今日は新潟に行ってきます。先月のブログでご紹介しました新潟市新津美術館さんのイベント「シーズン&アート第29章 「高村光太郎-安達太良山と智恵子」を聴きに行って参ります。
『道程』、『智恵子抄』を、元NHKアナウンサーの方が朗読し、文芸評論家の方が解説、二期会会員のソプラノ歌手さんが、ピアノ伴奏で朗読にあわせて歌曲『智恵子抄』より「あどけない話」や「レモン哀歌」などを歌うとのこと。楽しみです。
似たようなコンサートが今月、目黒と横浜であいついで開催されますのでご紹介します。
もう1件。
柿の木坂にて
日 時・会 場 2013年6月19日(水)19:00開演 18:30開場 めぐろパーシモンホール 小ホール
出演/曲目
安田由香里 <ソプラノ>
ハイドン:オラトリオ「天地創造」より “今や野の新緑が”
ヘンデル:オラトリオ「セメレ」より “朝のひばりはわれと共に歌い”
ベネディクト:みそさざい
ピアノ:守谷温子
岩井奈美 <メゾ・ソプラノ>
チマーラ:郷愁 ストルネッロ
ビゼー:オペラ「カルメン」より “ハバネラ”
サン=サ-ンス:オペラ「サムソンとデリラ」より “愛の神よ 私を助けに来ておくれ”
團 伊玖磨:五つの断章 野辺 舟唄 あかき木の実 朝明 希望
ピアノ:内藤典子
木村洋子 <語りと音楽>
<演目>高村光太郎:智恵子抄より
「晩餐」「夜の二人」「あなたはだんだんきれいになる」「あどけない話」「同棲同類」「千鳥と遊ぶ智恵子」「レモン哀歌」
<演奏>J.S.バッハ:フランス組曲Ⅴ ガボット G線上のアリア 平均律Ⅵ プレリュード 他
<構成・音楽・演出>藤堂叶倫
料 金 2,800円 (全席自由・税込) 申 込 JILAチケットセンター Tel:03-3356-4140
もう1件。
La fontaine~雨の歌~
日 時・会 場 2013年6月22日(土) 14:00開演 13:40開場 青葉区民文化センター フィリアホール
出演/曲目
久保田華代子 <メゾ・ソプラノ>
サン=サーンス:オペラ「サムソンとデリラ」より
“春は目覚めて” “愛の神よ!私を助けにきておくれ” “あなたの声に私の心は開く”
ヴェルディ:オペラ「仮面舞踏会」より “地獄の王よ、急ぎたまえ”
ピアノ:長澤恵美子
高井洋子 <クラリネット>
バーンスタイン:「ウェストサイド物語」より “マリア”
バーンスタイン:クラリネットとピアノのためのソナタ
ピアノ:冨田珠里亞
星野真貴 <ソプラノ>
ドニゼッティ:オペラ「ドン・パスクヮーレ」より “あの目に騎士は”
プッチーニ:オペラ「ラ・ボエーム」より “私が街をあるけば” 他
ピアノ:天野正子
高柳なおみ <ピアノ>
ドビュッシー:映像 第1集より 1. 水の反映 3. 動き
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ長調 作品31
岩井奈美 <メゾ・ソプラノ>
モーツァルト:静けさはほほえみ
モーツァルト:オペラ「イドメネオ」より “私の罪ではない”
團伊玖磨:「五つの断章」 野辺 舟歌 あかき木の実 朝明 希望
小林秀雄:飛驒高原の早春(はる)
ピアノ:尾崎克典
大河内由佳 <ソプラノ>
トスティ:理想の女(ひと)
蒔田尚昊:〈智恵子抄〉より 「あどけない話」 他
ピアノ:井川由紀
料 金 3,500円 (全席自由・税込) 申 込 JILAチケットセンター Tel:03-3356-4140
この手のイベント、何もないときは何もないのに、あるときは集中してあるという感じです。今月もあちこち出かけますので、両方行くのは厳しいかな、と思っています。光太郎を取り上げていただけることがありがたいですし、心は凄く動くのですが……。
【今日は何の日・光太郎】 6月1日
昭和24年(1959)の今日、雑誌『婦人画報』第537号に、詩「若しも智恵子が」が掲載されました。
「若しも」は「もしも」と読みます。この時光太郎、数えで67歳……とは思えませんね。
若しも智恵子が
若しも智恵子が私といつしよに
岩手の山の源始の息吹につつまれて
いま六月の草木の中のここに居たら、
ゼンマイの綿帽子がもうとれて
キセキレイが井戸に来る山の小屋で
ことしの夏がこれから始まる
洋洋とした季節の朝のここに居たら、
智恵子はこの三畳敷で目をさまし、
両手を伸して吹入るオゾンに身うちを洗ひ、
やつぱり二十代の声をあげて
十本一本のマツチをわらひ、
杉の枯葉に火をつけて
囲炉裏の 鍋 (なべ ) でうまい 茶粥 (ちゃがゆ ) を煮るでせう。
畑の絹さやゑん豆をもぎとつてきて
サフアイヤ色の朝の食事に興じるでせう。
若しも智恵子がここに居たら、
奥州南部の山の中の一軒家が
たちまち真空管の機構となつて
無数の強いエレクトロンを飛ばすでせう。