明日から始まるNHKさんの新しい朝ドラ「ブラッサム」。
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小説家の宇野千代をモデルとした葉野珠が主人公で、石橋静河さんが演じます(晩年の珠役は加賀まりこさん)。

たまたま予告編を見ていたら、智恵子が表紙絵を描いた『青鞜』が使われていました。
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明治30年(1897)生まれの千代、実際に少女時代に『青鞜』に触れ、眼を開かされたという経験があったのでしょうか。『青鞜』創刊は明治44年(1911)です。

NHKさんのドラマでは、こういう展開が時折あります。

同じく朝ドラ、平成28(2016)年度上半期の「とと姉ちゃん」。
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主人公・小橋常子は、現在も続く雑誌『暮しの手帖』を創刊した大橋鎭子がモデルで、高畑充希さんが演じました。どの程度史実なのかわかりませんが、常子は女学校の東堂先生(片桐はいりさん)の影響で『青鞜』に魅せられ、同級生・中田綾(阿部純子さん)や妹の鞠子(相良樹さん)も。終盤には戦後の設定でしたが、真野響子さん扮するらいてうも登場しました。

朝ドラではありませんが、令和4年(2022)放映の「風よ あらしよ」。令和6年(2024)には全3回のテレビ版をつなげた劇場版映画として公開されました。
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吉高由里子さん演ずる伊藤野枝が主人公。野枝は『青鞜』を読んで社に加わり、やがてらいてう(松下奈緒さん)から発行権を譲り受けます。こちらは完全に史実です。

で、「ブラッサム」でも。
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「ブラッサム」、最初のうちは千代の故郷・山口県の岩国編ですが、のちに東京編となり、多くの文士らが登場します。光太郎はとりあえず登場しませんが。

光太郎と千代は直接の関わりがあったかどうか、寡聞にして存じません。ただ、千代は戦時には光太郎が詩部会長を務めていた日本文学報国会の女流文学者委員会の委員でしたし、報国会が全面協力した大東亜文学者大会に光太郎と共に列席していますので、面識程度はあったのではないかと思われます。

登場する文士らのうち、光太郎と直接の関わりがあったのは……
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「秋山格之介」こと芥川龍之介(高良健吾さん)。史実では、大正期に与謝野家で催された歌会で光太郎と同席し、その際に光太郎が書いた短冊を「ぜひに」と言ってもらっています。
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中央公論社社長・嶋中雄作。役名は「山中勇三」で、井浦新さんが演じられます。『中央公論』には光太郎も寄稿し、神奈川近代文学館さんには光太郎から嶋中宛の書簡が2通所蔵されています。『高村光太郎全集』にもれていたもので、いずれも嶋中の故郷・奈良の三輪そうめんを贈られた礼状。来春刊行の『高村光太郎研究』(高村光太郎研究会)所収の当方の連載「光太郎遺珠」で紹介する予定です。
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染谷将太さん演じる「西尾一路」。後に珠(千代)と結婚します。尾崎士郎がモデルで、尾崎は戦時中、光太郎と共に大政翼賛会中央協力会議の議員を務め、光太郎、菊池寛、山本有三と共に「翼賛四銃士」などと称されました。
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他に、光太郎とは直接の関わりはなかったと思われる梶井基次郎が「梶矢基一郎」の名で、佐藤緋美さん。吉屋信子は「土橋風子」で尾野真千子さん。
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さらに滝田樗陰と思われる「黒崎大三郎」(遠藤憲一さん)、今東光であろう「左良太」に北野秀気さん、イッセー尾形さんの「小山牛丸」は徳富蘇峰か徳富蘆花か、と言われています。

現段階で公表されているキャスト等はこんな感じですが、物語が進めば、光太郎と縁があった人物では史実に鑑みると藤田嗣治、谷崎潤一郎らは当然出てくるはずですし、ことによると菊池寛や佐藤春夫なども有り得ます。

それにつけても、ある意味奔放とも言える千代をよく主人公にしたな、という感じですが。
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ぜひご覧下さい。

【高村光太郎書誌】

詩華集 71 『少年少女詩集 草の上』

昭和22年(1947)1月25日 寶雲舎 阪本越郎編
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収録作家
 田中冬二 三好達治 菱山修三 神保光太郎 大木惇夫 室生犀星 津村信夫 西條八十
 高村光太郎 丸山薫 北原白秋 堀口大学 阪本越郎

光太郎詩は「約束」「冬の子供」の二篇でした。