千葉から所蔵品展の情報です。 
期 日 : 2020年7月18日(土)~9月21日(月)
会 場 : 千葉県立美術館 千葉市中央区 中央港1丁目10番1号
時 間 : 9:00~16:30
休 館 : 月曜日
      ただし、月曜日が祝日・振り替え休日に当たるときは開館し、翌日休館
料 金 : 一般300円/高大150円  *20名以上は団体料金(それぞれ2割引き)
      65歳以上 中学生以下 障害者手帳をお持ちの方及び介護者1名無料 
高村光太郎は、日本近代を代表する彫刻家の一人であると同時に、『智恵子抄』をはじめとする詩作や美術評論など、多岐にわたる芸術活動を展開しました。
活動の幅広さに比例するように、生涯を通じて多くの芸術家と交流しました。その中には実弟で彫金家の高村豊周、家族ぐるみの交流があった柳敬助、フュウザン会で活動をともにした岸田劉生などがいます。
本展は、当館コレクションの中から、高村光太郎本人の作品とともに、高村と交流のあった芸術家たちの作品を紹介することによって、高村が生きた時代を浮かび上がらせようとするものです。

主な展示作品
 高村光太郎《手》1918年 岸田劉生《霽れたる冬之日》1917年

同時開催
 コレクション展 都鳥英喜とその周辺/名品

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展示目録がネット上に出ていませんが、同館では「手」(大正7年=1918)をはじめ、8点の光太郎ブロンズ彫刻を所蔵しています(以前は6点だったように記憶しているのですが)。8点すべて出すのか、セレクトされるのか、不明です。ただし、いずれも新しい鋳造のもののはずです。

それから、説明文には光太郎実弟にして鋳金の人間国宝・豊周の名。やはり同館では「北詰コレクション」ということで、千葉県印西市にあって平成26年(2014)に閉館した、「メタル・アート・ミュージアム 光の谷」の所蔵品がこちらに移っており、その中に豊周の作品が含まれています。何度かそちらの展示も行われています。今回もおそらく豊周の作品も出るのでしょう。

今週末はいろいろ忙しいので、来週には足を運び、レポートしようと考えております。


【折々のことば・光太郎】

一番よく自分の内の声を聴くものが、一番正しい生活に入るのである。人間世界の道徳律はかうして自然に出来たものだと思ふ。

散文「若さ」より 昭和3年(1928)頃 光太郎46歳頃

昭和3年1月14日、東京開成館発行『新制女子国語読本 第二修正版 巻五』(高等女学校用の教科書)に掲載された文章です。初版は大正11年(1922)ですが、毎年のように改訂が入り、いつの時点でこの文章が採録されたか不明です。

大正13年(1924)発行の雑誌『婦人之友』に載った「若い人へ」と内容的にはほぼ同一ですが、細かな部分での相違がかなりあります。現時点ではどちらが先行するか、これも不明です。

「一番よく自分の内の声を聴くものが、一番正しい生活に入るのである。」ある意味、性善説ですかね。