都内から展覧会情報です。
写真は光太郎令甥で写真家の故・髙村規氏の撮影によるものです。
光太郎木彫、常時見られる館は無く、貴重な機会です。ぜひどうぞ。
【折々のことば・光太郎】
人は誰でも「美しいなあ」と感じがしたとき、なにかに表現してみたくなります。そこがやはり人らしい芸術の芽生えです。
光太郎自身もレンコンを見て、「美しいなあ」と感じたのでしょう。そしてレンコンをそのまま再現するのではなく、いろいろ考えて彫っていると思います。
以下、あくまで推測ですが、どうも「白銀比」を使っているように思われます。「白銀比」は、古来、わが国で建築や美術作品に使われてきた、日本版「黄金比」。1:√2(1.414)です。A判、B判の用紙はタテヨコこの比率ですね。日本人が美しいと感じる比率だそうで。
藝大コレクション展 2020――藝大年代記(クロニクル)
期 日 : 2020年9月26日(土)~10月25日(日)
会 場 : 東京藝術大学大学美術館 東京都台東区上野公園12-8
時 間 : 午前10時 - 午後5時
休 館 : 月曜日
料 金 : 一般440円(330円) 大学生110円(60円) 高校生以下及び18歳未満は無料
( )は20名以上の団体料金
東京美術学校(美校)開学から現在の東京藝術大学まで、130年以上にわたって引き継がれている本学の美術・教育資料の集積である「藝大コレクション」。2020年の展示では、美校・藝大に残された多様な美術作品によって、学史を「年代記」のように辿ります。
第1部では、上村松園の《序の舞》、狩野芳崖の《悲母観音》など、名品群を紹介します。
第2部では、藝大を象徴するコレクションと言える自画像群を特集します。黒田清輝を中心とする西洋画科の卒業課題としてはじまり、現在まで続くコレクションで、その総数は現在6000件を超えます。これらの自画像を、日本近代美術・美術教育史の流れを示す「歴史資料」として扱い、100件以上の自画像を一堂に並べ、美校・藝大の流れを「年表」のようにご覧いただきます。
藝大さんのサイトやフライヤー(チラシ)に記述がないのですが、光太郎の木彫「蓮根」(昭和5年頃=1930頃)が出ているとのことです。関係の方からご案内、招待券を頂き、それで知りました。写真は光太郎令甥で写真家の故・髙村規氏の撮影によるものです。
光太郎木彫、常時見られる館は無く、貴重な機会です。ぜひどうぞ。
【折々のことば・光太郎】
人は誰でも「美しいなあ」と感じがしたとき、なにかに表現してみたくなります。そこがやはり人らしい芸術の芽生えです。
談話筆記「高村光太郎先生説話 一三」より
昭和25年(1950) 光太郎68歳
光太郎自身もレンコンを見て、「美しいなあ」と感じたのでしょう。そしてレンコンをそのまま再現するのではなく、いろいろ考えて彫っていると思います。
以下、あくまで推測ですが、どうも「白銀比」を使っているように思われます。「白銀比」は、古来、わが国で建築や美術作品に使われてきた、日本版「黄金比」。1:√2(1.414)です。A判、B判の用紙はタテヨコこの比率ですね。日本人が美しいと感じる比率だそうで。
本当に昔から経験則的に使われており、建築では法隆寺、三十三間堂などでの使用例が有名です。絵画でも。
左は雪舟、右は菱川師宣。
さらに現代。
そして光太郎。
まぁ、この「蓮根」に関しては、「だいたい」ですけれど……。
それぞれの作者、1:1.414という数式を意識してわざわざこうしたわけではなく、経験則から最も美しい比率と感じた結果だというのが面白いところです。第一、光太郎は数学を大の苦手としていました。数学教師が「ある他の数が……」と言うのを「アルタの数って何だ?」と聞いていたそうで(笑)。そうなると平方根あたりはもうお手上げだったのではないでしょうか(笑)。
光太郎彫刻、絵画には、他にも「白銀比」使用例がありそうです。暇な時に(笑)探してみます。
左は雪舟、右は菱川師宣。
さらに現代。
そして光太郎。
まぁ、この「蓮根」に関しては、「だいたい」ですけれど……。
それぞれの作者、1:1.414という数式を意識してわざわざこうしたわけではなく、経験則から最も美しい比率と感じた結果だというのが面白いところです。第一、光太郎は数学を大の苦手としていました。数学教師が「ある他の数が……」と言うのを「アルタの数って何だ?」と聞いていたそうで(笑)。そうなると平方根あたりはもうお手上げだったのではないでしょうか(笑)。
光太郎彫刻、絵画には、他にも「白銀比」使用例がありそうです。暇な時に(笑)探してみます。