ちょっとだけお手伝いさせていただいた企画展示です。

没後七〇年 會津八一とかな書の魅力

期 日 : 2026年7月1日(水)~9月23日(水・祝)
会 場 : 新潟市會津八一記念館 新潟市中央区万代3-1-1
時 間 : 10:00~18:00
休 館 : 毎週月曜日 海の日の7/20は開館、7/21休館、9/21~9/23は開館 
料 金 : 一般 500円 大学生 300円 高校生 200円 小・中学生 100円
      団体は20名以上20は2割引 土・日・祝日は小・中学生は無料
      會津八一誕生日の8月1日(土)は無料 

 今年で没後70年を迎えた歌人、書家、東洋美術史学者の會津八一(1881〜1956)。八一の墨蹟には、自作の歌や俳句を揮毫した「かな書」が残っており、独創的な書風が高く評価されています。
 30代から50代ごろまでの八一は、漢字とひらがなが混在した表記で、連綿体(複数の文字を切れ目なく続けて書く書体)を用いて揮毫していました。ところが歌の音調を大切にしていた八一は、60代以降はひらがなを主体として、しかも放ち書き(文字を続けて書かずに、一文字一文字離して書くこと)を用いて書くようになります。このように、八一のかな書は読みやすさばかりではなく、文字と余白(文字や絵などが配置されていない空間)とのバランスを意識した絶妙な書きぶりとなって完成したのです。
 本展では、鑑賞者の視覚と聴覚に訴える八一の「かな書」の変遷を辿ります。加えて、八一とゆかりのある歌人(良寛、正岡子規、斎藤茂吉、吉野秀雄、相馬御風、吉井勇など)や芸術家(棟方志功、高村光太郎、中川一政など)のかな書も展示し、歌人や芸術家が揮毫したかな書の幅広い表現にも迫ります。
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関連イベント

館長就任記念講演会「會津八一と歌の書」
 講師 角田勝久( 新潟市會津八一記念館館長/新潟大学教授)
 日時 2026年7月20日(月祝) 午後2時~3時半
 会場 日報ホール(新潟日報メディアシップ2階)
 聴講料 500円(事前申込制)
 定員 120名

角田勝久館長による作品解説会
 講師 角田勝久(新潟市會津八一記念館館長)
 日時 2026年7月11日(土) 午前11時~約50分
 会場 当館展示室(申込不要/要当日観覧券)

学芸員による作品解説会
 展示解説を行い、合わせて展示作品に関連した作品をケースなしで展示し、
 作品の扱い方についてもご説明します。
 講師 学芸員
 日時 会期中の第2・4日曜日
 7/12、26:初めて歌碑を建立した奈良・新薬師寺の拓本
 8/ 9、23:いろいろな「無」の書の味わい
 9/13 :自然を詠んだ「村荘雑事」の世界)
 午前11時~約50分
 会場 当館展示室(申込不要/要当日観覧券)

文壇きっての達筆の一人としても知られる秋艸道人と号した會津八一は光太郎より2歳年上。没年は光太郎と同じ昭和31年(1956)でした。それほど親しい交渉はなかったようですが、光太郎は昭和15年(1940)に八一から歌集『鹿鳴集』を贈られています。八一の門人で光太郎と親しいと言っていい間柄だった吉野秀雄に宛てた書簡から。

又先日會津八一博士より歌集をいただき愛読いたして居りますが図らず貴下の校正にかかるものなる事を知り、その上貴下の一文をも拝読、一入懐しく思ひました、

フライヤー裏面に小さい画像がありますが、八一と同時代の人物ということで、光太郎の書も一点展示されます。その手配でちょっとだけお手伝いさせていただきました。
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若干横長の色紙で、短歌が揮毫されています。

吾山になか(が)れてやまぬ山みつ(づ)のやみか(が)たくして道はゆくなり 光太郎

昭和28年(1953)5月9日、生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため借りていた中野の中西利雄アトリエで、中央公論社の松下英麿、栗本和夫のために書いた短冊を含む何枚かのうちの一つです。

