雑誌系、2件ご紹介します。

まず、日本絵手紙協会さん発行の『月刊絵手紙』2020年2月号。平成29年(2017)から花巻高村光太郎記念館さんのご協力で、「生(いのち)を削って生(いのち)を肥やす 高村光太郎のことば」という連載が為されています。

今号は詩「平和時代」(昭和3年=1928)が紹介されています。

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画像はクリックで拡大します。お読み下さい。


もう1点。JR東日本さんで発行している『大人の休日倶楽部』2020年2月号。「詩とあるくふくしま」という特集が16ページ組まれています。

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当会の祖・草野心平が大きく取り上げられています。光太郎に関する記述もあるのでは、と思って入手しましたが(例によってネットオークションです)、残念ながら光太郎の名は出てきませんでした。

その代わり、詩人の和合亮一さん、いわき市立草野心平記念文学館さんの学芸員・渡邊芳一氏、川内村商工会長であらせられる井出茂氏など、旧知の方々のお名前が。

心平に関しては、記念文学館さん、心平生家、菩提寺の常慶寺さん、そして心平を名誉村民に選定して下さった川内村などが取り上げられています。

「詩と歩くふくしま」という題名でしたら、「智恵子抄」がらみで「ほんとの空」のある安達太良山、阿武隈川、磐梯山なども取り上げていただきたいところですが……。今後に期待します。

ちなみに『大人の休日倶楽部』さんでは、平成25年(2013)、当時為されていた「一枚の手紙から」という連載で、光太郎から津田青楓に送られた明治44年(1911)の葉書を取り上げてくださり、その際には当方もライターの方に協力させていただいております。こちら、ご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

東京は今、日の色の大変いい時です。樹の幹のかがやく時です。枝がみんな脈をうつて来てゐます。それが空の中で動いて空が網の目のやうに輝やいて居ます。
散文「千駄木より」より 大正4年(1915) 光太郎33歳

今日から2月ですが、この文章での「今」というのは3月、上記「平和時代」同様、住居兼アトリエのあった本郷区駒込林町が舞台です。したがって、若干早いのですが、しかし温暖な千葉県では「枝がみんな脈をうつて来てゐる」という感覚はありますね。

自宅兼事務所の裏山では梅が咲き始めました。

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空も、「光の春」と称される2月らしく、清澄な中にも暖かさがほの見えます。本格的な春の到来が待ち遠しいところです。