このブログでたびたびご紹介しておりますアートオークション大手の毎日オークションさん。時折、光太郎や光太郎の父・光雲関連が出品されます。

今月開催の「第641回毎日オークション 絵画・版画・彫刻」では、光雲の作品が出ます。

第641回毎日オークション 絵画・版画・彫刻

日  程 : 2020年6月19日(金) 14:00~  6月20日(土) 12:00~
会  場 : 毎日オークションハウス 東京都江東区有明3-5-7
下見会 : 2020年6月18日(木)・19日(金) 10:00~18:00

さて、光雲作品。

まずは木彫丸彫の「翁舞」。衣の紋様まで細かに彫られています。まさに超絶技巧。

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同じく「大聖像」。ほぼ同型の作品が、現在、千葉そごうさんの美術画廊で開催中の「近代木彫秀作展」に展示販売されています。

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丸彫りの二点とも、千葉そごうさんに出ているものと比較すると、かなりの安値です。「作品詳細」欄にあるとおり、それぞれ、若干、状態がよくない点があるためでしょうか。それにしても、画像で見る限り目立つ瑕疵ではないので、もう少し値がついて落札されるような気がします。

続いて、手板浮彫(レリーフ)の小品で「月宮殿」。月で餅を搗く愛らしい兎です。

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最後に彫刻ではなく、書。雄渾な文字ですね。

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それぞれ、おさまるべきところにおさまってほしいものです。


【折々のことば・光太郎】

だからぼくのは出すたびにやられるので弱つていたもんです。非詩だつて、そう感じるんだからしようがないというので書いていたもんです。

座談会筆録「現代詩について」より 昭和28年(1953) 光太郎71歳

半世紀近く前の明治末、詩集『道程』所収の詩篇を作っていた頃の回想です。口語自由詩はまだ一般的でなく、しかもある意味醜い自己の内面をさらけ出した光太郎の詩は、時代を突き抜けていたといえましょう。