           「別れのブルース」淡谷のり子
「イヨマンテの夜」伊藤久男        「温泉芸者」五月みどり
「お座敷小唄」松平直樹          「浮世街道」畠山みどり
「幸せなら手をたたこう」ボニージャックス 「ラ・ノビア」ペギー葉山
「恋をするなら」橋幸夫          「愛と死をみつめて」青山和子

<司会>合田道人

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これまで何度も類似の番組でローズさんの「智恵子抄」がラインナップに入り、6月3日(水)に同じBSテレ東さんで放映された「日本歌手協会歌謡祭プレミアム」でも流されましたが、その際は見落としていました。

作詞の故・丘灯至夫氏は智恵子の故郷・福島二本松に近い田村郡小野新町(おのにいまち 現・小野町)の出身で、本名は西山安吉。郡山市立郡山商工学校(現・福島県立郡山商業高等学校)商業科を卒業後、西條八十に師事し、詩誌『蝋人形』郡山支部主宰となり、同誌に多くの詩を発表しました。生活のためもあって日本放送協会、のち毎日新聞社に勤務。太平洋戦争召集を経て、戦後は『毎日グラフ』記者として活躍しました。

昭和24年(1949)、たまたま手がけることとなった「母燈台」(三益愛子主演映画の主題歌 霧島昇歌唱)の作詞をきっかけに、毎日新聞社に籍を置いたまま日本コロムビアの専属作詞家となり、以後、故郷・福島を謳った「高原列車は行く」(昭和29年=1954 古関裕而作曲 岡本敦郎歌唱)、舟木一夫のデビュー曲「高校三年生」(昭和38年=1963 遠藤実作曲)などのヒット曲を世に送り出した他、テレビアニメ「ハクション大魔王」(昭和44年=1969 市川昭介作曲)、「昆虫物語みなしごハッチ(昭和45年=1970 越部信義作曲)の主題歌なども手がけました。
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その丘灯至夫氏の「「智恵子抄」と私」。

 私が歌謡として書いた「智恵子抄」が、戸塚三博氏の気品ある、曲を得、そしてコロムビア・ローズさんの心をこめた歌いぶりで、ひろくヒットしたことは本当にうれしい。もともとこういう地味な歌は、なかなか大衆にとけこまないレコード界のことだけに、私としても予想外のことであった。この歌は、ご存じのように、高村光太郎の詩集「智恵子抄」を、歌詞化したものだが、純粋な詩を、歌謡化することは、一歩あやまると原詩を汚すおそれがある。しかし私としては郷里が、亡き智恵子さんとおなじ、福島県であり、詩集「智恵子抄」がはじめて世に出た昭和初期から、私の心を魅了しつづけていただけに、私がレコード界に籍をおくようになってから、この歌謡化は、ひとつの大きな念願だった。難かしい仕事ではあったけれど、たまたま病後、静養のため、しばらく福島県、会津のひなびた温泉に滞在中、澄み切った青空の下、安達太良山を背景に、高原のからまつ林の道をゆく、浴衣姿の乙女のうしろ姿を見て、
   東京の空 灰色の空
   ほんとの空が見たいという
 というはじめの二行が、溢れ出たのである。
 この歌は、先にのべた詩集「智恵子抄」の中の「あどけない話」からヒントを得たもので一番の歌詩は、もちろん「あどけない話」がテーマになっているけれど、二番と三番の歌詩は、私のフィクションである。智恵子さんが精神に異常を起こしたのは中年になってからのことで、そのまま歌にしては、いかにも若さを失ってしまう。だから、私の「智恵子抄」は、智恵子さんを、乙女の姿として描いてみたものである。さきごろ、この歌のヒットが縁で、二本松市に招かれ、若いころの智恵子さんの写真や、手紙などを見せていただいたが、私が私なりに感じ、まとめあげたイメージが、そんなに違っていなかったことで安堵した。この歌をローズさんは、今後も折あるごとに歌いつづけるという。私にとっては思い出深い歌のひとつになるであろうし、地下の高村光太郎、智恵子夫妻も、あたたかなやさしい気持で、この歌を聞いて下さっていることと思う。
(ソノシートブック『智恵子のふるさとを訪ねて◆コロムビア・ローズ愛唱歌集◆』日本コロムビア 昭和39年=1964)
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今年4月、新宿で行われた朗読劇「ほんとの空・青い空」公演で、W主演のお一人だった演歌歌手の津吹みゆさんという方が、同公演のカーテンコールで「智恵子抄」を唄われていたそうですし、その後も各地のショッピングモール等での新曲キャンペーン中で「智恵子抄」も唄って下さっています。ありがたし。
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津吹さんも福島ご出身だそうで。

「智恵子抄」、今後とも歌い継がれていってほしいものです。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 40 『レモン哀歌 高村光太郎詩集』

平成3年(1991)1月25日 集英社(集英社文庫) 高村光太郎著
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目次
 ぼろぼろな駝鳥
  失はれたるモナ・リザ 根付の国 寂寥 声 新緑の毒素 父の顔 犬吠の太郎
  さびしきみち 冬が来る 山 冬が来た 牛 道程 秋の祈 わが家 小娘
  丸善工場の女工達 雨にうたるるカテドラル ラコツチイ マアチ 米久の晩餐
  落葉を浴びて立つ 鉄を愛す 月曜日のスケルツオ 白熊 車中のロダン 後庭のロダン
  苛察 火星が出てゐる 冬の言葉 ぼろぼろな駝鳥 当然事 その詩 首の座
  激動するもの 孤独が何で珍らしい 刃物を研ぐ人 もう一つの自転するもの 鯉を彫る
  へんな貧 蝉を彫る
 レモン哀歌
  人に(いやなんです) 郊外の人に 冬の朝のめざめ 人に(遊びぢやない) 深夜の雪
  人類の泉 僕等 樹下の二人 金 鯰 夜の二人 あなたはだんだんきれいになる
  あどけない話 同棲同類 美の監禁に手渡す者 人生遠視 風にのる智恵子
  千鳥と遊ぶ智恵子 値ひがたき智恵子 山麓の二人 レモン哀歌 亡き人に 梅酒
  荒涼たる帰宅 若しも智恵子が 元素智恵子 メトロポオル 裸形
 暗愚小伝
  家
   土下座 ちよんまげ 御前彫刻 楠公銅像
  転調
   彫刻一途 パリ
  反逆
   親不孝 デカダン
  蟄居
   美に生きる
  二律背反
   協力会議 真珠湾の日 ロマン ロラン 暗愚 終戦
  炉辺
   報告(智恵子に) 山林
  わが詩を読みて人死に就けり
 語注
 解説 粟津則雄
 鑑賞 残間里江子
 年譜 小田切進

手持ちのものは平成4年(1992)の第4刷です。1年で4刷、なかなか売れ行きが好調だったようで、林静一氏のカバーイラストも貢献度大だったのではないかと思われます。

ちょっと前まで新刊書店で見かけていたような気がするのですが、残念ながら現在は絶版のようです。

神奈川県からクラシック歌曲の公開講座情報です。

歌曲アンサンブル研究会 第286回 6月例会

期 日 : 2026年6月18日(木)
会 場 : ミューザ川崎 音楽工房 市民交流室 神奈川県川崎市幸区大宮町1310
時 間 : 18:30~20:30
料 金 : 会員は無料 非会員1500円(聴講のみ) 学生500円

この研究会は、1997年二期会ドイツ歌曲研究会のシステムの変更に伴い、そこに在籍していたピアニストを中心に「歌曲伴奏研究会」として結成されましたが、21世紀を迎えるにあたり、アンサンブルの重要性を再認識すべく「歌曲アンサンブル研究会」と改称し、現在に至ります。約100名のピアニスト、声楽家、作曲家と一般会員により、歌曲を中心に「例会・公開レッスン講座」、「試演会」「定期コンサート」の活動を行い、「研究会便り」を発行しています。

例会では、これまでに会の趣旨に賛同された各分野の第一線で活躍される多くの方々を、講師に招いています。海外からもウィーン国立歌劇場の専属歌手として活躍されたオリヴェラ・ミリャコヴィチ女史をはじめとして、元シュトゥットガルト国立音楽大学教授のブルース・アーベル氏他、経験豊かな講師陣をお迎えしています。

例会ではそれぞれの分野で活躍していらっしゃる方々を講師に招き、 和やかな中にも毎回充実した成果をあげております。
※原則として、受講(演奏)できるのは、会員のみとなっております。
※非会員の方も聴講可能です。

プログラム
 1. 君死にたもうことなかれ  与謝野晶子 詩 朝岡真木子 曲
   西澤しのぶ(Sop)  入佐弥生(Pf)
 2. 歌曲集「夕暮れ巴水」より 幸福の形/ゆきみち  林望 詩 朝岡真木子 曲
   本宮廉子(Sop)  南日美奈子(Pf)
 3. 組曲「智惠子抄」より レモン哀歌  高村光太郎 詩 朝岡真木子 曲
   広川法子(Sop)  末松茂敏(Pf)

講 師:朝岡真木子氏(作曲家・ピアニスト)

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。2011年「音のポケット」により日本童謡賞を受賞。全音楽譜出版社より『朝岡真木子歌曲集』、『朝岡真木子歌曲集2』、組曲「あなたへ」(『二期会日本歌曲研究会作品集2』)、女声合唱曲集『花のなみだ』、女声合唱とピアノのための組曲『妖精模様』『まほろばの大和し美し』、カワイ出版より歌曲集『夕暮れ巴水』等が出版されている。CD(全作品の作曲及びピアノ演奏)として、『きっと 春は くる』〜木内弘子 朝岡真木子を歌う〜、『音のパレットⅤ』〜大澤一彰が歌う朝岡真木子の世界、組曲『智惠子抄』〜清水邦子が歌う、『子猫のミオとぼく』〜佐藤征一郎 バスバリトン 朝岡真木子の歌曲を歌う、等々がある。
楽譜・コンサート情報はangelongakuasaoka.blogspot.comに掲載しております。
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どういう形式なのか今ひとつわからないのですが、「受講(演奏)できるのは、会員のみ」とあるので、レッスンを公開するという感じなのではないかと思われます。過去の例を見てみますと、作曲家の方が講師を務められ自作の曲を課題として取り上げる場合もあれば、歌手の方(中堅からベテラン?)が講師となって他の歌手の方(おそらく若手なのでしょう)に指導なさるというパターン、それから「試演会」と銘打ち、コンサート形式に近い形でということもあるようです。

プロ、もしくはそれに近い歌曲アンサンブル研究会員の方々はもちろん、一般ピープルも聴講できるということです。

今回は連翹忌の集いにもいらして下さったことがおありの作曲家・朝岡真木子氏が講師。令和元年(2019)に初演され、令和4年(2022)には楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』に収録、令和5年(2023)にメゾソプラノの清水邦子氏の歌唱でCD(ライナーノートを書かせていただきました)もリリースされた組曲『智恵子抄』から「レモン哀歌」が取り上げられます。

他に2曲、光太郎の姉貴分・与謝野晶子の詩「君死にたまふことなかれ」(明治37年=1904)に曲を付けたものと、光太郎と同年生まれの川瀬巴水の新版画からインスパイアされた林望氏作詞のものも。

以前にも書きましたが、楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』、現在2刷が流通しているところ、近々3刷めとして重版の予定だとのことで、これまでの版に無かった詩集『智恵子抄』、歌曲集「智恵子抄」収録の詩篇についての解説を書けと頼まれ、書きました(昨日もその件でメールのやりとりでした(笑))。

こりゃ、行かざあなるめい、ということで行って参ります。ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 32 『高村光太郎選集 1 一八九七-一九一二年 明治三〇-四五年』増訂版

昭和56年(1981)9月20日 春秋社 吉本隆明・北川太一編
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目次
 日記 彫塑雑記
 書簡 高村光雲宛
 随筆 「滝縞格子」より
 俳句 明治三三年(梅、自転車・花、桜、運動会・酒・茶)
 戯曲 青年画家
 短歌 明治三三・三四・三五・三六・三七(赤城山の歌・桂の葉)・三八・三九・四〇年
 書簡 紐育より二
 詩 秒刻 マデル 博士 
   敗闕録
    (一)われ千たび君を抱かむ (二)君を見き
 随筆 画室日記の中より
 書簡 出さずにしまつた手紙の一束
 随筆 珈琲店より
 書簡 ルセルンの旅舎より
   ミラノの本寺とダ ヸンチの壁画
 随筆 伊太利亜遍歴
 翻訳 LE HASHICH(シヤルル ボオドレエル)
 訳詩 眠れる人(アルチユウル ラムボウ) 小娘の言へること(ジアン モレアス)
    あはれなる者(エミイル ヹルハアラン)
 短歌 明治四二(盆・ECOMI NELA MIA PATRIA!)・四三(DES OŬONNAS)年
 評論 フランスから帰つて 第三回文部省展覧会の最後の一瞥 AB HOC ET AB HAC
    緑色の太陽 死んだ荻原守衛君 MÉDITATIONS SUR LE MAÎTRE
 日記 三月七日(火曜日)
 評論 粘土と画布 日本の芸術を慕ふ英国青年 「熊野」と公衆 純一な芸術が欲しい
 随筆 芋と南瓜の触感
 評論 明治の時代を画せる作品
 アンケート どちらが好きか
 詩 にほひ
   LES IMPRESSIONS DES OũONNAS(À MA BIEN-AIMÉE AU CAOŬATCHI-LEAU)
   友よ PRÉSENTATION 失はれたるモナ・リザ 根付の国 甘栗 亡命者 食後の酒
   雪の午後 声 (別れぎは) 新緑の毒素 廃頽者より――バアナアド・リイチ君に呈す
   「河内屋与兵衛」 金秤 「心中宵庚申」 泥七宝(一) 地上のモナ・リザ けもの
   かるた 髪を洗ふ女 父の顔 泥七宝(二) 青い葉が出ても プリマドンナ あをい雨
   泥七宝(三)
 追補 
  書簡 加藤景雲への書簡
  詩 なやみ――若き彫刻家のうたへる
  評論 英国ニ於ケル応用彫刻ニ就テ
  書簡 巴里より 書簡一束
 解題1 端緒の問題 吉本隆明
 解題2 第一巻収録作品について 北川太一

 月報 智恵子遺珠1
  書簡Ⅰ 安田卯作宛 福島高等女学校卒業式答辞 マグダに就て
  書簡Ⅱ 柳敬助八重子宛 熊田てい子宛 長沼せん子宛
  無題録
  書簡Ⅲ 宮崎千代子宛 長沼両親宛 柳八重子宛 宮崎千代子宛 長沼両親宛
 後記

全6巻+別巻1で刊行された『高村光太郎選集』第1回配本です。ほぼ完全な編年体で編まれ、さまざまなジャンルの作品を一冊に収めています。

初版は昭和41年(1966)ですが、手持ちのものは昭和56年(1981)の増補版で、目次の「追補」の部分が新たに初版の内容に付け加えられました。「月報」は「智恵子遺珠」と題され、この時点で見つかっていた智恵子文筆作品のすべてをやはり編年体で掲載しています。それらはすべて後の筑摩書房版『高村光太郎全集』別巻(平成10年=1998)に収められました。

昨日は千葉市に行っておりました。千葉市文化センターさんで開催された「潮見佳世乃歌物語コンサート 羽衣伝説・智恵子抄」拝聴のためです。

何というわけでもないのですが、自家用車ではなく電車で行ってみました。同じ千葉県内でも千葉駅までは1時間ちょっとかかります。

自宅兼事務所最寄りのJR成田線佐原駅にて。
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こういうのが田舎のいいところです(笑)。

千葉駅から徒歩10数分、千葉市文化センターさん。
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14:30開演でした。
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「歌物語」は、ジャズ系シンガーでもあらせられる潮見佳世乃さんが、お父さまの故・高岡良樹氏から引き継がれたいわば登録商標のようなもので、「文学、演劇、音楽を融合させたこれまでにない芸能ジャンル」「琵琶法師や浄瑠璃など、物語を語る先人たちの伝統を引き継ぎながら、創作した物語に演劇的要素と音楽を取り入れ、奏でる音楽は、ジャズ、フォーク、ポップスなどを独自にアレンジしたもの」とのこと。

お父さまの代からのコアなファンの方々がいらっしゃるようで、チケットはSOLD OUT、100席ちょっとのキャパはほぼ満席でした。

第一部は「羽衣伝説」。日本全国に、というか世界中に類似の神話や伝説があるものですが、千葉市にも羽衣伝説があり、千葉市内には「羽衣公園」も設置されています。他の地域のそれと大きく異なるのは、実在の武将が主人公という点。千葉氏の祖・平常将(つねまさ)が、類型通りに羽衣を隠した天女と結ばれ、子を成し、しかし天女は天に還っていくというストーリーです。一部地域の羽衣伝説同様、星にかかわる部分を持ち、千葉市の妙見本宮千葉神社さんとの関連があります。当方、民俗学などにも興味関心が高いので、興味深いところです。

その伝説を基にした「歌物語」ということで、全体にはもの悲しいメロディーで統一。潮見さんの歌と語り、伴奏でピアノがTATOOさん、尺八の大河内淳矢さん、そして市川慎さんは通常の箏と十七絃箏の二張を行き来しつつ。和と洋のリミックスと申しましょうか、それが違和感なく展開されていました。天に還っていく天女。ある意味、智恵子も想起されるなぁ、と思いつつ拝聴しました。

休憩を挟んで第二部。「智恵子抄」に入る前に、「智恵子抄」以外の光太郎詩篇を朗読するというのが潮見さんのルーティンでして、昨日は「生けるもの」(明治43年=1910)と「道程」(大正3年=1914)でした。

そして「智恵子抄」。こちらの拝聴は今回で5度目となりましたが、何度聴いてもいいものです。とにかく高岡良樹氏の作曲になるメロディーラインがダイナミックかつ美しいだけでなく「歌物語」の名に相応しくドラマチックです。

40分程の中にしっかりと「起承転結」が込められています。「起」が「樹下の二人」(大正12年=1923)。「あれが阿多多羅山/あの光るのが阿武隈川」で始まる、まだ平穏な幸福に満ちていた光太郎智恵子が智恵子の故郷・福島二本松を訪れての場面。

ちなみに潮見さん、5月20日(水)の智恵子誕生日に二本松の智恵子生家/智恵子記念館さんに行かれたそうです。当方の二本松逍遥とは3日違いでした(笑)。下は潮見さんフェイスブック投稿から。
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「樹下の二人」に謳われている大正9年(1920)の光太郎智恵子揃っての二本松行は、智恵子の父・長沼今朝吉の三回忌法要のためでした。智恵子実家の長沼酒造は智恵子弟の啓助が継ぎましたが、この頃から業績は傾き始め、「あどけない話」で「東京に空が無い」と智恵子が呟いた昭和3年(1928)にはもはやどうしようもない状況、翌年には完全に破産します。そういう意味でも「樹下の二人」が「起」、「あどけない話」が「承」と言えるでしょう。

「転」に当たるのが「千鳥と遊ぶ智恵子」/「風にのる智恵子」(昭和12年=1937/昭和10年=1935)。よく似た2篇を一つの楽曲に。心を病んで千葉九十九里浜で療養していた昭和9年(1934)の智恵子の姿で、切迫感を煽るが如く不安な旋律。しかし、限りなく美しいメロディーです。高岡氏はかつて九十九里で「歌物語 智恵子抄」公演をなさったそうですが、地元の方々にはどのように聞こえたか、興味深いところです。

夢幻界を彷徨(さまよ)う智恵子の姿を謳う「値ひがたき智恵子」(昭和12年=1937)、「山麓の二人」(昭和13年=1938)と続きます。「山麓の二人」のみ、時系列とは異なる配置(九十九里に智恵子が移る前年の昭和8年=1933の裏磐梯が舞台)になっていますが、それはそれで良いと思われます。

そして「結」。「レモン哀歌」(昭和14年=1939)、「亡き人に」(同)。「起」の「樹下の二人」で奏でられたメロディーが再び用いられ、いわば変奏曲の形を取って終わりますが、この辺りが「羽衣伝説」の天に還っていく天女を想起させ、残される千葉常将と光太郎の姿がオーバーラップしました。

アンコールとして潮見さんオリジナル曲「海」。

終演後。
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少しお話しさせていただき、帰途に就きました。

関係の方々のますますのご活躍、そして「歌物語 智恵子」次の機会のあることを祈念いたします。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 23 『高村光太郎詩集』旺文社文庫

