今年も3.11が近づいてきました。思えば「あの日」から15年目の3.11ですね。

智恵子の故郷、福島県での関連イベントをご紹介します。

まずは浜通り南相馬市から。地方紙『福島民報』さん記事。

「精霊の木」3月1日 投光 福島県南相馬市の牧草地 鎮魂、再生の願い込め

000 福島県南相馬市小高区摩辰地区の牧草地に、「精霊の木」と名付けられた1本の柿の木がたたずむ。命名されてから今年で10年。「精霊の木」が知られるきっかけとなったライトアップが3月1日に行われる。
 2017(平成29)年3月、東日本大震災の犠牲者の鎮魂と被災からの再生に願いを込める「光のモニュメント」が始まった。南相馬市原町区のシンボルだった原町無線塔をサーチライトの光で再現するイベントで、市内で飲食店を営む須藤栄治さん(53)が委員長を務める。
 東京電力福島第1原発事故に伴う避難区域の設定が分かれた原町、鹿島、小高の各区を会場にして、絆を表現しようとした。小高区の会場を探していた須藤さんが、常磐自動車道を走行中、摩辰地区の整った農地を目にした。同地区は第2次世界大戦後に開拓された土地で、詩人高村光太郎の詩「開拓十周年」が刻まれた記念碑が建つ。近くの牧場には柿の木がりんとたたずみ、見る角度によってさまざまな表情をみせた。
 神秘的な姿にみせられた須藤さんは、開拓地に復興の思いを重ねた。柿の木を「精霊の木」と名付け、以来、光のモニュメント会場として投光を続けている。
 ライトアップされた幻想的な姿が広まり、写真愛好家らの人気スポットに育った。イベントも話題を呼び、会場は相双地方全域に広がった。「精霊の木の不思議な力を感じる」と須藤さんは語る。
 今年度の光のモニュメントは昨年11月から川内村で始まり、1日に精霊の木、11日に原町無線塔跡地の高見公園で締めくくられる。「これまでの10年は鎮魂と再生がメインだった。次は創造を目指したい」。須藤さんは会場となった相双地方を結ぶ物語の発信を目指している。

イベント詳細。

光のモニュメント(2025~2026)~再生と繁栄への願いを込めて~

期 日 : 2026年3月1日(日)
会 場 : 精霊の木/高村光太郎開拓十周年記念碑 福島県南相馬市小高地区
時 間 : 日没から20時頃まで
料 金 : 無料

 東日本大震災の再生と繁栄の願いを込めて、福島県相双地区各地で行われるサーチライトによるライトアップイベントです。
 11月2日から福島県川内村で始まった「光のモニュメント」は、来年3月11日まで相双地方10市町村12カ所で明かりを灯します。
 「再生と繁栄への願いを込めて」をテーマに力強い光を夜空に灯すことで、犠牲者への追悼と未来への再生、繁栄を願うととも地域に根ざした歴史や文化を再発見し、人々のつながりを深めることを目的としています。
 南相馬市では2026年1月25日に鹿島御子神社、御刀神社、3月1日に精霊の木、3月11日に高見公園で、日没から20時頃まで点灯する予定です。
追悼と未来への願いをこめて、空高くともされる光を見に訪れてみてはいかがでしょうか。
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「開拓十周年記念碑」は、光太郎最晩年の昭和30年(1955)に建てられました。小高区の金房開拓農業協同組合の発願で、中心になっていたのが平田良衛という人物。岩手盛岡で開催された岩手県開拓連盟の10周年記念式典で、同式典に寄せて作られた詩「開拓十周年」の光太郎筆跡を写した印刷物が配布されました。それを読んだ平田が感激、地元の書家にこの詩を筆写してもらって碑文としたものです。光太郎の許可を得たのかどうか微妙なところですが、数少ない光太郎生前に建てられた詩碑の一つです。

ちなみに光太郎に詩の制作を依頼したのは、岩手県開拓連盟の中心人物の一人だった藤原嘉藤治。嘉藤治は宮沢賢治の親友だった縁で、戦前の『宮沢賢治全集』編纂にも携わり、つい先週、花巻で開催されたトークイベント「光太郎と賢治 宮沢賢治全集ができるまで」で取り上げました。

この碑は2回、拝見に伺いました。1度目はもう20年以上前。2度目は東日本大震災後の平成28年(2016)。「精霊の木」が近くにあるというのですが、記憶にあるような無いような、という感じです。右下は過去の同イベントの際の「精霊の木」。幻想的ですね。
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イベント「光のモニュメント」自体は昨年11月から始まっていて、リレー形式で浜通り各地をつないでの開催とのこと。スタートが川内村の長福寺さんだったそうで、驚きました。当会の祖・草野心平ゆかりの寺院であるためです。

