戦前のかなりマイナー(と思われる)雑誌の復刻版です。
復刻版『海の旅』全4巻
発行日 : 2026年5月20日
著者等 : 解説=荒山正彦(関西学院大学教授)
版 元 : 不二出版
定 価 : 112,000円+税
”海国日本!……我々日本人はもっと船に近づき船を知ることが肝要である。その第一歩として『海の旅』の普及に努めたい”――「本誌の使命」『海の旅』第2号(1924年12月)より
近代日本の海上運輸や旅行、観光に関する貴重資料を復刻! 近海郵船株式会社によって1924年に創刊され、1929年に日本郵船株式会社との共同発行となりながら、1933年まで刊行された雑誌『海の旅』。近海とされるその範囲には、瀬戸内海や伊豆諸島・小笠原諸島航路のみならず、樺太、台湾、南洋諸島といった植民地や委任統治領、中国天津・青島航路が含まれ、帝国日本の交通網の中核を担うものであった。運行状況はもちろん、「海国日本」に対する人々の意識、戦前期の海上交通の実態を克明に描き出す。
内容見本のPDFに、光太郎の名。
当方が作成した光太郎の初出掲載誌一覧に『海の旅』は含まれていません。他紙誌からの転載でなければ、『高村光太郎全集』等にもれている新発見、あるいは『高村光太郎全集』で「初出掲載誌不明」となっているものということになります。「人々の船旅への思い」とあるので、おそらくエッセイだと推定されます。他に与謝野夫妻や吉屋信子の作品も掲載されているようです。
復刻の原本は、日本郵船歴史博物館さん、北海道大学附属図書館さん所蔵のもの。それでも「第1号(年月不明)および第2巻第2号(1927年2月)は欠号」とのことです。
『海の旅』、よく使う国会図書館さん、日本近代文学館さん、神奈川近代文学館さんに所蔵がないようですし、古書サイト「日本の古本屋」にも掲載がありません。全国の大学図書館の所蔵状況を調べられるサイト「CiNii」では、天理大学附属天理図書館さん、東京農業大学図書館さん、早稲田大学中央図書館さん、そして今回の原本を提供された北海道大学附属図書館さんがヒットしますが、欠号が多いようです。
やはり海運系の雑誌『海運報国』(日本海運報国団)が国会図書館さんに所蔵されており、10数年前にそちらで『高村光太郎全集』にもれていた光太郎のエッセイを3篇見つけました。そのうち、昭和17年(1942)10月の第2巻第10号に載った「海の思い出」というエッセイは、驚嘆すべき内容でした。主として明治39年(1906)~同42年(1909)の欧米留学中の体験が語られていましたが、それまで知られていなかったことがいろいろと明らかになりましたので。まず、日本からアメリカへの航海中のエピソード、それからアメリカからイギリスへ渡った船がタイタニック号と同じホワイトスター社のオーシャニック号だったこと、さらにイギリスから渡仏する際はニューヘヴンからディエップへの航路を使ったことなど。
『海の旅』にはどんな作品が載っているのか、国会図書館さんあたりで閲覧が可能になったところで調査に赴こうと思っております。
それにしても、この手のマイナーな雑誌の復刻、商業的には厳しいと思われますが実に意義のあることです。これまでもいろいろ助けられて来たから言うわけでもありませんが。ちなみに今回の版元の不二出版さんでは、やはり光太郎が寄稿していた与謝野夫妻主宰の『冬柏』なども復刻して下さっています。今後ともこの手の復刻を続けていただきたいものです。
随筆 十二月八日の記
時期が時期だけに、全文筆を当たるとコテコテの翼賛詩文が多いのですが、そうでないものを中心にしています。それでも翼賛詩文も無かったことにはせず、重要と思われるものは網羅されています。
繰り返し書いていますが、一部の文学者の全集、選集の類では翼賛詩文はまったく無かったことにされたりし、しっかり書いていたにもかかわらず「反戦の視線を貫いた」と評されている者もいます。ちゃんちゃらおかしいと言わざるを得ません。
内容見本のPDFに、光太郎の名。
当方が作成した光太郎の初出掲載誌一覧に『海の旅』は含まれていません。他紙誌からの転載でなければ、『高村光太郎全集』等にもれている新発見、あるいは『高村光太郎全集』で「初出掲載誌不明」となっているものということになります。「人々の船旅への思い」とあるので、おそらくエッセイだと推定されます。他に与謝野夫妻や吉屋信子の作品も掲載されているようです。
復刻の原本は、日本郵船歴史博物館さん、北海道大学附属図書館さん所蔵のもの。それでも「第1号(年月不明)および第2巻第2号(1927年2月)は欠号」とのことです。
『海の旅』、よく使う国会図書館さん、日本近代文学館さん、神奈川近代文学館さんに所蔵がないようですし、古書サイト「日本の古本屋」にも掲載がありません。全国の大学図書館の所蔵状況を調べられるサイト「CiNii」では、天理大学附属天理図書館さん、東京農業大学図書館さん、早稲田大学中央図書館さん、そして今回の原本を提供された北海道大学附属図書館さんがヒットしますが、欠号が多いようです。