昭和44年(1969)3月1日 旺文社 高村光太郎著 北川太一編 
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目次
 『道程』
  失はれたるモナ・リザ 根付の国 声 廃頽者より 父の顔 泥七宝(抄) 友の妻
  人に 涙 おそれ さびしきみち 或る宵 郊外の人に 人類の泉 よろこびを告ぐ
  冬が来た 牛 道程 秋の祈 雨にうたるるカテドラル 米久の晩餐 クリスマスの夜
  鉄を愛す とげとげなエピグラム(抄)
 『猛獣篇』とその時代
  清廉 白熊 傷をなめる獅子 鯰 象の銀行 苛察 ぼろぼろな駝鳥 象 森のゴリラ
  氷上戯技 車中のロダン 火星が出てゐる 冬の奴 花下仙人に遇ふ 母をおもふ
  冬の言葉 当然事 さういふ友 上州湯桧曽風景   孤独が何で珍らしい 刃物を研ぐ人
  耳で時報をきく夜 レオン ドウベル もう一つの自転するもの ばけもの屋敷 荻原守衛
  堅冰いたる 手紙に添へて 孤坐 つゆの夜ふけに お化け屋敷の夜
  銅像ミキイヰツツに寄す へんな貧 蝉を彫る 独居自炊 美しき落葉
 『智恵子抄』
  樹下の二人 あなたはだんだんきれいになる あどけない話 同棲同類
  美の監禁に手渡す者 人生遠視 山麓の二人 風にのる智恵子 千鳥と遊ぶ智恵子
  値ひがたき智恵子 レモン哀歌 荒涼たる帰宅 梅酒 松庵寺 元素智恵子
  メトロポオル 裸形 案内 あの頃 吹雪の夜の独白
 『典型』
  雪白く積めり 「ブランデンブルグ」 人体飢餓 月にぬれた手 山荒れる 典型
  クチバミ 大地うるはし 十和田湖畔の裸像に与ふ 弦楽四重奏 生命の大河
 高村光太郎の生涯――「暗愚小伝」をたどつて―― 北川太一
 「ぼろぼろな駝鳥」について 尾崎喜八
 読書案内――より深く知るために――
 年譜
 あとがき 北川太一

当会顧問であらせられた故・北川太一先生の編集・解説。一篇ごとに語注と解説が付され、各章冒頭にも解説。ちょっと調べたいという時には現在でも最も役に立つものの一つです。

残念ながら旺文社さんは文庫事業から撤退し、基本的には古書市場でしか入手出来ませんが、お勧めです。手持ちのものは図書館廃棄本で昭和53年(1978)の第32刷です。

文庫判ですがハードカバーの愛蔵版も存在したようです。

大阪から演奏会情報です。

クレモナラボ第20回定期公演 Carpe Diem

期 日 : 2026年5月30日(土) 
      大阪市北区西天満4丁目15-10
時 間 : 開場: 13:00   開演: 13:30
料 金 : S席 6,000円 A席 5,000円 B席 4,000円 (当日各500円増) 

モーツァルトもベートーヴェンも、かつては『最新の流行音楽』だった。現代においてその熱狂を受け継ぐのは、私たちの音楽だ。―20回の実験を経て、私たちは一つの答えに辿り着いた。形式美に閉じこめられた音楽を、解き放つこと。これはタンゴの皮を被った、魂のクラシックだ。私たちは20回かけて、この『新しいクラシック』のスタイルを研ぎ澄ませてきました。もはやこれは実験(ラボ)ではなく、ひとつの確信です。

演 奏 : クレモナラボ(旧『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ)
2016年結成。「アストル・ピアソラ」の遺志を継ぎ、クラシック音楽の「次の100年」へ繋げる、新しいスタイルの木管四重奏団。国内唯一の「ピアソラ専門」の室内楽団であり、これまで50曲以上を手がけ、全ての楽譜を自分たちの手でオリジナルアレンジをし、暗譜で演奏をする。対位法を駆使して新たな音響効果に挑戦し、歌口の異なる4本の管楽器それぞれの限界に挑戦したアドリブ・ソロの数々、まるで4本で演奏しているとは思えないような卓越した新しいサウンド、クリアな音像とストイックな演奏スタイルは、他のアンサンブルの追随を許さない。

フルート:西尾 佑季(ゆき)  ソプラノサックス:上野 舞子(みーこ)
ホルン:松田 あやめ(あやめちゃん)  バスーン:久保田 ひかり(ぴかりん)

演奏予定曲
 天使のミロンガ/ラ・カモーラⅠ(A・ピアソラ)
 8つの演奏会用練習曲より1「プレリュード」(N・カプースチン)
 memento mori/Carpe Diem/ほんとうの空/パルナソスへの階段(クレモナラボ)
 aqua(坂本龍一) ほか

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クレモナラボ(旧『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ)さん。昨年の暮れに開催された第19回定期公演「ほんとうの空」で、光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)中の「ほんとの空」からのインスパイアで、オリジナル曲「ほんとうの空」を初演なさいました。下の動画で6:06頃から。


今回の第20回定期公演でも「ほんとうの空」を演奏予定のようです。ありがたし。

今回のサブタイトルは「Carpe Diem」。やはりそのタイトルのオリジナル曲の初演があるそうです。「Carpe Diem」はラテン語で、古代ローマの詩人ホラティウスの詩の一節。「その日の花を摘め」といった意味になります。「今を大切にせよ」「一期一会」といったニュアンスでしょうか。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 20 『高村光太郎詩集』日本の詩集 4

昭和43年(1968)5月10日 角川書店 高村光太郎著 河上徹太郎/吉田精一/串田孫一監修
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目次
 詩集 道程
  失はれたるモナ・リザ 生けるもの 根付の国 画室の夜 亡命者 寂寥 声
  新緑の毒素 廃頽者より 髪を洗ふ女 地上のモナ・リザ 父の顔 泥七宝 友の妻
  人に 或る夜のこころ 犬吠の太郎 さびしきみち 冬が来る 郊外の人に 人類の泉
  よろこびを告ぐ 冬が来た 冬の詩 牛 道程 群集に 秋の祈
 道程以後
  無為の白日 丸善工場の女工達 雨にうたるるカテドラル ラコツチイ マアチ
  米久の晩餐 冬の送別 五月のアトリエ 落葉を浴びて立つ 鉄を愛す
 猛獣篇
  清廉 白熊 傷をなめる獅子 狂奔する牛 鯰 象の銀行 苛察 ぼろぼろな駝鳥
 猛獣篇時代
  車中のロダン 後庭のロダン 火星が出てゐる 冬の奴 花下仙人に遇ふ 或る墓碑銘
  冬の言葉 触知 旅にやんで その詩 首の座 上州湯桧曽風景
  上州川古「さくさん」風景 或る親しき友の親しき言葉に答ふ 刃物を研ぐ人 似顔
  もう一つの自転するもの ばけもの屋敷 村山槐多 鯉を彫る 孤坐
 詩集 智恵子抄
  樹下の二人 夜の二人 あなたはだんだんきれいになる あどけない話 同棲同類
  風にのる智恵子 千鳥と遊ぶ智恵子 値ひがたき智恵子 山麓の二人 レモン哀歌
  亡き人に 梅酒 荒涼たる帰宅 うた六首 元素智恵子 メトロポオル 案内 あの頃
  報告(あなたのきらひな)
 詩集 典型
  雪白く積めり 
  暗愚小伝
   転調
    パリ
   反逆
    親不孝 デカダン
   蟄居
    美に生きる おそろしい空虚
   二律背反
    ロマン ロラン
   炉辺
    報告(智恵子に) 山林
  山荒れる 鈍牛の言葉 典型 田園小詩 山口部落 別天地
 典型時代及びその以後
  女医になつた少女 山の少女 山のともだち 十和田湖畔の裸像に与ふ
 解説
  評伝 宋左近 鑑賞 吉田精一 詩の旅 大竹新助 年譜 

全12巻から成る「日本の詩集」シリーズの第4巻です。手持ちのものは昭和45年(1970)の第4版です。

附録として福田一雄作曲の楽曲をBGMとした赤城靖恵による朗読「風にのる智恵子」「千鳥と遊ぶ智恵子」を収めたソノシートが付いています。

この時期、同様のシリーズものが様々な出版社から相次いで刊行されましたが、その中でも角川書店は大々的な販売戦略を展開しました。現代では考えられませんが、テレビCMも流されていました。

「智恵子抄」系の公演を2件ご紹介します。

まずもうすぐ開催の朗読会、青森発です。

第18回 リオンの朗読会

期 日 : 2026年5月16日(土)
会 場 : 八戸ポータルミュージアムはっち 2Fギャラリー2 青森県八戸市三日町11-1
時 間 : 14:00~16:00
料 金 : 無料
問 合 : リオンの会  090-7335-7552

<朗読作品>
 ・「赤い船」小川未明 作
 ・「智恵子抄」高村光太郎 作
 ・竹取物語より「命がけでにぎりしめたのに・・・」
 ・南部昔コ集より「貧乏神ど福の神様」
 ・日本昔話より「かっぱのおたから」  ほか

「リオンの会」さん、八戸を拠点に老健施設や親子を対象にした絵本の読み聞かせなどを行っているグループで、令和4年(2022)には公益社団法人読書推進運動協議会さんから全国優良読書グループ表彰を受けられたそうです。

続いて、コンサート情報は千葉県から。

潮見佳世乃歌物語コンサート 千葉開府900年記念「羽衣伝説・智恵子抄」

期 日 : 2026年5月24日(日)
会 場 : 千葉市文化センター 千葉市中央区中央2-5-1
時 間 : 開場14:00 開演14:30
料 金 : 前売 4,500円 当日 5,000円

出 演 : 
 潮見佳世乃(歌と語りと鳴り物) TATOO(ピアノ) 大河内淳矢(尺八)
 市川慎(箏・十七絃)
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歌物語は、潮見佳世乃の父、高岡良樹が創りだした、文学、演劇、音楽を融合させたこれまでにないジャンルです。琵琶法師や浄瑠璃など、物語を語る先人たちの伝統を引き継ぎながら、創作した物語に演劇的要素と音楽を取り入れ、奏でる音楽は、ジャズ、フォーク、ポップスなどをアレンジしたもの。音楽芸能のシーンに独自な世界観を切り開いています。

羽衣伝説
 天から池田の里に降りてきた天女と千葉常将のラブストーリー。羽衣伝説は全国にありますが、千葉の羽衣伝説は、時の権力者が登場する珍しい物語。千葉市の礎を築いた千葉氏にまつわる伝説です。千葉氏と妙見信仰との関わりも登場します。今年は千葉開府900年。千葉の繁栄を祈り、歌い語ります。

智恵子抄
 詩人高村光太郎が、妻智恵子について、結婚前からの30年間にわたり綴った詩や散文をまとめた智恵子抄。この書は、映画や小説などさまざまなカタチで作品化されました。精神を患った智恵子は、家族が暮らす九十九里浜で療養生活を送りますが、回復せず、光太郎を残し逝ってしまいます。
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連翹忌の集いにもいらして下さったことがおありの潮見佳世乃さん。ジャズ系シンガーであらせられますが、お父さまでシンガーソングライターの故・高岡良樹氏が作り上げられた「歌物語」というジャンルを引き継がれてのステージもなさっています。レパートリー的には「遠野物語」「おこりじぞう」「伊能忠敬物語」など。そして「智恵子抄」も。

何だかんだでこれまでに4回拝聴しました。

潮見佳世乃さん「歌物語コンサート「智恵子抄」」。
神奈川・静岡レポート その3 「潮見佳世乃起雲閣コンサート 歌物語×JAZZ」。
潮見佳世乃歌物語コンサート「智恵子抄・羽衣伝説」レポート。
潮見佳世乃 CD発売記念LIVE 歌物語✖️JAZZレポート。

恐縮ですが招待券を頂いてしまっており、参上いたします。

八戸の朗読と併せ、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 2 『高村光太郎詩集』世新潮文庫 

昭和25年(1950)11月20日 新潮社 伊藤信吉編  
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目次

 道程
  失はれたるモナ・リザ 寂寥 新綠の毒素 癈頽者より 地上のモナ・リザ
  或る夜のこころ 犬吠の太郎 郊外の人に 冬の詩 牛 群集に 秋の祈
 『道程』以後
  晴れゆく空 無爲の白日 丸善工場の女工達 雨にうたるるカテドラル 沙漠 
  米久の晩餐 ラコッチイマアチ 落葉を浴びて立つ 冬の送別 鉄を愛す 真夜中の洗濯
  車中のロダン 後庭のロダン クリスマスの夜
 ぼろぼろな駝鳥
  象の銀行 白熊 苛察 狂奔する牛 冬の奴 火星が出てゐる 花下仙人に遇ふ
  ぼろぼろな駝鳥 もう一つの自轉するもの 当然事 上州湯檜曾風景
  上州川古「さくさん」風景 似顔 非ヨオロツパ的なる 村山槐多 ばけもの屋敷
  何をまだ指してゐるのだ 首の座 刄物を硏ぐ人 冬の言葉 晴天に醉ふ
  
つゆの夜ふけに
 智恵子抄
  樹下の二人 夜の二人 あどけない話 同棲同類 風にのる智惠子 千鳥と遊ぶ智惠子
  値ひがたき智惠子 山麓の二人 レモン哀歌 亡き人に 梅酒
 「智惠子抄」その後(抄)
  元素智惠子 メトロポオル 案内 
 山林
  典型 山荒れる 鈍牛の言葉
 「暗愚小傳」(抄)
  パリ 親不孝 デカダン 美に生きる おそろしい空虛 ロマン ロラン 報告 山林
 解説・伊藤信吉

またやらかしまして、紹介する順番を誤りました。「選集等(単独)」の項、2番目に位置すべきものでした。

伊藤信吉の編集になりますが、伊藤を指名・推薦したのは光太郎自身でした。

新潮文庫といふのは小さな薄い書物のやうですが、小生はもともとたくさん詩作をしてゐないので、御選択次第でこれでも十分なのではないかとも考へられますし、大衆性といふやうな事は考へないでもいいと思ひますので、(どうせ小生のものには一般性はないやうに思はれます)、貴下さへイヤだと思はれなかつたら、編集して下さればありがたいと存じます(昭和25年=1950 5月28日 伊藤信吉宛書簡より)

昭和35年(1960)頃の版から光太郎彫刻「手」の写真を使ったカバーがかけられるようになりました。また、昭和43年(1968)には改版となり、一部収録詩の入れ替えが行われています。手持ちのものは昭和51年(1976)の第46版です。現在の版はカバーが智恵子紙絵となり、活字サイズが一回り大きくなっています。
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明日以降何日間か、これから開催されるイベント等の紹介を致しますが、その前にそうした形で事前に紹介できず、終わってしまったものについて。記録のためにも紹介しておきます。

まず、4月18日(土)に新宿区の音楽の友ホールさんで開催された「バーゼル国際歌曲コンクール2026 ファイナル」。
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ピアノ、ヴァイオリン、声楽、フルート、ハープの5部門から成る「バーゼル国際音楽コンクール」の声楽部門で、国籍学籍不問、プロアマ不問、若手声楽家の登竜門的なもののようです。
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一次審査、二次審査はYouTubeだそうで、これも時代の流れかなと思いました。最近はそれが一般的なのでしょうか。ファイナルのみが会場審査で、4月18日(土)に音楽の友ホールさんで開催されました。

ちなみに審査員のお一人、テノールの樋口達哉氏は智恵子の故郷・二本松市のご出身で同市の観光大使も務められていて、故・湯浅譲二氏作曲の「二本松市民の歌」なども歌われていますし、平成31年(2019)に同市で開催された「2019全国さくらシンポジウムin二本松~ ほんとの空に さくら舞う ~」などにもご出演なさっていました。

本選では時間が割り当てられるのでしょう、12名の各出場者が3曲から5曲を歌って審査に臨んでいました。

で、結果が以下の通り。敬称略ですみません。

 第1位   Geng LI (LEE) バリトン  中国
 第2位   川出康平 Kohei KAWADE  テノール  日本
 第3位   三神祐太郎 Yutaro MIKAMI バリトン 日本 
     Jana CVETKOVIC メゾソプラノ セルビア
 第4位   Juhyung Kim  バリトン  韓国
 第5位   郭冬家 GUO Dongjia  テノール 中国
 第6位   Elena Xanthoudakis  ソプラノ  オーストラリア 
 聴衆賞  Jana CVETKOVIC メゾソプラノ  セルビア
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このうちみごと第2位に輝かれた川出康平氏、演奏曲目が以下の通りでした。

 ・R.Strauss:“Heimliche Aufforderung”(リヒャルト・シュトラウス:“密やかな誘い”)
 ・R.Strauss:“Morgen!”(リヒャルト・シュトラウス:“明日に!”)
 ・O.Respighi:“Nevicata”(レスピーギ:“雪”)
 ・別宮貞雄:歌曲集「智恵子抄」より“人に”

国際コンクールですので(そうでなくてもそうかもしれませんが)、外国曲が3曲、そして故・別宮貞雄氏の歌曲集「智恵子抄」から「人に」。まさか樋口氏と二本松の関係から印象をよくしようとして選曲したというようなセコい意図はなかったはずですが(笑)、その偶然に驚きました。

別宮氏の「智恵子抄」、テノールの紀野洋孝氏が積極的に取り上げられ、さまざまな機会で歌われたり、CDに組み入れたりされています。また、他の声楽家の方もぽつりぽつり、毎年のようにどこかしらで歌われている感じです。

事前に曲目がわかっていれば、ぜひ聴きに行きたいところでした。

惜しくもグランプリは逃された川出氏ですが、「プロフェッショナル歌曲賞」も受賞、さらに川出氏の伴奏を務められたピアノの吉本有佑氏は「伴奏者賞」でした。

今後のさらなるご活躍に期待いたしますし、別宮氏の「智恵子抄」もどんどん取り上げていただきたいものです。

もう1件。5月9日(土)に世田谷区の三茶しゃれなあどホールさんで「朗読とお話 宮静枝の詩に投影された高村光太郎の戦後」というイベントが開催されたとのことです。世田谷区さんの広報誌で事前に小さく紹介が出ていましたが、気づきませんでした。
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気づいたのは、デザイナーの宮白羊氏のX(旧ツイッター)投稿で、当日でした。
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「父」というのが、写真家のみやこうせい氏(本名・宮暠成氏)です。

イベント標題にある「宮静枝」がこうせい氏のお母さま。岩手江刺の出身で、昭和26年(1951)秋に、花巻郊外太田村の光太郎の山小屋を訪れ、その時の体験を元に、平成4年(1992)、『詩集 山荘 光太郎残影』を上梓、第33回晩翠賞に輝いています。同書はまるっと一冊、光太郎を語った詩集で、実に多くの啓示を与えてくれるものでした。
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昭和26年(1951)11月11日の光太郎日記。

盛岡より宮静枝さん、甥(千葉氏)の人と子供二人つれてくる、新小屋。ライカにて撮影いろいろ、宮さんにカーテンぬつてもらふ。

「子供二人」にこうせい氏も含まれていますし、「ライカにて撮影」された写真が『詩集 山荘 光太郎残影』に14葉掲載され、そこにはこうせい氏も写っています。
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おそらくこうせい氏、この日の出来事などを語られたのでしょう。また、他の方々が『詩集 山荘 光太郎残影』から朗読をなさったのだと思われます。

下記は同書の復刻版を扱っているユニコ舎さんのX(旧ツイッター)投稿。
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これも事前に知っていたら、万難を排して駆けつけたのですが……。

『詩集 山荘 光太郎残影』、ぜひお買い求め下さい。

【高村光太郎書誌】

選集等(単独) 10 『現代日本名詩選 道程・典型』

昭和28年(1953)3月10日 筑摩書房 高村光太郎著
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目次
 道程
  一九一〇年
   失はれたるモナ・リザ 生けるもの 根付の国
  一九一一年
   画室の夜 熊の毛皮 人形町 甘栗 庭の小鳥 亡命者 鳩 食後の酒 寂寥 声 風
   新緑の毒素 廃頽者より 「河内屋与兵衛」 髪を洗ふ女 「心中宵庚申」 夏
   なまけもの 手 金秤 はかなごと めくり暦 地上のモナ・リザ 葛根湯 夜半
   けもの あつき日 父の顔 泥七宝 ビフテキの皿
  一九一二年
   青い葉が出ても 赤鬚さん あをい雨 友の妻 ――に 夏の夜の食慾
   或る夜のこころ おそれ 犬吠の太郎 さびしきみち カフエにて 梟の族 冬が来る
   カフエにて 或る宵 夜 狂者の詩 郊外の人に 冬の朝のめざめ カフエにて
   師走十日 戦闘
  一九一三年
   人に カフエにて 深夜の雪 人類の泉 山 よろこびを告ぐ 現実 冬が来た
   冬の詩 牛 僕等
  一九一四年
   道程 愛の嘆美 群集に 婚姻の栄誦 万物と共に踊る 瀕死の人に与ふ 晩餐
   五月の土壌 淫心 秋の祈
 典型
 序
 雪白く積めり 
 暗愚小伝
    家
   土下座 ちよんまげ 郡司大尉 日清戦争 御前彫刻 建艦費 楠公銅像
  転調
   彫刻一途 パリ
  反逆
   親不孝 デカダン
  蟄居
   美に生きる おそろしい空虚
  二律背反
   協力会議 真珠湾の日 ロマン ロラン 暗愚 終戦
  炉辺
   報告 山林
 「ブランデンブルグ」 脱卻の歌 人体飢餓 東洋的新次元 おれの詩 悪婦 山荒れる
 月にぬれた手 鈍牛の言葉 典型 
 田園小詩
  山菜ミヅ 山のひろば 山口部落 かくしねんぶつ クロツグミ クチバミ 別天地
  岩手の人 山からの贈物 この年 
 年譜
 解説 中山義秀

