昨日から仙台方面に来ております。光太郎智恵子、光雲等と直接関係のない用事がメインですが、そこを無理くり光太郎関連にしてしまうのが当方で、まぁ、そのあたりのレポートはまたのちほど。

まずラジオ番組のご紹介を。情報を得たのが昨日でして、もう今日のオンエアです。おそらくこの記事を目にされる方、ほとんどは放送終了後になってしまうかと存じますが、こういうのがあったんだ、ということで。 

石丸謙二郎の山カフェ「春を感じよう!」8時台

NHKラジオ第一 2020年3月14日(土) 午前8時05分~8時55分

山の日だまりで、朝日に輝く山々や森をながめつつ、コーヒーをいれてほっと一息・・・。そんなひとときをイメージしたラジオ番組が、「山カフェ」です。カフェのマスターこと、パーソナリティをつとめるのは、登山歴40 年になる石丸謙二郎。山を愛する多彩な方々をお客さまに迎え、飾らないトークを楽しみます。

山小屋や今まさに山に登っている方々と電話をつなぐ「山からおはよう」や、古今東西の山岳図書を紹介する「マスターの本棚」などのコーナーも。皆さんからの、心に残る山のエピソード、とっておきの写真も大募集しています。土曜の朝、いっしょに山に想いをはせてみませんか?

今年度最後の山カフェは「春の山を感じよう!」がテーマです。皆さんの好きな春の山、おススメや思い出のお便り、お待ちしています。マスターの朗読で春山気分を味わう「空想登山」、どの山の描写なのか、わかったら是非ご応募下さいね。「山からおはよう」は丹沢蛭ヶ岳山荘から。「マスターの本棚」は高村光太郎「山の春」をご紹介します。


【司会】石丸謙二郎,山本志保

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「山の春」は、昭和26年(1951)、雑誌『婦人之友』に載ったエッセイで、花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)に蟄居していた頃のものです。そのまま題名通りの内容で、山小屋周辺の厳しい冬が過ぎ、春の訪れがこのようにやってくる、ということを味わい深く紹介しています。

ちなみに同じ『婦人之友』には、これ以外にも前後して「山からの贈物」、「山の雪」、「山の人々」、「山のともだち」といった詩文を寄稿しており、当方、勝手に「山」シリーズと呼んでおります。


続いてテレビ。3月2日(月)に放映された、NHK Eテレさんの「にほんごであそぼ」の再放送があります。 

にほんごであそぼ 「レモン(1)レモン哀歌」

NHK Eテレ 2020年3月16日(月) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分

日本語の豊かな表現に慣れ親しみ、楽しく遊びながら『日本語感覚』を身につける番組。言葉を覚え始めるお子さんから大人まで、あらゆる世代の方を対象に制作しています。

そんなにもあなたはレモンを待つてゐた「レモン哀歌」高村光太郎、ひゃくにん・いっしゅの百人一首劇場/瀬を早み岩にせかるる瀧川の われても末に逢はむとぞ思ふ(崇徳院)、童謡「鉄道唱歌」、うた「うれしや歌舞伎 ~三人吉三・髪結新三~」

出演 美輪明宏 中村勘九郎 中村勘太郎 小錦八十吉 おおたか静流 池田鉄洋 中村いてう 中村仲助 ほか

月曜から木曜まで、4回分の放送が「レモン」特集でした。そこで、光太郎の「レモン哀歌」(昭和14年=1939)。

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この詩はご存じの通り、智恵子の臨終を謳った詩ですので、子供さん向けにはどうなのかな、と思っていたのですが……。

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「かなしく白くあかるい死の床で」、「かういふ命の瀬戸ぎはに」、「あなたの機関はそれなり止まつた」といった、「死」を連想させる部分は扱われませんでした。

番組の前半、後半でお二人のお子さんが朗読されていますが、それぞれ画像にある4フレーズのみ。

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それでも、この詩の持つ清冽なイメージは、ある程度伝わると思いました。

ご覧になっていない方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

夏の朝食は大てい焼麺麭(トースト)に茶です。

アンケート「名流の銷夏生活」より 大正4年(1915) 光太郎33歳

ここでいう「茶」は、おそらく紅茶でしょう。そしてレモンを浮かべてレモンティーにしていたのでは、と思われます。やはり大正期の回想として、光太郎智恵子と交流のあった詩人の上田静栄は、駒込林町の住居兼アトリエで当時としては珍しかったレモネードをふるまわれたことを書き残しています。

第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら。新型コロナウイルス対策でイベントの中止等が相次いでおりますが、十分に感染防止に留意した上で、今のところ予定通り実施の方向です。ただし、現在、関係各方面と開催か中止か協議中です。ご意見のある方、コメント欄(非公開も可能です)よりお願いいたします。

来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。