昨年11月から山口市の中原中也記念館さんで開催中の「開館25周年記念展(文学表現の可能性 後期) 清家雪子展――『月に吠えらんねえ』の世界」につき、一昨日、NHKさんのローカルニュースが取り上げていました。
山口市の中原中也記念館では、近代の詩人たちの作品からイメージされたキャラクターが登場して、近代日本の世界を独創的に描いた漫画「月に吠えらんねえ」の作者、清家雪子さんの作品を通じて、中原中也の詩の世界を紹介しようという企画展が開かれています。
展示されているのは、パネルや原稿などおよそ60点で、このうち清家さんが4年前に記念館に寄稿した「夕焼けめぐり」という短編の漫画は、結核のため2歳で亡くなった息子との思い出を中也が回想した詩をもとにしています。
この中では、中也が生前の息子と2人で飛行機の形をしたアトラクションに乗り込んで、夕暮れの町並みを眺める様子が切なく描かれています。
このほか漫画の中で中也をモデルにしたキャラクターが、かつての恋人と再会し、失恋の痛みがよみがえるシーンにあわせて、失恋をテーマにした中也の詩も紹介されています。
大分市から訪れた20代の女性は、「漫画の作者は詩をきちんと読んで、自分の感じたことを絵にする力がすごく、詩のたん美な世界観がよく表れている」と話していました。
この企画展は来月12日まで山口市の中原中也記念館で開かれています。
NHKさんの映像にもちらっと映っていました。
新型コロナウィルスの影響で、文学館、美術館、博物館等の閉鎖も相次ぐ中、貴重な機会かと存じます。ただ、「ぜひ足をお運び下さい」と言えるか、というと、難しいところです。「そんなことを言って、もし新型肺炎に感染したら、お前が責任を取れるのか?」と言われたら、「取れません」と答えるしかありませんし……。
【折々のことば・光太郎】
すべて美しきものの鑑賞に時所の制限はある可からず。美は人心を高からしむ。
漫画で描く中原中也の世界
山口市出身の詩人、中原中也をモデルにしたキャラクターが登場する漫画を通じて、中也の詩の世界を紹介する企画展が山口市で開かれています。
山口市の中原中也記念館では、近代の詩人たちの作品からイメージされたキャラクターが登場して、近代日本の世界を独創的に描いた漫画「月に吠えらんねえ」の作者、清家雪子さんの作品を通じて、中原中也の詩の世界を紹介しようという企画展が開かれています。
展示されているのは、パネルや原稿などおよそ60点で、このうち清家さんが4年前に記念館に寄稿した「夕焼けめぐり」という短編の漫画は、結核のため2歳で亡くなった息子との思い出を中也が回想した詩をもとにしています。
この中では、中也が生前の息子と2人で飛行機の形をしたアトラクションに乗り込んで、夕暮れの町並みを眺める様子が切なく描かれています。
このほか漫画の中で中也をモデルにしたキャラクターが、かつての恋人と再会し、失恋の痛みがよみがえるシーンにあわせて、失恋をテーマにした中也の詩も紹介されています。
大分市から訪れた20代の女性は、「漫画の作者は詩をきちんと読んで、自分の感じたことを絵にする力がすごく、詩のたん美な世界観がよく表れている」と話していました。
この企画展は来月12日まで山口市の中原中也記念館で開かれています。
主要登場人物についてのパネル展示もなされており、光太郎をモチーフとした「コタローくん」も。
NHKさんの映像にもちらっと映っていました。
新型コロナウィルスの影響で、文学館、美術館、博物館等の閉鎖も相次ぐ中、貴重な機会かと存じます。ただ、「ぜひ足をお運び下さい」と言えるか、というと、難しいところです。「そんなことを言って、もし新型肺炎に感染したら、お前が責任を取れるのか?」と言われたら、「取れません」と答えるしかありませんし……。
【折々のことば・光太郎】
すべて美しきものの鑑賞に時所の制限はある可からず。美は人心を高からしむ。
アンケート「取締を帝国美術院に――裸体美芸術の解放――」より
大正8年(1919) 光太郎37歳
大正8年(1919) 光太郎37歳
「現代の日本人に裸体美芸術を公開するの可否並に之に就ての御意見」という問いに対しての回答の一部です。
明治期には、ヌードを描いた作品等は「春画」扱いされて「特別室」に押し込められたり、一部を布で隠して公開されたりといったことが行われていましたが、大正半ばの時点でも、まだ「裸体美芸術を公開するの可否」が論争の種になっていたのですね。
ちなみに光太郎、回答の最後に「但し裸体醜芸術は排斥すべし」と述べています。
第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら。新型コロナウイルス対策でイベントの中止等が相次いでおりますが、十分に感染防止に留意した上で、今のところ予定通り実施の方向です。ただし、現在、関係各方面と開催か中止か協議中です。ご意見のある方、コメント欄(非公開も可能です)よりお願いいたします。
来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。
明治期には、ヌードを描いた作品等は「春画」扱いされて「特別室」に押し込められたり、一部を布で隠して公開されたりといったことが行われていましたが、大正半ばの時点でも、まだ「裸体美芸術を公開するの可否」が論争の種になっていたのですね。
ちなみに光太郎、回答の最後に「但し裸体醜芸術は排斥すべし」と述べています。