続いて中通り郡山市から。クローズドっぽい感じですが記録のためにも取り上げておきます。

第56回全青司ふくしま全国大会/第59回全青司定時総会

期 日 : 2026年3月6日(金)~8日(日)
会 場 : けんしん郡山文化センター 福島県郡山市堤下町1番2号
日 程 : 
 3月6日(金) エクスカーション(視察研修)
  JR 郡山駅 8:30  福島第一原子力発電所 10:30〜14:20 道の駅なみえ 14:50〜15:50
  JR 郡山駅 / 郡山おみやげ館 18:15
 3月7日(土) 第56回 全青司ふくしま全国大会・懇親会
  13:00 開会式(けんしん郡山文化センター 中ホール)
   第1部 基調講演 第2部 研究発表 第3部 パネルディスカッション
  18:15 大会終了
  19:30 懇親会
 3月8日(日) 第59回 全青司定時総会
  9:30 定時総会(けんしん郡山文化センター 中ホール)
  13:00 閉会式

大会のテーマ 『ほんとの空へ』

 今回で56回目を迎える全青司の全国大会は、福島青年司法書士会の主管により、福島県郡山市において開催されます。そして、本大会のテーマは、「ほんとの空へ」です。
 このテーマには、法律専門家を名乗る私たちが、司法書士の「本分」について、今一度見つめなおすことで、本来自分たちが進むべき道のりの「はじめの一歩」を踏み出そう、参加した方々にそう思ってもらえる大会にしたいとの福島実行委員会の思いが込められています。

 本大会では、プロボノ活動を考えるにあたり、あらゆる側面から捉えたうえで、今の青年司法書士がどのように動くべきかを提案します。そして、その提案が、参加者の司法書士人生にとって新たな未来、「ほんとの空へ」と繋がっていくことを信じています。
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「全青司」って何? と思って調べたところ、「全国青年司法書士協議会」の略だそうでした。

この時期での福島での全国大会開催ということで、『智恵子抄』所収の「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語をテーマに冠し、福島第一原子力発電所の見学も組み込まれているそうです。

もう1件、こちらも郡山から。

3.11ふくしま集会 原発事故は終わってない

期 日 : 2026年3月11日(水)
会 場 : 郡山市労働福祉会館大ホール 福島県郡山市虎丸町7-7
時 間 : 13:00~
料 金 : 無料

ほんとの空の下で語られる本当の声を聴きに来てください。

福島原発事故から15年! 廃炉は本当にできるのか! 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を許さない! 放射能汚染土・汚染水の拡散を許さない!

報告
 ・ふるさと返せ 津島原発訴訟  ・30年中間貯蔵施設地権者会
 ・放射能汚染土壌問題      ・放射能汚染水の海洋投棄を止める取り組み
 ・311子ども甲状腺がん裁判    ・さよなら柏崎刈羽原発プロジェクト

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一昨年からやはり「ほんとの空」の語を使っての開催となっています。

原発事故から15年。もはや選挙の争点にもならなくなってしまった感がありますが、未だに双葉、富岡、大熊、浪江、葛尾、飯舘、南相馬の7市町村で帰還困難区域の指定が解除されていないわけで、まさに「原発事故は終わってない」のです。それなのに各地でなし崩し的に相次ぐ原発の再稼働、それとてトラブル続きで……。暗澹たる気持にさせられます……。

本当の意味で「ほんとの空」が戻る日の到来を、強く望みます。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)57 『猛獣篇』 

昭和37年(1962)4月2日 歴程社 高村光太郎著
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目次
 清廉 
白熊 傷をなめる獅子 狂奔する牛 鯰 象の銀行 苛察 雷獣 ぼろぼろな駝鳥
 龍 よしきり鮫 マント狒狒 象 潮を吹く鯨 森のゴリラ
 「猛獣篇」について 北川太一 覚書 草野心平

光太郎七回忌記念として、当会の祖・草野心平が鉄筆を握って版下を作りました。謄写版印刷にあたったのは、当時まだ定時制高校にお勤めだった当会顧問であらせられた北川太一先生と、教え子の皆さん。250部限定での刊行でした。

連作詩「猛獣篇」を一冊にまとめる構想は大正期から既にあり、何度も刊行予告が出ましたが、結局実現せずにいました。
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「覚書」によれば、心平はどのような形で出版するか、あれやこれやといろいろ悩んだ挙げ句、結局「原点回帰」で、宮沢賢治や光太郎も同人だった大正期の同人誌『銅鑼』の昔に返り、謄写版印刷にするのが光太郎らしいと考えたとのこと。その通りですね。