一昨日の『岩手日報』さんから、花卷高村光太郎記念館さんで開催中の「光太郎と佐藤隆房」の報道をご紹介します。花巻市内五つの文化施設で「令和2年度共同企画展 ぐるっと花巻再発見!~イーハトーブの先人たち~」として行われている一環です

花巻疎開の縁たどる 高村光太郎記念館展 尽力した佐藤博士紹介 人柄伝わる水彩画も

 花巻市太田の高村光太郎記念館(佐々木正晴館長)は、光太郎(1883~1956)と花巻共立病院(現総合花巻病院)設立者で、初代院長の佐藤隆房(たかふさ)博士を紹介する企画展を開いている。光太郎の花巻疎開に尽力し、暮らしを支えた佐藤博士。2人の軌跡を貴重な色紙や写真でたどっている。
 佐藤博士の水彩画に光太郎が文章を書き添えた色紙4枚を中心に、関連資料や解説パネル計25点を展示。リンゴの絵に光太郎が「ひかりをつつむ」と書き添えた色紙からは、2人の人柄が感じ取れる。
 佐藤博士は宮沢賢治の主治医で、賢治の死後に同市桜町の「雨ニモマケズ」詩碑の建設委員長を務めた。その際に光太郎に揮毫(きごう)を依頼。1944(昭和19年)には、花巻疎開前野光太郎を東京の自宅に訪ね、詩碑の詩文に脱字があり追刻を依頼したエピソードも紹介されている。
 光太郎が佐藤博士の邸宅の離れ「潺湲楼(せんかんろう)」に滞在していた時に愛用した椅子は風格が漂い、息子で同病院長を務めた佐藤進さん(2019年10月死去)を交えた3人の写真は、家族ぐるみで親交があったことを伝える。
 佐々木館長(55)は「佐藤博士の絵に光太郎が画賛した色紙は大変貴重な品だ。花巻疎開の縁をつくってくれた人物でもあり、功績を紹介し身近に感じてもらいたい」と語る。 同展は来年1月25日まで。12月28日~1月3日休館。午前8時半~午後4時半。入館料は一般350円、高校生・学生250円、小中学生150円。問い合わせは同館(0198・28・3012)へ。
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しれっと一般人のような顔をしていますが、写真は市役所の方と当方です(笑)。

記事にある通り、期間は来年1月25日(月)まで。コロナ禍にはお気を付けつつ、ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

午前盛岡より池野のぶ子女史来訪、草木染の和紙をもらふ。及川全三といふ人の話をきく、メーレー夫人の毛布見せる。


昭和20年(1945)9月24日の日記より 光太郎63歳

「メーレー夫人の毛布」は、過日、花巻高村光太郎記念館さんで開催された「高村光太郎とホームスパン-山居に見た夢-」他で展示された、イギリスの染織工芸作家、エセル・メレ作の毛布です。「及川全三」は花巻郊外土沢で工房を開いていたホームスパン作家。のちに直接会って交流を深めます。

「高村光太郎とホームスパン-山居に見た夢-」は、50日間の開催で1,950人の入場者だったそうで、コロナ禍の中ではまずまずというところ、という判断とのことでした。