短歌自体は前年まで暮らしていた花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)での詠で、昭和24年(1949)頃に「此山にながれてやまぬ山水のやみがたくしてこの道はゆく」と詠んだ歌が初案と推定されています。

他に先述の吉野秀雄をはじめ、良寛、正岡子規、斎藤茂吉、相馬御風、吉井勇、棟方志功、中川一政らの書画が出ます。

ぜひ足をお運びください。

【高村光太郎書誌】

選集等(部分) 5 『全詩集大成 現代日本詩人全集 第二巻 三木露風 木下杢太郎 石川啄木 高村光太郎』

昭和30年(1955)3月5日 創元社 著者代表 高村光太郎
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目次
 三木露風
  自伝 廃園 寂しき曙 白き手の猟人 幻の田園 良心 蘆間の幻影
  信仰の曙 (詳細略)
 木下杢太郎
  小伝 食後の唄 木下杢太郎詩集 (詳細略)
 石川啄木
  小伝 あこがれ 啄木遺稿 (詳細略)
 高村光太郎
  自伝
  道程
   一九一〇年
    失はれたるモナ・リザ 生けるもの 根付の国
   一九一一年
    画室の夜 熊の毛皮 人形町 甘栗 庭の小鳥 亡命者 鳩 食後の酒 寂寥 声     
    風 新緑の毒素 頽廃者より 「河内屋与兵衛」 髪を洗ふ女 「心中宵庚申」 夏
    なまけもの 手 金秤 はかなごと めくり暦 地上のモナ・リザ 葛根湯 夜半
    けもの あつき日 父の顔 泥七宝 ビフテキの皿
   一九一二年
    青い葉が出ても 赤鬚さん あをい雨 友の妻 人に(原題「――に」)
    夏の夜の食慾 或る夜のこころ おそれ 犬吠の太郎 さびしきみち カフエにて
    梟の族 冬が来る カフエにて 或る宵 夜 狂者の詩 郊外の人に
    冬の朝のめざめ カフエにて 師走十日 戦闘
   一九一三年
    人に カフエにて 深夜の雪 人類の泉 山 よろこびを告ぐ 現実 冬が来た
    冬の詩 牛 僕等
   一九一四年
    道程 愛の嘆美 群集に 婚姻の栄誦 万物と共に踊る 瀕死の人に与ふ 晩餐
    五月の土壌 淫心 秋の祈
  道程改訂版
   道程以後
          わが家 小娘 無為の白日 海はまろく 雨にうたるるカテドラル 沙漠
    クリスマスの夜 冬の送別 五月のアトリエ ラコツチイ・マアチ
    落葉を浴びて立つ 樹下の二人 鉄を愛す 氷上戯技 珍客 葱 車中のロダン
    後庭のロダン 十大弟子 聖ジヤンヌ
   猛獣篇時代
    清廉 傷をなめる獅子 狂奔する牛  苛察 雷獣 龍
   編纂者の言葉(三ツ村繁蔵)
  智恵子抄
  高村光太郎詩集(鎌倉書房版)
   Ⅰ
    序曲 米久の晩餐 かがやく朝 無口な船長 火星が出てゐる 触知 晴天に酔ふ
    冷熱 偶作十二 少年を見る 或る墓碑銘 冬の奴 怒 母をおもふ 冬の言葉
    刃物を研ぐ人 花下仙人に遇ふ 街上比興 その詩 首の座
   Ⅱ
    旅に病んで 存在 耳で時報をきく夜 村山槐多 レオン ドウベル 南極
    つゆの夜ふけに 芋銭先生景慕の詩 老耼、道を行く
   Ⅲ
   Ⅳ
    夜の二人 あなたはだんだんきれいになる 同棲同類 美の監禁に手渡す者
    山麓の二人 ばけもの屋敷 風にのる智恵子 千鳥と遊ぶ智恵子
    
