智恵子の故郷、福島二本松に聳え「ほんとの空」があると語った安達太良山、そして心を病んだ智恵子が光太郎にもたれ「わたしもうぢき駄目になる」とつぶやいた磐梯山。それぞれの絶景がふんだんに取り上げられました。
しかし、この手の番組で以前はよくあった、枕としての「高村光太郎の『智恵子抄』で「ほんとの空」がある山と謳われた安達太良山」という紹介がなく、代わって「古くは『万葉集』に詠まれた安達太良山」となっていました。やはり令和改元による影響でしょうか。まったく、意外なところで強力なライバルが出現したものです(笑)。
めげずに紹介し続けます(笑)。まず、話の流れで安達太良山系。
ココに福あり fMAP「温泉より愛をこめて」
NHKBSプレミアム 2019年11月24日(日) 5時00分~5時30分全国5位130をこえる温泉地がある福島県。その恵みを私たちが享受できるのは、知られざる「人の力」のおかげだ。二本松市の岳温泉に湯を届けるため、雪山に毎週登る男たち。つげ義春の漫画で知られる天栄村の二岐温泉を守るため、ブナの原生林を守った人。金山町の大塩温泉では、日本有数の「炭酸の湯」を集落の共有財産として守り、恵みを分かち合ってきた。福島の自然が生み出す宝物「温泉」をめぐる三つの物語をお届けする。
「ココに福あり fMAP」という番組、NHK福島放送局さんの制作で、福島では総合テレビでおおむね毎月第二金曜日の夜に放映されているそうです。そちらが系列のBSプレミアムさんで放映されます。
今回放映されるのは、福島では昨年3月に放映された回です。したがって、令和改元前なので、「古くは『万葉集』に詠まれた安達太良山」ではなく「高村光太郎の『智恵子抄』で「ほんとの空」がある山と謳われた安達太良山」という紹介がされていてほしいものです(笑)。
続いてラジオ番組。こちらは完全に「智恵子抄」系です。
スペシャルプログラム Sound Travelogue ~沢木耕太郎、日本を旅する~ ラジオドラマ 高村光太郎「智恵子の紙絵」
FMヨコハマ84.7 2019年11月28日 24:00~深夜1:00
作家、沢木耕太郎が日本を旅する番組。今回の舞台は会津若松。高村光太郎「智恵子の紙絵」のラジオドラマとともに、福島の旅の魅力の詰まった「Sound Travelogue=音の紀行文」をお楽しみください。
出演 沢木耕太郎、佐々木望、杉原夕紀、池田理恵 ほか
FM放送ですので電波の届く範囲が限られますが、聴取可能な地域の方、ぜひどうぞ。当方自宅兼事務所のある千葉県は微妙なところです。ただ、昨今はインターネットでもラジオが無料聴取できます(それも地域によりけりですが)ので、そちらで拝聴します。
もう1件。紅葉のライトアップがなされている京都知恩院さんがらみのテレビ番組です。
京都紅葉生中継2019~皇室ゆかりの秋を訪ねて~
BSイレブン 2019年11月24日(日) 19時00分~20時54分
◆晩秋の京都から、鮮やかに色づいた紅葉を かつては宮廷人や平安貴族が風流を楽しむための遊びだった「紅葉狩り」。 町民文化が大きく花開いた江戸時代以降は庶民にも広がり、現代に生きる私たちにも、その儚く美しい姿を見せてくれます。 KBS京都・BS11共同制作『京都紅葉生中継2019』。元号が“令和"となり、天皇陛下即位の礼も行われた本年は、“皇室ゆかりの秋を訪ねて"をテーマに、世界遺産・仁和寺から生放送いたします。◆メイン放送席は、皇室ゆかりの世界遺産“仁和寺" 平成6年(1994)に世界遺産に登録された、仁和寺。平安時代の宇多法皇以来、明治維新に至るまで皇子皇孫が仁和寺の門跡を相続し、御室御所とも呼ばれ親しまれてきました。京都には多くの門跡寺院がありますが、そのはじまりが仁和寺です。 遅咲きの御室桜が有名ですが、実は紅葉の名所でもあり、本年、史上初めて本格的なライトアップを実施しています。◆“皇室ゆかりの名所にある紅葉"を、生中継とVTRで紹介
生中継(予定) ※日本で唯一の皇室の菩提寺である、泉涌寺別院『雲龍院』 ※後嵯峨天皇の勅願寺にして、昨年770年ぶりに公開された『新善光寺』 ※江戸時代に仮御所としても使用された“粟田御所"『青蓮院門跡』 ※9年ぶりに方丈庭園が夜間公開される門跡寺院『知恩院』◆“皇室ゆかりの名所にある紅葉"を、生中継とVTRで紹介
司会 竹内弘一(KBS京都アナウンサー) 八木菜緒(BS11アナウンサー)
ゲスト 賀来千香子(女優) 東儀秀樹(雅楽師)
解説 所功(京都産業大学 名誉教授)
リポーター 村田千弥(フリーアナウンサー) 大倉未沙都(タレント)
光太郎の父・光雲の手になる聖観音像が取り上げられるといいのですが……。
【折々のことば・光太郎】
私は元来芸術に於ける手技を中々貴ぶものだ。手技を追ふものではないが、手技の純芸術的世界にも深い法悦を感じるものだ。線を目送し、描出を味はひ、色調を静観してゐる事のうちに言ひ知れぬ深い世界を見るのである。
「岸田君」は岸田劉生。劉生の絵には、そうした「手技」が理想的な形で使われているという話の流れからの発言です。