ハードカバーの文庫化です。
文字に美はありや。
2020年11月10日 伊集院静著 文藝春秋(文春文庫) 定価720円+税文字に美しい、美しくないということが本当にあるのか――。
そんな疑問を抱いた著者が、「彼を超える書家はあらず」と言われた〝書聖〟王羲之に始まり、戦国武将や幕末の偉人、作家や芸人ら有名人から書道ロボットまで、国内外を問わず歴代の名筆をたどり、独自の視点で考察する。
取り上げた人物たち
王羲之 鑑真 空海 織田信長 豊臣秀吉 徳川家康 世阿弥 千利休 一休宗純 松尾芭蕉 宮本武蔵 大石内蔵助 水戸黄門 吉田松陰 高杉晋作 土方歳三 近藤勇 坂本龍馬 西郷隆盛 勝海舟 夏目漱石 正岡子規 谷崎潤一郎 永井荷風 井伏鱒二 太宰治 高村光太郎 古今亭志ん生 立川談志 ビートたけし ほか
さらに遡れば、元々は雑誌『文藝春秋』の連載で、光太郎の項「猛女と詩人の恋」は平成26年(2014)10月号に掲載されました。
木彫「白文鳥」(昭和6年=1931)を収めるための袱紗(ふくさ)にしたためられた短歌、詩「道程」(大正3年=1914)の草稿が取り上げられています。また、書論「書について」(昭和14年=1939)にも言及されています。
新刊書店で平積みになっています。ぜひお買い求め下さい。
【折々のことば・光太郎】
今作りをるものは今の我にてともかくも作りをるものゝこれ亦一二週乃至一二ヶ月も立たば忽ち顧るにも堪へぬものとやなりもせん 此をおもへば我ながらあまりの甲斐なさに口惜しなどいふもおろかなる。
伸び盛り、というわけですね。「今」の作品は「今」の精一杯のものとしながらも、少し経てばそれ以上のものが出来るはずだ、と、現状に満足しない姿勢には好感が持てます。
元版は平成30年(2018)に同社から刊行されています。
さらに遡れば、元々は雑誌『文藝春秋』の連載で、光太郎の項「猛女と詩人の恋」は平成26年(2014)10月号に掲載されました。
木彫「白文鳥」(昭和6年=1931)を収めるための袱紗(ふくさ)にしたためられた短歌、詩「道程」(大正3年=1914)の草稿が取り上げられています。また、書論「書について」(昭和14年=1939)にも言及されています。
新刊書店で平積みになっています。ぜひお買い求め下さい。
【折々のことば・光太郎】
今作りをるものは今の我にてともかくも作りをるものゝこれ亦一二週乃至一二ヶ月も立たば忽ち顧るにも堪へぬものとやなりもせん 此をおもへば我ながらあまりの甲斐なさに口惜しなどいふもおろかなる。
明治36年(1903)4月8日の日記より 光太郎21歳
伸び盛り、というわけですね。「今」の作品は「今」の精一杯のものとしながらも、少し経てばそれ以上のものが出来るはずだ、と、現状に満足しない姿勢には好感が持てます。