一昨日、昨日ご紹介した情報もそうでしたが、あちこちで「ほんとの空」の語を使って下さって、ありがたい限りです。

今日ご紹介するのは、福島県会津の喜多方市にある老舗造り酒屋・大和川酒造さんの新商品。

特別純米 蒼穹(そうきゅう)

東日本大震災時に影響の大きかった飯舘村で栽培された米で仕込み、震災から10年の節目となる2021年3月11日にしぼり、瓶詰めする特別限定酒です。売上の1部を福島県へ寄付し、さらなる復興に思いを繋ぎます。オンラインショップにてご予約受付中です!

「蒼穹」とは青空や大空を意味し、晴れ渡る青空を復興のイメージとし、かつて高村光太郎が智恵子抄に記した「ほんとの空」の様に、震災以前の青空を取り戻す願いを込めてネーミングしました。

価 格 : 1,500円 (税込 1,650円)
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ちにみに(その1)、当方、学生時代(昭和の終わり頃)、喜多方の大和川酒造さんにお邪魔しました。仲間4人と、その頃有名になりつつあった喜多方ラーメンを食べに行った、ついでというと何ですが……。そこで、「ああ、あの大和川さんか」という感じでした。

ちなみに(その2)、大和川さんの製品というわけではなく、ご協力のもとで造られたもののようですが、当会の祖・草野心平を名誉村民に認定して下さった、同じ福島県の双葉郡川内村では、「歸宴(かえるのうたげ)」という純米吟醸が販売されています。「蛙の詩人」心平にあやかったネーミングですね。それ以外にも、川内村で「かえる」というと、原発事故からの「帰村」で「かえる」、新しい村に「変える」の「かえる」と、いろいろな意味があるそうですが。
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約1年前の『福島民友』さんから。

台風被害乗り越え...新酒「歸宴」完成 川内の純米吟醸酒

014 川内村産の酒造好適米「夢の香」100%で仕込んだ純米吟醸酒「歸宴(かえるのうたげ)」の新酒が完成し、村内の商店などで販売が始まった。15日は村コミュニティセンターで新酒披露会が開かれた。
 NPO法人元気になろう福島(福島市)や村、大和川酒造店(喜多方市)、福島大の学生らで取り組んでいる日本酒造りプロジェクトで、今年で3年目。昨年の台風19号の影響で酒米が水没し、収量は予定していた3分の1にとどまったが、生酒と火入れの2種類計約1500本を生産できる見通し。同NPOの本田紀生理事長は「苦難もあったが、今年もおいしい酒ができた」と太鼓判を押す。価格は生酒と火入れ各720ミリリットル入りで、いずれも1760円(税込み)。火入れは4月上旬ごろからの販売となる。
 会では、遠藤雄幸村長や住民が村特産のイワナの塩焼きなどと一緒に味わい、新酒に舌鼓を打った。席上、村民の有志が、歸宴や村産ワインなどを軸ににぎわい創出につなげる「かわうち酒宴(さかもり)の会」を設立する方針を示した。歸宴は村内の商店など7店で取り扱っている。問い合わせは村産業振興課へ。

今年も新酒が完成し、お披露目会が行われたと、今月初めの遠藤村長のフェスブックに投稿がありました。こちらはオンライン通販は行っていないということですが、その要望は強いようです。

さて、「蒼穹」、「歸宴」、日本酒好きの皆さん、よろしくお願い申し上げます。

【折々のことば・光太郎】

郵便物の中に電報あり。水野葉舟死去と見ゆ。(ヨウシウス」シキ五ヒヒミズ ノ)とあり電文誤字あれど死去確かなり。驚く外なし。


昭和22年(1947)2月4日の日記より 光太郎65歳

明治33年(1900)、『明星』の新詩社で出会い、以後、親友であり続けた水野葉舟は、光太郎と同じ明治16年(1883)の生まれでした。亡くなったのは2月2日、肋膜炎が元でした。