第一詩集『道程』(大正3年=1914)と、結局は生前最後の詩集となる『典型』(昭和25年=1950)を一冊にまとめたものです。

やはり光太郎の山小屋を訪れたこともある中山義秀の解説が秀逸です。

4月29日(水)、文京区の千駄木・根津を後に、地下鉄を乗り継いで日本橋人形町に向かいました。

続いての目的地は日本橋社会教育会館さん。
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複合施設で、1階から5階までが中央区立日本橋小学校さん、6・7階に区立図書館さんが入り、8・9階でホール、さらに会議室に使える部屋など公民館的な機能も付帯されています。この日は祝日でしたので、小学校の授業はありませんでした。

ちなみにこの場所、明治はじめには西郷隆盛邸だったそうで。
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ホールで行われた「一龍齋貞奈芸歴10周年記念講談会」で、智恵子を主人公とした講談を拝聴に参上したわけですが、この日は午前中から貞奈さんの所属されている事務所・オフィス10さんの10周年祭りということで、さまざまな演目が行われていました。10周年祭り自体は5月6日(水)まで7日間にわたって続き、毎日複数の高座がかかります。
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無題
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ホールの緞帳。安藤広重の東海道五拾三次「日本橋」があしらわれていました。粋ですね。
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少し早く着いたので、ホールのホワイエで開場を待っていたところ、フリーアナウンサーの早見英里子さん、朗読家の出口佳代さんのユニット「ERIKO&KAYO」のお二人がいらっしゃいました。いらっしゃるとは聞いていませんでしたが、早見さんは昨年、御茶ノ水で開催された「夏の太陽講談会 読めなかった講釈を読もう〜」にもいらしてましたので、不思議はありませんでした。出口さんは講談初体験だとのこと。せっかくですので並んで座らせていただきました。
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さて、開演。

まずはオープニングアクト的に、MC的なこともなさった神田蓮陽さんによる「越の海」。江戸時代に実在した小兵力士・越の海勇蔵を主人公とした古典的な講談でした。若手の神田さん、実に初々しい感じで、「勉強させていただきます」とおっしゃって始められたあたり、好感が持てました。

続いてメインの貞奈さんで「智恵子の恋」。昨年初披露された新作で、明治34年(1901)、智恵子が福島高等女学校に進む頃から大正3年(1914)に光太郎と結婚披露を行うまでの内容。智恵子視点で、口数は少ないながらウィットに富み、負けず嫌いな一面も併せ持っていたその姿が生き生きと、そしてけっこうコミカルに語られました。当時としては珍しかった高等女学校進学や、ましてや県で1人とか2人とかの女子大学校入学を両親にお願いする場面、一学年上の平塚らいてうとのテニス対決、光太郎と知り合う以前、太平洋画会での宮崎与平・渡辺文子との三角関係など。

昨年の初演時よりもアップデートされていた部分もあり、なるほど、と思わせられました。

ここで仲入り(休憩)、そしてワンクッション。ゲストのラバーガールのお二人によるコントが3本。貞奈さんがお二人のコントをYouTubeで何本もご覧になってツボにはまり、ぜひ出演してくれと交渉なさったそうです。

笑えました。自分の隣に座っていた出口さんは、早見さんに「佳代ちゃん、笑いすぎ」とつっこまれるほど笑っていました(笑)。

そして再び貞奈さんで、後半「智恵子の変」。光太郎との結婚披露から、昭和13年(1938)の逝去まで。前半の「恋」が「変」に代わり、シリアスな面が強調されました。「変」はその変化の「変」、それから智恵子の精神に起こった「異変」の「変」、さらに生涯の仕事と定めた油絵を「私ならいいものが描ける」とする自分と「私には描けるわけがない」とするもう一人の自分との闘いとしての「変」(「応天門の変」、「本能寺の変」、「禁門の変」などの「変」です)という意味もあるのかな、などと思いながら拝聴しました。

貞奈さんご自身、野田秀樹氏脚本で大竹しのぶさんの一人芝居として初演された「売り言葉」(平成14年=2002)からインスパイアを受けたとおっしゃっていましたが、確かに講談と云うより一人芝居という感じが強かったように思われました。

実家の裕福だった造り酒屋の破産、家族の不祥事や病没、そして自身の油絵の停滞、さらには光太郎との貧困生活など、さまざまな要因が絡み合って徐々に毀れていく智恵子が語られます。しかし、「売り言葉」ほどには光太郎をディスる感じではありませんでした。確かに光太郎の対応にはいろいろ問題があったのも事実ですが、それをあまりにも前面に押し出し、光太郎の犠牲になった智恵子、とされると「何だかなあ……」ですが、そうなっていなかったので良かったと思いました。

ただ、貞奈さんご自身「まだまだ荒削りで」とおっしゃっていましたし(確かにそういう感は否めませんでした。無理もありませんが)、細かなエピソードなどよく調べてらっしゃると感心させられたもののところどころ史実と異なったり(以前はそれが定説だったりした部分ですが)、こういうエピソードも入れればいいのに、という点もありました。そのあたり、今後さらによりよいものにエボリューションして行っていただきたいものです。

終演後、ラバーガールのお二人と貞奈さん。
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さらに会場が捌けた後で「ERIKO&KAYO」のお二人と。
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ご出演の方々などの、今後のさらなるご活躍を祈念いたしてレポートを終わります。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)35 『光太郎智恵子』特装版

昭和35年(1960)11月10日 龍星閣 高村光太郎 高村智恵子著
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目次
 高村光太郎篇
  詩 散文
  書簡
   高村(長沼)智恵子 長沼今朝吉 長沼せん子 長沼せき子 長沼修二 齋藤せつ子
   柳八重子 水野葉舟 中原(曽我・小野)綾子 更級源蔵 秋廣あさ子 真壁仁
   宮崎稔 難波田龍起 富士正晴
 高村智恵子篇
  詩 散文
  書簡
   長沼御両親 長沼せん子 長沼修二 齋藤新吉 せつ子 柳八重子

昨日ご紹介した8月に出た初版と紙型は同一ですが、二重函、三方金朱箔押装で表紙は「総丸革白最上羊皮」。限定60冊の刊行でした。

昨日は都下多摩市の聖蹟桜ヶ丘に足を運んでおりました。今年の連翹忌の集いに際し、ご案内いただいた「多摩ファミリーシンガーズ演奏会 はじまりの場所から未来へ」拝聴のためでした。

まったく個人的なことになりますが、亡父がノンキャリアの国家公務員で本省勤務のない地方局回りだったため、半世紀以上前、近く(といっても数キロ離れていますが)に4年半ほど住んで居りました。しかし機会もなくそのあたりを再訪したことがこれまでありませんでした。そこで演奏会にお邪魔する前に、懐かしさに駆られてかつて住んでいたあたりを散策。

半世紀以上前にも流れていた小川。護岸工事が為されていましたが、暗渠にするわけでもなく健在。なんとカルガモの親子がすーいすい(笑)。
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現在はがっつり住宅地になっていますが、自分が暮らしていた頃は田んぼが広がっていた一角でした。この川から水を引いていた用水路でザリガニやドジョウ、タニシなどを掴まえていた記憶があります。森にはミヤマクワガタなどもいました。

多摩川べりの住んでいた家を含め十数棟あった官舎はすべて無くなり、高層マンションになっていました。

1年間通った幼稚園と、3年生の途中まで在籍した小学校。小学校の方は自分が通学していた頃あった木造校舎は無くなっていましたが、幼稚園の方は当時の建物だったのでびっくりしました。
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ちなみに小学校の校歌歌詞には「桜ヶ丘の聖蹟やー」という一節がありました。

というわけで聖蹟桜ヶ丘駅前の、関戸公民館さん。8階がコンサート会場でした。
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ホール入り口にはNHKさんの「おかあさんといっしょ」でうたのおにいさんを務められた坂田おさむ氏からの花。今回、坂田氏作曲の楽曲も演奏されるということで。
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主宰の髙山佳子氏。
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このところ毎年、当会主催の連翹忌の集いにご参加下さっています。以前から他の連翹忌ご常連の藤原歌劇団・本宮寛子氏などと音楽繋がりで交流がおありだったそうですし、宮沢賢治作品を取り上げたりで、そちらのご関係も。

プログラムは2部構成。第一部は合唱。
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東日本大震災後の平成24年(2012)に初演された「ほんとの空」が演奏され、それを聴きたいがために伺った次第です。

作詞は福島郡山ご在住の後藤基宗子氏、作曲は髙山氏が「たま・みゆき」のペンネームで。
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光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語をタイトルに、「阿多多羅山(安達太良山)」も謳い込まれています。髙山氏から頂いたCDで拝聴していたのですが、生の演奏は初めてでした。

合唱は、下は小学1年生から上はOG、賛助出演という方々の大人の皆さんまでで、曲によって人数が変わりましたが最大20数名(1曲だけ、客席からさらにOGの方々が10名ほどステージに上がって加わった曲もありましたが)。基本、女声合唱でした。「児童合唱」と謳われていますが、かなりのレベルでその意味では舌を巻かされました。

合間に髙山氏や大人の出演者の方によるMCで曲紹介など。飽きさせない工夫が為されていました。高野辰之作詞の「春の小川」が、元々の文語体から口語体に歌詞が改変されているというお話など「へー」という感じでした。

第二部はおなじみの昔話をミュージカル仕立てで。
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それぞれの昔話をモチーフとした既存の童謡も歌われましたが、それ以外の部分は髙山氏の作曲だったのでしょう。

第一部では緊張気味だった子供たちも、第二部では実にのびのびと。楽しみながら演じているのが伝わってきて、好感が持てました。小学校高学年以上は代わる代わるソロで歌う場面もありましたが、その技倆もなかなかのものでした。

なんやかやで様々なジャンルのプロフェッショナルの演奏を日頃から聴き、最近は自分でもプロデュース的なこともやらせていただいていますが、久々に聴いた児童合唱、違った意味で心が洗われました。

アンコールも終わった終演後と、さらにホワイエで帰る聴衆を見送りつつ歌う団員の皆さん。
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右画像の右端に髙山氏。少しお話をさせていただいて帰りました。

多摩ファミリーシンガーズさん、来年は50周年だそうで、一人の指導者が50年というのも実に稀なケースとのこと。ただ、少子化の影響は避けがたく、昔は120名とかの大所帯だったそうですが、現在は前述の通りOGや賛助という方を含めて20数名。それでもそれならそれでやりようはあるわけで、今後ともさらなるご活躍を祈念いたします。

幸い、キャパ250席ほどのホールはほぼ満席。出演者の関係者も少なくはないのでしょうが、それ以外の固定ファン的な感じの方々が多かったように思われました。

こうした小さな(というと失礼かも知れませんが)文化の灯り、消してはならないと思います。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)31 『日本の詩歌』毎日ライブラリー 

昭和29年(1954)4月5日 毎日新聞社 高村光太郎編
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目次
 日本詩歌の特質 高村光太郎   日本の詩歌の系譜 吉田精一
 現代詩概観 三好達治      近代短歌 木俣修
 近代俳句 加藤楸邨       あとがき 毎日新聞社図書編集部
 年表              索引

光太郎編となっていますが、実際に編集実務を担ったのは版元の毎日新聞社図書編集部であることが「あとがき」によってわかります。

光太郎の「日本詩歌の特質」は、この年の1月27日~30日にかけて『毎日新聞』に連載されたものです。

都内から朗読系の公演情報です。

きむらきょうやの温故知新〜葛藤〜

期 日 : 2026年5月4日(月・祝) 5月5日(火・祝)
会 場 : スタジオドラゴンカフェ 東京都杉並区久我山5-21-6 センタービル
時 間 : 5/4 18:00~ 5/5 13:00~ 18:00~
料 金 : 1公演 自由席 3,000円 2公演分 自由席 5,500円 3公演分 自由席 8,000円

日々、悩み迷い苦しみ「葛藤」を抱える貴方に「エネルギー」浴びせます! 芸能人格付けチェック、がっちりマンデー、ちびまる子ちゃんのナレーションでお馴染みの国民的ナレーター「きむらきょうや」と教え子たちが一所懸命にエネルギー放ちます!

そのタイトルは! 「きむらきょうやの温故知新〜葛藤〜」 今回は旧き文学作品から。いや〜昔の人も私と同じように「葛藤」抱えてるんだ…と新しい気づきになればと! 文豪達のお力を借りてお届けします!

出演者
 5月4日(月・祝) 及川司 重役室長 大福 平野こまり 風晴由圭 
 5月5日(火・祝) 亀井貢 日向寺ひろこ 大福 中村桃歌 平野こまり
 5月5日(火・祝) 亀井貢 重役室長 大福 中村桃歌 風晴由圭
※きむらきょうやは3公演共出演致します。

5月4日(月) 18時
 高村光太郎 「智恵子抄」抜粋 及川司
 小川未明 「野ばら」 平野こまり 大福
 芥川龍之介 「尾生の信」 重役室長
 樋口一葉 「裏紫」 風晴由佳
 中島敦 「山月記」 きむらきょうや
 この日のみシークレットゲスト

5月5日(火) 13時
 高村光太郎 「智恵子抄」抜粋 亀井貢
 太宰治 「待つ」 日向寺ひろこ
 小川未明 「野ばら」 中村桃歌 大福
 樋口一葉 「裏紫」 平野こまり
 中島敦 「山月記」 きむらきょうや

5月5日(火) 18時開演
 高村光太郎 「智恵子抄」抜粋 亀井貢
 小川未明 「野ばら」 中村桃歌 大福
 芥川龍之介 「尾生の信」 重役室長
 中島敦 「山月記」 きむらきょうや
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アニメ「ちびまる子ちゃん」、バラエティー「がっちりマンデー!!」「芸能人格付けチェック」などでご活躍中のきむらきょうや(木村匡也)氏と、氏主宰の「木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾」の皆さんによる朗読公演だそうです。

2日にわたり3公演、それぞれ演目が異なるそうですが、「智恵子抄」(抜粋)は全てに入っています。ありがたし。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)30 『世界美術全集 第4巻 古代エジプト』 

昭和28年(1953)9月5日 平凡社 下中弥三郎編
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目次
 エジプトの文化
 エジプトの建築
 エジプトの彫刻
 エジプトの絵画
 エジプトの工芸
 図版 原色版 一三図 グラビア版 一七九図 本文挿図 二一八図
 参照地図
 図版解説
 年表
 参考書目録
 挿図目録
 図版目録

光太郎執筆箇所は「図版解説」中の「41 カ・フ・ラー王坐像」「43 ラー・ヘテプ、ネフェルト坐像」「48 シェイク・エル・バラド」「50 書記坐像(部分)」。すべて彫刻作品です。

3年半にわたる欧米留学中、明治40年(1907)から翌年にかけてロンドンに滞在していた光太郎。大英博物館にも足繁く通い、エジプト彫刻のプリミティブな美に惹かれました。パリから会いに来た荻原守衛とその魅力について語り合ったこともあったそうです。

4月22日(水)、第116回碌山忌のため安曇野市の碌山美術館さんにお邪魔しましたが、そちらに着く前の寄り道について。

信州、それから隣接し、こちらからの通り道にもなる甲州には、光太郎智恵子ゆかりの人物の記念館等や、光太郎智恵子の作品を所蔵・展示して下さっている美術館等がかなりあり、碌山美術館さんに足を運ぶ際にはそれらにも立ち寄るのがルーティンでして、それがまた一つの楽しみになっています。

今年立ち寄ったのは、長野市信里(のぶさと)地区の小山清茂記念展示室。同地出身の作曲家・小山清茂(大正3年=1914~平成21年=2009)を顕彰する施設です。
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清茂には光太郎詩に作曲した「樹下の二人」という曲があります。昭和50年(1975)の作品で、箏曲です。奏者が箏を弾きながら「あれが阿多多羅山……」と語るスタイル。歌うというよりは語る感じです。箏曲奏者の友渕のりえ氏による委嘱作品で、全音楽譜出版さんから楽譜が公刊され、友渕氏のCD「日本の唄 友渕のりえの世界」(平成3年=1991)に収められています。
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その後も箏曲奏者の方々に時折取り上げられ、下野戸亜弓氏の2種類のCD「下野戸亜弓箏曲リサイタル2005」(平成17年=2005)、「万葉の恋歌 箏歌<KotoUta>をうたう」(平成25年=2013)にも収められています。

演奏会でも、最近ですと朝香麻美子氏が平成29年(2017)に都内の紀尾井ホールさんで開催された「箏・三弦リサイタル ~女性のあり方をよむ~」で取り上げて下さいました。

それから、浜根由香氏。平成26年(2014)に、東日本大震災の復興支援ということもあり、津波被害の大きかった福島県南相馬市で開催された「浜根由香 東北を謳う」というコンサートでこの曲も演奏して下さいました。その際は拝聴に伺い、浜根氏とお話しさせていただきましたし、後日発行されたライブ録音のCDも送っていただきました。ところが浜根氏、ほどなく平成28年(2016)にまだお若くして急逝。報せを受けて絶句しました……。

その「樹下の二人」作曲者の小山清茂の記念室が長野市にあるということで、参上。ちなみに小山清茂、当方と戦国時代まで遡ればつながるであろう遠い遠い親戚のようです。当方、死んだ父親は信州上田の出身で、先祖は真田氏と同じ滋野一党の国衆末席。天文年間の武田氏の信州侵攻に伴って居城を落とされ、そのまま真田もろとも武田の配下に入りましたが、一族の一部は武田と対立していた村上義清を頼って北上、村上義清は上杉と与しました。おそらく地理的に見て清茂の先祖はそちらの一派と思われます。

さて、小山清茂記念展示室。篠ノ井村山健康スポーツセンターさんの中に設けられていて、長野市のとっぱずれというわけでもありませんが、そこそこの山の中でした。我らの先祖も参戦したであろう川中島の古戦場もそう遠くない場所です。

附近はこんな風景。いかにも山里といった感じでした。
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そして篠ノ井村山健康スポーツセンターさん。
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玄関を入ってすぐ左が記念展示室でした。
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元は同じ建物の別の部屋だったそうですが、現在は広い会議室的な部屋の一角をアコーディオンカーテンなどで仕切り、普段は施錠しています。
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アコーディオンカーテン向かい側の壁には、やはりこのあたり出身の漫画家・岡村延博氏の描いた清茂。
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解錠していただいて、中へ。
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所狭しとばかりに遺品や写真、楽譜、レコードなど。

あまり期待していなかったのですが「樹下の二人」関連もあり(同曲、代表作というほどではないので)、「おお!」でした。

まず直筆の楽譜。
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作曲を委嘱した箏曲奏者・友渕のりえ氏の色紙。
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友渕氏、おそらく平成28年(2016)の開室に際して協力されたのでしょう。その前年の揮毫です。

年譜にも「樹下の二人」作曲が記載されていました。
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思わず「ぷっ」と吹きだしたのがこちら。
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清茂が作曲した地元の鬼無里中学校さんの校歌をプリントしたタペストリーですが、作詞が……
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何と当会の祖・草野心平でした(笑)。これは存じませんでした。

ちなみに鬼の無い里と書いて「きなさ」と読みますが、旧鬼無里村は山一つ越えたところで、現在は長野市に編入されています。鬼無里中学校さん、今年度限りで閉校だそうで……。そうなるとこのコンビによる校歌も無くなってしまうわけでしょうから、残念です。下記は同校サイトから。
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帰ってから調べたところ、心平・清茂コンビの校歌は他にもけっこうあり、平成25年(2013)に夏の全国高校野球を制した群馬の前橋育英高校さんのそれもそうでした。となると、甲子園球場にこのコンビの手になる校歌がガンガン流されていたのですね。気づいていませんでした。


そうして小山清茂記念展示室をあとに、碌山美術館さんへと向かいました。ここで昨日の「信州レポート その1 第116回碌山忌。」につながります。

今回は自宅兼事務所隣町の成田市から圏央道→関越道→上信越道と乗り継いで長野市の小山清茂記念展示室、そして更埴市から長野道に入って安曇野碌山美術館さん。帰りは長野道→中央道→首都高→東関道で帰りました。1都7県を走破し、我ながらよくやるよ、です(笑)。さすがに疲れて昨日は、朝5時に猫に起こされて餌やりをしてから二度寝。そのためブログの更新が遅れました(笑)。

これに懲りずに甲信方面に行く際にはさらなるスポット拝観を続けるつもりで居ります。まだまだ行くべきところが残されていますので。

以上、信州レポートを終わります。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)28 『世界美術全集 第17巻 ルネサンスⅡ 西洋十六世紀』 

