昭和6年(1931)夏、当時あった新聞『時事新報』の依頼で紀行文「三陸廻り」執筆のため光太郎が訪れ、それを記念して光太郎文学碑が建てられ、さらに毎年「女川光太郎祭」が有志により開催されている宮城県女川町。6月21日(日)に町制施行100周年の記念式典が開催されました。

仙台に本社を置く『河北新報』さん、当日の一面コラム。

河北春秋(6/21)

東日本大震災後に再建された宮城県女川町はコンパクトで海が見える街として注目される。海岸広場の震災遺構「旧女川交番」の展示には「これからも海とともに生きることを選んだ」と決意が記してある▼中心部の道の駅「おながわ」から女川港を望むと海のきらめきがまぶしいほど。防潮堤に頼らないまちづくりと誤解されることもあるが、リアス海岸の貴重な平地を減らさないよう町全体を防潮堤の高さ以上にかさ上げしてできた▼「還暦以上は口を出さず」も女川の復興を象徴する言葉。若手商工者らが震災翌年、岩手県紫波町の公民連携のまちづくり「オガールプロジェクト」を学び、再建に生かした▼道の駅ではテナントを決めた後に入居者の意向に沿い建物を整備するオガール流を取り入れた。テナントの一つ「お魚いちばおかせい」は、海を眺めて海鮮丼を食べられるテラス席が連日にぎわう。「目指したのは女川の海や景色、人の温かさまで楽しんでいただける場所」と店の人は言う▼女川町ではきょう、町制100周年の式典が開かれる。95年前の1931(昭和6)年、町を訪れた詩人高村光太郎は「新興の気力が海岸には満ちている」と記し、海岸広場の文学碑に刻まれている。その気風は震災後のまちづくりにも生きている。

6月20日(土)の河北新報さん系の『石巻かほく』さんでも引用された「三陸廻り」の一節がこちらでも。ありがたし。

式典の模様を報じる記事、同じく『河北新報』さん。

「力を合わせて輝かしい未来を」 宮城・女川の児童生徒が力強く宣言 町制施行100周年式典

 宮城県女川町の町制施行100周年を祝う記念式典が21日、町生涯学習センターであった。町内の団体代表や行政区長ら、関係者約350人が出席。これまでの町の歩みを振り返り、新たな未来に向け心を一つにした。
 須田善明町長はあいさつで「この地に可能性を見いだした人々がさまざまな壁を乗り越えて結集し、切り開いてきた」と町の100年の歩みについて紹介。
 2011年に発生した東日本大震災の津波が町にもたらした甚大な被害と復興過程を振り返り、「年配者が現役世代にかじ取りを委ねた町づくりの在り方に、地域で受け継がれてきた精神性やアイデンティティーが表れた。次の100年に向かうための大切な羅針盤だ」と述べた。
 式典では、女川小中学校の児童生徒12人が登壇。「未来へのメッセージ」として「豊かな自然と笑顔で包まれた町が発展していけるよう、力を合わせて輝かしい未来を作っていきます」と力強く宣言した。
 女川町は1926(大正15)年、当時の女川村が町に移行して誕生し、4月に100周年を迎えた。
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『石巻かほく』さん。

女川町100周年 発展願う 記念式典、歩み振り返る

 女川町は21日、町制施行100周年の記念式典を町生涯学習センターで開いた。町内の行政区長や団体代表ら関係者計約350人が出席。甚大な被害を受けた東日本大震災とその後の復興、水産業の振興など100年の歩みを振り返り、町のさらなる発展を願った。
   須田善明町長は式辞で、第2次世界大戦や震災などの苦難を振り返り「幾多の試練があったが、変化を恐れず、時代の壁にチャレンジして乗り越えてきた」と語った。町の礎を築いた先人や現在の町民に感謝し「郷土の未来に、一つでも多くの笑顔と希望と幸せをともしていけるよう、力を合わせて歩んでいく」と決意を述べた。
 式典では、写真で歴史を振り返ったり、町民が町の好きなところを紹介したりする記念映像を上映した。女川小中学校の児童生徒12人は「未来へのメッセージ」を発表。「女川は震災を経てより強く生まれ変わった。復興の支援に感謝し、震災の教訓を必ず次の世代に伝える。伝統と歴史を大切に、輝かしい未来をつくっていく」と誓った。
 式典に出席した、町行政区長会の阿部求会長(78)=小乗行政区長=は「100周年を迎えられて感無量だ。これからは若い方がまちづくりに参加し、町を盛り上げてほしい」と期待した。
 メッセージを発表した女川中3年の千葉一夢珂(ひめか)さん(14)は「記念すべき年に女川中生であることを誇りに思う。震災を乗り越えたように、つらいときには手を取り合える町民でありたい」と話した。
 女川町は1926年4月、町制施行で女川村が町に移行して誕生した。オープニングでは、2020年度に女川小中学校で文化芸術体験講座を開いた、仙台市出身のジャズピアニストで作曲家の秩父英里さんが演奏を披露した。
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ちなみに女川町、大正15年(1926)の町制施行以来、一度も他の市町村との合併をしていないという、全国的にも稀有な例だそうです。

町中心部が壊滅状態となるほどの甚大な被害をもたらした東日本大震災から15年の今年、町制施行100周年の新たな門出を迎えたというのも奇縁と感じます。まだまだ課題は山積と思われますが、新しい女川の発展を願って已みません。

