仙台に本社を置く地方紙『河北新報』さん。1月24日(日)に載ったコラムです 

デスク日誌(1/24):あぁ雪国

 雪化粧した山が快晴の空に映える。美しい。門灯に照らされた銀世界の夜景は幻想的。眺める分にはいいが、雪がしんしんと降り積もれば試練の域だ。
 山形総局は自社の建物。前任者から申し送りされた「大切な仕事」に除草と雪かきがある。着任し初めての冬は昨年12月半ばから早くも雪の日が増え、暖冬の昨季分を含むかのようだ。
 気合を入れ、玄関前や駐車場など朝から雪かきに精を出す。白いウエアに、前任地の塩釜支局で魚市場取材のため購入した白い長靴。以前いた泉支局(現・富谷支局)の時に頂いたラジオ体操や山岳遭難救助隊の赤い帽子に、緑の手袋が定番スタイルになった。
 新雪なら踏みしめる感覚が楽しい。高村光太郎の詩「道程」の一節<僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る>の気分だ。若手だった青森総局時代、「けんかになるから隣の敷地には絶対除雪しないこと」と教わったことも思い出す。ただ除雪車が路肩に残していく雪の塀には閉口する。
 近年では珍しい大雪。候補者陣営関係者も同僚も奔走した山形県知事選は、本日が投開票日だ。どうか荒天になりませんように。
(山形総局長 松田佐世子)

同紙は東北一円を範囲としていますので、山形総局があり、そちらのデスク方がご執筆なさったようです。

やはりこの冬の雪は尋常ではないようで、温暖な房総に暮らしている身としては申し訳ないような気がします。

同じ東北、岩手花巻の高村光太郎記念館さんのブログサイトから、最近の画像を拝借。
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太平洋側である岩手でこうですから、日本海側の山形は推して知るべし、ですね。左下はウサギの足跡です。

昨年末のこのブログで書きましたが、光太郎が面白いと思って日記にスケッチした通りですね。
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明日が節分、明後日は立春です。雪国の皆さん、もう少しのご辛抱を。


【折々のことば・光太郎】

晴、風なし、朝やや冷える。露一ぱい。 食前、分教場の近くまで馬糞を拾ひにゆく。塵取りと箒を持ちゆく。

昭和21年(1946)5月1日の日記より 光太郎64歳

畑の肥料のためなのでしょうが、ここまでやっていたのですね……。