昭和26年(1951)3月25日 平凡社 下中弥三郎編
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目次
 ルネサンスの偉大と頽廃
 イタリアの美術
  イタリア美術総説 イタリアの建築 イタリアの彫刻 レオナルド・ダ・ヴィンチ
  ミケランジェロ・ブオナローティ ラファエルロ・サンツィオ
  フィレンツェ画派とシエナ画派 北イタリア画派 ヴェネツィア画派 イタリアの工芸
 スペインの美術
 フランスの美術
 ネーデルランドの美術
 イギリスの美術
 ドイツの美術
 図版
  原色版 一六図 グラビア版 一四八図 本文挿図 二四三図
 参照地図
 図版解説
 年表
 参考書目録
 挿図目録
 図版目録

光太郎はこのシリーズ5冊に寄稿しましたが、この巻がその分量が最も多く、ミケランジェロの項はほぼ光太郎の筆になるものです。

「ミケランジェロ・ブオナローティ」及び「図版解説」中の「2 アダムとエバの楽園追放」「4 サン ピエトロ寺のクーポラ」「24 スカラの聖母」「25 ピエタ」「26 奴隷(部分)」「27 ダビデ(頭部)」「28 モーセ(部分)」「29 聖母子」「30 朝」「32 夕」「34 ロンダニー二のピエタ」「35 ブルタス胸像」「56 システィーナ礼拝堂天井画」「57 アダムの創造」「59 エレミヤの右の裸像」「60 人体デッサン」「61 顔デッサン」「62 キリスト(「最後の晩餐」中央像)」です。

講談師・一龍齋貞奈さんによる創作講談です。

一龍斎貞奈 芸歴10周年記念公演 オフィス10・10周年祭り

期 日 : 2026年4月29日(水・祝)
会 場 : 日本橋社会教育会館 東京都中央区日本橋人形町1丁目1番17号
時 間 : 開場17:40 開演:18:00
料 金 : 2,500円

演 目 : 長編創作講談「高村智恵子の恋~そして変へ」
出 演 : 一龍斎貞奈 ゲスト ラバーガール

講談師生活10周年記念ということで、真打昇進へのカウントダウンが聞こえてくる時期に入りました。立派な真打ちになれるよう、話芸でも集客力でも今の実力を明らかにすべく会を企画。昨年の入門10周年&昭和100年記念講演で創作した「高村智恵子の恋」を長編講談に仕上げました。ゲストは大尊敬する先輩のラバーガールさん! 私が楽しみ!
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講談師・一龍齋貞奈さん。昨年、新作講談「高村智恵子の恋」を高座にかけられ、今回と同じ会場での初演は他用のため聞き逃しましたが、神田での再演を拝聴させていただきました。

なかなか詳しく智恵子について調べられていて、細かなエピソードなどもしっかりちりばめられ、大正3年(1914)の光太郎との結婚披露までの若き日の智恵子の姿が生き生きと語られていました。その際からそういうおつもりだったとのことですが、その後の智恵子までを描いた「そして変へ」を追加とのこと。「変」は智恵子の精神の「変調」ということで「変」と思われますが、もしかするとさらに別の意味が込められるのかもしれません。

我ながら一ヶ所に留まっていられない回遊魚のようだなと思いつつ(ちなみに今日はこれから信州安曇野で、光太郎の親友・荻原守衛を偲ぶ碌山忌に出席して参ります)、こちらもチケット予約いたしました(笑)。

皆様もぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)26 『世界美術全集 第21巻 日本Ⅲ』 

昭和25年(1950)11月20日 平凡社 齋藤道太郎編
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目次
 総論  建築・庭園  工芸  絵画  彫刻  図版解説  年表  参考書目録
 図版目録  英文目録
 図版  原色版 一八図  グラビア版 一二六図  本文挿図 一七一図

光太郎執筆部分は「彫刻」中の「一 総説」。のち、中央公論社版『高村光太郎選集』に収められた際、「江戸の彫刻」と改題されました。

近々開催の公演で、合唱とミュージカルだそうです。

はじまりの場所から未来へ

期 日 : 2026年4月26日(日)
会 場 : 多摩市立関戸公民館ヴィータホール 東京都多摩市関戸四丁目72番地
時 間 : 13:30開場 14:00開演
料 金 : 大人 1,500円 高校生以下 1,000円

指揮・構成 : 髙山佳子
出 演 : 多摩ファミリーシンガーズ 穂積浩子 堀川法子(Pf)

第一部
 ぼくらはうたう ゆかいに歩けば 夜明けの馬 ほんとの空 おさんぽたんけんたい
 のびろ竹の子 他
第二部
 おとぎばなしファンタジー むかしむかし物語

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タウン紙『タウンニュース』さん多摩版に予告記事が出ていました。

多摩ファミリーシンガーズ 歌と芝居のステージ 26日、関戸公民館〈多摩市〉

 多摩市を拠点に活動する児童合唱団・多摩ファミリーシンガーズ(高山佳子代表)による演奏会「はじまりの場所から未来へ」が4月26日(日)、関戸公民館ヴィータホールで開催される。午後2時開演(1時30分開場)。
 1977年に発足、来年50周年を迎えることから、子どもたちが考えた未来に向かう舞台を披露する。
 第1部は3・11東日本大震災にちなんだ「ほんとの空」のほか、「ぼくらはうたう」「ゆかいに歩けば」「夜明けの馬」などを歌う。
 第2部では「おとぎばなしファンタジー むかしむかし物語」と題して、小さな子どもたちも知っているような桃太郎や浦島太郎、サルカニ合戦、花咲かじいさん、舌切りすずめといった昔話を演じる=写真。
 高山代表は「50年指導を続け子どもたちがそれぞれ社会への意識を持って歌い続けてくれた。これからの日本を作っていく新しい力になってくれることを願っています」と話している。
 入場料は大人1500円、高校生以下1000円(全席自由)。チケットの申込み・問合せは多摩ファミリーシンガーズ事務局【電話】042・375・8558。
団員募集
 現在、同合唱団では団員を募集している。5歳から15歳までの男女児童生徒。ジュニア・ミドルクラス(年少〜小3)、シンガーズクラス(小4〜高3)。練習日は毎週土曜日午後1時30分〜5時、第2水曜日午後3時〜5時(小学生以下)、練習会場は関・一つむぎ館ほか。見学・体験会日は毎週土曜日(午後2時〜3時30分)。事前申込み(メールinfo@tamasingers.org)。
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第一部で演奏される「ほんとの空」。『タウンニュース』さんにあるとおり、東日本大震災後にその復興支援のため作られた合唱曲です。震災から15年ということで、今回のプログラムに入れられてのではないかと思われます。

作詞は後藤基宗子氏、作曲は多摩ファミリーシンガーズさんを主宰され、ご指導や今回の演奏会でも指揮を務められる髙山佳子氏。「たま・みゆき」のペンネームで作曲されています。
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言わずもがなですが「ほんとの空」の語は光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来。歌詞には「あどけない話」にも謳われる「阿多多羅山(安達太良山)」が謳い込まれています。

震災翌年の平成24年(2012)に東京府中の森劇場さんで開催された社団法人日本童謡協会さんの「子どものコーラス展」で初演。翌平成25年(2013)には、智恵子の故郷・福島二本松、それも智恵子生家/智恵子記念館近くの安達文化ホールさんで行われた「東日本大震災復興支援コンサート ほほえみをあなたに」で演奏されました。その後、作曲者の髙山氏から楽譜とCDをいただき、そちらで拝聴しましたが、生の演奏は聴いたことがありません。

髙山氏、このところ毎年連翹忌の集いにご参加下さっていて、今回のフライヤーもその折にいただき、参会の皆様などにお配りいたしました。

こりゃ行かざぁなるめい、ということで、拝聴に伺います。個人的に、開場の関戸公民館さんのある聖蹟桜ヶ丘近くに半世紀以上前ですが3年半ほど住んでいたことがありまして、旧居附近、母校など歩いてこようかとも思っております。

閑話休題、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)25 『世界美術全集 第24巻 西洋十九世紀Ⅲ』 

昭和25年(1950)5月30日 平凡社 齋藤道太郎編
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目次
 総論
 十九世紀後半の芸術思潮
 建築
  近代建築様式の黎明
 彫刻
  ロダン《フランス》  バルトロメ《フランス》 
  ドガ、ルノアル、ゴーガンの彫刻《フランス》  ベルギーの彫刻家たち《ベルギー》
  ヒルデブラントとその周囲《ドイツ》
 絵画
  新印象主義《フランス》  ポール・セザンヌ《フランス》
  オーギュスト・ルノアル《フランス》  ポール・ゴーガン《フランス》
  オディロン・ルドン《フランス》
  ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、モロー、カリエール、ラファエリ、コッテなど 《フランス》
  ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ《オランダ》  ドイツにおける理想主義の間奏曲《ドイツ》
  ジェームス・アンソール《ベルギー》  スイスの絵画《スイス》
  ジョヴァンニ・セガンティーニ《イタリア》
 工芸
  近代工芸運動とその発展
 図版
  原色版 一八図  グラビア版 一四二図
 本文挿画 二五三図
 参照地図
 図版解説
 年表
 参考書目録
 挿図目録
 図版目録

光太郎は「図版解説」中のいずれもロダン彫刻「10 考える人」「17 姉と弟」を担当しています。

このシリーズでは光太郎、五冊にわたって同じく「図版解説」に稿を寄せました。

智恵子主人公の演劇公演情報を2件。

日程順に、まずは栃木から。

百景社ツアー2026『売り言葉』宇都宮公演

期 日 : 2026年4月18日(土)・4月19日(日)
会 場 : アトリエほんまる 宇都宮市本丸町1-39
時 間 : 4月18日(土)14:00 / 19:00  4月19日(日)14:00
料 金 : 一般:3,000円 U22(22歳以下):1,500円

彫刻家であり詩人でもあった高村光太郎が、妻・智恵子のことを綴った『智恵子抄』。純愛詩集として知られたこの作品を題材として、野田秀樹が"智恵子"側の目線から描いたのが「売り言葉」です。昨年百景社アトリエにて、一人芝居として書かれたこの戯曲を女優3人で上演、好評を博しました。今年は本作でツアー公演を行います。百景社初の宇都宮公演、そして5年ぶりのツアー公演!

【作】野田秀樹  【潤色・演出】志賀亮史
【出演】山本晃子、鬼頭愛(以上、百景社)、久保庭尚子
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「売り言葉」は野田秀樹氏の脚本。平成14年(2002)に大竹しのぶさんによる一人芝居として南青山スパイラルホールさんで初演されました。翌年、野田氏の『二十一世紀最初の戯曲集』(新潮社)に収められ、その後、プロアマ問わず多くの劇団さんや個人の方による公演が毎年のように全国で行われています。今回の百景社さんも、昨年、茨城の土浦で公演なさっています

数ある光太郎智恵子系の演劇の中で、最もシニカルな見方で描かれたもので、光太郎との生活の中で徐々に毀れていく智恵子が表現されていますが、浅い見方しかできない人は光太郎のモラハラ的な部分のみしか目につかず「これで光太郎が嫌いになった」……。

たしかに光太郎は「芸術家たる者、かくあるべし」という部分を自らにストイックなまでに課し、実践しようとしました。しかし、それと同じことを智恵子に強制したかというと、そこは何とも言えません。もはや当事者にしか分からないことでしょうし、当事者二人それぞれでも受け止め方は微妙に異なるでしょうし。

当方としては、光太郎は智恵子に対し「芸術家たる者、かくあるべし」という理想の姿を智恵子に「望み」はしたものの「強制」まではしていなかったのではないかと思っています。光太郎は智恵子の油絵の才能を、そこまで高く評価していませんでした。となると、要求するハードルの高さもそれほどではなかったような気がします。

却って智恵子の方が「芸術家たる者、かくあるべし」という幻想に取り憑かれ、自らハードルの高さを高く設定し、自分で自分を追い詰めていたのではないかと……。もちろん「芸術家たる者、かくあるべし」と追求する姿勢は光太郎に感化されてのものではあったでしょうが。

しかしなかなかそれが思うようにうまくいかない→故郷の造り酒屋に帰って安達太良山の山の上に毎日広がる「ほんとの空」を見て活力を取り戻す→しかし東京に戻るとやはりだめ、の繰り返しでした。それを光太郎も容認していたわけで、つい先日も引用しましたが、「私と同棲してからも一年に三四箇月は郷里の家に帰つてゐた。田舎の空気を吸つて来なければ身体(からだ)が保(も)たないのであつた」(「智恵子の半生」 昭和15年=1940)。光太郎としてはかなり智恵子に自由にさせていたわけです。

ところが、智恵子が追い詰められているという時に光太郎がどれだけ適切なケアをできたのかというと、結果的にはそれが不十分だったわけで、そうして智恵子は毀れてしまったと言えるでしょう。光太郎としては「後から考えればそうだった」と百も承知で『智恵子抄』を編んだのだと思われます。だから戦後の詩文集『智恵子抄その後』の「あとがき」に「「智恵子抄」は徹頭徹尾くるしく悲しい詩集であつた。」と書いているのだと考えられます。

そういったことに思いを馳せながら観ていただきたい脚本です。

百景社さん、「ツアー」と銘打ってらっしゃいます。宇都宮公演を皮切りに、全国4箇所で講演を打たれるそうです。今後の予定は以下の通り。

 津公演  2026年5月16日(土)~5月17日(日)【会場】津あけぼの座(三重県津市)
 長崎公演 2026年5月30日(土)~5月31日(日)【会場】アトリエPentA(長崎県長崎市)
 上田公演 2026年6月13日(土)~6月14日(日)【会場】犀の角(長野県上田市)
 
上記のように諸刃の剣的な要素の濃い脚本ですので、「これで光太郎が嫌いになった」という人が増えないことを望みます。

紹介すべき事項が山積しておりまして、もう1件。富山での公演。

劇団「喜び」公演「智恵子抄」

期 日 : 2026年4月19日(日)
会 場 : ウイング・ウイング高岡 富山県高岡市末広町1番8号
時 間 : 昼の部14:00~ 夕の部18:00~
料 金 : 前売 大人 3,000円 中高生 1,500円/当日 大人 3,500円 中高生 1,500円

出 演 : 茶山千恵子 平田久子

高村光太郎「智恵子抄」に心酔して40年になります。演劇を続けながら、いつか「智恵子抄」を演りたいと強く願うようになり、自分なりの脚本を書いたのが12年前です。それから一人芝居で「智恵子抄」を公演し、1年半前には東京公演に挑戦しました。昨年から、智恵子さんの故郷である福島県二本松に何度も出向き、生家を訪れてきました。私にとっても第二の故郷になりました。

今回の公演では、30年ぶりに再開した平田久子さんに、宮崎春子「紙絵の思い出」を朗読して頂きます。春子さんは智恵子さんの姪で、介護をしてくれました。久子さんは春子さんのイメージにピッタリなので楽しみなんですよ。

朗読から一人芝居へと構成しています。皆様、どうぞお楽しみに~
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富山県高岡市ご在住の茶山千恵子氏。連翹忌の集いにもご参加下さり、地元で光太郎智恵子に関する市民講座講師を務められたり、ご自宅を開放なさって花巻のやつかの森LLCさん考案のレシピを元に調理された「光太郎ランチ」を予約の方に振る舞われたりと、精力的に活動されています。

「智恵子抄」は、令和元年(2019)に富山で、そして一昨年には荻窪小劇場さんで上演されました。こちらは「売り言葉」とは異なり、智恵子へのリスペクト溢れる演出です。

画家の平田久子氏が友情出演的な感じで、智恵子の姪で当時の一等看護婦の資格を持ち、南品川ゼームス坂病院で智恵子の最期を看取った宮崎春子の回想「紙絵のおもいで」を朗読なさるそうです。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)17 『続仏蘭西詩集』 

昭和18年(1943)1月20日 青磁社 菱山修三編
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目次
 山内義雄 共和国戦死者に捧ぐる歌 ポオル・クロオデル
 菱山修三 未知なるものへの祈り ジュウル・シュペルヴイエル
 淀野隆三 ものみな黄昏初める時 レオン-ポオル・フアルグ
 堀口大学 A・O・パルナブウトの詩篇より ヴアルリイ・ラルボオ
 井上究一郎 火 フランシス・ジヤム
 堀辰雄 生けるものと死せるものと ノワイユ侯爵夫人
 青柳瑞穂 マルドロオルの歌 ロオトレアモン
 花島克巳 節度 ポオル・ヴエルレエヌ
 鈴木信太郎 綺語詩篇 ステフアヌ・マラルメ
 高村光太郎 午後の時 エミイル・ヹルハアラン
 あとがき

昭和16年(1941)に同じ青磁社から出た『仏蘭西詩集』の続編という位置づけです。光太郎訳はベルギーの詩人、エミール・ヴェルハーレンの「午後の時」。ヴェルハーレンが妻のマルト・マッサンとの日々を謳った「智恵子抄」にも通じる内容です。

正続ともに戦後にかけ、複数の版が存在します。

NHKラジオさんで放送されている「保阪正康が語る昭和人物史」。 3月までタイトルが「放送100年 保阪正康が語る昭和人物史」で、毎週日曜日の夜にオンエアされていましたが、4月から「放送100年」が取れて、単に「保阪正康が語る昭和人物史」と改題、放送時間も土曜の昼に変更となったそうです。そのリニューアル後の記念すべき初回が、「詩人・彫刻家 高村光太郎 第1回」ということで、先週4月4日(土)のオンエアでした。光太郎の肉声も流されました。
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聞き逃し配信の「らじる★らじる」さんで拝聴しました。ご出演は評論家の保阪正康氏と、ノンフィクション作家・梯久美子氏。番組途中までは、お二人の光太郎智恵子への思いなど。概ね好意的に光太郎を評して下さり、敬愛の念が感じられ、その点は良かったと思いました。

一つ気になったのは「家事」。画家として大成することを目指していた智恵子が「家事」に追われ……みたいな。お二人ともそういう論調でした(光太郎を非難するという感じではありませんでしたが)。

実際、智恵子没後の光太郎の散文「智恵子の半生」に以下の一節があります。

互にその仕事に熱中すれば一日中二人とも食事も出来ず、掃除も出来ず、用事も足せず、一切の生活が停頓(ていとん)してしまふ。さういふ日々もかなり重なり、結局やつぱり女性である彼女の方が家庭内の雑事を処理せねばならず……

結局やつぱり女性である彼女の方が家庭内の雑事を処理せねばならず」。この一言を以て「光太郎=結局は男尊女卑論者」説的なものがまかり通っています。80~90年代に毒舌のジェンダー論でテレビ番組に引っ張りだこだった女性論者など、頭からそう決めつけています。

しかしよく読むと、「一切の生活が停頓」する「さういふ日々」が「かなり重なり」ということは、実際にそういうことがたびたびあったわけで、智恵子が日々「家事」に追われていたわけでもないことが読み取れます。

また、同じ「智恵子の半生」で、

私と同棲してからも一年に三四箇月は郷里の家に帰つてゐた。田舎の空気を吸つて来なければ身体(からだ)が保(も)たないのであつた。

とあり、光太郎がゴリゴリの男尊女卑主義者であれば、そんなことは絶対に許さなかったのではないかと思われます。

また、光太郎は長男でありながら家督相続を放棄し、髙村家は実弟の豊周が嗣いで、光太郎は実家からは出たため、智恵子は舅姑の光雲夫妻と同居せず、「嫁」という立場ではなく、その分楽だったような気もしますし。それから、光太郎智恵子を知る人々の証言として、「光太郎が八百屋などで買い物をしているのはよく見かけたが、智恵子が買い物に出ているのは見たことがない」というのもあります。結局、光太郎、この当時としては一般の男性よりもかなり理解があったのではないかと思われますし、少なくとも「家父長論」的なものに縛られる人物ではなかったと断言できます。

閑話休題、放送の話に戻ります。番組中盤で、いよいよ光太郎肉声。

まずは昭和27年(1952)3月、やはりNHKのラジオ放送のため、花巻温泉松雲閣で詩人・真壁仁との対談が収録された後に収録された自作詩朗読3篇のうち、「風にのる智恵子」(昭和10年=1935)と「千鳥と遊ぶ智恵子」(昭和12年=1937)。いずれも昭和9年(1934)に智恵子が千葉九十九里浜で療養していた頃を回想して後に書かれた詩です。それから、智恵子没後の詩「梅酒」(昭和15年=1940)も収録されましたが、今回はオンエアされませんでした。

以前にも引用しましたが、録音に立ち会ったNHKの熊谷幸博アナウンサーの回想から。

 さらに私どもは詩の朗読の録音もお願いした。これも快く承諾されて、智恵子抄の中から“千鳥と遊ぶ智恵子”“梅酒”“風にのる智恵子”の三編を朗読された。梅酒のくだりではちょっと涙ぐんで朗読がとぎれた。この感動が伝わって私も涙ぐんだ。
(『日本放送史 下』昭和40年=1965 日本放送協会放送史編集室編 日本放送協会)

