石川県から展覧会情報です。
「池田コレクション」は七尾市出身の実業家で、美術品コレクターでもあった池田文夫氏(1907~87)が蒐集した美術工芸品。生前氏が活躍した岐阜県美濃地方や出身地である石川県ゆかりの作品を中心に構成され、工芸や絵画・彫刻など多彩な顔ぶれ計289点が集います。
サイズは幅11.0㌢、奥行8.0㌢、高38.2㌢。昭和6年(1931)作ということで、同9年(1934)に歿した光雲晩年のものです。
同館で、昨年開催された企画展「伝えゆく池田コレクションの魅力 〈第1期〉~日本画・彫刻を中心に~/~美濃焼と漆工を味わう~」でも、この作が並びました。やはり目玉の一つということで、外せないのでしょう。
「聖観音像」は、光雲が好んで彫った図題の一つですが、他の作例と比べると、若干、スリムな感じを受けます。光背等が付随されていないせいもありましょうか。また、お顔も他の作例の方がふくよかな感じです。もしかすると工房作かな、という感じもします。
下の画像が、他の作例。左が昭和3年(1928)の作、右は光雲絶作となった昭和9年(1934)のものです。ともに撮影は、光雲令孫の故・髙村規氏。
他に、川合玉堂、菱田春草、富岡鉄齊、上村松園らの日本画、熊谷守一、北大路魯山人らの書、彫刻では北村西望、平櫛田中らの作が並んでいます。その他、茶道具系がメインのようです。
お近くの方、ぜひどうぞ。
【折々のことば・光太郎】
後北寄、西風となり、西壁上方の煙抜窓より吹雪ふきこみ、室内に粉雪入る。朝七草粥。
「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな 、すずしろ 、これぞ七草」。蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋で、この時期に、種類、量ともにどの程度「七草」が手に入ったのか、何とも言えないところですが……。
26th year 池田コレクション
期 日 : 2021年6月26日(土)~7月25日(日)
会 場 : 石川県七尾美術館 石川県七尾市小丸山台1-1
時 間 : 午前9時〜午後5時
休 館 : 毎週月曜日
料 金 : 一般350円(280円)、大高生280円(220円)、中学生以下無料
( )は20名以上の団体料金
「池田コレクション」は七尾市出身の実業家で、美術品コレクターでもあった池田文夫氏(1907~87)が蒐集した美術工芸品。生前氏が活躍した岐阜県美濃地方や出身地である石川県ゆかりの作品を中心に構成され、工芸や絵画・彫刻など多彩な顔ぶれ計289点が集います。
当館建設の契機となり、平成7年(1995)の美術館開館後は「所蔵品の中核」と位置づけられてきた「池田コレクション」。当館とともに歩みを続け、今年で26年目を迎えました。そこで本年も同コレクションを展示する展覧会を開催し、それらの優れた美術工芸品をより多くの方々に改めてご覧いただきたく思います。
今回の展示では、「池田コレクション」よりあわせて64点の作品をセレクトしました。いずれも池田氏が心血をそそいで蒐集したかけがえのない品ばかりであり、ぜひとも本展をつうじてその魅力にふれてください。
出品作の目玉の一つとして、光太郎の父・光雲作の木彫「聖観音像」がリストアップされています。サイズは幅11.0㌢、奥行8.0㌢、高38.2㌢。昭和6年(1931)作ということで、同9年(1934)に歿した光雲晩年のものです。
同館で、昨年開催された企画展「伝えゆく池田コレクションの魅力 〈第1期〉~日本画・彫刻を中心に~/~美濃焼と漆工を味わう~」でも、この作が並びました。やはり目玉の一つということで、外せないのでしょう。
「聖観音像」は、光雲が好んで彫った図題の一つですが、他の作例と比べると、若干、スリムな感じを受けます。光背等が付随されていないせいもありましょうか。また、お顔も他の作例の方がふくよかな感じです。もしかすると工房作かな、という感じもします。
下の画像が、他の作例。左が昭和3年(1928)の作、右は光雲絶作となった昭和9年(1934)のものです。ともに撮影は、光雲令孫の故・髙村規氏。
他に、川合玉堂、菱田春草、富岡鉄齊、上村松園らの日本画、熊谷守一、北大路魯山人らの書、彫刻では北村西望、平櫛田中らの作が並んでいます。その他、茶道具系がメインのようです。
お近くの方、ぜひどうぞ。
【折々のことば・光太郎】
後北寄、西風となり、西壁上方の煙抜窓より吹雪ふきこみ、室内に粉雪入る。朝七草粥。
昭和23年(1948)1月7日の日記より 光太郎66歳
「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな 、すずしろ 、これぞ七草」。蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋で、この時期に、種類、量ともにどの程度「七草」が手に入ったのか、何とも言えないところですが……。