定期購読しております隔月刊誌『花巻まち散歩マガジン Machicoco(マチココ)』さんの第23号が届きました。
甘く酸っぱいリンゴの味と人生の甘酸との掛詞で、ザブトン一枚ものです(笑)。
また、光太郎は阿部に、即興で詠んだ「酔中吟」という詩も揮毫して贈りました。
「たいしよ」は「大将」ですね。のちに阿部はこの書を石碑に刻み、リンゴ園の敷地に建立しました。
昨年開催された市民講座「詩と林檎のかおりを求めて 小山先生と訪ねる碑めぐり」で、花巻、北上の光太郎碑を案内して歩いたのですが、この碑も行程に入れていただきました。
こちらのリンゴ園では、この揮毫から文字を採ったリンゴジュース「阿部のたいしよ」を販売していたとのこと。『マチココ』さんの画像にも写っています。
現在はやめてしまったそうですが、ぜひ復刻していただきたいものです。
ちなみに『マチココ』さんの撮影、こちらのリンゴ園内にあるレストラン「わいんさっぷ」さんで行われたとのこと。
積んである一番下が阿部さんのリンゴ、その上が石鳥谷地区産のリンゴ、さらに昨日落手した十和田産の長芋(箱に光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」が印刷されています)、右は愛媛から届いたミカンです。
さて、『マチココ』さんに戻ります。
今号の特集は「看板」。
花巻市街などの、どちらかというとレトロな、味のある看板が多数取り上げられています。何度か泊めていただいた在来線花巻駅前のかほる旅館さんのそれも。
昨日、『朝日新聞』さんの先週の夕刊に掲載された「(まちの記憶)大井町 東京都品川区 物語生む、にぎわいの交差点」という記事をご紹介する中でも書きましたが、どんどん変貌していく「まち」。しかし、そこに刻みつけられた「記憶」、しっかり残していくことは大切なことだと思います。
【折々のことば・光太郎】
正午鳥谷崎神社々務所ニテ天皇陛下の玉音録音放送ヲキキ平和再建の詔書渙発を知る。
鳥谷崎神社、そしてその時の模様を綴った詩「一億の号泣」についてはこちら。
平成29年(2017)の以来、花巻高村光太郎記念館さんのご協力で「光太郎レシピ」という連載が為されていますが、今号は「リンゴとサツマイモのケーキ」。
意外と光太郎はスイーツ好きだったようで、戦前の文章にもそうした記述がありますし、今号で紹介されていますが、戦後、花巻郊外旧太田村の山小屋で、ケーキを自作していたとのこと。昭和22年(1947)の日記には「午後シヨートケーキをつくりくふ。」の一文があります。あのぼろぼろの小屋でどうやって作っていたのか、ちょっと想像ができませんが(笑)。
山小屋でケーキといえば、以前にも書きましたが、昭和26年(1951)の日記には「昨夜旧小屋のケーキを野獣がくふ。犬か。」の記述があります。数ある光太郎笑えるエピソードの中でもポイントの高いものの一つです(笑)。
リンゴに関しては、宮沢賢治の教え子で、花巻で林檎園を経営していた阿部博とのからみ。平成27年(2015)、NHKさんの「趣味どきっ!女と男の素顔の書 石川九楊の臨書入門 第5回「智恵子、愛と死 自省の「道程」 高村光太郎×智恵子」」で取り上げられた「甘酸是人生」の書を贈られた人物です。
山小屋でケーキといえば、以前にも書きましたが、昭和26年(1951)の日記には「昨夜旧小屋のケーキを野獣がくふ。犬か。」の記述があります。数ある光太郎笑えるエピソードの中でもポイントの高いものの一つです(笑)。
リンゴに関しては、宮沢賢治の教え子で、花巻で林檎園を経営していた阿部博とのからみ。平成27年(2015)、NHKさんの「趣味どきっ!女と男の素顔の書 石川九楊の臨書入門 第5回「智恵子、愛と死 自省の「道程」 高村光太郎×智恵子」」で取り上げられた「甘酸是人生」の書を贈られた人物です。
また、光太郎は阿部に、即興で詠んだ「酔中吟」という詩も揮毫して贈りました。
「たいしよ」は「大将」ですね。のちに阿部はこの書を石碑に刻み、リンゴ園の敷地に建立しました。
昨年開催された市民講座「詩と林檎のかおりを求めて 小山先生と訪ねる碑めぐり」で、花巻、北上の光太郎碑を案内して歩いたのですが、この碑も行程に入れていただきました。
こちらのリンゴ園では、この揮毫から文字を採ったリンゴジュース「阿部のたいしよ」を販売していたとのこと。『マチココ』さんの画像にも写っています。
現在はやめてしまったそうですが、ぜひ復刻していただきたいものです。
ちなみに『マチココ』さんの撮影、こちらのリンゴ園内にあるレストラン「わいんさっぷ」さんで行われたとのこと。
ちなみに特にこの時期、全国から色々なものが届きます。ありがたし。
積んである一番下が阿部さんのリンゴ、その上が石鳥谷地区産のリンゴ、さらに昨日落手した十和田産の長芋(箱に光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」が印刷されています)、右は愛媛から届いたミカンです。
さて、『マチココ』さんに戻ります。
今号の特集は「看板」。
花巻市街などの、どちらかというとレトロな、味のある看板が多数取り上げられています。何度か泊めていただいた在来線花巻駅前のかほる旅館さんのそれも。
昨日、『朝日新聞』さんの先週の夕刊に掲載された「(まちの記憶)大井町 東京都品川区 物語生む、にぎわいの交差点」という記事をご紹介する中でも書きましたが、どんどん変貌していく「まち」。しかし、そこに刻みつけられた「記憶」、しっかり残していくことは大切なことだと思います。
【折々のことば・光太郎】
正午鳥谷崎神社々務所ニテ天皇陛下の玉音録音放送ヲキキ平和再建の詔書渙発を知る。
昭和20年(1945)8月15日の日記より 光太郎63歳
鳥谷崎神社、そしてその時の模様を綴った詩「一億の号泣」についてはこちら。