光太郎の本格的な文学活動の出発点、『明星』における光太郎の師・与謝野晶子をメインとしたテレビ番組です。 

偉人たちの健康診断「与謝野晶子 悩める乙女と恋の病」

NHK BSプレミアム 2020年2月6日(木) 20:00~21:00  再放送 2月13日(木) 8:00~9:00

自らの恋心を赤裸々に官能的につづり、世間を騒がせた歌人・与謝野晶子。その素顔は引っ込み思案で内気な文学少女だった。何が晶子を「情熱の歌人」に変貌させたのか?それは晶子を襲った深刻な病…「恋の病」だった。恋は人の脳にどのような影響を与えるのか?脳科学と心理学から恋の病の症状を診断。さらに鉄幹と結婚後、破綻の危機に直面した夫婦関係を劇的に改善した晶子の秘策にも迫る。愛に生きた人生を健康面から読み解く。

【出演】関根勤 カンニング竹山 光浦靖子  【解説】森下明穂 植田美津恵  【司会】渡邊あゆみ


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この番組では、昨年、「東京に空が無い “智恵子抄”心と体のSOS」ということで、光太郎智恵子を取り上げて下さいました。智恵子が色覚異常だったと断定してしまった部分は納得が行きませんでしたが、それ以外はおおむね首肯できる内容でした。

今回は、「恋の病」に苦しんだ晶子だそうで、これもまた面白そうです。ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

人間の世にはいつの時でも水底に立つ者と、水面に動く者とが居た様です。水の意味を真に感ずる者は、言ふ迄もなく水底に立脚地を持つ者のみの事であります。水面に動く者の喜怒哀楽はすべて泡沫のように無駄です。水底に立つ者の心は直ちに水の本体と関係します。

散文「〔イェルゲンセン「癩病患者に与へる接吻」訳にそへて〕」より 
大正5年(1916) 光太郎34歳

「水面に動く者」=「目立つ場所、スポットライトの当たる場所で軽佻浮薄な活動にうつつを抜かし、世間の評価に一喜一憂する者」、「水底に立つ者」=「目立たぬ場所で己を空しゅうし、全体の利益を考えて慎重に行動する者」といったところでしょうか。

光太郎自身は自分を「水底に立つ者」と定義し、経営的にはまるで成り立たなかった画廊「琅玕洞」などの活動がそれに当たるとしています。