都内での演奏会情報です。

鈴木憲夫作品を歌う合唱団 創団10周年記念演奏会

期 日 : 2026年10月4日(日)
会 場 : 豊洲シビックセンターホール 江東区豊洲2-2-18
時 間 : 14:45~
料 金 : 無料(要予約)

「鈴木憲夫作品を歌う合唱団」初の単独演奏会‼️ 過去から歌いついできた曲、未来へ歌いついでいきたい曲、その歴史の真ん中で、〜言葉は祈りとなり、響きとなる〜

プログラム:
 1st. 鈴木憲夫合唱作品選集
  ・五月の森で(やなせたかし 詩)  ・ふるさとの木の葉の駅(坂村真民 詩)
  ・昼の月(坂村真民 詩)      ・念ずれば花ひらく(坂村真民 詩)
  ・さくらんぼ と 麦わらぼうし(金子静江 詩)
 2st. レモン哀歌(高村光太郎 詩)
 3st. 永訣の朝(宮沢賢治 詩)

指揮 伊澤俊雄  ピアノ 和田蕗子  ゲスト 鈴木憲夫
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鈴木憲夫作品を歌う合唱団さん、鈴木氏が主宰されているわけではなさそうですが、近しい立ち位置で、時には直接ご指導を仰がれているようです。

弟2ステージが「レモン哀歌」。組曲の一つというわけではなく、単体の作品です。それでも演奏時間約8分の比較的長い曲です。はじめ女声三部版が作曲され、平成23年(2011)にカワイ楽譜さんから出版されています。続いて独唱版と混声版が翌年に刊行されました。
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抒情性豊かで清澄なメロディーラインを基調に、奇を衒うことなく素直に光太郎智恵子の世界が表現されています。合唱曲となった「レモン哀歌」は少なからず存在しますが、当方の最も好むものの一つです。

鈴木氏による混声版の自作解説から。

 高村光太郎といえば「智恵子抄」と連想されるほど、氏の代表作として愛され、親しまれている作品です。とくに「レモン哀歌」はその中心ともいえる作品です。
 若い頃この作品に触れた時は、ひとりの詩人の遠い昔の、まるで別世界の物語として、セピア色の「光太郎と智恵子」の写真を眺めたものです。
 作曲する上で私の常とするところですが「詩・言葉」に作曲するのではなく、その作家の思いやその世界に描かれた風景を音楽にしたいと考えています。
 詩はとても平易に書かれています。感情的な起伏を抑え淡々として、詩稿をご覧になれば分かるように「段」を空ける事なく、まるで自身の感情を押し殺すかのような手法で書かれています。私もことさらに感情を煽るような作曲はせずに、行間に潜む光太郎の息づかいを思い作曲しました。
 はじめに取り組んでから完成まで1年半もの時間を要しました。2007年、私は妻・美智子を喪(な)くしています。自身の身の上、さらに様々な思いとが重なり作曲は遅々として進まず、その「鈍」とした仕事ぶりに自身で呆れ果ててはおりますが、しかしそれは私にとり必要な時であったのだと今にして思います。
 作曲を終えた今、合唱作品として新しい生命が吹き込まれたこの作品を、私は光太郎、智恵子、そして亡き妻の魂に捧げたいと思います。


第3ステージは宮沢賢治が最愛の妹・トシの死に際して謳った「永訣の朝」に曲を付けた作品。「永訣の朝」といえば、光太郎の「レモン哀歌」に影響を与えているであろうことが夙に指摘されています。その二つをセットにするというのも心憎い構成ですね。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

詩華集 74 『近代絶唱詩集』

昭和22年(1947)12月25日 日本読書組合 神保光太郎/中島健蔵編
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収録作家
 北村透谷 国木田独歩 森鷗外 島崎藤村 上田敏 与謝野寛 土井晩翠 河井酔茗
 薄田泣菫 蒲原有明 横瀬夜雨 伊良子清白 岩野泡鳴 野口米次郎 与謝野晶子
 永井荷風 石川啄木 北原白秋 木下杢太郎 三木露風 高村光太郎 武者小路実篤
 山村暮鳥 三富朽葉 生田春月 室生犀星 萩原朔太郎 佐藤春夫 西條八十 日夏耿之介
 堀口大学 千家元麿 百田宗治 大手拓次 宮澤賢治

光太郎詩は「樹下の二人」「龍」「火星が出てゐる」「ぼろぼろな駝鳥」そして「レモン哀歌」。賢治作品には「永訣の朝」は採られていませんが、同じくトシの死を題材とした「松の針」が収録されています。

カバー画は武者小路実篤の手になるものです。