ローカルTV局・IBC岩手放送さんで、毎週水曜日の19:00~19:57、「わが町バンザイ」という自主制作番組が放映されています。「さまざまな組み合わせのアナウンサー2人(時にはゲスト)が、県内33市町村を基本的に行き当たりばったりで訪ね歩く。「岩手ってやっぱりいいよな!」と心の底から思えるような“ふるさと讃歌バラエティ”。」だそうで。

6月24日(水)のオンエアが、「花巻南温泉峡」。その中で花巻高村光太郎記念館さん、隣接する高村山荘も取り上げられました(というか、前半はまるまるそちら)。同館からDVDに録画してくださったものが届きました。ありがたし。

番組の「お約束」だそうで……。

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ドローン空撮ですね。右端が花巻高村光太郎記念館さん、髙村山荘は左上あたりです。

進行役は同局の浅見智アナ、奥村奈穂美アナ。

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お二人とも通常のニュース番組も担当されており、見知ったお顔でした。特に美人さんの奥村アナは当方のど真ん中ストライク(笑)。


閑話休題(笑)。まずは花巻高村光太郎記念館さん。この番組、通常はアポ無し突撃取材だそうですが、やはりコロナ禍でそうもいかないようで……。

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館内に入ると……。

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取材は休館中だった5月末。女性スタッフの方々が、光太郎手ぬぐいを素材とした手作りマスクを製作中。

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同封のカードには、光太郎詩「非常の時」の一節。

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昭和20年(1945)の花巻空襲の際、自らの危険を顧みず、負傷者の看護に当たった医療従事者を称えた詩です。それが現在のコロナ禍の状況と重なる、ということで。

浅見アナが詩の一部を朗読。

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テロップの口語訳は当方です。

ここでCM(笑)。岩手銀行さん。

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なぜ「ノンストップ」ではなく「のんストップ」かといいますと……。

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のんさんがご出演(笑)。このCMは存じませんでした。「あまちゃん」で一躍注目を集めた三陸鉄道(三鉄)さんも登場。

さて、続いては……。

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花巻高村光太郎記念館さんのロゴ、「光」という字が左右反転状態なのです。

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ちなみにロゴの右下、「?」にかかっているあたり、熊の爪痕です(笑)。

裏返しの謎を解明すべく、髙村山荘へ。

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答えは山荘の別棟、光太郎が使っていたトイレにありました。

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光太郎が自ら壁に彫りつけた「光」の文字。

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下記は昭和24年(1949)、濱谷浩撮影のカット。本当に彫っているシーンなのか、それっぽく見せるための「やらせ」なのか、何とも不明ですが、ともかく禿頭の後ろ姿は光太郎本人です。

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その後、山荘本体へ。

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最近、二重の套屋の内側に、記念館用に当方が作成した花巻時代の光太郎年譜などを、新たにパネルにして展示したそうで……。

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この項目で、奥村アナ、ウケてました(笑)。

再び記念館に戻り……。

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今秋開催予定の企画展示の宣伝も。

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フリップの通り、光太郎遺品のホームスパンの毛布を展示するそうです。

ただ、その前に、昨年、光太郎令甥の藤岡貞彦氏(一橋大学名誉教授)から寄贈があった、光太郎の父・光雲作の木彫を展示する企画展が、9月頭から中旬まで計画されています。当方現在、そちらの説明パネルやキャプションの執筆にかかっております。

番組後半は、花巻南温泉峡。光太郎が泊まった鉛温泉さん、大沢温泉さんなどは、残念ながら扱われませんでした。

そして、ラスト。

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両アナ、いつの間にかマスクがお色直し(笑)。

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いい感じですね(笑)。

奥村アナ、「正直親切」を、これから座右の銘になさるそうで(笑)。

IBC岩手放送さん、ゴールデンタイムにこういう番組を放映されている、その郷土愛には感服しました。岩手の皆さんは、お一人お一人、そういう郷土愛に溢れていらっしゃり、それがコロナ感染ゼロの原動力にもなっているような気がします。

コロナ禍おさまりましたら、皆様、ぜひ、足をお運び下さい。


【折々のことば・光太郎】

私は常々定型詩としての短歌に俗情の交加するのを嫌ふ。短歌はおのづから人間醇粋感情の格高き表現の器であると確信するので木下利玄氏の短歌に私が推服するのは当然の事である。

散文「木下利玄全集内容見本」より 昭和14年(1939) 光太郎57歳

木下利玄は光太郎より三歳年下。少年期より短歌を佐佐木信綱に学び、『白樺』発刊に尽力しました。

光太郎自身は、意外とろくでもない巫山戯た短歌も詠んでいますが、本来、短歌は「人間醇粋感情の格高き表現の器である」と思っていたのですね。