3篇全ての朗読はかつてNHKさんで販売していたCD『昭和の巨星肉声の記録 文学者編 室生犀星 高村光太郎』に収められています。その直前に収録された真壁との対談、それから下って最晩年の昭和30年(1955)、当会の祖・草野心平と行った対談も。
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また、「千鳥……」と「梅酒」の朗読は、平成14年(2002)山川出版社発行の中学校教材用CD『中学校 音の国語』にも収められています。それから「レモン哀歌」が現代の中田薫さんという方の朗読で。
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どちらも絶版のようですが……。

詩の朗読の後、美術史家で晩年の光太郎に親炙した奥平英雄との対談で、昭和28年(1953)12月27日の録音、翌年1月7日に文化放送さんでオンエアさた「彫刻と人生」から抜粋で。こちらは主に最近の生活ぶり。前年に生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため上京して住んでいた中野の貸しアトリエで、一部はその前に7年間隠棲していた花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)での暮らしです。

こちらは奥平著『晩年の高村光太郎』特装本(瑠璃書房 昭和52年=1977)に対談を収録したカセットテープが附録として付いており、そちらをお貸ししました。
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「彫刻と人生」は、新潮社さん発行の『新潮カセットブック 高村光太郎詩集』(平成2年=1990)に一部が収録されています。どちらも古書籍市場等でしか入手できないようですが……。

ほぼ全文は『高村光太郎全集』第11巻に文字起こしして収められています。ところが良寛の書について述べた数十秒程の部分がなぜか脱漏していまして、その部分は高村光太郎研究会さん発行の『高村光太郎研究(30)』(平成21年=2009)中の当方連載「光太郎遺珠」に収録しました。

さて、4月4日(土)の「第1回」、聞き逃し配信の「らじる★らじる」さんで4月11日(土)午後0:45の配信終了まで聴けます。どうぞお聴き下さい。

また、「第2回」のオンエアが今週末。

保阪正康が語る昭和人物史 詩人・彫刻家 高村光太郎 第2回

NHKラジオ(AM) 2026年4月11日(土) 12:15-12:45

今年没後70年の高村光太郎。大正3年に結婚した智恵子は、次第に体調を崩し、昭和13年に亡くなります。昭和16年太平洋戦争が始まると光太郎は戦争賛美の詩を多数作り、敗戦後は花巻市郊外の山荘で自給自足の生活を送ります。その折々の気持ちをどう表現しているのか?昭和27年3月放送の「自作朗読」で、光太郎は智恵子を思う詩「梅酒」を朗読。昭和29年1月文化放送の「彫刻と人生」では戦後の人生を語っています。

出演 保阪正康 梯久美子


「彫刻と人生」の「第1回」で放送されなかった部分から抜粋があります。

ついでというと何ですが(笑)、当会の祖・草野心平編が4月18日(土)と4月25日(土)です。以前に頂いた企画書的なデータによれば4月18日(土)は「婦人の時間 智恵子抄について」(昭和27年=1952)、4月25日(土)で「わが文学わが回想」(昭和58年=1983)から心平肉声が流れるようです。

それぞれぜひお聴き下さい。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)15 『生活と文化技術』 

昭和16年(1941)11月20日 白水社 網戸武夫編者代表
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目次
 国防と文化 岸田国士      芸術と国民生活 高村光太郎
 生活の真の楽しさ 島木健作   生活と文化 内藤濯
 生活の秩序 片山敏彦      平衡感覚の鍛錬 颯田琴次
 医者の立場から 小林彰     家と生活合理化の方向 大泉博一郎
 住居・生活・文化 網戸武夫   国語教育 高倉テル
 これからの親の責任 波多野勤子 児童文化と児童観の問題 百田宗治
 演劇と生活 遠藤慎吾      文化政策 城戸幡太郎
 文化と教養 上泉秀信

太平洋戦争開戦目前ということで、目次を見てもキナ臭い感じです。光太郎の「芸術と国民生活」は、この年4月の心平主宰『歴程』に載ったものの転載です。

奈良県から演奏会情報です。

田中彩子×藤木大地デュオ・リサイタル2026 大和高田公演

期 日 : 2026年4月11日(土)
会 場 : 大和高田さざんかホール 奈良県大和高田市本郷町6-36
時 間 : 14時00分~
料 金 : 一般3,500円 高校生以下1,000円(当日各500円増)
      友の会会員3,000円(1会員4枚まで、前売りのみ)

コロラトゥーラ・ソプラノとカウンターテナー 二人の声楽家が織りなす至上の響き

ハイコロラトゥーラの美しい歌声で人々を魅了する田中彩子と奇跡と呼ばれるカウンターテナー藤木大地が共演するプレミアムなリサイタル

出 演 : 田中彩子(ソプラノ) 藤木大地(カウンターテナー) 佐藤卓史(ピアノ)
 
曲 目 : G.F.ヘンデル 主は羊飼いのようにその群れを養い
       (オラトリオ《メサイア》より)
      E.ショーソン 二つの二重唱作品11 第1曲「夜」/第2曲「目覚め」
      A.L.ウェーバー ピエ・イエズ
      ペルゴレージ 《スターバト・マーテル》P.77
       Ⅰ悲しみの聖母 Ⅻ肉身は死して朽つるとも
      バッハ 《羊は安らかに草を食み》BWV208
      加藤昌則 レモン哀歌
      
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カウンターテナーの藤木大地氏。光太郎詩に曲を付けた加藤昌則氏作曲の「レモン哀歌」を持ち歌の一つとなさっていて、これまでも各地でのコンサート、リサイタル等で歌われています。昨秋は智恵子の故郷、福島二本松で演奏され、好評を博しました。

今回はソプラノの田中彩子氏と組まれてのデュオ。他にも群馬の高崎などでお二人のデュオ公演が組まれていますが、フライヤーに「レモン哀歌」が書かれているのはこの大和高田公演のみのように思われます。違っていたらすみません。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)12 『風経』 

昭和15年(1940)9月20日 昭森社 森谷均編
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目次
 鷗外先生の「花子」 高村光太郎    模様と工芸 富本憲吉
 花にそへて(陸凱) 小村定吉     帽子 玉村方久斗
 意匠の力 小池新二          支那の石 増田渉
 春江花月夜(隋煬帝) 小村定吉      大陸で見た松 小林勝
 野分 北園克衛            東行先生の質問 土方定一
 三戦争を識る人々 高橋邦太郎     吾々は最早ダンサーでしかない 神原泰
 邪食談義 長田恒雄          鮎 佐藤惣之助
 うるさい夢(ギイ・レヴィヌ・マノ) 山中散生
 電車とバスの話 石田周三       流行歌的生き方 中岡宏夫
 おるがにざとほる 小名木滋      ぜんまい(デツサン) 庫田叕
 恐ろしい大衆 里見勝蔵        毛蟲 蔵原伸二郎
 火翳御愛染(表紙) 棟方志功
 カツト 富本憲吉・里見勝蔵・棟方志功

光太郎を筆頭に、さまざまな人物のさまざまなジャンルの作品が載っている、としか言いようのない不思議な書籍です。並製のペラいもので紙質もよくありませんが、表紙が棟方志功の多色刷り版画だということで、高値が付く場合もあります。

光太郎の「鷗外先生の花子」は、恩師・森鷗外の短編小説「花子」についての評論的なもの。「花子」は確認出来ている限り唯一、ロダンのモデルを務めた女優です。

今週末、都内で開催される朗読劇のご紹介です。

小見川千明のお気楽文学サロンpresents 朗読劇「双視双愛-智恵子抄より-」

期 日 : 2026年4月11日(土)  4月12日(日)
会 場 : ガルバホール新宿  東京都新宿区西新宿6-21-1アイタウンプラザB103
時 間 : 4/11 18:00~ 4/12 14:00~ 18:00~
料 金 : 一般チケット ¥9,000(税込)
      メッセージ付きポストカード特典付き※数量限定前方2列 ¥12,000(税込)

同じ愛を求めていたはずなのに、同じ景色を見ることが叶わない 男女の愛のジレンマを朗読として再構築

原作 高村光太郎  原案 小見川千明  脚本 今浪祐介

出演者
 小見川千明 飯田江未加 飛田剛志 林寛太郎 春内涼花(五十音順)
 ピアニスト coba48  チェリスト 宮景琢充

【4月11日】
 17時 開場  18時 開演
 1部 朗読 春内涼花 飛田剛志
 2部 小粋なトークと贅沢なカラオケ大会 春内涼花 飛田剛志 小見川千明

【4月12日】
 13時 開場  14時 開演
 1部 朗読 飯田 江未加 林 寛太郎
 2部 小粋なトークと贅沢なカラオケ大会 飯田 江未加 林 寛太郎 小見川千明

 17時 開場  18時 開演
 1部 朗読 小見川千明
 2部 小粋なトークと贅沢なカラオケ大会 小見川千明
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アニメ「文豪ストレイドッグス」など多くの作品で声優としてご活躍の小見川千明さん。直接は存じ上げませんが、だいぶ以前からYouTube等に光太郎詩の朗読動画等あげられていて、それで存じていました。最近も今回の公演のプロモーションを兼ねてでしょう、「智恵子抄」収録作品の朗読動画等があがっています。


ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)11 『芸術方法論』 芸術論2

昭和15年(1940)7月5日 河出書房 山際靖著作者代表
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目次
 詩学 工藤好美
 天才と才能 杉田直樹
 環境 小林秀雄
 技巧論 山際靖
 素材と造型 高村光太郎

光太郎の評論「素材と造型」は書き下ろしです。

日中戦争は泥沼化、翌年には太平洋戦争開戦の年の刊行で、既に物資不足の状態と思われ、函も本体も紙質がよくありません。

昨日から宮城県に来ております。現在地は亘理町のファミリーロッジ旅籠屋仙台亘理店。モーターホテルタイプの宿で、3度目の利用です。
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何ゆえ宮城に来ているかと申しますと、過日の連翹忌の集いにもご参加くださり、いろいろお手伝い下さいました声優・朗読家の荒井真澄さんの朗読公演「声優による朗読の夕べ」がありまして、そちらが第一目的でした。公演の中で荒井さんも参会の方々にご紹介下さいましたが、平成24年(2012)以来の長い付き合いです。

そちらが昨日夕方で、その前に光太郎や宮沢賢治と交流があった仙台出身のマイナー詩人、石川善助についての調査。まず石川がらみの古い同人誌的な雑誌に光太郎が寄稿しているというこれまで知らなかった情報を得、その雑誌が仙台文学館さんに所蔵されていることをつきとめ、閲覧に伺いました。
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しかし残念ながら、石川の詩集「亜寒帯」に光太郎が寄せた序文の転載でした。まあ、よくあるケースです。他に数種類の雑誌など閲覧しましたが、結局収穫はありませんでした。

気を取り直して、石川の詩碑がたつ太白区の愛宕神社さんへ。詩碑そのものでなくかたわらの説明板に光太郎の名が記されているという情報を得たもので。
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「仙台総鎮守」と称するなかなかに由緒あるお社でした。

広瀬川流れる岸辺の河岸段丘に鎮座ましまし、市街が一望、遠く見える雪山は蔵王山系でしょうか。
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碑は境内の一角に。
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説明板には確かに光太郎の名。さらに賢治や当会の祖・草野心平の名も記されています。ガセ情報ではなくて、胸をなで下ろしました。

さて、朗読公演に。

会場は宮城野区の「となりのえんがわ」さん。こちらも由緒ある納豆工場の一角、倉庫をリノベーションして作られたレンタルスペース的な施設です。
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どうせ車なのでということで、彩りを添えるために智恵子紙絵と油絵の複製、それから過日の連翹忌の集いで参会の皆さんに配布した様々なフライヤーの残部を持参。
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申し遅れましたが、今回の公演は智恵子抄づくし。
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荒井さんの一つのポリシー的な感じで、全体を一つの流れにし、荒井さん曰く「私は旗を持ってツアー客の皆さんを先導するガイドさんのようなもので、ついて来てくだされば全てがわかります」という形にしたいとのことでした。なるほど、と思いました。

その荒井さん。
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照明の関係であまり写りが良くありませんが、実物は実に可愛らしい方です(笑)。

お客様は20名ほど。皆さん、光太郎智恵子の世界に聴き入られていました。過日、花巻で宮沢賢治実弟の清六令孫の宮沢和樹氏、賢治の親友だった藤原嘉藤治の顕彰に当たられている瀬川正子さんと当方の鼎談「トークイベント 光太郎と賢治 宮沢賢治全集ができるまで」を聴きにいらした一関の方もいらっしゃり、ありがたい限りでした。

終演後、荒井さんと夕食。この後も智恵子の故郷・福島二本松などで朗読なさるとのことでそのあたりの打ち合わせを兼ねて。

光太郎智恵子、それから荒井さんは元々賢治ファンでもあらせられ、末永くその世界の伝道師としてご活躍いただきたいものです。

当方、今日はこの後、千葉に帰ります。「高村光太郎書誌」は休みます。

朗読メインの公演と、「朗読劇」と銘打ったそれと、2件ご紹介します。

まず、仙台から朗読。

となりのえんがわ企画「第二回声優による朗読の夕べ」

期 日 : 2025年4月5日(日)
会 場 : となりのえんがわ 仙台市宮城野区銀杏町4-29 宮城野納豆製造所敷地内
時 間 : 16:30開場 17:00開演 所要時間約1時間
料 金 : 大人1,500円 (当日券2,000円) 小中高生700円 カフェセット付き

出 演 : 声優・朗読家 荒井真澄

昨年11月に続き、となりのえんがわさんの企画で朗読のステージを務めることになりました。1回目は宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」を朗読しました。2回目は高村光太郎作品にスポットを当てます。2026年は智恵子さんが生誕140年光太郎さんが没後70年。お二人に想いを寄せて「智恵子抄」の中から、そして今お伝えしたい光太郎作品をセレクトしたいと思います。

私の求める朗読は、音楽のような朗読。聴く人の体に耳を通して自然に入ってしまう朗読です。人の耳にストレスなく届くことが1番大切だと考えています。心地よい声で内容が届くこと。今回もそれを目指して、皆さんに声で聴く文学を楽しんでいただこうと思います。

よろしければアイマスクご持参ください。寝てくださいということではありませんが眠っても大丈夫🙆‍♀️です。約60分でお届けします。敷地内に無料の駐車場があります。
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これまでも単独で、あるいはテルミン奏者の大西ようこさんや箏曲奏者の元井美智子さんなどと組まれて、「智恵子抄」系の朗読公演をなさってきた荒井真澄さん。今回はソロで「智恵子抄」だそうです。宮沢賢治ファンで、「銀河鉄道の夜」の朗読CDなどをリリースなさり、先月には花巻で開催され、当方も出演させていただいたトークイベント「光太郎と賢治―宮沢賢治全集ができるまで―」を聴きにいらして下さいました。また、明後日の光太郎忌日・連翹忌の集いにもご参加の予定です。

もう1件、こちらは都内で朗読劇公演。

朗読劇「ほんとの空・青い空」

期 日 : 2025年4月9日(木)~12日(日)全6公演
会 場 : シアター風姿花伝 東京都新宿区中落合2-1-10
時 間 : 4月9日(木) ・4月10日(金)19:00~  4月11日(土) 13:00~/19:00~
      4月12日(日) 12:00~/17:00~
料 金 : 4月9日(木)・4月10日(金)・4月12日(日)
       スペシャルシート(1.2列目) 8,000円 一般席 5,000円
      4月11日(土) 蒲鉾さち子氏によるBGM電子ピアノ生演奏
       スペシャルシート(1.2列目) 11,000円 一般席 8,000円
出 演 : 星宏美 津吹みゆ 駿河ヤマト 大滝ひかる 藤田光璃 内田茉莉花 清郷流号
      万姫 杉山菜穂 永森なつ美 堀越あやめ 岡本麻衣 上杉彩葉 山田ハチ

昭和から平成 そして令和へと繋なぐ家族の物語

令和8年春、父 時田 瞬と母 瑞季・娘の平和(ひより)は、小高い丘の公園にやってくる。ここは瞬と瑞季が出会った大切な場所だった。平成25年、亡くなった祖母の思いを継いで友人二人と公園にやってきた女子大生の瑞季は、そこでとある老人と出会う。持ってきた祖母の古い日記を老人に見せる瑞季。時は太平洋戦下の昭和19年、瑞季の祖母である高等女学校二年の佐々木和子のクラスに、田中智恵子という代用教員が赴任してくる。智恵子先生は、優しさの中にも芯の強さを持った女性であり、物語はこの智恵子先生と和子との絆を描きながら進んでいく。そして終戦・・・智恵子先生は? 和子は?・・・そして公園の老人の正体は?・・・

今作では、ラジオドラマでは描ききれなかったシーンと新たに令和時代を加筆し、作品により深みをましました。昨今、社会問題化されている先生と生徒の本来のあり方、生きることの尊さを描いたファミリーヒストリーです。
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複数スポーツ紙で「取材会」の模様が報道されています。

『日刊スポーツ』さん。

津吹みゆ 初の朗読劇心配は「福島なまりが出ないかどうか」

 女優星宏美(37)と歌手津吹みゆ(30)がダブル主演する朗読劇「ほんとの空・青い空」(東京・中落合のシアター風姿花伝、4月9~12日、6公演)の取材会が30日、都内で行われた。
 第2次世界大戦下の1944年(昭19)、高等女学校4年の佐々木和子(津吹)のクラスに代用教員の田中智恵子(星)が赴任してくる。2人の師弟愛を主軸にして生きることの尊さを描く。
 星は「お芝居を始めて20年たちますが初めて演出も手がけます。朗読劇ですが、情景を思い浮かべられるように、ひと言ひと言を自分のものにして伝えていきたい」と意気込みを明かした。
 津吹は「女学校4年の15歳の役です。時代的には祖父母と近い世代で、台本を読み進めると、今も各地で戦争が勃発しているし、まったく人ごとではない。1人でも多くの人に見てほしい。初の朗読劇でたくさんの学びがあります」。
 本職は歌手だ。「歌うのも朗読劇も詞の行間を読むのが通じている。歌も主人公の心情に寄せて歌うし、朗読劇も役柄になりきって心からせりふを言う」と説明した。そして「今回、ドキドキしているのが役が東京都出身なこと。私は福島出身なので、なまらずに最後までセリフを言えるかどうかが心配なんです。昨日もマネジャーさんに本読みを付き合ってもらったら、マネジャーさんも福島の出身。結局、なまっているのかどうかが分からないまま。歌はメロディーがあるからあまり気にならないが、そこは勉強していきたい」と真顔で心配していた。
 この日の会見では役の衣装で実施した。津吹は「昭和初期の格好ですが、もんぺがすごくしっくりしている。着替えた瞬間に周りの人から「写真から飛び出したみたい」と言われてうれしかった。学生時代はブレザーだったのでセーラー服に憧れていました」。
 星はこの日が津吹と初対面。「まだ本格的な稽古は始まっていないけれど、人となりがにじみ出ている。共演が楽しみです。一緒に切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と期待した。
 男性歌謡ユニット、はやぶさの駿河ヤマト(32)と大滝ひかる(38)、藤田光璃(27)も登壇した。
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先月、キャスト募集の件でご紹介させていただいた際に書きましたが、元は令和2年(2020)のラジオドラマでした。

タイトルに光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語が入り、ダブル主演の主人公の一人の名が「智恵子」。太平洋戦争中の話がメインのようで、すでに『智恵子抄』は公刊されている時期です。ただ、どの程度『智恵子抄』オマージュの要素が入るのかは不明ですが。

それぞれ、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)5 『ドラン画集』

昭和2年(1927)11月10日 アトリヱ社 
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目次
 著者肖像
 アンドレ ドラン  高村光太郎
 原色版
  裸体 風景 風景 マルチーグの松林(1912)
 単色版
  自画像 道化役者 不思議の森(1906) 音楽(1907) 風笛吹き(1911)
  公園を見下す窓(1912) マルチイク遠望(1913) 静物(1920)
  女の肖像・裸体(1920) 肖像(1920) 裸婦(1921) モデル(1922) モデル(1922)
  ペツクの風景(1922) 小橋(1922) サン シールの道(1922) 裸婦(1922)
  少年(1922) C夫人(1923) 裸婦(1923) C夫人(1923) 裸婦(1923) 
  栗色の髪のモデル(1924) ヴアルの風景(1925) 風景(1925) 静物 静物
  素描(1919) 素描(1921)   素描(1921) 素描(1921)

フランスのフォービズムの画家で、光太郎も影響を受けたアンドレ・ドランの画集です。光太郎は解説的な評伝「アンドレ ドラン」を寄せています。

光太郎以外の文章は載って居らず、その意味では光太郎の単独執筆に分類しても良いのかもとも思いますが、奥付に光太郎のはありませんし、とりあえず部分執筆扱いにしておきます。

