昨日、『広報にほんまつ』5月号を取り上げた中で触れた件などにつき、地方紙2紙でも記述がありましたので、ご紹介します。
まず、『福島民友』さん、昨日の一面コラム。
同じ『民友』さんで、遡って一昨日の記事。
別件で、同じ二本松市の大山忠作美術館さん関係。
続いて、『福島民報』さん。以前にご紹介した「アマビエマスク」シリーズの新作だそうで。
泉下の智恵子は苦笑しているような気がしますが(笑)。
【折々のことば・光太郎】
花巻より青年二人(東京と黒沢尻の人)来る。宮沢清六さんより委托のトマト一個、金瓜一個、胡瓜、せんべい等もらふ。二時過ぎまで談話。辞去、宮沢賢治研究者。
「青年二人」、氏名は書かれていませんが、「東京」の方は、のち、国語学者となった宮地裕(みやじゆたか)氏です。氏のエッセイが、以前、光村図書出版さん刊行の中学校用の国語の教科書に掲載されていて、この際のエピソードが記されていました。平成9年(1997)~同13年(2001)に「言葉はどこからどこへ」と題し3年生用、ほぼ同一の内容で「胸の底の人と言葉たち」の題で同18年(2006)~同23年(2011)の1年生用。
それによれば、まず花巻町の宮沢家を訪れた宮地氏たち、郊外太田村の光太郎の山小屋にも足を運ぼうとしたところ、未知の人物が訪ねていっても光太郎に追い返されることがよくある、とわかっていた清六が野菜類などを持たせ、それを届けるという名目を与えてくれたとのこと。泣かせるエピソードですね。
ところで、この項を書くために調べていたところ、宮地氏、今年2月に逝去されていました。存じませんでした。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
まず、『福島民友』さん、昨日の一面コラム。
【4月28日付編集日記】智恵子抄
二本松市の小高い里山にある智恵子の杜公園を訪れ、高村光太郎と智恵子が肩を並べて散策したという山道をたどった。見晴らしが良い場所もあり、野鳥のさえずりが響く。2人は当時、どのような時間を過ごしたのかと、思いをめぐらせた▼光太郎が亡き妻への思いを込めて出版した「智恵子抄」にある詩「樹下の二人」は100年ほど前、現在の公園がある場所から眺めた安達太良山や阿武隈川の風景が題材とされる。真筆を刻んだ詩碑は、公園のシンボルとして全国のファンが訪れる▼光太郎と智恵子の顕彰活動を進める同市の市民団体が今月から、「あなたが選ぶ『智恵子抄』総選挙」と題し、好きな詩への投票を募っている。智恵子抄の出版80周年を記念し、「智恵子抄その後」も含め、作品の魅力と2人の生涯に理解を深めてもらう▼二つの詩集から候補作とした36編には教科書をはじめ、さまざまな機会に読んだ記憶がある作品が目に付く。初めて詩集を手にした10代のころ、純愛を貫いた2人に憧れたことが懐かしく思い出される▼公園内には石碑や彫刻作品も並ぶ。2人が思い出を刻んだ地に足を運び、今も輝きを放つ詩集の世界に浸り、心に響いた作品を選ぶのもいい。
同じ『民友』さんで、遡って一昨日の記事。
智恵子創作の紙絵展示 記念館で生誕祭、5月30日まで
二本松市の智恵子の生家・智恵子記念館は、同市出身の洋画家高村智恵子が生まれた5月20日にちなみ、今年も生誕祭を繰り広げる。トップを切り24日、同記念館で、智恵子が病床で創作した紙絵の実物展示を始めた。展示は5月25日まで。
智恵子はゼームズ坂病院に入院した2年間、千数百点の紙絵を制作した。同館は高村家から譲り受けた24点を収蔵する。
ただ紙質が悪く、照明などで劣化しやすいために通常は複製を展示。このため年2回、収蔵品から10点を選び、実物を公開している。今回は「青い魚と花」や「菊」「小鉢」などを展示した。
開館時間は午前9時~午後4時30分(最終入館は同4時)。水曜日休館。入館料は高校生以上410円、小・中学生210円。
居室を特別公開
智恵子の生家では、普段公開していない智恵子の居室の特別公開と、同市の伝統工芸品「上川崎和紙」を使った紙絵の制作体験を実施する。
居室の公開は29日に始まり、5月30日まで大型連休中と土、日曜日など実施。紙絵体験は5月15~30日の土、日曜日に行い、智恵子の作品を題材にカードやしおりを作る。参加費は入館料に含まれる。開館時間は午前9時~午後4時。問い合わせは同館(電話0243・22・6151)へ。
別件で、同じ二本松市の大山忠作美術館さん関係。
