昨日は都内に出て、展覧会を2つ、ハシゴして参りました。
まずは上野公園内、上野の森美術館さん。
入賞作の選考委員に、お世話になっている水沢勉氏(神奈川県立近代美術館長)が名を連ねていらっしゃいますし、大賞に当たる「VOCA賞」受賞作品が、一見の価値があるなと思ったので、拝見して参りました。
その作品がこちら。尾花賢一氏による《上野山コスモロジー》。
トポスとしての「上野」に焦点を当て、古今の風景やアイテム、関連する人物、また、かつて上野で展示されたり、現在、上野の各施設に所蔵されたりしている美術作品などをモチーフとしています。
光太郎がとことん影響を受けたロダン作「考える人」(東京国立近代美術館さん前庭に野外展示中)や、光太郎の盟友・碌山荻原守衛の「女」(かつて上野で開かれた文展出品作)、光太郎の父・光雲を東京美術学校(現・東京藝術大学さん)に招聘し、光太郎入学時の校長だった岡倉天心。
そして光雲作の国指定重要文化財「老猿」(トーハクさん所蔵)。
つげ義春氏の「ゲンセンカン主人」(右下)などを彷彿とさせられるような部分(左下)も。
【折々のことば・光太郎】
雪かき、道をつくり、雪解に備へて水路を作らんとす。
雪解けに備える水路、温暖な房総半島に暮らしている身には、思いもよりませんでした。蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村での2度目の冬が終わろうとし、前年の経験が生かされていたようです。
まずは上野公園内、上野の森美術館さん。
こちらでは、現代アートの展覧会「VOCA展2021 現代美術の展望-新しい平面の作家たち-」を開催中です。
VOCA展2021 現代美術の展望-新しい平面の作家たち-
期 日 : 2021年3月12日(金)~30日(火)
会 場 : 上野の森美術館 東京都台東区上野公園1-2
時 間 : 10:00~17:00
休 館 : 期間中無休
料 金 : 一般800円/大学生500円/高校生以下無料
VOCA(ヴォーカ)展は1994年にスタートした、絵画や写真など平面美術の領域で高い将来性のある若手作家を奨励する展覧会です。昨年来、世界的な新型コロナウイルスの感染に見舞われる状況のもと、開催への準備を進め、今回で28回目の展覧会を迎える運びとなりました。
「VOCA展2021」には、全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などから推薦された40才以下の作家30名(組)が出品します。このなかから5名の選考委員によりVOCA賞1名、奨励賞2名、佳作賞2名が選ばれました。そして大原美術館賞が館の選考により決定しました。
今回のVOCAも絵画のほか写真や半立体的な作品など多様な技法・メディアによる意欲的な新作が集まりました。ユニークな造形や意匠とともに自身や家族、場所の歴史を探るもの、史実や社会問題に取材したモチーフやメッセージを含むものなど、重層的な読み解きへと誘う作品が多く見られます。
1年前には予期しなかった状況のなかでも作家たちは真摯に制作を続け、途切れることなく新しい才能が芽生えていきます。気鋭の作家たちが現在なにを考え、伝えようとしているのか。それぞれが切り開いている表現をぜひご覧ください。
「VOCA(ヴォーカ)」とは、「The Vision of Contemporary Art(現代美術の展望)」 の頭文字だそうです。入賞作の選考委員に、お世話になっている水沢勉氏(神奈川県立近代美術館長)が名を連ねていらっしゃいますし、大賞に当たる「VOCA賞」受賞作品が、一見の価値があるなと思ったので、拝見して参りました。
その作品がこちら。尾花賢一氏による《上野山コスモロジー》。
トポスとしての「上野」に焦点を当て、古今の風景やアイテム、関連する人物、また、かつて上野で展示されたり、現在、上野の各施設に所蔵されたりしている美術作品などをモチーフとしています。
光太郎がとことん影響を受けたロダン作「考える人」(東京国立近代美術館さん前庭に野外展示中)や、光太郎の盟友・碌山荻原守衛の「女」(かつて上野で開かれた文展出品作)、光太郎の父・光雲を東京美術学校(現・東京藝術大学さん)に招聘し、光太郎入学時の校長だった岡倉天心。
そして光雲作の国指定重要文化財「老猿」(トーハクさん所蔵)。
つげ義春氏の「ゲンセンカン主人」(右下)などを彷彿とさせられるような部分(左下)も。
ぜひ足をお運びの上、お買い求め下さい。
【折々のことば・光太郎】
雪かき、道をつくり、雪解に備へて水路を作らんとす。
昭和22年(1947)3月2日の日記より 光太郎65歳
雪解けに備える水路、温暖な房総半島に暮らしている身には、思いもよりませんでした。蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村での2度目の冬が終わろうとし、前年の経験が生かされていたようです。