昨日は久々に上京、銀座の王子ホールさんで開催された「朝岡真木子歌曲コンサート第9回@王子ホール」を拝聴して参りました。
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令和元年(2019)に初演され、令和4年(2022)には楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』に収録、令和5年(2023)にメゾソプラノの清水邦子氏の歌唱でCD(ライナーノートを書かせていただきました)もリリースされた組曲『智恵子抄』から抜粋で2曲、「人に」「あどけない話」がプログラムに入っていまして、ご招待にあずかった次第です。
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アンコールまで含めて30曲余り、すべて朝岡氏の作曲です。これだけ精力的に歌曲を作曲、さらに発表なさっている例は稀有なのではないかと思います。「朝岡真木子歌曲コンサート」と銘打つ形はほぼこの時期の定期演奏会的な感じでもう9回を重ね、来年は第10回記念とすでに予告されています。それ以外の特別な演奏会もいろいろ手がけられていますし。

さらに特筆すべきは、全曲、ご自身でピアノ伴奏を弾かれていること。寡聞にして存じませんが、こういう例もあまりないのではないでしょうか。オーケストラ系で作曲者が指揮をするというケースは昔からよくありますが。ちなみに光太郎は、自身の「ラコッツィ行進曲」の初演でタクトを振ったベルリオーズを描いた長詩「ラコツチイ マアチ」(大正10年=1921)を書いています。

歌い手さんは総勢7名の方々。
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「智恵子抄」を歌われたのは、ソプラノの前澤悦子氏。朝岡氏作曲のコンサートご常連ですが、「智恵子抄」を歌われたのは初めてかと存じます(違ったらすみません)。伸びやかな歌声で、美しくも哀しい「智恵子抄」の世界を存分に表現されていました。

それから、昨年、清水邦子氏とのお二人を花巻にご案内した黒川京子氏もご出演。今回は歌われつつMCもなさり、さらに終演後にうかがったところによると、全体の構成もなさったそうで。清水氏はご出演されませんでしたが、客席にいらっしゃいました。ちなみに黒川氏、清水氏、4月2日(木)の連翹忌の集いにご参加予定です。朝岡氏ははずせない用事がおありだそうで……。

全30曲あまり、詩も曲もバリエーションに富み、飽きさせません。歌詞として古いものは、「智恵子抄」の二曲と、光太郎の姉貴分・与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」(明治37年=1904)。少し新しく、立原道造、茨木のり子。また、モチーフとして古いもので、光太郎と同年の明治16年(1883)に生まれた新版画の川瀬巴水作品からインスパイアを受けて、林望氏が書かれた連作詩「夕暮れ巴水」。朝岡氏、昨年には東京オペラシティさんで「秋に寄せる音楽のパレット 朝岡真木子の世界~新作「夕暮れ巴水」の郷愁~斉藤京子の歌とともに」という演奏会もなさっています。それが初演だったのでしょう。
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余談ですが、今、このブログを書いているPCのある自宅兼事務所の執務室には、巴水の複製が一枚、壁にかかっています(後はトイレにも(笑))。

朝岡氏、林氏以外の現代詩人の方々ともご昵懇で、その皆さんの詩に曲を付けられています。そのうち、何人かの詩人さんたちも客席にいらっしゃり、終演後に紹介されていました。星乃ミミナ氏、岡崎カズヱ氏、柏木隆雄氏など。これもこの演奏会での恒例ですが。

その終演後の、全出演者の皆さん。左からお二人目が朝岡氏、二人置いて「智恵子抄」を歌われた前澤氏、右からお二人目が黒川氏です。
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関係の方々の今後のさらなるご活躍を願って已みません。

【高村光太郎書誌】

本人著作(部分)4 『アルス大美術講座』第3巻

大正14年(1925)7月31日 アルス 北原鉄雄編

目次
 油画科
  風景画法 鍋井克之 パステル画法 矢崎千代二
 東洋画科
  人物画法 土田麦僊
 彫塑科
  彫塑総論 高村光太郎 塑造 藤川勇造 鋳銅 藤井浩祐
 美術図案 恩地孝四郎
 工芸美術 畑正吉
 日本美術史(古代) 藤懸静也
 新興美術解説 一氏義良
 名作解説 木村荘八
 技法沿革史
  壁画及びフレスコ 寺崎武男 初学者のための手引 編輯部
  美術家のグループとその生活 編輯部

白秋の実弟・北原鉄雄のアルスから出された『アルス大美術講座』。初め、光太郎を含む当時の錚々たる美術家に執筆を依頼、大正14年(1925)5月から翌年2月まで全10巻で刊行されました。その後すぐに科目ごとに組替えされたり、合本になったりして何度も再刊されました。

光太郎の「彫塑総論」は20ページほど。なぜか8月29日刊行の第4巻にも重複して収められたようです。

手持ちのものは、組替え再刊による合本(大正15年=1926 5月31日)。
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それから昭和5年(1930)7月8日の組替え再刊。巻号が第5巻に変更されています。
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いずれも3月29日(日)開催の、朗読イベントと歌曲演奏会の情報です。

まず朗読。

ミニ朗読会

期 日 : 2026年3月29日(日)
会 場 : 古本屋カフェアトリエ*ローゼンホルツ 千葉県市川市真間2-2-12
時 間 : 15:00〜15:30 
料 金 : 無料

三浦哲郎『みちづれ』 太宰治『雀っこ』 高村光太郎『レモン哀歌』 参加費は無料です。
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大正12年から変わらず在り続ける古民家とも言えない古人家は元銭湯だった頃の家。広い家の中いっぱいにある古本・絵画をはじめとするアート作品を見ながら、ゆっくり時を過ごせるようにカフェとして営業しています。散歩ができるほど広い空間の中で読んだり、見たり、食べたり、書いたり、手作業をしたり...家と対話しながらの自分時間をお過ごしください。古本・アート作品は非売品以外は購入できます。
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同時開催

津軽こぎん刺し 北の星座とサークル展〜津軽のかまりっこ〜
3月1日(日)~3月30日(月) 金土日月/12:00〜17:00

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会期中のアトリエのランチ
 津軽おでんランチ 若生おにぎり 楽しんでください
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ブックトーク 3月29日(日) 13:00~
好きな本を1冊、持ち寄って紹介する本でおしゃべりするカフェ時間です。参加費はカフェオーダーです。
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なかなかシャレオツな感じですね。関係者の方が青森系なのでしょうか。津軽地方名産の「こぎん刺し」の展示やら、「津軽おでんランチ」やら、それから朗読作品も光太郎以外は青森出身の三浦哲郎と太宰治ですし、もちろん光太郎も生涯最後の大作「乙女の像」の関係で青森とは縁が深い人物です。

何もなければ馳せ参じるところですが、当日、下記の演奏会とブッキングしていて、残念です。

朝岡真木子歌曲コンサート第9回@王子ホール

期 日 : 2026年3月29日(日)
会 場 : 王子ホール 東京都中央区銀座4-7-5 
時 間 : 13:30開場 14:00開演
料 金 : 全席自由¥4,500 学生¥2,000

出 演 : 阿部麻子、黒川京子、品田明子、前澤悦子、三繩みどり(S)、志村美土里(Ms)
      馬場眞二(Br)、朝岡真木子(作曲、Pf)

今回は、ソプラノの阿部麻子さん、メゾソプラノの志村美土里さんが初出演いたします。

曲 目 :
 歌曲集『夕暮れ巴水』全曲 詩 林望    「魔法のトビラ」 詩 人見敬子
 「ガラスのオルゴール」 詩 今村佳枝    「ひなげしの花」 詩 こわせ・たまみ
 「メヌエット」 詩 立原道造        「きっと 春は くる」 詩 星乃ミミナ
 「君死にたもうことなかれ」 詩 与謝野晶子 「さくら舞台」 詩 大竹典子
 「わたしは魔女」 詩 冨永佳与子      「そのとき十八の春」 詩 岡崎カズヱ
 組曲『智恵子抄』より「人に」「あどけない話」 詩 高村光太郎

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演奏されるのはすべて作曲家・朝岡真木子氏の作曲によるものです。

組曲『智恵子抄』から抜粋で2曲がプログラムに入っています。同組曲、令和元年(2019)に初演され、令和4年(2022)には楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』に収録、その後も各種演奏会で取り上げられ、「これ、CD化してほしいですね」とぼそっと呟いたところ(笑)、令和5年(2023)にメゾソプラノの清水邦子氏の歌唱でCD「清水邦子が歌う 組曲『智惠子抄』」がリリースされました。言い出しっぺとして責任を取る形で(笑)ライナーノートを執筆させていただきました。

ちなみに楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』、現在2刷が流通しているそうですが、年内には3刷め重版の予定だとのことで、これまでの版に無かった詩集『智恵子抄』についての解説を書けと頼まれました。光栄です。この手の楽譜集がそんなに版を重ねるのは珍しいような気がしますが(逆にとっとと絶版になってオンデマンド出版=注文があった場合のみ製本印刷、というケースが多いように感じています)、それだけ朝岡氏の作品群の魅力が素晴らしいということでしょう。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)78 『ヴェルハーレン 明るい時 午後の時』

平成22年(2010)1月20日 三恵社 高村光太郎訳 阿部誠編
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目次
 巻頭言 はじめに 短歌二首 明るい時 午後の時 注釈 ヴェルハーレン年譜
 高村光太郎年譜 おわりに

ベルギーの詩人、エミール・ヴェルハーレン(光太郎による表記は「ヹルハアラン」)の詩集「時の三部作」。このうち「明るい時」は光太郎訳で大正10年(1921)に芸術社から刊行され、「午後の時」光太郎訳は各種雑誌やアンソロジーに断片的に収められました。「夕の時」翻訳は手をつけたものの発表はされなかったようです。

編集した阿部氏による自費出版的な刊行のようです。「短歌二首」はヴェルハーレンについて謳った光太郎短歌です。

声優の池田昌子さんが亡くなられました。

時事通信さん配信記事。

声優の池田昌子さん死去 「銀河鉄道999」メーテル役

 池田 昌子さん(いけだ・まさこ=声優)3日午後0時27分、脳出血のため病院で死去、87歳。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。
 アニメの「銀河鉄道999」でメーテル役、「エースをねらえ!」でお蝶(ちょう)夫人こと竜崎麗香役、「火の鳥」の火の鳥役などを務めた。洋画ではオードリー・ヘプバーンの吹き替えを担当し、「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」「ティファニーで朝食を」などに携わった。


スポニチさん。

声優の池田昌子さん急死 87歳 「銀河鉄道999」メーテル、ヘプバーン吹き替えで知られる

000 アニメ「銀河鉄道999」のメーテルや女優オードリー・ヘプバーンの吹き替えなどで知られる声優の池田昌子(いけだ・まさこ、本名浜田昌子=はまだ・まさこ)さんが3日午後0時27分、脳出血のため死去した。87歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。
 所属団体によると、最後の仕事は昨年11月10日に収録したテレビ東京「ありえへん∞世界」のナレーション。関係者は「高齢だったので、仕事をセーブしていましたが、特に持病もなく過ごしていました。急死でした」と話した。お別れの会などは予定されていない。
 児童劇団に入っていたことから子役として映画やドラマに出演。その後、声優業も並行して行うようになった。あるドラマのプロデューサーから「吹き替えはしょせん裏街道。女優なら表街道を歩け」と言われ、「裏街道と言われないようにする」と奮起。声優の仕事に軸足を移した。
 1968年、「許されざる者」で初めてオードリー・ヘプバーンの吹き替えを担当。これが評判となり、その後「昼下りの情事」「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」「マイ・フェア・レディ」とヘプバーンの代表作で日本語吹き替えを任された。
 78年、再び大きな出会いが訪れた。松本零士さん原作のテレビアニメ「銀河鉄道999」でヒロイン、メーテルを演じることになった。主人公の星野鉄郎と銀河鉄道999号で宇宙を旅する謎の美女。作品は映画化もされるほど大ヒットし、社会現象化。気品漂う池田さんの声はメーテルのイメージにぴったりで、池田さんの代表作になった。23年6月に行われた松本零士さんのお別れ会でも、メーテルとして弔辞を読んだ。インタビューでは「今もなお、彼女と共に生きている感覚です。自分の分身、私の一部」と語っていた。
 松本零士さんの事務所はSNSで「池田さん演じるメーテルの穏やかでたおやかなお声に松本自身どんなに癒やされたことでしょう。星の海のプラットホームにて松本がお待ちしていると思います」と追悼した。
 池田 昌子(いけだ・まさこ)1939年(昭14)1月1日生まれ。声はメゾソプラノ。「エースをねらえ!」のお蝶夫人など芯の強い女性役が多い。日本コカ・コーラの緑茶「綾鷹」などCMナレーションでも活躍。07年、第1回声優アワード功労賞。
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我々の世代ですと、やはりメーテルやお蝶夫人のイメージの強い池田さんですが、光太郎詩の朗読にも取り組まれていた関係で、何度かお会いしたことがあります。

まず当会主催の連翹忌の集い。平成9年(1997)の第41回を皮切りに、断続的に7回ほどご参加下さいました。一度、たまたま同じテーブルに座らせていただいたことも。お上品な佇まいの中にも、気さくな雰囲気を漂わせていらっしゃいました。

それから、平成13年(2001)、千葉県松戸市の森のホール21での公演「音楽と朗読による「智恵子抄」」の際。ソプラノ歌手の稲見里恵さんとピアノ伴奏の頼田恵さんで、清水脩作曲の歌曲「智恵子抄」、合唱で一般公募の「智恵子抄」合唱団さんによる、やはり清水脩作曲の「智恵子抄巻末のうた六首」。そして合間に池田さんの朗読が入る構成でした。
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この頃、池田さんはわりと盛んに光太郎詩朗読等に取り組まれていらして、声優仲間の政宗一成さんと組まれてCDをリリースされたりもなさいました。下は平成17年(2005)頃、自主制作されたCD。
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久々に聴いてみましたが、実に耳に優しい落ち着いた、しかし哀愁を帯びたお声で、さすがとしか言いようがありません。

政宗さん著のCDブック(平成16年=2004)にも朗読でご参加。
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それから、日本テレビさん系列で放映されていた教養番組「知ってるつもり⁈」でナレーションを担当されていました。平成10年(1998)5月17日には「高村智恵子」の回。このナレーションも絶品でした。
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この分野での至宝が失われた感が強く、残念でなりません。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)72 『智恵子抄』

平成11年(1999)1月25日 角川書店(角川文庫) 高村光太郎著 中村稔編
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目次
 『智恵子抄』(初版)(全)
  人に 或る夜のこころ おそれ 或る宵 郊外の人に 冬の朝のめざめ 深夜の雪
  人類の泉 僕等 愛の嘆美 晩餐 樹下の二人 狂奔する牛 鯰 夜の二人
  あなたはだんだんきれいになる あどけない話 同棲同類 美の監禁に手渡す者
  人生遠視 風にのる智恵子 千鳥と遊ぶ智恵子 値ひがたき智恵子 山麓の二人
  或る日の記 レモン哀歌 荒涼たる帰宅 亡き人に 梅酒 うた六首 智恵子の半生
  九十九里浜の初夏 智恵子の切抜絵 詩集「智恵子抄」目次年表
 『智恵子抄』補遺
  涙 からくりうた 梟の族 人に 淫心 金 うた一首 新茶の幻想 某月某日
  某月某日 某月某日 某月某日 『智恵子抄』補遺作品年表
 『智恵子抄』以後
  松庵寺 報告 噴霧的な夢 若しも智恵子が 元素智恵子 メトロポオル 裸形 案内
  あの頃 吹雪の夜の独白 智恵子と遊ぶ みちのく便り 三 「樹下の二人」 父との関係
  『智恵子抄』以後 作品年表
 解説 中村稔
 年譜 北川太一

「智恵子抄裁判」で原告側の証人として出廷した、弁護士でもあらせられる文芸評論家・中村稔氏の編です。いろいろ大人の事情があったようで、後の版ではタイトルが『校本 智恵子抄』と改められ、現在も入手可能です。

たまたまでしょうが、3月19日(木)と20日(金)に3件、朗読系のイベントが集中しています。開催場所は全国各地に分散していますが、すべて東北がらみです。

まず都内から。

五所川原神明宮再建応援企画 雅の会チャリティ朗読会

期 日 : 2026年3月19日(木)
会 場 : Janus Creation(ジェーナスクリエイション)東京都武蔵野市西久保1-6-20
時 間 : ① 11:30~ ② 15:00~
料 金 : 2,500円(1ドリンク付)

作 品 : 「蜜柑」芥川龍之介 「智恵子抄」高村光太郎 「カチカチ山」「雀こ」太宰治
出 演 : 中村雅子(朗読家)
      唐ひづる・小針光代・西山葉子・三浦公仁子・水谷薫
      百田悦子・山下佐千子(以上 雅の会メンバー)
予 約 : 090−1606-9822(10時〜17時)

五所川原市にあります神明宮様の拝殿が、2024年3月原因不明の火事により拝殿を焼失しました。その再建には3億円がかかるとも言われます。少しでも再建を応援いたしたく、2025年からチャリティ朗読を企画、最低限の経費を除く全額を神明宮様に寄付させてただ来ました。その2回目を3月19日に三鷹で行います。

今回も、中村がご指導している「雅の会」の有志がチャリティに賛同してくれまして、朗読を披露いたします。是非、お越しくださいまして、神明宮様の拝殿再建にご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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太宰治生家の斜陽館さんと同じ(10㌔㍍ほどの距離)、青森県五所川原市の神明宮さんの再建応援だそうです。拝殿が令和6年(2024)3月に全焼、だそうで。

中村雅子氏の朗読、平成26年(2014)に浅草で拝聴したことがあります。その際は「東日本大震災復興支援チャリティ」と冠され、やはり太宰作品や「智恵子抄」が取り上げられました。

中村氏、他にも相模原や喜多方で公演のあった「森のコンサート マリンバの響き ~智恵子抄の世界~」などで「智恵子抄」を取り上げて下さっています。

共演なさる唐ひづる氏は令和5年(2023)に高円寺で開催された「ろうどくdeおもてなし 七夕公演~会えば何かがはじまる~【夜公演】」でやはり「智恵子抄」を朗読された方です。

続いて大阪。

朗読とプロパノータの夕べ vol.27~五感に届く朗読会~

期 日 : 2026年3月19日(木)
会 場 : Conteur 絵本カフェ&バー 大阪市中央区今橋2丁目2−9今橋ビル3階 
時 間 : ① 16:00~ ② 19:00~ 
料 金 : チャージ:2,500円 (チーズケーキ&コーヒーか紅茶)

定 員 : 各回7名 ☆要予約
出 演 : 加納恵美子

今回の朗読は、高村光太郎 作品より『山の春』『山の秋』『山の雪』をお届けします。詩人•彫刻家として有名な高村光太郎は、晩年の7年半を岩手県花巻市の山小屋で暮らしました。そこで書かれた随筆には、山の風景と季節ごとの自然が、みずみずしい感覚で活き活きと描かれています。そんな山の様子を、ご一緒に感じていただければ幸いです。ご予約をお待ちしております。

肩の不調により、今回はプロパノータ演奏は行いません。申し訳ありませんが、ご了承くださいませ。
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「プロパノータ」て何? と思って調べたところ、「廃材となったプロパンガスのボンベを利用してつくる打楽器」だそうです。ただ、数日前になって演者の方の体調不良でそちらの演奏は無しになったと告知されました。残年ですが、致し方ありませんね。お大事にどうぞ。

取り上げられるのは光太郎エッセイ「山の春」(昭和26年=1951)「山の秋」(昭和28年=1953)など。いずれも花巻郊外旧太田村に隠棲中に書かれたもので、暮らしていた山小屋(高村山荘)周辺の様子が描かれています。

最後に仙台から。

深田久弥没後55周年記念 ~朗読・音楽・映像の旅~「深田久弥 日本百名山-ある男の登山記録と共に-」

期 日 : 2026年3月20日(金)
会 場 : エル・パーク仙台ギャラリーホール 仙台市青葉区一番町4-11-1
時 間 : 14:00~
料 金 : 前売り3,000円 当日3,500円 高校生以下無料(要予約)

演出/竹井みどり ピアノ・作曲/稲垣達也 ケーナ・笛/高橋易宏
朗読/茅根利安、上島奈津子

主催は「朗読サロンぽぷら」代表 竹井みどりさん。亡き夫、竹井稔夫さんは山に魅せられ、深田久弥が選定した「日本百名山」を完全踏破したのでした!稔夫さんの登山記録や深田久弥「日本百名山」や智恵子抄をはじめ山々にまつわる文章の朗読・劇を大活躍のお二人--茅野利安、上島奈津子さんが担当
♫ 音楽は私 稲垣達也のPianoとケーナ・尺八・能管etc奏者 高橋易宏がオリジナル曲&即興演奏を生演奏で担当。竹井稔夫さんの残した写真のスライドをふんだんに織り交ぜておおくりします。
<ご予約>以下までお名前、人数をお知らせいただければ予約リストに加え、当日受付で前売り料金にて精算させていただきます。
電話予約 080-5000-4596 (竹井) メール inagakipiano@gmail.com (稲垣)
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深田久弥は『日本百名山』の中で安達太良山をリストアップし、「智恵子抄」がらみで紹介しています。光太郎は深田の著書『津軽の野づら』の再版(昭和20年=1945)を花巻郊外旧太田村の山小屋で版元から贈られたことが書簡に記されています。