やはり海運系の雑誌『海運報国』(日本海運報国団)が国会図書館さんに所蔵されており、10数年前にそちらで『高村光太郎全集』にもれていた光太郎のエッセイを3篇見つけました。そのうち、昭和17年(1942)10月の第2巻第10号に載った「海の思い出」というエッセイは、驚嘆すべき内容でした。主として明治39年(1906)~同42年(1909)の欧米留学中の体験が語られていましたが、それまで知られていなかったことがいろいろと明らかになりましたので。まず、日本からアメリカへの航海中のエピソード、それからアメリカからイギリスへ渡った船がタイタニック号と同じホワイトスター社のオーシャニック号だったこと、さらにイギリスから渡仏する際はニューヘヴンからディエップへの航路を使ったことなど。
『海の旅』にはどんな作品が載っているのか、国会図書館さんあたりで閲覧が可能になったところで調査に赴こうと思っております。
それにしても、この手のマイナーな雑誌の復刻、商業的には厳しいと思われますが実に意義のあることです。これまでもいろいろ助けられて来たから言うわけでもありませんが。ちなみに今回の版元の不二出版さんでは、やはり光太郎が寄稿していた与謝野夫妻主宰の『冬柏』なども復刻して下さっています。今後ともこの手の復刻を続けていただきたいものです。
【高村光太郎書誌】
選集等(単独) 36 『高村光太郎選集 5 一九四一年一二月-四五年 昭和一六年一二月-昭和二〇年』増訂版
昭和57年(1981)1月20日 春秋社 吉本隆明・北川太一編
目次随筆 十二月八日の記
評論 戦時下の美術家 戦時の文化
対談 東亜新文化と美術の問題(川路柳虹)
詩 大詔渙発 十二月八日 鮮明な冬 彼等を撃つ 新しき日に
書簡 昭和一六、一七年の書簡
書簡 昭和一六、一七年の書簡
随筆 子供の頃 某月某日 七月の言葉 一夏安居の弁
詩 沈思せよ蒋先生 変貌する女性 夜を寝ざりし暁に書く 独居自炊 仕事場にて
詩 沈思せよ蒋先生 変貌する女性 夜を寝ざりし暁に書く 独居自炊 仕事場にて
民国の民と兵とに与ふ
評論 東大寺戒壇院四天王像 興福寺十大弟子 戒壇院の増長天 唐招提寺木彫如来像
美の日本的源泉 照井瓔三著『国民詩と朗読法』序 朗読詩について
随筆 与謝野晶子歌集「白桜集」序 希代の純粋詩人――萩原朔太郎追悼――
あの頃――白秋の印象と思ひ出―― 詩魔佐藤惣之助氏 中原綾子歌集「刈株」序
八木重吉詩集序
評論 詩の深さ 詩と表現 詩精神と日常生活 詩の進展 言葉の美しさ 詩の本質
戦争と詩
詩 山道のをばさん 三十年 神とともにあり 少女よ 神これを欲したまふ
覆滅彼にあり 寒夜読書 監視哨 あそこで斃れた友に 突端に立つ われらの死生
「まつた」を知らず ビルマ独立 粛然たる天兵 救世観音を刻む人
フイリツピン共和国独立 四人の学生 戦に徹す
フイリツピン共和国独立 四人の学生 戦に徹す
書簡 昭和一八~二〇年の書簡
随筆 日本の母 人意以上のもの
評論 某月某日
随筆 乏しきに対す 人類清濁の分るるところ 卑俗との戦 厳たり古代のこころ
評論 野間清六編「埴輪美」序
随筆 ロダンの手記談話録
評論 ドナテロ小感 関義訳ブルデル「ロダン」序 清水多嘉示著「巨匠ブルデル」序
随筆 とびとびの感想
評論 彫刻その他 美の中心 能の彫刻美 十大弟子 天平彫刻の技法について
随筆 仕事はこれから 罹災の記 日本婦道の美 自信を以て起て 平常心を豊かに
詩 陽春の賦 必勝の品性 美をすてず 保育 古代の如く たのしい少女
黒潮は何が好き 南瓜賦 美しき落葉 力を知る 戦火 琉球決戦 一億の号泣
随筆 回想録
補遺
随筆 美術学校時代 埃及彫刻の話
日記 昭和二〇年日記
書簡 椛沢ふみ子への書簡
解題1 二題の回顧について 吉本隆明
解題2 第五巻収録作品について 北川太一
月報 智恵子遺珠5
編年体でさまざまなジャンルの作品を一冊に収めた全6巻の第5回配本で、初版は昭和43年(1968)。太平洋戦争開戦の昭和16年(1941)12月から終戦の同20年(1945)8月までの作品を収めてあります。月報 智恵子遺珠5
画室の冬
書簡Ⅷ 長沼せん子宛三通 齋藤 新吉・せつ子宛二通 長沼修二宛
書簡Ⅷ 長沼せん子宛三通 齋藤 新吉・せつ子宛二通 長沼修二宛
斎藤新吉・せつ子・長沼せん子宛
後記
時期が時期だけに、全文筆を当たるとコテコテの翼賛詩文が多いのですが、そうでないものを中心にしています。それでも翼賛詩文も無かったことにはせず、重要と思われるものは網羅されています。
繰り返し書いていますが、一部の文学者の全集、選集の類では翼賛詩文はまったく無かったことにされたりし、しっかり書いていたにもかかわらず「反戦の視線を貫いた」と評されている者もいます。ちゃんちゃらおかしいと言わざるを得ません。








































































































































桜の木のもとで、静かにほほえむ女性。着物の柄や花びらが一筆一筆丁寧に描き込まれ、雪をいただく富士が遠くに裾を伸ばす。


















































































































































































