昨日ご紹介した、安曇野市豊科近代美術館さんの「高田博厚生誕120年記念展―パリと思索と彫刻―」に関し、報道が為されています。

信州松本平地区の地方紙『市民タイムス』さん。 

高田博厚の思索に触れる 豊科近代美術館で生誕120年展

 世界的な彫刻家・高田博厚(1900~87)の作品を常設展示する安曇野市豊科の市豊科近代美術館で、高田の生誕120年を記念した企画展「パリと思索と彫刻」が開かれている。彫刻を中心に収蔵作品の8割に当たる約150点を展示し、平成4(1992)年の開館以来、展示の根幹を担ってきた高田の作品と生涯に光を当てた。8月30日まで。
 高田博厚は石川県生まれ。若い頃から哲学と語学に秀で、18歳で上京後、彫刻家の高村光太郎らと交流を深めつつ独学で彫刻を始めた。30歳の時に単身渡仏し、第2次世界大戦を挟む26年間をパリで過ごして新聞記者、翻訳、著作の執筆の傍ら彫刻を作り続けた。
 企画展では特に、高田に大きな影響を与えたフランス滞在時代に重点を置いている。大展示室にはフランスで出会った人たちの肖像彫刻が並ぶ。どんな立場の人であろうとモデルに対して誠実に向き合った高田の制作姿勢を感じてもらおうと、交流があったフランスの文豪ロマン・ロランや、インド独立の父マハトマ・ガンジーら著名人と高田の恋人や友人を同じ空間に配置した。代表作でもある女性のトルソー「カテドラル」や渡仏前後の作品もあり、制作活動の変遷をたどることができる。
 学芸員の塩原理絵子さんは「高田の彫刻かは、自身や他人の思想や内面に触れようとする深いまなざしが感じられる。久々に展示した作品もあるので、改めて鑑賞してほしい」と呼び掛けている。
 午前9時から午後5時までで月曜休館。入館料は520円(大学生と高校生310円、中学生以下と市内在住の70歳以上は無料)。
 問い合わせは豊科近代美術館(電話0263・73・5638)へ。


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それから、YouTubeには、同館制作のPV的な動画も。

追記 会期終了後、動画は削除されたようです。

バックに流れるピアノ演奏は、高橋在也氏。高田や光太郎とも交流のあった詩人、高橋元吉のご子孫に当たられる方です。

こちらの動画を見て、ますます行きたくなりました。コロナ禍が落ち着いたら、行って参ります。皆様もぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

また春から秋にかけては茸や木の芽、山草など豊富で、栗など朝、裏山に出ると一升ぐらいは訳なく拾える。こんなふうで配給でやつていけるし東京などで生活のため悶え苦しんでいるよりどんなに恵まれているか分かない。

談話筆記「太田村にて」より 昭和23年(1948) 光太郎66歳

コロナ禍で、東京一極集中に対する批判や反省が、また強くなってきましたね。

光太郎が戦後の七年間を過ごした花巻郊外旧太田村ほどではありませんが、当方自宅兼事務所もなかなかの田舎です。慣れてしまえば田舎暮らしもそれはそれでいいものですよ。