開催の可否自体、未だ賛否両論というところで、なかなか大々的にはご紹介しにくいのですが、東京オリンピックの聖火リレーについて。

今月10日(木)、11日(金)の2日間、青森県で聖火リレーが実施されます。国内でコロナの「コ」の字もなかった一昨年12月に発表された、当初の計画案とはだいぶ変更になり、規模をかなり縮小しての実施のようです。

6月11日(金)には、光太郎生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の建つ十和田湖での開催。

『広報とわだ』今月号から。
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004午前中には十和田市役所付近の通称「官庁街通り」を進む「市街地コース」で実施され、おいらせ町、階上町を廻って、夕方から「十和田湖コース」。その後、八戸市にバトンタッチだそうです。

「十和田湖コース」、出発が十和田湖観光交流センターぷらっと。遊覧船の桟橋近くに平成26年(2014)にオープンした施設で、特産のヒメマスや、光太郎、大町桂月などについての展示が為されています(入場無料)。また、平成30年(2018)には、新たに「乙女の像」制作の際に光太郎が使用した彫刻用の巨大な回転台、青森ご出身の彫刻家・田村進氏(生前の光太郎をご存じです)制作の光太郎胸像が寄贈されました。手前味噌で恐縮ですが、内部の光太郎に関する説明パネルは当方の執筆です。そしてゴールが「乙女の像」。約0.9㌔㍍の道程です。

当初予定では、十和田湖でもミニセレブレーション(リレー走者を迎えるセレモニー)が計画されており、三村申吾青森県知事のごあいさつで、光太郎や「乙女の像」に触れられる予定でした(「これで間違ってないか」ということで、こちらにその原稿が回ってきまして、チェックさせていただきました)。また、詳細は未定でしたが、当方にも光太郎や「乙女の像」についてちらっと話をしてくれ、という依頼も。しかし、ミニセレブレーションは「市街地コース」のみ、それも関係者だけでの実施となったそうです。

同じ青森県内でも、むつ市や三沢市など10市町村では、リレーの実施が中止となったそうです。

NHKさんの5分間番組で、リレーの模様が報じられます。

聖火リレーデイリーハイライト「青森県 2日目」

NHK総合 2021年6月11日(金) 23:30〜23:35

東京2020五輪の開会式まで47都道府県を121日かけてつなぐ聖火リレー。その志あふれる走りや美しいコースの風景などその日のハイライトを5分にまとめて毎日紹介。

青森県2日目のコースはむつ市 十和田市 三沢市 おいらせ町 階上町 十和田市 八戸市。見どころは地域の人々の憩いの場であるむつ市の田名部川周辺、雄大で神秘的な自然が守られている十和田市の十和田湖など。音楽:カイト(嵐 作詞・作曲 米津玄師)。

【語り】林田理沙
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最初に書きましたように、開催の可否自体、未だ賛否両論というところで、なかなか大々的にはご紹介しにくいのですが、とりあえず……。

【折々のことば・光太郎】

葱、ハウレン草等皆雪に埋まる。 井戸のあたりの水は凍結。室内の水は朝凍り、昼間はとけきらずにゐる。


昭和22年(1947)12月5日の日記より 光太郎65歳

蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋での、三度目の冬。三度目とはいえ、その厳しさは変わりません。