新型コロナ禍の影響が続く中、外出自粛の要請のため、運動不足に陥っている方も多いのでは、と思われます。当方は、元々在宅ワークが多く、さらに自宅兼事務所周辺は田舎ですので人混みもなく、愛犬の散歩をこれまで通りに朝夕1時間弱くらいずつ行っており、それほどライフスタイルに変化もありませんが。

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そんな中、智恵子の故郷・二本松市さんのサイトに、先週、以下の案内が出ました。 

手軽にできる体操をご紹介します 筋力低下予防やこころのリフレッシュを行いましょう

新型コロナウイルス感染防止による不要不急の外出を避けることで、運動不足やストレスの蓄積が心配されます。そこで、動画を見ながら行える体操をご紹介します。からだを動かすことで、上手に気分転換を行いましょう。

ほんとの空体操
「二本松市民の歌」に合わせた健康体操です。主にストレッチ要素のほか肩甲骨まわりを動かし、肩こりの予防や姿勢全体を整えるのに効果があります。





いきいき百歳体操
介護予防を目的とした筋力アップ体操です。主に高齢者向けに開発されましたが、重りをつけることで若い方の筋力アップの効果も期待できます。




「いきいき百歳体操」は、高知発祥だそうですが、厚労省の後押しで、全国に広まっているようです。

光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語を冠した「ほんとの空体操」の方は、二本松市オリジナル。作られたのは平成27年(2015)。翌年には『広報にほんまつ』に図解入りで紹介され、市役所職員の皆さんは朝礼で実施、などと報道されました(今でもこの風習は続いているのでしょうか?)

それがここに来て、予期せぬ新型コロナによる外出自粛要請にともない、市のサイトであらためて紹介されたというわけですね。

実際に動画を見ながらやってみましたが、「体操」というよりはストレッチに近いのかな、という感じです。元々が「健康な高齢者を対象に」ということでしたので、過酷な動きは取り入れられていないようです。デスクワーク等で長時間同じ姿勢をとり続けた後などにいいかな、という気はしました。最後の決めのポーズで「ほんとの空」を仰ぐのが肝のようです(笑)。

「いきいき百歳体操」の方が、「百歳」といいながら、きつい動きが入っています(笑)。まぁ、「百歳をめざすために」ということなのでしょうが。

というわけで、運動不足を感じられている皆様、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

願はくは、故国の山水、とこしなへに清からむことを。

雑纂「高村豊周『赤城山旅行記』あとがき」より
 明治39年(1906) 光太郎24歳

『赤城山旅行記』は、光太郎実弟にして、のちに家督相続を放棄した光太郎に代わって高村家を嗣いだ豊周が、十日余りの日程で赤城山を訪れた際の紀行文です。のちに鋳金分野の人間国宝となる豊周は当時数え17歳。原稿用紙40枚に旅行記をしたため、ニューヨーク在の光太郎に送り、光太郎が朱を入れ、このあとがきを添えて日本に返送しました。

「とこしなへ」は「永遠」。赤城山は留学前に光太郎もたびたび遊んだ山で、遠い異国にあって、なつかしい故国の山水を偲ぶ心境が垣間見えます。

智恵子にとってのソウルマウンテンは、「ほんとの空」の広がる安達太良山。光太郎にとっては赤城山だったのでしょう。