信州安曇野の碌山美術館さんでの企画展です。

高村光太郎没後70年 高村智恵子生誕140年 高村光太郎・智恵子展

期 日 : 2026年9月19日(土)~11月23日(月・祝)
会 場 : 碌山美術館 長野県安曇野市穂高5095-1
時 間 : 9:00~17:10(11月は16:10まで)
休 館 : 11月4日(水) 11月9日(月) 11月16日(月)
料 金 : 大人1,000円 高校生300円

 高村光太郎(1883-1956)と荻原守衛(1879-1910)は、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京で交遊した親友です。荻原の傑作《坑夫》《女》が今に伝えられたのも、髙村が荻原に残すようアドバイスしたからにほかなりません。
 荻原の芸術を守り伝え、荻原とともに日本の近代彫刻を牽引した高村の彫刻世界を当館の所蔵作品を中心に紹介します。このたび特別に展示する初公開の木彫《沙魚(はぜ)》(個人蔵)は必見です。
 また智恵子(1886-1938)が療養中に制作した紙絵は彼女の繊細な感性のきらめきとともに光太郎への愛を感じることのできるものです。通常は大切に保管され展示されることが少ないため、鑑賞できる貴重な機会です。
 ぜひご覧ください。
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関連行事
 講演会「高村光太郎入門」 
  講 師 : 武井敏(碌山美術館学芸員)
  期 日 : 2026年10月18日(日)
  会 場 : 碌山美術館 杜江館2F
  時 間 : 13:30~
  料 金 : 無料(展示観覧の場合には要入館料)
  申 込 : 不要

 講演会「高村智恵子入門」 
  講 師 : 武井敏(碌山美術館学芸員)
  期 日 : 2026年11月15日(日)
  会 場 : 碌山美術館 杜江館2F
  時 間 : 13:30~
  料 金 : 無料(展示観覧の場合には要入館料)
  申 込 : 不要

 詩の朗読とお話 詩が紡ぐ光太郎の世界「月にぬれた手」
  出 演 : 渡辺えり(劇作家・俳優)/鈴木崇朗(バンドネオン奏者)
  期 日 : 2026年11月2日(月)
  会 場 : 碌山美術館 第二展示棟 別会場にて中継あり
  時 間 : 14:30~
  料 金 : 入館料
  申 込 : 10月1日(木)10:00~ 館公式サイト及び電話/FAXにて 定員100名

これまで何度も光太郎智恵子展を行って下さった(近年だと平成28年=2016、平成29年=2017、令和5年=2023、令和7年=2025)碌山美術館さんで、また開催いただけるということで、ありがたいかぎりです。

近年では髙村家のご協力の下、作品を借用しての展示となっていて、今回も。フライヤー表面(おもてめん)に大きく画像が出ている木彫「蝉」が一つの目玉です。

それから、案内文に「特別に展示する初公開の木彫《沙魚(はぜ)》」とあります。ただ、ちょっと疑問が。

まず「初公開」という定、平成16年(2004)に新宿の損保ジャパン東郷青児美術館(現・SOMPO美術館)さん他を巡回した「高村光太郎展」で出品されています。
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その件は先月だったか、碌山美術館さんから電話で問い合わせがあった際にお伝えしたのですが、うまく話が伝わらなかったか、あるいは別の理由があるのか、というところです。

さらにこの「はぜ」、光太郎のカタログレゾンネ『高村光太郎彫刻全作品』(六耀社 昭和54年=1979)に掲載されて居らず、損保さんの展覧会の際に、当会顧問であらせられた故・北川太一先生にお尋ねしたところ、「あれは光太郎の遺品の中に無造作にあったもので、真作とは言い難い」的な。確かに鰭(ひれ)などの処理の仕方等、他の光太郎木彫とは異なる感じです。ただ、碌山美術館さんの武井氏曰く「光」のサインが入っている、というのですが……。

「初公開」ということになると、智恵子紙絵も「初公開」の作品が含まれているそうです。平成9年(1999)、二玄社さん発行の雑誌『書画船』第2号に載った光太郎令甥の故・髙村規氏「智恵子と紙絵」によれば、髙村家に遺された紙絵は「僕がナンバリングしたときには千二十六ぐらいだった」とのことで、公開されていない作品があるのは不思議ではありません。

その他、関連行事も充実しています。武井学芸員による講演が2本、それから今回は渡辺えりさんを引っぱり出しました。繰り返し書いていますが、えりさんのお父さまの故・正治氏が光太郎と直接の交流がおありで、えりさんも当会主催の連翹忌の集いご常連。今年の連翹忌で碌山美術館さん平沢館長がえりさんにオファーを出したところ、快諾されたとのことです。こういう風に人の輪を広げて行くのも当会の務めですので、よかったと思いました。

えりさんの朗読等は平日の開催ですが、その日を含め、2回ほどお邪魔する予定で居ります。皆様方も是非どうぞ。

【高村光太郎書誌】

詩華集 55 『愛国詩集 大詔奉戴 他十六篇』

昭和17年(1942)10月10日 翼賛図書刊行会 大政翼賛会文化部編
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収録作家
 井上康文 深尾須磨子 阪本越郎 笹沢美明 臼井喜之介 室生犀星 丸山薫 近藤東
 永瀬清子 玉井勇 尾崎喜八 高村光太郎 佐川英三 吉田嘉七 大木惇夫 火野葦平


光太郎詩は「夜を寝ねざりし暁に書く」。「寝ね」は「いね」で、「寝る」という意味の古語「寝ぬ(いぬ)」の未然形です。実はある時点までずっと「寝(ね)ざりし」だと思い込んでいました。危ねえ、危ねえ(笑)。