今日明日で2件ご紹介しますが、まずは神奈川県全域と東京都多摩地域の『タウンニュース』さん。7月2日(木)の八王子版に光太郎の名。 

人物風土記 書家であり、多摩地区で「文字遊び」の教室を開く 吉沢和子さん 元本郷町 77歳

戯れるように書く001

 ○…心を解放し、自分自身を表現することが芸術だ。書家の榊莫山氏に17年間師事し、現在は市内で書道教室を開くほか「はがきで文字遊び」教室を多摩地域18カ所で主宰する。教室で緊張してしまう生徒にリラックスしてもらおうと自身が作った「のびのび体操」では、途中「にっこりして」と声をかける。

 ○…生まれ、育ちは元本郷町。歌や山遊びが楽しみだった。中学校の授業では、高村光太郎の愛情深い詩に衝撃を受けた。戦争に加担する作品を作ったことを悔い、山で隠遁生活を行った姿を尊敬し「多少の困難は乗り越えられる」心構えが養われた。本格的に書道を始めたのは金融業界に務めていた26歳のとき。それまで水墨画を学んでいたが、知人の誘いがきっかけとなり書道の古典に触れる。漢詩や格言などから型を習得するうちに、「既成概念から解放されたい」と考えるようになった。

 ○…そんな頃に出会い、弟子入りしたのが、型破りな表現で知られていた大家榊氏だった。言葉数は少ないが、「空気」から多くを得たという。師に作品を見せると3作品のうち1枚を指さし、「これ、ええで」とポツリ。手本をなぞるのではなく自分自身を表現することを学んだ。そして生まれたのが「はがきで文字遊び」だ。絵を描くように文字を書き、素直な気持ちを伝える。

 ○…休日は夫婦二人で街道歩きを楽しむ。直接見て感じることが、書にも表れるという。新型コロナウイルスでふさぎがちな気持ちを明るくしたいと書いたはがきには「歩こう」の一言。「う」の文字を軸と斜めに傾けることで上向きの気持ちを伝えた。割りばしで足跡のような斑点も添えて。今後も「書と戯れる」心を忘れずに活動していく。

他の記事で、吉沢さんの作品の画像も。 

人物風土記関連 はがきで文字遊び 嬉しいこと素直に

シンプルな言葉で送り手の気持ちを000伝える、見た目にもかわいらしいはがきの教室が、市内等で開かれている。指導をする書家の吉沢和子さん(77)=人物風土記で紹介=は筆や割りばしなど、様々な道具と色を使って文字の書き方を工夫する。

 この「はがきで文字遊び」教室のきっかけは、知人から「難しい作品は初心者にはわからない」と言われたこと。「感謝の気持ちなどは、細かく文字を書かずとも、素直な一言でも伝わるのではないか」と話す。

 吉沢さんは、26歳から本格的に書道を始めた。「自分を自由に表現する」書は、42歳から59歳まで師事した、書家の故・榊莫山氏から学んだ。2000年には国際公募アート未来展で内閣総理大臣賞を受賞したほか、これまで市内を中心に書の個展を12回開催している。

 教室の開始は2000年に出版した本が好評だったため。当初8人だった生徒数は、今では150人になり、8人の講師とともに多摩地区各地で開講している。詳細は【電話】042・623・3028へ。

光太郎に影響を受けたという書家の方はけっこうたくさんいらっしゃいますね。書そのものに魅せられた方、生き様からインスパイアされた方など。吉沢さんは後者のようです。

「はがきで文字遊び」の公式サイトもありました。ご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

比例の美きはまりなし  短句揮毫 戦後期? 光太郎65歳頃?

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こういう書を見せられてしまうと、魅せられてしまいますね(笑)。ご自分でも書をやろうという方は、影響を受けざるを得ないような……。