012来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことを苦渋の決断として決定致しました。

参加申し込みが少なく、政府の云う「大規模イベント」には当たらないという判断でしたし、今回は去る1月に亡くなられた当会顧問であらせられた北川太一先生の追悼という意味合いもあり、何とかぎりぎりまで状況を見極めて開催したいと思っておりましたが、関係各位と協議の結果、中止のやむなきに至りました。間際の決定となり、申し訳ありません。

今日までにいろいろな方から、ご意見、ご要望等頂いております。有り難うございました。本当にさまざまなご意見がありました。正反対のご意見をいただいても、それぞれに「なるほど」と思わせられる点があり、また、報道や世の中の方向性も日によってめまぐるしく変わり(各種施設や公演等の再開を前面に押し出す日もあれば、情勢の悪化をトップにする日もあり……)、非常に頭を悩ませました。

しかし、どなたにもお優しかった北川先生がご存命であれば、「今年はおやめなさい」とおっしゃったように思われ、それが最終決定の要因となりました。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

4月2日当日は、当方が代表して駒込染井霊園の光太郎奥津城に墓参致します。皆様方におかれましては、それぞれの場所にて、光太郎を偲んでいただければと存じます。

ご入金頂いた参加費に関しましては、当日配付予定だった各種資料と共に、後日発送致しますので、よろしくお願い申し上げます。この点に関しましても、一律に返金させていただくことに決めております。「会の運営に使って下さい」というありがたいお申し出も複数ありましたが、「あの人は寄附をした」「あの人はしなかった」など、そういうのが後々しこりを残すことにもなりかねませんので。

寄附を受けた場合、こちらで「誰それは寄附をした」「誰それには返金した」というようなことは決して明かしませんが、寄附を受けた後に「寄附ということで返金を受けなかった人も居るんですか?」と問われたら、それに対し「ええ、いらっしゃいませんでした」と嘘はつけません。この点につきましてもご了承の程、よろしくお願いいたします。

来年以降、この騒ぎが収束し、また開催にこぎつけ、お会いできることを楽しみにしております。


【折々のことば・光太郎】

無に到るにあらず 無より出でゝ進むなり     


短句揮毫より 昭和2年(1927) 光太郎45歳

上記の通り、今年の第64回連翹忌の集いは中止とさせていただきますが、それは「無に到るにあらず」です。必ずやまた「無より出でゝ進むなり」という気持でやっていこうと思っております。

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