当会の祖・草野心平を顕彰するいわき市立草野心平記念文学館さんからご案内を頂きました。

企画展「草野心平の詩 天へのまなざし」

期 日 : 2020年4月11日(土)~6月28日(日)
会 場 : 
いわき市立草野心平記念文学館 
       福島県いわき市小川町高萩字下タ道1番地の39
時 間 : 9:00~17:00
休 館 : 月曜日(5月4日は開館)
料 金 : 一般 440円(350円) 高・高専・大生 330円(260円) 小・中生 160円(130円)
       ( )内は20名以上団体割引料金

草野心平の創作における代表的な主題の一つが「天」でした。
「神はおれから遠ざかり。/近づいたのは石と天。」という詩の一節も、巨視から微視まで自在に対象を射抜いたまなざしによるものです。
本展では、心平の天の詩をあらためて取り上げ、自筆原稿、随筆、書籍などの関連資料を展観しながら、作品の奥深い魅力をあらためて紹介します。

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関連行事等

 ギャラリートーク 5月9日(土) 6月6日(土) いずれも14:00~14:30
 
 同時開催 スポット展示 猪狩満直


フライヤー裏面に、心平詩集『天』の画像。昭和26年(1951)、題字揮毫は光太郎です。

心平と「天」といえば、最晩年、昭和60年(1985)発行の書道雑誌『墨』(芸術新聞社)53号「特集 高村光太郎 書とその造型」に、「光太郎書に就いての漫語」という散文を寄せ、「天」について書いています。

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「天」を愛した心平が勝手に「五001天」と命名した、敬愛する芸術家達の「天」に関する作品のコレクション五点の話が枕です。川端康成、棟方志功、村山槐多、福沢一郎、そして光太郎。光太郎のものは、詩集『天』の題字ではなく(カラー写真が掲載されているのですが)、「天人満堂」と書かれた揮毫とのこと。

心平の「天」へのこだわり、「ほんとの空」を求めてやまなかった、同じ福島出身の智恵子にも通じるような気がします。

同時開催のスポット展示で取り上げられる猪狩満直は、やはり光太郎と交流のあった詩人です。昨年もスポット展示で取り上げられていましたが、展示内容は変わるのではないでしょうか。

フライヤー、ポスター、招待券と共に、平成29年度分の『いわき市草野心平記念文学館年報』もお送り下さいました。このブログでご紹介した同年度の企画展「草野心平の詩 料理編」、その関連行事として行われた、料理研究家の中野由貴さんによる「心平さんの胃袋探訪~創作料理の試食と解説」などについて詳細な報告が為されており、興味深く拝読しました。

さて、「天へのまなざし」、会期も長いので、都合を付けて、新型コロナ感染拡大には十分気をつけた上で行ってこようと思っております。皆様もぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

此の方は限定された質問ではないので、答へ易く、知人のせゐか黄瀛君にひどく嘱望してゐます。此の外にも名は挙げられますが、まだよく知らないので遠慮します。

アンケート「十四年度作品批評」より 大正14年(1925) 光太郎43歳

質問は掲載紙『日本詩人』に記録されていないのですが、おそらく新進詩人に関するものだったと推定されます。ここで心平の名を挙げず、黄瀛を推しているのが意外と言えば意外ですが、黄瀛に連れられて心平が初めて光太郎に会ったのがこの年で、どうも「此の外にも名は挙げられますが、まだよく知らない」というのが心平を指しているように思われます。