『日刊スポーツ』さん。
映画「陽はまた昇る」「半落ち」佐々部清監督が死去
映画「陽はまた昇る」「半落ち」などで知られる、映画監督の佐々部清(ささべ・きよし)さんが、3月31日までに山口県下関市で亡くなったことが分かった。62歳。亡くなる2日前まで、SNSを更新していた。
山口県生まれの佐々部さんは、明大文学部演劇科を経て、84年から映画、テレビドラマの助監督を務め、キャリアを積んだ。崔洋一監督、杉田成道監督、降旗康男監督、和泉聖治監督らに師事した。高倉健さん主演の映画「鉄道員」「ホタル」の助監督も務めた。
監督デビュー作、02年「陽は-」で、日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞、日本アカデミー賞優秀作品賞に選ばれた。04年「半落ち」で2度目の石原裕次郎賞に輝き、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した。
「シネコンでは中高年が見られる作品が少ない」と、自らプロデューサーを務めて監督した17年「八重子のハミング」では、認知症を発症した妻と支える夫を描いた。資金集めから始め、全国各地での上映会を企画し評判は口コミで広がった。8館でスタートした作品は100館以上の規模で公開された。
映画はほかに「日輪の遺産」「出口のない海」「夕凪の街 桜の国」「ツレがうつになりまして。」など、ドラマ、舞台の演出も手掛けた。
▽俳優佐野史郎(ツイッターで) 1999年、私の初監督映画「カラオケ」ではチーフ助監督を務めてくれ、2012年テレビ朝日の松本清張ドラマスペシャル「波の塔」では監督と俳優として密度の濃い時間を過ごした。本当に優しい、人情に厚い方でした。安らかにお眠りください。
◆佐々部清(ささべ・きよし) 1958年(昭33)1月8日生まれ。明大文学部演劇科を経て、84年から映画、テレビドラマの助監督を務めた。主に崔洋一、杉田成道、降旗康男、和泉聖治ら各監督に師事した。「鉄道員」「ホタル」(ともに高倉健主演)などの助監督を務めた。
記事にある「八重子のハミング」は、平成29年(2017)に全国公開。升毅さん、高橋洋子さん主演で若年性アルツハイマーを発症した夫人(八重子さん)の介護を描き、平成14年(2002)に出版されて「現代の智恵子抄」と称された陽(みなみ)信孝氏著の同名の手記を原作としていました。
劇中、光太郎の『智恵子抄』もモチーフとして使われています。
また、つい4日前にもご紹介した、北原白秋を主人公とし、伊嵜充則さん演じる光太郎も登場する「この道」も、佐々部監督作品でした。
それぞれDVD化されています。
「八重子のハミング」
「この道」
「亡くなる2日前まで、SNSを更新していた。」というのが、Twitterで、こちら。
同じ山口県出身でありながら、「忖度」も「同調圧力」も関係ないのですね。その他、IR問題、マスク転売などへのツイートも。佐々部氏、これまでに手がけられた映画のラインナップを見ても、気骨の映画人だったようです。
『デイリースポーツ』さん。
佐々部清さんが死去、62歳、映画監督…東京五輪に反対
映画「半落ち」などで知られる映画監督の佐々部清さんが山口県下関市内で死去したことが31日、分かった。62歳。1958年、山口県出身。
佐々部さんは明治大学文学部演劇科、横浜放送専門学院(現・日本映画大学)を卒業後、フリーの助監督を経て2002年「日はまた昇る」で監督デビュした。同作で日本アカデミー賞優秀作品賞。04年、作家横山秀夫さんのミステリー小説を寺尾聡さん主演で映画化した「半落ち」がヒット。日本アカデミー賞最優秀作品賞、優勝監督賞、優秀脚本賞を受賞した。
今月11日にブログを更新。「この国から忘れられようとしていることが残念だとずっと思っている。未だに仮設住宅が残っている。ボクが東京五輪にずっと反対だったのもそのせいだ。仙台五輪だったり東北五輪なら、ボランティアで応援したと思うけど...福島の原発だって全然コントロールなんてされていない。もちろん選手達を応援はするけど、東京で五輪を開催する意義が見つけられなかった」などと投稿していた。
志村けんさんの例もあるので、「新型コロナか?」と思ったのですが、そうではないようでした。62歳、まだまだこれからでしたので、残念です。調べてみましたところ、鹿児島を舞台とした「大綱引の恋」という映画を制作中だったそうで、撮影は終わっているとのこと。無事公開までこぎつけてほしいものです。
何はともあれ、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
【折々のことば・光太郎】
そんなケチな事を考へた事無し。それよりかもつと働いてもらひたい役者の事を思ひます。