値ひがたき智恵子 レモン哀歌 荒涼たる帰宅 亡き人に 梅酒
   覚書(草野心平)
  典型
   序 雪白く積めり 
   暗愚小伝
    家
     土下座 ちよんまげ 郡司大尉 日清戦争 御前彫刻 建艦費 楠公銅像
    転調
     彫刻一途 パリ
    反逆(原題「親不孝」)
     親不孝 デカダン
    蟄居
     美に生きる おそろしい空虚
    二律背反
     協力会議 真珠湾の日 ロマン ロラン 暗愚 終戦
    炉辺
     報告 山林
   「ブランデンブルグ」 脱卻の歌 人体飢餓 東洋的新次元 おれの詩 悪婦
   山荒れる 月にぬれた手 鈍牛の言葉 典型
   田園小詩
    山菜ミヅ 山のひろば 山口部落 かくしねんぶつ クロツグミ クチバミ
    
別天地 岩手の人 山からの贈物 この年
   覚え書(宮崎稔)
  高村光太郎詩集(創元選書版)
   明治四十四年(一九一一)
    侵蝕 失走 縁日 狗ころ 祈祷 或る日の午後 『おもひで』と『夜の舞踏』と
    白昼の空気 恐怖
   明治四十五年(一九一二)
    涙 からくりうた
   大正五年(一九一六)
    わが家
   大正六年(一九一七)
    晴れゆく空 花のひらくやうに 歩いても 湯ぶねに一ぱい
   大正九年(一九二〇)
    丸善工場の女工達
   大正十一年(一九二二)
    真夜中の洗濯
   大正十二年(一九二三)
    Liluli 春駒 とげとげなエピグラム
   大正十三年(一九二四)
    月曜日のスケルツオ
   大正十四年(一九二五)
    白熊
   大正十五年(一九二六)
    象の銀行 滑稽詩 マント狒狒 象 森のゴリラ 北冥の魚 潮を吹く鯨
   昭和二年(一九二七)
    偶作 四篇 北東の風、雨 ミシエル オオクレエルを読む 偉大なるもの
    美を見るもの 「詩」
   昭和三年(一九二八)
    あどけない話 何をまだ指してゐるのだ 二つに裂かれたベエトオフエン
    天文学の話 ぼろぼろな駝鳥 当然事 無限軌道 さういふ友 あの音 夏書十題
   昭和四年(一九二九)
    北島雪山 古事一則 或る日 人生 ひとり酸素を奪つて 焼けない心臓
    或る筆記通話 上州湯桧曽風景 無題 上州川古「さくさん」風景  名所
    昔話 無題
   昭和五年(一九三〇)
    のんきな会話 孤坐
   昭和六年(一九三一)
    似顔 のつぽの奴は黙つてゐる 蝉を彫る
   昭和七年(一九三二)
    非ヨオロツパ的なる 先生山を見る
   昭和十年(一九三五)
    人生遠視 「藤島武二画集」に題す 「悪魔の貞操」に題す
   
昭和十一年(一九三六)
    もう一つの自転するもの 荻原守衛
   昭和十二年(一九三七)
    よしきり鮫 夢に神農となる
   昭和十三年(一九三八)
    一艘の船が二艘になること 地理の書 団十郎像由来 手紙に添へて 子を産む書物
   昭和十四年(一九三九)
    初夏言志 銅像ミキイヰツツに寄す へんな貧
   昭和十五年(一九四〇)
    最低にして最高の道 秋風をおもふ 太子筆を執りたまふ
   
昭和十六年(一九四一)
    青年
   昭和十七年(一九四二)
    与謝野夫人晶子先生を弔ふ 三十年
   昭和十八年(一九四三)
    寒夜読書 救世観音を刻む人
   昭和十九年(一九四四)
    南瓜賦
   昭和二十四年(一九四九)
    若しも智恵子が
   昭和二十五年(一九五〇)
    元素智恵子 メトロポオル 裸形 案内 あの頃 吹雪の夜の独白 田植急調子
    噴霧的な夢 女医になつた少女 東北の秋
   
昭和二十六年(一九五一)
    大地うるはし 人間拒否の上に立つ
   編纂覚え書(草野心平)

「全詩集大成」のタイトル通り、刊行された詩集を追う形で作品を配置しています。ただし、戦時中の愚にもつかない翼賛詩集三冊『大いなる日に』『をぢさんの詩』『記録』は無視されています。また、『智恵子抄』収録詩篇は他の詩集の項に分散されています。