というわけで、東北がらみの光太郎作品朗読、それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)70 『智恵子抄』 五十年記念愛蔵版 特装限定版

平成3年(1991)11月20日 龍星閣 高村光太郎著
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目次
 人に             明治四十五年七月
 或る夜のこころ        明治四十五年八月
 おそれ            明治四十五年八月
 或る宵            大正元年十月
 郊外の人に          大正元年十一月
 冬の朝のめざめ        大正元年十一月
 深夜の雪           大正二年二月
 人類の泉           大正二年三月
 僕等             大正二年十二月
 愛の嘆美           大正三年二月
 晩餐             大正三年四月
 樹下の二人          大正十二年三月十一日
 狂奔する牛          大正十四年六月十七日
 鯰              大正十五年二月五日
 夜の二人           大正十五年三月十一日
 あなたはだんだんきれいになる 昭和二年一月六日
 あどけない話         昭和三年五月十日
 同棲同類           昭和三年八月十六日
 美の監禁に手渡す者      昭和六年三月十二日
 人生遠視           昭和十年一月二十二日
 風にのる智恵子        昭和十年四月二十五日
 千鳥と遊ぶ智恵子       昭和十二年七月十一日
 値ひがたき智恵子       昭和十二年七月十二日
 山麓の二人          昭和十三年六月二十日
 或る日の記          昭和十三年八月二十七日
 レモン哀歌          昭和十四年二月二十三日
 荒涼たる帰宅         昭和十六年六月十一日
 亡き人に           昭和十四年七月十六日
 梅酒             昭和十五年三月三十一日
 うた六首                         
 智恵子の半生         昭和十五年九月
 九十九里浜の初夏       昭和十六年五月
 智恵子の切抜絵        昭和十四年一月 
 編集者附記 澤田伊四郎

昭和16年(1941)にオリジナル『智恵子抄』を上梓した龍星閣が、第83刷を「五十年記念愛蔵版」として出したもの。昨日御紹介したバックラム装の上製版と、さらに二重函(内函は麻布装)、三方金、羊皮表紙の220部限定特装版の2種類が同時に出版されました。

都内から演奏会情報です。

銀座ぶらっとコンサート #216 宮本益光の王子な午後38 ~別れの歌~

期 日 : 2026年3月11日(水)
会 場 : 王子ホール 東京都中央区銀座4-7-5
時 間 : 13:30開演
料 金 : 全席指定 4,000円

平日の昼下がり、銀座でのお買い物のついでに、お友達との銀ぶらの途中に立ち寄れる気軽なコンサート、『銀座ぶらっとコンサート』第216回は、王子ことオペラ歌手の宮本益光が魅惑のバリトンと楽しいトークで綴る大人気シリーズの第38回。別れの歌を切々と、あっさりと、うじうじと、様々なシーンをお聴かせしましょう、お見せしましょう。

プログラム
 モーツァルト:オペラ『フィガロの結婚』より もう飛ぶまいぞこの蝶々
 文部省唱歌:仰げば尊し
 三木たかし:友だちはいいもんだ
 ハイドン:別れの歌
 ヴォルフ:あばよ
 モーツァルト:オペラ『魔笛』より パパゲーナ、パパゲーナ、パパゲーナ!
 グノー:オペラ『ファウスト』より 故郷を離れる前に
 加藤昌則:レモン哀歌
     :桜の背丈を追い越して
     :「刻(とき)の里標石(マイルストーン)」より じゃあね

出演 宮本益光(バリトン) 加藤昌則(作曲/ピアノ)
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これまでもたびたび宮本益光氏の歌唱で各種演奏会に取り上げられてきた、加藤昌則氏作曲の「レモン哀歌」がプログラムに入っています。令和4年(2022)にはCDもリリースされています。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)65 『愛の時』

昭和57年(1982)4月2日 アムリタ書房 ヹルハアラン著 高村光太郎訳
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目次
 明るい時 LES HEURES CLAIRES
  Ⅰ おう さんらんたるわれらのよろこび
   O LA SPLENDEUR DE NORTRE JOIE
  Ⅱ 無言のままわれらの歩くこの明るい花園が
   QUOIQUE NOUS LE VOYIONS FLEURIR DEVANT NOS YEUX
  Ⅲ この野蛮な柱頭、そこには怪物等が身をもだえ
   CE CHAPITEAU BARBARE OU DES MONSTERES SE TORDENT
  Ⅳ 夜の空はひろがり
   LE CIEL EN NUIT S'EST DÉPLIÉ
  Ⅴ いつでも,かほど純真にふかい
   CHAQUE HEURE OÙ JE SONGE À TA BONTÉ
  Ⅵ あなたは時としてあのなよやかな美を示す,
   TU ARBORES PARFOIS CETTE GRÂCE BÉNIGNE
  Ⅶ おう! 戸を叩かせて置かう,
   OH! LAISSE FRAPPER CETTE GRÂCE BÉNIGNE
  Ⅷ あどけない頃のやうに,私は自分の心をあなたに上げた,
   COMME AUX ÂGES NAÏFS JE T'AI DONNÉ MON C CEUR
  Ⅸ わかい,気のやさしい春は
   LE PRINTEMPS JEUNE ET BÉNÉVOLE                           
  Ⅹ しづかに来て
   VIENS LENTEMENT T'ASSEOIR
  Ⅺ 火のやうな恍惚の眼をして
   COMBIEN ELLE EST FACILEMENT RAVIE
  Ⅻ 長い間私のくるしんでゐた時,
   AU TEMPS OÛ LONGUEMENT J'AVAIS SOUFFERT
  ⅩⅢ どういふわけか何故なのかいはれは何か
   ET QU'IMPORTENT ET LES POUQUOIS ET LES RAISONS
  ⅩⅣ 黄金と花との階段をしづしづ降りる
   A CES REINES QUI LENTEMENT DESCENDENT
  ⅩⅤ 私はあなたの涙に,あなたの微笑みに,
   JE DÉDIE À TES PLEURS, À TON SOURIRE
  ⅩⅥ 私はあなたの二つの眼の中に自分の魂全てを溺らす,
   JE NOIE EN TES DEUX YEUX MON ÂME TOUT ENTIÈRE
  ⅩⅦ われらの眼を愛するため
   POUR NOUS AIMER DES YEUX
  ⅩⅧ われらあの愛の園に,夏はつづく。
   AU CLOS DE NOTRE AMOUR, L'ÉTÉ SE CONTINUE
  ⅩⅨ あなたの明るい眼,あなたの夏の眼が,
   QUE TES YEUX CLAIRS, TES YEUX D'ÉTÉ
  ⅩⅩ 言つてごらん,私の質素な私の静かな友よ,
   DIS-MOI MA SIMPLE ET MA TRANQULLE AMIE
  ⅩⅪ われら自身以外の一切のものからこんなに遠く
   EN CES HEULES OÙ NOUS SOMMES PERDUS
  ⅩⅫ おお! この幸福!
   OH! CE BONHEUR!
  ⅩⅩⅢ 生きませう,われらの愛とわれらの熱情とに。
   VIVONS DANS NOTRE AMOUR ET NOYRE ARDEUR
  ⅩⅩⅣ われらの口の触れ合ふやいなや
   SITOT QUE NOS BOUCHES SE TOUCHENT
  ⅩⅩⅤ 底知れぬ深さ神のやうに聖い
   POUR QUE RIEN DE NOUS DEUX N'ÉCHAPPE ÀNOTRE ÉTREINTE
  ⅩⅩⅥ たとひもう,こよひ,
   BIEN QUE DÉJÁ, CE SOIR
  ⅩⅩⅦ からだを捧げるとは,魂のある以上,
   LE DON DU CORPUS, LORSQUE L'ÂME EST DONNÉE
  ⅩⅩⅧ われらのうちにたつた一つの心やさしさ,
   FUT-IL EN NOUS UNE SEULE TENDRESSE
  ⅩⅩⅨ 炎に花咲く美しい庭は
   LE BEAU JARDIN FLEURI DE FLAMMES
  ⅩⅩⅩ もし万一にも
   S'IL ARRIVE JAMAIS
 午後の時 LES HEURES D'APRÈS-MIDI
  Ⅰ 年は来ました、ひと足ひと足,ひと日ひと日,
   L'ÂGE EST VENU, PAS Á PAS, JOUR Á JOUR
  Ⅱ 六月の薔薇,おん身最も美しいもの,
   ROSES DE JUIN, VOUS LES PLUS BELLES
  Ⅲ 若しほかの花々が家をかざり
   SI D'AUTRES FLEURS DÉCORENT LA MAISON
  Ⅳ 陰は浄まりあけぼのは虹いろ。
   L'OMBRE EST LUSTRALE ET L'AUROPE IRISÉE
  Ⅴ 私は,こよひ,おみやげとして,あなたにあげる,
   JE T'APPORTE, CE SOIR, COMME OFFRANDE, MA JOIE
  Ⅵ ふたりして路ばたに腰かけよう,
   ASSEYONS-NOUS TOUS DEUX PRÈS DU CHEMIN
  Ⅶ しづかに,なほもしづかに,
   TRÈS DOUCEMENT, PLUS DOUCEMENT ENCORE
  Ⅷ われらの愛の生れるわけであつたこの家には,
   DANS KA MAISON OÚNOTR AMOUR A VOULU NATRE
  Ⅸ 窓をあけひろげて
   LE BON TRAVAIL, FENÊTRE OUVERTE
  Ⅹ まつたき信がわれらの愛の底に住む。
   TOUTE CROYANCE HABITE AU FOND DE NOTRE AMOUR
  Ⅺ  暁、陰、夕暮,空間,星。
   L'AUBE L'OMBRE, LE SOIR, L'ESPACE ET LES ÉTOIRES
  Ⅻ 今は善い時,ラムプのつく時。
   C'EST LA BONNE HEURE, OÛ LA LAMPE S'ALLUME
  ⅩⅢ 過ぎ去つた年の死んだ接吻が
   LES BAISERS MORTS DES DÉFUNTES ANNÉES
  ⅩⅣ われらが同じ思に生きてゐてもう十五年。
   VOICI QUINZE ANS DÉJÀ QUE NOUS PENZONS D'ACCORD
  ⅩⅤ 永遠にわれらの喜は麻痺したと思つた,
   J'AI CRU Á TOUT JAMAIS NOTRE JOIE ENGOURDIE
  ⅩⅥ われらのまはりに生きる一切のもの,
   TOUT CE QUI VIT AUTOUR DE NOUS
  ⅩⅦ 私の感覚,私の心,私の頭脳,
   AVEC MES SENS, AVEC MON C ŒUR ET MON CERVEAU
  ⅩⅧ 爽やかな静かな健康の日々,
   LES JOURS DE FRAICHE ET TRANQUILLE SANTÉ
  ⅩⅨ 私は眠の林から出て来た。
   JE SUIS SORTI DES BOSQUETS DU SOMMEIL
  ⅩⅩ ああ,病の鉛が,
   HÉLAS! LORSQUE LE PLOMB DES MALADIES
  ⅩⅪ 明るい庭こそ健康そのもの。
   LE CRAIR JARDIN, C'EST LA SANTÉ
  ⅩⅫ 六月であつた,庭での事,
   C'ÉTAIT EN JUIN, DANS LE JARDIN
  ⅩⅩⅢ 身を捧げるだけでは足らず,あなたは自身を濫費する。
   ET TE DONNNER NE SUFFIT PLUS, TU TE PRODIGUES
  ⅩⅩⅣ おう もの一つ動かぬ静かな夏の庭よ。
   O LE CALME JARDIN D'ÈTÈ OÚ RIEN NE BOUGE
  ⅩⅩⅤ 時間も気持ちも,まるで別,
   COMME Á D'AUTRES, L'HEURE ET L'HUMEUR
  ⅩⅩⅥ 美しい夏の金色の小舟等は,
   LES BARQUES D'OR DU BEL ÉTÉ
  ⅩⅩⅦ 感覚の熱,心情の熱,霊魂の熱,
   ARDEUR DES SENS, ARDEUR DES CŒURS, ARDEUR DES ÂMES
  ⅩⅩⅧ 不動の美は
   L'IMMOBILE BEAUTÉ
  ⅩⅩⅨ そなたは,あの夕,あんな美しい言葉をきかせてくれた。
   VOUS M'AVEZ DIT, TEL SOIR, DES PAROLES SI BELLES
  ⅩⅩⅩ 「明るい朝の時」「午後の時」
   《HEURES DU MATIN CLAIR》《HEURES D'APRÈS SI BELLES》
 夕の時 LES HEURES DE SOIR
  Ⅰ DES FLEURS FINES ET MOUSSEUSES COMME L'ÉCUME
  Ⅱ  S'IL ÉTAIT VRAI
  Ⅲ LA GLYCINE EST FANÉE ET MORTE EST L'AUBPINE
  Ⅳ METS TA CHAISE PRÉS DE LA MIENNE
  Ⅴ SOIS-NOUS PROPICE ET CONSOLANTE ENCOR
  Ⅵ HÉLAS! LES TEMPS SONT LOIN
  Ⅶ LE SOIS TOMBE, LA LUNE EST D'OR
  Ⅷ LORSQUE TA MAIN CONFIE
  Ⅸ ET MAINTENANT QUE SONT TOMBÉS
  Ⅹ QUAND LE CIEL ÉTOIREÉ COUVRE NOTRE DEMEUR
  ⅩⅠ  AVEC LE MÉME AMOUR QUE TU ME FUS JADIS
  ⅩⅡ  LES FLEURS DU CLAIR ACCUEIL
  ⅩⅢ  LORSQUE S'ÉPAND SUR NOTRE SEUIL
  ⅩⅣ SI LE SORT NOUS SAUVA DES BANALES ERREURS
  ⅩⅤ NON, MON ÂME JAMAIS DE TOI NE S'EST LASSÉE
  ⅩⅥ QUE NOUS SOMMES ENCORE HEUREUX
  ⅩⅦ SUBIRONS-NOUS, HÉLAS! LE POIDS MORT DES ANNÉES
  ⅩⅧ LES MENUS FAITS, LES MILLE RIENS
  ⅩⅨ VIENS JUSQU'Á NOTRE SEUIL RÉPANDRE
  ⅩⅩ QUAND NOTRE JARDIN CLAIR
  ⅩⅩⅠ AVEC MES VIEILLES MAINS
  ⅩⅩⅡ SI NOS CŒURS ONT BRÛLÉ EN DES JOURS EXALTANTS
  ⅩⅩⅢ EN CE RUGUEUX HIVER OU LE SOLEIL FLOTTANT
  ⅩⅩⅣ PEUT-ÊTRE
  ⅩⅩⅤ OH! TES SI DOUCES MAINS
  ⅩⅩⅥ LORSQUE TU FERMERAS MES YEUX Á LA LUMIÈRE
 ヹルハアラン 高村光太郎
 解説 北川太一

ベルギーの詩人、エミール・ヴェルハーレンの詩集「時の三部作」。このうち「明るい時」は光太郎訳で大正10年(1921)に芸術社から刊行されました。「午後の時」光太郎訳は各種雑誌やアンソロジーに断片的に収められたものの、まとめられたことはありませんでした。さらに光太郎は「夕の時」翻訳は手をつけたものの発表はされなかったようです。そこで本書では「夕の時」はヴェルハーレンの原文で収録しています。

また、光太郎の評伝「ヹルハアラン」(昭和8年=1933)を追補、当会顧問であらせられた北川太一先生が解説をご執筆。「光太郎生誕100年記念出版」という位置づけでした。

音楽作品を入手するにはストリーミング(配信)が主流、もはやCDも時代遅れ的な風潮の昨今ですが、逆にアナログレコードのブームも起きているそうです。実際、人気ミュージシャンがアナログレコードでのリリースを盛んに行っています。デジタルとは異なる音質や、アーティスティックなジャケットを持つ盤を「所有」する面白さなどがウケているようで。

「智恵子抄」オマージュの楽曲を含むアルバムでも。

Love Log ic(Clear Purple Vinyl)

発 売 日 : 2026年2月20日
アーティスト   : Minuano
レーベル  : Quiet Recordings / JET SET
定 価   : 4,950円(税込)

Lampの榊原香保里をフィーチャーしたMinuanoの1stアルバムがアナログ再発決定!

 ジャパニーズ・ポップに新風を吹き込んだ2009年リリースの名盤がクリアパープル・カラーヴァイナル仕様でリイシュー!
 パーカッショニスト、コンポーザーとして活躍する尾方伯郎が主宰するプロジェクトMinuano。彼らのデビュー・アルバムである本作は、ソフトロックやジャズ、シティポップを独自の視点で再構成したサウンドスケープと榊原香保里 (Lamp) の透き通る歌声が溶け合った、気だるくもあたたかな浮遊感に包まれる傑作。ボッサ・テイストの柔らかなアレンジとフルートの音色にイントロから引き込まれる「レモン哀歌」、複雑かつ鮮やかなコード進行と榊原のウィスパーボイスが絡みあう「それいゆ」、Minuanoとして初めて制作された楽曲である「陽だまりの午後に」など、極上のポップスがめくるめく展開するドラマチックな名盤です。

ソングリスト
 レモン哀歌 春宵の哀しみ 果てるともなく続く宙 それいゆ 午后の翼 恋人たちの雨
 裸足のシルエット 雨色日記 恋、咲き初めり 陽だまりの午後に
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当方、平成21年(2009)発行と思われるCDを持っています。
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令和4年(2022)には、<Clear Pink Vinyl/限定盤>としてやはりアナログレコード化され、その存在を知り、アナログ盤ではなく中古CDを安く購入しました。

「レモン哀歌」、歌詞は光太郎詩の通りではなく、そこからインスパイアされたもので、歌われている榊原香保里さんによる作詞です。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)56 『ロダンの言葉抄』 

昭和35年(1960)7月5日 岩波書店(岩波文庫) 高村光太郎訳 高田博厚・菊池一雄編
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目次
 ジユディト クラデル筆録
  「ロダンの人と作」より
  「ロダン伝」より
  クラデル編「ロダン」より
   ロダン手記
  クラデル著「ロダン」より
   女の肖像 芸術家の一日 ゴティックの線と構造 芸術と自然 ゴティックの天才
  雑誌「センチュリー」一九一四年五月号より
   ロダンの手帳
 フレデリク ロートン筆録
  古代芸術の教訓(その一) 古代芸術の教訓(その二) 断片 ロートン「ロダン伝」より
  ロートン「ロダン小伝」より
 ポール グゼル筆録
  グゼル編「芸術」より
   肉づけ 芸術における神秘 芸術における動勢 断片 フィディアスとミケランジェロ
   女の美
 「岡の上にて」より
  「ロダンの家にて」より 若き芸術家達に(遺稿)
 ギュスターヴ コキヨ筆録
  「ロダン」より 「真のロダン」より 
  「ロテル ド ビロン及びムードンにおけるロダン」より 断片
 カミーユ モークレール筆録
 その他
  「芸術及び芸術家」特別号より パトレット筆録(ダークス「ロダン小伝」より)
  クラリ筆録(ダークス「ロダン小伝」より)
 解説 高田博厚
 年表

大正5年(1916)に阿蘭陀書房から出た初版『ロダンの言葉』、同9年(1916)に叢文閣から出た初版『続ロダンの言葉』から、光太郎と交流のあった共に彫刻家の高田博厚と菊池一雄が再編した厚冊の文庫版です。

最近まで版を重ねていましたが、現在、岩波さんのサイトでは「品切れ」。ぜひ重刷していただきたいものです。

昨日ご紹介した角川文庫版『美について』と順番が前後していました。すみません。

都内からのコンサート情報です。もう明日なのですが、一昨日の夜になって演目に光太郎がらみが含まれるという情報が出たもので……。

イーガルの現代音楽の世界 ー作曲の秘密、演奏の魔法ー Vol.2 現代詩と現代音楽

期 日 : 2026年2月20日(金)
会 場 :  PetitMOA 東京都新宿区歌舞伎町2-19-10 B1
時 間 : 開場 18:00/開演 18:30
料 金 : 予約3,000円 当日3,500円(どちらも+1ドリンク 700円別途)

現代音楽作曲家・ピアニスト イーガルによる、
自作の演奏と創作をめぐる対話を中心にしたライブイベント。今回はゲストに、冬木理森(歌)と
トークゲストに山﨑修平(詩人)を迎え
作曲と詩の関係、表現の奥行きを多角的に探ります。