【高村光太郎書誌】

選集等(部分) 3 『高村光太郎 萩原朔太郎集』昭和文学全集22

昭和28年(1953)10月15日 角川書店 高村光太郎/萩原朔太郎著
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目次
 高村光太郎集
  筆蹟(うゐのおくやま)
  道程
   失はれたるモナ・リザ 生けるもの 根付の国 画室の夜 食後の酒 寂寥 声
   新緑の毒素 廃頽者より 髪を洗ふ女 なまけもの 地上のモナ・リザ あつき日
   父の顔 泥七宝 犬吠の太郎 さびしきみち ビフテキの皿 梟の族 冬が来る 夜
   狂者の詩 師走十日 戦闘 山 よろこびを告ぐ 冬が来た 冬の詩 牛 道程
   群集に 婚姻の栄誦 瀕死の人に与ふ 五月の土壌 秋の祈 侵蝕 或日の午後
   白昼の空気 疾走 縁日 狗ころ 祈祷
  「道程」以後
   晴れゆく空 海はまろく 花のひらくやうに 無為の白日 丸善工場の女工達
   米久の晩餐 雨にうたるるカテドラル かがやく朝 ラコツチイ マアチ 冬の送別
   五月のアトリエ 沙漠 落葉を浴びて立つ 鉄を愛す 春駒 月曜日のスケルツオ
   氷上戯技 珍客 車中のロダン 葱 後庭のロダン 無口な船長 わが家 小娘
   真夜中の洗濯 歩いても 湯ぶねに一ぱい 序曲 クリスマスの夜
   とげとげなエピグラム 聖ジヤンヌ
  「猛獣篇」時代
   清廉 象の銀行 白熊 傷をなめる獅子 狂奔する牛 鯰 苛察 龍 雷獣 象
   北冥の魚 潮を吹く鯨
  「猛獣篇」以後
   冬の奴 ミシエル・オオクレエルを読む 火星が出てゐる 偶作八篇
   二つに裂かれたベエトオフエン 花下仙人に遇ふ 天文学の話 或る墓碑銘
   ぼろぼろな駝鳥 当然事 無限軌道 夏書十題 ひとり酸素を奪つて 焼けない心臓
   上州湯桧曽風景 その詩 怒 母をおもふ 冬の言葉 何をまだ指してゐるのだ
   彼は語る 街上比興 さういふ友 あの音 北島雪山 上州川古「さくさん」風景 冬
   無題 刃物を研ぐ人 孤坐 美の監禁に手渡す者 似顔 のつぽの奴は黙つてゐる
   南極 蝉を彫る 先生山を見る 晴天に酔ふ 首の座 村山槐多 ばけもの屋敷
   もう一つの自転するもの 荻原守衛 手紙に添へて 芋銭先生景慕の詩
   つゆの夜ふけに 初夏言志 銅像ミキイヰツツに寄す へんな貧 最低にして最高の道
  智恵子抄より
   ――に 或る夜のこころ おそれ 或る宵 郊外の人に 冬の朝のめざめ   深夜の雪
   人類の泉 人に 僕等 晩餐 樹下の二人 夜の二人 あなたはだんだんきれいになる
   あどけない話 同棲同類 風にのる智恵子 千鳥と遊ぶ智恵子 値ひがたき智恵子
   山麓の二人 レモン哀歌 荒涼たる帰宅 亡き人に 梅酒
  「智恵子抄」その後より
   元素智恵子 メトロポオル 裸形 案内 あの頃 吹雪の夜の独白
  典型
   「ブランデンブルグ」 人体飢餓 東洋的新次元 おれの詩 山荒れる 月にぬれた手
   鈍牛の言葉 典型 山菜ミヅ 山のひろば 山口部落 クロツグミ 別天地 クチバミ
   岩手の人 山からの贈物 女医になつた少女 東北の秋 大地うるはし
   暗愚小伝
    家
     土下座 ちよんまげ 郡司大尉 日清戦争 御前彫刻 建艦費 楠公銅像
    転調
     彫刻一途 パリ
    反逆
     親不孝 デカダン
    蟄居
     美に生きる おそろしい空虚
    二律背反
     協力会議 真珠湾の日 ロマン ロラン 暗愚 終戦
    炉辺
     報告(智恵子に) 山林
   回想録など
  回想録
   子供の頃 母のこと 姉のことなど 美術学校時代 智恵子の半生 智恵子の新盆
   智恵子の半生 智恵子の切抜絵
  随想
   年越し 雪解けず 開墾 早春の山の花 季節のきびしさ 夏の食事 山の雪
   山の人々 山の春 雷ぎらひ しやつくり病 三十年来の常用卓 ほくろ
  詩について
   自分と詩との関係 詩の深さ 小感 言葉の事 生きた言葉 詩人の知つた事ではない
   文語 「道程」改訂版 宮澤賢治
  芸術論
   造型小論 彫刻性について 能の彫刻美 能面の彫刻美 十大弟子 江戸の彫刻
  彫刻のことなど
   蝉の美と造型 ロダンの素描 ロダンの手記談話録 自刻木版の魅力 彫刻的なるもの
   彫刻寸言 美の健康性 芸術上の良知 永遠の感覚 普遍と独自 比例均衡
   美意識について 美の影響力
  出さずにしまつた手紙の一束
  解説 伊藤信吉
  年譜
 萩原朔太郎集  (略)
 解説 伊藤信吉

 
月報 第二十二号
  一つのこと 草野心平 高村光太郎氏 室生犀星 萩原君の詩 日夏耿之介
     萩原さんといふ人 三好達治
 朔太郎と光太郎 笹沢美明
 主要研究書目・参考文献

戦後の混乱も徐々に収まり、いわゆる「文学全集」ものが各社から刊行が相次ぐようになると、光太郎もラインナップにほぼ必ず入るようになりました。光太郎単独で一冊が編まれた場合もあり、数人で一冊の場合も多くありました。