テレビ番組の再放送情報です。

まず、NHK Eテレさんで昨日放映の「日曜美術館 いつもそこに“名画”があった」。次の日曜の夜に再放送があります

日曜美術館 いつもそこに“名画”があった

NHK Eテレ 2020年12月13日(日) 20時00分~20時45分

90年前に日本で初めて西洋画をいつでも見られる美術館として誕生した大原美術館。始まりは、「日本の芸術界のため」に、海外の絵を集め、見てもらいたいというある画家の思いだった。その思いを受け、地元の実業家・大原孫三郎と息子・總一郎らによってコレクションは拡充されてきた。番組では、とびっきりの名画にまつわる思い出をつづった人々の手記に注目。俳優・美村里江さんによる手記の朗読を交え、美術館の歩みを見つめる。

出演者 美村里江 大原美術館館長…高階秀爾
司会  小野正嗣 柴田祐規子

光太郎ブロンズ「腕」(大正7年=1918)を収蔵している、岡山県倉敷市の大原美術館さんの特集。
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残念ながら「腕」は紹介されませんでしたが、光太郎と関わるロダン、バーナード・リーチ、濱田庄司らの作品が取り上げられました。
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そうした作品の紹介以外にも、そもそもの同館の成り立ち、沿革、現在まで受け継がれている精神といったものに非常に感銘を受けました。

同館は、メセナ(企業等による文化芸術方面への社会貢献)のはしりとして、昭和5年(1930)に開館。元々は実業家・大原孫三郎が、支援していた画家・児島虎次郎の勧めで海外から交流した美術品コレクションから始まりました。
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戦時中には、その所蔵品も危機に見舞われました。
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この金属供出では、光太郎や光太郎の父・光雲の多くの作品が奇禍に遭いました。しかし同館は断固拒否。
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結果として、多くの人々に、戦時中も感動を与え続けます。
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当時の人々の回顧談等を朗読された、ゲストのミムラ改め美村里江さんも感心しきり。

そうした精神は現代にも受け継がれ、子供たちにも。
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詳しくは、こちら

これで光太郎の「腕」も取り上げられていたら、言うことはなかったのですが(笑)。

ちなみに明日、12月8日は太平洋戦争開戦の日です。今一度、「あの戦争とは何だったのか」を考え直す契機としても、ご覧になっていない方、ぜひご覧下さい。

逆に12月8日というと、毎年のように幼稚なネトウヨが、その前後の光太郎の胸中など何も考えず、光太郎の翼賛詩「十二月八日」や「鮮明な冬」(ともに昭和17年=1942発表)を持ち出し、涙を流してありがたがる風潮があって眉を顰めたくなります。

もう1件。初回放映は平成23年(2011)だった2時間ドラマの再放送です

おかしな刑事~居眠り刑事とエリート警視の父娘捜査8 東京タワーは見ていた!消えた少女の秘密・血痕が描く謎のルート!

テレビ朝日 2020年12月9日(水) 13時49分~15時43分

ある日、東京タワー近くの公園を訪れた鴨志田は、30年前に同所で起きた幼女誘拐事件の被害者の父と再会する。その事件の主犯は交通事故死、懸命な捜査の甲斐なく共犯者の行方もわからないままだった。その夜、会社社長の冬木が刺され、重体となる事件が発生。冬木のもとには「東京タワーは知っている」という脅迫状が届いていた。そんな中、ホームレスの男・駒田が刺殺体で発見された。鴨志田は“駒田"という名字が気にかかり…

出演者
伊東四朗 羽田美智子 石井正則 小倉久寛 辺見えみり 山口美也子 木場勝己 小沢象 丸山厚人 菅原大吉 ほか

智恵子の故郷・二本松が事件に関わる舞台の一つという設定で、智恵子生家や安達太良山でロケが行われました。
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ヒロインにして主演の伊東四朗さん扮する鴨志田刑事の娘(実は秘密)役の羽田美智子さん、平成27年(2015)にNHK Eテレさんで放映された「趣味どきっ!女と男の素顔の書 石川九楊の臨書入門 第5回「智恵子、愛と死 自省の「道程」 高村光太郎×智恵子」」にもご出演。また、昨年封切りの北原白秋を主人公とし、光太郎も登場した映画「この道」では与謝野晶子役をなさっていました。

こちらもご覧になっていない方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

朝高熱を発す(41°) 佐藤花巻病院長来診、肺炎と診断、臥床、看護婦来る

昭和20年(1945)5月17日の日記より 光太郎63歳

花巻疎開の翌日です。肺炎は結核性のもので、41°というと、生死の境を彷徨ったのではないかとも思われます。幸い、昨日も紹介した佐藤隆房医師らによる懸命の看護で、一命は取り留めましたが、この後1ヶ月は宮沢賢治実家で臥床、日記も付けられない状態でした。ことによると、この日の記述も恢復後に書かれたものかもしれません。