定期購読しております雑誌2誌、届きました。

まず隔月刊誌『花巻まち散歩マガジン Machicoco(マチココ)』さんの第18号。創刊以来、花巻高村光太郎記念館さんの協力で、「光太郎レシピ」という連載が為されています。今号は「イングリッシュブレックファスト」だそうで。
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光太郎、欧米留学時の経験から、西洋風の食事が合理的かつ意外に安価にできてしまうことに気づき、智恵子との結婚生活の中でも、それから花巻郊外旧太田村の山小屋に蟄居してからも、けっこうこの手の朝食を摂っていたようです。

続いて、『月刊絵手紙』さん。平成29年(2017)から花巻高村光太郎記念館さんのご協力で、「生(いのち)を削って生(いのち)を肥やす 高村光太郎のことば」という連載が為されています。

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今号は、昭和24年(19149)、花巻郊外旧太田村に隠棲していた光太郎が、校訓として地元の太田中学校さんに贈った言葉「心はいつでもあたらしく 毎日何かしらを発見する」。花巻高村光太郎記念館さんで展示されることもある光太郎の揮毫を撮った画像も載っています。

太田中学校さんでは、この言葉を盛り込んだ「精神歌」なる歌も作り、歌い継がれているそうです。毎年5月15日の花巻高村祭に生徒の皆さんがご参加下さり、披露して下さっています。

ところで、『月刊絵手紙』さんのこの連載、今号で最終回だそうです。2年あまり続いてきて、非常に残念ですが、仕方ありますまい。またどこかの雑誌などでこういった企画を立ち上げていただけるとありがたいところです。「書け」と言われれば書きますし(笑)。


【折々のことば・光太郎】

文化の表面に附著するさういふ過剰なものが根を張ると、長い間には文化の実体をまでも腐敗せしめる。

散文「倫理の美」より 昭和17年(1942) 光太郎60歳

ここだけ取り出せば、いい言葉です。ただ、戦時中ということで、前後は非常にキナ臭い内容になっています。「さういふ過剰なもの」の例は「チヨコレイトや、フアンシイクリイムや、社交ダンスや、ジヤズ」。「敵国」であったアメリカ文化の象徴ですね。続く一文も「質実にして清純な、東亜の新しい文化を創造することこそ、今日以後の若人の責務である。」となっており、「東亜の」の一語さえなければよかったのに、と思いました。


第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら
来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。