静岡県から演劇系の公演情報です。 

SPAC出張劇場『星の時間 〜高村光太郎「智恵子抄」より〜』

期 日 : 2019年11月29日(金)
会 場 : 
鴨江アートセンター 静岡県浜松市中区鴨江町1番地
時 間 : 開場 18:45/開演 19:00 /上演時間50分(予定)
料 金 : 500円

画家であり高村光太郎の妻である高村智恵子の人生を、俳優の言葉と身体そして生演奏で描く作品。
出演するのは静岡県立の劇団SPACの俳優。
SPACの舞台に欠かせないパーカッションの生演奏を牽引してきた吉見亮が、本作品ではATV株式会社(本社:浜松)が生んだ新感覚の電子パーカッション「aFrame」に挑戦します。
布施安寿香による智恵子の言葉ひとつひとつが水面の波紋のように広がっていき、多彩な楽器の音色とともに観客の身体に染み込んでいく…そんなひとときをお楽しみください。

出演(SPAC俳優):布施安寿香、吉見亮

000

001


「新感覚の電子パーカッション「aFrame」」。何だ、それは? と思って調べてみました。

製造元のATV株式会社さんのサイトがこちら




電子ドラムのような据え置き型ではなく、ポータブルです003ね。パネルにタッチすることで音を出す仕組みは共通のようですが。電子系の強みで、いろいろな音域、音色が出せるようです。なるほど、これは手軽に使えそうで、面白い楽器だと思いました。

この楽器の演奏に乗せて、「智恵子抄」。さらに俳優さんの身体表現も売りのようで、なかなか興味深い内容です。

都内、または近県であれば拝見に伺うのですが……。

ご都合のつく方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

外国美術を見学に渡欧したいといふ画かきや彫刻家はたくさんあるが、わざわざ国帑を外国へ棄てにゆかなくてもいいのにと思はれる様な程度の人も尠くない。最新流行の買い出しや、ふる臭くなつた感覚の染め直しにゆくやうな連中は論外である。

散文「高田博厚渡仏後援彫刻頒布会趣意」より
昭和5年(1930) 光太郎48歳

高田博厚は、早世した荻原守衛を除き、光太郎がほぼ唯一、その力量を認め、プライベートに付き合った同時代の彫刻家です。興味深いのは、高田が彫刻家として独り立ちする前から、その才の非凡さを見抜き、実際、後に高田が大成したこと。こうした点も光太郎の審美眼の正しさを証明しているのでしょう。

その高田の留学に際し、費用を捻出しようと、光太郎、谷川徹三、高橋元吉らが骨折って始めた「高田博厚渡仏後援彫刻頒布会」のパンフレットから。

「国帑」は「外貨」に対する日本円の意。要するに、物見遊山の延長でほいほい海外に出る美術家の何と多いことか、そして、高田はそんな奴等とは一線を画す存在なのだ、という話の流れです。