新刊です。
「文豪」たちの、どちらかというと人間くさいエピソードの数々を、一般向けに堅苦しくなく紹介するものです。光太郎は目次の大項目に入っていませんが、コラム「文豪たちがしたためた恋文」で、大正2年(1913)、結婚前の智恵子に宛てた光太郎からの書簡が紹介されています。また、佐藤春夫ら、交流のあった「文豪」の項で名前が挙げられていたり、「相関図」に組み込まれていたりします。
肩のこらない書きっぷりですが、どうしてどうして意外と鋭い指摘(光太郎に関しては「狂気を孕んだ愛」の一言)や、ある種のタブーへの挑戦的な部分(狂信的ファンの間では神格化されている宮沢賢治が、実は春画コレクターだったことの紹介など)もあり、一種の「文春砲」のような(笑)。
ぜひお買い求めを。
【折々のことば・光太郎】
恋愛だけには人工的な理性が加はらない。昔からたつた一つ、人間の姿が生き生きして出て来るものは恋愛である。恋愛と云ふものは罪悪だとか、人間の精力をつぶして了ふとか、危険なものだとか、盲目なものだとか云ふ風に解釈するのは皆功利的な解釈の仕方である。
レジェンド文豪のありえない話
2020年1月1日 株式会社ダイアプレス 定価891円+税
総勢六十余名の神をも恐れぬご乱痴気!
酒癖、絡み症、女癖、我執…。文壇の先生方は一癖二癖、三癖が普通。そのくせ弱くて「死にたい…」とぽつり。そんな先生方の哀しくも過激でおもしろすぎるアンビリーバブルな言行録!!
〇明治の困った文豪たち
・坪内逍遥 ・夏目漱石 ・正岡子規 ・森鴎外 ・幸田露伴 ・広津柳浪 ・尾崎紅葉
・国木田独歩 ・樋口一葉 ・島村藤村 ・田山花袋 ・徳田秋声 ・泉鏡花 ・与謝野晶子
〇大正の小粋な文豪たち
・有島武郎 ・永井荷風 ・石川啄木 ・萩原朔太郎 ・芥川龍之介 ・谷崎潤一郎
・直木三十五 ・菊池寛 ・武者小路実篤 ・志賀直哉 ・内田百閒 ・室生犀星
・岡本かの子 ・佐藤春夫
〇昭和の微妙な文豪たち
・宮沢賢治 ・井伏鱒二 ・横山利一 ・江戸川乱歩 ・夢野久作 ・川端康成
・梶井基次郎 ・小林多喜二 ・林芙美子 ・堀辰雄 ・中原中也 ・中島敦 ・ 坂口安吾
・檀一雄 ・太宰治 ・幸田文 ・大岡昇平 ・織田作之助 ・埴谷雄高 ・安部公房
・三島由紀夫
〇コラム
・明治文豪相関図 ・大正文豪相関図 ・昭和文豪相関図 ・文豪たちがしたためた恋文
・文豪たちのエロ妄想 ・文学と性表現 ・文豪たちのこだわり ・戦後小説と文壇の流れ
「文豪」たちの、どちらかというと人間くさいエピソードの数々を、一般向けに堅苦しくなく紹介するものです。光太郎は目次の大項目に入っていませんが、コラム「文豪たちがしたためた恋文」で、大正2年(1913)、結婚前の智恵子に宛てた光太郎からの書簡が紹介されています。また、佐藤春夫ら、交流のあった「文豪」の項で名前が挙げられていたり、「相関図」に組み込まれていたりします。
肩のこらない書きっぷりですが、どうしてどうして意外と鋭い指摘(光太郎に関しては「狂気を孕んだ愛」の一言)や、ある種のタブーへの挑戦的な部分(狂信的ファンの間では神格化されている宮沢賢治が、実は春画コレクターだったことの紹介など)もあり、一種の「文春砲」のような(笑)。
ぜひお買い求めを。
【折々のことば・光太郎】
恋愛だけには人工的な理性が加はらない。昔からたつた一つ、人間の姿が生き生きして出て来るものは恋愛である。恋愛と云ふものは罪悪だとか、人間の精力をつぶして了ふとか、危険なものだとか、盲目なものだとか云ふ風に解釈するのは皆功利的な解釈の仕方である。
談話筆記「恋愛――結婚の話――」より 大正2年(1913) 光太郎31歳
こう語った頃、光太郎は智恵子との恋愛の真っ最中で、密かに上高地への婚前旅行を共謀していた時期でした。