大山忠作美術館、5月1日から特別企画 絵はがきプレゼントなど
文化勲章受章者で、二本松市出身の日本画家大山忠作の誕生日5月5日にちなみ、大山忠作美術館は5月1~5日、二本松市の同館でゴールデンウイークイベントを展開する。
期間中、来館者に「智恵子に扮する有馬稲子像」や「遅日」「古壁群相」など大山作品をプリントした絵はがきをプレゼントする。また5日には、未就学児と団体以外の来館者に「鯉魚絵付飾大皿『游』」の絵柄をデザインしたマグネットを数量限定で贈る。問い合わせは同館(電話0243・24・1217)へ。
カーネーション販売会
併せて同館を運営するNPOまちづくり二本松は1日午前10時から、二本松市市民交流センターで、安達東高生が栽培したカーネーションの販売会を開く。限定100鉢でなくなり次第終了する。問い合わせは同センター(電話0243・24・1215)へ。
故・大山忠作画伯は、女優の一色采子さんのお父さま。同郷の智恵子をモチーフにした絵を複数描かれています。そのうち、記事にある「智恵子に扮する有馬稲子像」は、昭和51年(1976)、新橋演舞場で開催された「松竹女優名作シリーズ有馬稲子公演」の中で、北條秀司作「智恵子抄」の智恵子を演じた有馬稲子さんをモデルにして描かれたもの。同館の目玉作品の一つでもあります。続いて、『福島民報』さん。以前にご紹介した「アマビエマスク」シリーズの新作だそうで。
新型アマビエマスク発売 富樫縫製と民報印刷 福島県内4市で
ウイルス飛沫(ひまつ)などの微粒子を医療用マスク並みに防御できるフィルターを内蔵し感染予防機能を強化した地域限定デザインマスクの販売がいわき、福島、二本松、会津若松の四市で始まった。
いわき市のいわき・ら・ら・ミュウでは、フラダンスを踊るアマビエ「フラビエ」、サーフ板を持つアマビエ「サーフビエ」の二種類を販売。福島市のラヴィバレ一番丁では、クロマグロを担ぐアマビエの「アドリアちゃん」を扱っている。二本松市の道の駅安達上下線では五月二十日に生誕百三十五年を迎える「智恵子抄」で知られる市内出身の洋画家・高村智恵子をモチーフにした「檸檬(れも)ビエhyper」、会津若松市のトラッドハウス「フキヤ」では、オリジナルデザインの赤べこの「ナノクラスブロッカー」を売っている。福島市の県観光物産館では、新型アマビエマスク「ナノビエブロック」のアマビエデザインとべこビエデザインの販売を開始した。
富樫縫製(二本松市)と民報印刷(福島市)がフィルターの世界的な専門メーカー・ヤマシンフィルタ(横浜市)と連携し開発した。フィルターは一般財団法人カケンテストセンターによる微粒子捕集効率(PFE)試験で、0・1マイクロメートルの微粒子を99%カットした。一枚千百円(税込み)。
「Hyper」ではないプロトタイプの「檸檬ビエマスク」は、既に昨秋、販売が開始されていたようです。「Hyper」はその名の通り、ウイルス等のシャットアウト機能が更にパワーアップしたものだそうで。デザイン的にはプロトタイプと同一のようです。泉下の智恵子は苦笑しているような気がしますが(笑)。
【折々のことば・光太郎】
花巻より青年二人(東京と黒沢尻の人)来る。宮沢清六さんより委托のトマト一個、金瓜一個、胡瓜、せんべい等もらふ。二時過ぎまで談話。辞去、宮沢賢治研究者。
昭和22年(1947)8月19日の日記より 光太郎65歳
「青年二人」、氏名は書かれていませんが、「東京」の方は、のち、国語学者となった宮地裕(みやじゆたか)氏です。氏のエッセイが、以前、光村図書出版さん刊行の中学校用の国語の教科書に掲載されていて、この際のエピソードが記されていました。平成9年(1997)~同13年(2001)に「言葉はどこからどこへ」と題し3年生用、ほぼ同一の内容で「胸の底の人と言葉たち」の題で同18年(2006)~同23年(2011)の1年生用。
それによれば、まず花巻町の宮沢家を訪れた宮地氏たち、郊外太田村の光太郎の山小屋にも足を運ぼうとしたところ、未知の人物が訪ねていっても光太郎に追い返されることがよくある、とわかっていた清六が野菜類などを持たせ、それを届けるという名目を与えてくれたとのこと。泣かせるエピソードですね。
ところで、この項を書くために調べていたところ、宮地氏、今年2月に逝去されていました。存じませんでした。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。