光太郎がらみの雑誌系、3件ご紹介します。

美術の窓 2019年10月号

2019年10月20日 生活の友社 定価1,500円+税

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「平櫛田中、荻原守衛から現代まで 凄いぞ!にっぽんの彫刻」という特集が70ページほどで組まれています。サブタイトル通り、光太郎の父・光雲の高弟の一人である平櫛田中、光太郎の親友だった碌山荻原守衛がメインです。

田中の方は、小平市平櫛田中彫刻美術館長・平櫛弘子氏、同館学芸員で当方もお世話になっている藤井明氏、田中の弟子の彫刻家・橋本堅太郎氏による鼎談「ここが凄い‼ 平櫛田中」、守衛に関しては、中村屋サロン美術館さんで開催中の「生誕140年・中村屋サロン美術館開館5周年記念 荻原守衛展 彫刻家への道」展ににからめ、学芸員の太田美喜子氏へのインタビュー「内なる生命を表現する 日本近代彫刻の父、荻原守衛」。

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また、「全国おすすめ彫刻美術館」という項では、花巻市の高村光太郎記念館さんを取り上げて下さっています。

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上記で奥付に従って発行日が10月20日としましたが、実際には9月19日発売で、既に店頭に並んでいます。ぜひお買い求めを。


2件め、毎月ご紹介していますが。

月刊絵手紙 2019年10月号

2019年10月1日 日本絵手紙協会 定価773円+税
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2017年6月号から、「生(いのち)を削って生(いのち)を肥やす 高村光太郎のことば」という連載をなさっていて、今号は詩「美しき落葉」(昭和19年=1944)から。太平洋戦争中で、「鬼畜米英殲滅すべし」的な詩ばかり書いていた時期に、ふとエアポケットのようにそうした内容でなく書かれた詩です。もっとも、落葉を燃やして家庭菜園の肥料に的な記述もあって、まったく戦争と無関係ではありませんが。

絵手紙協会さんのサイトから注文可能です。


最後に、雑誌というわけではないのですが、光太郎第二の故郷ともいうべき・岩手花巻市さんの広報誌『広報はなまき』9月15日号。

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「花巻歴史探訪 郷土ゆかりの文化財編」という記事で、花巻高村光太郎記念館さんが所蔵する光太郎の硯と筆が紹介されています。

この項、以前にも光太郎のブロンズ彫刻「大倉喜八郎の首」(大正15年=1926)や、遺品の鉄兜と鳶口などを紹介して下さっています。

来週には花巻に参りますので、ゲットしてこようと思っております。


【折々のことば・光太郎】

芸術の目から見れば、日本婦人の足の短いのも、仏蘭西人の腕が細くつても、それでいゝのです。自然の形には、それぞれに無量の面白さがある。完全なものばかりが美しいのではないと思ひます。

談話筆記「彫刻家のみた女の姿」より 明治44年(1911) 光太郎29歳

留学からの帰国(明治42年=1909)には、日本女性の貧弱な体格を嘆く発言が多かったのですが、この頃になると少し考えを改めたとのこと。