出演:イーガル(ピアノ・歌) 冬木理森(歌)  こみてつ(チェロ)
トークゲスト:山﨑修平(詩人) 
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トークゲストの山﨑修平氏、昨年開催された目黒学園カルチャースクールさん主催の詩の講座「詩の創作と鑑賞講座 7月期」で光太郎を取り上げて下さった方でした。

当方、明日から花巻出張ですので伺えませんが、ご都合の付く方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)50 『赤城画帖』

昭和31年(1956)9月5日 龍星閣 高村光太郎著 西山勇太郎編
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目次
 赤城画帖 第一図~第二十八図  赤城相聞歌  赤城山の歌

上州赤城山は、光太郎にとってのソウルマウンテン。留学前の明治37年(1904)には5~6月と、7~8月にかけての2回、赤城の猪谷旅館に滞在し、それぞれ、親友の水野葉舟、与謝野鉄幹ら新詩社の面々と過ごしています。留学から帰朝した明治42年(1909)にもすぐ赤城山に登っています。

昭和4年(1929)には、草野心平、高田博厚らを引き連れて登っていますし、確認出来ている最後の赤城行は昭和6年(1931)で、この際には父・光雲も一緒でした。
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画帖は明治37年(1904)の滞在時に光太郎が残したスケッチ帖で、水野葉舟が譲り受けていましたが、詩人の風間光作の手に渡り、さらに風間からやはり詩人の西山勇太郎に。その後行方不明です。

平成12年(2000)、風間が原本から1枚抜き出して額装していたものが売りに出て、驚きました。
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西山の編集で、前半が画帖、後半は明治の第一期『明星』に載った赤城山関連の短歌を収めています。

画帖の存在は光太郎晩年の昭和26年(1951)、西山が光太郎に知らせ、光太郎は西山に以下の内容の書簡を送りました。

赤城写生帖といふやうなもの、まるで忘れても居ましたし、思ひ出さうとしても思い出せません。しかし、小生のものらしく、それがどうして貴下のところにあるのか実に不思議に堪へません。卅七年といへば日露戦当時、小生が美術学校に居た頃と思ひますが、そんなものが出て来ると怖いやうな気がします。

画帖部分、短歌の部分双方に、猪谷旅館の子息・六合雄(くにお)が解説を執筆しています。猪谷六合雄といえば日本スキー界の草分けで、さらに子息の千春氏は光太郎が歿した昭和31年(1956)のコルティナ・ダンペッツォ五輪で、日本人初の冬季五輪メダリストとなりました。現在行われているミラノ・コルティナ2026冬季五輪と会場がかぶります。

ちなみに現在94歳の千春氏、今回の五輪に合わせてコルティナ・ダンペッツォを再訪されたそうで。

コルティナで70年ぶりの再会 猪谷さん、当時の宿泊先家族と

 1956年コルティナダンペッツォ冬季五輪のアルペンスキー男子回転で2位に入った猪谷千春さん(94)が17日、大会で縁のあったマヌエラ・アンジェリさん(86)とコルティナダンペッツォで70年ぶりの再会を果たした。約1時間にわたって談笑し「昔のことを話し合えて楽しいし、うれしい」と感慨に浸った。
 猪谷さんは当時、アンジェリさんの家族が経営していたホテル「ビクトリア」に宿泊し、日本勢初の冬季五輪メダリストに輝いた。フィギュアスケートのイタリア代表だったアンジェリさんは別の滞在先から大会に出場したが、会話を交わした記憶があるという。今大会がきっかけで再会が実現。2人は「ビクトリア」のソファに腰を下ろし、対面した。
 猪谷さんは現役引退後、IOC副会長も務め、名誉委員となった。五輪の意義について問われ「技を競い、友情の輪を広げる。まさにこの2人の再会」と話した。来日したことがないというアンジェリさんには草履をプレゼントし「次は東京で会いましょう」と声をかけた。(共同通信)
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この季節、この手の公演が少ないのでありがたいところです。神奈川県から朗読の公演情報です。

朗読スペース・春の公演

期 日 : 2026年2月27日(金)
会 場 : 文化創造拠点シリウスマルチスペース 神奈川県大和市大和南1丁目8番1号
時 間 : 14:00~
料 金 : 無料

時は春 日は朝(あした) / R・ブラウン作、上田敏訳「春の朝」。山村暮鳥は/おおい雲よ/と、みちのくの空に、おのが心の在り様をゆったりと広げる。「レモン哀歌」「落葉」など、「アンソロジー四季の詩歌」19篇。「枕草子」は清少納言が里住まいのつれづれと中宮とのやりとりなどを個性豊かに綴る。「春はあけぼの・・・むらさきだちたる雲の・・・」に始まり、エピローグを含めいくつかの段を抽き出し現代文と共に紹介します。
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ただ、ネット上にあまり詳しい情報が出ていませんで、出演者の方など不明ですが、ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)45 『詩集 天上の炎』

昭和30年(1955)6月15日 新潮社(新潮文庫) 高村光太郎訳
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目次
 未来(序詩) 新しい都 昔の信仰 私の眼よ 誇 機械 熱烈な生活 港の突堤で
 今日の人に 健康 死者 問題 機会 トンネル 波止場で 私の都 わが友風景 木蔦
 東西南北 森 花の方へ 並木の第一樹 散歩 或る夕暮の路ゆく人に 私の集(題跋詩)
 ヴェルハアラン
 解説(金子光晴)

金子光晴による解説も含め、昭和28年(1953)に出た創元文庫版とほぼ同一の内容です。ただし、創元文庫版にあった、F・ヴァロトンによるヴェルハーラン肖像画の口絵は割愛され、逆に光太郎による評伝「ヴェルハアラン」(昭和8年=1933 原題「ヹルハアラン」)が追補されています。

なぜ立て続けに複数社から文庫化されたのか、そこは不明です。

4月に都内で行われる演劇公演に向け、出演者の募集が為されています。

朗読劇「ほんとの空・青い空」女性キャスト募集

 来る2026年4月9日(木)〜12日(日)シアター風姿花伝にて公演の朗読劇「ほんとの空・青い空」にご出演いただける女優の皆様を広く募集致します。
 本作は2020年に全国のコミュニティFMで放送したラジオドラマを朗読劇用に加筆してリメイクしたものになります。
 昭和19年〜20年・平成25年・令和8年の3年号を4世代にわたって描く平和と希望をテーマにしたファミリーヒストリーです。
 この作品の柱となる太平洋戦争中の女学校に通う女学生と、この女学校に通った主人公の孫で平成の女子大生の友人たちを募集します。メインキャストなどの詳細はSMASH ENTERTAINMENTの公式Xですでに公開しています。

オーディションのスケジュール
 2月23日募集締め切り 書類通過の方に連絡 必要に応じて面接・朗読オーディション
 2月末日出演者決定

合格後のスケジュール
 3月30日(月)夜間顔合わせ  3月31日(火)稽古開始(平日夜間・土日午後夜間)
 4月8日(水)劇場入り      4月9日(木)〜12日(日) 本番(全6公演)

オーディション参加費
 なし

合格後にかかる費用
 稽古場・劇場までの交通費と期間中の食費(自己負担) その他負担なし

報酬や給与、賞金や賞品、手当など
 報酬:チケットバック制 1枚目から1500円バック ノルマはありません。

応募資格
 プロ・アマ不問
 応募対象者は18歳から30歳くらいまでの女性
 昭和女学生・平成女子大生役の相応に見える方

応募方法
 メールにてご応募ください。
 メールの件名:ほんとの空・青い空 オーディション応募
 本文:送り主様の氏名・会社名・住所・連絡先・応募者の氏名を明記
 添付:全身&バストアップ写真・応募者プロフィール(ひとりにつき3MB未満)
 送り先アドレス:smash@itoa.co.jp
 締切:2020年2月23日(日)
 書類選考後2月25日までに必要に御応じて面接・朗読オーディション
 日時・場所は書類通過者のみに連絡

お問い合わせ
 smash@itoa.co.jp
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元になったラジオドラマは令和2年(2020)にオンエアされたもので、「仮面女子 雪乃しほりのワクワクサワー」という番組の中ででした。現在はメインパーソナリティーの交替に伴い「みんなあつまれ!ワクワクサワー」と改題されています。

その際のタイトルは「ほんとうの空・青い空」と、「う」が入っていましたが、今回は「う」が無くなり「ほんとの空・青い空」。本来、光太郎が詩「あどけない話」に書いた文言は「う」の無い「ほんとの空」ですので、正しく訂正されたわけです。さらに「加筆してリメイク」だそうで。ただ、どの程度「あどけない話」オマージュになっているのか、何ともいえませんが。

オーディション応募の条件として「昭和女学生・平成女子大生役の相応に見える方」だそうです。突っ込みどころがありますが(笑)、我こそはと思う方、ぜひどうぞ。

公演の詳細に関してはまた近くなりましたらご紹介します。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)43 『詩集 天上の炎』

昭和28年(1953)2月15日 創元社(創元文庫) エミイル・ヹルハアラン著 高村光太郎訳
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目次
 未来(序詩) 新しい都 昔の信仰 私の眼よ 誇 機械 熱烈な生活 港の突堤で
 今日の人に 健康 死者 問題 機会 トンネル 波止場で 私の都 わが友風景 木蔦
 東西南北 森 花の方へ 並木の第一樹 散歩 或る夕暮の路ゆく人に 私の集(題跋詩)
 解説(金子光晴)

ベルギーの詩人、エミール・ヴェルハーレン(1855~1916)の詩集の翻訳です。

光太郎訳のオリジナルは大正14年(1925)に新しき村出版部からハードカバーで刊行され、さらに昭和26年(1951)には白玉書房版のペーパーバックも出ています。そして文庫本化が為されました。

解説を金子光晴が書いています。

信州松本平地区から演劇公演の情報です。

高校演劇部発表会「青春ドラマシアター2026」

期 日 : 2026年2月15日(日)
会 場 : 安曇野市豊科公民館ホール 長野県安曇野市豊科4289番地1
時 間 : 10:00~14:20
料 金 : 無料

さあ、青春ドラマシアターの季節がやってきました。高校生たちの熱く充実した芝居を思う存分にお楽しみください。そして今年も、松本地区2高校演劇部が参加します。これは例年以上に盛り上がること間違いなし! こんな近くで高校生の芝居をまとめて観られる機会はありません。ぜひ、お越しいただき、高校演劇のパワーを感じてください。 

参加予定(出演順)
 ◎豊科高校    10:15~10:45 「さいのはな」 
 ◎南安曇農業高校 11:00~11:30 「サヨナラは雨の日・・・」 
 ◎松本県ヶ丘高校 11:45~12:05 「私には、言えない。」 
 ◎松本深志高校  13:00~13:35  「智恵子の深呼吸」 
 ◎穂高商業高校  13:50~14:20  「豚がいれば良かった教室」
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松本市と安曇野市の高校5校の演劇部さんによる競演。そのうち松本深志高校さんが「智恵子の深呼吸」という演目です。
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登場人物は光太郎智恵子の二人のみ。脚本はやはり地元で演劇部顧問をなさっている郷原玲氏という方だそうです。

松本深志高校さんといえば、旧開智学校の流れを汲む伝統校。松本市に隣接する安曇野市には光太郎の親友だった碌山荻原守衛を顕彰し、当方もさんざんお世話になっている碌山美術館さんがあり、光太郎ブロンズが複数常設展示されている他、企画展でもたびたび光太郎智恵子関連を取り上げて下さっています。明治43年(1910)に守衛が早世した際には、光太郎も安曇野に足を運びました。

その安曇野で光太郎智恵子の演劇ということで、喜びに堪えません。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)36 『智恵子抄その後』 

昭和25年(1950)11月15日 龍星閣 高村光太郎著
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目次
 智恵子抄その後
  元素智恵子 メトロポオル 裸形 案内 あの頃 吹雪の夜の独白
 太田村山口にて
  年越し 雪解けず 開墾 早春の山の花 田植急調子 もしも智恵子が
  季節のきびしさ 七月一日 山の少女 噴霧的な夢 ある夫人への返事 信親と鳴瀧
  智恵子の遺作展 村にて 再び村にて 女医になつた少女 夏の食事 九月三十日
 あとがき

函には「詩集」と冠されていますが大半は散文で、言わば「詩文集」というべきものです。オリジナル『智恵子抄』(昭和16年=1941)の版元・龍星閣が昭和19年(1944)に戦争の激化に伴い休業を余儀なくされましたが、この年、再開。その記念出版的な意味合いもありました。

標題になっている連作詩「智恵子抄その後」は、この年1月の雑誌『新女苑』に発表されたもので、他に智恵子に直接関わるものは詩「もしも智恵子が」(昭和24年=1949)、詩「噴霧的な夢」(昭和23年=1948)、散文「智恵子の遺作展」(昭和25年=1950)のみ。「智恵子抄」を舞踊にした藤間節子のリサイタルのパンフレットに寄せた「村にて」(昭和24年=1949)、「再び村にて」(昭和25年=1950)に智恵子の名が出て来ますが、メインではありません。

そういった意味では若干の羊頭狗肉感があるものです。

手持ちのものは昭和32年(1957)の版ですが、その時点で既に第18刷。翌年に刊行された新版『智恵子抄』とセットでよく売れていたようです。

都内での演奏会情報です。さまざまなコンテンツの用意された「都民音楽フェスティバル」の一環として開催されます。
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日本の歌・シリーズNo.4 日本のうた~歌曲集への誘い

期 日 : 2026年1月30日(金)
会 場 : 東京文化会館小ホール 台東区上野公園5-45
時 間 : 18:15開場/19:00開演
料 金 : 指定席 3,000円 学生割引(U-25):指定席 2,000円
      ハート割引(障害者手帳をお持ちの方):指定席 1,500円

曲 目 : 團伊玖磨:五つの断章 木下牧子:花のかず
      畑中良輔:八木重吉による五つの歌 山田耕筰:幽韻 別宮貞雄:智恵子抄
出 演 :
盛田麻央 Mao Morita/ソプラノ
国立音楽大学院修了。パリ・エコール・ノルマル音楽院、パリ国立高等音楽院修士課程を修了。第12回東京音楽コンクール第2位など。オペラやコンサートに多数出演。二期会会員、国立音楽大学非常勤講師。

紀野洋孝 Hirotaka Kino/テノール
東京藝術大学卒業。宗次エンジェル基金/(公社)日本演奏連盟奨学生として同大学院修士課程を修了。日本歌曲の研究で同大学院博士課程を修了。博士号(音楽)取得。日本トスティ歌曲コンクール2015第2位。令和元年度奏楽堂日本歌曲コンクール第2位。

松浦宗梧 Shugo Matsuura/バリトン
福島県伊達市出身。東京音楽大学声楽専攻卒業。新国立劇場オペラ研修所第25期修了。第36回奏楽堂日本歌曲コンクール歌唱部門 第2位、畑中良輔賞を受賞。オペラ・歌曲の分野で幅広いレパートリーを活かして活動中。声楽を菅野宏昭、阿部絵美子に師事。

森裕子 Yuko Mori/ピアノ
東京藝術大学附属高校、同大学、同大学院修了。シュトゥットガルト音大でソロと歌曲伴奏法を学ぶ。奏楽堂日本歌曲コンクール優秀共演者賞、日本音楽コンクール木下賞(共演賞)。東京藝術大学非常勤講師。日本演奏連盟正会員。
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故・別宮貞雄氏作曲の歌曲集「智恵子抄」がプログラムに入っています。おそらく全9曲「Ⅰ 人に」「Ⅱ  深夜の雪」「Ⅲ 僕等」「Ⅳ 晩餐」「Ⅴ あどけない話」「Ⅵ 人生遠視」「Ⅶ 千鳥と遊ぶ智恵子」「Ⅷ 山麓の二人」「Ⅸ レモン哀歌」が演奏されるのではないかと思われます。

歌われるのは紀野洋孝氏。実演以外にも日本歌曲の研究で東京藝術大学さんの大学院博士課程を修了なさった方ですが、その際に取り上げたのが別宮氏の「智恵子抄」だったそうです。これまでも同曲集をさまざまな機会で歌われたり、CDに組み入れたりされています。

令和元年度奏楽堂日本歌曲コンクール入賞記念コンサート。
第二回 掬月会。

CDも含め、そのほとんどの機会で伴奏を務められた森裕子氏が今回もピアノを弾かれます。同曲集、言葉を大切にしつつ抒情的なメロディーで紡がれ、また全9曲を通してのドラマティックな展開が印象的な作品です。

紀野氏からご案内を頂いたのですが、その日は先約が入っており、伺えません。代わりに、というと何ですが、皆様、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)23 『智恵子抄』第9刷

昭和18年(1943)4月20日 龍星閣 高村光太郎著
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目次
 人に             明治四十五年七月
 或る夜のこころ        明治四十五年八月
 おそれ            明治四十五年八月
 或る宵            大正元年十月
 郊外の人に          大正元年十一月
 冬の朝のめざめ        大正元年十一月
 深夜の雪           大正二年二月
 人類の泉           大正二年三月
 僕等             大正二年十二月
 愛の嘆美           大正三年二月
 晩餐             大正三年四月
 樹下の二人          大正十二年三月十一日
 狂奔する牛          大正十四年六月十七日
 鯰              大正十五年二月五日
 夜の二人           大正十五年三月十一日
 あなたはだんだんきれいになる 昭和二年一月六日
 あどけない話         昭和三年五月十日
 同棲同類           昭和三年八月十六日
 美の監禁に手渡す者      昭和六年三月十二日
 人生遠視           昭和十年一月二十二日
 風にのる智恵子        昭和十年四月二十五日
 千鳥と遊ぶ智恵子       昭和十二年七月十一日
 値ひがたき智恵子       昭和十二年七月十二日
 山麓の二人          昭和十三年六月二十日
 或る日の記          昭和十三年八月二十七日
 レモン哀歌          昭和十四年二月二十三日
 荒涼たる帰宅         昭和十六年六月十一日
 亡き人に           昭和十四年七月十六日
 梅酒             昭和十五年三月三十一日
 うた六首                         
 智恵子の半生         昭和十五年九月
 九十九里浜の初夏       昭和十六年五月
 智恵子の切抜絵        昭和十四年一月

内容的にはそれまでの版と同一ですが、昭和16年(1941)の初版以来、そのままとなっていた誤植を訂正し、全面的に改版がなされました。

かつて光太郎自筆の正誤表を挟んだ初版が市場に出たことがありましたが、これらがすべて反映されています。
智恵子抄正誤表

もう少し早くご紹介するべきところでしたが、日付を勘違いしておりました。明日の公演です。

大人のための朗読会『あの空、あの声』-ふるさとの記憶-

期 日 : 2026年1月12日(月・祝)
会 場 : 成増アートギャラリー 東京都板橋区成増3丁目13-1
時 間 : 14:00~15:00 
料 金 : 無料

出 演 : 朗読ワークショップ声流
演 目 : 鹿児島感傷旅行/向田邦子 海酒/田丸雅智 あどけない話/高村光太郎 ほか

遠く離れても、深く心に刻まれた場所…ふるさと  いろいろな想い出、風の匂い、日差し、親しかった人びと…その場所を振り返るとき人は皆、胸を締め付けられる ふるさとを思い起こす朗読会です。
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主催は板橋区成増図書館さん。朗読ワークショップ声流さんによる「大人のための朗読会」は定期的に開催されているようです。平成31年(2019)には『道一その先』のサブタイトルで行われ、やはり光太郎詩「道程」がプログラムに入っていました。

今回は「『あの空、あの声』-ふるさとの記憶-」だそうで、「空」といえば「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。」の「あどけない話」(昭和3年=1928)ですね。

それからフライヤーを見て一瞬、「あどけない話」と同じく『智恵子抄』所収の「梅酒」(昭和15年=1940)かと思ったのですが、田丸雅智氏の「海酒」。やはり主人公が不思議なバーでメニューに書かれた「海酒」の文字を「梅酒」と勘違いするストーリーです(笑)。

ご都合つく方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)11 『ロダン』アルス美術叢書 24

昭和2年(1927)4月17日 アルス 高村光太郎著
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目次
 一、一個の全球
 二、親ゆづり
 三、善い姉さんと腹の出た家と
 四、始まり
 五、実地修行
 六、修道院
 七、下働きと仕立女工
 八、総決算と新時代
 九、苦境と愉楽と
 十、振出しへ返る事
 十一、自己の道
 十二、「歩む人」と「地獄の門」と
 十三、胸像群
 十四、記念像群及「バルザツク」の彫刻的意義
 十五、一九〇〇年以後
 十六、晩年、死、死
 十七、「小さい花子」

光太郎が終生敬愛したロダンの書き下ろし評伝です。

最終章「小さい花子」は、ロダン彫刻のモデルを務めた確認出来ている限り唯一の日本人・花子こと太田ひさを岐阜に訪ねたレポートです。ひさは森鷗外の短編小説「花子」にも描かれました。

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